JP2004275965A - 塗膜形成方法 - Google Patents

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拓広 垣井
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Abstract

【課題】3コート1ベーク法によって、耐チッピング性に優れた積層塗膜を形成する方法を提供すること。
【解決手段】(a)イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と脂肪族イソシアネート化合物とを反応して得られる、数平均分子量1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂5〜30重量%、(b)酸基及び/又は水酸基を有するポリオレフィンエラストマー30〜60重量%、及び(c)ブロックイソシアネート化合物10〜30重量%を含有する中塗り塗料を用いて、3コート1ベーク法によって積層塗膜を形成する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層塗膜を形成する方法に関し、特に、3コート1ベーク法によって積層塗膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層塗膜を形成する方法には、複数の塗料で塗装する毎に焼付け硬化させる方法と、各塗料を塗り重ねた後同時に硬化させる方法とがある。例えば、2コート1ベーク法はメタリック塗膜を形成するために一般的に行われており、更に、特開平11−114489号公報(特許文献1)に示されるように、上塗り塗膜の意匠性を高めるために、カラーベース塗膜、メタリックベース塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成し、3層を同時に焼付け硬化させる塗膜形成方法も既に提案されている。
【0003】
3コート1ベーク法によって中塗り塗膜、ベース塗膜、及びクリヤー塗膜を形成する場合、中塗り用の焼付け乾燥炉を省略することができる。そのため、消費エネルギーおよび塗装工程時間を低減させることができ、経済性及び環境面において大きな利点がある。しかし、上記3コート1ベーク法には、例えば以下のような問題もある。
【0004】
車両が走行した場合等に小石を跳ね上げこれが塗膜に衝突する、いわゆるチッピングにより、塗膜剥離が発生する場合がある。各塗料を塗装する毎に焼付けたり、2コート1ベーク法といった従来の積層塗膜形成方法では、下塗り塗膜や中塗り塗膜はそれぞれ焼き付け硬化されていた。従って、中塗り塗膜の上あるいはその下層に耐チッピング塗膜を設けたり、上塗り塗膜との明度を合わせ、チッピングが目立たない中塗り塗膜を設ける等のチッピングに対する対策を講じることができた。
【0005】
例えば、特開2002−249699号公報(特許文献2)および特開平9−208882号公報(特許文献3)には、チッピングプライマー塗料組成物や、積層塗膜の間に耐チッピング塗膜を形成することが記載されている。
【0006】
また、特開平6−256714号公報(特許文献4)あるいは特開平6−254482号公報(特許文献5)では、中塗り塗料の組成面から耐チッピング性の向上を検討しているが、3コート1ベーク法に使用するためには向上のレベルが不十分である。
【0007】
更に、自動車車体には凹凸が多く、その全面を3コート1ベーク法によって塗装する場合、部位によってワキやなじみ等の外観不良が生じ易い、という問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−114489号公報
【特許文献2】
特開2002−249699号公報
【特許文献3】
特開平9−208882号公報
【特許文献4】
特開平6−256714号公報
【特許文献5】
特開平6−254482号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、3コート1ベーク法によって、耐チッピング性に優れた積層塗膜を形成する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電着塗膜が形成された基材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次ウエット・オン・ウエットで塗装する工程、および、塗装された三層を一度に焼き付け硬化させる工程、を包含する塗膜形成方法であって、
該中塗り塗料が、樹脂固形分を基準にして、
(a)イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と脂肪族イソシアネート化合物とを反応して得られる、数平均分子量1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂5〜30重量%、
(b)酸基及び/又は水酸基を有するポリオレフィンエラストマー30〜60重量%、及び
(c)ブロックイソシアネート化合物10〜30重量%
を含有するものである、塗膜形成塗方法を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
中塗り塗膜
本発明の塗膜形成方法において、中塗り塗膜の形成に用いられる中塗り塗料は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、ポリオレフィンエラストマー(b)及びブロックイソシアネート化合物(c)を含有する。この中塗り塗料は、必要に応じて更に、メラミン樹脂(d)及びコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(e)、偏平顔料(f)などを含有することができる。
【0012】
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は、水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族イソシアネート化合物とを反応させて得ることができる。
【0013】
一般にポリエステル樹脂は、カルボン酸、酸無水物、酸塩化物などの酸成分と1価または多価アルコールとを重縮合することによって製造することができる。本発明で用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂は、重縮合反応に用いられる酸成分中に、イソフタル酸を、酸成分の全モル数を基準にして80モル%以上含有する。酸成分中のイソフタル酸の量が80モル%を下回ると、得られる水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が所望の範囲より低くなり、好ましくない。
【0014】
イソフタル酸以外の酸成分としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。また、酸成分として、ポリエステル樹脂の製造で通常使用される、多価カルボン酸及び酸無水物以外の酸を含んでもよい。このような酸として、例えばモノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸を挙げることができる。水酸基含有ポリエステル樹脂の製造に用いる酸成分として、イソフタル酸を単独で用いてもよく、またイソフタル酸と他の酸とを混合して用いてもよい。
【0015】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0016】
水酸基含有ポリエステル樹脂の製造において、上記の酸成分と多価アルコールとは別に、これらの成分と反応しうる他の成分を用いてもよい。このような他の成分として、例えば、酸塩化物、ラクトン類などの酸誘導体、エポキサイド化合物、並びに乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸誘導体などを挙げることができる。ラクトン類は、多価カルボン酸及び多価アルコールのポリエステル樹脂類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得る。ラクトン類として、例えばβ−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。具体的には、例えばカージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。
【0017】
水酸基含有ポリエステル樹脂は、40〜80℃、好ましくは45〜75℃のガラス転移点(Tg)を有する。上記ガラス転移点(Tg)が40℃を下回ると塗膜硬度が低下し、80℃を上回ると耐チッピング性能が低下する。
【0018】
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどを挙げることができる。
【0019】
なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが、塗膜の耐チッピング性能や耐候性の観点から好ましい。これらのビュレット体、イソシアヌレート体、及びアダクト体を用いてもよい。
【0020】
水酸基含有ポリエステル樹脂と脂肪族イソシアネート化合物との反応は、当業者に知られている方法で行うことができる。
【0021】
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は数平均分子量(Mn)が1500〜3000、好ましくは1700〜2500である。1500より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、3000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、数平均分子量はポリスチレンを標準とするGPC法により決定される。
【0022】
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は、好ましくは30〜180の水酸基価(OHV)を有し、更に好ましくは40〜160の水酸基価を有する。水酸基価が180を越えると塗膜の耐水性が低下し、30を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、3〜30mgKOH/gの酸価(AV)を有することが好ましく、更に好ましくは5〜25mgKOH/gである。酸価が30mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下し、3mgKOH/gを下回ると塗膜の硬化性が低下する。
【0023】
中塗り塗料に含まれるウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の量は、樹脂固形分重量を基準にして5〜30重量%、好ましくは10〜30重量%である。含有量が5重量%を下回ると耐チッピング性能が不十分となり、30重量%を上回ると塗膜硬度が低下する。
【0024】
中塗り塗料の成分としてウレタン変性ポリエステル樹脂を含有させることで、塗膜の弾性が向上し、塗膜の耐チッピング性も向上すると考えられる。
【0025】
ポリオレフィンエラストマー(b)は、一般にポリオレフィン系のグラフトポリマーである。ポリオレフィンエラストマー(b)は、例えば、ポリオレフィン系マクロマーとエチレン性不飽和化合物とを共重合させて調製される。
【0026】
ポリオレフィン系マクロマーとはポリオレフィン鎖及びその末端にエチレン性不飽和基を有する高分子量モノマーをいう。ポリオレフィン系マクロマーは、例えば、水酸基を有するポリオレフィンとエチレン性不飽和基を有する酸又は酸無水物とを反応させて得られる。
【0027】
水酸基を有するポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、EPDM等のポリオレフィン系樹脂であって、両末端に水酸基を有する樹脂を挙げることができる。数平均分子量200〜5000のものが好ましく、さらに好ましくはMn500〜4000のものである。
【0028】
水酸基を有するポリオレフィンの市販品としては、例えば以下に記載するものを挙げることができる。
【0029】
【表1】
Figure 2004275965
【0030】
エチレン性不飽和基を有する酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸等が挙げられる。これらのうち、無水マレイン酸を使用するのが特に好ましい。
【0031】
水酸基を有するポリオレフィンとエチレン性不飽和基を有する酸又は酸無水物との反応は、当業者に知られた方法で行うことができる。
【0032】
ポリオレフィン系マクロマーは、水酸基を有するポリオレフィンとジイソシアネート化合物とエチレン性不飽和基を有するアルコールとを反応させて得てもよい。エチレン性不飽和基を有するアルコールとして、例えば水酸基含有アクリルモノマーを挙げることができる。
【0033】
ジイソシアネート化合物としては、ウレタン変性ポリエステル樹脂の調製に使用した脂肪族ジイソシアネートを用いることができる。特に好ましくはイソホロンジイソシアネートである。
【0034】
水酸基含有アクリルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)などを用いることができる。これらは単独でもしくは二種以上を混合して用いることができる。これらの水酸基含有アクリルモノマーのうち、特に好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0035】
水酸基を有するポリオレフィンとジイソシアネート化合物とエチレン性不飽和基を有するアルコールとの反応は、当業者に知られた方法で行うことができる。
【0036】
ポリオレフィン系マクロマーと共重合されるエチレン性不飽和化合物には、エチレン性不飽和モノマー、不飽和アクリル樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂等が含まれる。
【0037】
エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリルモノマーを挙げることができ、具体的には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレートなどの一般的なアクリルモノマーを用いることができる。これらのアクリルモノマーは単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。さらには、スチレンや酢酸ビニルなどのこれらのアクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを併用してもよい。
【0038】
不飽和アクリル樹脂は、アクリル樹脂に不飽和結合を導入したものである。例えばアクリル樹脂のカルボキシル基にグリシジルメタクリレートを付加することにより、アクリル樹脂のヒドロキシル基に不飽和結合を有する酸無水物を付加することにより、あるいはアクリル樹脂のオキシラン基に不飽和結合を有するカルボン酸を付加することにより得ることができる。
【0039】
不飽和アクリル樹脂としては、酸価が0〜200mgKOH/g、さらに好ましくは0〜150mgKOH/gであり、水酸基価が10〜300、さらに好ましくは10〜200であり、数平均分子量が1000〜50000、さらに好ましくは2000〜5000であり、ヨウ素価が0.5〜100、さらに好ましくは0.5〜70であるものが好ましい。
【0040】
不飽和ポリエステル樹脂は、一般的な方法により得ることができ、例えば、ポリオール化合物と不飽和基を有する多塩基酸化合物との反応により得ることができる。
【0041】
不飽和ポリエステル樹脂としては、酸価が0〜200mgKOH/g、さらに好ましくは0〜150mgKOH/gであり、水酸基価が10〜300、さらに好ましくは10〜200であり、数平均分子量が1000〜50000、さらに好ましくは1000〜4000であり、ヨウ素価が0.5〜100、さらに好ましくは0.5〜70であるものが好ましい。
【0042】
ポリオレフィン系マクロマーとエチレン性不飽和化合物との共重合は、当業者に知られた方法で行うことができる。例えば、溶液重合法によれば、ポリオレフィン系マクロマーを適当な溶媒に溶解し、昇温した後、撹拌下にエチレン性不飽和化合物を適当な重合開始剤と共に滴下すればよい。
【0043】
反応に使用するのに適当な溶媒の例としては、白灯油、エチルシクロヘキサンおよびシェルゾールTH(商品名、シェルジャパン社製)のような脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンおよびスワゾール100(商品名、丸善石油化学社製)のような芳香族炭化水素、酢酸ブチルおよびユーカエステルEEP(商品名、ユニオンカーバイド社製)のようなエステル、ブタノール、イソブタノールおよびエチレングリコールモノブチルエーテルのようなアルコール等が挙げられる。
【0044】
重合開始剤の例としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイドおよびジフタルパーオキサイドのような過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ系開始剤等が挙げられる。
【0045】
反応温度は一般に60〜160℃、好ましくは80〜140℃に調節される。反応の終点は反応溶液の粘度が定常になることによって決定される。
【0046】
得られるポリオレフィンエラストマーは、数平均分子量が3000〜200000、好ましくは10000〜100000である。数平均分子量が3000より小さいと積層塗膜の外観が不良となる。また、200000を超えるとポリオレフィンエラストマーの溶剤溶解性が不良となる。
【0047】
さらに、ポリオレフィンエラストマーが水酸基および/またはカルボキシル基を有するのが好ましい。より好ましくは、ポリオレフィンエラストマーが水酸基およびカルボキシル基の両方を有する。これらの官能基を1種以上含むポリオレフィンエラストマーを使用することによって、得られる積層塗膜の物性および耐チッピング性をさらに向上させることができる。
【0048】
ポリオレフィンエラストマーの酸価は、好ましくは1〜50mgKOH/g、より好ましくは5〜30mgKOH/gである。酸価が50mgKOH/gを超えると、得られる積層塗膜の耐水性が低下する。また、ポリオレフィンエラストマーの水酸基価は、好ましくは1〜200、より好ましくは50〜150である。水酸基価が200を超えると、得られる積層塗膜の耐水性が低下する。
【0049】
中塗り塗料に含まれるポリオレフィンエラストマー(b)の量は、樹脂固形分重量を基準にして30〜60重量%、好ましくは30〜40重量%である。含有量が30%を下回ると得られる積層塗膜の物性値および塗膜外観の向上がみられない。含有量が60%を上回ると塗料の相溶性が低下して不均一な塗膜となる。
【0050】
中塗り塗料の成分としてポリオレフィンエラストマーを含有させることで、塗膜の伸び率が向上し、塗膜の耐チッピング性も向上する。また、中塗り塗膜と上塗り塗膜の相溶性が低下してウェット状態の中塗り塗膜にベース塗膜やクリヤー塗膜が浸透し難くなるため混相が防止され、仕上がり外観、特に艶感が向上する。
【0051】
ブロックイソシアネート化合物(c)は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)およびポリオレフィンエラストマー(b)を硬化させるための成分である。
【0052】
ブロックイソシアネート化合物は、脂肪族イソシアネート又はそれらの誘導体にブロック剤を付加させて得ることができる。ブロックイソシアネート化合物は、加熱されるとブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、ウレタン変性ポリエステル樹脂中の水酸基と反応し硬化させる。
【0053】
脂肪族イソシアネート及び誘導体の例には、ウレタン変性ポリエステル樹脂を調製する際に使用した化合物が挙げられる。ブロック剤の例には、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン基を有する化合物が挙げられる。かかるブロック剤を使用することで、塗膜の弾性が向上し、塗膜の耐チッピング性も向上する。
【0054】
このようなブロックイソシアネート化合物は、例えば、旭化成社より、活性メチレン型ブロックイソシアネート「デュラネートMF−K60X」として市販されている。
【0055】
中塗り塗料に含まれるブロックイソシアネート化合物(c)の量は、樹脂固形分重量を基準にして10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。含有量が10重量%を下回ると硬化性が不十分となり、30重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
【0056】
メラミン樹脂(d)は、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂あるいはメチル、ブチル混合型メラミン樹脂を用いることができる。例えば三井東圧株式会社から市販されている「サイメル−303」、「サイメル254」、「ユーバン128」、「ユーバン20N60」、住友化学工業株式会社から市販されている「スミマールシリーズ」等が挙げられる。
【0057】
中塗り塗料に含まれるメラミン樹脂(d)の量は樹脂固形分重量を基準にして最大20重量%、より好ましくは、5〜15重量%である。メラミン樹脂の含有量が20重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
【0058】
コアシェル構造を有する非水デイスパージョン樹脂(e)は、分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋樹脂粒子として調製することができる。非架橋樹脂粒子を得るため分散安定樹脂の存在下で共重合させる単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されない。
【0059】
但し、上記分散安定樹脂及び非水ディスパージョンを合成するためには、官能基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。官能基を有する非水ディスパージョンは官能基を含有せしめた分散安定樹脂と共に後記硬化剤と反応して三次元に架橋した塗膜を形成することができるからである。
【0060】
上記分散安定樹脂は、非水ディスパージョンを有機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸基価が10〜250、好ましくは20〜180であり、酸価が0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、数平均分子量が800〜100000、好ましくは1000〜20000であるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることが好ましい。上限を越えると、樹脂のハンドリング性が低下し、非水ディスパージョン自身のハンドリングも低下する。下限を下回ると塗膜にした場合に樹脂が脱離したり、粒子の安定性が低下する恐れがある。
【0061】
上記分散安定樹脂の合成方法は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応により得る方法等が好ましいものとして挙げられる。更に、上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に応じて適宜選択され得るが、後述する非水ディスパージョンを合成するために用いられる重合性単量体が有するような、水酸基、酸基等の官能基を有するものを用いることが好ましく、更に必要に応じて、グリシジル基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いてもよい。
【0062】
また、上記分散安定樹脂と上記重合性単量体との構成比率は目的に応じて任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計重量に基いて分散安定樹脂は3〜80重量%、特に5〜60重量%、重合性単量体は97〜20重量%、特に95〜40重量%が好ましい。さらに有機溶剤中における分散安定樹脂と重合性単量体との合計濃度は合計重量を基準に、30〜80重量%、特に40〜60重量%が好ましい。
【0063】
上記非水ディスパージョンは、分散安定樹脂の存在下でラジカル重合性の単量体を重合させることによって得ることができる。この非水ディスパージョンとしては、水酸基価が50〜400、好ましくは100〜300であり、酸価が0〜200mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、平均粒径(D50)が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであるものが好ましい。下限を越えると粒子形状を維持できず、上限を越えると塗料に分散した場合の安定性が低下する。
【0064】
上記非水ディスパージョンを合成するために用いられる官能基を有する重合性単量体としてその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)メタクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
【0065】
一方、酸性基を有するものとしては、カルボキシル基、スルホン酸基等を有する重合性単量体が挙げられる。カルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する重合性単量体の例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。酸性基を有する重合性単量体を用いる場合は、酸性基の一部はカルボキシル基であることが好ましい。
【0066】
また、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単量体等が官能基を有する重合性単量体として挙げられる。
【0067】
この他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例えば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物等)、C以上のアルキル基を含むオキシラン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応物、スチレン、α−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル、イタコン酸エステル(イタコン酸ジメチルなど)、マレイン酸エステル(マイレン酸ジメチルなど)、フマール酸エステル(フマール酸ジメチルなど)、その他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製、商品名)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン等の重合性単量体が挙げられる。
【0068】
上記非水ディスパージョンを得るための重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等が挙げられる。これらの開始剤の使用量は重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が望ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶剤中での非水ディスパージョンを得るための重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約1〜15時間行うことが好ましい。
【0069】
また、上記非水ディスパージョンは架橋重合体微粒子と異なり、塗料中においては粒子成分であるが、塗膜においては粒子構造を形成しない特徴を有する。つまり非水ディスパージョンは粒子内に架橋部位が存在しないため、焼き付け過程で粒子形状が変化し、樹脂成分となり得る点が架橋重合体微粒子とは異なる。
【0070】
更に、例えば色材、48巻(1975)第28頁〜第34頁中に記載されているNAD塗料に用いられるNAD(Non Aqueous Dispersion、非水系重合体分散液)と言われる樹脂粒子も使用することができる。
【0071】
中塗り塗料中に含まれる非水デイスパージョン樹脂(e)の量は、樹脂固形分重量を基準にして最大15重量%、好ましくは5〜12重量%である。含有量が15重量%を上回ると耐チッピング性能が低下する。
【0072】
非水デイスパージョン樹脂(e)を使用することで塗膜の界面制御が容易になり、仕上がり外観が向上する。
【0073】
偏平顔料(f)としては、マイカ、アルミナ、タルク及びシリカ等を用いることができるが、タルクを用いることがチッピング性能の観点から好ましい。
【0074】
扁平顔料(f)の寸法は、長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmであることが好ましい。長径が上記範囲外であると塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなり、数平均粒径が上記範囲外であると同様に塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなる。
【0075】
扁平顔料(f)の含有量は、塗料中の樹脂固形分重量を100重量部として、0.4〜2重量部である。0.5〜1.5重量部であることが更に好ましい。上記範囲外では、下地塗膜との付着性が低下するので十分なチッピング性能を得られない。
【0076】
上記その他に含有させることができる樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0077】
また着色顔料として、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等を用いることができる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム粉、カオリン等が用いることができる。
【0078】
標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料としたグレー系のものが用いられる。更に、上塗りとの色相を合わせたものや各種の着色顔料を組み合わせたものを用いることもできる。
【0079】
また、上記中塗り塗料には、上塗り塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを含有でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料、架橋樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
【0080】
本発明で用いられる中塗り塗料の塗装時の全固形分量は、20〜80重量%であり、好ましくは25〜65重量%である。この範囲外では塗料安定性が低下する。また上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
【0081】
本発明に用いられる中塗り塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0082】
また、ウレタン変性ポリエステル樹脂その他に別の樹脂を含有させることもできる。このような樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0083】
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール、SGミル等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
【0084】
ベース塗膜
本発明の塗膜形成方法において用いられるベース塗料は、クリヤー塗料と共に上塗り塗膜を構成するために用いるものである。このベース塗料には、塗膜形成性樹脂、硬化剤、着色顔料、必要に応じて光輝性顔料等が含まれる。
【0085】
上記ベース塗料に含有される塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を好ましいものとして挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0086】
上記塗膜形成性樹脂は、硬化剤と組み合わせて用いることができるが、得られた塗膜の諸性能、コストの点からアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂が好ましいものとして用いられる。
【0087】
上記硬化剤の含有量は、塗膜形成性樹脂の固形分重量に対して20〜60重量%とすることが好ましく、更に好ましくは30〜50重量%である。含有量が20重量%を下回ると硬化性が不十分となり、60重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
【0088】
また、上記着色顔料としては、例えば、上述の中塗り塗料についての記載で挙げたもの等を含有することができる。
【0089】
上記ベース塗料に必要に応じて含まれる光輝性顔料としては、形状は特に限定されず、更に着色されていても良いが、例えば、平均粒径(D50)が2〜50μmであり、且つ厚さが0.1〜5μmであるものが好ましい。また、平均粒径が10〜35μmの範囲のものが光輝感に優れ、更に好適に用いられる。光輝性顔料の、上記塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般的に20.0%重量以下である。好ましくは、0.01〜18.0重量%であり、より好ましくは、0.1〜15.0重量%である。光輝剤の含有量が20.0重量%を超えると、塗膜外観が低下する。
【0090】
上記光輝性顔料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、酸化アルミニウム等の金属または合金等の無着色あるいは着色された金属製光輝剤及びその混合物が挙げられる。更に、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料、グラファイト顔料その他の着色、有色扁平顔料等を併用しても良い。
【0091】
上記光輝性顔料およびその他の全ての顔料を含めた塗料中の全顔料濃度(PWC)としては、0.1〜50重量%であり、好ましくは、0.5〜40重量%であり、より好ましくは、1.0〜30重量%である。上限を越えると塗膜外観が低下する。
【0092】
更に、上記ベース塗料には、上述の中塗り塗料同様に、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することが好ましい。粘性制御剤は、ムラ及びたれのない塗膜を良好に形成するために用いられるのであり、一般にチクソトロピー性を示すものを含有できる。このようなものとして、例えば、上述の中塗り塗料についての記載で挙げたものを含有することができる。
【0093】
本発明に用いられるベース塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0094】
本発明で用いられるベース塗料の塗装時の全固形分量は、10〜60重量%であり、好ましくは15〜50重量%である。上限および下限を越えると塗料安定性が低下する。上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
【0095】
クリヤー塗膜
上記クリヤー塗膜の形成にはクリヤー塗料が用いられる。このクリヤー塗料は、特に限定されず、塗膜形成性熱硬化性樹脂および硬化剤等を含有するものを利用できる。このクリヤー塗料の形態としては、溶剤型、水性型および粉体型のものが挙げられる。
【0096】
上記溶剤型クリヤー塗料の好ましい例としては、透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせ、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とイソシアネート化合物との組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0097】
また、上記水性型クリヤー塗料の例としては、上記溶剤型クリヤー塗料の例として挙げたものに含有される塗膜形成性樹脂を、塩基で中和して水性化した樹脂を含有するものが挙げることができる。この中和は重合の前又は後に、ジメチルエタノールアミンおよびトリエチルアミンのような3級アミンを添加することにより行うことができる。
【0098】
一方、粉体型クリヤー塗料としては、熱可塑性および熱硬化性粉体塗料のような通常の粉体塗料を用い得ることができる。良好な物性の塗膜が得られるため、熱硬化性粉体塗料が好ましい。熱硬化性粉体塗料の具体的なものとしては、エポキシ系、アクリル系およびポリエステル樹脂系の粉体クリヤー塗料等が挙げられるが、耐候性が良好なアクリル系粉体クリヤー塗料が特に好ましい。
【0099】
本発明に用いる粉体型クリヤー塗料として、硬化時の揮散物が無く、良好な外観が得られ、そして黄変が少ないことから、エポキシ含有アクリル樹脂/多価カルボン酸の系の粉体塗料が特に好ましい。
【0100】
更に、上記クリヤー塗料には、上述の中塗り塗料同様に、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加されていることが好ましい。粘性制御剤は、一般にチクソトロピー性を示すものを含有できる。このようなものとして、例えば、上述の中塗り塗料についての記載で挙げたものを含有することができる。また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を含むことができる。
【0101】
基材
本発明の塗膜形成方法は、種々の基材、例えば金属、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着塗装可能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
【0102】
上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0103】
また、本発明のメタリック塗膜形成方法に用いられる基材には、化成処理された鋼板上に電着塗膜が形成されていても良い。電着塗膜を形成する電着塗料としては、カチオン型及びアニオン型を使用できるが、カチオン型電着塗料組成物が防食性において優れた積層塗膜を与えるため好ましい。
【0104】
塗膜形成方法
本発明の塗膜形成方法では、基材上に、中塗り塗料により中塗り塗膜、ベース塗料によりベース塗膜及びクリヤー塗料によりクリヤー塗膜を、順次ウエット・オン・ウエットで形成する。
【0105】
本発明で中塗り塗料を自動車車体に塗装する場合は、外観を高めるために、エアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エアー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法等により塗膜を形成することができる。
【0106】
本発明における、中塗り塗料による乾燥塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多くの場合10〜60μmが有用である。上限を越えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず膜切れが発生する。
【0107】
本発明の塗膜形成方法では更に、未硬化の中塗り塗膜の上に、ベース塗料、およびクリヤー塗料をウエット・オン・ウエットで塗布し、ベース塗膜、およびクリヤー塗膜を形成する。
【0108】
本発明の方法におけるベース塗膜を形成する為に用いるベース塗料は、上記中塗り塗料と同様に、エアー静電スプレー塗装あるいはメタベル、μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗装することができ、その塗膜の乾燥膜厚は5〜35μmに設定することができ、好ましくは7〜25μmである。ベース塗膜の膜厚が35μmを超えると、鮮映性が低下したり、塗膜にムラまたは流れが生じることがあり、5μm未満であると、下地隠蔽性が不充分となり、膜切れ(塗膜が不連続な状態)が生じることがあるため、いずれも好ましくない。
【0109】
本発明の塗膜形成方法において、上記ベース塗膜を形成した後に塗装されるクリヤー塗膜は、上記ベース塗膜に起因する凹凸、光輝性顔料が含まれる場合に、これに起因して生じる微細な突起等を隠蔽し、保護するために形成される。塗装方法として具体的には、先に述べたμμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗膜形成することが好ましい。
【0110】
上記クリヤー塗料により形成されるクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜80μm程度が好ましく、より好ましくは20〜60μm程度である。上限を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起こることもあり、下限を下回ると、鮮映性が低下する。
【0111】
上述のようにして得られた積層された塗膜は、同時に硬化させる、いわゆる3コート1ベークによって塗膜形成を行う。この場合、焼き付け乾燥炉を省略することができ、経済性及び環境面からも好ましい。但し、一般にプレヒートといわれる、形成されたウェット塗膜内に内在する揮発分を、熱や風を利用して強制的に除く工程を、塗装工程間で実施することができる。例えば、40〜100℃で1〜5分程度の熱を加えることができる。
【0112】
上記積層塗膜を硬化させる硬化温度を100〜180℃、好ましくは130〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜が得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変化するが、130℃〜160℃で10〜30分が適当である。
【0113】
本発明で形成される積層塗膜の膜厚は、多くの場合30〜300μmであり、好ましくは50〜250μmである。上限を越えると、冷熱サイクル等の膜物性が低下し、下限を下回ると膜自体の強度が低下する。
【0114】
【発明の効果】
本発明により、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を、順次ウエット・オン・ウエットで形成し、その後1度に硬化させる、3コート1ベーク法により積層塗膜を形成しても、耐チッピング性及び塗膜外観に優れた積層塗膜を得ることができる。
【0115】
本発明において、中塗り塗料の組成を上記のものにすることで、塗膜にチッピング時の衝撃に対する反発力と、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換する能力を付与することができる。こうして、本発明により得られる積層塗膜は、チッピングを受けた場合にも外観上剥離面積が小さい上、剥離頻度も少ない、耐チッピング性に優れた塗膜となる。
【0116】
本発明の、中塗り塗膜にベース塗膜及びクリヤー塗膜を順次ウエット・オン・ウエットで形成する積層塗膜の形成方法は、中塗り用の焼付け乾燥炉工程が省略されることにより経済性及び環境面において優れている。本発明によって、得られる積層塗膜の、耐チッピング性、積層塗膜の物性および外観を向上させることができ、かかる利点を有する積層塗膜を工業的に提供することができる。
【0117】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。尚、以下に於いて「部」及び「%」は重量基準である。
【0118】
製造例1
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよびデカンターを備えた冷却管を取り付けた2Lの反応容器にイソフタル酸440部、ヘキサヒドロフタル酸20部、アゼライン酸40部、トリメチロールプロパン300部及びネオペンチルグリコール200部とを仕込み、加熱により原料が溶解し撹拌可能となったところで、ジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、撹拌を開始し、反応層温度を180から220℃まで3時間かけて徐々に昇温した。生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで、1時間保温し、反応層内にキシレン20部を徐々に添加し、溶剤存在化で縮合反応を進行させた。樹脂酸価が10mgKOH/gに達したところで、100℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を30分間かけて徐々に添加した。更に、1時間保持後、キシレン200部および酢酸ブチル200部を加え、固形分70%、数平均分子量2000、酸価8mgKOH/g、水酸基価120、樹脂Tg60℃のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
【0119】
製造例2
ポリオレフィンエラストマー(b−1)の製造
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた適当な反応容器に、日本曹達社製のα,ω−水添ポリブタジエングリコール「GI−1000」650部及びトルエン650部を入れ、50℃まで昇温した。この反応容器に、イソホロンジイソシアネート96部及びトルエン96部でなる溶液を1時間かけて滴下し、50℃に1時間保持した。次いで、反応容器を85℃に昇温し、ヒドロキシエチルメタクリレート56部及びトルエン56部でなる溶液を1時間かけて滴下し、85℃に1時間保持した後、冷却し、ポリオレフィン系マクロマー溶液(固形分含有量50%)を得た。
【0120】
適当な反応容器にポリオレフィン系マクロマー溶液25.6部及びトルエン83.2部を仕込み、110℃に昇温した。別途、ブチルアクリレート20.0部、ブチルメタクリレート29.0部、ヒドロキシブチルメタクリレート2.2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部を混合して溶液を作製し、内部を撹拌しながら反応容器に3時間かけて滴下した。その後、反応容器を30分間110℃に保持した。ここに、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部、トルエン5.0部でなる溶液を30分間かけて滴下した。90分間撹拌を続けた後、冷却してポリオレフィンエラストマー(b−1)溶液を得た(固形分40%)。
【0121】
得られたポリオレフィンエラストマー(b−1)の特性値は、数平均分子量2万、及び水酸基価20であった。
【0122】
製造例3
ポリオレフィンエラストマー(b−2)の製造
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた適当な反応容器に、日本曹達社製のα,ω−水添ポリブタジエングリコール「GI−1000」650部及びトルエン692.1部、及び無水マレイン酸42.1部を入れた。反応容器を加圧して130℃まで昇温した。FT−IRで酸無水物のピーク(1780cm−1)が消失するまで温度を保持し、消失時点で冷却し、ポリオレフィン系マクロマー溶液(固形分含有量50%)を得た。
【0123】
適当な反応容器にポリオレフィン系マクロマー102.9部及びトルエン103.0部を仕込み、110℃に昇温した。別途、ブチルアクリレート9.3部、ブチルメタクリレート10.0部、マレイン酸10.0部、ヒドロキシエチルアクリレート9.0部、ヒドロキシブチルメタクリレート10.0部、メタクリル酸3.2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部を混合して溶液を作製し、反応溶液を撹拌しながら3時間かけて滴下した。その後、反応容器を30分間110℃に保持した。ここに、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部、トルエン5.0部でなる溶液を30分間かけて滴下した。90分間撹拌を続けた後、冷却してポリオレフィンエラストマー(b−2)溶液を得た(固形分40%)。
【0124】
得られたポリオレフィンエラストマー(b−2)の特性値は、数平均分子量4万、水酸基価100、及び酸価20mgKOH/gであった。
【0125】
製造例4
非水ディスパージョンの製造
(a)分散安定樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に酢酸ブチル90部を仕込んだ。次に下記組成の溶液
【0126】
【表2】
Figure 2004275965
【0127】
の内20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部と酢酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量5600及びSP値9.5のアクリル樹脂を得た。
【0128】
(b)非水ディスパージョンの製造
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた容器に酢酸ブチル90部、上記の(a)分散安定樹脂の製造で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の溶液
【0129】
【表3】
Figure 2004275965
【0130】
を100℃で3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けたところ、固形分60%、粒子径180nmのエマルジョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、粘度300cps(25℃)、粒子径180nmの非水ディスパージョン含量40%のコアシェル型酢酸ブチル分散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは23℃、水酸基価は162及びSP値は11.8であり、この非水ディスパージョン樹脂全体とコア部とのSP値の差は2.3であった。
【0131】
実施例1
中塗り塗料1
1Lのベッセルに、先の製造例1で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂14.3部、BOR−904(坂井化学工業(株)社製ポリオレフィンエラストマー、エチレン/プロピレン共重合体、固形分10%、酸価4mgKOH/g)500部、デュラネートMF−K60X(旭化成社製ブロックイソシアネート、固形分60%)66.7部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)95部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)5部、ディスパロン4200−20(楠本化成社製沈降防止剤)0.1部、を入れてディスパーで混合した後、混合物の重量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を加え、卓上SGミルを用いて室温で2時間分散した。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して中塗り塗料を得た。この塗料に、トルエン/スワゾール−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤で、No.4フォードカップを用いて20秒/20℃に希釈調整した。希釈した塗料の固形分は25%、顔料濃度(PWC)は50%であった。
【0132】
ベース塗料
日本ペイント社製アクリルメラミン系メタリックベース塗料「オルガTO H600 18J グリーンメタリック」を用い、エトキシエチルプロピオネート/S−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)/トルエン=1/1/2の混合溶剤で、No.3フォードカップを用いて17秒/20℃に希釈調整した。塗布時の塗料不揮発分は31%であった。塗着時の不揮発分は65%であった。
【0133】
クリヤー塗料
日本ペイント社製酸エポキシ硬化系クリヤー塗料「マック O−1600 クリヤー」を用い、エトキシエチルプロピオネート/S−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤で、No.4フォードカップを用いて26秒/20℃に希釈調整した。塗布時の塗料不揮発分は50%であった。また塗着時の不揮発分は61%であった。
【0134】
塗膜形成方法
厚さ0.8mm、縦30cm、横10cmのリン酸亜鉛処理したSPC鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップV−20」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた塗板を用意した。次に、移動体に貼着し、移動させながら先の中塗り塗料を乾燥膜厚が20μmとなるように「マイクロベル」(回転霧化型静電塗装機)で塗装し、塗布後に10分間のインターバルをとり、セッティングを行った。
【0135】
次いで、先のベース塗料を、乾燥膜厚15μmとなるように「マイクロベル」と「メタベル」で2ステージ塗装した。2回の塗布の間に、2.5分間のインターバルを行った。2回目の塗布後、8分間セッティングを行った。次に、先のクリヤー塗料を、乾燥膜厚35μmとなるように「マイクロベル」により、1ステージ塗装し、7分間セッティングした。ついで、得られた塗装板を乾燥機で140℃で30分間焼き付けを行った。
【0136】
塗膜評価方法
得られた塗装板について、積層塗膜の仕上がり外観の評価を、WS−DOI(ビックケミー社製塗膜外観測定器)を用いて行なった。WS−DOIでは、塗膜仕上がりの外観の評価、特にツヤ感の評価をWa値で表すことができる。ここでWa値が小さいほど、ツヤ感があり仕上がり外観が良好である。
【0137】
また更に、得られた塗板の耐チッピング性の評価を以下のようにして行った。グラベロテスター試験機(スガ試験機社製)を用いて、7号砕石300個を35cmの距離から3.0kgf/cmの空気圧で、塗膜に45°の角度で衝突させた。水洗乾燥後、ニチバン社製工業用ガムテープを用いて剥離テストを行い、その後、塗膜のはがれの程度を、剥離径と件数とに分け、目視により観察し評価した。
【0138】
中塗り塗膜の伸び率の評価を以下のようにして行なった。厚さ3ミリのポリプロピレン板に中塗り塗料を、乾燥膜厚が40〜60μmとなるように塗装し、約20分間セッティングした後、140℃にて25分間焼付け乾燥した。得られた塗膜を有効部分が長さ5cm×幅1cmになるようにカッティングし、ポリプロピレン板から引き剥がして、支持体を有さないフリーフィルムを得た。このフリーフィルムについて、引張り試験機(東洋ボールドウイン社製、「テンシロン」)にて、20℃の環境下、引張り速度10mm/分で伸び率を測定した。
【0139】
以上の結果を表4に示した。
【0140】
実施例2
中塗り塗料2
1Lのベッセルに、先の製造例1で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂28.6部、PP−2001(三井化学社製ポリプロピレン系エラストマー、固形分27%、酸価6.6mgKOH/g、水酸基価13.6)148部、U−128(三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分60%)16.7部、MF−K60X(旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート、固形分60%)33.3部、先の製造例4で得られた非水ディスパージョン25部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)39.2部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)2.9部、ディスパロン4200−20(楠本化成社製沈降防止剤)0.1部、LMS−300(富士タルク社製タルク)0.8部を入れてディスパーで混合した後、混合物の重量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を加え、卓上SGミルを用いて室温で2時間分散した。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して中塗り塗料を得た。この塗料に、トルエン/スワゾール−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤で、No.4フォードカップを用いて20秒/20℃に希釈調整した。希釈した塗料の固形分は46%、塗料中の顔料濃度(PWC)は30%であった。
【0141】
中塗り塗料1の代わりに上記の中塗り塗料2を用いること以外は実施例1と同様に積層塗膜を作製し、同様の評価をおこなった。結果を表4に示した。
【0142】
実施例3
中塗り塗料3
1Lのベッセルに、先の製造例1で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂14.3部、先の製造例2で得られたポリオレフィンエラストマー(b−1)125部、MF−K60X(旭化成社製ブロックイソシアネート、固形分60%)66.7部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)95部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)5部、ディスパロン4200−20(楠本化成社製沈降防止剤)0.1部を用いて、実施例1の中塗り塗料1と同様に調製した。得られた、希釈した塗料の固形分は51%、塗料中の顔料濃度(PWC)は50%であった。
【0143】
中塗り塗料1の代わりに上記の中塗り塗料3を用いること以外は実施例1と同様に積層塗膜を作製し、同様の評価をおこなった。結果を表4に示した。
【0144】
実施例4
中塗り塗料4
1Lのベッセルに、先の製造例1で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂28.6部、先の製造例3で得られたポリオレフィンエラストマー(b−2)99.9部、U−128(三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分60%)16.7部、MF−K60X(旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート、固形分60%)33.3部、先の製造例4で得られた非水ディスパージョン25部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)39.2部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)2.9部、ディスパロン4200−20(楠本化成社製沈降防止剤)0.1部、LMS−300(富士タルク社製タルク)0.8部を用いて、実施例2の中塗り塗料2と同様に調製した。得られた、希釈した塗料の固形分は45%、塗料中の顔料濃度(PWC)は30%であった。
【0145】
中塗り塗料1の代わりに上記の中塗り塗料4を用いること以外は実施例1と同様に積層塗膜を作製し、同様の評価をおこなった。結果を表4に示した。
【0146】
比較例1
中塗り塗料5
1Lのベッセルに、先の製造例1で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂ワニス107部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)280部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)13部、LMS−100(富士タルク社製鱗片状タルク)7部、酢酸ブチル47部およびキシレン47部を入れてディスパーで混合した後、混合物の重量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を加え、卓上SGミルを用いて室温で3時間分散し、灰色の顔料ペーストとした。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して顔料ペーストを得た。この顔料ペースト100部に、製造例1のウレタン変性ポリエステル樹脂(a)24部、MF−K60X(旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート、固形分60%)24部、およびU−20N−60(三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分60%)24部を加えた。ここに、エトキシエチルプロピオネート/S−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤を加えて、No.4フォードカップを用いて19秒/20℃になるように希釈調整した。希釈した塗料の固形分49%、塗料中の顔料濃度(PWC)は30%であった。
【0147】
中塗り塗料1の代わりに上記の中塗り塗料5を用いること以外は実施例1と同様に積層塗膜を作製し、同様の評価をおこなった。結果を表4に示した。
【0148】
比較例2
電着塗装し焼き付け硬化した鋼板に、比較例1で用いた中塗り塗料5を用いて塗膜を形成する前に、CP−101(日本ペイント社製チッピングプライマー)を膜厚が5μmとなるようにスプレー塗装した。5分間セッティングした後、比較例1に記載の中塗り塗料5を用いて中塗り塗膜を形成した。次いで、実施例1記載のベース塗料及びクリヤー塗料を用いて実施例1と同様に積層塗膜を作製し、同様の評価をおこなった。結果を表4に示した。
【0149】
【表4】
Figure 2004275965

Claims (5)

  1. 電着塗膜が形成された基材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次ウエット・オン・ウエットで塗装する工程、および、塗装された三層を一度に焼き付け硬化させる工程、を包含する塗膜形成方法であって、
    該中塗り塗料が、樹脂固形分を基準にして、
    (a)イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と脂肪族イソシアネート化合物とを反応して得られる、数平均分子量1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂5〜30重量%、
    (b)酸基及び/又は水酸基を有するポリオレフィンエラストマー30〜60重量%、及び
    (c)ブロックイソシアネート化合物10〜30重量%
    を含有するものである、塗膜形成塗方法。
  2. 前記中塗り塗料が、樹脂固形分を基準にして、更に
    (d)メラミン樹脂最大20重量%
    を含有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記中塗り塗料が、樹脂固形分を基準にして、更に
    (e)コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂最大15重量%
    を含有する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記ポリオレフィンエラストマー(b)が、酸価1〜50mgKOH/g及び/又は水酸基価1〜200を有する請求項1〜3のいずれか記載の方法。
  5. 前記ブロックイソシアネート化合物が、活性メチレン基を有する化合物でブロックされたものである、請求項1〜4のいずれか記載の方法。
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