JP2004272016A - 光通信モジュール、光通信システム、光通信モジュールの製造方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光点から略垂直な光射出軸に沿って光を射出する光送信素子及び光学的中心軸が光射出軸から所定距離ずらされて配置されたレンズを備えた光通信モジュール(1T)、基板(300)内に形成された溝(301)内に形成され、基板表面に向いた開口窓(201、202)を複数備えた光伝送路(2a)、受光点から略垂直な光入射軸に沿って光を入射する光受信素子及び光学的中心軸が光入射軸から所定距離ずらされて配置されたレンズを備えた光通信モジュール(1R)を備える光通信システム。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号を送受信するための光通信モジュールに係り、特に、光デバイスの光信号の入射出方向と異なる方向に延設された光伝送路と光デバイスとを光学的に接続するための光通信モジュールを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信モジュールは、光信号を電気信号に変換する受光素子や電気信号を光信号に変換する発光素子といった光デバイスや、光デバイスが送受信する光信号を伝送する光伝送路を含む。これら光デバイスや光伝送路を組み合わせることで、光通信システムが構成されている。
【0003】
従来、面発光ダイオード等の平板状光デバイスを基板上に実装し、基板面に沿って光を伝搬させる技術としては、光デバイスから基板面に垂直な方向に射出された光をミラー等の反射手段で直角に反射し、光ファイバの端面に入射させるようにしていた。
【0004】
例えば、特開2001―141965号公報では、基板面に楕円球曲面ミラーを設けその上に光デバイスを配置して、基板面に平行な方向への光結合を可能にした技術が開示されている(特許文献1)。また、特開2001―42150号公報には、基板上にかまぼこ形の半円筒形光導波路を形成し、曲面形成したその端面に基板側から光を射出して基板面に平行な方向に反射させてから、光導波路内を光伝達させる技術が開示されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001―141965号公報
【特許文献2】
特開2001―42150号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公知技術によれば、いずれも射出された光の方向を基板面に平行な方向に変化させるためのミラーに相当する部材や部分が必要となっていた。
【0006】
また、正しく光伝送路に導くためには光デバイスとミラーとの位置関係、ミラーと光伝送路との位置関係を調整しなければならなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は光デバイスの光信号の入射出方向と異なる方向に延設された光伝送路と光デバイスとを光学的に接続するための光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、デバイス表面の発光点から略垂直な光射出軸に沿って光を射出する光送信素子と、光学的中心軸が光射出軸から所定距離ずらされて配置されたレンズと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、レンズが光射出軸からずれて配置されていることになるので、光デバイスから略垂直に射出されレンズに入射した光はレンズの曲率に従って屈折し、その進行方向を変化させて射出される。光デバイスからの射出光の方向は基板に略垂直な方向になっているため、例えば光デバイスを基板面に設置した場合、基板面に平行な方向成分を有していなかったが、ずれて配置されたレンズからの射出光は光軸が曲げられているので基板面に平行な方向成分を含んでいる。したがってこの方向に延設されている光伝送路に入射させれば反射を繰り返しながら基板面に平行な方向に光を伝送できることになる。
【0010】
同様に、本発明は、デバイス表面の受光点から略垂直な光入射軸に沿って光を入射する光受信素子と、光学的中心軸が光入射軸から所定距離ずらされて配置されたレンズと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、レンズが光入射軸からずれて配置されていることになるので、レンズの所定箇所に斜めに入射した光はレンズの曲率に従って屈折し、その進行方向を変化させてレンズの光学的中心軸に平行な方向に射出される。この光の射出方向が光デバイスの光入射軸に一致していれば、光デバイスの受光点に略垂直に入射させることができる。例えば基板面に延設された光伝送路内を反射しながら伝送された光は、基板面に平行な方向成分を含んでいるが、当該光通信モジュールによれば、この光を基板面に略垂直な方向に変化させるため、基板面に設置された光デバイスの受光点に略垂直に入射させることができる。
【0012】
また、これらの光通信モジュールを用いた本発明の第1の光通信システムは、基板内に形成された溝内に形成され、基板表面に向いた開口窓を複数備えた光伝送路と、開口窓の何れか一つに対向してデバイス表面を向けて配置された光送信素子を含む上記光通信モジュールと、開口窓の他のいずれか一つに対向してデバイス表面を向けて配置された光受信素子を含む上記光通信モジュールと、を備える。
【0013】
上記構成によれば、光送信素子からデバイス表面に略垂直に射出され光は光通信モジュールの作用によって射出方向が斜めに変えられる。射出方向が変えられた光は光伝送路の一方の開口窓から入射する。入射した光は光伝送路内で反射を繰り返し他の一つの開口窓から斜めに射出される。斜めに射出された光受信素子を含む光通信モジュールに入射し、その方向がデバイス表面に略垂直方向に変えられ、正しく光受信素子の受光点に入射する。伝送路を基板面に沿って敷設し、基板面にデバイス表面が平行になるように光通信モジュールを配置すれば簡単に光通信が行える。光通信モジュールからの光は、開口窓に入射しさえすればよいため、位置合わせが容易である。また、入出射ともミラーなどの特殊部材が必要ない。
【0014】
ここで、本発明において「光デバイス」とは、光起電効果、光導電効果、光電子放出効果、フォトンドラッグ効果等により光信号を受信し電気信号に変換する光受信素子や、電界発光効果、注入型発光効果等により電気信号を光信号に変換する光送信素子の双方を意味する。例えば、光受信素子としては、PDやフォトトランジスタ等の光検知器、光電セル、赤外線検知器等が挙げられる。光送信素子としては、半導体レーザ、発光ダイオード等が挙げられる。これら光デバイスは「デバイス表面」を備えそこに「受光点」または「発光点」を備えている。
【0015】
また「レンズ」の形式に特に限定は無いが、光デバイスまたは光伝送路と一体成形または一体化が容易な構造を備えるものが製造コストの観点から好ましい。レンズは、凸レンズなどの集光レンズ、凹レンズなどの拡散レンズ等を利用可能である。特に、光デバイスや光伝送路と一体化するためには、片面が平面状になっているレンズが好ましい。製造しやすい単純な形状であることが好ましい。このような球面レンズは光学的中心点を把握し易い他、光学的中心点からの距離に応じて屈折量が変わってくるため、光路の傾きを調整し易いという利点がある。
【0016】
「光学的中心軸」はレンズの有効面積全体に光束が入射する場合の光軸が通る、レンズの中心点である。
【0017】
「ずれて配置」する量は、レンズの特性・形式によって変化する。例えば曲率が小さく光路の変化が大きいレンズを使用する場合には曲率の小さいレンズの場合よりも「ずれ」が小さくてもよい。また凸レンズを利用する場合には、光射出(入射)軸から見て光学的中心軸のある方向に光路が屈折する。逆に凹レンズを利用する場合には、光射出(入射)軸から見て光学的中心軸のある方向とは反対の方向に光路が屈折する。
【0018】
また「光伝送路」の構造には開口窓が設けられていること以外に限定はない。
【0019】
なお、レンズが光送信素子や光受信素子のデバイス表面に設けられていることは好ましい。このような構成によれば、レンズが光送受信素子と一体化していることになり、取り扱いが簡便であり、またレンズの光学的中心軸と光入射出軸とのずれ量を調整する必要が無くなるので簡単である。
【0020】
本発明の第2の通信システムは、デバイス表面を基板に略垂直方向に向けて配置される光送信素子を含む第1の光通信モジュールと、デバイス表面を当該基板に略垂直方向に向けて配置される光受信素子を含む第2の光通信モジュールと、基板上に延設され、第1の光通信モジュールからの光を入射させるための入射端面と第2の光通信モジュールへの光を射出させるための射出端面とを備える光伝送路と、を備える。そして光伝送路と第1の光通信モジュールとは、第1の光通信モジュールからの斜めの射出光が入射端面に入射するよう位置決めされ、光伝送路と第2の光通信モジュールとは、射出端面からの斜めの射出光が第2の光通信モジュールに入射するよう位置決めされている。
【0021】
上記構成によれば、第1の光通信モジュールから斜めに射出された光が光伝送路の入射端面に入力し、反射を繰り返しながら伝送された後、射出端面から斜めに射出される。斜めに射出された光は第2の光通信モジュール内に入射し正しく受光点に認識される。
【0022】
ここでいう光伝送路は、例えば基板上に立設された光透過性のあるモジュールで端部において入射端面と射出端面とを備える。
【0023】
本発明の第3の通信システムは、基板内に形成された溝内に形成され、基板表面に向いた開口窓を複数備え、開口窓の各々にはレンズを備えた光伝送路と、デバイス表面の発光点に略垂直な光射出軸に沿って光を射出し、開口窓のいずれか一つに対向して当該デバイス表面を向けて配置される光送信素子と、デバイス表面の受光点に略垂直な光入射軸に沿って光を入射し、開口窓の他のいずれか一つに対向して当該デバイス表面を向けて配置される光受信素子と、を備える。そして、光送信素子の光射出軸はレンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置され、光受信素子の光入射軸はレンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置されている。
【0024】
上記構成によれば、光送信素子から略垂直に射出された光は、伝送路の開口窓に設けられたレンズに到達する。このとき光送信素子の光射出軸とレンズの光学的中心軸とはずれているので、そのずれに応じて光路が曲げられ、基板平面に平行方向な方向成分を有する斜めの光となる。斜めの光は光伝送路内部を反射しながら伝送され、他方の開口窓に到達し斜めに射出される。ここでこの光が他方の開口窓に設けられたレンズの光学的中心軸からずれていると、そのレンズの曲率に従って屈折し基板面に略垂直な光として射出される。この射出方向に一致させて光受信素子の光入射軸が配置されているので、受光点にほぼ垂直に光を入射させることができる。
【0025】
本発明の第4の光通信システムは、デバイス表面の発光点から略垂直な光射出軸に沿って光を射出する光送信素子と、デバイス表面の受光点から略垂直な光入射軸に沿って光を入射する光受信素子と、基板上に延設され、延在方向に平行な複数の端面が設けられ、一方の端面及び他方の端部にそれぞれレンズが設けられた光伝送路と、を備える。そして、光送信素子の光射出軸はレンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置され、光受信素子の光入射軸はレンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置されている。
【0026】
上記構成によれば、光送信素子からほぼ垂直に射出された光は、光伝送路の一方の端面から入射するが、ここには光学的中心軸がずらされたレンズが設けられているので、光伝送路内には斜めの光が入射する。斜めの光は光伝送路内で反射を繰り返し他方の端部から射出される。ここでこの光が他方の端面に設けられたレンズの光学的中心軸からずれていると、そのレンズの曲率に従って屈折し基板面に略垂直な光として射出される。この射出方向に一致させて光受信素子の光入射軸が配置されているので、受光点にほぼ垂直に光を入射させることができる。
【0027】
なお、いずれの光伝送路の壁面には光反射膜が設けられていてもよい。光反射膜によれば、伝送路材料とその外側との屈折率の差が低くても入射した光を全面反射させながら光を損失することなく伝達可能だからである。
【0028】
またこの光反射膜は、光反射膜に沿って複数の凹面鏡が設けられていてもよい。凹面鏡により拡散しがちな光が集光され、射出側の開口窓に設けられたレンズに効率よく伝送することができる。
【0029】
また本発明の光通信モジュールの製造方法は、デバイス表面の光射出軸から所定距離ずらした位置を中心に光透過性樹脂材料液を適量吐出する工程と、吐出された材料液の溶媒を蒸発させる工程と、を一回以上繰り返すことにより所望の曲率を備えるレンズを形成する。これら工程によれば、デバイス表面に適量の樹脂材量を吐出し乾燥させる工程を繰り返すことで、レンズの厚みや曲率を調整していくことが可能である。また材料液の吐出によるため、材料の無駄がない。また特にマスクなどの装備無く、吐出位置の制御をするだけでよい。
【0030】
ここで、上記光透過性樹脂材料液の吐出に先立って、デバイス表面のレンズ形成予定領域に材料液と所定の接触角を有する薄膜を形成してもよい。これら工程によれば、薄膜を形成した領域にのみレンズを形成できるので、光学的中心軸と光入射出軸とのずれを固定化・適正化できる。すなわち材料液吐出位置の制御をする必要が無くなる。
【0031】
本発明は、本発明の光通信モジュールを備えた、または本発明の光通信モジュールの製造方法によって製造された光通信モジュールを備える電子機器でもある。電子機器は本発明の光通信モジュールを備えているので、製造コストが低く位置調整が容易であり、民生用のものとして優れている。
【0032】
ここで「電子機器」とは、本発明に係る光通信モジュールを備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、その構成に特に限定が無いが、例えば、上記表示装置を備えるパーソナルコンピュータ、携帯電話、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が含まれる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
まず図1に基づいて本発明の原理を説明する。図1(a)は凸レンズを用いた場合であり、図1(b)は凹レンズを用いた場合である。図1(a)に示すように、本発明の光通信モジュールは、光デバイスODとレンズLとを備える。光デバイスODは、デバイス表面の発光点LPから略垂直な光入出射軸LPAに沿って光を入出射するようになっている。レンズLは、その光学的中心LCを通る光学的中心軸LCAが光入出射軸LPAから所定距離Δdずらされて配置されている。光伝送路OFは、レンズL経由で光デバイスODと光学的に接続するが、例えば、その最端部の側面に光の入出射端面I/OFを備えている。光伝送路OFはその最端面側から光を入出射するのが通常であるが、光路LPの傾きθの大きさによっては最端面への入射角が大きすぎ、最端面において反射されてしまうため、本実施形態では、側面側に入射出端面を備えるものとした。
【0035】
例えば光送信素子である光デバイスODは基板面に設置するのでデバイス表面DSは基板面に水平となっている。発光点LPからの光入出射軸LPAは基板面に垂直であり、基板横方向への成分を持たない。光入出射軸LPAに沿って射出されレンズLに入射した光は、レンズLの中心LCを通る場合には光束の収束こそあれ、光軸方向に変化はないはずである。しかし、本発明ではレンズLが光射出軸からΔdだけずれて配置されている。このためレンズLの曲率に従って屈折し、その進行方向を変化させ角度θだけレンズの光学的中心軸LCAの方向に傾いて射出される。この傾いた光は、基板面に平行な方向成分を含んでいる。このため、この光を光入射端面I/OFから光伝送路OFに入射させれば、反射を繰り返しながら基板面に平行な方向に光を伝送できることになる。
【0036】
また、図1(b)に示すような凹レンズを用いた光通信モジュールでは、レンズLbが凹レンズとなっている点で異なる他、レンズLbを、光を曲げたい方向の反対側に配置する点で異なる。つまりレンズLbの光学的中心LCを通る光学的中心軸LCAが光入出射軸LPAから、凸レンズの場合と反対側にΔdだけずれている。この構成においても、発光点LPから射出した光は、レンズLbに入射し、凹レンズの拡散作用により光学的中心LCから離れる方向に屈折し、角度θだけ傾いて射出される。
【0037】
光受信の場合は光デバイスODが光受信素子であり光の進行方向が異なるだけで、原理的には類似である。すなわち角度θでレンズL・Lbに入射した光が逆の経路をたどって屈折し、基板面に略垂直な光となって光入出射軸LPAに沿って入射する。
【0038】
上記原理から判るように、どの程度の角度θだけ光路を傾けられるかは、レンズの屈折の強さ(曲率や材料)と光学的中心軸LCAと光入射出軸LPAとのずれに応じて変わる。逆に傾き角度θを所望の値にするべくレンズの曲率や材料、当該ズレ量を調整すればよい。
【0039】
なお、レンズL/Lbは、光デバイスODと光伝送路OFとの間のいずれの場所に配置されていてもよい。コストメリットから考えれば、レンズは光デバイスODと一体化されていたり光伝送路と一体化されていたりしているのがよい。以下の実施の形態では、それぞれの場合を示している。
【0040】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、光デバイスとレンズとが一体化された光通信モジュールを光伝送路と組み合わせた第1の光通信システムに関する。
【0041】
図2に、本第1の実施の形態に係る光通信モジュールの構造図を示す。図2(a)は光通信モジュールの平面図、図2(b)は平面図上の受発光中心点LP及び光学的中心点LCを通るB−B切断面図である。
【0042】
図2(a)及び(b)に示すように、本光通信モジュール1aは、光デバイス本体100とレンズ102とが一体化されて形成されている。光デバイス本体100は、面発光ダイオードやフォトデテクタ等の一般的な光送受信素子であり、その形状に限定はない。そのデバイス表面104には、光受発光点101が設けられている。光送信素子の場合には光受発光点101からデバイス表面104に垂直な方向に光が射出され、光受信素子の場合にはデバイス表面104に垂直な方向から光が光受発光点101に入射する。
【0043】
レンズ102は、本発明に係り、光透過性のある材料、例えばガラス、石英、透明な硬化性樹脂等により形成されている。後述する製造方法(第5の実施の形態:図8参照)によって液滴噴射装置から樹脂材料液をデバイス表面に吐出して形成するなら、レンズ102は液滴噴射装置から吐出可能な樹脂で形成される。レンズ102は、光デバイス本体101と一体化させるために底面が平面な半球レンズ状を呈している。レンズ102と光デバイス本体101のデバイス表面104とは透明な接着剤で接着してもよい。
【0044】
図2(b)から判るように、レンズ102の光学的中心点LCは光デバイス本体100の光受発光点101から距離Δdだけずれるように位置調整されている。すなわち受発光点101においてデバイス表面104から垂直方向に延びる光入出射軸LPAとレンズ102の光学的中心点LCから垂直に延びる光学的中心軸LCAとは、当該距離Δdだけ離間している。
【0045】
なお、光通信モジュールは、後述する製造方法を利用するなら、図2(c)に示すような制御薄膜を備えていてもよい。図2(c)に示すように、当該光通信モジュール1bでは、光デバイス本体101とレンズ102との間に制御薄膜103を備えている。この薄膜103は、レンズ102を適正な直径に形成するために、レンズの予定直径に合わせ円形領域にパターニングしておくものである。また制御薄膜103は、光透過性があり、樹脂材料液との親和性が調整されている必要がある。すなわち、薄膜103が樹脂材料液と親和性がありすぎると表面に沿って流れ、薄膜領域内に樹脂材料液が留まらない可能性がある。一方、薄膜103と樹脂材料液との親和性が無さ過ぎると薄膜103の形成領域全域に材料液が広がらない可能性もある。この親和性の程度は、樹脂材料液の粘度と当該薄膜に対しての材料液が接触した場合の接触角で規定できる。
【0046】
上記光通信モジュール1によれば、レンズ102の光学的中心軸LCAが光入出射軸LPAと所定距離だけ離れているので、上記原理で説明したように入出射する光の光路が所定角θだけ傾くようになる。
【0047】
図3を参照しながら、さらに具体的なレンズLの半径R、レンズの光学的中心点LCと光デバイスの光受発光点101とのずれΔd、及び光伝送路の入出射端面I/OFの関係を説明する。図3に示すように、光入出射軸LPAとレンズLの中心LCからの半径方向とがなす角、すなわちレンズ接線に対する光の入射角をθ1、半径方向の延長線とレンズから傾いて射出される光軸とのなす角、すなわちレンズからの光の出射角をθ0、光伝送路OFの入出射端面I/OFへの入射角をθiとする。
【0048】
発光点101の幅をDとすると、レンズLが球面レンズの場合のずれΔdは、当該発光点の幅Dとレンズ半径Rとの関係が、
D/2 < Δd <R−D/2 …(1)
となるように設定することが好ましい。この範囲であれば、発光点101から射出された光のほぼ総てがレンズLの半面に入射するからである。
【0049】
次にレンズからの光の出射角θ0は、レンズの屈折率をn1とした場合、
θ0=sin―1(n1・Δd/R) …(2)
となる。そしてレンズ接線に対する光の入射角θ1は、
θ1=sin―1(Δd/R) …(3)
であるため、光導波路OFの光入出射端面I/OFへの入射角θiは、
θi=θ0―θ1=θ=sin―1(n1・Δ/R)
―sin―1(Δd/R) …(4)
と表される。光導波路OFの表面における反射はブリュースター角になるように入射させたときが最も反射が少ないため、θiが光導波路OFのブリュースター角に近くなるようにΔdとRとを設定することが好ましい。
【0050】
なお、ブリュースター角とは、ある角度で反射係数が0、透過係数が1になる角度をいい、入射光の電界ベクトルが屈折した光の波数方向と一致したときであり、進行方向に対して垂直な電界成分がなくなる場合である。この角度の発見者(Brewster)の名をとってブリュースター角と呼ばれている。
次に、上記光通信モジュール1を用いた第1の光通信システムについて説明する。図4(a)に第1の光通信システムにおける光軸に沿って切断した断面図、図4(b)に光軸のうち図4(a)のB−B切断面で切断した断面図を示す。
【0051】
図4(a)に示すように、当該光通信システムは、光送信モジュール1T、光伝送路2a、及び光受信モジュール1Rによって構成されている。光伝送路2aは、基板300に形成された溝301内部に収容されている。図4(b)に示すように、光伝送路2aは断面が矩形をしている。但し、光伝送路の断面形状は矩形に限定されることなく、他の多角形や円形であってもよい。光伝送路2aは、本体200とその周囲に形成された反射膜203によって構成されている。反射膜203は光を全反射可能なもので形成されていればよく、例えばアルミ等の金属薄膜である。また反射膜203は膜を形成している必要はなく、光反射材料を本体200の周囲に吹き付け等して形成してもよい。光伝送路2aの端部側面には、光を入射出するための開口窓201及び202が設けられており、反射膜203が形成されていない。本体200の断面がいかなる形状をしていても、開口窓201・202に相当する領域は平面を形成していることが好ましい。光通信モジュールからまたは光通信モジュールへの光を同じ条件で入出射する領域をある程度確保するためである。
【0052】
なお、開口窓は二つに限らず3つ以上設けてもよい。送信する光の強度を上げることで、一つの光送信で複数の光受信をさせることも可能である。
【0053】
光送信モジュール1Tは、図2及び3で説明したような構造を備える。具体的には、面発光ダイオード等、電気信号を光信号に変換する光送信素子を光デバイス100としており、当該光デバイスとレンズ102とが一体形成してある。このため光送信素子のデバイス表面104から垂直に射出された光が斜めに射出されるようになっている。この光送信モジュール1Tについては、射出される斜めの光が光伝送路2aの開口窓201にほぼ入射するように位置決めされる。
【0054】
光受信モジュール1Rについても同様であり、図2及び3で説明したような構造を備える。具体的には、フォトデテクタ等、光信号を電気信号に変換する光受信素子を光デバイス100としており、当該光デバイスとレンズ102とが一体形成してある。レンズの所定箇所に斜めに入射した光は光受信素子の受光点を含むデバイス表面104に垂直に入射するようになっている。この光受信モジュール1Rについては、光伝送路2aの開口窓202から射出された斜めの光がレンズ102により屈折し受光点101にほぼ垂直に入射可能になるように位置決めされる。
【0055】
上記構成において、光送信モジュール1Tから斜めに射出された光は、光伝送路2aの開口窓201のいずれかの箇所から本体200内に入射する。入射した光は、その入射角に応じて反射膜203で全反射を繰り返し基板面に平行な方向に伝送される。そして開口窓202から射出され、光受信モジュール1Rのレンズ102に到達する。この光はレンズ102によって屈折しデバイス表面に垂直な方向からの光として受光点101に入射する。
【0056】
上記第1の実施の形態によれば、光送信モジュール1Tからの光を特にミラーなど使うことなく基板面に沿って伝送させ、かつミラーなどを用いることなく再び基板面に垂直な方向の光として光受信素子に入射させることができる。このためミラー部材の使用や位置、角度調整などが不要である。
【0057】
また第1の実施の形態によれば、光送信モジュール1Tからの光は、開口窓に入射しさえすればよいため、位置合わせが容易である。また、入出射ともミラーなどの特殊部材が必要ない。
【0058】
また第1の実施の形態によれば、光伝送路2aとしては開口窓を確保すれば、通常の光ファイバを利用可能であり製造し易い。
【0059】
また第1の実施の形態によれば、光伝送路を、全反射を行う反射膜によって囲んでいるので、光損失を抑えることができる。
【0060】
また第1の実施の形態によれば、光通信モジュールのレンズ部分の突起を溝内に納めたので、光通信システムの実装がし易い。
【0061】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、光デバイスとレンズとが一体化された光通信モジュールについて、上記第1の実施の形態とは異なる形態の光伝送路を組み合わせた第2の光通信システムに関する。光通信モジュールの具体的な構造については上記第1の実施の形態と同様である。
【0062】
本第2の実施の形態における第2の光通信システムについて説明する。図5(a)に第2の光通信システムにおける光軸に沿って切断した断面図、図5(b)に当該光通信システムを光送信モジュール側から見た側面図を示す。
【0063】
図5(a)及び(b)に示すように、当該光通信システムは、光送信モジュール1T、光伝送路2b、及び光受信モジュール1Rによって構成されている。本実施の形態の光伝送路2bは、上記第1の実施の形態と異なり、基板300上に立設したように設けられる。光伝送路2bは本体210全体が光透過性のある材料、例えば硬化性樹脂で形成されており、その端部に光送信モジュール1Tからの光を入射させるための入射端面211と光受信モジュール1Rへの光を射出させるための射出端面212とを備える。光伝送路2bと光送信モジュール1Tとは、光送信モジュール1Tからの斜めの射出光が入射端面211に入射するよう位置決めされている。また光伝送路2bと光受信モジュール1Rとは、射出端面212からの斜めの射出光が光受信モジュール1Rに入射するよう位置決めされている。図5では、本体210が蒲鉾形、すなわち半円柱状に近い断面形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、矩形等、多角形形状に形成されていてもよい。本体210の断面がいかなる形状をしていても、入射端面211及び射出端面212に相当する領域は平面を形成していることが好ましい。光通信モジュールからまたは光通信モジュールへの光を同じ条件で入出射する領域をある程度確保するためである。
【0064】
光送信モジュール1Tについては、発光点101から射出され、斜めの方向に屈折した光が光伝送路2bの入射端面211に入射するように位置決めされる。光受信モジュール1Rについては、光伝送路2bの射出端面212から射出された斜めの光がレンズ102により屈折し光受信素子の受光点101を含むデバイス表面104にほぼ垂直に入射可能になるように位置決めされている。
【0065】
なお、光伝送路2bについては周囲に反射膜を設けることにより、光の利用効率を上げることができる。ただしこの場合にも入射端面211や射出端面212は被覆をしない。
【0066】
上記構成において、光送信モジュール1Tから斜めに射出された光は、光伝送路2bの入射端面211のいずれかの箇所から本体210内に入射する。入射した光は、その入射角に応じて壁面で全反射を繰り返し基板面に平行な方向に伝送される。そして射出端面212から射出され、光受信モジュール1Rのレンズ102に到達する。この光はレンズ102によって屈折しデバイス表面104に垂直な方向からの光として受光点101に入射する。
【0067】
上記第2の実施の形態によれば、光送信モジュール1Tからの光を特にミラーなど使うことなく基板面に沿って伝送させ、かつミラーなどを用いることなく再び基板面に垂直な方向の光として光受信素子に入射させることができる。このためミラー部材の使用や位置、角度調整などが不要である。
【0068】
また第2の実施の形態によれば、光送信モジュール1Tからの光は、開口端面に入射しさえすればよいため、位置合わせが容易である。また、入出射ともミラーなどの特殊部材が必要ない。
【0069】
また第2の実施の形態によれば、光通信モジュールのレンズ部分の突起を基板上方に向けられるので、光通信システムの実装がし易い。
【0070】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、レンズが一体化された光伝送路を用いる第3の光通信システムに関する。
【0071】
本第3の実施の形態における第3の光通信システムは、上記第1の実施の形態と近似した構成を備えるが、光通信モジュールにおけるレンズが存在しない代わりに、光伝送路の開口窓にレンズが設けられている点で異なる。
【0072】
本第3の実施の形態に係る第3の光通信システムについて説明する。図6(a)に第3の光通信システムにおける光軸に沿って切断した断面図、図6(b)に光軸のうち図6(a)のB−B切断面で切断した断面図を示す。
【0073】
図6(a)に示すように、当該光通信システムは、光送信素子4T、光伝送路2c、及び光受信素子4Rによって構成されている。光伝送路2cは、基板300に形成された溝301内部に収容されている。図6(b)に示すように、光伝送路2cは断面が矩形をしている。但し、光伝送路の断面形状は矩形に限定されることなく、他の多角形や円形であってもよい。光伝送路2cは、本体220とその周囲に形成された反射膜223によって構成されている。反射膜223は光を全反射可能なもので形成されていればよく、例えばアルミ等の金属薄膜である。また反射膜223は膜を形成している必要はなく、光反射材料を本体220の周囲に吹き付け等して形成してもよい。特に本実施の形態では、光の集光を効率よく行うために反射レンズ224が光伝送路に沿って設けられている。光伝送路2cの端部側面には、開口窓221及び222が設けられている点は、上記第1の実施の形態と同様である。ただし、この開口窓221及び222には、光通信モジュール1aが備えていたものと同様のレンズ225が一体成形されている点で異なる。
【0074】
光送信素子4Tは、通常の光送信用の光デバイスであり、例えば面発光ダイオードそのものである。同様に、光受信素子4Rも通常の光受信用の光デバイスであり、例えばフォトデテクタである。この光送信素子4Tについては、デバイス表面104の発光点101から垂直に射出された光がレンズ225の所定位置、すなわち当該レンズの光学的中心軸から所定距離だけ基板平面に平行な方向にずれた位置に入射するように位置決めされている。
【0075】
光受信素子4Rについても、通常の光受信用の光デバイスであり、例えばフォトデテクタである。この光受信素子4Rについては、光伝送路2cの開口窓222に達しレンズ225により屈折して基板平面に垂直に射出された光が受光点101に入射するように位置決めされる。
【0076】
上記構成において、光送信素子4Tから垂直に射出された光は、光伝送路2cの開口窓221のレンズ225のうち、当該レンズの光学的中心位置から所定距離だけずれた位置に入射する。入射した光はレンズ225により屈折し入射角θの斜めの光になる。この光は、その入射角に応じて反射膜203で全反射を繰り返し基板面に平行な方向に伝送される。そして開口窓202からレンズ225の屈折作用により再び基板平面に垂直な方向に射出されて、光受信素子4Rの受光点101に到達する。
【0077】
上記第3の実施の形態によれば、光送信素子4Tからの光を特にミラーなど使うことなく基板面に沿って伝送させ、かつミラーなどを用いることなく再び基板面に垂直な方向の光として光受信素子4Rに入射させることができる。このためミラー部材の使用や位置、角度調整などが不要である。
【0078】
また第3の実施の形態によれば、光伝送路を、全反射を行う反射膜によって囲んでいるので、光損失を抑えることができる。
【0079】
また第3の実施の形態によれば、光通信モジュールのレンズ部分の突起を溝内に納めたので、光通信システムの実装がし易い。
【0080】
また第3の実施の形態によれば、光送信素子4Tや光受信素子4Rには通常の光デバイスを用いることができる。
【0081】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態は、レンズが一体化された光伝送路を用いる光伝送路について、上記第3の実施の形態とは異なる形態の光伝送路を組み合わせた第4の光通信システムに関する。
【0082】
本第4の実施の形態における第4の光通信システムについて説明する。図7(a)に第4の光通信システムにおける光軸に沿って切断した断面図、図7(b)に当該光通信システムを光送信モジュール側から見た側面図を示す。
【0083】
図7(a)及び(b)に示すように、当該光通信システムは、光送信素子4T、光伝送路2d、及び光受信素子4Rによって構成されている。本実施の形態の光伝送路2dは、上記第3の実施の形態と異なり、基板300上に立設したように設けられる。光伝送路2dは本体230全体が光透過性のある材料、例えば硬化性樹脂で形成されており、その端部に光送信素子4Tからの光を入射させるための入射端面231と光受信素子4Rへの光を射出させるための射出端面232とを備える。さらに入射端面31にはレンズ233が、射出端面232にもレンズ234が設けられている。
【0084】
光送信素子4Tは、通常の光送信用の光デバイスであり、例えば面発光ダイオードそのものである。同様に、光受信素子4Rも通常の光受信用の光デバイスであり、例えばフォトデテクタである。この光送信素子4Tについては、デバイス表面104上の発光点101から垂直に射出された光がレンズ233の所定位置、すなわち当該レンズの光学的中心軸から所定距離だけ基板平面に平行な方向にずれた位置に入射するように位置決めされている。
【0085】
光受信素子4Rについても、通常の光受信用の光デバイスであり、例えばフォトデテクタである。この光受信素子4Rについては、光伝送路2dの射出端部232に達しレンズ234により屈折して基板平面に垂直に射出された光が光受信素子4Rの受光点101に入射するように位置決めされる。
【0086】
図5では、本体230が蒲鉾形、すなわち半円柱状に近い断面形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、矩形等、多角形形状に形成されていてもよい。
【0087】
上記構成において、光送信素子4Tから垂直に射出された光は、光伝送路2dの入射端面231のレンズ233のうち、当該レンズの光学的中心位置から所定距離だけずれた位置に入射する。入射した光はレンズ233により屈折し入射角θの斜めの光になる。この光は、その入射角に応じて本体230の壁面で反射を繰り返し基板面に平行な方向に伝送される。そして反対側の射出端面232に達しそこのレンズ234の屈折作用により再び基板平面に垂直な方向に射出されて、光受信素子4Rの受光点101に到達する。
【0088】
上記第4の実施の形態によれば、光送信素子4Tからの光を特にミラーなど使うことなく基板面に沿って伝送させ、かつミラーなどを用いることなく再び基板面に垂直な方向の光として光受信素子に入射させることができる。このためミラー部材の使用や位置、角度調整などが不要である。
【0089】
また第4の実施の形態によれば、レンズ部分の突起が光伝送路に設けられているので、光通信システムの実装がし易い。
【0090】
また第4の実施の形態によれば、光送信素子4Tや光受信素子4Rには通常の光デバイスを用いることができる。
【0091】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、本発明に係る光通信モジュールの製造方法の具体例に関する。図8の製造工程断面図を参照しながら、当該製造方法を説明する。
【0092】
まず光デバイス100のデバイス表面に制御薄膜103を形成する(ST1)。制御薄膜103は、光透過性があり、樹脂材料液との親和性が調整されている材料によって形成する。例えば、所定の樹脂材料を塗布等して形成可能である。次いで、この制御薄膜103を、レンズ102の予定形成領域の形状にパターニングする(ST2)。このとき目的とする光入出射点101と光学的中心LCとの距離を、本発明の原理に基づいて設定する。
【0093】
次いでピエゾジェット式記録ヘッドと同等の構造を備える液体吐出装置10から光透過性樹脂材料液11を制御薄膜103表面に適量吐出させる(ST3)。この材料液11は光透過性樹脂を溶媒に溶解して液滴吐出に適するような粘度に調整されているものである。吐出量は、制御薄膜103からあふれ出ない程度とする。
【0094】
次いで吐出された樹脂材料液11に含まれる溶媒を加熱乾燥させる(ST4)。溶媒が蒸発すると樹脂材料液11は固化するが、その体積が相当減少し、充分な表面の曲率が得られないことがある。このような場合には、再び樹脂材料液11の吐出工程(ST3)と加熱乾燥工程(ST4)とを繰り返し、目的とする曲率が得られるまで光透過性樹脂を積層する。
【0095】
以上の工程によって、制御薄膜103上に本発明のレンズ102が形成される。レンズの半径Rや光学的中心LCと光受発光点LPとのずれΔdは、前述した関係によって設定する。レンズの光学的特性は、レンズ材料の粘性、レンズ材料の吐出量等で定まる。
【0096】
なお、上記工程において制御薄膜103を形成せず位置制御しながら光学的中心点LCを中心として材料液を吐出してレンズ102を形成するようにしてもよい。
【0097】
以上の例は、樹脂材料液との親和性を調整する制御薄膜を用いる例であるが、これを用いない場合には、例えば、デバイス表面104の所定箇所にくぼみ(バンク)を形成することは好ましい。インクジェット技術によってこのくぼみに紫外線硬化樹脂等をレンズ形状になるまで吐出させ、紫外線を照射させて硬化させる。レンズの光学的特性は、バンプの形状、レンズ材料の粘性、レンズ材料の吐出量等で定まる。
以上本第5の実施の形態によれば、液滴吐出法を利用することにより、簡単に本発明の光通信モジュールを形成可能である。
【0098】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態は、本発明の光通信モジュールを備えた電子機器、特にパーソナルコンピュータに関する。
【0099】
図9は、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ1000の構成を示す斜視図である。図9において、パーソナルコンピュータ1000は、表示パネル1001と、キーボード1002を備えた本体部1004と、から構成されている。当該コンピュータ表示装置1000の本体部1004の内蔵基板間や本体部1004と表示パネル1001との通信には、本発明の光通信モジュールの製造方法により製造された光通信モジュールが利用されている。
【0100】
上記例に限らず本発明に係る光通信モジュールは、光通信という高速通信を利用する、あらゆる電子機器の製造に適用可能である。
【0101】
(その他の変形の可能性)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の特許請求の範囲に記載の要旨の範囲内で種々に変形、変更できるものである。
【0102】
例えば、本発明は、レンズを光デバイス側に一体化する例(第1及び第2の実施の形態)、及びレンズを光伝送路側に一体化する例(第3及び第4の実施の形態)を示したが、これに限定されない。
【0103】
すなわち、光送信側においてレンズと光デバイスとを一体化し、光受信側においてレンズと光伝送路とを一体化するように光通信システムを構成してもよい。またこれとは逆に、光送信側においてレンズと光伝送路とを一体化し、光受信側においてレンズと光デバイスとを一体化するように光通信システムを構成してもよい。
【0104】
またレンズは一体化されていなければならないことはなく、光デバイスと光伝送路との間に配置して光通信システムを構成してもよい。
【0105】
また上記実施の形態では、独立した光通信モジュールを例示したが、モジュールアレイにしてもよい。例えば所定のピッチで光入出射点が設けられている光デバイスアレイ上に、同じピッチで光学的中心点が配置されているレンズアレイを合わせる。両者のピッチが同じであるため、各光デバイスの光入出射点と光学的中心点との位置ずれはどの組においても等しくなる。したがって、このような光デバイスアレイとレンズアレイとを組み合わせた光通信モジュールアレイを構成すれば、入出射される光の傾きをアレイ全体で統一的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光通信モジュールの原理を説明する図。
【図2】実施の形態に係る光通信モジュールの構成図。
【図3】本発明の光モジュールにおける各要素の関係図。
【図4】第1の実施の形態に係る光通信システムの構成であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のB―B切断面図。
【図5】第2の実施の形態に係る光通信システムの構成であり、(a)は側面図、(b)は(a)の光送信素子側から見た正面図。
【図6】第3の実施の形態に係る光通信システムの構成であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のB―B切断面図。
【図7】第4の実施の形態に係る光通信システムの構成であり、(a)は側面図、(b)は(a)の光送信素子側から見た正面図。
【図8】第5の実施の形態に係る光通信モジュールの製造工程断面図。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る電子機器の例であり、携帯型パーソナルコンピュータを例示するものである。
【符号の説明】
OD…光デバイス(光送信素子、光受信素子)、OF…光ファイバ(光伝送路)、L…レンズ、LPA…光入射出軸、LCA…光学的中心軸、LP…光路、Δd…ずれ量、1T、4T…光送信素子、1R、4R…光受信素子、2a〜2d…光伝送路、100…光デバイス本体、101…受発光点、102…集光レンズ、103…親和性薄膜、104…デバイス表面、200、210、220、230…光伝送路本体、201、211、221、231…入射側開口窓、202、212、222、232…射出側開口窓、203、223…反射膜、224…反射レンズ、233、234、225…レンズ、300…基板、301…溝
Claims (15)
- デバイス表面の発光点から略垂直な光射出軸に沿って光を射出する光送信素子と、
光学的中心軸が前記光射出軸から所定距離ずらされて配置されたレンズと、を備えたことを特徴とする光通信モジュール。 - 前記レンズが前記光送信素子の前記デバイス表面に設けられている、請求項1に記載の光通信モジュール。
- デバイス表面の受光点から略垂直な光入射軸に沿って光を入射する光受信素子と、
光学的中心軸が前記光入射軸から所定距離ずらされて配置されたレンズと、を備えたことを特徴とする光通信モジュール。 - 前記レンズが前記光受信素子の前記デバイス表面に設けられている、請求項4に記載の光通信モジュール。
- 基板内に形成された溝内に形成され、基板表面に向いた開口窓を複数備えた光伝送路と、
前記開口窓の何れか一つに対向して前記デバイス表面を向けて配置された請求項1または2に記載の光通信モジュールと、
前記開口窓の他のいずれか一つに対向して前記デバイス表面を向けて配置された請求項3または4に記載の光通信モジュールと、
を備えた光通信システム。 - 前記デバイス表面を基板に略垂直方向に向けて配置される請求項1または2に記載の第1の光通信モジュールと、
前記デバイス表面を当該基板に略垂直方向に向けて配置される請求項3または4に記載の第2の光通信モジュールと、
前記基板上に延設され、前記第1の光通信モジュールからの光を入射させるための入射端面と前記第2の光通信モジュールへの光を射出させるための射出端面とを備える光伝送路と、を備え、
前記光伝送路と前記第1の光通信モジュールとは、前記第1の光通信モジュールからの斜めの射出光が前記入射端面に入射するよう位置決めされ、
前記光伝送路と前記第2の光通信モジュールとは、前記射出端面からの斜めの射出光が前記第2の光通信モジュールに入射するよう位置決めされていることを特徴とする光通信システム。 - 基板内に形成された溝内に形成され、基板表面に向いた開口窓を複数備え、前記開口窓の各々にはレンズを備えた光伝送路と、
デバイス表面の発光点に略垂直な光射出軸に沿って光を射出し、前記開口窓のいずれか一つに対向して当該デバイス表面を向けて配置される光送信素子と
デバイス表面の受光点に略垂直な光入射軸に沿って光を入射し、前記開口窓の他のいずれか一つに対向して当該デバイス表面を向けて配置される光受信素子と、を備え、
前記光送信素子の前記光射出軸は前記レンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置され、
前記光受信素子の前記光入射軸は前記レンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置されていることを特徴とする光通信システム。 - デバイス表面の発光点から略垂直な光射出軸に沿って光を射出する光送信素子と、
デバイス表面の受光点から略垂直な光入射軸に沿って光を入射する光受信素子と、
基板上に延設され、延在方向に平行な複数の端面が設けられ、一方の前記端面及び他方の前記端部にそれぞれレンズが設けられた光伝送路と、を備え、
前記光送信素子の光射出軸は前記レンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置され、
前記光受信素子の光入射軸は前記レンズの光学的中心軸から所定距離ずらされて配置されていることを特徴とする光通信システム。 - 前記光伝送路の壁面には、光反射膜が設けられている、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の光通信システム。
- 前記光反射膜は、前記光反射膜に沿って複数の凹面鏡が設けられている、請求項9に記載の光通信システム。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光通信モジュールの製造方法であって、
前記デバイス表面の前記光射出軸から所定距離ずらした位置を中心に光透過性樹脂材料液を適量吐出する工程と、
前記吐出された前記材料液の溶媒を蒸発させる工程と、を一回以上繰り返すことにより所望の曲率を備える前記レンズを形成することを特徴とする光通信モジュールの製造方法。 - 前記光透過性樹脂材料液の吐出に先立って、
前記デバイス表面の前記レンズ形成予定領域に前記材料液と所定の接触角を有する薄膜を形成する、請求項11に記載の光通信モジュールの製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光通信モジュールを備える電子機器。
- 請求項5乃至10のいずれか一項に記載の光通信システムを備える電子機器。
- 請求項11または12のいずれか一項に記載の光通信モジュールの製造方法によって製造された光通信モジュールを備える電子機器。
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