JP2004285302A - 芳香族ポリエーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】得られる芳香族ポリエーテルを溶液に溶解したとき不溶分が低減され、かつ溶液のろ過性が改善される芳香族ポリエーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用する芳香族ポリエーテルの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用する芳香族ポリエーテルの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリエーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリエーテルは、親水性、透明性などに優れることから、最近、人工透析膜や水処理の透過膜などへ利用することが試みられている。このようなフィルムや膜などを製膜する手法として、芳香族ポリエーテルを一旦溶液に溶解して、その後貧溶媒に接触させ製膜を行う手法があるが、このとき問題となる異物由来の表面の突起物低減や、製造過程でのろ過性の改良が必要となってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、得られる芳香族ポリエーテルを溶液に溶解したとき不溶分が低減され、かつ溶液のろ過性が改善される芳香族ポリエーテルの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決すべく鋭意検討の結果、反応系において、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を特定割合使用することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用する芳香族ポリエーテルの製造方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物とは、好ましくは分子内に3つのベンゼン環を有し、かつフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物であり、例えば3つ以上のフェノール性水酸基を含有するトリフェニルジスルホン化合物などが挙げられる。
【0006】
フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物の中でも、下記一般式(1)で示される化合物が好適である。
(式中、Yは、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルホニル基およびスルフィド基から選ばれる二価の官能基又は単結合を表す。式中の二つのYは、互いに異なっていてもよい。R1 〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜4程度の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。ただし、R1 〜R14のうち、少なくとも3つ以上が水酸基である。)
【0007】
該アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
該アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、1,1’−プロピレン基、2,2’−プロピレン基、1,1’−ブチリデン基、2,2’−ブチリデン基などが挙げられる。
該シクロアルキレン基としては、例えば、1,4−シクロヘキシレン基などが挙げられる。
該シクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。
【0008】
R1〜R14 としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。ただし、R1 〜R14のうち、少なくとも3つ以上が水酸基である。
【0009】
一般式(1)で表される化合物の中でも、3−(p−ヒドロキシフェニル)スルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3−(p−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3−(p−ヒドロキシフェニル)スルフィド−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3−(p−ヒドロキシフェニル)カルボニル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンが好ましく、とりわけ下記一般式(4)で示される化合物が好適である。
【0010】
【0011】
本発明で用いられるジハロゲノベンゼノイド化合物とは、分子内にベンゼン環を有し、ベンゼン環の水素原子がハロゲン原子で置換されており、そのようなハロゲン原子を2つ有する化合物であり、例えば、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンのように1個のベンゼン環に2つのハロゲン原子が置換している化合物や、分子内に2つのハロゲン化ベンゼン環を含有する化合物などが挙げられる。
【0012】
ジハロゲノベンゼノイド化合物の中でも、分子内に2つのハロゲン化ベンゼン環を含有する化合物が好ましく、とりわけ、下記一般式(3)で表される化合物が好適である。
(式中、Zは、スルホニル基又はカルボニル基を表し、R23〜R30 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。XおよびX’は、いずれもハロゲン原子を表し、互いに同一でも異なってもよい。)
【0013】
XおよびX’で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、とりわけ、塩素が好適である。
R2 3〜R30としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
【0014】
分子内に2つのハロゲン化ベンゼン環を含有する化合物の中でも、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロベンゾフェノン、並びに、これら例示されたハロゲン化ベンゼン環の3位、5位、3’位および5’位から選ばれる少なくとも1つの炭素原子に結合する水素原子をメチル基で置換した化合物が好適に用いられる。これらの中でもとりわけ、下記一般式(5)で示される化合物が好適である。
【0015】
【0016】
本発明で用いられる二価フェノール化合物とは、分子内に2個以下のベンゼン環を有し、かつ分子内に2つのフェノール性水酸基を有する化合物であり、例えば、レゾルシン、ヒドロキノンのように1個のベンゼン環に2つのフェノール性水酸基を有する化合物や、分子内の2つのベンゼン環にそれぞれ1つずつフェノール性水酸基を含有する化合物などが挙げられる。
【0017】
該分子内に2個以下のベンゼン環を有する二価フェノールの中でも、ビスフェノールが好ましく、とりわけ、下記一般式(2)で示されるビスフェノールが好適である。
(式中、Yは、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルホニル基およびスルフィド基から選ばれる二価の官能基又は単結合を表す。R15 〜R22 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【0018】
ここで、該アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
該アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、1,1’−プロピレン基、2,2’−プロピレン基、1,1’−ブチリデン基、2,2’−ブチリデン基などが挙げられる。
該シクロアルキレン基としては、例えば、1,4−シクロヘキシレン基などが挙げられる。
該シクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。
【0019】
R15〜R22 としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
【0020】
一般式(2)で表されるビスフェノールの中でも、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、並びに、これら例示されたビスフェノールの3位、5位、3’位および5’位から選ばれる少なくとも1つの炭素原子にメチル基を置換したビスフェノールが好ましく、とりわけ下記一般式(6)で示される化合物が好適である。
【0021】
【0022】
本発明の芳香族ポリエーテルの製造方法は、ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用することを特徴とする。
本発明の製造方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上5.0重量%以下使用することが好ましく、0.01重量%以上1.0重量%以下使用することがさらに好ましい。
【0023】
本発明の製造方法で用いられる塩基としては、フェノール性水酸基とベンゼン環に置換されたハロゲン原子とから脱ハロゲン水素せしめるものであり、好ましくは、アルカリ金属炭酸塩及び/又は重炭酸塩である。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはその重炭酸塩が好適である。
塩基の使用量は、原料として用いられるフェノール性水酸基1当量に対して、少なくとも1当量程度であり、好ましくは1.005〜1.25当量程度である。
塩基の使用量がフェノール性水酸基1当量に対して1.25当量以下であると、エーテル結合の開裂もしくは分解が低減する傾向にあることから好ましく、1.005当量以上であると得られる芳香族ポリエーテルの分子量が増大する傾向にあることから好ましい。
【0024】
本発明の製造方法における原料とその使用量について説明する。
本発明の製造方法において、二価フェノール化合物、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物に含まれるフェノール性水酸基の合計1当量に対して、ジハロゲノベンゼノイド化合物に含まれるハロゲン原子の合計が、通常、0.9〜1.1当量程度となる比率で、用いることが好ましく、さらに好ましくは0.98〜1.05当量程度である。
具体的に説明すると、例えば、一般式(3)で表されるジハロゲノベンゼノイド化合物と一般式(2)で表される二価フェノール化合物と一般式(1)で表されるフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物とから芳香族ポリエーテルを製造する場合、一般式(2)で示される二価フェノール化合物に含まれるフェノール性水酸基と一般式(1)で示されるフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物に含まれるフェノール性水酸基との合計1当量に対して、一般式(3)で示されるジハロゲノベンゼノイド化合物に含まれるハロゲン原子の合計が、通常、0.9〜1.1当量程度となる比率でそれぞれを用いる。
【0025】
本発明の製造方法に用いられる有機極性溶媒としては、具体的にはジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン(1,1−ジオキソチラン)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホンなどが例示される。
【0026】
本発明の製造方法において、重合反応温度は、使用するモノマー及び溶媒の性質により異なるが、通常、80〜400℃程度であり、好ましくは100〜350℃程度である。反応温度が80℃以上であると、得られる芳香族ポリエーテルの分子量が増大する傾向にあることから好ましく、400℃以下であると着色が低減される傾向にあることから好ましい。
重合反応の温度制御方法としては、例えば、一定の反応温度で実施する方法、温度を徐々に昇温させる方法、温度を段階的に昇温させる方法などが挙げられる。
【0027】
重合反応に要する時間は、反応原料の種類、重合反応の形式、反応温度などにより異なるが、通常、1〜24時間程度であり、好ましくは2〜12時間程度である。
原料の混合や重合反応などの本発明の製造方法全般において、フェノール又は生成した芳香族ポリエーテルが酸化により着色されるのを防ぐために、若干の不活性ガス気流下で行うことが望ましい。
【0028】
本発明において、重合反応を停止させるためには、通常、生成した芳香族ポリエーテルを冷却させればよいが、芳香族ポリエーテルの末端に存在するフェノキサイド末端を安定化させるために、ハロゲン化物などを添加せしめて、重合反応を停止させてもよい。
ここで、ハロゲン化合物の具体例としては、メチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイドなどの脂肪族ハロゲン化物;4−クロロジフェニルスルホン、4−フロロジフェニルスルホン、4−クロロベンゾフェノン、4−フロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフロロベンゾフェノン、p−クロロニトロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物等が挙げられる。
【0029】
重合反応終了後の芳香族ポリエーテルの分離精製方法としては、例えば、芳香族ポリエーテルと溶媒とを含む溶液を、芳香族ポリエーテルが溶解しない溶媒(以下、非溶媒という)中に添加して、芳香族ポリエーテルを再沈澱せしめ方法;融点が室温以下の溶媒を用いて重合した場合は、芳香族ポリエーテル、生成塩、溶媒の混合物を粉砕した後に、非溶媒で、生成塩、溶媒を抽出除去することにより重合体を得る方法などが挙げられる。
ここで、非溶媒としては、例えば、メタノール、アセトン、水、イソプロパノール、メチルエチルケトン、エタノールなどを挙げられる。非溶媒として2種類以上の非溶媒を使用してもよい。
【0030】
かくして得られた芳香族ポリエーテルを適宜、乾燥することにより、溶液に溶解したときにろ過性が改善され、また不溶分が低減される芳香族ポリエーテルを得ることができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例にて詳細に説明するが、これをもって本発明を制限するものではない。例中の部は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
【0032】
<還元粘度の測定>
実施例及び比較例中の還元粘度(RV)は次式により定義される。
RV=(1/C)*(t−t0 )/t0
t:重合体溶液の流出時間(秒)
t0 :純溶媒の流出時間(秒)
C:重合体の溶液の濃度(g/100ml溶媒で表示)
粘度の測定は、オストワルド型粘度管を使用して、25℃で行った。粘度測定のための重合体溶液の濃度はN,N−ジメチルホルムアミド(特級)溶液中1.0g/100mlとした。
【0033】
<ろ過時間と不溶分量の測定>
芳香族ポリエーテル20.0gに対して、N−メチル−2−ピロリジノン(特級)を100mlの割合で加え室温で溶解し、更に完全溶解後に80mlのN−メチル−2−ピロリジノンを加えて溶液を均一になるように撹拌する。続いて、得られた溶液をPTFE製孔径3.0μm/ろ過面積9.6cm3(ADVANTEC社製)のメンブランフィルターでろ過し、溶液全量がろ過されるのに掛かる時間を測定する。
また、この後N−メチル−2−ピロリジノン(特級)を30ml用いてメンブランフィルターを洗浄する。この操作を3回行う。その後、洗浄されたメンブランフィルターを120℃/2時間の条件で乾燥し、その重量を計量しろ過前のフィルター重量から差し引いた重量が不溶分の重量とした。この不溶分の重量を溶解した芳香族ポリエーテルの重量で割り、不溶分の割合とした。
【0034】
実施例1
攪拌機、窒素導入管、温度計、先端に受器を付したコンデンサーとを備えた反応容器中に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン(80.01部、0.999モル比、小西化学社製)、3−フェニルスルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(0.130部、0.001モル比、小西化学社製)、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン(93.27部、1.015モル比、アモコ社製)、及びジフェニルスルホン(255.45部、UCB社製)を仕込み、系内を窒素に置換したのち、さらに窒素を系内に流通させながら180℃まで昇温し、モノマーを溶解させた。
その後、無水炭酸カリウムを45.55部添加し、294℃まで徐々に昇温させ、294℃で更に4時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却固化し、細かく粉砕した後、温水洗浄及びアセトン、メタノール混合溶液での洗浄を行い、水及びアセトン、メタノール混合溶液で抽出を行った後、150℃で加熱を行い、還元粘度0.821dl/gの芳香族ポリエーテルを得た。
該芳香族ポリエーテルのろ過時間は9分であり、不溶分量は0.015重量%であった。
【0035】
実施例2
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンを79.69部(0.995モル比)、3−フェニルスルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを0.650部(0.005モル比)用いた以外は、実施例1と同じ装置で、同じ操作を行うことにより、還元粘度0.766dl/gの芳香族ポリエーテルを得た。
該芳香族ポリエーテルのろ過時間は7分であり、不溶分量は0.013重量%であった。
【0036】
比較例1
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンを80.09部(1.000モル比)用い、3−フェニルスルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは加えないこと以外は、実施例1と同じ装置で、同じ操作を行うことにより、還元粘度0.820/gの芳香族ポリエーテルを得た。
該芳香族ポリエーテルのろ過時間は20分であり、不溶分量は0.029重量%であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法によって得られる芳香族ポリエーテルは、溶液に溶解したときに不溶分が低減され、且つ溶液のろ過性が改善される特性を有する。
該芳香族ポリエーテルは、親水性、透明性などに優れることから、人工透析膜や水処理の透過膜などへ好ましく利用される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリエーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリエーテルは、親水性、透明性などに優れることから、最近、人工透析膜や水処理の透過膜などへ利用することが試みられている。このようなフィルムや膜などを製膜する手法として、芳香族ポリエーテルを一旦溶液に溶解して、その後貧溶媒に接触させ製膜を行う手法があるが、このとき問題となる異物由来の表面の突起物低減や、製造過程でのろ過性の改良が必要となってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、得られる芳香族ポリエーテルを溶液に溶解したとき不溶分が低減され、かつ溶液のろ過性が改善される芳香族ポリエーテルの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決すべく鋭意検討の結果、反応系において、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を特定割合使用することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用する芳香族ポリエーテルの製造方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物とは、好ましくは分子内に3つのベンゼン環を有し、かつフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物であり、例えば3つ以上のフェノール性水酸基を含有するトリフェニルジスルホン化合物などが挙げられる。
【0006】
フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物の中でも、下記一般式(1)で示される化合物が好適である。
(式中、Yは、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルホニル基およびスルフィド基から選ばれる二価の官能基又は単結合を表す。式中の二つのYは、互いに異なっていてもよい。R1 〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜4程度の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。ただし、R1 〜R14のうち、少なくとも3つ以上が水酸基である。)
【0007】
該アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
該アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、1,1’−プロピレン基、2,2’−プロピレン基、1,1’−ブチリデン基、2,2’−ブチリデン基などが挙げられる。
該シクロアルキレン基としては、例えば、1,4−シクロヘキシレン基などが挙げられる。
該シクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。
【0008】
R1〜R14 としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。ただし、R1 〜R14のうち、少なくとも3つ以上が水酸基である。
【0009】
一般式(1)で表される化合物の中でも、3−(p−ヒドロキシフェニル)スルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3−(p−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3−(p−ヒドロキシフェニル)スルフィド−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3−(p−ヒドロキシフェニル)カルボニル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンが好ましく、とりわけ下記一般式(4)で示される化合物が好適である。
【0010】
【0011】
本発明で用いられるジハロゲノベンゼノイド化合物とは、分子内にベンゼン環を有し、ベンゼン環の水素原子がハロゲン原子で置換されており、そのようなハロゲン原子を2つ有する化合物であり、例えば、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンのように1個のベンゼン環に2つのハロゲン原子が置換している化合物や、分子内に2つのハロゲン化ベンゼン環を含有する化合物などが挙げられる。
【0012】
ジハロゲノベンゼノイド化合物の中でも、分子内に2つのハロゲン化ベンゼン環を含有する化合物が好ましく、とりわけ、下記一般式(3)で表される化合物が好適である。
(式中、Zは、スルホニル基又はカルボニル基を表し、R23〜R30 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。XおよびX’は、いずれもハロゲン原子を表し、互いに同一でも異なってもよい。)
【0013】
XおよびX’で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、とりわけ、塩素が好適である。
R2 3〜R30としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
【0014】
分子内に2つのハロゲン化ベンゼン環を含有する化合物の中でも、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロベンゾフェノン、並びに、これら例示されたハロゲン化ベンゼン環の3位、5位、3’位および5’位から選ばれる少なくとも1つの炭素原子に結合する水素原子をメチル基で置換した化合物が好適に用いられる。これらの中でもとりわけ、下記一般式(5)で示される化合物が好適である。
【0015】
【0016】
本発明で用いられる二価フェノール化合物とは、分子内に2個以下のベンゼン環を有し、かつ分子内に2つのフェノール性水酸基を有する化合物であり、例えば、レゾルシン、ヒドロキノンのように1個のベンゼン環に2つのフェノール性水酸基を有する化合物や、分子内の2つのベンゼン環にそれぞれ1つずつフェノール性水酸基を含有する化合物などが挙げられる。
【0017】
該分子内に2個以下のベンゼン環を有する二価フェノールの中でも、ビスフェノールが好ましく、とりわけ、下記一般式(2)で示されるビスフェノールが好適である。
(式中、Yは、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルホニル基およびスルフィド基から選ばれる二価の官能基又は単結合を表す。R15 〜R22 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【0018】
ここで、該アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
該アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、1,1’−プロピレン基、2,2’−プロピレン基、1,1’−ブチリデン基、2,2’−ブチリデン基などが挙げられる。
該シクロアルキレン基としては、例えば、1,4−シクロヘキシレン基などが挙げられる。
該シクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。
【0019】
R15〜R22 としては、それぞれ独立に、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
【0020】
一般式(2)で表されるビスフェノールの中でも、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、並びに、これら例示されたビスフェノールの3位、5位、3’位および5’位から選ばれる少なくとも1つの炭素原子にメチル基を置換したビスフェノールが好ましく、とりわけ下記一般式(6)で示される化合物が好適である。
【0021】
【0022】
本発明の芳香族ポリエーテルの製造方法は、ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用することを特徴とする。
本発明の製造方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上5.0重量%以下使用することが好ましく、0.01重量%以上1.0重量%以下使用することがさらに好ましい。
【0023】
本発明の製造方法で用いられる塩基としては、フェノール性水酸基とベンゼン環に置換されたハロゲン原子とから脱ハロゲン水素せしめるものであり、好ましくは、アルカリ金属炭酸塩及び/又は重炭酸塩である。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはその重炭酸塩が好適である。
塩基の使用量は、原料として用いられるフェノール性水酸基1当量に対して、少なくとも1当量程度であり、好ましくは1.005〜1.25当量程度である。
塩基の使用量がフェノール性水酸基1当量に対して1.25当量以下であると、エーテル結合の開裂もしくは分解が低減する傾向にあることから好ましく、1.005当量以上であると得られる芳香族ポリエーテルの分子量が増大する傾向にあることから好ましい。
【0024】
本発明の製造方法における原料とその使用量について説明する。
本発明の製造方法において、二価フェノール化合物、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物に含まれるフェノール性水酸基の合計1当量に対して、ジハロゲノベンゼノイド化合物に含まれるハロゲン原子の合計が、通常、0.9〜1.1当量程度となる比率で、用いることが好ましく、さらに好ましくは0.98〜1.05当量程度である。
具体的に説明すると、例えば、一般式(3)で表されるジハロゲノベンゼノイド化合物と一般式(2)で表される二価フェノール化合物と一般式(1)で表されるフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物とから芳香族ポリエーテルを製造する場合、一般式(2)で示される二価フェノール化合物に含まれるフェノール性水酸基と一般式(1)で示されるフェノール性水酸基を3つ以上有する化合物に含まれるフェノール性水酸基との合計1当量に対して、一般式(3)で示されるジハロゲノベンゼノイド化合物に含まれるハロゲン原子の合計が、通常、0.9〜1.1当量程度となる比率でそれぞれを用いる。
【0025】
本発明の製造方法に用いられる有機極性溶媒としては、具体的にはジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン(1,1−ジオキソチラン)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホンなどが例示される。
【0026】
本発明の製造方法において、重合反応温度は、使用するモノマー及び溶媒の性質により異なるが、通常、80〜400℃程度であり、好ましくは100〜350℃程度である。反応温度が80℃以上であると、得られる芳香族ポリエーテルの分子量が増大する傾向にあることから好ましく、400℃以下であると着色が低減される傾向にあることから好ましい。
重合反応の温度制御方法としては、例えば、一定の反応温度で実施する方法、温度を徐々に昇温させる方法、温度を段階的に昇温させる方法などが挙げられる。
【0027】
重合反応に要する時間は、反応原料の種類、重合反応の形式、反応温度などにより異なるが、通常、1〜24時間程度であり、好ましくは2〜12時間程度である。
原料の混合や重合反応などの本発明の製造方法全般において、フェノール又は生成した芳香族ポリエーテルが酸化により着色されるのを防ぐために、若干の不活性ガス気流下で行うことが望ましい。
【0028】
本発明において、重合反応を停止させるためには、通常、生成した芳香族ポリエーテルを冷却させればよいが、芳香族ポリエーテルの末端に存在するフェノキサイド末端を安定化させるために、ハロゲン化物などを添加せしめて、重合反応を停止させてもよい。
ここで、ハロゲン化合物の具体例としては、メチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイドなどの脂肪族ハロゲン化物;4−クロロジフェニルスルホン、4−フロロジフェニルスルホン、4−クロロベンゾフェノン、4−フロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフロロベンゾフェノン、p−クロロニトロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物等が挙げられる。
【0029】
重合反応終了後の芳香族ポリエーテルの分離精製方法としては、例えば、芳香族ポリエーテルと溶媒とを含む溶液を、芳香族ポリエーテルが溶解しない溶媒(以下、非溶媒という)中に添加して、芳香族ポリエーテルを再沈澱せしめ方法;融点が室温以下の溶媒を用いて重合した場合は、芳香族ポリエーテル、生成塩、溶媒の混合物を粉砕した後に、非溶媒で、生成塩、溶媒を抽出除去することにより重合体を得る方法などが挙げられる。
ここで、非溶媒としては、例えば、メタノール、アセトン、水、イソプロパノール、メチルエチルケトン、エタノールなどを挙げられる。非溶媒として2種類以上の非溶媒を使用してもよい。
【0030】
かくして得られた芳香族ポリエーテルを適宜、乾燥することにより、溶液に溶解したときにろ過性が改善され、また不溶分が低減される芳香族ポリエーテルを得ることができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例にて詳細に説明するが、これをもって本発明を制限するものではない。例中の部は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
【0032】
<還元粘度の測定>
実施例及び比較例中の還元粘度(RV)は次式により定義される。
RV=(1/C)*(t−t0 )/t0
t:重合体溶液の流出時間(秒)
t0 :純溶媒の流出時間(秒)
C:重合体の溶液の濃度(g/100ml溶媒で表示)
粘度の測定は、オストワルド型粘度管を使用して、25℃で行った。粘度測定のための重合体溶液の濃度はN,N−ジメチルホルムアミド(特級)溶液中1.0g/100mlとした。
【0033】
<ろ過時間と不溶分量の測定>
芳香族ポリエーテル20.0gに対して、N−メチル−2−ピロリジノン(特級)を100mlの割合で加え室温で溶解し、更に完全溶解後に80mlのN−メチル−2−ピロリジノンを加えて溶液を均一になるように撹拌する。続いて、得られた溶液をPTFE製孔径3.0μm/ろ過面積9.6cm3(ADVANTEC社製)のメンブランフィルターでろ過し、溶液全量がろ過されるのに掛かる時間を測定する。
また、この後N−メチル−2−ピロリジノン(特級)を30ml用いてメンブランフィルターを洗浄する。この操作を3回行う。その後、洗浄されたメンブランフィルターを120℃/2時間の条件で乾燥し、その重量を計量しろ過前のフィルター重量から差し引いた重量が不溶分の重量とした。この不溶分の重量を溶解した芳香族ポリエーテルの重量で割り、不溶分の割合とした。
【0034】
実施例1
攪拌機、窒素導入管、温度計、先端に受器を付したコンデンサーとを備えた反応容器中に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン(80.01部、0.999モル比、小西化学社製)、3−フェニルスルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(0.130部、0.001モル比、小西化学社製)、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン(93.27部、1.015モル比、アモコ社製)、及びジフェニルスルホン(255.45部、UCB社製)を仕込み、系内を窒素に置換したのち、さらに窒素を系内に流通させながら180℃まで昇温し、モノマーを溶解させた。
その後、無水炭酸カリウムを45.55部添加し、294℃まで徐々に昇温させ、294℃で更に4時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却固化し、細かく粉砕した後、温水洗浄及びアセトン、メタノール混合溶液での洗浄を行い、水及びアセトン、メタノール混合溶液で抽出を行った後、150℃で加熱を行い、還元粘度0.821dl/gの芳香族ポリエーテルを得た。
該芳香族ポリエーテルのろ過時間は9分であり、不溶分量は0.015重量%であった。
【0035】
実施例2
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンを79.69部(0.995モル比)、3−フェニルスルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを0.650部(0.005モル比)用いた以外は、実施例1と同じ装置で、同じ操作を行うことにより、還元粘度0.766dl/gの芳香族ポリエーテルを得た。
該芳香族ポリエーテルのろ過時間は7分であり、不溶分量は0.013重量%であった。
【0036】
比較例1
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンを80.09部(1.000モル比)用い、3−フェニルスルホニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは加えないこと以外は、実施例1と同じ装置で、同じ操作を行うことにより、還元粘度0.820/gの芳香族ポリエーテルを得た。
該芳香族ポリエーテルのろ過時間は20分であり、不溶分量は0.029重量%であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法によって得られる芳香族ポリエーテルは、溶液に溶解したときに不溶分が低減され、且つ溶液のろ過性が改善される特性を有する。
該芳香族ポリエーテルは、親水性、透明性などに優れることから、人工透析膜や水処理の透過膜などへ好ましく利用される。
Claims (9)
- ジハロゲノベンゼノイド化合物と二価フェノール化合物とを有機極性溶媒中で塩基を用いて反応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準として、フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物を0.01重量%以上使用することを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法。
- ジハロゲノベンゼノイド化合物として、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 二価フェノール化合物として、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- フェノール性水酸基を3つ以上有する化合物として、トリヒドロキシ−トリフェニル−ジスルホンを使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 有機極性溶媒として、ジフェニルスルホンを使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 塩基として、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
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