JP2004274845A - 電気車制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直流電力を任意の交流電力に変換する可変電圧可変周波数インバータ1により駆動される複数台の三相用誘導電動機2〜5のベクトル制御を行う電気車制御装置において、誘導電動機2〜5の複数台分の全電流を検出する第1の電流検出手段12と、各誘導電動機2〜5の所定の一相の相電流を検出する第2の電流検出手段14〜17と、各相電流を実効値に変換して実効値の最大電流と実効値の最小電流との偏差からトルク補正値を演算し、誘導電動機2〜5の基準トルク値からトルク補正値を減算したトルク指令値を生成するトルク指令生成手段18と、第1の電流検出手段14〜17で検出された全電流とトルク指令値とを一致させるトルク信号を可変電圧可変周波数インバータ1に指令するトルク制御手段6とを備えたものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、1台の可変電圧可変周波数インバータ(以下、VVVFインバータと称する)で駆動される複数台の電気車駆動用誘導電動機の空転を抑制するようにしたベクトル制御による電気車制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気車制御装置においては、VVVFインバータの交流側に接続された複数台の三相用誘導電動機の各2相分の相電流が電流検出手段により検出され、検出された各相電流に基づいてトルク指令が補正される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−60198号公報(第7頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気車制御装置では、各誘導電動機の2相分の相電流を検出する必要があるので、電流検出手段が多くなるため小形化を図るのが困難であるとという問題点があった。
【0005】
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、電流検出手段の数を減らして小形化を図ることができる電気車制御装置を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる電気車制御装置は、直流電力を任意の交流電力に変換する可変電圧可変周波数インバータにより駆動される複数台の三相用誘導電動機のベクトル制御を行う電気車制御装置において、誘導電動機の複数台分の全電流を検出する第1の電流検出手段と、各誘導電動機の所定の一相の相電流を検出する第2の電流検出手段と、各相電流を実効値に変換して実効値の最大電流と実効値の最小電流との偏差からトルク補正値を演算し、誘導電動機の基準トルク値からトルク補正値を減算したトルク指令値を生成するトルク指令生成手段と、第1の電流検出手段で検出された全電流とトルク指令値とを一致させるトルク信号を可変電圧可変周波数インバータに指令するトルク制御手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における構成図、及び図2〜図4はそれぞれ図1の要部を示すブロック図である。
図1から図4において、直流を任意の周波数の交流に変換するVVVFインバータ1の交流出力側に、電気車駆動用の複数台の誘導電動機2〜5が接続され、トルク指令に基づいたトルクを各誘導電動機2〜5が出力するように、トルク制御手段6によりVVVFインバータ1が制御される。又、各誘導電動機2〜5は、車輪7〜10を介してそれぞれレール11に接している。VVVFインバータ1の交流出力側の例えばU相において4台の誘導電動機2〜5に流れるU相の全電流を第1の電流検出手段12で検出して全電流信号Iuが出力される。又
VVVFインバータ1の交流出力側のV相において4台の誘導電動機2〜5に流れるV相の全電流をV相全電流検出手段13で検出してV相全電流信号Ivが出力される。このV相全電流信号Ivはベクトル制御に使用される。各誘導電動機2〜5の例えばU相の相電流をそれぞれ第2の電流検出手段14〜17により検出して相電流信号I1u、I2u,I3u,I4uが出力される。
【0008】
相電流信号I1u〜I4uが入力されたトルク指令生成手段18では、相電流信号I1u〜I4uに基づいてトルク指令18aを生成する。トルク制御手段6ではトルク指令生成手段18から出力されたトルク指令値18aと全電流信号Iu,Ivとからトルク信号6aをVVVFインバータ1に指令する。
次に動作について説明する。図1から図4において、第2電流検出手段14〜17により各誘導電動機2〜5に流れるU相電流が検出されて相電流信号I1u〜I4uが出力される。この相電流信号I1u〜I4uはトルク指令生成手段18へ入力される。トルク指令生成手段18では、相電流信号I1u〜I4uに基づいて電流実効値演算手段19〜22で電流実効値|I1u|、|I2u|、|I3u|,|I4u|が演算される。
【0009】
例えば、電流実効値演算手段19では、第2の電流検出手段14により検出された誘導電動機2に流れる相電流信号I1uから絶対値演算手段19aにより絶対値を求め、平滑処理手段19bで平滑処理を行って電流実効値|I1u|を演算する。平滑処理手段19bは例えば、一次遅れ関数などを用いて平滑処理を行う。このようにして、電流実効値演算手段19〜22において各相電流信号I1u〜I4uに対する電流実効値|I1u|、|I2u|、|I3u|、|I4u|が演算される。そして、電流判別手段23で電流実効値の中で、最大電流Imax、最小電流Iminを判別する。トルク補正値演算手段24では、入力された最大電流Imax、最小電流Iminに基づいてトルク補正値dtを演算する。
【0010】
トルク補正値演算手段24の具体的な方法の一例について図4に示す。トルク補正値演算手段24では、第1の減算器25により最大電流Imaxから最小電流Iminを減算して偏差を求める。そして、その偏差に基づいてトルク補正テーブル26からトルク補正値dtを求める。なお、トルク補正テーブルは試験データに基づいて、空転時の電流値偏差から空転を抑制できるトルク補正値を決定するものである。
トルク指令生成手段18の第2の減算器27において、基準トルク指令生成手段28の出力である基準トルク指令値から、トルク補正値演算手段24で求めたトルク補正値dtを減算し、その減算結果をトルク指令値18aとしてトルク制御手段6に出力する。
【0011】
トルク制御手段6では、トルク指令値18aから求められる電流指令に各誘導電動機2〜5が出力するトルクが一致するように、VVVFインバータ1にトルク信号6aを指令する。即ち、トルク制御手段6では、トルク指令値18aから求められる電流指令と、第1電流検出手段12で検出された各誘導電動機2〜5に流れる全電流Iuとが一致するように電流制御を行うことにより、トルク指令値に追従したトルクがVVVFインバータ1から出力される。
電気車では、各誘導電動機2〜5が車輪7〜10を介してレール11に接している。そして、電気車の車体速度と車輪速度とが微少な速度差を有することにより、各誘導電動機2〜5が出力するトルクをレール11に伝えることができる。車体速度と車輪速度が一致することは、レール11上を車輪7〜10が全く滑りをもたず、転がることを意味する。各誘導電動機2〜5の出力するトルクの中で、レール11に伝わるトルクあるいは力は、粘着力とも呼ばれて電気車の推進力となる。
【0012】
前述したように、車輪7〜10と車体速度との速度差が大きくなると、車輪7〜10とレール11との間の粘着力が低下するため、電気車として十分な推進力を得られなくなる。そして、この状態では、各誘導電動機2〜5のロータ及び車輪7〜10は、レール11への粘着力が低下した分だけ、余剰なトルクにより急激な加速トルクにより回転周波数が上昇して空転が発生する。この空転は、車輪7〜10からレール11への粘着力、即ち電気車の推進力の低下を表す現象であることから、電気車としては各誘導電動機2〜5の空転を抑制して、レール11へ大きなトルクを伝達することが重要である。
【0013】
ここで、実施の形態1のベクトル制御を用いた電気車制御装置の動作を説明する。図5は実施の形態1における空転時の動作を示す説明図で、誘導電動機2が空転した場合の一例が示されている。
図5において、(a)〜(d)はそれぞれ誘導電動機2〜5の速度を示している。例えば、誘導電動機2が空転した場合、誘導電動機2の速度が急激に上昇して誘導電動機2に流れるU相電流I1uに基づいて電流実効値演算手段19で演算される電流実効値|I1u|が図5(e)に示すように減少する。また、その他の各誘導電動機3〜5の電流実効値|I2u|、|I3u|、|I4u|は図5(f)(g)(h)に示すように増加する。このときの電流実効値|I1u|、|I2u|、|I3u|、|I4u|を基に最大電流Imaxと最小電流Iminを図5(i)(j)に示すように判別して、最大電流Imaxから最小電流Iminを減算する。その減算結果に基づいて、トルク補正テーブル26により図5(k)に示すようにトルク補正値dtを決める。
【0014】
基準トルク指令生成手段28の出力である基準トルク指令値から、このトルク補正値dtを減算して図5(l)に示すようにトルク指令値を演算する。このように、電流値から各誘導電動機2〜5の空転を検知してトルクを補正するようにしているので、各誘導電動機2〜5の空転を抑制することができる。
以上のように、複数台の誘導電動機2〜5の各相電流を実効値に変換して、実効値の最大電流Imaxと実効値の最小電流Iminとの偏差からトルク補正値を演算して、誘導電動機2〜5の基準トルク値からトルク補正値を減算したトルク指令値を生成し、複数台の誘導電動機2〜5の全電流とトルク指令値とを一致させるトルク信号を可変電圧可変周波数インバータ1に指令することにより、第2の電流検出手段14〜17の数を減らして小形化を図ることができる。
実施の形態1において、第1の電流検出手段12によりU相の全電流を検出し、各第2の電流検出手段14〜17により各誘導電動機2〜5のU相の相電流を検出するものについて説明したが、V相又はW相の全電流及び相電流を検出しても同様の効果を期待することができる。
【0015】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2における構成図である。図6において、直流を任意の周波数の交流に変換するVVVFインバータ1の交流出力側に、電気車駆動用の複数台の誘導電動機2〜5が接続され、トルク指令に基づいたトルクを各誘導電動機2〜5が出力するように、後述のトルク制御手段31によりVVVFインバータ1が制御される。また、各誘導電動機2〜5は、車輪7〜10を介してそれぞれレール11に接している。VVVFインバータ1の交流出力側U,V,W相の例えばU相、V相において4台の誘導電動機2〜5に流れる全電流を第1の電流検出手段12で検出して全電流信号Iuが出力される。又、各誘導電動機2〜4の例えばU相の相電流をそれぞれ第2電流検出手段14〜16により検出して相電流信号I1u、I2u、I3uが出力される。第2の電流検出手段14〜16により検出された相電流信号I1u、I2u、I3uは電流演算手段19に入力される。
【0016】
電流演算手段29では第1の電流検出手段12で検出された全U相電流信号Iuと、第2の電流検出手段14〜16により検出された各U相電流I1u、I2u、I3uとに基づいて、第2の電流検出手段14〜16による相電流検出から除かれた誘導電動機5のU相に流れるU相電流値を演算して相電流信号I4uを出力する。
トルク指令生成手段30では各相電流信号I1u、I2u、I3u、I4uに基づいてトルク指令信号30aを生成する。トルク制御手段31ではトルク指令生成手段30から出力されたトルク指令信号30aと全電流信号Iuとによりトルク信号31aを出力してVVVFインバータ1を制御する。
【0017】
次に動作について説明する。図6において、第2電流検出手段14〜16により各誘導電動機2〜4に流れるU相電流が検出されて相電流信号I1u〜I3uが出力される。この相電流信号I1u〜I3uと第1の電流検出手段12で検出された全U相電流信号Iuとが電流演算手段29に入力される。ここで、全U相電流Iuと各誘導電動機2〜5のU相電流I1u、I2u,I3u、I4uとの間には、式(1)の関係がある。そこで、電流演算手段29では式(2)により誘導電動機5のU相電流を演算する。
Iu=I1u+I2u+I3u+I4u・・・(1)
I4u=Iu−(I1u+I2u+I3u)・・・(2)
トルク指令生成手段30では、相電流信号I1u〜I4uに基づいてトルク補正値dtが演算され、トルク補正値dtにより基準トルク指令値を補正してトルク指令値30aが出力される。
【0018】
トルク制御手段31では、トルク指令値30aから求められる電流指令に各誘導電動機2〜5が出力するトルクが一致するように、VVVFインバータ1にトルク信号31aを指令する。即ち、トルク制御手段31では、トルク指令値30aから求められる電流指令と、第1電流検出手段12で検出された各誘導電動機2〜5に流れる全電流Iuとが一致するように電流制御を行うことにより、トルク指令値30aに追従したトルクがVVVFインバータ1から出力される。
【0019】
以上のように、誘導電動機2〜5の全台数から1台を除いた各誘導電動機2〜4の所定の一相の相電流を検出して検出されなかった誘導電動機5の相電流を演算し、各相電流を実効値に変換して実効値の最大電流Imaxと実効値の最小電流Iminとの偏差からトルク補正値を演算して、誘導電動機2〜5の基準トルクからトルク補正値を減算したトルク指令値30aを生成し、複数台の誘導電動機2〜5の全電流とトルク指令値30aとを一致させるトルク信号31aを可変電圧可変周波数インバータ1に指令することにより、第2の電流検出手段14〜16の数を減らして小形化を図ることができる。
【0020】
【発明の効果】
この発明によれば、複数台の誘導電動機の各相電流を実効値に変換して、実効値の最大電流と実効値の最小電流との偏差からトルク補正値を演算して、誘導電動機の基準トルク値からトルク補正値を減算したトルク指令値を生成し、複数台の誘導電動機の全電流とトルク指令値とを一致させるトルク信号を可変電圧可変周波数インバータに指令することにより、第2の電流検出手段の数を減らして小形化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における構成図である。
【図2】図1の要部を示すブロック図である。
【図3】図1の要部を示すブロック図である。
【図4】図1の要部を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1における空転時の動作を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2における構成図である。
【符号の説明】
1 VVVFインバータ、2〜5 誘導電動機、
6,31 トルク制御手段、12 第1の電流検出手段、
14〜17 第2の電流検出手段、18,30 トルク指令生成手段、
29 電流演算手段。
Claims (2)
- 直流電力を任意の交流電力に変換する可変電圧可変周波数インバータにより駆動される複数台の三相用誘導電動機のベクトル制御を行う電気車制御装置において、上記誘導電動機の複数台分の全電流を検出する第1の電流検出手段と、上記各誘導電動機の所定の一相の相電流を検出する第2の電流検出手段と、上記各相電流を実効値に変換して上記実効値の最大電流と上記実効値の最小電流との偏差からトルク補正値を演算し、上記誘導電動機の基準トルク値から上記トルク補正値を減算したトルク指令値を生成するトルク指令生成手段と、上記第1の電流検出手段で検出された全電流と上記トルク指令値とを一致させるトルク信号を上記可変電圧可変周波数インバータに指令するトルク制御手段とを備えたことを特徴とする電気車制御装置。
- 直流電力を任意の交流電力に変換する可変電圧可変周波数インバータにより駆動される複数台の三相用誘導電動機のベクトル制御を行う電気車制御装置において、上記誘導電動機の複数台分の全電流を検出する第1の電流検出手段と、上記誘導電動機の全台数から1台を除いた上記各誘導電動機の所定の一相の相電流を検出する第2の電流検出手段と、上記第1の電流検出手段で検出された全電流と上記第2の電流検出手段で検出された相電流とから上記第2の電流検出手段での相電流検出から除かれた上記誘導電動機の相電流を演算する電流演算手段と、上記第2の電流検出手段で検出された相電流と上記電流演算手段で演算された相電流とを実効値に変換して、上記実効値の最大電流と上記実効値の最小電流との偏差からトルク補正値を演算し、上記誘導電動機の基準トルク値から上記トルク補正値を減算したトルク指令値を生成するトルク指令生成手段と、上記第1の電流検出手段で検出された全電流と上記トルク指令値とを一致させるトルク信号を上記可変電圧可変周波数インバータに指令するトルク制御手段とを備えたことを特徴とする電気車制御装置。
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