JP2004281478A - 半導体光アンプモジュール - Google Patents

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Akio Watanabe
章夫 渡辺
Junji Iida
潤二 飯田
Tadato Kanaizuka
金井塚唯人
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Abstract

【課題】異常光と常光との光路差を無くす光アイソレータを用いた半導体光アンプは大きく、高価なものとなっている。本発明の課題は、安価な光アイソレータを用いて偏波分散を抑えることのできる半導体光アンプモジュールの提供である。
【解決手段】二つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置した光アイソレータを偏波無依存型半導体光アンプの入射側と出射側に接続したものから主として構成される半導体光アンプモジュールであって、入射側に設けられた光アイソレータで常光として振る舞う光が出射側に設けられた光アイソレータで異常光として振る舞い、入射側に設けられた光アイソレータで異常光として振る舞う光が出射側に設けられた光アイソレータで常光として振る舞うように構成されているものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楔形複屈折板を用いた平行光線中で使用される入射光の偏光状態に依存しない偏波無依存型光アイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光アイソレータは、順方向の光は透過させるが逆方向の光の通過は遮断する非相反光デバイスであり、光ファイバ通信システム等において光部品からの反射戻り光を防ぐために使用されている。
【0003】
光アイソレータは、半導体レーザモジュールに使用される偏波依存型と、光ファイバアンプの前後で用いられる偏波無依存型に大きく分けられる。また、偏波無依存型光アイソレータも、平行光線中で使用される2つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置したものと、収束光線中で使用される2つの平行平板複屈折板間にファラデー回転子と半波長板を配置したものに分けられるが、一般には楔形複屈折板を使用したタイプの光アイソレータが専ら使用されている。
【0004】
2つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置した偏波無依存型光アイソレータとして、非相反部の両側に入射側及び出射側のファィバーコリメータを配置した偏波面に依存しない形式のものがある。ここで非相反部は、45度ファラデー回転子を2枚の楔形複屈折板で挾み結合一体化したものである。両楔形複屈折板は、それらの光学軸を45度ずらせて配置する(特許文献1 参照)。
【0005】
この偏波無依存型光アイソレータでは、順方向において、入射側ファイバーコリメータからの平行入力光は、非相反部の第1の楔形複屈折板によって常光と異常光に分離するが、ファラデー回転子により偏光面が45度回転し、第2の楔形複屈折板によりそれぞれ平行光となるため、出射側ファイバーコリメータに結合する。逆方向では、反射戻り光も第2の楔形複屈折板によって常光と異常光に分離し、ファラデー回転子の非相反性によって偏光面が−45度回転する。分離光は第1の楔形複屈折板において常光は異常光に、異常光は常光に変換するため、第1の楔形複屈折板を通過した後は平行光とならずに広がり、入射側ファイバーコリメータには結合しない。このようにして、一方向(順方向)への光の通過はほぼ100%許容するが、逆方向への光の通過は阻止することになる。
【0006】
ところで、この構成の光アイソレータでは楔形複屈折板で分離された常光と異常光とで光学的光路長が異なるため、光の伝達にずれが生じる。その結果、異常光と、常光とは、異なる光学的光路長を経てアイソレータ透過することになる。光路長の差は偏波分散と呼ばれるが、この偏波分散が広がると光信号のパルス幅が広がってしまうため、できるだけ小さいことが望まれている。
【0007】
上記偏波分散を小さくするための方法としては、前記2つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置した光アイソレータを、光路長差をキャンセルする向きに2段直列に接続してダブル型の光アイソレータとすること(特許文献1参照)や、光アイソレータにおいて、非相反部と一方のファイバーコリメータとの間に平行平板形複屈折板を挿入し、該平行平板形複屈折板とそれに隣り合う楔形複屈折板の光学軸を90度ずらせて固定し無偏波分散型とする、即ち第3の復屈折板を用いたものがある(特許文献2 段落0009 参照)。即ち、第3の復屈折板を用いることにより楔形複屈折板で生じた光路長差をキャンセルしようとするものである。この例の断面図を図4に示した。この光アイソレータは、入射側ファイバーコリメータ1と出射側ファイバーコリメータ2の間に、非相反部3と平行平板形複屈折板4を配置して筐体5に収容固定した構造である。ここでは平行平板形複屈折板4は非相反部3の出射側に設けている。入射側及び出射側ファイバーコリメータ1,2はほぼ同一であり、球レンズ6,7と、光ファイバー8,9を接続したフェルール10,11とを金属製スリーブ12,13内に収容した構造である。非相反部3は、円筒状の永久磁石14内に磁気光学素子15を収容したファラデー回転子の両側に、2枚の楔形複屈折板16,17を配置した構造である。ここで磁気光学素子15は例えばイットリウム鉄ガーネット単結晶からなる。楔形複屈折板16,17は例えばルチル単結晶からなり、光学軸が入射光線に対して垂直な面内にあるように傾斜を付けて切り出してある。平行平板形複屈折板4も例えばルチル単結晶からなり、光学軸が入射光線に対して垂直な面内にあるように切り出してある。その厚さは、両楔形複屈折板の光路通過部の厚みの和にほぼ等しい(特許文献2 段落0012 参照)。
【0008】
ところで、近年半導体素子を用いた半導体光アンプが実用化されつつある。半導体光アンプは、光ファイバアンプに比較して、光の増幅率は小さいものの小型で安価であることを特長としており、半導体光アンプに用いられる光アイソレータにも、小型で安価であることが求められている。
【0009】
前記ダブル型光アイソレータを半導体光アンプの前後に接続すると、光学特性の上では問題ないものの、半導体光アンプモジュールに合計4つの光アイソレータを組み込むことになり、高価なものとなってしまう。また、寸法も大きくなるため、小型という半導体光アンプの要求をかなえられない。
【0010】
また、第3の複屈折板を用いた光アイソレータを半導体光アンプの前後に接続すると、ダブル型光アイソレータに比較すると小型であるが、それでも第3の複屈折板の価格が高いためダブル型光アイソレータよりは高価となってしまう。
【0011】
【特許文献1】
特公昭61−58809号公報
【特許文献2】
特許第2757093号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような従来技術の欠点を解消し、安価な光アイソレータを用いて偏波分散を抑えることのできる半導体光アンプモジュールの提供である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、光アイソレータを偏波無依存型半導体光アンプの入射側と出射側に接続したものから主として構成される半導体光アンプモジュールであって、入射側に設けられた光アイソレータで常光として振る舞う光が出射側に設けられた光アイソレータで異常光として振る舞い、入射側に設けられた光アイソレータで異常光として振る舞う光が出射側に設けられた光アイソレータで常光として振る舞うように構成されているものである。
【0014】
本発明の第2の態様は、前記光アイソレータが二つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置したものである。
【0015】
本発明の第3の態様は、入射側と出射側とに同一性能の光アイソレータを用い、入射側と出射側の光アイソレータの向きを135度ずらせて配置するものである。
【0016】
本発明の第4の態様は前記光アイソレータに用いる楔形複屈折板の材料がルチル、ニオブ酸リチウム、YVO単結晶の内の少なくとも一つであるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
光ファイバアンプでは光ファイバを光が伝搬していく最中に偏波の状態が変化していくが、偏波無依存の半導体光アンプでは偏波状態の変化が少ないことに着目し、本発明に至ったものである。即ち、2つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置した光アイソレータを半導体光アンプの半導体光素子の入射側と出射側に接続する際に、入射側の光アイソレータで常光だった光を出射側の光アイソレータでは異常光とし、入射側の光アイソレータで異常光だった光を出射側の光アイソレータでは常光となるように入射側と出射側の光アイソレータを配置するものである。
【0018】
ところで、光アイソレータを順方向に通過した光は楔形複屈折板で常光と異常光に分離するが、楔形複屈折板では常光と異常光の屈折率が異なるため、光アイソレータを出た光は常光と異常光とで光路長に差が生じる。光路長差に起因して、信号のパルス波形の位相が常光と異常光とで異なり、そのため光信号のパルス幅が広くなる。通常アイソレータに利用するルチル結晶や、YVO結晶ではパルス幅の広がりは0.5psec程度と見こまれる。
【0019】
この光が半導体光アンプの半導体光素子に入射すると、各々の変更成分は独立に、したがって光強度で見ればパルス幅が広がったまま増幅され、独立の偏光状態を保ったまま出射側の光アイソレータに入射することになる。出射側の光アイソレータを入射側の光アイソレータで常光だった光が出射側では異常光として振る舞い、入射側で異常光だった光が出射側では常光として振る舞うような向きに位置調整すれば、入射側の光アイソレータで生じた光路長差は出射側の光アイソレータで調整される。よって、本発明のようにすれば各々の光アイソレータとしては偏波分散を有していても、光アイソレータを組み込んだ半導体光アンプモジュールとしては、偏波分散の無いものが提供できる。
【0020】
なお、光アイソレータとしては、入射側も出射側も同じものが使えることが望ましいが、その場合は、入射側と出射側の光アイソレータの向きを135度ずらせて配置すれば、偏波分散を補償することができる。
【0021】
楔形複屈折板の材料としては、例えばルチル、ニオブ酸リチウム、YVO単結晶がある。ニオブ酸リチウムは常光と異常光の屈折率差が小さいため、逆方向の光の伝搬を防ぐためには楔の角度を大きくする必要があるが、楔の角度が大きいと光アイソレータを通過する際に生じる光軸のずれが大きくなるため、ルチルやYVOが好ましい。
【0022】
本発明を、図を用いて更に説明する。図1は本発明例の断面図を示したものである。図1において、18はセミコンダクター オプティカル アンプリファイヤー(SOA)モジュール、19,29は光ファイバー、20,28はレンズ、21,27はアイソレータ、22,26はアイソレータホルダ、23,25はレンズ、24はSOAチップである。
【0023】
信号光としての入力パルスは光ファイバー19によって導かれ、レンズ20で平行光線とされモジュール18の内部に入射される。入射された平行光線はアイソレータ21を通過し、レンズ23により、SOAチップ24に集光され、SOAチップ24の利得を有する導波路に導入される。SOAチップ24で増幅された信号は、レンズ25で平行光線とされ、アイソレータ27を経てレンズ28に入射し、レンズ28でファイバー29に集光され、SOAモジュール18より外部に導出される。ここで、アイソレータ21及び27は、右から左を順方向として使用されるものである。なお、アイソレータ21,27は二つの楔型YVOと一つのファラデー回転子で構成されている。
【0024】
次に、図2を用いて図1の光学結晶の軸方位と信号光の偏光方位の関係に関して説明する。図2は、光ファイバー19から導かれた光波のうち、アイソレータ21の入射側結晶の結晶軸と並行の成分、すなわちアイソレータ21を異常光として透過する成分の挙動を示したものである。すなわち、信号光の偏光面(偏光方位1)はYVO結晶31の結晶方位1と並行である。この信号光の偏光面はファラデー回転子32で右回りに45度回転子し、YVO結晶33に入射するが、ここでも、信号光の偏光面の方位(偏光方位2)とYVO結晶33の結晶方位2とは並行となる。このようにYVO31の結晶方位1とYVO33の結晶方位2とを45度ずらして配置することでアイソレータ−がその機能を果たす。
【0025】
ここで、利得を有する素子が、特に近年実用化され始めた、偏光無依存のSOAチップ24である場合、偏光方位2は、SOAチップ24の入射側と出射側で並行に保たれる。したがって、YVO34に入射する信号光の偏光面は偏光方位2を保つ。そこで、図1のアイソレータ27を構成するYVO34の結晶方位3を偏光方位2と直行する様に配置し、さらに、YVO36の結晶方位4を、ファラデー回転子35を透過した偏光方位3と直行する様に配置している。この様に配置することにより、アイソレータ27を透過する異常光は常光成分となる。
【0026】
一方、図2において、入射した偏光が、偏光方位1と直行する偏光成分、すなわちアイソレータ21を常光として透過する成分は、アイソレータ27を異常光として透過する様になっている。
【0027】
したがって、ファイバーから導かれた入力パルスは、アイソレータ21で異常光成分と常光成分に分離し、異常光成分の行路長が常光成分に比較して長いことに起因して、計算上0.5psecほどパルス幅を広げるが、そのままの位相差でSOAチップ24を透過した後、アイソレータ27で行路長が補償されるため、ファイバーに入射するパルスは、入射パルスの幅にまで回復する。
【0028】
図3に本発明の他の例を示す。この例では、2つの楔形複屈折板間に配置されたファラデー回転子の周りを磁石で覆った図1の光アイソレータとことなり、2つの楔形複屈折板間に配置されたファラデー回転子と、該ファラデー回転子の両脇に設けられた磁石が平板型のアイソレータホルダに装荷された、いわゆる表面実装型アイソレータを使った例である。各アイソレータを構成する光学素子の結晶方位の構成は、図1のものと全く同じである。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上記のように、入射側の光アイソレータで生じた光路長差が出射側の光アイソレータで補償されるため、光アイソレータとしては偏波分散を有していても、光アイソレータを組み込んだ半導体光アンプモジュールとしては、偏波分散の無いものが提供できる。
【0030】
また、半導体光アンプの前後に一つずつ光アイソレータを取り付けるのみであるので小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例の断面図を示したものである。
【図2】図1の光学結晶の軸方位と信号光の偏光方位の関係に関して説明するための図である。
【図3】表面実装型アイソレータを用いた本発明例を示した図である。
【図4】第3の復屈折板を用いることにより楔形複屈折板で生じた光路長差をキャンセルしようとする従来のアイソレータである。
【符号の説明】
1、2―――――ファイバーコリメータ
3―――――非相反部
4―――――平行平板形複屈折板
5―――――筐体
6,7―――――球レンズ
8,9―――――光ファイバー
10,11――――――フェルール
12,13――――――金属製スリーブ
14―――――永久磁石
15―――――磁気光学素子
16,17――――――楔形複屈折板
18―――――セミコンダクター オプティカル アンプリファイヤー(SOA)モジュール
19、29―――――光ファイバー
20、28―――――レンズ
21、27―――――アイソレータ
22、26―――――アイソレータホルダ
23、25―――――レンズ
24―――――SOAチップ
31、33、34、36―――――YVO結晶
32、35―――――ファラデー回転子

Claims (4)

  1. 光アイソレータを偏波無依存型半導体光アンプの入射側と出射側に接続したものから主として構成される半導体光アンプモジュールであって、入射側に設けられた光アイソレータで常光として振る舞う光が出射側に設けられた光アイソレータで異常光として振る舞い、入射側に設けられた光アイソレータで異常光として振る舞う光が出射側に設けられた光アイソレータで常光として振る舞うように構成されている半導体光アンプモジュール。
  2. 前記光アイソレータが二つの楔形複屈折板間にファラデー回転子を配置したものである請求項1記載の半導体光アンプモジュール。
  3. 入射側と出射側とに同一性能の光アイソレータを用い、入射側と出射側の光アイソレータの向きを135度ずらせて配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体光アンプモジュール。
  4. 前記光アイソレータに用いる楔形複屈折板の材料がルチル、ニオブ酸リチウム、YVO単結晶の内の少なくとも一つである半導体光アンプモジュール。
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JP2009168854A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Fujitsu Ltd 光アイソレータおよび半導体装置光学系
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