JP2004268875A - 自動車用リアスポイラ - Google Patents
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Abstract
【解決課題】軽量、高剛性で、意匠性にも優れたリアスポイラを提供する。
【解決手段】垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する垂直翼、および、水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する水平翼を、水平翼の袴部を垂直翼の本体の内側または外側に取り付けて一体に組み立てる。
【選択図】 図1
【解決手段】垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する垂直翼、および、水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する水平翼を、水平翼の袴部を垂直翼の本体の内側または外側に取り付けて一体に組み立てる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、特に乗用車における、特にウイングタイプとして好適なリアスポイラに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のリアスポイラは、よく知られているように、自動車の後部車体上に装着され、走行時の空気の流れを制御して高速時における自動車の走行安定性を向上させるものである。
【0003】
そのようなリアスポイラにはいろいろなものがあるが、近年、比較的軽量で高剛性のものが得られるという理由で、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維を用いたFRP(繊維強化プラスチック)製のものが注目されるようになってきた。
【0004】
FRP製のリアスポイラとしては、たとえば、ガラス繊維のSMC(Sheet Molding Compound:ガラス繊維のカット糸と不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂とを複合した成形材料)を用いて成形してなるものが知られている。リアスポイラに限らず、一般にSMCを用いるFRPの成形においては、金型のキャビティにSMCを流動させて充填する。そのため、成形性に優れており、これによるリアスポイラは、翼端部のように小さな曲率を有する部位でもきれいに仕上げることができ、意匠性に優れている。しかしながら、SMCは、通常、成形時の流動性を確保するための充填材を含んでいて比重が高いうえに、強化繊維(ガラス繊維)の含有率が低く、そのため、所望の剛性を得ようとすると肉厚を厚くせざるを得ず、重量が増大するという問題がある。
【0005】
また、発泡ポリウレタン等の硬質フォームのコアの周りに長い強化繊維からなるFRP製の外皮を形成して水平翼としたリアスポイラも知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
この従来のリアスポイラは、水平翼を長い強化繊維と硬質フォームとの複合構造としているため、全体としてみた剛性は向上しているものの、垂直翼との取付部に局所的な剛性不足を生ずることがあり、そのため、取付部の肉厚を厚くしたり取付部に金属部品をインサートしたりして補強を施すことが必要になり、それによって重量が増大するために軽量化はなお十分であるとはいえない。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−92524号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平5−147048号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のリアスポイラの上述した問題点を解決し、軽量、高剛性であるばかりでなく、意匠性にも優れたリアスポイラを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する自動車用リアスポイラの垂直翼を提供する。フォームコアは、本体の縦断面および横断面を見たとき、断面長さの10〜50%の範囲内に配されているのが好ましい。このように、フォームコアを本体の内周縁部のみに配することにより、必要な立面剛性を確保しつつ全体を軽量化することができ、かつ、前縁部や後縁部等の小さな曲率を有する部位の賦形性を向上させることができて意匠性を向上させることができる。フォームコアとしては、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームが好ましい。
【0011】
また、本発明は、水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する自動車用リアスポイラの水平翼を提供する。一体成形による袴部を設けることにより、部品点数を減らすことができ、また、組立のための工数も減らすことができる。また、本体を強化繊維織物を含むFRPで構成し、かつ、表面に、強化繊維織物、たとえば炭素繊維織物を配し、その織目が本体の表面に現れるようにすると、織目による高度の意匠性が得られるようになるので好ましい。本体は、より軽量化するために中空構造であるのが好ましいが、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコアを有していてもよい。
【0012】
上述した垂直翼と水平翼は、水平翼の袴部を垂直翼の本体の内側または外側に取り付けてそれら垂直翼と水平翼とを一体に組み立てることによってリアスポイラとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1(概略縦断面図)は本発明の一形態に係るリアスポイラを示すもので、リアスポイラは、自動車(乗用車)のトランクリッド1にボルト2によって取り付けられる垂直翼3と、この垂直翼3にリベット4によって結合された水平翼5とを有している。
【0014】
垂直翼3は、図2(分解図)に示すように、内側部材3aと、この内側部材3aと共同して中空の本体3cを構成する外側部材3bとを有している。もっとも、内側部材3aと外側部材3bとは一体であってもよい。
【0015】
本体3cは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高強度、高弾性率繊維、好ましくは炭素繊維を強化繊維とし、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ナイロン樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリクスとする、厚みが1〜3mm程度のFRPからなる単板構造をしている。そして、その内周縁部には、図3(概略斜視図)に示すように、好ましくはポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコア3dが配されている。このフォームコア3dは、図4(図3のA−A断面図)に示すように、本体3cの縦断面の長さLの10〜50%の範囲内、すなわち、
((L−L0)/L)×100=10〜50
に配されているのが好ましい。図示しないが、図3のB−B断面、すなわち横断面においても、同様に断面長さの10〜50%の範囲内に配されているのが好ましい。このようにフォームコアを内周縁部のみに配することにより、重量をあまり増大させることなく垂直翼として必要な立面剛性を得ることができるようになる。また、小さな曲率を有する前縁部や後縁部等における賦形性を向上させることができ、意匠性が向上するようになる。
【0016】
再び図1、図2を参照するに、水平翼5は、水平翼形状に形成された本体5aと、この本体5aの両翼端部に本体5aとの一体成形によって形成された袴部5bとを有している。本体5aおよび袴部5bは、上述した垂直翼3と同様、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高強度、高弾性率繊維、好ましくは炭素繊維を強化繊維とし、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ナイロン樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリクスとする、厚み1〜3mm程度のFRPからなっている。そして、本体5aは、図5(概略縦断面図)に示すように軽量化の観点から中空であるのが好ましいが、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコアを有していてもよい。また、その場合、垂直翼3と同様にフォームコアを内周縁部のみに配するようにしてもよい。
【0017】
上述した垂直翼3と水平翼5は、図1、図2に示すように、水平翼5の袴部5bを垂直翼3の本体3cに内挿するとともにリベット4によって垂直翼3の内側部材3aに止めることによってリアスポイラとされる。このように、水平翼にその水平翼との一体成形による袴部を設け、その袴部において垂直翼と連結するようにすると、水平翼に作用する力を効率よく垂直翼に伝達できるようになるばかりか、水平翼端部の構造を単純化することができる。また、その結果部品点数を減らすことができ、組立の工数も減らすことができる。なお、水平翼5の袴部5bは、図6(概略縦断面図)に示すように垂直翼3に外挿してもよい。
【0018】
上記において、FRPからなる垂直翼や水平翼における強化繊維の配列方向は、外力条件に応じて選定する。たとえば、垂直翼は、翼長と翼弦との比が1に近いので、強化繊維の配列方向は、0±10°/90±10°の2方向に1:1〜2:1程度になるようにするか、疑似等方となるようにする。また、水平翼は、翼部については、横断面形状がほぼ一様で大きなねじり変形が発生しないような場合には、翼長方向と翼弦方向の2方向に1:1〜2:1程度の割合で配列する。翼長方向中央部での曲げたわみを小さくしたい場合には、翼長方向と翼弦方向の2方向に2:1〜4:1程度の割合で配列する。また、ねじり変形が予想されるような場合には、翼長方向に対して±45°を中心として±30〜60°の方向の強化繊維を付加するようにする。袴部については、リベット等による垂直翼との連結を考えると、疑似等方となるような配列が好ましい。その場合、翼部の強化繊維を袴部まで延長したうえでその上に疑似等方になるように強化繊維を加えるようにすると、翼部から袴部への強化繊維の連続性が確保できるので好ましい。
【0019】
また、垂直翼や水平翼、特に、水平翼の最外層に、強化繊維織物、好ましくは炭素繊維織物を配し、着色塗装を施さないで織目を視認できるようにしておくと、織目による高度の意匠性が得られ、高級感あふれる水平翼、ひいてはリアスポイラを得ることができるようになるので好ましい。なお、水平翼に着色塗装を施さないで垂直翼のみを車体と同色に塗装したり、垂直翼と水平翼とをともに車体と同色に塗装するが一部に無塗装の部分を設けてロゴマーク等を付したりすることもできる。
【0020】
垂直翼や水平翼の成形は、FRPの成形に通常用いられるいろいろな成形法によることができるが、RTM(Vaccum Assist Resin Transfer Moldind)法によるのが好ましい。この方法は、強化繊維をあらかじめほぼ成形品の形状に賦形したプリフォームを金型にセットし、しかる後キャビティ内に液状の熱硬化性樹脂を注入してプリフォームに含浸し、金型の熱で熱硬化性樹脂を硬化させた後、脱型する方法である。熱硬化性樹脂の注入前に金型のキャビティ内を減圧したり、熱硬化性樹脂の注入時に熱硬化性樹脂を加圧たりしてもよい。フォームコアはプリフォームにセットする。フォームコアを用いない場合や中空部位には、ナイロン樹脂やポリエチレン樹脂等からなる風船様のバッグを用い、バッグに空気を送り込んで膨らませ、プリフォームをキャビティ壁に押し付けるようにする。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係るリアスポイラは、垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する垂直翼を有しているから、必要な立面剛性を確保しつつ全体を軽量化でき、かつ、前縁部や後縁部等の小さな曲率を有する部分の賦形性を向上させることができて意匠性を向上させることができる。
【0022】
また、水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する水平翼を有しているから、部品数を減らすことができ、また、組立のための工数も減らすことができる。
【0023】
さらに、本発明に係るリアスポイラは、上述の垂直翼と水平翼とが水平翼の袴部が垂直翼の本体の内側または外側に取り付けられてそれら垂直翼と水平翼とが一体に組み立てられているから、全体として軽量、高剛性であるばかりでなく、意匠性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るリアスポイラの要部の概略縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るリアスポイラの分解図である。
【図3】垂直翼の概略斜視図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】水平翼の概略縦断面図である。
【図6】本発明の他の形態に係るリアスポイラの要部の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1:トランクリッド
2:ボルト
3:垂直翼
3a:内側部材
3b:外側部材
3c:本体
4:リベット
5:水平翼
5a:本体
5b:袴部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、特に乗用車における、特にウイングタイプとして好適なリアスポイラに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のリアスポイラは、よく知られているように、自動車の後部車体上に装着され、走行時の空気の流れを制御して高速時における自動車の走行安定性を向上させるものである。
【0003】
そのようなリアスポイラにはいろいろなものがあるが、近年、比較的軽量で高剛性のものが得られるという理由で、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維を用いたFRP(繊維強化プラスチック)製のものが注目されるようになってきた。
【0004】
FRP製のリアスポイラとしては、たとえば、ガラス繊維のSMC(Sheet Molding Compound:ガラス繊維のカット糸と不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂とを複合した成形材料)を用いて成形してなるものが知られている。リアスポイラに限らず、一般にSMCを用いるFRPの成形においては、金型のキャビティにSMCを流動させて充填する。そのため、成形性に優れており、これによるリアスポイラは、翼端部のように小さな曲率を有する部位でもきれいに仕上げることができ、意匠性に優れている。しかしながら、SMCは、通常、成形時の流動性を確保するための充填材を含んでいて比重が高いうえに、強化繊維(ガラス繊維)の含有率が低く、そのため、所望の剛性を得ようとすると肉厚を厚くせざるを得ず、重量が増大するという問題がある。
【0005】
また、発泡ポリウレタン等の硬質フォームのコアの周りに長い強化繊維からなるFRP製の外皮を形成して水平翼としたリアスポイラも知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
この従来のリアスポイラは、水平翼を長い強化繊維と硬質フォームとの複合構造としているため、全体としてみた剛性は向上しているものの、垂直翼との取付部に局所的な剛性不足を生ずることがあり、そのため、取付部の肉厚を厚くしたり取付部に金属部品をインサートしたりして補強を施すことが必要になり、それによって重量が増大するために軽量化はなお十分であるとはいえない。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−92524号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平5−147048号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のリアスポイラの上述した問題点を解決し、軽量、高剛性であるばかりでなく、意匠性にも優れたリアスポイラを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する自動車用リアスポイラの垂直翼を提供する。フォームコアは、本体の縦断面および横断面を見たとき、断面長さの10〜50%の範囲内に配されているのが好ましい。このように、フォームコアを本体の内周縁部のみに配することにより、必要な立面剛性を確保しつつ全体を軽量化することができ、かつ、前縁部や後縁部等の小さな曲率を有する部位の賦形性を向上させることができて意匠性を向上させることができる。フォームコアとしては、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームが好ましい。
【0011】
また、本発明は、水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する自動車用リアスポイラの水平翼を提供する。一体成形による袴部を設けることにより、部品点数を減らすことができ、また、組立のための工数も減らすことができる。また、本体を強化繊維織物を含むFRPで構成し、かつ、表面に、強化繊維織物、たとえば炭素繊維織物を配し、その織目が本体の表面に現れるようにすると、織目による高度の意匠性が得られるようになるので好ましい。本体は、より軽量化するために中空構造であるのが好ましいが、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコアを有していてもよい。
【0012】
上述した垂直翼と水平翼は、水平翼の袴部を垂直翼の本体の内側または外側に取り付けてそれら垂直翼と水平翼とを一体に組み立てることによってリアスポイラとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1(概略縦断面図)は本発明の一形態に係るリアスポイラを示すもので、リアスポイラは、自動車(乗用車)のトランクリッド1にボルト2によって取り付けられる垂直翼3と、この垂直翼3にリベット4によって結合された水平翼5とを有している。
【0014】
垂直翼3は、図2(分解図)に示すように、内側部材3aと、この内側部材3aと共同して中空の本体3cを構成する外側部材3bとを有している。もっとも、内側部材3aと外側部材3bとは一体であってもよい。
【0015】
本体3cは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高強度、高弾性率繊維、好ましくは炭素繊維を強化繊維とし、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ナイロン樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリクスとする、厚みが1〜3mm程度のFRPからなる単板構造をしている。そして、その内周縁部には、図3(概略斜視図)に示すように、好ましくはポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコア3dが配されている。このフォームコア3dは、図4(図3のA−A断面図)に示すように、本体3cの縦断面の長さLの10〜50%の範囲内、すなわち、
((L−L0)/L)×100=10〜50
に配されているのが好ましい。図示しないが、図3のB−B断面、すなわち横断面においても、同様に断面長さの10〜50%の範囲内に配されているのが好ましい。このようにフォームコアを内周縁部のみに配することにより、重量をあまり増大させることなく垂直翼として必要な立面剛性を得ることができるようになる。また、小さな曲率を有する前縁部や後縁部等における賦形性を向上させることができ、意匠性が向上するようになる。
【0016】
再び図1、図2を参照するに、水平翼5は、水平翼形状に形成された本体5aと、この本体5aの両翼端部に本体5aとの一体成形によって形成された袴部5bとを有している。本体5aおよび袴部5bは、上述した垂直翼3と同様、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高強度、高弾性率繊維、好ましくは炭素繊維を強化繊維とし、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ナイロン樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリクスとする、厚み1〜3mm程度のFRPからなっている。そして、本体5aは、図5(概略縦断面図)に示すように軽量化の観点から中空であるのが好ましいが、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコアを有していてもよい。また、その場合、垂直翼3と同様にフォームコアを内周縁部のみに配するようにしてもよい。
【0017】
上述した垂直翼3と水平翼5は、図1、図2に示すように、水平翼5の袴部5bを垂直翼3の本体3cに内挿するとともにリベット4によって垂直翼3の内側部材3aに止めることによってリアスポイラとされる。このように、水平翼にその水平翼との一体成形による袴部を設け、その袴部において垂直翼と連結するようにすると、水平翼に作用する力を効率よく垂直翼に伝達できるようになるばかりか、水平翼端部の構造を単純化することができる。また、その結果部品点数を減らすことができ、組立の工数も減らすことができる。なお、水平翼5の袴部5bは、図6(概略縦断面図)に示すように垂直翼3に外挿してもよい。
【0018】
上記において、FRPからなる垂直翼や水平翼における強化繊維の配列方向は、外力条件に応じて選定する。たとえば、垂直翼は、翼長と翼弦との比が1に近いので、強化繊維の配列方向は、0±10°/90±10°の2方向に1:1〜2:1程度になるようにするか、疑似等方となるようにする。また、水平翼は、翼部については、横断面形状がほぼ一様で大きなねじり変形が発生しないような場合には、翼長方向と翼弦方向の2方向に1:1〜2:1程度の割合で配列する。翼長方向中央部での曲げたわみを小さくしたい場合には、翼長方向と翼弦方向の2方向に2:1〜4:1程度の割合で配列する。また、ねじり変形が予想されるような場合には、翼長方向に対して±45°を中心として±30〜60°の方向の強化繊維を付加するようにする。袴部については、リベット等による垂直翼との連結を考えると、疑似等方となるような配列が好ましい。その場合、翼部の強化繊維を袴部まで延長したうえでその上に疑似等方になるように強化繊維を加えるようにすると、翼部から袴部への強化繊維の連続性が確保できるので好ましい。
【0019】
また、垂直翼や水平翼、特に、水平翼の最外層に、強化繊維織物、好ましくは炭素繊維織物を配し、着色塗装を施さないで織目を視認できるようにしておくと、織目による高度の意匠性が得られ、高級感あふれる水平翼、ひいてはリアスポイラを得ることができるようになるので好ましい。なお、水平翼に着色塗装を施さないで垂直翼のみを車体と同色に塗装したり、垂直翼と水平翼とをともに車体と同色に塗装するが一部に無塗装の部分を設けてロゴマーク等を付したりすることもできる。
【0020】
垂直翼や水平翼の成形は、FRPの成形に通常用いられるいろいろな成形法によることができるが、RTM(Vaccum Assist Resin Transfer Moldind)法によるのが好ましい。この方法は、強化繊維をあらかじめほぼ成形品の形状に賦形したプリフォームを金型にセットし、しかる後キャビティ内に液状の熱硬化性樹脂を注入してプリフォームに含浸し、金型の熱で熱硬化性樹脂を硬化させた後、脱型する方法である。熱硬化性樹脂の注入前に金型のキャビティ内を減圧したり、熱硬化性樹脂の注入時に熱硬化性樹脂を加圧たりしてもよい。フォームコアはプリフォームにセットする。フォームコアを用いない場合や中空部位には、ナイロン樹脂やポリエチレン樹脂等からなる風船様のバッグを用い、バッグに空気を送り込んで膨らませ、プリフォームをキャビティ壁に押し付けるようにする。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係るリアスポイラは、垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する垂直翼を有しているから、必要な立面剛性を確保しつつ全体を軽量化でき、かつ、前縁部や後縁部等の小さな曲率を有する部分の賦形性を向上させることができて意匠性を向上させることができる。
【0022】
また、水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する水平翼を有しているから、部品数を減らすことができ、また、組立のための工数も減らすことができる。
【0023】
さらに、本発明に係るリアスポイラは、上述の垂直翼と水平翼とが水平翼の袴部が垂直翼の本体の内側または外側に取り付けられてそれら垂直翼と水平翼とが一体に組み立てられているから、全体として軽量、高剛性であるばかりでなく、意匠性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るリアスポイラの要部の概略縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るリアスポイラの分解図である。
【図3】垂直翼の概略斜視図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】水平翼の概略縦断面図である。
【図6】本発明の他の形態に係るリアスポイラの要部の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1:トランクリッド
2:ボルト
3:垂直翼
3a:内側部材
3b:外側部材
3c:本体
4:リベット
5:水平翼
5a:本体
5b:袴部
Claims (8)
- 垂直翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の内周縁部のみに配されたフォームコアとを有する自動車用リアスポイラの垂直翼。
- 本体の縦断面および横断面を見たとき、フォームコアが断面長さの10〜50%の範囲内に配されている、請求項1に記載の自動車用リアスポイラの垂直翼。
- フォームコアがポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームである、請求項1または2に記載の自動車用リアスポイラの垂直翼。
- 水平翼形状に形成されたFRP製の中空本体と、この本体の両翼端部に本体との一体成形により設けられた袴部とを有する自動車用リアスポイラの水平翼。
- 本体が強化繊維織物を含み、かつ、本体の表面に強化繊維織物の織目が現れている、請求項4に記載の自動車用リアスポイラの水平翼。
- 本体が、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム等の硬質フォームからなるフォームコアを有している、請求項4または5に記載の自動車用リアスポイラの水平翼。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の垂直翼と、請求項4〜6のいずれかに記載の水平翼とを有し、水平翼の袴部が垂直翼の本体の内側または外側に取り付けられてそれら垂直翼と水平翼とが一体に組み立てられている自動車用リアスポイラ。
- 請求項7に記載のリアスポイラを有する自動車。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003066176A JP2004268875A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 自動車用リアスポイラ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003066176A JP2004268875A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 自動車用リアスポイラ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004268875A true JP2004268875A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33126965
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003066176A Pending JP2004268875A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 自動車用リアスポイラ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004268875A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110775171A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-02-11 | 合肥工业大学 | 一种方程式赛车空心翼片及其成型方法 |
| CN115972616A (zh) * | 2022-12-27 | 2023-04-18 | 重庆江东汽车零部件有限责任公司 | 一种碳纤维汽车尾翼制造成型方法 |
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2003
- 2003-03-12 JP JP2003066176A patent/JP2004268875A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110775171A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-02-11 | 合肥工业大学 | 一种方程式赛车空心翼片及其成型方法 |
| CN110775171B (zh) * | 2019-11-13 | 2024-05-17 | 合肥工业大学 | 一种方程式赛车空心翼片及其成型方法 |
| CN115972616A (zh) * | 2022-12-27 | 2023-04-18 | 重庆江东汽车零部件有限责任公司 | 一种碳纤维汽车尾翼制造成型方法 |
| CN115972616B (zh) * | 2022-12-27 | 2025-05-30 | 重庆江东汽车零部件有限责任公司 | 一种碳纤维汽车尾翼制造成型方法 |
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