JP2004268100A - コールドボックス中子の造型方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コールドボックス法により造型される砂型中子の、ヤニの原因物質を効率的に除去し、かつ、強度および寸法の経時的変化を少なくする。
【解決手段】固定金型1および可動金型2を加熱して型締めし、(a)に示すように、コールドボックスバインダーを混合した砂4を、充填口3から、加熱した金型1、2のキャビティに充填し、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させる。次に(b)に示すように、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を金型1、2のキャビティ内に充填した砂4内に吹込む。その後に(c)に示すように、加熱気体6を金型内に吹込む。そして、砂4に混合したコールドボックスバインダーの硬化反応を、砂4の全体にわたり促進させて、砂型中子7を造型する。コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を、金型1、2内で促進させ、金型1、2の外部へと速やかに除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】固定金型1および可動金型2を加熱して型締めし、(a)に示すように、コールドボックスバインダーを混合した砂4を、充填口3から、加熱した金型1、2のキャビティに充填し、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させる。次に(b)に示すように、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を金型1、2のキャビティ内に充填した砂4内に吹込む。その後に(c)に示すように、加熱気体6を金型内に吹込む。そして、砂4に混合したコールドボックスバインダーの硬化反応を、砂4の全体にわたり促進させて、砂型中子7を造型する。コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を、金型1、2内で促進させ、金型1、2の外部へと速やかに除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コールドボックス法により造型する鋳造用中子およびその造型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型の砂型中子を造型するための方法として、コールドボックス法が用いられている。このコールドボックス法は、鋳造用砂型中子の硬化を、常温における化学反応や、触媒ガスを用いた硬化反応によって行う方法である。コールドボックス法は、鋳砂を硬化させるにあたり「加熱」を必須条件としないことから、省エネルギーの造型方法として広く普及している。また、従来から、コールドボックス法においても、硬化反応を促進させる目的で、造型金型から中子を取出す前に、造型金型を加熱する手法が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−290189号公報(〔0001〕、〔0025〕)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のコールドボックス法には、次のような欠点があった。まず、コールドボックス法に用いられる、フェノール樹脂を主とするバインダー(以下、本説明では「コールドボックスバインダー」という。)は、中子を鋳造に用いる際にヤニを発生させる原因物質を多く含むのである。また、コールドボックスバインダーの溶剤にも、ヤニの原因となる低沸点物質を多く含んでいる。このため、鋳造金型にヤニが付着してガス抜きを閉塞させたり、溶湯中へのヤニの混入等、ガス鋳造欠陥を多発させる要因となっていた。
また、コールドボックス法による砂型中子は、図6に示すように、造型後の強度および寸法が、時間経過により大きく変化するといった問題があった。これは、コールドボックスバインダーを硬化させるための触媒として用いられるトリエチルアミン(以下、本説明では「コールドボックスバインダー硬化用触媒」という。)の結合反応が、砂型中子を離型する時点では十分でなく、離型後に結合反応が進行することが原因となっていた。したがって、従来のコールドボックス法で造型した砂型中子は、乾燥炉で乾燥させ、低沸点成分を除去すると共に、強度および寸法を安定させた後に、鋳造工程に用いる必要があり、省エネルギー化というコールドボックス法の長所を減殺するものとなっていた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コールドボックス法により造型される砂型中子の、ヤニの原因物質を効率的に除去し、ガス鋳造欠陥を防止することにある。また、コールドボックス法の長所である省エネルギー化を促進し、かつ、コールドボックス法により得られた砂型中子の、強度および寸法の経時的変化を少なくすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係るコールドボックス中子の造型方法は、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填し、コールドボックスバインダー硬化用触媒を金型内に吹込み、前記コールドボックスバインダー硬化用触媒を砂全体に拡散するための気体を金型内に吹込む各工程を有するコールドボックス中子の造型方法であって、前記砂を金型に充填する工程において金型を加熱し、前記気体を吹込む工程において気体を加熱することを特徴とするものである。
本発明によれば、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填する時点で、金型の熱によってコールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させる。続いて、コールドボックスバインダー硬化用触媒を金型内に吹込み、さらに、加熱気体を金型内に吹込むことで、コールドボックスバインダー硬化用触媒の砂全体への拡散を行うと共に、コールドボックスバインダーを加熱することによる硬化反応の促進を図る。しかも、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させて、加熱流体と共に砂型中子から金型外部へと、低沸点成分を速やかに除去することができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るコールドボックス中子の造型方法は、請求項1記載のコールドボックス中子の造型方法において、前記金型の加熱温度および気体の加熱温度を前記硬化用触媒の沸点以上としたものである。
本発明によれば、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填する時点で、金型の熱によってコールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分を効率的に揮発させることができる。また、気体を金型内に吹込む際に、気体を前記硬化用触媒の沸点以上へと加熱することにより、コールドボックスバインダーの溶剤中の、低沸点成分の揮発を効率的に行うことができる。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るコールドボックス中子の造型方法は、請求項2記載のコールドボックス中子の造型方法において、前記金型の加熱温度を150℃以上200℃以下とし、前記気体の加熱温度を100℃以上350℃以下としたものである。
本発明によれば、上記温度範囲とすることによって、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填する時点における、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を効率的に行うことが可能となる。また、気体を金型内に吹込む際の、コールドボックスバインダーの溶剤中の、低沸点成分の揮発を効率的に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1には、本発明の実施の形態に係るコールドボックス中子の造型方法を模式的に示している。この造型方法を順を追って説明すると、まず、固定金型1および可動金型2を加熱して型締めし、図1(a)に示すように、コールドボックスバインダーを混合した砂4を、充填口3から、加熱した金型1、2のキャビティに充填する。続いて、図1(b)に示すように、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を金型1、2のキャビティ内に充填した砂4内に吹込む。この時点では、コールドボックスバインダー硬化用触媒5は、砂4の全体には拡散しておらず、充填口3の近傍に滞留した状態にある。そこで、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を砂4の全体に拡散するために、図1(c)に示すように、加熱気体6を金型内に吹込む。そして、砂4に混合したコールドボックスバインダーの硬化反応を、砂4の全体にわたり促進させて、砂型中子7を造型する。
【0011】
この際、金型1、2の加熱温度および加熱気体6の温度をコールドボックスバインダー硬化用触媒5の沸点以上としている。具体的には、金型1、2の加熱温度を150℃以上200℃以下とし、加熱気体6の加熱温度を100℃以上350℃以下とすることが望ましい。なお、加熱気体6には、加熱エアー若しくは過熱蒸気を用いることができる。
【0012】
上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、本発明の実施の形態によれば、コールドボックスバインダーを混合した砂4を金型1、2に充填する時点で、金型1、2の熱によってコールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させることができる。また、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を金型内1、2に吹込み、さらに、加熱気体6を金型内に吹込むことで、コールドボックスバインダー硬化用触媒5の砂4全体への拡散を行うと共に、コールドボックスバインダーを加熱することによる硬化反応の促進を図ることができる。しかも、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を金型1、2内で促進させて、加熱流体6と共に砂型中子7から金型1、2の外部へと、低沸点成分を速やかに除去することができる。
【0013】
しかも、金型1、2の加熱温度を150℃以上200℃以下とすることで、コールドボックスバインダーを混合した砂4を金型1、2に充填する時点(図1(a))における、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を効率的に行うことが可能となる。また、加熱気体6の加熱温度を100℃以上350℃以下とすることで、加熱気体6を金型内に吹込む際の、コールドボックスバインダーの溶剤中の、低沸点成分の揮発を効率的に行うことができる。
よって、コールドボックス法により造型される砂型中子7の、ヤニの原因物質である低沸点成分を効率的に除去することができ、ガス鋳造欠陥を防止することが可能となる。図2には、砂型中子(鋳造に用いられる状態)の、含有ヤニ量を、従来のコールドボックス法によるものAと、本発明の実施の形態によるものBとで比較して示している。図示のように、本発明の実施の形態による砂型中子Bは、従来の砂型中子Aに比べ、含有ヤニ量が約1/4に減少していることがわかる。
【0014】
また、金型1、2から砂型中子7を離型する前に、低沸点成分を揮発、除去することにより、離型後に揮発する低沸点成分の量を大きく減少させて、砂型中子の、強度および寸法の経時的変化を少なくすることが可能となる。このため、従来のコールドボックス法により得られた砂型中子と異なり、乾燥炉で乾燥させ、低沸点成分を除去する必要がなくなり、コールドボックス法の長所である省エネルギー化を促進することができる。図3には、従来のコールドボックス法によるものAと、本発明の実施の形態によるものBとで、強度の経時的変化を比較し手示している。図示のように、本発明の実施の形態による砂型中子Bは、従来の砂型中子Aに比べ、強度が安定するまでの時間が短いことがわかる。
【0015】
また、本発明の実施の形態によれば、加熱気体6を金型内に吹込む時間が、従来と同等、若しくは短縮されることとなる。コールドボックス法では、そもそも室温での硬化反応が可能であることから、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を砂4の全体に拡散するために、金型内に吹込むエアーも、室温であることが一般的である。しかしながら、コールドボックスバインダーであっても温度が高いほど反応速度が速まるため、本実施の形態によれば、砂型中子7の造型サイクルの短縮が可能となる。よって、コールドボックス法の長所である省エネルギー化の促進に、さらに寄与することとなる。
【0016】
さて、図4には、本発明の実施の形態の効果を実証するための実験装置を示している。この実験装置は、固定型1および可動型2を加熱するための加熱装置8と、金型1、2に温風を供給するための温風装置9を備えている。そして、金型温度Tt、金型へと供給するエアーの圧力P、流量Q、温風温度Taを各々管理して、図5に示す図表の如く、金型温度Tt、温風温度Ta、温風流量Q、温風のパーシング時間を変化させた時の、砂型中子7(テストピース)の強度および含有するヤニ量を測定した。この際、砂4の吹込み時間と、コールドボックスバインダー硬化用触媒5の吹込み時間とを、いずれも2秒としている。
なお、図5には、参考値として、従来のコールドボックス法により得られた砂型中子7の値(No.0)も示している。従来のコールドボックス法では、砂型成形の全工程に渡り室温で成形が行われることから、図表中※印の数値は、成形完了から24時間後の抗折強度を示している。
【0017】
図5に示す実験結果から明らかなように、金型温度Ttを150℃〜200℃、温風温度Taを250℃〜350℃の範囲内で温風流量、温風のパーシング時間(吹込み時間)を変化させた場合であっても、何れも、十分な抗折強度を備え、かつ、ヤニ量の低減を図ることが可能となっている。また、本発明者らの実験によれば、温風温度が100℃以上350℃以下の範囲内で、砂型中子7に十分な抗折強度を持たせ、かつ、ヤニ量の低減を図ることが可能であることが明らかとなっている。
【0018】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、コールドボックス法により造型される砂型中子の、ヤニの原因物質を効率的に除去し、ガス鋳造欠陥を防止することが可能となる。また、コールドボックス法の長所である省エネルギー化を促進し、かつ、コールドボックス法により得られた砂型中子の、強度および寸法の経時的変化を少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコールドボックス中子の造型方法を、模式的に示したものである。
【図2】本発明の実施の形態による砂型中子の含有ヤニ量を、従来のコールドボックス法によるものと比較した図である。
【図3】本発明の実施の形態による砂型中子の強度の経時的変化を、従来のコールドボックス法によるものと比較した図である。
【図4】本発明の実施の形態の効果を実証するための実験装置を示す模式図である。
【図5】金型温度、温風温度、温風流量、温風のパーシング時間を変化させた時の、砂型中子の強度および含有するヤニ量を測定した結果を示す図表である。
【図6】従来のコールドボックス法により得られた砂型中子の、造型後の強度および寸法が、時間経過により大きく変化する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 固定金型
2 可動金型
3 充填口
4 コールドボックスバインダーを混合した砂
5 コールドボックスバインダー硬化用触媒
6 加熱気体
7 砂型中子
【発明の属する技術分野】
本発明は、コールドボックス法により造型する鋳造用中子およびその造型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型の砂型中子を造型するための方法として、コールドボックス法が用いられている。このコールドボックス法は、鋳造用砂型中子の硬化を、常温における化学反応や、触媒ガスを用いた硬化反応によって行う方法である。コールドボックス法は、鋳砂を硬化させるにあたり「加熱」を必須条件としないことから、省エネルギーの造型方法として広く普及している。また、従来から、コールドボックス法においても、硬化反応を促進させる目的で、造型金型から中子を取出す前に、造型金型を加熱する手法が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−290189号公報(〔0001〕、〔0025〕)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のコールドボックス法には、次のような欠点があった。まず、コールドボックス法に用いられる、フェノール樹脂を主とするバインダー(以下、本説明では「コールドボックスバインダー」という。)は、中子を鋳造に用いる際にヤニを発生させる原因物質を多く含むのである。また、コールドボックスバインダーの溶剤にも、ヤニの原因となる低沸点物質を多く含んでいる。このため、鋳造金型にヤニが付着してガス抜きを閉塞させたり、溶湯中へのヤニの混入等、ガス鋳造欠陥を多発させる要因となっていた。
また、コールドボックス法による砂型中子は、図6に示すように、造型後の強度および寸法が、時間経過により大きく変化するといった問題があった。これは、コールドボックスバインダーを硬化させるための触媒として用いられるトリエチルアミン(以下、本説明では「コールドボックスバインダー硬化用触媒」という。)の結合反応が、砂型中子を離型する時点では十分でなく、離型後に結合反応が進行することが原因となっていた。したがって、従来のコールドボックス法で造型した砂型中子は、乾燥炉で乾燥させ、低沸点成分を除去すると共に、強度および寸法を安定させた後に、鋳造工程に用いる必要があり、省エネルギー化というコールドボックス法の長所を減殺するものとなっていた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コールドボックス法により造型される砂型中子の、ヤニの原因物質を効率的に除去し、ガス鋳造欠陥を防止することにある。また、コールドボックス法の長所である省エネルギー化を促進し、かつ、コールドボックス法により得られた砂型中子の、強度および寸法の経時的変化を少なくすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係るコールドボックス中子の造型方法は、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填し、コールドボックスバインダー硬化用触媒を金型内に吹込み、前記コールドボックスバインダー硬化用触媒を砂全体に拡散するための気体を金型内に吹込む各工程を有するコールドボックス中子の造型方法であって、前記砂を金型に充填する工程において金型を加熱し、前記気体を吹込む工程において気体を加熱することを特徴とするものである。
本発明によれば、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填する時点で、金型の熱によってコールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させる。続いて、コールドボックスバインダー硬化用触媒を金型内に吹込み、さらに、加熱気体を金型内に吹込むことで、コールドボックスバインダー硬化用触媒の砂全体への拡散を行うと共に、コールドボックスバインダーを加熱することによる硬化反応の促進を図る。しかも、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させて、加熱流体と共に砂型中子から金型外部へと、低沸点成分を速やかに除去することができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るコールドボックス中子の造型方法は、請求項1記載のコールドボックス中子の造型方法において、前記金型の加熱温度および気体の加熱温度を前記硬化用触媒の沸点以上としたものである。
本発明によれば、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填する時点で、金型の熱によってコールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分を効率的に揮発させることができる。また、気体を金型内に吹込む際に、気体を前記硬化用触媒の沸点以上へと加熱することにより、コールドボックスバインダーの溶剤中の、低沸点成分の揮発を効率的に行うことができる。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るコールドボックス中子の造型方法は、請求項2記載のコールドボックス中子の造型方法において、前記金型の加熱温度を150℃以上200℃以下とし、前記気体の加熱温度を100℃以上350℃以下としたものである。
本発明によれば、上記温度範囲とすることによって、コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填する時点における、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を効率的に行うことが可能となる。また、気体を金型内に吹込む際の、コールドボックスバインダーの溶剤中の、低沸点成分の揮発を効率的に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1には、本発明の実施の形態に係るコールドボックス中子の造型方法を模式的に示している。この造型方法を順を追って説明すると、まず、固定金型1および可動金型2を加熱して型締めし、図1(a)に示すように、コールドボックスバインダーを混合した砂4を、充填口3から、加熱した金型1、2のキャビティに充填する。続いて、図1(b)に示すように、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を金型1、2のキャビティ内に充填した砂4内に吹込む。この時点では、コールドボックスバインダー硬化用触媒5は、砂4の全体には拡散しておらず、充填口3の近傍に滞留した状態にある。そこで、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を砂4の全体に拡散するために、図1(c)に示すように、加熱気体6を金型内に吹込む。そして、砂4に混合したコールドボックスバインダーの硬化反応を、砂4の全体にわたり促進させて、砂型中子7を造型する。
【0011】
この際、金型1、2の加熱温度および加熱気体6の温度をコールドボックスバインダー硬化用触媒5の沸点以上としている。具体的には、金型1、2の加熱温度を150℃以上200℃以下とし、加熱気体6の加熱温度を100℃以上350℃以下とすることが望ましい。なお、加熱気体6には、加熱エアー若しくは過熱蒸気を用いることができる。
【0012】
上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、本発明の実施の形態によれば、コールドボックスバインダーを混合した砂4を金型1、2に充填する時点で、金型1、2の熱によってコールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を促進させることができる。また、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を金型内1、2に吹込み、さらに、加熱気体6を金型内に吹込むことで、コールドボックスバインダー硬化用触媒5の砂4全体への拡散を行うと共に、コールドボックスバインダーを加熱することによる硬化反応の促進を図ることができる。しかも、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を金型1、2内で促進させて、加熱流体6と共に砂型中子7から金型1、2の外部へと、低沸点成分を速やかに除去することができる。
【0013】
しかも、金型1、2の加熱温度を150℃以上200℃以下とすることで、コールドボックスバインダーを混合した砂4を金型1、2に充填する時点(図1(a))における、コールドボックスバインダーの溶剤中の低沸点成分の揮発を効率的に行うことが可能となる。また、加熱気体6の加熱温度を100℃以上350℃以下とすることで、加熱気体6を金型内に吹込む際の、コールドボックスバインダーの溶剤中の、低沸点成分の揮発を効率的に行うことができる。
よって、コールドボックス法により造型される砂型中子7の、ヤニの原因物質である低沸点成分を効率的に除去することができ、ガス鋳造欠陥を防止することが可能となる。図2には、砂型中子(鋳造に用いられる状態)の、含有ヤニ量を、従来のコールドボックス法によるものAと、本発明の実施の形態によるものBとで比較して示している。図示のように、本発明の実施の形態による砂型中子Bは、従来の砂型中子Aに比べ、含有ヤニ量が約1/4に減少していることがわかる。
【0014】
また、金型1、2から砂型中子7を離型する前に、低沸点成分を揮発、除去することにより、離型後に揮発する低沸点成分の量を大きく減少させて、砂型中子の、強度および寸法の経時的変化を少なくすることが可能となる。このため、従来のコールドボックス法により得られた砂型中子と異なり、乾燥炉で乾燥させ、低沸点成分を除去する必要がなくなり、コールドボックス法の長所である省エネルギー化を促進することができる。図3には、従来のコールドボックス法によるものAと、本発明の実施の形態によるものBとで、強度の経時的変化を比較し手示している。図示のように、本発明の実施の形態による砂型中子Bは、従来の砂型中子Aに比べ、強度が安定するまでの時間が短いことがわかる。
【0015】
また、本発明の実施の形態によれば、加熱気体6を金型内に吹込む時間が、従来と同等、若しくは短縮されることとなる。コールドボックス法では、そもそも室温での硬化反応が可能であることから、コールドボックスバインダー硬化用触媒5を砂4の全体に拡散するために、金型内に吹込むエアーも、室温であることが一般的である。しかしながら、コールドボックスバインダーであっても温度が高いほど反応速度が速まるため、本実施の形態によれば、砂型中子7の造型サイクルの短縮が可能となる。よって、コールドボックス法の長所である省エネルギー化の促進に、さらに寄与することとなる。
【0016】
さて、図4には、本発明の実施の形態の効果を実証するための実験装置を示している。この実験装置は、固定型1および可動型2を加熱するための加熱装置8と、金型1、2に温風を供給するための温風装置9を備えている。そして、金型温度Tt、金型へと供給するエアーの圧力P、流量Q、温風温度Taを各々管理して、図5に示す図表の如く、金型温度Tt、温風温度Ta、温風流量Q、温風のパーシング時間を変化させた時の、砂型中子7(テストピース)の強度および含有するヤニ量を測定した。この際、砂4の吹込み時間と、コールドボックスバインダー硬化用触媒5の吹込み時間とを、いずれも2秒としている。
なお、図5には、参考値として、従来のコールドボックス法により得られた砂型中子7の値(No.0)も示している。従来のコールドボックス法では、砂型成形の全工程に渡り室温で成形が行われることから、図表中※印の数値は、成形完了から24時間後の抗折強度を示している。
【0017】
図5に示す実験結果から明らかなように、金型温度Ttを150℃〜200℃、温風温度Taを250℃〜350℃の範囲内で温風流量、温風のパーシング時間(吹込み時間)を変化させた場合であっても、何れも、十分な抗折強度を備え、かつ、ヤニ量の低減を図ることが可能となっている。また、本発明者らの実験によれば、温風温度が100℃以上350℃以下の範囲内で、砂型中子7に十分な抗折強度を持たせ、かつ、ヤニ量の低減を図ることが可能であることが明らかとなっている。
【0018】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、コールドボックス法により造型される砂型中子の、ヤニの原因物質を効率的に除去し、ガス鋳造欠陥を防止することが可能となる。また、コールドボックス法の長所である省エネルギー化を促進し、かつ、コールドボックス法により得られた砂型中子の、強度および寸法の経時的変化を少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコールドボックス中子の造型方法を、模式的に示したものである。
【図2】本発明の実施の形態による砂型中子の含有ヤニ量を、従来のコールドボックス法によるものと比較した図である。
【図3】本発明の実施の形態による砂型中子の強度の経時的変化を、従来のコールドボックス法によるものと比較した図である。
【図4】本発明の実施の形態の効果を実証するための実験装置を示す模式図である。
【図5】金型温度、温風温度、温風流量、温風のパーシング時間を変化させた時の、砂型中子の強度および含有するヤニ量を測定した結果を示す図表である。
【図6】従来のコールドボックス法により得られた砂型中子の、造型後の強度および寸法が、時間経過により大きく変化する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 固定金型
2 可動金型
3 充填口
4 コールドボックスバインダーを混合した砂
5 コールドボックスバインダー硬化用触媒
6 加熱気体
7 砂型中子
Claims (3)
- コールドボックスバインダーを混合した砂を金型に充填し、コールドボックスバインダー硬化用触媒を金型内に吹込み、前記コールドボックスバインダー硬化用触媒を砂全体に拡散するための気体を金型内に吹込む各工程を有するコールドボックス中子の造型方法であって、
前記砂を金型に充填する工程において金型を加熱し、前記気体を吹込む工程において気体を加熱することを特徴とするコールドボックス中子の造型方法。 - 前記金型の加熱温度および気体の加熱温度を前記硬化用触媒の沸点以上としたことを特徴とする請求項1記載のコールドボックス中子の造型方法。
- 前記金型の加熱温度を150℃以上200℃以下とし、前記気体の加熱温度を100℃以上350℃以下としたことを特徴とする請求項2記載のコールドボックス中子の造型方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003063424A JP2004268100A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | コールドボックス中子の造型方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003063424A JP2004268100A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | コールドボックス中子の造型方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004268100A true JP2004268100A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33125004
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003063424A Pending JP2004268100A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | コールドボックス中子の造型方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004268100A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015096274A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | マツダ株式会社 | 鋳造品の製造方法 |
| CN106040987A (zh) * | 2016-07-19 | 2016-10-26 | 宁夏共享模具有限公司 | 一种3d打印型芯的外部强化系统 |
| JP7225477B1 (ja) * | 2021-04-15 | 2023-02-20 | 旭有機材株式会社 | 耐焼付き性に優れた鋳型造型用材料 |
-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003063424A patent/JP2004268100A/ja active Pending
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| CN106040987A (zh) * | 2016-07-19 | 2016-10-26 | 宁夏共享模具有限公司 | 一种3d打印型芯的外部强化系统 |
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