JP2004267218A - 牛床マット - Google Patents

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Abstract

【課題】 乳牛の脚に対する滑り防止効果を有すると共に、乳牛が座臥や横臥の状態から起立するのが負担とならない牛床マットを提供する。
【解決手段】 牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有する牛床マット1の表面に、牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面である、牛床マット1の長手方向と平行な溝条21を設けるとともに、牛床マット1の前記表面を、前後方向に、前記マットの前端cが後端dよりも高くなるように傾斜させた平面とした。
【選択図】 図2

Description

この発明は、牛床マットに関する。
乳牛と言えば、広い牧場でゆったりと草を食むというイメージが浮かぶが、それはごく一部の場合で、日本では国土が狭いことも有り、ほとんどの乳牛は、牛舎の中で1頭分のスペースを与えられ、起立、座臥あるいは横臥の動作しかできない状況で飼育されている。この起立、座臥あるいは横臥の動作中に脚を滑らせると、関節炎や脱臼等の疾病となり、最悪の場合は死廃されてしまう。また、死廃に至らないまでも、これらの疾病がもとでトラウマとなり、起立状態のままあるいは横臥状態のままで他の動作をしなくなる結果、乳量の減少に繋がるケースが多く発生している。
また、乳牛は、正常な状態では、1日の50パーセントを10から15回に分けて起立、座臥動作を行なっており、このような状態を維持するためにも、乳牛の脚の滑り防止や衝撃防止を図る必要がある。そこで、牛床における乳牛の脚の滑り防止や衝撃防止として、ゴム製マットが使われている。このゴム製マットとしては、マットの表面に複数条の溝を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−203792号公報(図1−3)
しかしながら、特許文献1に開示されているゴムマットは、その表面に複数条の溝が設けられているのみであり、その他の工夫はなされていない。また、上述の通り、乳牛は、正常な状態では、1日の50パーセントを10から15回に分けて起立、座臥や横臥動作を行なっているが、運動不足になりがちな乳牛にとっては、特に、座臥や横臥の状態から起立するのが負担となっている。
そこでこの発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであって、乳牛の脚に対する滑り防止効果を有すると共に、乳牛が座臥や横臥の状態から起立するのが負担とならない牛床マットを提供しようとするものである。
発明者は、乳牛の行動態様を観察した結果、次のことが判明した。乳牛の体重配分及び骨格の構造上、座臥状態から起立動作をする場合、前脚に体重をかけ、後脚で立ち上がる際に、後脚が外側方向に滑りやすい傾向がある。また、乳牛の体内で乳がつくられるのは乳牛が横臥状態のときであり、この横臥時にストレスがかからないようにすることが重要である。そこで、牛床マットを用いた場合、牛床マットの表面の凸凹が大きいと、乳牛の体を圧迫してうっ血状態となりストレスの原因となることから、横臥時に乳牛の体が触れる牛床マットの表面の凹凸は、できるだけ小さいのが望ましい。また、乳牛は横臥の際、ストレスを解消させるべく、頭部位置を高くできる姿勢をとる本能を有している。
そこで、この発明は、これらの点に注目してなされたものであって、牛床マットの表面を、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜させて、座臥や横臥の状態から起立する際の負担減少や、乳牛がその頭部位置を高くできる姿勢をとりやすいようにさせることをも狙ったものである。
また、この発明では、乳牛が座臥や横臥の状態から起立する際には、後脚より前脚に強い力が加わること、あるいは、起立から座臥する際には、前脚の膝に後脚よりも強い力が加わることに対しても配慮している。
本発明に係る牛床マットは、牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有するマットの表面に、牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を設けるとともに、マットの表面を、前後方向に、マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面としたことを特徴としている。
ここで、上記牛床マットの形状を、前後方向を長手方向とする長方形とするとともに、前後方向と平行する突条又は溝条を並設して滑り規制面を形成すると好ましい。
本発明に係る牛床マットによれば、牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有するマットの表面に、前記牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を設けるとともに、前記マットの前記表面を、前後方向に、前記マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面としたので、乳牛が、座臥や横臥の状態から起立する際の負担を減少させることができ、座臥や横臥の状態から起立する際のストレスを解消することができる。また、乳牛が本能的に有している横臥の際の頭部位置を高くできる姿勢を、とりやすいようにさせることができ、乳牛のストレス解消を図ることができる。
また、前記マットの形状を、前記前後方向を長手方向とする長方形とするとともに、前記前後方向と平行する突条又は溝条を並設して前記滑り規制面を形成すると、前記突条又は溝条に溜まったごみを、前記突条又は溝条に沿わせて排除することができるので、牛床マットの表面の清掃を容易に行なうことができる。
次に、本発明の実施の形態につき、図面に基づき詳しく説明する。本実施の形態で説明する牛床マットは、乳牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さで仕切られた牛舎内の牛床に敷いて使用されるマットである。図1は本発明の実施の形態の牛床マットの平面図、図2はそのI−I断面図、図3はそのII−II断面図、そして図4はその背面図である。この牛床マット1は前後方向が長手方向の長方形のシート状で、その大きさは、長手方向を縦として、縦1800mm(図1のa)、横1200mm(図1のb)であり、乳牛1頭が、頭を前にして、起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有している。
この牛床マット1の表面は、図2に示すように、前後方向に、その前端が後端よりも高くなるように傾斜している。即ち、牛床マットの表面を、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜させている。この傾斜は、実施状況から1.8%〜2.0%が好都合のようである。本実施の形態では、この牛床マット1の厚さは、前端で70mm(図2のc)、後端で40mm(図2のd)である。
また、この牛床マット1は、表面層2と裏面層3とで構成され、裏面層3の方が、表面層2よりも厚く形成されている。本実施の形態では、表面層2の厚さは、20mm(図2のe)である。このように、表面層2と裏面層3の2層で牛床マット1を構成することにより、牛床マット1に、表面層2と裏面層3とがそれぞれ有する、異なる2つの性質を備えさせることができる。例えば、表面層2には、乳牛の脚による踏接に充分耐える強度を備えさせ、裏面層3には、脚の踏接による脚の受ける衝撃を和らげる性質を備えさせる等である。この場合、裏面層3の方が、表面層2よりも厚く形成されているので、裏面層3の性質を十分発揮させることができる。牛舎内では、この牛床マット1を、その前後方向と乳牛の前後方向とが一致するように、牛床に敷いて使用する。
上記の牛床マットの表面層2の表面には、乳牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を形成するため、図1に示すように、乳牛の前後方向と、即ち、この牛床マットの長手方向と平行な溝条21が並設されている。この溝条21の深さは、図3に示すように、牛床マット1の表面エリアの内で、座臥あるいは横臥に使用されるエリアである座臥・横臥エリア31(図1の点線の内側)と、そうでない周辺エリア(図1の点線の外側)とで異なっている。周辺エリアの溝条21aの深さは、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さよりも深く形成されており、これらの深さは、周辺エリアの溝条21aで10mm、座臥・横臥エリア31の溝条21bで5mmである。
この牛床マット1の裏面層3は、使用済みのゴムタイヤを3〜7mmのチップ状に粉砕したサイズの異なるゴムチップを調合、加圧して形成されている。その硬度は、概ね、40から60であるが、本実施の形態の牛床マット1では、部位によってことなる硬度としている。即ち、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分が、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態に成るようにしている。具体的には、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分は硬度45前後とし、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分は硬度55前後としている。この硬度の調節は、サイズの異なるゴムチップの組み合わせや加圧力を調整することにより行なうことができる。また、この裏面層3の表面には、直径が50mmの半球状の凹部22が設けられている。
上記の牛床マット1には、上述したように、その表面に、乳牛の前後方向と平行な直線状の溝条21が並設されている。この溝条21は、座臥あるいは横臥に使用される座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さが、座臥・横臥エリア31以外の、座臥あるいは横臥に使用されないエリアである周辺エリアの溝条21aの深さよりも浅くなるように形成されている。逆にいえば、周辺エリアの溝条21aの深さが、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さよりも深くなるように形成されている。従って、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さが浅いことから、乳牛の体を圧迫して、ストレスの原因となるうっ血状態となることを防ぐことができる。
また、前述したように、乳牛の体重配分及び骨格の構造上、座臥状態から起立動作をする場合、前脚に体重をかけ、後脚で立ち上がる際に、後脚が外側方向に滑りやすい傾向がある。そこで、この牛床マット1を牛床に用いることにより、乳牛が座臥状態から起立動作をする場合に、後脚が滑り出した場合、座臥・横臥エリア31に浅い溝条21bが設けられているので、このエリアでも滑り防止効果があるが、さらに滑って、後脚が周辺エリアへ至ったときは、そのエリアでは、溝条21aの深さが座臥・横臥エリア31よりも深いので、大きな滑り防止効果があり、後脚の滑りを確実に食い止めることができる。従って、後脚が滑ることから生じる前述した乳牛に関する弊害を防止することができる。
また、マット表面にこの溝条21が設けられていることで、溝条21に溜まったごみを、この溝条21に沿わせて排除することができるので、牛床マット1の表面の清掃を容易に行なうことができる。
また、この牛床マット1は、前後方向に、牛床マット1の表面がその前端が後端よりも高くなるように傾斜している。即ち、牛床マットの表面が、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜されている。従って、この牛床マット1を使用することにより、乳牛の座臥や横臥の状態から起立する際の負担を減少させることができ、乳牛の座臥や横臥の状態から起立する際のストレスを解消させることができる。また、乳牛が本能的に有している、横臥の際の頭部位置を高くできる姿勢をとりやすいようにさせることができ、乳牛のストレス解消を図ることができる。
また、前述したように、乳牛の行動態様として、乳牛が座臥から起立する際には、後脚より前脚に強い力が加わることや、起立から座臥する際には、前脚の膝に後脚よりも強い力が加わる。そこで、このような状況に対処するために、本実施の形態の牛床マット1では、両前脚が踏接する表面層2の部分と対応する裏面層3の部分を、両後脚が踏接する表面層2の部分と対応する裏面層3の部分よりも、柔らかい状態で形成しており、裏面層3の表面には、半球状の凹部22を設けていることと相俟って、牛床マット1を用いることにより、乳牛の前脚やその膝に加わる衝撃を、的確に和らげることができる。
また、裏面層3の表面に設けられた半球状の凹部22により、牛床マット1をコンクリート製等の牛床に敷いて使用する際等に、牛床マット1が牛床上で滑るのを防止することができる。
上記本実施の形態の牛床マットでは、(A)溝条を用いて形成された滑り規制面において、周辺エリアの溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアの溝条の深さよりも深くした構造、(B)マットの表面を、前後方向に、マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面とした構造のいずれも備えている。しかし、このように上記の構成要素を、必ずしも全て使用する必要はなく、牛床マットが使用される環境に合わせて、これらの構造を選択して牛床マットを製作するようにしてもよい。
上記本実施の形態の牛床マットでは、マット形状が長方形であるが、これには限られず、楕円形等、乳牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有する形状であれば、いかなる形状でもよい。また、前端縁が直線でない場合に、前脚保護部を用いる場合は、前脚保護部の形状を前端縁の形状に適合するようにすればよい。また、滑り規制面の形成に、平行に並設した複数の溝条を用いているが、溝条に代えて突条であってもよく、あるいは、滑り止め効果を有するものであれば、いかなるものでもよい。
上記の説明では、牛床マットを使用する牛としては、乳牛を対象として説明したが、これに限られず、肉牛等、家畜として飼育される牛であれば、いかなる種類のものでも対象とすることができる。また、使用環境によっては、他の家畜に用いるようにしてもよい。
本発明の実施の形態の牛床マットの平面図である。 図1のI−I断面図である。 図1のII−II断面図である。 本発明の実施の形態の牛床マットの背面図である。
符号の説明
1 牛床マット
2 表面層
3 裏面層
21 溝条
21a 深い溝条
21b 浅い溝条
22 凹部
31 座臥・横臥エリア

Claims (2)

  1. 牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有するマットの表面に、前記牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を設けるとともに、前記マットの前記表面を、前後方向に、前記マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面としたことを特徴とする牛床マット。
  2. 前記マットの形状を、前記前後方向を長手方向とする長方形とするとともに、前記前後方向と平行する突条または溝条を並設して前記滑り規制面を形成した請求項1記載の牛床マット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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