JP2004266414A - フィルムスキャナ - Google Patents
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Abstract
【課題】スキャニングを行う際に光源での電力の無駄な消費を解消するフィルムスキャナを合理的に構成する。
【解決手段】光源ユニットが、複数の発光ダイオード9を主走査方向に沿って直線状に配置して成る発光ダイオードアレイを備えて構成され、スキャニングを行う際には、スキャニング設定手段がフィルムキャリアユニットに支持された写真フィルムFのサイズを取得し、このサイズが120・220サイズである場合には、全領域Yの発光ダイオードを発光させ、これ以外のサイズである場合には、中央領域Xの発光ダイオードを発光させる発光制御回路を備えた。
【選択図】 図5
【解決手段】光源ユニットが、複数の発光ダイオード9を主走査方向に沿って直線状に配置して成る発光ダイオードアレイを備えて構成され、スキャニングを行う際には、スキャニング設定手段がフィルムキャリアユニットに支持された写真フィルムFのサイズを取得し、このサイズが120・220サイズである場合には、全領域Yの発光ダイオードを発光させ、これ以外のサイズである場合には、中央領域Xの発光ダイオードを発光させる発光制御回路を備えた。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真フィルムに光線を照射する光源ユニットと、写真フィルムを副走査方向に搬送自在に支持するフィルムキャリアと、写真フィルムを透過した光線が光学レンズを介して導かれる光電変換部とを備えているフィルムスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発光ダイオードを有した光源ユニットを備えているフィルムスキャナとして、R(赤色)・G(緑色)・B(青色)及びIR(赤外)の光線を発する発光ダイオードチップを各色毎にアルミ基板上に高密度で集合させ、これらからの光線を集光レンズ、ハーフミラー、ダイクロイックミラーを介して写真フィルムに導き、写真フィルムを透過した光線をズームレンズを介してエリアセンサ型のCCDセンサに導くものが存在する。又、この従来の技術では、LEDチップ群を切り替えて発光させることにより、CCDセンサ(本発明の光電変換部)からデータを取得するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−45225号公報 (段落番号〔0038〕〜〔0060〕、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
フィルムスキャナでの写真フィルムのスキャニングを考えるに、写真フィルムは135サイズ、240サイズ、120・220サイズ、110サイズのように多種類存在し、スキャニングモードを切り換えることにより夫々の幅に対応したスキャニングを行っている。具体的には、幅が広い120サイズの写真フイルムから画像データを取得する場合には、幅が狭い135サイズの写真フィルムから画像データを取得する場合と比較して、レンズユニットの焦点距離を変更(拡大率を変更)することにより、主走査方向で取得する画素数を135サイズと略等しい数値に設定し、又、搬送速度を高めることにより1コマの画像データにおいて副走査方向で取得する画素数を135サイズと略等しい値に設定している。
【0005】
ここで異なるサイズの写真フィルムのスキャニングを行う場合の処理を考えるに、特許文献1のフィルムスキャナでは、スキャニングを行う場合に写真フィルムの幅を考慮する点は記載されていない。しかしながら、幅が狭い写真フィルムのスキャニングを行う場合に、全幅の発光ダイオードを発光させるものでは電力を無駄に消費する点において改善の余地がある。尚、特許文献1には、パノラマサイズのコマのように画素抜け部分がある場合には、その領域を遮光する点が記載されている(段落番号〔0055〕)。
【0006】
前述した電力の無駄な消費は、複数の発光ダイオードを直線状に配置し、この発光ダイオードからの光線を主走査方向に沿って直線状に照射した状態で写真フィルムを副走査方向に搬送し、この搬送と同期するタイミングで光電変換部においてライン状のデータを取得するよう構成したフィルムキャリアにおいても発生するものであり改善が望まれる。
【0007】
本発明の目的は、スキャニングを行う際の光源での電力の無駄な消費を解消し得るフィルムスキャナを合理的に構成する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
写真フィルムに光線を照射する光源ユニットと、写真フィルムを副走査方向に搬送自在に支持するフィルムキャリアと、写真フィルムを透過した光線が光学レンズを介して導かれる光電変換部とを備えているフィルムスキャナにおいて、前記光源ユニットが、主走査方向に複数の発光ダイオードを備えて構成され、前記フィルムキャリアにセットされる写真フィルムの幅を設定するスキャニング設定手段を備え、このスキャニング設定手段で設定された写真フィルムの幅に対応して前記光源ユニットの複数の発光ダイオードの発光幅を設定する発光制御部を備えている点にある。
【0009】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、スキャニング設定手段で設定された写真フィルムの幅に対応して、発光制御部が、光源ユニットの複数の発光ダイオードの発光幅を設定するので、例えば、狭い幅の写真フィルムのスキャニングを行う場合には、写真フィルムの全幅を照射するに必要な発光ダイオードだけを発光させ、他の発光ダイオードの発光を停止させることを実現する。その結果、電力を無駄に消費することがなく、熱の発生も抑制し得るフィルムスキャナが合理的に構成されたのである。
【0010】
本発明の請求項2に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載のフィルムスキャナにおいて、前記光源ユニットが、赤色光・緑色光・青色光の三原色の複数の発光ダイオードを主走査方向に配置した3種の発光ダイオードアレイを備えると共に、前記3種の発光ダイオードアレイから光線を単一の光軸上に送り出す光学系を備えて構成され、前記発光制御部は3種の発光ダイオードアレイを構成する発光ダイオードに供給する電力の制御で発光幅を調節するよう構成されている点にある。
【0011】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、赤色光・緑色光・青色光の三原色の複数の発光ダイオードアレイを備えることによりカラー画像を取得できるものでありながら、夫々の発光ダイオードアレイに供給する電力の制御によって、夫々の発光ダイオードアレイの発光幅を同時に変更するものとなる。その結果、3種の発光ダイオードアレイを備えているものであっても、電力制御と云う極めて簡単な制御形態によって発光幅の調節が可能となった。
【0012】
本発明の請求項3に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1又は2記載のフィルムスキャナにおいて、前記光源ユニットは、設定数の前記発光ダイオードを電気的に直列に接続して得られた発光単位が複数配置された発光ダイオードアレイを備え、前記発光制御部は前記発光単位で電力供給の制御を行うよう構成されている点にある。
【0013】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、発光ダイオードの設定数で構成される発光単位に対する電力の供給と停止との切り換えによって、発光単位を構成する複数の発光ダイオードの発光と発光停止とを実現するものとなり、発光させる発光単位と発光させない発光単位とを選択することにより写真フィルムの幅に対応した発光幅を得るものとなる。又、設定数の発光ダイオードを直列に接続したことにより、1つの発光単位に印加すべき電圧が必然的に高くなり、配線に流す電流値の低減を実現する。その結果、複数の発光ダイオードの管理を容易にすると同時に、配線の小容量化を実現するものとなった。特に、1つの発光ダイオードが不良となり通電しなくなった場合には1つの発光単位全てが発光しない状態に陥るので、不良の発生を容易に把握できると云う効果も奏する。
【0014】
本発明の請求項4に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナにおいて、前記スキャニング設定手段が、幅が狭い写真フィルムと比較して、幅が広い写真フィルムの場合には搬送速度を低下させ、かつ、発光ダイオードの光量を低減する処理を実行するよう構成されている点にある。
【0015】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、幅が広い写真フィルムのスキャニングを行う場合には、幅が狭い写真フィルムの場合と比較して光源の発光幅が広くなるものであるが、このように発光幅を広くした場合には、スキャニング設定手段が光源の光量を低減するので消費電力を低減できるものとなり、このように光量が低下した場合に写真フィルムの搬送速度を低下させるので、光電変換部で変換する際の光量不足を招くこともない。つまり、光電変換部にCCD( Charge Coupled Device)を備えたものを例に挙げると、光量が不足する場合でも、光線の照射時間(電荷の蓄積時間)を長くすることで必要とする濃度の画像データが得られるのである。その結果、幅が広い写真フィルムのスキャニングを行う場合にも電力を無駄に消費せず、スキャニングも適正に行い得るものとなった。
【0016】
本発明の請求項5に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナにおいて、前記スキャニング設定手段が、前記写真フィルムを設定速度で搬送しながら、その写真フィルムに対して前記発光ダイオードから設定光量の光線を照射する高速処理モードと、前記写真フィルムを前記設定速度より低速で搬送しながら、その写真フィルムに対して前記発光ダイオードから前記設定光量より低光量の光線を照射する低速処理モードとのいずれかのモードを選択できるよう構成されている点にある。
【0017】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、2つのモードのいずれか1つによってスキャニングを行えるものとなる。例を挙げると、本フィルムスキャナからの画像データが伝送されるプリンターにおいて画像データをプリントする処理速度が高速である場合には高速処理モードでスキャニングを行うことによって高い能率の処理を実現し、これとは逆に、プリンターでの処理速度が低速である場合には、低速処理モードでスキャニングを行うことによってプリンターの処理速度に対応したスキャニングを実現でき、この低速処理モードでのスキャニング時には光量を低減するので光電変換時において光電変換部に蓄積する光量を飽和させない。その結果、2つの処理速度のいずれか1つでスキャニングを行えるばかりか、低速処理モードでは、電力を無駄に消費しないものとなった。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、光源ユニットAと、フィルムキャリアとして機能するフィルムキャリアユニットBと、光学レンズとして機能するレンズユニットCと、光電変換部としての光電変換ユニットDと、制御装置Eとを備えてフィルムスキャナが構成されている。
【0019】
このフィルムスキャナは、光源ユニットAからの光線をフィルムキャリアユニットBに支持された現像済みの写真フィルムFに照射し、この写真フィルムFを透過した光線をレンズユニットCで光電変換ユニットDに導き、この光電変換ユニットDに内蔵したCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサにおいて写真フィルムFの画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したデジタル信号化した画像データとして取得すると同時に、赤外光(IR)によって写真フィルムFのゴミや傷に起因する欠陥部分をデジタル信号化して欠陥データとして取得し、更に、このように取得した画像データと欠陥データとを前記制御装置Eに備えた記憶手段に保存し、この後、この制御装置Eにおいて写真フィルムFの画像データをコマ単位で出力し、かつ、必要な場合には、欠陥データに基づいて画像データの補正を行う性能を具備するものである。
【0020】
前記光源ユニットAは、後述するように可視光で成る3原色及び赤外光を作り出すよう、複数の発光ダイオード9を主走査方向に配置して成る発光ダイオードアレイLED(後述する3種の発光ダイオードアレイの総称・図12を参照)を具備し、この発光ダイオードアレイLEDからの光線をフィルムキャリアユニットBに送り出すよう機能する。前記フィルムキャリアユニットBは、搬送モータと、搬送モータからの動力で駆動回転する圧着型の搬送ローラとを備え(図示せず)、この搬送ローラで圧着した写真フィルムFを副走査方向に往復搬送自在に支持するものであり、135サイズ、240サイズ、120・220サイズのフィルム等の複数種の写真フィルムFに対応したフィルキャリアユニットBを使用できるよう交換自在に構成されている。
【0021】
前記レンズユニットCは、フィルムキャリアユニットBに支持された写真フィルムFの画像を前記光電変換ユニットDに内蔵した前記CCD型のラインセンサの光電変換面に結像させるよう機能し、取得する画素数に対応して拡大率を変更できるようズーム型の光学レンズを備えている。前記光電変換ユニットは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のCCDラインセンサと、赤外光(IR)を感知する1ライン型のCCDラインセンサとを内蔵している。
【0022】
図面には示さないが、前記制御装置Eは、マイクロプロセッサーと、大容量のハードディスクHDや半導体メモリ等で成る記憶手段と、信号のアクセスを実現するインタフェースとを備えると共に、前記光電変換ユニットA、フィルムキャリアユニットB、レンズユニットC、光電変換ユニットDの全ての制御を実現するプログラムを備えている。このプログラムは、光源ユニットAにおける光量と温度との管理を行う処理と、写真フィルムFのスキャニング時にフィルムキャリアユニットBによる写真フィルムFの搬送を制御する処理と、写真フィルムFの種類やスキャニングの形態によりレンズユニットCのズームレンズの焦点距離の設定する処理と、光電変換ユニットDから画像データを前述のように記憶手段に保存する処理と、このように保存された画像情報に対して必要な場合に欠陥データに基づき画像データを補正する処理とを実現する。
【0023】
〔光源ユニット〕
図2〜図6に示すように、前記光源ユニットAは樹脂成形品で成る上部ケース10と、アルミニウム合金で成る下部ケース20とを備えている。上部ケース10には、平坦な上部テーブル部11と、この上部テーブル部11の下面側に突出するボックス部12とを一体形成した構造であり、更に、上部テーブル部11の下面に対して樹脂製のカバー13を備えている。前記下部ケース20は底壁部21と側壁部22とを一体形成し、これら底壁部21と側壁部22との外面に放熱体として複数のフィン23を一体的に形成している。又、この光源ユニットAはフィン23に対して冷却風を供給する一対のファン24を備えている。
【0024】
前記上部ケース10の上部テーブル部11には上方に向けて光線を照射するよう主走査方向に沿う姿勢で設定幅の開口11Aを形成し、この開口11Aの内部にシリンドリカル型(トロイダル型でも良い)の集光レンズ30を備え、この集光レンズ30の下方位置に出退するNDフィルター31を配置してある。このNDフィルター31は集光レンズ30の下方に配置される状態と、前記カバー13の内部に収納される状態とにスライド移動自在に支持され、前記カバー13に備えた電磁ソレノイド型の電動アクチュエータ14からの駆動力で作動するクランク機構15と連係している。尚、このNDフィルター31は光電変換ユニットDのCCDの調整時に主集光レンズ30の下方位置に配置することにより光源ユニットAからの光線の光量を減じ前記光電変換ユニットDを適正な光量で調整する。
【0025】
更に、前記ボックス部12の内部には、図4に示すように前記集光レンズ30の光軸Lの延長上の下方位置にダイクロイック型の第1ミラーM1と、シリンドリカル型の第1レンズLe1を備え、第1ミラーM1の側部位置にダイクロイック型の第2ミラーM2を備え、この第2ミラーM2の反射側に光線を導くシリンドリカル型の第2レンズLe2を備え、この第2ミラーM2の透過側に光線を導くシリンドリカル型の第3レンズLe3を備えている。
【0026】
前記下部ケース20の底壁部21に対して、チップ状の複数の緑色の発光ダイオード9を主走査方向に直線状に配置して成る緑色の発光ダイオードアレイG−LEDと、チップ状の複数の青色の発光ダイオード9を主走査方向に直線状に配置して成る青色の発光ダイオードアレイB−LEDとを形成した第1基板P1を備え、又、下部ケース20の側壁部22に対して第1赤色、第2赤色、赤外光の発光ダイオード9を、この順序で主走査方向に直線状に配置して成る発光ダイオードアレイR1・R2・IR−LEDを形成した第2基板P2を備えている。
【0027】
そして、下部ケース20に対して上部ケース10を重ね合わせる形態で組み合わせることにより、図4に示す如く、前記第1レンズLe1の焦点位置に前記緑色の発光ダイオードアレイG−LEDが配置され、前記第2レンズLe2の焦点位置に青色の発光ダイオードアレイB−LEDが配置され、前記第3レンズLe3の焦点位置に前記第1赤色、第2赤色、赤外光の発光ダイオードアレイR1・R2・IR−LEDが配置される。
【0028】
尚、前記緑色の発光ダイオード9の波長は400〜480nm、青色の発光ダイオード9の波長は520〜560nm、第1赤色の光の発光ダイオード9と第2赤色光の発光ダイオード9とを合わせた波長は620〜750nm、赤外光の発光ダイオード9の波長は830〜950nmのものが使用されている。前記第1ミラーM1は緑色の発光ダイオード9からの波長(400〜480nm)の光線を透過させ、これ以外の波長の光線を反射させる性能のものを使用し、前記第2ミラーM2は第1赤色と第2赤色光と赤外光と発光ダイオード9からの波長(620〜750nm及び830〜950nm)の光線を透過させ、青色の発光ダイオード9からの光線(520〜560nm)を反射させる性能のものを使用している。
【0029】
この構成により、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDからの光線は第1レンズLe1で平行光線化された状態で第1ミラーM1を透過して集光レンズ30に導かれ、青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線は第2レンズLe2で平行光線化された状態で第2ミラーM2で反射した後、第1ミラーM1で更に反射されることにより集光レンズ30に導かれ、第1赤色、第2赤色、赤外光の発光ダイオードアレイR1・R2・IR−LEDからの光線は第3レンズLe3で平行光線化された状態で第2ミラーM2を透過した後、第1ミラーM1で反射することで集光レンズ30に導かれる。そして、これらの光線は集光レンズ30によりフィルムキャリアユニットBにおける写真フィルムFのスキャニングライン上に集光する。
【0030】
前述のように基板P(第1基板P1、第2基板P2の総称)に形成した発光ダイオードアレイLED(前述した3種の発光ダイオードアレイの総称)に対応するレンズLe(前述した3種のレンズの総称)の焦点位置を決めるために、前記上部ケース10のボックス部12には位置決め用のピン17を突設し、レンズLeに接当する位置決め面18を形成してある。又、ボックス部12において前記底壁面21、側壁面22に対向する部位に基板Pと接当する基準面19を形成してある。前記第1レンズLe1、第2レンズLe2、第3レンズLe3の夫々の両端部には、前記位置決め面18に接当する支持片33を一体形成すると共に、前記ピン17が係合するピン孔部34と固定用のビス35が貫通するビス孔部36を形成している。前記集光レンズ30を上部ケース10に支持する構造は位置決め用のピン17を用いない点を除き、レンズLeをボックス部12に支持する構造と等しく、集光レンズ30の両端部に形成した支持片33に形成してビス孔部36に対して挿通するビス35を上部ケース10に螺合させることになる。
【0031】
前記第1基板P1には前記ピン17が係合するピン孔部40を形成してあり、この第1基板P1は底壁部21に対してビス41により固定され、第2基板P2は側壁部22に対してビス41により位置決め状態で固定される。尚、下部ケース20の底壁部21、側壁部22に対して基板P1、P2を支持する際に、フィン23に対して熱的に接続するため底壁部21、側壁部22と対応する基板P1、P2の面との間にシリコングリスを塗布している。
【0032】
この構成により、ボックス部12に対して第1、第2、第3レンズLe1、Le2、Le3を支持する際には、レンズ端部の支持片33のピン孔部34にピン17を挿通した状態でビス孔部36に挿通したビス35の締め付けにより夫々のレンズLe1、Le2、Le3をボックス部12に対して精度高く支持する。この後に、上部ケース10と下部ケース20とを重ね合わせる形態で連結することにより、ボックス部12の底面側に形成したピン17が対応する底壁部21に支持された第1基板P1のピン孔部40に係入して第1基板P1との相対位置が決まると同時に、上部ケース10に対する下部ケース20の相対位置が決まり、その結果、第3レンズLe3と第2基板P2との相対的な位置も決まる。
【0033】
〔基板〕
次に、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備えた部位を例に挙げて基板Pの詳細を説明する。
【0034】
図7〜図10に示すように基板Pに対して前述したチップ状の発光ダイオード9を主走査方向に沿って直線状に配置し、この発光ダイオード9の形成方向に沿って複数のチップ抵抗器CRを備える。このチップ抵抗器CRは等しい抵抗値で、等しいサイズのものが使用され、このチップ抵抗器CRに通電した際に発生する熱を基板Pに伝え、この基板Pからの熱を発光ダイオード9に伝えることで、複数の発光ダイオード9を最適な温度に維持できるものにする。
【0035】
具体的に説明すると、前記基板Pは、熱伝導率が高いアルミニウム製の基材45の表面に対してセラミック材料で成る絶縁層46を形成し、この上面に対して銅箔や金箔で成るプリント配線Wを形成し、このプリント配線Wの上面に絶縁性の樹脂で成るレジスト膜47を形成したものである(図10を参照)。更に、この基板Pには矩形の枠体51と一体形成して反射体52を発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)と並行する姿勢で、発光ダイオード9の近傍位置に固定している。尚、前記基材45としてアルミニウム以外に、銅板や金属合金を使用することが可能である。又、前記反射体52は、発光ダイオード9と対向する側に対して傾斜姿勢の反射面52aを形成し、この反射面52aで発光ダイオード9からの光線を基板Pと直交する方向に反射させるよう機能するものであり、前記枠体51と反射体52とは耐熱性に優れた液晶性ポリマーによって形成されている。
【0036】
プリント配線Wは発光ダイオード9に電力を供給する発光配線部53と、チップ抵抗器CRに電力を供給する加熱配線部54と、チップ状のサーミスタSに電圧を印加する計測配線部55とを形成している。前記発光ダイオードアレイG−LEDは、7つのチップ状の発光ダイオード9を電気的に直列に接続したものを1発光単位U(図11を参照)として、複数単位備えたものであり、夫々の発光ダイオード9を支持する部位に対応してプリント配線と同じ素材で複数の支持部56を形成してある。
【0037】
前記発光配線部53には、発光ダイオード9の1発光単位Uに電力を供給する電力端子53aと、発光ダイオード9の配列方向に沿って独立して形成された中継端子53bとを形成している。前記加熱配線部54には、チップ抵抗器CRの両端の電極CRaとハンダ60により接続する端子54aを形成している。又、計測配線部55には、サーミスタSの両端の電極Saにハンダ60により接続する端子55aを形成している。
【0038】
図5、図11及び図12に示すように、光源ユニットAでは主走査方向での発光ダイオードアレイLEDの長さが120・220サイズの写真フィルムFの全幅に対して充分な光量の光線を供給し得る値に形成され、夫々の発光ダイオードアレイLEDについて、135サイズ又は240サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での中央領域Xのみの発光ダイオード9を発光させるモードと、120・220サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での全領域Yの発光ダイオードを発光させるモードとの切り換えを実現するよう構成してある(モードについては後述する)。具体的には、主走査方向での中央領域Xに対応する複数の発光単位Uと、これより外側に位置する複数の発光単位Uとに対して独立して電力を供給する電力配線53C、53Sとを形成し、中央領域Xの発光ダイオード9を発光させる場合には電力配線53Cに対して電力を供給し、全領域Yの発光ダイオード9を発光させる場合には2つの電力配線53C、53S夫々に対して電力を供給する。
【0039】
この構成により以下の工程に従って基板Pが製造される。つまり、前述のようにプリント配線W、レジスト膜47が形成された基板Pを、前記ピン孔部40を介して位置決め状態で実装用のテーブル等に支持した後に、枠体51と共に反射体52を基板Pに接着固定し、チップ状の発光ダイオード9をダイボンディングにより基板Pの支持部56に対して設定された間隔で直線状に支持固定する。
【0040】
次に、チップ状の発光ダイオード9のパッド部と前記電力端子53aとの間、及び、発光ダイオード9のパッド部と中継端子53bとの間にボンディング配線61を形成し、加熱配線部54の端子54aの間にチップ抵抗器CRを配置し、前記端子54aとチップ抵抗器CRの電極CRaとをハンダ60で固定し、更に、計測配線部55の端子55aの間にサーミスタSを配置し、前記端子55aとサーミスタSの電極Saとをハンダ60で固定している。このサーミスタSは発光ダイオード9の近傍位置に配置されている。
【0041】
前述のように基板Pに対して枠体51を固定する工程と、基板Pに対してチップ状の発光ダイオード9をダイボンディングにより固定する工程の順序は逆であっても良く、これらの工程、及び、チップ状の発光ダイオード9と電力端子53aの電力端子53aと中継端子53bとの間にボンディング配線61を形成する工程とがピン孔部40を基準にして行われるので、高い精度を実現するものとなっている。尚、ボンディング配線61を形成する際には、CCD等を用いた画像処理により電力端子53aと中継端子53bの位置を特定する処理を行われるものであるが、ピン孔部40を利用することでダイボンディング及びワイヤボンディングの性能が更に向上し、位置を特定する時間を短縮できるのである。
【0042】
光源ユニットAでは、図5に示すように、主走査方向での発光ダイオードアレイLEDの長さが120・220サイズの写真フィルムFの全幅に対して充分な光量の光線を供給し得る値に形成され、又、フィルムキャリアユニットBを交換してサイズが異なるフィルムFがセットされる場合には、そのフィルムFの幅方向での中央位置Cenが、発光ダイオードアレイLEDの主走査方向での中央位置Cenと一致するよう位置関係が設定されている。そして、この光源ユニットAでは、120・220サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での全領域Yの発光ダイオード9を発光させるモードと、135サイズ又は240サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での中央領域Xのみを発光させるモードとの切り換えを実現するよう構成してある。具体的には、図11に示すように主走査方向での中央領域Xに対応する複数の発光単位Uと、これより外側に位置する複数の発光単位Uとに対して独立して電力を供給する電力配線53C、53Sとを形成し、中央領域の発光ダイオード9を発光させる場合には電力配線53Cに対して電力を供給し、全ての発光ダイオード9を発光させる場合には2つの電力配線53C、53S夫々に対して電力を供給する。
【0043】
前記モードの実現と、基板Pの温度制御の実現のための制御系が図12のように構成されている。つまり、前記制御装置Eに対して、前記2つの電力配線53C、53S夫々に対して電力を供給する発光制御部としての発光制御回路LCと、前記チップ抵抗器CRとに対して電力を供給する発熱制御回路HCと、前記ファン24のモータ24Mを制御するファン制御回路FCとに対して制御信号を出力する系を形成し、前記サーミスタSからの信号を変換する変換回路TCからの信号を制御装置Eにフィードバックする信号系を形成している。この制御装置Eはプログラムで成るスキャニング設定手段Kからのプログラムを実行するよう構成されている。
【0044】
前記発光制御回路LCと前記発熱制御回路HCとは、PWM式の電力制御回路を備えており、デューティ比の設定により設定された電力を供給する状態と、電力を遮断する状態とに切り換え自在に構成され、前記ファン制御回路FCはファン24のモータ24Mに対して電力を供給する状態と遮断する状態とに切り換えるよう電力トランジスタやリレーを備えて構成され、前記変換回路TCはサーミスタSからの電圧信号をデジタル信号に変換して出力するよう入力側が高インピーダンスの増幅器とA/D変換器とを備えて構成されている。
【0045】
〔制御装置での制御〕
前記制御装置Eは、上記した制御対象のほかに前記NDフィルタ31を制御する前記電動アクチュエータ14や、前記フィルムキャリアユニットBやレンズユニットCの制御を実現するようマイクロプロセッサーと、制御信号のアクセスを実現するインタフェースを備え、更に、前記フィルムキャリアユニットBにセットされた写真フィルムFの画像データの取得を実現するプログラムがセットされている。特に、本発明の制御装置Eでは、写真フィルムFのスキャニングを行う場合に、前記スキャニング設定手段Kとして、以下に説明するスキャニング設定ルーチンを実行することにより、写真フィルムFの幅(サイズ)に基づいて発光ダイオードアレイLEDの発光領域を自動的に切り換えると共に、写真フィルムFに適したスキャニングを実現する。
【0046】
又、前記制御装置Eは、フィルムスキャナ本体にセットされたフィルムキャリアユニットBの種類を判別すること、あるいは、フィルムキャリアユニットBからの判別信号に基づいて、そのフィルムキャリアユニットBにセットされている写真フィルムFのサイズを取得するよう構成され、又、このフィルムキャリアユニットBの搬送モータを制御することにより、支持された写真フィルムFの搬送速度を任意に設定できるよう構成されている。更に、この制御装置Eは、本フィルムスキャナからの画像データが送られる写真プリント装置等において印画紙等に画像データのプリントを行う際のプリントサイズのデータを取得し、このプリントサイズのデータと写真フィルムFのサイズとに基づいて、必要とする画素数を得るためのレンズユニットCの焦点距離を算出し、このレンズユニットCの焦点距離を、前述のように算出した値に設定する制御を行うものとなっている。
【0047】
図13のフローチャートに示すように、制御を開始すると、制御装置Eが前記フィルムキャリアユニットBに対してセットされた写真フィルムFを取得し、サイズが120あるいは220サイズである場合には(#01、#02ステップ)、図5に示す発光ダイオードアレイLEDの全領域Yを発光させるよう、全ての発光ダイオード9を(全ての発光単位Uを)給電対象にセットし、供給電力値をLowにセットし、目標搬送速度をLowにセットし、レンズユニットCの焦点距離をフィルムサイズと必要とする画素数に対応した値にセットする(#03〜#06ステップ)。
【0048】
又、写真フィルムFのサイズが120あるいは220サイズでない場合には、135サイズや240サイズ、あるいは、110サイズであると判断して、図5に示す中央領域Xの発光ダイオード9を給電対象にセットし、供給電力値をMaxにセットし、目標搬送速度をHiにセットし、レンズユニットCの焦点距離をフィルムサイズと必要とする画素数に対応した値にセットする処理が実行される(#07〜#10ステップ)。
【0049】
このスキャニング設定ルーチンが実行されることにより、スキャニング時には、このルーチンでセットされた給電対象に対して、このルーチンでセットされた電力が供給され、更に、このルーチンでセットされた目標速度で写真フィルムFの搬送を行うことにより、必要とする画素数の画像データを取得するのである。尚、発光ダイオードアレイLEDの中央領域Xの発光ダイオード9だけを発光させる場合には前記発光制御回路LCから前記電力配線53Cだけに電力が供給され、全領域Yの発光ダイオード9を発光させる場合には前記発光制御回路LCから前記2つの電力配線53C、53Sとに対して電力が供給される。
【0050】
特にフローチャートには示さないが、スキャニング時には前記チップ抵抗器CRの全てに電力を供給する状態を継続し、前記サーミスタSで計測される基板温度が、高温側の閾値(45.5℃)を越えた時点でファン24の駆動を開始し(既にファン24が駆動状態にある場合には駆動を継続し)、この駆動の後、サーミスタSで計測される基板の温度が低温側の閾値(44.5℃)を下回った時点でファン24の駆動を停止する(既にファン24が停止状態にある場合には停止状態を継続する)温度制御が実行される。
【0051】
このようにフィルムスキャナが構成されているので、狭い幅の写真フィルムFのスキャニング時に、全ての発光ダイオード9を発光させるものと比較して電力の無駄な消費をなくし熱の発生を抑制するものとなる。そして、複数の(7つ)の発光ダイオード9を電気的に直列に接続して1つの発光単位Uとし、この発光単位Uを複数個並列に備えて発光ダイオードアレイLEDを構成しているので、発光配線部53に印加する電圧を高くし、流れる電流値の低減を可能にして配線の小容量化を実現している。又、発光単位Uを形成しているので、1つの発光ダイオードが不良となり通電しなくなった場合には1つの発光単位Uの全てが発光しない状態に陥るので、不良の発生を容易に把握できるものにしている。更に、幅が広い写真フィルムFのスキャニングを行う場合には、狭い幅の写真フィルムFの場合と比較して発光幅が広くなるものであるが、光量を低減するので消費電力の増大を抑制するものとなり、このように光量が低下した場合にも、写真フィルムFの搬送速度を低下させるので、光電変換ユニットDで変換する際の光量不足を招くこともない。
【0052】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0053】
つまり、3種類以上の幅が異なる写真フィルムFに対応して3種類以上の幅に対応した数の発光ダイオード9を発光させるよう電力供給系を構成することも可能である。このように発光幅を調節する場合、実施の形態に記載したように複数の発光ダイオード9を1つの発光単位Uとすることに代えて、1つの発光ダイオード9を発光制御の単位に設定するものであっても良い。
【0054】
又、フィルムキャリアユニットBでは、異なる幅の写真フィルムFであっても、常に、光源ユニットAから送られる光線の主走査方向での中央位置Cenを、夫々の写真フィルムFの幅方向での中央位置Cenに設定してあったが、光源ユニットBから送られる光線の主走査方向での一方の端部に、写真フィルムFの端部を一致させるようフィルムキャリアユニットBを構成し、光源ユニットAの発光幅を調節する場合には、この一方の端部側を基準にして発光幅を調節するよう光源ユニットAを構成することも可能である。
【0055】
フィルムスキャナに備えたスキャニング設定手段Kが、写真フィルムFを設定速度で搬送しながら、その写真フィルムFに対して前記発光ダイオード9から設定光量の光線を照射する高速処理モードと、前記写真フィルムFを前記設定速度より低速で搬送しながら、その写真フィルムFに対して前記発光ダイオード9から前記設定光量より低光量の光線を照射する低速処理モードとの2つのモードを選択できるよう構成する。この2つの処理モードは、発光幅が広い場合でも、発光幅が狭い幅でも適用できるものであり、例えば、このフィルムスキャナから画像データが伝送される写真プリンター等の画像出力装置の処理能力が高い場合には、画像出力装置から信号に基づいて高速処理モードを選択し、画像処理装置の処理能力が低い場合、あるいは、画像の出力処理に比較的長い時間を必要とする場合のように、このフィルムスキャナから連続して画像データを受け取れない場合には、画像出力装置からの信号に基づいて低速処理モードを選択するよう前記スキャニング設定手段を構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムスキャナの全体斜視図
【図2】光源ユニットの分解斜視図
【図3】上部ケースに対するレンズの支持構造を示す斜視図
【図4】光源ユニットの縦断正面図
【図5】発光ダイオードアレイと写真フィルムとの位置関係を示す光源ユニットの断面図
【図6】電動アクチュエータとNDフィルタとの連係を示す一部切り欠き側面図
【図7】基板の一部を示す平面図
【図8】基板の実装部品の配置を示す斜視図
【図9】基板と実装部品とを示す分解斜視図
【図10】発光ダイオードの支持部を示す基板の断面図
【図11】発光ダイオードアレイの発光領域を示す回路図
【図12】光源ユニットの制御系を示すブロック回路図
【図13】スキャニング設定ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
9 発光ダイオード
A 光源ユニット
B フィルムキャリア
C 光学レンズ
D 光電変換部
F 写真フィルム
K スキャニング設定手段
LC 発光制御部
LED 発光ダイオードアレイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真フィルムに光線を照射する光源ユニットと、写真フィルムを副走査方向に搬送自在に支持するフィルムキャリアと、写真フィルムを透過した光線が光学レンズを介して導かれる光電変換部とを備えているフィルムスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発光ダイオードを有した光源ユニットを備えているフィルムスキャナとして、R(赤色)・G(緑色)・B(青色)及びIR(赤外)の光線を発する発光ダイオードチップを各色毎にアルミ基板上に高密度で集合させ、これらからの光線を集光レンズ、ハーフミラー、ダイクロイックミラーを介して写真フィルムに導き、写真フィルムを透過した光線をズームレンズを介してエリアセンサ型のCCDセンサに導くものが存在する。又、この従来の技術では、LEDチップ群を切り替えて発光させることにより、CCDセンサ(本発明の光電変換部)からデータを取得するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−45225号公報 (段落番号〔0038〕〜〔0060〕、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
フィルムスキャナでの写真フィルムのスキャニングを考えるに、写真フィルムは135サイズ、240サイズ、120・220サイズ、110サイズのように多種類存在し、スキャニングモードを切り換えることにより夫々の幅に対応したスキャニングを行っている。具体的には、幅が広い120サイズの写真フイルムから画像データを取得する場合には、幅が狭い135サイズの写真フィルムから画像データを取得する場合と比較して、レンズユニットの焦点距離を変更(拡大率を変更)することにより、主走査方向で取得する画素数を135サイズと略等しい数値に設定し、又、搬送速度を高めることにより1コマの画像データにおいて副走査方向で取得する画素数を135サイズと略等しい値に設定している。
【0005】
ここで異なるサイズの写真フィルムのスキャニングを行う場合の処理を考えるに、特許文献1のフィルムスキャナでは、スキャニングを行う場合に写真フィルムの幅を考慮する点は記載されていない。しかしながら、幅が狭い写真フィルムのスキャニングを行う場合に、全幅の発光ダイオードを発光させるものでは電力を無駄に消費する点において改善の余地がある。尚、特許文献1には、パノラマサイズのコマのように画素抜け部分がある場合には、その領域を遮光する点が記載されている(段落番号〔0055〕)。
【0006】
前述した電力の無駄な消費は、複数の発光ダイオードを直線状に配置し、この発光ダイオードからの光線を主走査方向に沿って直線状に照射した状態で写真フィルムを副走査方向に搬送し、この搬送と同期するタイミングで光電変換部においてライン状のデータを取得するよう構成したフィルムキャリアにおいても発生するものであり改善が望まれる。
【0007】
本発明の目的は、スキャニングを行う際の光源での電力の無駄な消費を解消し得るフィルムスキャナを合理的に構成する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
写真フィルムに光線を照射する光源ユニットと、写真フィルムを副走査方向に搬送自在に支持するフィルムキャリアと、写真フィルムを透過した光線が光学レンズを介して導かれる光電変換部とを備えているフィルムスキャナにおいて、前記光源ユニットが、主走査方向に複数の発光ダイオードを備えて構成され、前記フィルムキャリアにセットされる写真フィルムの幅を設定するスキャニング設定手段を備え、このスキャニング設定手段で設定された写真フィルムの幅に対応して前記光源ユニットの複数の発光ダイオードの発光幅を設定する発光制御部を備えている点にある。
【0009】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、スキャニング設定手段で設定された写真フィルムの幅に対応して、発光制御部が、光源ユニットの複数の発光ダイオードの発光幅を設定するので、例えば、狭い幅の写真フィルムのスキャニングを行う場合には、写真フィルムの全幅を照射するに必要な発光ダイオードだけを発光させ、他の発光ダイオードの発光を停止させることを実現する。その結果、電力を無駄に消費することがなく、熱の発生も抑制し得るフィルムスキャナが合理的に構成されたのである。
【0010】
本発明の請求項2に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載のフィルムスキャナにおいて、前記光源ユニットが、赤色光・緑色光・青色光の三原色の複数の発光ダイオードを主走査方向に配置した3種の発光ダイオードアレイを備えると共に、前記3種の発光ダイオードアレイから光線を単一の光軸上に送り出す光学系を備えて構成され、前記発光制御部は3種の発光ダイオードアレイを構成する発光ダイオードに供給する電力の制御で発光幅を調節するよう構成されている点にある。
【0011】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、赤色光・緑色光・青色光の三原色の複数の発光ダイオードアレイを備えることによりカラー画像を取得できるものでありながら、夫々の発光ダイオードアレイに供給する電力の制御によって、夫々の発光ダイオードアレイの発光幅を同時に変更するものとなる。その結果、3種の発光ダイオードアレイを備えているものであっても、電力制御と云う極めて簡単な制御形態によって発光幅の調節が可能となった。
【0012】
本発明の請求項3に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1又は2記載のフィルムスキャナにおいて、前記光源ユニットは、設定数の前記発光ダイオードを電気的に直列に接続して得られた発光単位が複数配置された発光ダイオードアレイを備え、前記発光制御部は前記発光単位で電力供給の制御を行うよう構成されている点にある。
【0013】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、発光ダイオードの設定数で構成される発光単位に対する電力の供給と停止との切り換えによって、発光単位を構成する複数の発光ダイオードの発光と発光停止とを実現するものとなり、発光させる発光単位と発光させない発光単位とを選択することにより写真フィルムの幅に対応した発光幅を得るものとなる。又、設定数の発光ダイオードを直列に接続したことにより、1つの発光単位に印加すべき電圧が必然的に高くなり、配線に流す電流値の低減を実現する。その結果、複数の発光ダイオードの管理を容易にすると同時に、配線の小容量化を実現するものとなった。特に、1つの発光ダイオードが不良となり通電しなくなった場合には1つの発光単位全てが発光しない状態に陥るので、不良の発生を容易に把握できると云う効果も奏する。
【0014】
本発明の請求項4に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナにおいて、前記スキャニング設定手段が、幅が狭い写真フィルムと比較して、幅が広い写真フィルムの場合には搬送速度を低下させ、かつ、発光ダイオードの光量を低減する処理を実行するよう構成されている点にある。
【0015】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、幅が広い写真フィルムのスキャニングを行う場合には、幅が狭い写真フィルムの場合と比較して光源の発光幅が広くなるものであるが、このように発光幅を広くした場合には、スキャニング設定手段が光源の光量を低減するので消費電力を低減できるものとなり、このように光量が低下した場合に写真フィルムの搬送速度を低下させるので、光電変換部で変換する際の光量不足を招くこともない。つまり、光電変換部にCCD( Charge Coupled Device)を備えたものを例に挙げると、光量が不足する場合でも、光線の照射時間(電荷の蓄積時間)を長くすることで必要とする濃度の画像データが得られるのである。その結果、幅が広い写真フィルムのスキャニングを行う場合にも電力を無駄に消費せず、スキャニングも適正に行い得るものとなった。
【0016】
本発明の請求項5に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナにおいて、前記スキャニング設定手段が、前記写真フィルムを設定速度で搬送しながら、その写真フィルムに対して前記発光ダイオードから設定光量の光線を照射する高速処理モードと、前記写真フィルムを前記設定速度より低速で搬送しながら、その写真フィルムに対して前記発光ダイオードから前記設定光量より低光量の光線を照射する低速処理モードとのいずれかのモードを選択できるよう構成されている点にある。
【0017】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、2つのモードのいずれか1つによってスキャニングを行えるものとなる。例を挙げると、本フィルムスキャナからの画像データが伝送されるプリンターにおいて画像データをプリントする処理速度が高速である場合には高速処理モードでスキャニングを行うことによって高い能率の処理を実現し、これとは逆に、プリンターでの処理速度が低速である場合には、低速処理モードでスキャニングを行うことによってプリンターの処理速度に対応したスキャニングを実現でき、この低速処理モードでのスキャニング時には光量を低減するので光電変換時において光電変換部に蓄積する光量を飽和させない。その結果、2つの処理速度のいずれか1つでスキャニングを行えるばかりか、低速処理モードでは、電力を無駄に消費しないものとなった。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、光源ユニットAと、フィルムキャリアとして機能するフィルムキャリアユニットBと、光学レンズとして機能するレンズユニットCと、光電変換部としての光電変換ユニットDと、制御装置Eとを備えてフィルムスキャナが構成されている。
【0019】
このフィルムスキャナは、光源ユニットAからの光線をフィルムキャリアユニットBに支持された現像済みの写真フィルムFに照射し、この写真フィルムFを透過した光線をレンズユニットCで光電変換ユニットDに導き、この光電変換ユニットDに内蔵したCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサにおいて写真フィルムFの画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したデジタル信号化した画像データとして取得すると同時に、赤外光(IR)によって写真フィルムFのゴミや傷に起因する欠陥部分をデジタル信号化して欠陥データとして取得し、更に、このように取得した画像データと欠陥データとを前記制御装置Eに備えた記憶手段に保存し、この後、この制御装置Eにおいて写真フィルムFの画像データをコマ単位で出力し、かつ、必要な場合には、欠陥データに基づいて画像データの補正を行う性能を具備するものである。
【0020】
前記光源ユニットAは、後述するように可視光で成る3原色及び赤外光を作り出すよう、複数の発光ダイオード9を主走査方向に配置して成る発光ダイオードアレイLED(後述する3種の発光ダイオードアレイの総称・図12を参照)を具備し、この発光ダイオードアレイLEDからの光線をフィルムキャリアユニットBに送り出すよう機能する。前記フィルムキャリアユニットBは、搬送モータと、搬送モータからの動力で駆動回転する圧着型の搬送ローラとを備え(図示せず)、この搬送ローラで圧着した写真フィルムFを副走査方向に往復搬送自在に支持するものであり、135サイズ、240サイズ、120・220サイズのフィルム等の複数種の写真フィルムFに対応したフィルキャリアユニットBを使用できるよう交換自在に構成されている。
【0021】
前記レンズユニットCは、フィルムキャリアユニットBに支持された写真フィルムFの画像を前記光電変換ユニットDに内蔵した前記CCD型のラインセンサの光電変換面に結像させるよう機能し、取得する画素数に対応して拡大率を変更できるようズーム型の光学レンズを備えている。前記光電変換ユニットは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のCCDラインセンサと、赤外光(IR)を感知する1ライン型のCCDラインセンサとを内蔵している。
【0022】
図面には示さないが、前記制御装置Eは、マイクロプロセッサーと、大容量のハードディスクHDや半導体メモリ等で成る記憶手段と、信号のアクセスを実現するインタフェースとを備えると共に、前記光電変換ユニットA、フィルムキャリアユニットB、レンズユニットC、光電変換ユニットDの全ての制御を実現するプログラムを備えている。このプログラムは、光源ユニットAにおける光量と温度との管理を行う処理と、写真フィルムFのスキャニング時にフィルムキャリアユニットBによる写真フィルムFの搬送を制御する処理と、写真フィルムFの種類やスキャニングの形態によりレンズユニットCのズームレンズの焦点距離の設定する処理と、光電変換ユニットDから画像データを前述のように記憶手段に保存する処理と、このように保存された画像情報に対して必要な場合に欠陥データに基づき画像データを補正する処理とを実現する。
【0023】
〔光源ユニット〕
図2〜図6に示すように、前記光源ユニットAは樹脂成形品で成る上部ケース10と、アルミニウム合金で成る下部ケース20とを備えている。上部ケース10には、平坦な上部テーブル部11と、この上部テーブル部11の下面側に突出するボックス部12とを一体形成した構造であり、更に、上部テーブル部11の下面に対して樹脂製のカバー13を備えている。前記下部ケース20は底壁部21と側壁部22とを一体形成し、これら底壁部21と側壁部22との外面に放熱体として複数のフィン23を一体的に形成している。又、この光源ユニットAはフィン23に対して冷却風を供給する一対のファン24を備えている。
【0024】
前記上部ケース10の上部テーブル部11には上方に向けて光線を照射するよう主走査方向に沿う姿勢で設定幅の開口11Aを形成し、この開口11Aの内部にシリンドリカル型(トロイダル型でも良い)の集光レンズ30を備え、この集光レンズ30の下方位置に出退するNDフィルター31を配置してある。このNDフィルター31は集光レンズ30の下方に配置される状態と、前記カバー13の内部に収納される状態とにスライド移動自在に支持され、前記カバー13に備えた電磁ソレノイド型の電動アクチュエータ14からの駆動力で作動するクランク機構15と連係している。尚、このNDフィルター31は光電変換ユニットDのCCDの調整時に主集光レンズ30の下方位置に配置することにより光源ユニットAからの光線の光量を減じ前記光電変換ユニットDを適正な光量で調整する。
【0025】
更に、前記ボックス部12の内部には、図4に示すように前記集光レンズ30の光軸Lの延長上の下方位置にダイクロイック型の第1ミラーM1と、シリンドリカル型の第1レンズLe1を備え、第1ミラーM1の側部位置にダイクロイック型の第2ミラーM2を備え、この第2ミラーM2の反射側に光線を導くシリンドリカル型の第2レンズLe2を備え、この第2ミラーM2の透過側に光線を導くシリンドリカル型の第3レンズLe3を備えている。
【0026】
前記下部ケース20の底壁部21に対して、チップ状の複数の緑色の発光ダイオード9を主走査方向に直線状に配置して成る緑色の発光ダイオードアレイG−LEDと、チップ状の複数の青色の発光ダイオード9を主走査方向に直線状に配置して成る青色の発光ダイオードアレイB−LEDとを形成した第1基板P1を備え、又、下部ケース20の側壁部22に対して第1赤色、第2赤色、赤外光の発光ダイオード9を、この順序で主走査方向に直線状に配置して成る発光ダイオードアレイR1・R2・IR−LEDを形成した第2基板P2を備えている。
【0027】
そして、下部ケース20に対して上部ケース10を重ね合わせる形態で組み合わせることにより、図4に示す如く、前記第1レンズLe1の焦点位置に前記緑色の発光ダイオードアレイG−LEDが配置され、前記第2レンズLe2の焦点位置に青色の発光ダイオードアレイB−LEDが配置され、前記第3レンズLe3の焦点位置に前記第1赤色、第2赤色、赤外光の発光ダイオードアレイR1・R2・IR−LEDが配置される。
【0028】
尚、前記緑色の発光ダイオード9の波長は400〜480nm、青色の発光ダイオード9の波長は520〜560nm、第1赤色の光の発光ダイオード9と第2赤色光の発光ダイオード9とを合わせた波長は620〜750nm、赤外光の発光ダイオード9の波長は830〜950nmのものが使用されている。前記第1ミラーM1は緑色の発光ダイオード9からの波長(400〜480nm)の光線を透過させ、これ以外の波長の光線を反射させる性能のものを使用し、前記第2ミラーM2は第1赤色と第2赤色光と赤外光と発光ダイオード9からの波長(620〜750nm及び830〜950nm)の光線を透過させ、青色の発光ダイオード9からの光線(520〜560nm)を反射させる性能のものを使用している。
【0029】
この構成により、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDからの光線は第1レンズLe1で平行光線化された状態で第1ミラーM1を透過して集光レンズ30に導かれ、青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線は第2レンズLe2で平行光線化された状態で第2ミラーM2で反射した後、第1ミラーM1で更に反射されることにより集光レンズ30に導かれ、第1赤色、第2赤色、赤外光の発光ダイオードアレイR1・R2・IR−LEDからの光線は第3レンズLe3で平行光線化された状態で第2ミラーM2を透過した後、第1ミラーM1で反射することで集光レンズ30に導かれる。そして、これらの光線は集光レンズ30によりフィルムキャリアユニットBにおける写真フィルムFのスキャニングライン上に集光する。
【0030】
前述のように基板P(第1基板P1、第2基板P2の総称)に形成した発光ダイオードアレイLED(前述した3種の発光ダイオードアレイの総称)に対応するレンズLe(前述した3種のレンズの総称)の焦点位置を決めるために、前記上部ケース10のボックス部12には位置決め用のピン17を突設し、レンズLeに接当する位置決め面18を形成してある。又、ボックス部12において前記底壁面21、側壁面22に対向する部位に基板Pと接当する基準面19を形成してある。前記第1レンズLe1、第2レンズLe2、第3レンズLe3の夫々の両端部には、前記位置決め面18に接当する支持片33を一体形成すると共に、前記ピン17が係合するピン孔部34と固定用のビス35が貫通するビス孔部36を形成している。前記集光レンズ30を上部ケース10に支持する構造は位置決め用のピン17を用いない点を除き、レンズLeをボックス部12に支持する構造と等しく、集光レンズ30の両端部に形成した支持片33に形成してビス孔部36に対して挿通するビス35を上部ケース10に螺合させることになる。
【0031】
前記第1基板P1には前記ピン17が係合するピン孔部40を形成してあり、この第1基板P1は底壁部21に対してビス41により固定され、第2基板P2は側壁部22に対してビス41により位置決め状態で固定される。尚、下部ケース20の底壁部21、側壁部22に対して基板P1、P2を支持する際に、フィン23に対して熱的に接続するため底壁部21、側壁部22と対応する基板P1、P2の面との間にシリコングリスを塗布している。
【0032】
この構成により、ボックス部12に対して第1、第2、第3レンズLe1、Le2、Le3を支持する際には、レンズ端部の支持片33のピン孔部34にピン17を挿通した状態でビス孔部36に挿通したビス35の締め付けにより夫々のレンズLe1、Le2、Le3をボックス部12に対して精度高く支持する。この後に、上部ケース10と下部ケース20とを重ね合わせる形態で連結することにより、ボックス部12の底面側に形成したピン17が対応する底壁部21に支持された第1基板P1のピン孔部40に係入して第1基板P1との相対位置が決まると同時に、上部ケース10に対する下部ケース20の相対位置が決まり、その結果、第3レンズLe3と第2基板P2との相対的な位置も決まる。
【0033】
〔基板〕
次に、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備えた部位を例に挙げて基板Pの詳細を説明する。
【0034】
図7〜図10に示すように基板Pに対して前述したチップ状の発光ダイオード9を主走査方向に沿って直線状に配置し、この発光ダイオード9の形成方向に沿って複数のチップ抵抗器CRを備える。このチップ抵抗器CRは等しい抵抗値で、等しいサイズのものが使用され、このチップ抵抗器CRに通電した際に発生する熱を基板Pに伝え、この基板Pからの熱を発光ダイオード9に伝えることで、複数の発光ダイオード9を最適な温度に維持できるものにする。
【0035】
具体的に説明すると、前記基板Pは、熱伝導率が高いアルミニウム製の基材45の表面に対してセラミック材料で成る絶縁層46を形成し、この上面に対して銅箔や金箔で成るプリント配線Wを形成し、このプリント配線Wの上面に絶縁性の樹脂で成るレジスト膜47を形成したものである(図10を参照)。更に、この基板Pには矩形の枠体51と一体形成して反射体52を発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)と並行する姿勢で、発光ダイオード9の近傍位置に固定している。尚、前記基材45としてアルミニウム以外に、銅板や金属合金を使用することが可能である。又、前記反射体52は、発光ダイオード9と対向する側に対して傾斜姿勢の反射面52aを形成し、この反射面52aで発光ダイオード9からの光線を基板Pと直交する方向に反射させるよう機能するものであり、前記枠体51と反射体52とは耐熱性に優れた液晶性ポリマーによって形成されている。
【0036】
プリント配線Wは発光ダイオード9に電力を供給する発光配線部53と、チップ抵抗器CRに電力を供給する加熱配線部54と、チップ状のサーミスタSに電圧を印加する計測配線部55とを形成している。前記発光ダイオードアレイG−LEDは、7つのチップ状の発光ダイオード9を電気的に直列に接続したものを1発光単位U(図11を参照)として、複数単位備えたものであり、夫々の発光ダイオード9を支持する部位に対応してプリント配線と同じ素材で複数の支持部56を形成してある。
【0037】
前記発光配線部53には、発光ダイオード9の1発光単位Uに電力を供給する電力端子53aと、発光ダイオード9の配列方向に沿って独立して形成された中継端子53bとを形成している。前記加熱配線部54には、チップ抵抗器CRの両端の電極CRaとハンダ60により接続する端子54aを形成している。又、計測配線部55には、サーミスタSの両端の電極Saにハンダ60により接続する端子55aを形成している。
【0038】
図5、図11及び図12に示すように、光源ユニットAでは主走査方向での発光ダイオードアレイLEDの長さが120・220サイズの写真フィルムFの全幅に対して充分な光量の光線を供給し得る値に形成され、夫々の発光ダイオードアレイLEDについて、135サイズ又は240サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での中央領域Xのみの発光ダイオード9を発光させるモードと、120・220サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での全領域Yの発光ダイオードを発光させるモードとの切り換えを実現するよう構成してある(モードについては後述する)。具体的には、主走査方向での中央領域Xに対応する複数の発光単位Uと、これより外側に位置する複数の発光単位Uとに対して独立して電力を供給する電力配線53C、53Sとを形成し、中央領域Xの発光ダイオード9を発光させる場合には電力配線53Cに対して電力を供給し、全領域Yの発光ダイオード9を発光させる場合には2つの電力配線53C、53S夫々に対して電力を供給する。
【0039】
この構成により以下の工程に従って基板Pが製造される。つまり、前述のようにプリント配線W、レジスト膜47が形成された基板Pを、前記ピン孔部40を介して位置決め状態で実装用のテーブル等に支持した後に、枠体51と共に反射体52を基板Pに接着固定し、チップ状の発光ダイオード9をダイボンディングにより基板Pの支持部56に対して設定された間隔で直線状に支持固定する。
【0040】
次に、チップ状の発光ダイオード9のパッド部と前記電力端子53aとの間、及び、発光ダイオード9のパッド部と中継端子53bとの間にボンディング配線61を形成し、加熱配線部54の端子54aの間にチップ抵抗器CRを配置し、前記端子54aとチップ抵抗器CRの電極CRaとをハンダ60で固定し、更に、計測配線部55の端子55aの間にサーミスタSを配置し、前記端子55aとサーミスタSの電極Saとをハンダ60で固定している。このサーミスタSは発光ダイオード9の近傍位置に配置されている。
【0041】
前述のように基板Pに対して枠体51を固定する工程と、基板Pに対してチップ状の発光ダイオード9をダイボンディングにより固定する工程の順序は逆であっても良く、これらの工程、及び、チップ状の発光ダイオード9と電力端子53aの電力端子53aと中継端子53bとの間にボンディング配線61を形成する工程とがピン孔部40を基準にして行われるので、高い精度を実現するものとなっている。尚、ボンディング配線61を形成する際には、CCD等を用いた画像処理により電力端子53aと中継端子53bの位置を特定する処理を行われるものであるが、ピン孔部40を利用することでダイボンディング及びワイヤボンディングの性能が更に向上し、位置を特定する時間を短縮できるのである。
【0042】
光源ユニットAでは、図5に示すように、主走査方向での発光ダイオードアレイLEDの長さが120・220サイズの写真フィルムFの全幅に対して充分な光量の光線を供給し得る値に形成され、又、フィルムキャリアユニットBを交換してサイズが異なるフィルムFがセットされる場合には、そのフィルムFの幅方向での中央位置Cenが、発光ダイオードアレイLEDの主走査方向での中央位置Cenと一致するよう位置関係が設定されている。そして、この光源ユニットAでは、120・220サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での全領域Yの発光ダイオード9を発光させるモードと、135サイズ又は240サイズの写真フィルムFの幅に対応して主走査方向での中央領域Xのみを発光させるモードとの切り換えを実現するよう構成してある。具体的には、図11に示すように主走査方向での中央領域Xに対応する複数の発光単位Uと、これより外側に位置する複数の発光単位Uとに対して独立して電力を供給する電力配線53C、53Sとを形成し、中央領域の発光ダイオード9を発光させる場合には電力配線53Cに対して電力を供給し、全ての発光ダイオード9を発光させる場合には2つの電力配線53C、53S夫々に対して電力を供給する。
【0043】
前記モードの実現と、基板Pの温度制御の実現のための制御系が図12のように構成されている。つまり、前記制御装置Eに対して、前記2つの電力配線53C、53S夫々に対して電力を供給する発光制御部としての発光制御回路LCと、前記チップ抵抗器CRとに対して電力を供給する発熱制御回路HCと、前記ファン24のモータ24Mを制御するファン制御回路FCとに対して制御信号を出力する系を形成し、前記サーミスタSからの信号を変換する変換回路TCからの信号を制御装置Eにフィードバックする信号系を形成している。この制御装置Eはプログラムで成るスキャニング設定手段Kからのプログラムを実行するよう構成されている。
【0044】
前記発光制御回路LCと前記発熱制御回路HCとは、PWM式の電力制御回路を備えており、デューティ比の設定により設定された電力を供給する状態と、電力を遮断する状態とに切り換え自在に構成され、前記ファン制御回路FCはファン24のモータ24Mに対して電力を供給する状態と遮断する状態とに切り換えるよう電力トランジスタやリレーを備えて構成され、前記変換回路TCはサーミスタSからの電圧信号をデジタル信号に変換して出力するよう入力側が高インピーダンスの増幅器とA/D変換器とを備えて構成されている。
【0045】
〔制御装置での制御〕
前記制御装置Eは、上記した制御対象のほかに前記NDフィルタ31を制御する前記電動アクチュエータ14や、前記フィルムキャリアユニットBやレンズユニットCの制御を実現するようマイクロプロセッサーと、制御信号のアクセスを実現するインタフェースを備え、更に、前記フィルムキャリアユニットBにセットされた写真フィルムFの画像データの取得を実現するプログラムがセットされている。特に、本発明の制御装置Eでは、写真フィルムFのスキャニングを行う場合に、前記スキャニング設定手段Kとして、以下に説明するスキャニング設定ルーチンを実行することにより、写真フィルムFの幅(サイズ)に基づいて発光ダイオードアレイLEDの発光領域を自動的に切り換えると共に、写真フィルムFに適したスキャニングを実現する。
【0046】
又、前記制御装置Eは、フィルムスキャナ本体にセットされたフィルムキャリアユニットBの種類を判別すること、あるいは、フィルムキャリアユニットBからの判別信号に基づいて、そのフィルムキャリアユニットBにセットされている写真フィルムFのサイズを取得するよう構成され、又、このフィルムキャリアユニットBの搬送モータを制御することにより、支持された写真フィルムFの搬送速度を任意に設定できるよう構成されている。更に、この制御装置Eは、本フィルムスキャナからの画像データが送られる写真プリント装置等において印画紙等に画像データのプリントを行う際のプリントサイズのデータを取得し、このプリントサイズのデータと写真フィルムFのサイズとに基づいて、必要とする画素数を得るためのレンズユニットCの焦点距離を算出し、このレンズユニットCの焦点距離を、前述のように算出した値に設定する制御を行うものとなっている。
【0047】
図13のフローチャートに示すように、制御を開始すると、制御装置Eが前記フィルムキャリアユニットBに対してセットされた写真フィルムFを取得し、サイズが120あるいは220サイズである場合には(#01、#02ステップ)、図5に示す発光ダイオードアレイLEDの全領域Yを発光させるよう、全ての発光ダイオード9を(全ての発光単位Uを)給電対象にセットし、供給電力値をLowにセットし、目標搬送速度をLowにセットし、レンズユニットCの焦点距離をフィルムサイズと必要とする画素数に対応した値にセットする(#03〜#06ステップ)。
【0048】
又、写真フィルムFのサイズが120あるいは220サイズでない場合には、135サイズや240サイズ、あるいは、110サイズであると判断して、図5に示す中央領域Xの発光ダイオード9を給電対象にセットし、供給電力値をMaxにセットし、目標搬送速度をHiにセットし、レンズユニットCの焦点距離をフィルムサイズと必要とする画素数に対応した値にセットする処理が実行される(#07〜#10ステップ)。
【0049】
このスキャニング設定ルーチンが実行されることにより、スキャニング時には、このルーチンでセットされた給電対象に対して、このルーチンでセットされた電力が供給され、更に、このルーチンでセットされた目標速度で写真フィルムFの搬送を行うことにより、必要とする画素数の画像データを取得するのである。尚、発光ダイオードアレイLEDの中央領域Xの発光ダイオード9だけを発光させる場合には前記発光制御回路LCから前記電力配線53Cだけに電力が供給され、全領域Yの発光ダイオード9を発光させる場合には前記発光制御回路LCから前記2つの電力配線53C、53Sとに対して電力が供給される。
【0050】
特にフローチャートには示さないが、スキャニング時には前記チップ抵抗器CRの全てに電力を供給する状態を継続し、前記サーミスタSで計測される基板温度が、高温側の閾値(45.5℃)を越えた時点でファン24の駆動を開始し(既にファン24が駆動状態にある場合には駆動を継続し)、この駆動の後、サーミスタSで計測される基板の温度が低温側の閾値(44.5℃)を下回った時点でファン24の駆動を停止する(既にファン24が停止状態にある場合には停止状態を継続する)温度制御が実行される。
【0051】
このようにフィルムスキャナが構成されているので、狭い幅の写真フィルムFのスキャニング時に、全ての発光ダイオード9を発光させるものと比較して電力の無駄な消費をなくし熱の発生を抑制するものとなる。そして、複数の(7つ)の発光ダイオード9を電気的に直列に接続して1つの発光単位Uとし、この発光単位Uを複数個並列に備えて発光ダイオードアレイLEDを構成しているので、発光配線部53に印加する電圧を高くし、流れる電流値の低減を可能にして配線の小容量化を実現している。又、発光単位Uを形成しているので、1つの発光ダイオードが不良となり通電しなくなった場合には1つの発光単位Uの全てが発光しない状態に陥るので、不良の発生を容易に把握できるものにしている。更に、幅が広い写真フィルムFのスキャニングを行う場合には、狭い幅の写真フィルムFの場合と比較して発光幅が広くなるものであるが、光量を低減するので消費電力の増大を抑制するものとなり、このように光量が低下した場合にも、写真フィルムFの搬送速度を低下させるので、光電変換ユニットDで変換する際の光量不足を招くこともない。
【0052】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0053】
つまり、3種類以上の幅が異なる写真フィルムFに対応して3種類以上の幅に対応した数の発光ダイオード9を発光させるよう電力供給系を構成することも可能である。このように発光幅を調節する場合、実施の形態に記載したように複数の発光ダイオード9を1つの発光単位Uとすることに代えて、1つの発光ダイオード9を発光制御の単位に設定するものであっても良い。
【0054】
又、フィルムキャリアユニットBでは、異なる幅の写真フィルムFであっても、常に、光源ユニットAから送られる光線の主走査方向での中央位置Cenを、夫々の写真フィルムFの幅方向での中央位置Cenに設定してあったが、光源ユニットBから送られる光線の主走査方向での一方の端部に、写真フィルムFの端部を一致させるようフィルムキャリアユニットBを構成し、光源ユニットAの発光幅を調節する場合には、この一方の端部側を基準にして発光幅を調節するよう光源ユニットAを構成することも可能である。
【0055】
フィルムスキャナに備えたスキャニング設定手段Kが、写真フィルムFを設定速度で搬送しながら、その写真フィルムFに対して前記発光ダイオード9から設定光量の光線を照射する高速処理モードと、前記写真フィルムFを前記設定速度より低速で搬送しながら、その写真フィルムFに対して前記発光ダイオード9から前記設定光量より低光量の光線を照射する低速処理モードとの2つのモードを選択できるよう構成する。この2つの処理モードは、発光幅が広い場合でも、発光幅が狭い幅でも適用できるものであり、例えば、このフィルムスキャナから画像データが伝送される写真プリンター等の画像出力装置の処理能力が高い場合には、画像出力装置から信号に基づいて高速処理モードを選択し、画像処理装置の処理能力が低い場合、あるいは、画像の出力処理に比較的長い時間を必要とする場合のように、このフィルムスキャナから連続して画像データを受け取れない場合には、画像出力装置からの信号に基づいて低速処理モードを選択するよう前記スキャニング設定手段を構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムスキャナの全体斜視図
【図2】光源ユニットの分解斜視図
【図3】上部ケースに対するレンズの支持構造を示す斜視図
【図4】光源ユニットの縦断正面図
【図5】発光ダイオードアレイと写真フィルムとの位置関係を示す光源ユニットの断面図
【図6】電動アクチュエータとNDフィルタとの連係を示す一部切り欠き側面図
【図7】基板の一部を示す平面図
【図8】基板の実装部品の配置を示す斜視図
【図9】基板と実装部品とを示す分解斜視図
【図10】発光ダイオードの支持部を示す基板の断面図
【図11】発光ダイオードアレイの発光領域を示す回路図
【図12】光源ユニットの制御系を示すブロック回路図
【図13】スキャニング設定ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
9 発光ダイオード
A 光源ユニット
B フィルムキャリア
C 光学レンズ
D 光電変換部
F 写真フィルム
K スキャニング設定手段
LC 発光制御部
LED 発光ダイオードアレイ
Claims (5)
- 写真フィルムに光線を照射する光源ユニットと、写真フィルムを副走査方向に搬送自在に支持するフィルムキャリアと、写真フィルムを透過した光線が光学レンズを介して導かれる光電変換部とを備えているフィルムスキャナであって、
前記光源ユニットが、主走査方向に複数の発光ダイオードを備えて構成され、前記フィルムキャリアにセットされる写真フィルムの幅を設定するスキャニング設定手段を備え、このスキャニング設定手段で設定された写真フィルムの幅に対応して前記光源ユニットの複数の発光ダイオードの発光幅を設定する発光制御部を備えているフィルムスキャナ。 - 前記光源ユニットが、赤色光・緑色光・青色光の三原色の複数の発光ダイオードを主走査方向に配置した3種の発光ダイオードアレイを備えると共に、前記3種の発光ダイオードアレイから光線を単一の光軸上に送り出す光学系を備えて構成され、前記発光制御部は3種の発光ダイオードアレイを構成する発光ダイオードに供給する電力の制御で発光幅を調節するよう構成されている請求項1記載のフィルムスキャナ。
- 前記光源ユニットは、設定数の前記発光ダイオードを電気的に直列に接続して得られた発光単位が複数配置された発光ダイオードアレイを備え、前記発光制御部は前記発光単位で電力供給の制御を行うよう構成されている請求項1又は2記載のフィルムスキャナ。
- 前記スキャニング設定手段が、幅が狭い写真フィルムと比較して、幅が広い写真フィルムの場合には搬送速度を低下させ、かつ、発光ダイオードの光量を低減する処理を実行するよう構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナ。
- 前記スキャニング設定手段が、前記写真フィルムを設定速度で搬送しながら、その写真フィルムに対して前記発光ダイオードから設定光量の光線を照射する高速処理モードと、前記写真フィルムを前記設定速度より低速で搬送しながら、その写真フィルムに対して前記発光ダイオードから前記設定光量より低光量の光線を照射する低速処理モードとのいずれかのモードを選択できるよう構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナ。
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- 2003-02-28 JP JP2003052636A patent/JP2004266414A/ja active Pending
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