JP2004285668A - 地中水位水圧検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】任意地層の地下水の挙動をシンプルな構造にして簡易にかつより正確に検出することにある。
【解決手段】複数個の単位円筒体1a,1b…相互間を円筒状のジョイント1a,1b…で結合して一体型の芯材11を構成し、この芯材の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´を軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、電極用電気ケーブルに対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を形成し、コモン電極用電気ケーブルに対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、且つ各ジョイント内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませて水圧センサ13をそれぞれ設ける構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数個の単位円筒体1a,1b…相互間を円筒状のジョイント1a,1b…で結合して一体型の芯材11を構成し、この芯材の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´を軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、電極用電気ケーブルに対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を形成し、コモン電極用電気ケーブルに対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、且つ各ジョイント内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませて水圧センサ13をそれぞれ設ける構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中の水位および水圧を簡易にかつ同時に計測可能な地中水位水圧検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地中の水位を測定する手段としては、ボーリング装置にて地面を掘削し、この掘削したボーリング穴に溜まった水をフロートにて測定する方法が一般的である。
【0003】
図7はかかる従来のフロート式水位計の一例を示す構成図である。
【0004】
図7において、31は地面に打ち込まれた基礎コンクリートで、この基礎コンクリート31には、地表面から地中に抜ける貫通穴が設けられている。また、32は基礎コンクリート31の貫通穴を通して地中に埋設される筒体で、この筒体32は、地中への埋設深さに応じて適宜長さの筒部を複数連結したもので、その軸方向に沿って筒体内外を貫通する穴が複数設けられている。
【0005】
また、33は基礎コンクリート31上に筒体32を中央部にして設置されたケースで、このケース33内の上段部には、フロート駆動装置34が設置されている。このフロート駆動装置34は、先端にフロート35が取り付けられたワイヤ36を筒体32内を通して鉛直方向に移動可能に支持し、筒体32内の下部に溜まる水位に応じてフロート35が上下動することにより、ワイヤ36を巻き上げ、又は巻き下げるものである。
【0006】
さらに、ケース33内の下段部には、フロート駆動装置34により巻き上げ、又は巻き下げられるワイヤ36の移動量から筒体32内の底部に溜まった水位を計測器37と、この計測器37で計測されたデータを地中に埋設された出力ケーブル38を通して図示しない基地局に伝送する送信機39が設置されている。
【0007】
このような構成の地中水位検出装置において、降雨などで地表面に降り注いだ雨水などが地中に浸透すると、この水は筒体32の軸方向に沿って設けられている穴を通して筒体32内の底部に溜まる。この筒体32内の底部に溜まった水位は、計測器37によりフロート35の上下動に応じて巻き上げ、又は巻き下げられるワイヤ36の移動量から計測される。
【0008】
しかし、このようなフロート式水位計では、ボーリングの穴の底部に溜まった水全体の量を図ることはできるが、地層のどの部分からどのくらいの量の地下水が湧出してしているかを特定することができなかった。
【0009】
そこで、最近ではどの地層の地下水かを判別可能な地下水測定装置として、内管と外管との間にボーリング検出に基づく帯水層に対応させて上下対の内外仕切で区画した地下水取入部を形成し、内管の内側スペースを利用して各地下水取入部に連通し且つ内管の上方へ延出させた測定用管を付設したストレーナ2重管とし、このストレーナ2重管をボーリング穴内にセットして、地下水取入部に帯水層の地下水を取入れ、この地下水取入部内の地下水を測定用管内に導入させて、その地下水の水位をフロートにて測定するようにしたものがある(例えば特許文献1)。
【0010】
一方、特定地層の地下水の挙動を把握するために、間隙水圧計が考案され(例えば特許文献2)、また特定の地層に貯留する地下水の水圧を圧力計にて計測する方法も考案され、実用化されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−173361号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平10−82669号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した地下水測定装置では、測定用管を付設したストレーナ2重管として、その内管と外管との間に帯水層に対応させて上下対の内外仕切で区画した地下水取入部を形成してどの地層の地下水かを判別可能にしているため、全体の構造が複雑になり、また地下水取入部内の地下水を測定用管内に導入してフロートにより水位を測定しているため、その性能や信頼性の点で問題があった。
【0014】
また、特定地層の地下水の挙動を把握するために考えられた間隙水圧計では、計測する地盤にクラックなどがあると、クラックから水圧が逃げ、正確に水圧を測定できないという問題があり、水圧計では、水圧計を設置する地層の上下の部分をシールし、圧力を逃げないように施工しなければならないため、水圧計の設置には特殊な技術が必要になり、簡便に設置ができないという問題があった。
【0015】
本発明は上記のような問題点を解消し、電気ケーブルによる電極式水位センサと間隙水圧センサとを組合せることにより、任意の地層の地下水の挙動をシンプルな構造にして簡易にかつより正確に検出できる地中水位水圧検出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により地中水位水圧検出装置を構成する。
【0017】
請求項1に対応する発明は、複数個の単位円筒体相互間を円筒状のジョイントで結合して一体型の芯材を構成し、この芯材の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブルを軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、各円筒体に対応する部分を水位検出部とし、電極用電気ケーブルに対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を電極として形成し、コモン電極用電気ケーブルに対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、且つ前記各ジョイント内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませて水圧センサをそれぞれ設ける構成として、地中を掘削して設けられた一つのボーリング穴に埋設する。
【0018】
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、前記芯材を構成する単位円筒体とジョイントとは、ねじ込み又は嵌め込みにより着脱自在に結合されたものである。
【0019】
請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、前記各ジョイントの周面に設けられた開口部に水の浸入を阻止し且つ水圧のみを前記水位センサの受圧部に伝達可能なフィルタを設ける。
【0020】
請求項4に対応する発明は、請求項1に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、地上側に設置され、前記電極用ケーブルおよびコモン電極用ケーブルとをそれぞれ順次切換えて電気出力を得る電極切換手段およびコモン電極切換手段とを備え、これら電極およびコモン電極切換手段より得られる電気出力から前記電極およびコモン電極用ケーブルの導電部とコモン電極との間の電気抵抗を計測し、且つ前記コモン電極切換手段の切換位置から前記水位検出部を特定して、該水位検出部における導電部の位置に基づき地中の水位を検出する。
【0021】
請求項5に対応する発明は、請求項4に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、前記水位検出部における導電部の位置に基づき検出された水位データおよび位置データを取込むとともに、前記水位検出部に対応する部位の前記水圧センサにより検出された水圧データを取込み、これら水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定する地すべり発生予測判定手段を備える。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明による地中水位水圧検出装置の第1の実施形態を示す全体構成図である。
【0024】
図1において、1a,1b,…,1nは、軸方向長さL1が例えば2〜2.5mの塩化ビニール等からなる単位円筒体、2a,2b,…2mは各単位円筒体1a,1b,…,1n相互間を結合する軸方向長さL2が例えば0.3mの塩化ビニール等の絶縁物からなる円筒状のジョイントで、これらは一体型の芯材11として構成される。
【0025】
この芯材11の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´が軸方向に沿ってそれぞれ配設される。この場合、これら電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´は、芯材11の単位円筒体1a,1b,…,1nにそれぞれ対応する水位検出部を構成している。
【0026】
また、芯材11の各ジョイント2a,2b,…2n内に水圧センサ13がそれぞれ設けられ、各水圧センサ13は間隙水圧検出部を構成するものである。
【0027】
上記各水位検出部は、図2に示すように複数本(本例では10本)の電極用電気ケーブル12に対してそれぞれ軸方向の予め定められた一箇所の部位の絶縁物12aを除去して、導電部12bを露出させてある。この場合、導電部12bは一定長さとし、かつ各電気ケーブル12に対して一定の間隔でそれぞれずらせた電極として形成される。
【0028】
また、複数本(本例では4本)のコモン電極用電気ケーブル12´は、水位検出部の位置(図2では第1ブロックから第4ブロックとして示す)に応じてそれぞれ軸方向長さが異なり、該当する水位検出部に相当する部位の絶縁物12a´を除去して導電部12b´を露出させ、コモン電極として形成される。
【0029】
これら複数本の電極用電気ケーブル12およびコモン電極用電気ケーブル12´は、図3に示すように芯材11の外周面に軸方向に沿って配設され、これらを一体的に束ねて電極式水位センサを構成する。
【0030】
一方、芯材11の各ジョイント内に設けられる水圧センサ13としては、一般に市販されている例えばひずみゲージが用いられ、その受圧部を図4に示すようにジョイント2の内周面に設けられた開口部に臨ませて配設される。この場合、開口部には水圧を水圧センサ13に伝達するが、ジョイント2内部への水の浸入を阻止する機能を有するフィルタ14により覆われている。
【0031】
また、この水圧センサ13には、電気ケーブル15が接続され、この電気ケーブル15は水圧センサ13により検出された水圧に応じた電気信号を芯材11の各単位円筒体2a,2b,…2n内を通して地上側に伝送するものである。
【0032】
図5は芯材11の外周面に軸方向に沿って配設された電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´と各ジョイント2a,2b,…2n内に設けられた水圧センサ13およびその電気ケーブル15の取付け状態を示している。
【0033】
このように芯材11に取り付けられた電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´により構成された電極式水位センサおよび各ジョイント2内に設けられた水圧センサ13を図示しないボーリング装置により地面を掘削して形成されたボーリング穴に埋設される。
【0034】
一方、地上側には、図2に示すように計測ターミナル16および地すべり予測装置17が設置される。
【0035】
上記計測ターミナル16は、電極切換器18とコモン電極切換器19を備え、電極切換器18は固定接点18a,18b,…に前述した電極用ケーブル12の導体がそれぞれ接続され、可動接点18sに直流電源20と計測器21の一端が接続される。また、コモン電極切換器19は固定接点19a,19b,…に前述したコモン電極用ケーブル12´の導体がそれぞれ接続され、可動接点19sに抵抗計21の他端が接続される。
【0036】
上記地すべり予測装置17は、電極切換器18とコモン電極切換器19に切換指令を順次与える切換制御部22と、この切換制御部22からの切換指令と計測器21で計測される抵抗値が入力され、水位検出位置とそのデータを読込む水位データ読取部23と、水圧センサ13で検出されたブロック毎(図2では第1ブロック〜第4ブロック)の水圧検出信号を読込む水圧データ読取部24と、これら水位データ読取部23および水圧データ読取部23によりそれぞれ読取った水位データおよび水圧データをその位置データとともに記憶する記憶部25と、水位データ読取部22および水圧データ読取部23によりそれぞれ読取った水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定し、地すべり発生が予測されるとその旨を出力する地すべり発生予測判定部26とを備えている。
【0037】
次に上記のように構成された地中水位水圧検出装置の作用を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0038】
いま、地中の浸透水が図2に示す第3ブロックと第4ブロックとの間の図示Xの範囲に浸透しているものとする。また、このとき地上側の計測ターミナル16においては、地すべり予測装置17の切換制御装置22から出される切換指令により電極切換器18とコモン電極切換器19がそれぞれ順次切換動作しているものとする。
【0039】
このような動作過程で、コモン電極切換器19の可動接点19sが固定接点19aに切換えられているとき電極切換器18の可動接点18sが固定接点18aに切換えられると、固定接点18aにつながる電極用ケーブル12の第3ブロックに相当する位置の導電部と固定接点19aにつながるコモン電極用ケーブル12´の第3ブロックに相当する位置の導電部との間が導通状態となり、この電極用ケーブル12の抵抗値が変化する。
【0040】
この抵抗値の変化は計測器21にて電気的に計測され、その計測データが地すべり予測装置17に伝送される。
【0041】
一方、地すべり予測装置17においては、図6に示すように水位データ読取部23により水位データを読込み(ステップS1)、そのデータを切換制御部22からの切換指令から得られる位置データとともに記憶部25に記憶させるとともに、地すべり発生予測判定部26に入力する。ここで、位置データはコモン電極切換器19の切換位置からいずれのブロックに対応する水位検出部かを特定することで得られ、また水位データはこの特定された水位検出部における導電部の位置、つまり電極切換器18の切換位置を特定することで得られる。
【0042】
この地すべり発生予測判定部26では、水位データをもとに水位があるか否かを判定し(ステップS2)、水位があればその水位位置を確認する(ステップS3)。
【0043】
また、地すべり予測装置17においては、各ジョイントに設けられている水圧センサ13で検出された水圧データを水圧データ読取部24により読取り、そのデータを記憶部25に記憶させるとともに、地すべり発生予測判定部26に入力する。
【0044】
この地すべり発生予測判定部26では、水圧データ読取部24より入力される水圧データの中から前記水位の存在する位置に該当する水圧データを取込んで(ステップS4)、その水圧が水圧基準値を超えているか否かを判定し(ステップS5)、超えている場合は地すべり発生の可能性が高いと予測して注意を促す信号を出力する(ステップS6)。
【0045】
このように本実施形態では、複数個の単位円筒体1a,1b,…,1n相互間を円筒状のジョイント2a,2b,…2mで結合して構成される一体型の芯材11の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´を軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、各円筒体に対応する部分を水位検出部とし、電極用電気ケーブル12に対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を電極として形成し、コモン電極用電気ケーブル12´に対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、また各ジョイント2a,2b,…2m内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませてひずみゲージ等の水圧センサ13をそれぞれ設ける構成として、一つのボーリング穴に埋設するようにしたものである。
【0046】
従って、地中深さの異なる複数層のいずれの層に浸透水が存在していてもその層に対応する部位の水位検出部の導電部とコモン電極とが浸透水に接触することで、その部位の浸透水の存在を電気的に検出することができるとともに、この部位の水圧センサ13により水圧を検出することができる。これにより地下水の位置、大きさの値を簡便に、かつより正確に同時に得ることができる。
【0047】
また、芯材11は複数の単位円筒体をジョイントにより結合して一体型として、各単位円筒体に対応させて水位検出部を構成し、各ジョイントに対応させて間隙水圧検出部を構成するようにしているので、地中の深さに応じて単位円筒体の個数を増減してジョイントにより結合するだけで芯材11の長さを調整することができる。
【0048】
さらに、各ジョイント2の周面に設けられた開口部に水の浸入を阻止し且つ水圧のみを水位センサ13の受圧部に伝達可能なフィルタ14を設けてあるので、浸透水の水圧を正確に検出することができる。
【0049】
他方、地上側には計測ターミナル16および地すべり予測装置17を設置し、計測ターミナル16には電極切換器18とコモン電極切換器19を備えて、電極用ケーブル12およびコモン電極用ケーブル12´を順次切換えて計測器21により電気抵抗を計測し、また地すべり予測装置17には計測ターミナル16の計測器21にて計測された水位データを位置データとともに読取る水位データ読取部23、各ジョイントに対応させて設けられた水圧センサ13からの水圧データを読取る水圧データ読取部24およびこれらの読取部により読取られた水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定する地すべり発生予測判定部26を備える構成としたものである。
【0050】
従って、地すべり発生予測判定部26では、水位センサにより検出された水位データとその位置データおよび水圧センサにより検出されたその水位位置の水圧データから地すべり発生を予測してその旨を出力するようにしたので、水位センサのみによる測定結果の判定に比べてより正確で且つ迅速な判定を行うことができる。
【0051】
因みに、地すべり要因の解析結果、必要な測定値はすべり面位置における間隙水圧であることが知られているが、すべり面が深い位置にあったり、地すべり移動によっては測定が不可能であることなどの理由から水位計によって測定される地下水の静水圧をもって間隙水圧に代えることが広く行なわれている。
【0052】
これに対して、本発明では、必要個数の単位円筒体をジョイントでつなぐことでその軸方向長さを任意に調整でき、且つ各単位円筒体に対応させて水位検出部を構成し、また各ジョイント内に水圧センサを設けてその検出部のみジョイントの周面の一部に設けた開口部に臨ませて間隙水圧を検出できるようにしているので、すべり面の深い位置や、地すべり移動の可能性の高い場所でも水位と水圧の両方を同時に検出することができ、地下水の挙動を計測することができる。
【0053】
また、水位センサにより検出された水位とその位置が特定されると同時にその水位位置における水圧センサにより水圧を検出しているので、例えば水位センサにより水位を検出していないにもかかわらず、水圧センサにより水圧が検出されたり、その逆であったりするような場合には何れかのセンサに故障があることを容易に判断することができる。
【0054】
本発明は上記実施形態で述べた構成に限定されるものではなく、その一部を次のようにしても同様に実施できるものである。
【0055】
上記実施形態では、芯材11を構成する単位円筒体1a,1b,…およびジョイント2a,2b,…の材料として塩化ビニールを用いたが、強度を有するプラスチックやアルミニウム、薄いステンレス等の加工し易い材料を使用しても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、各ジョイント内に設けられる水圧センサ13としてひずみゲージを用いたが、圧電式や半導体式など軽量小型で受圧部の変化を電気信号として取出せるものであればどのようなタイプのものであっても良い。
【0057】
さらに、上記実施形態において、複数の単位円筒体をジョイントにより結合する手段として、ねじ込み方式や嵌め込み方式など着脱できるものであればどのような方式で結合しても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、電気ケーブルによる電極式水位センサと間隙水圧センサとを組合せることにより、任意地層の地下水の挙動をシンプルな構造にして簡易にかつより正確に検出できる地中水位水圧検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地中水位水圧検出装置の実施形態を示す構成図。
【図2】同実施形態において、要部を展開して平面的に表した回路構成図。
【図3】同実施形態における電極式水位センサを示す斜視図。
【図4】同実施形態において、ジョイント内に設けられた水圧センサの状態を示す図。
【図5】同実施形態において、芯材に電極式水位センサと水圧センサを配設した状態を示す平面図。
【図6】同実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図7】従来の地中水位検出装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
1,1a,1b,…,1n…単位円筒体
2,2a,2b,…2n…ジョイント
11…芯材
12,12´…電極用およびコモン電極用電気ケーブル
12a,12a´…絶縁物
12b,12b´…導電部
13…水圧センサ
14…フィルタ
15…電気ケーブル
16…計測ターミナル
17…地すべり予測装置
18,19…電極およびコモン電極切換器
20…直流電源
21…計測器
22…切換制御器
23…水位データ読取器
24…水圧データ読取器
25…記憶部
26…地すべり発生予測判定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中の水位および水圧を簡易にかつ同時に計測可能な地中水位水圧検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地中の水位を測定する手段としては、ボーリング装置にて地面を掘削し、この掘削したボーリング穴に溜まった水をフロートにて測定する方法が一般的である。
【0003】
図7はかかる従来のフロート式水位計の一例を示す構成図である。
【0004】
図7において、31は地面に打ち込まれた基礎コンクリートで、この基礎コンクリート31には、地表面から地中に抜ける貫通穴が設けられている。また、32は基礎コンクリート31の貫通穴を通して地中に埋設される筒体で、この筒体32は、地中への埋設深さに応じて適宜長さの筒部を複数連結したもので、その軸方向に沿って筒体内外を貫通する穴が複数設けられている。
【0005】
また、33は基礎コンクリート31上に筒体32を中央部にして設置されたケースで、このケース33内の上段部には、フロート駆動装置34が設置されている。このフロート駆動装置34は、先端にフロート35が取り付けられたワイヤ36を筒体32内を通して鉛直方向に移動可能に支持し、筒体32内の下部に溜まる水位に応じてフロート35が上下動することにより、ワイヤ36を巻き上げ、又は巻き下げるものである。
【0006】
さらに、ケース33内の下段部には、フロート駆動装置34により巻き上げ、又は巻き下げられるワイヤ36の移動量から筒体32内の底部に溜まった水位を計測器37と、この計測器37で計測されたデータを地中に埋設された出力ケーブル38を通して図示しない基地局に伝送する送信機39が設置されている。
【0007】
このような構成の地中水位検出装置において、降雨などで地表面に降り注いだ雨水などが地中に浸透すると、この水は筒体32の軸方向に沿って設けられている穴を通して筒体32内の底部に溜まる。この筒体32内の底部に溜まった水位は、計測器37によりフロート35の上下動に応じて巻き上げ、又は巻き下げられるワイヤ36の移動量から計測される。
【0008】
しかし、このようなフロート式水位計では、ボーリングの穴の底部に溜まった水全体の量を図ることはできるが、地層のどの部分からどのくらいの量の地下水が湧出してしているかを特定することができなかった。
【0009】
そこで、最近ではどの地層の地下水かを判別可能な地下水測定装置として、内管と外管との間にボーリング検出に基づく帯水層に対応させて上下対の内外仕切で区画した地下水取入部を形成し、内管の内側スペースを利用して各地下水取入部に連通し且つ内管の上方へ延出させた測定用管を付設したストレーナ2重管とし、このストレーナ2重管をボーリング穴内にセットして、地下水取入部に帯水層の地下水を取入れ、この地下水取入部内の地下水を測定用管内に導入させて、その地下水の水位をフロートにて測定するようにしたものがある(例えば特許文献1)。
【0010】
一方、特定地層の地下水の挙動を把握するために、間隙水圧計が考案され(例えば特許文献2)、また特定の地層に貯留する地下水の水圧を圧力計にて計測する方法も考案され、実用化されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−173361号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平10−82669号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した地下水測定装置では、測定用管を付設したストレーナ2重管として、その内管と外管との間に帯水層に対応させて上下対の内外仕切で区画した地下水取入部を形成してどの地層の地下水かを判別可能にしているため、全体の構造が複雑になり、また地下水取入部内の地下水を測定用管内に導入してフロートにより水位を測定しているため、その性能や信頼性の点で問題があった。
【0014】
また、特定地層の地下水の挙動を把握するために考えられた間隙水圧計では、計測する地盤にクラックなどがあると、クラックから水圧が逃げ、正確に水圧を測定できないという問題があり、水圧計では、水圧計を設置する地層の上下の部分をシールし、圧力を逃げないように施工しなければならないため、水圧計の設置には特殊な技術が必要になり、簡便に設置ができないという問題があった。
【0015】
本発明は上記のような問題点を解消し、電気ケーブルによる電極式水位センサと間隙水圧センサとを組合せることにより、任意の地層の地下水の挙動をシンプルな構造にして簡易にかつより正確に検出できる地中水位水圧検出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により地中水位水圧検出装置を構成する。
【0017】
請求項1に対応する発明は、複数個の単位円筒体相互間を円筒状のジョイントで結合して一体型の芯材を構成し、この芯材の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブルを軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、各円筒体に対応する部分を水位検出部とし、電極用電気ケーブルに対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を電極として形成し、コモン電極用電気ケーブルに対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、且つ前記各ジョイント内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませて水圧センサをそれぞれ設ける構成として、地中を掘削して設けられた一つのボーリング穴に埋設する。
【0018】
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、前記芯材を構成する単位円筒体とジョイントとは、ねじ込み又は嵌め込みにより着脱自在に結合されたものである。
【0019】
請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、前記各ジョイントの周面に設けられた開口部に水の浸入を阻止し且つ水圧のみを前記水位センサの受圧部に伝達可能なフィルタを設ける。
【0020】
請求項4に対応する発明は、請求項1に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、地上側に設置され、前記電極用ケーブルおよびコモン電極用ケーブルとをそれぞれ順次切換えて電気出力を得る電極切換手段およびコモン電極切換手段とを備え、これら電極およびコモン電極切換手段より得られる電気出力から前記電極およびコモン電極用ケーブルの導電部とコモン電極との間の電気抵抗を計測し、且つ前記コモン電極切換手段の切換位置から前記水位検出部を特定して、該水位検出部における導電部の位置に基づき地中の水位を検出する。
【0021】
請求項5に対応する発明は、請求項4に対応する発明の地中水位水圧検出装置において、前記水位検出部における導電部の位置に基づき検出された水位データおよび位置データを取込むとともに、前記水位検出部に対応する部位の前記水圧センサにより検出された水圧データを取込み、これら水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定する地すべり発生予測判定手段を備える。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明による地中水位水圧検出装置の第1の実施形態を示す全体構成図である。
【0024】
図1において、1a,1b,…,1nは、軸方向長さL1が例えば2〜2.5mの塩化ビニール等からなる単位円筒体、2a,2b,…2mは各単位円筒体1a,1b,…,1n相互間を結合する軸方向長さL2が例えば0.3mの塩化ビニール等の絶縁物からなる円筒状のジョイントで、これらは一体型の芯材11として構成される。
【0025】
この芯材11の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´が軸方向に沿ってそれぞれ配設される。この場合、これら電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´は、芯材11の単位円筒体1a,1b,…,1nにそれぞれ対応する水位検出部を構成している。
【0026】
また、芯材11の各ジョイント2a,2b,…2n内に水圧センサ13がそれぞれ設けられ、各水圧センサ13は間隙水圧検出部を構成するものである。
【0027】
上記各水位検出部は、図2に示すように複数本(本例では10本)の電極用電気ケーブル12に対してそれぞれ軸方向の予め定められた一箇所の部位の絶縁物12aを除去して、導電部12bを露出させてある。この場合、導電部12bは一定長さとし、かつ各電気ケーブル12に対して一定の間隔でそれぞれずらせた電極として形成される。
【0028】
また、複数本(本例では4本)のコモン電極用電気ケーブル12´は、水位検出部の位置(図2では第1ブロックから第4ブロックとして示す)に応じてそれぞれ軸方向長さが異なり、該当する水位検出部に相当する部位の絶縁物12a´を除去して導電部12b´を露出させ、コモン電極として形成される。
【0029】
これら複数本の電極用電気ケーブル12およびコモン電極用電気ケーブル12´は、図3に示すように芯材11の外周面に軸方向に沿って配設され、これらを一体的に束ねて電極式水位センサを構成する。
【0030】
一方、芯材11の各ジョイント内に設けられる水圧センサ13としては、一般に市販されている例えばひずみゲージが用いられ、その受圧部を図4に示すようにジョイント2の内周面に設けられた開口部に臨ませて配設される。この場合、開口部には水圧を水圧センサ13に伝達するが、ジョイント2内部への水の浸入を阻止する機能を有するフィルタ14により覆われている。
【0031】
また、この水圧センサ13には、電気ケーブル15が接続され、この電気ケーブル15は水圧センサ13により検出された水圧に応じた電気信号を芯材11の各単位円筒体2a,2b,…2n内を通して地上側に伝送するものである。
【0032】
図5は芯材11の外周面に軸方向に沿って配設された電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´と各ジョイント2a,2b,…2n内に設けられた水圧センサ13およびその電気ケーブル15の取付け状態を示している。
【0033】
このように芯材11に取り付けられた電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´により構成された電極式水位センサおよび各ジョイント2内に設けられた水圧センサ13を図示しないボーリング装置により地面を掘削して形成されたボーリング穴に埋設される。
【0034】
一方、地上側には、図2に示すように計測ターミナル16および地すべり予測装置17が設置される。
【0035】
上記計測ターミナル16は、電極切換器18とコモン電極切換器19を備え、電極切換器18は固定接点18a,18b,…に前述した電極用ケーブル12の導体がそれぞれ接続され、可動接点18sに直流電源20と計測器21の一端が接続される。また、コモン電極切換器19は固定接点19a,19b,…に前述したコモン電極用ケーブル12´の導体がそれぞれ接続され、可動接点19sに抵抗計21の他端が接続される。
【0036】
上記地すべり予測装置17は、電極切換器18とコモン電極切換器19に切換指令を順次与える切換制御部22と、この切換制御部22からの切換指令と計測器21で計測される抵抗値が入力され、水位検出位置とそのデータを読込む水位データ読取部23と、水圧センサ13で検出されたブロック毎(図2では第1ブロック〜第4ブロック)の水圧検出信号を読込む水圧データ読取部24と、これら水位データ読取部23および水圧データ読取部23によりそれぞれ読取った水位データおよび水圧データをその位置データとともに記憶する記憶部25と、水位データ読取部22および水圧データ読取部23によりそれぞれ読取った水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定し、地すべり発生が予測されるとその旨を出力する地すべり発生予測判定部26とを備えている。
【0037】
次に上記のように構成された地中水位水圧検出装置の作用を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0038】
いま、地中の浸透水が図2に示す第3ブロックと第4ブロックとの間の図示Xの範囲に浸透しているものとする。また、このとき地上側の計測ターミナル16においては、地すべり予測装置17の切換制御装置22から出される切換指令により電極切換器18とコモン電極切換器19がそれぞれ順次切換動作しているものとする。
【0039】
このような動作過程で、コモン電極切換器19の可動接点19sが固定接点19aに切換えられているとき電極切換器18の可動接点18sが固定接点18aに切換えられると、固定接点18aにつながる電極用ケーブル12の第3ブロックに相当する位置の導電部と固定接点19aにつながるコモン電極用ケーブル12´の第3ブロックに相当する位置の導電部との間が導通状態となり、この電極用ケーブル12の抵抗値が変化する。
【0040】
この抵抗値の変化は計測器21にて電気的に計測され、その計測データが地すべり予測装置17に伝送される。
【0041】
一方、地すべり予測装置17においては、図6に示すように水位データ読取部23により水位データを読込み(ステップS1)、そのデータを切換制御部22からの切換指令から得られる位置データとともに記憶部25に記憶させるとともに、地すべり発生予測判定部26に入力する。ここで、位置データはコモン電極切換器19の切換位置からいずれのブロックに対応する水位検出部かを特定することで得られ、また水位データはこの特定された水位検出部における導電部の位置、つまり電極切換器18の切換位置を特定することで得られる。
【0042】
この地すべり発生予測判定部26では、水位データをもとに水位があるか否かを判定し(ステップS2)、水位があればその水位位置を確認する(ステップS3)。
【0043】
また、地すべり予測装置17においては、各ジョイントに設けられている水圧センサ13で検出された水圧データを水圧データ読取部24により読取り、そのデータを記憶部25に記憶させるとともに、地すべり発生予測判定部26に入力する。
【0044】
この地すべり発生予測判定部26では、水圧データ読取部24より入力される水圧データの中から前記水位の存在する位置に該当する水圧データを取込んで(ステップS4)、その水圧が水圧基準値を超えているか否かを判定し(ステップS5)、超えている場合は地すべり発生の可能性が高いと予測して注意を促す信号を出力する(ステップS6)。
【0045】
このように本実施形態では、複数個の単位円筒体1a,1b,…,1n相互間を円筒状のジョイント2a,2b,…2mで結合して構成される一体型の芯材11の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブル12,12´を軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、各円筒体に対応する部分を水位検出部とし、電極用電気ケーブル12に対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を電極として形成し、コモン電極用電気ケーブル12´に対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、また各ジョイント2a,2b,…2m内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませてひずみゲージ等の水圧センサ13をそれぞれ設ける構成として、一つのボーリング穴に埋設するようにしたものである。
【0046】
従って、地中深さの異なる複数層のいずれの層に浸透水が存在していてもその層に対応する部位の水位検出部の導電部とコモン電極とが浸透水に接触することで、その部位の浸透水の存在を電気的に検出することができるとともに、この部位の水圧センサ13により水圧を検出することができる。これにより地下水の位置、大きさの値を簡便に、かつより正確に同時に得ることができる。
【0047】
また、芯材11は複数の単位円筒体をジョイントにより結合して一体型として、各単位円筒体に対応させて水位検出部を構成し、各ジョイントに対応させて間隙水圧検出部を構成するようにしているので、地中の深さに応じて単位円筒体の個数を増減してジョイントにより結合するだけで芯材11の長さを調整することができる。
【0048】
さらに、各ジョイント2の周面に設けられた開口部に水の浸入を阻止し且つ水圧のみを水位センサ13の受圧部に伝達可能なフィルタ14を設けてあるので、浸透水の水圧を正確に検出することができる。
【0049】
他方、地上側には計測ターミナル16および地すべり予測装置17を設置し、計測ターミナル16には電極切換器18とコモン電極切換器19を備えて、電極用ケーブル12およびコモン電極用ケーブル12´を順次切換えて計測器21により電気抵抗を計測し、また地すべり予測装置17には計測ターミナル16の計測器21にて計測された水位データを位置データとともに読取る水位データ読取部23、各ジョイントに対応させて設けられた水圧センサ13からの水圧データを読取る水圧データ読取部24およびこれらの読取部により読取られた水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定する地すべり発生予測判定部26を備える構成としたものである。
【0050】
従って、地すべり発生予測判定部26では、水位センサにより検出された水位データとその位置データおよび水圧センサにより検出されたその水位位置の水圧データから地すべり発生を予測してその旨を出力するようにしたので、水位センサのみによる測定結果の判定に比べてより正確で且つ迅速な判定を行うことができる。
【0051】
因みに、地すべり要因の解析結果、必要な測定値はすべり面位置における間隙水圧であることが知られているが、すべり面が深い位置にあったり、地すべり移動によっては測定が不可能であることなどの理由から水位計によって測定される地下水の静水圧をもって間隙水圧に代えることが広く行なわれている。
【0052】
これに対して、本発明では、必要個数の単位円筒体をジョイントでつなぐことでその軸方向長さを任意に調整でき、且つ各単位円筒体に対応させて水位検出部を構成し、また各ジョイント内に水圧センサを設けてその検出部のみジョイントの周面の一部に設けた開口部に臨ませて間隙水圧を検出できるようにしているので、すべり面の深い位置や、地すべり移動の可能性の高い場所でも水位と水圧の両方を同時に検出することができ、地下水の挙動を計測することができる。
【0053】
また、水位センサにより検出された水位とその位置が特定されると同時にその水位位置における水圧センサにより水圧を検出しているので、例えば水位センサにより水位を検出していないにもかかわらず、水圧センサにより水圧が検出されたり、その逆であったりするような場合には何れかのセンサに故障があることを容易に判断することができる。
【0054】
本発明は上記実施形態で述べた構成に限定されるものではなく、その一部を次のようにしても同様に実施できるものである。
【0055】
上記実施形態では、芯材11を構成する単位円筒体1a,1b,…およびジョイント2a,2b,…の材料として塩化ビニールを用いたが、強度を有するプラスチックやアルミニウム、薄いステンレス等の加工し易い材料を使用しても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、各ジョイント内に設けられる水圧センサ13としてひずみゲージを用いたが、圧電式や半導体式など軽量小型で受圧部の変化を電気信号として取出せるものであればどのようなタイプのものであっても良い。
【0057】
さらに、上記実施形態において、複数の単位円筒体をジョイントにより結合する手段として、ねじ込み方式や嵌め込み方式など着脱できるものであればどのような方式で結合しても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、電気ケーブルによる電極式水位センサと間隙水圧センサとを組合せることにより、任意地層の地下水の挙動をシンプルな構造にして簡易にかつより正確に検出できる地中水位水圧検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地中水位水圧検出装置の実施形態を示す構成図。
【図2】同実施形態において、要部を展開して平面的に表した回路構成図。
【図3】同実施形態における電極式水位センサを示す斜視図。
【図4】同実施形態において、ジョイント内に設けられた水圧センサの状態を示す図。
【図5】同実施形態において、芯材に電極式水位センサと水圧センサを配設した状態を示す平面図。
【図6】同実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図7】従来の地中水位検出装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
1,1a,1b,…,1n…単位円筒体
2,2a,2b,…2n…ジョイント
11…芯材
12,12´…電極用およびコモン電極用電気ケーブル
12a,12a´…絶縁物
12b,12b´…導電部
13…水圧センサ
14…フィルタ
15…電気ケーブル
16…計測ターミナル
17…地すべり予測装置
18,19…電極およびコモン電極切換器
20…直流電源
21…計測器
22…切換制御器
23…水位データ読取器
24…水圧データ読取器
25…記憶部
26…地すべり発生予測判定部
Claims (5)
- 複数個の単位円筒体相互間を円筒状のジョイントで結合して一体型の芯材を構成し、この芯材の外周面に導体の表面を絶縁物で被覆してなる複数本の電極用およびコモン電極用電気ケーブルを軸方向に沿ってそれぞれ配設するとともに、各円筒体に対応する部分を水位検出部とし、電極用電気ケーブルに対してそれぞれ軸方向に異なる位置で且つ予め定められた一箇所の部位の絶縁物を除去して導電部を電極として形成し、コモン電極用電気ケーブルに対しては各単位円筒体の軸方向長さに対応する部位の絶縁物を除去してコモン電極を形成して電極式水位センサを構成し、且つ前記各ジョイント内にその周面に設けられた開口部に受圧部を臨ませて水圧センサをそれぞれ設ける構成として、地中を掘削して設けられた一つのボーリング穴に埋設するようにしたことを特徴とする地中水位水圧検出装置。
- 請求項1記載の地中水位水圧検出装置において、前記芯材を構成する単位円筒体とジョイントとは、ねじ込み又は嵌め込みにより着脱自在に結合されたことを特徴とする地中水位水圧検出装置。
- 請求項1記載の地中水位水圧検出装置において、前記各ジョイントの周面に設けられた開口部に水の浸入を阻止し且つ水圧のみを前記水位センサの受圧部に伝達可能なフィルタを設けたことを特徴とする地中水位水圧検出装置。
- 請求項1記載の地中水位水圧検出装置において、地上側に設置され、前記電極用ケーブルおよびコモン電極用ケーブルとをそれぞれ順次切換えて電気出力を得る電極切換手段およびコモン電極切換手段とを備え、これら電極およびコモン電極切換手段より得られる電気出力から前記電極およびコモン電極用ケーブルの導電部とコモン電極との間の電気抵抗を計測し、且つ前記コモン電極切換手段の切換位置から前記水位検出部を特定して、該水位検出部における導電部の位置に基づき地中の水位を検出することを特徴とする地中水位水圧検出装置。
- 請求項4記載の地中水位水圧検出装置において、前記水位検出部における導電部の位置に基づき検出された水位データおよび位置データを取込むとともに、前記水位検出部に対応する部位の前記水圧センサにより検出された水圧データを取込み、これら水位データおよび水圧データに基づいて地すべりの発生の有無を予測判定する地すべり発生予測判定手段を備えたことを特徴とする地中水位水圧検出装置。
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