JP2004286012A - 圧縮着火内燃機関 - Google Patents

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健二 河合
Yasushi Katsurayama
裕史 葛山
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Abstract

【課題】カム式のエンジンにおいてコストを低く抑えながら簡単な制御により圧縮着火燃焼時のみに内部EGRを行うことができる圧縮着火内燃機関を提供することを課題とする。
【解決手段】燃焼室1の2つの吸気口6a及び6bにカムにより開閉駆動される吸気バルブ10及び11が、第1排気口9a及び第2排気口9bにカムにより開閉駆動される第1排気バルブ12及び第2排気バルブ13がそれぞれ配置されている。さらに吸気通路4の途中には吸気スロットル14が、第2排気分岐路8bの途中には火花点火燃焼時の吸気行程中だけ閉じられる排気スロットル15がそれぞれ取り付けられている。圧縮着火燃焼及び火花点火燃焼にかかわらず排気行程では第1排気バルブ12が開かれ、また、吸気行程では2つの吸気バルブ10及び11が開かれると共に吸気行程中後半に第2排気バルブ13が開かれる。
【選択図】図1

Description

この発明は、圧縮着火内燃機関に係り、特に火花点火燃焼と圧縮着火燃焼とを切り替えて行う圧縮着火内燃機関に関する。
従来より、圧縮着火エンジンとして、低負荷及び中負荷の領域で圧縮着火燃焼を行い、高負荷の領域で火花点火燃焼を行うものがある。このエンジンでは、図10に示されるように、圧縮着火燃焼時の吸気行程中に、吸気バルブを符号Aのようなタイミング・リフト量で開くと共に排気バルブを符号Bまたは符号Cのようなタイミング・リフト量で開くことにより、排気行程で排気バルブから排気通路に排出された高温の排気ガスを燃焼室に還流させて内部EGRを行い、その結果、燃焼室内を加熱して圧縮着火させる。また、火花点火燃焼時には、高温の排気ガスを使用するとノッキングの発生が促進される虞があるため、吸気行程中に排気バルブを開かないことが望ましい。例えば、特許文献1では、電磁式のバルブ駆動装置を利用して、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時の吸気行程にそれぞれ対応した排気バルブの制御を行っている。
特開2001−349219号公報
しかしながら、上述した電磁式のバルブ駆動装置はコストが非常に高いため、最終的にエンジン全体もコストが高くなってしまう問題がある。また、電磁式のバルブ駆動装置を使用して圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とにそれぞれ対応して排気バルブを開閉することは、複雑な制御を伴うものである。さらに、既存のエンジンはカムを使用してバルブの制御を行うものが多い。よって、そのような既存のエンジンを改造して電磁式のバルブ駆動装置を組み込むのは大幅な改造となるため、既存のカム式のエンジンを流用できれば好適である。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、カム式のエンジンにおいてコストを低く抑えながら簡単な制御により圧縮着火燃焼時のみに内部EGRを行うことができる圧縮着火内燃機関を提供することを目的とする。
この発明に係る圧縮着火内燃機関は、圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替えて行う圧縮着火内燃機関において、吸気通路及び排気通路が連通される燃焼室と、吸気通路中に設けられ、吸気通路の開閉を行う吸気手段と、排気通路中に設けられ、カムにより駆動されて排気通路の開閉を行うと共に少なくとも圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時のそれぞれの排気行程中及び吸気行程中に排気通路を開く排気手段と、排気通路中に設けられ、少なくとも圧縮着火燃焼時の吸気行程中に開弁することで燃焼室への排気ガスの還流を行うと共に、火花点火燃焼時の吸気行程中の少なくとも前記排気手段が開いている間は閉弁することで、燃焼室への排気ガスの還流を防止する排気ガス還流防止手段とを備えるものである。なお、ここでいう「排気行程中」とは、排気行程中の全ての期間という意味だけでなく、排気行程中の一部の期間という意味も含む。また、「吸気行程中」についても同様である。
排気通路は、燃焼室毎に設けられる合流路と、合流路の上流で分岐して燃焼室に連通する第1及び第2排気分岐路とを備え、排気手段は、第1排気分岐路に設けられ、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時において、排気行程のみ開く第1排気バルブと、第2排気分岐路に設けられ、少なくとも吸気行程に開く第2排気バルブとを含み、排気ガス還流防止手段は、第2排気分岐路に設けられて火花点火燃焼時には第2排気分岐路を常に遮断すると共に、圧縮着火燃焼時には第2排気分岐路を常に開通する排気スロットルであってもよい。
また、排気手段は、2段カムを介して排気行程及び吸気行程の両方で開く各燃焼室毎に設けられた単一の排気バルブを含み、排気ガス還流防止手段は、排気通路に設けられて、排気行程中に開いて排気を行うと共に、火花点火燃焼時における吸気行程の少なくとも排気バルブが開弁する間、排気通路を遮断する排気スロットルであってもよい。
さらに、燃焼室は複数設けられており、排気手段は、各燃焼室毎に設けられ少なくとも吸気行程に開く複数の排気バルブを含み、排気通路は、少なくとも吸気行程に開く前記排気バルブによって流路が開閉される複数の排気分岐路と、これら排気分岐路を一つにまとめる排気合流路とを備え、排気ガス還流防止手段は、排気合流路に設けられて火花点火燃焼時における吸気行程の少なくとも排気バルブが開弁する間、排気合流路を遮断する排気スロットルであってもよい。
また、前記燃焼室及び前記排気通路は第1排気口及び第2排気口によって連通されており、前記排気通路は、その上流端部に、第1排気口及び第2排気口の双方を包含するように両排気口に接続される単一管状の連通室を有し、前記排気手段は、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時において、排気行程のみ前記第1排気口を開く第1排気バルブと、少なくとも吸気行程に前記第2排気口を開く第2排気バルブとを有し、前記排気ガス還流防止手段は、閉弁時に第1排気口及び第2排気口が相互に非連通状態となるように前記連通室内を区切るシャッターバルブを有し、該シャッターバルブは、圧縮着火燃焼時の少なくとも吸気行程に第1排気口及び第2排気口が相互に連通状態となるように開弁する、ように構成してもよい。
また、燃焼室への新気の流入を制限する吸気制御手段を備え、圧縮着火燃焼時の吸気行程中に吸気制御手段により新気の流入量を制限することにより排気手段からの排気ガスの還流を増やすことが好ましい。
この発明によれば、吸気通路及び排気通路が連通される燃焼室と、吸気通路中に設けられ且つカムを介して開閉駆動される吸気手段と、排気通路中に設けられ且つカムを介して開閉駆動されると共に圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時のそれぞれの排気行程中及び吸気行程中に開かれる排気手段と、火花点火燃焼時の吸気行程中に燃焼室への排気ガスの還流を防止する排気ガス還流防止手段とを備えたので、カム式のエンジンにおいてコストを低く抑えながら簡単な制御により圧縮着火燃焼時のみに内部EGRを行うことができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、実施の形態1に係る圧縮着火内燃機関として、ガスエンジンヒートポンプ(GHP)等に使用される圧縮着火エンジンの1つの燃焼室近傍を平面的にみた模式図を示す。エンジンの燃焼室1に吸気通路2及び排気通路3が接続されている。吸気通路2は、吸気合流路4とその先端で2つに分岐した吸気分岐路5a及び5bとからなり、これら2つの吸気分岐路5a及び5bがほぼ同径の2つの吸気口6a及び6bを介してそれぞれ燃焼室1に連通されている。また、吸気合流路4には燃料供給通路4aが連通されており、燃料であるガスが燃料供給通路4aを通って吸気通路に供給される。これにより、燃料と空気とが燃焼室1への流入前に予め混合された後に燃焼室1内にて圧縮着火燃焼される、いわゆる予混合圧縮着火燃焼が行われる。一方、排気通路3は、排気合流路7とその先端で2つに分岐した第1排気分岐路8a及び第2排気分岐路8bとからなり、これら第1排気分岐路8a及び8bが相互に径の異なる第1排気口9a及び第2排気口9bを介して燃焼室1に連通されている。図1に示されるように、第2排気口9bは第1排気口9aよりも小径に設定されている。
また、2つの吸気口6a及び6bにはそれぞれ吸気手段としての吸気バルブ10及び11が配置されており、これら2つの吸気バルブ10及び11が図示しない吸気バルブ用のカムを介して開閉駆動される構成になっている。一方、第1排気口9a及び第2排気口9bにはそれぞれ排気手段としての第1排気バルブ12及び第2排気バルブ13が配置されており、これら第1排気バルブ12及び第2排気バルブ13もまた図示しない排気バルブ用のカムを介して開閉駆動される構成になっている。さらに、吸気合流路4の途中にはこの吸気合流路4を狭めて燃焼室1への新気の流入を制限する吸気制御手段としての吸気スロットル14が取り付けられている。また、第2排気口9bにつながる第2排気分岐路8bの途中には排気ガス還流防止手段としてこの第2排気分岐路8bを開閉する排気スロットル15が取り付けられており、本実施の形態では、この排気スロットル15は火花点火燃焼時において常に閉じられ、圧縮着火燃焼時において常に開かれるようになっている。なお、図示しないが、燃焼室1内には火花点火燃焼のための点火プラグが配置されている。
ここで、図2を参照して、2つの吸気バルブ10及び11、第1排気バルブ12と第2排気バルブ13とを吸気行程及び排気行程においてどのように開閉制御するかを説明する。この吸気行程及び排気行程における制御は、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時にかかわらず一定の開閉動作となるように行われる。図2に示されるように、排気行程では第1排気バルブ12が符号Eのようなタイミング・リフト量で開かれる。また、吸気行程では、2つの吸気バルブ10及び11が共に符号Dのようなタイミング・リフト量で開かれ、さらに吸気行程中の後半に第2排気バルブ13が符号Fのようなタイミング・リフト量で開かれる。すなわち、第1排気バルブ12は排気行程のみ開弁し、第2排気バルブ13は吸気行程の後半のみ開弁する。
次に、この実施の形態1に係る圧縮着火エンジンの動作について説明する。このエンジンは、圧縮着火燃焼と火花点火燃焼を切り替えて駆動され、すなわち、低負荷及び中負荷の領域では圧縮着火燃焼を行い、高負荷の領域では火花点火燃焼を行う。
まず、圧縮着火燃焼時における動作を説明する。この圧縮着火燃焼時において、排気行程では、第2排気分岐路8bの途中に取り付けられた排気スロットル15は開かれる。また、吸気行程では、排気スロットル15と吸気スロットル14とが共に開かれる。
排気行程において、第1排気バルブ12が符号Eのようなタイミング・リフト量で開弁すると共に第2排気バルブ13は閉弁しており、燃焼室1内で生じた高温の排気ガスが第1排気分岐路8aのみを通って排気合流路7へと排出される。一方、吸気行程では、吸気スロットル14が開かれた状態で2つの吸気バルブ10及び11が共に符号Dのようなタイミング・リフト量で開かれると、空気及び燃料の混合気が新気として吸気分岐路5a及び5bを通って燃焼室1内へ流入する。さらに、吸気行程では、排気スロットル15が開かれている一方、吸気行程中後半に第2排気バルブ13が符号Fのようなタイミング・リフト量で開弁するので、図1に点線で示されるように、排気行程で排気通路3に排出された高温の排気ガスが第2排気分岐路8bを通って燃焼室1内へ還流する。そして、この高温の排気ガスにより燃焼室1内の混合気が加熱され、この状態で圧縮着火が行われる。これにより、着火性の低い天然ガスなどを燃料として効率よく圧縮着火燃焼を行うことができる。なお、排気スロットル15は、排気行程や吸気行程の他、圧縮行程や膨張行程においても、すなわち、圧縮着火燃焼時には全行程を通して常に開いているものとする。
ここで、上述の吸気行程中において、吸気スロットル14の開度を小さくして吸気合流路4を狭め、これにより燃焼室1への新気の流入量を制限することが好ましい。このように吸気スロットル14により新気の流入を制限すれば、その分排気ガスの還流量を増加させることができ、燃焼室1内の混合気を効率よく加熱することができる。また、燃焼室1への新気の流入を制限した状態では、第2排気バルブ13が吸気行程中後半に開かれるまで燃焼室1内が負圧になるため、第2排気バルブ13が開くと高温の排気ガスが一気に燃焼室1内へ流入し、その結果、断熱圧縮による温度上昇効果も加わり、燃焼室1内の混合気をさらに効率よく加熱することができる。
次に、火花点火燃焼時における動作を説明する。この火花点火燃焼時において、排気スロットル15は常に閉じられる一方、吸気スロットル14は吸気行程において適当な開度で開かれる。排気行程では、第1排気バルブ12が符号Eのようなタイミング・リフト量で開かれると、圧縮着火燃焼時の排気行程と同様に、燃焼室1内で生じた高温の排気ガスが第1排気分岐路8aを通って排気合流路7へ排出される。また、吸気行程においても、吸気スロットル14が開かれた状態で2つの吸気バルブ10及び11が共に符号Dのようなタイミング・リフト量で開かれると、混合気が新気として吸気分岐路5a及び5bを通って2つの吸気口6a及び6bから燃焼室1内へ流入する。
ところで、第2排気バルブ13はカムにより開閉タイミングが決定されているため、前述した圧縮着火燃焼時と同様に、火花点火燃焼時においても吸気行程の後半に符号Fのようなタイミング・リフト量で開弁してしまう。しかし、本実施の形態では、火花点火燃焼時の吸気行程中は排気スロットル15が閉じられるため、第2排気バルブ13は開弁していても、第2排気分岐路8bは排気スロットル15により遮断される。よって、排気行程において第1排気口9aから排気合流路7に排出された高温の排気ガスは、火花点火燃焼時は第2排気分岐路8bを通って燃焼室1内へ還流することが防止される。そして、上述のように2つの吸気口6a及び6bから燃焼室1内に流入した混合気が充分に圧縮され、さらに図示しない点火プラグにより点火されて火花点火燃焼が行われる。このように燃焼室1内に排気ガスが還流していない状態で火花点火燃焼を行えるため、高温の排気ガスによりノッキングの発生が促進されることが防止され、これにより安定した火花点火燃焼を行うことが可能となる。
以上のように、2つの吸気バルブ10及び11と第1排気バルブ12と第2排気バルブ13とを、圧縮着火燃焼時も火花点火燃焼時もカムにより一定の開閉動作で駆動すると共に、排気スロットル15を火花点火燃焼時の吸気行程中のみ閉じることにより、圧縮着火燃焼時には燃焼室内に高温の排気ガスを還流し且つ火花点火燃焼時には排気ガスを還流しないように容易に制御することができる。
また、カムを介してバルブを開閉駆動することは、既存のエンジンに多く使用されているため、大幅な改造をすることなく、既存のカム式のエンジンを流用することができる。
加えて、本発明の圧縮着火エンジンでは、従来のようにコストが非常に高い電磁バルブ式の駆動装置を使用しないため、エンジン全体のコストを低く抑えられる。
なお、上述の実施の形態1では、排気スロットル15は、火花点火燃焼時には常に閉じていたが、これに代えて、火花点火燃焼時の吸気行程のみ閉じるようにしてもよく、あるいは、少なくとも第2排気バルブ13が開かれる間、すなわち、符号Fの間だけ常に閉じた状態に維持するようにしてもよい。
また、第2排気バルブ13は符号Fのようなタイミング・リフト量で吸気行程中後半に開く代わりに、図3(a)に示されるように吸気行程中前半で開いたり、図3(b)に示されるように排気行程から吸気行程にまたがって開くなど、少なくとも吸気行程中に開く期間があれば、どのようなタイミング・リフト量であってもよい。なお、前述のように第2排気バルブ13が排気行程から吸気行程にまたがって開く場合には、排気行程において第1排気バルブ12だけでなく第2排気バルブ13も排気に寄与することができるため、排気ガスの排出を効率よく行うことができる。
さらに、上述の実施の形態では、第2排気口9bが第1排気口9aより小さい径を有するが、この代わりに、これら第1排気口9aと及び第2排気口9bが互いにほぼ同じ径を有してもよい。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2を説明する。この実施の形態2の圧縮着火エンジンは、図1に示した実施の形態1の圧縮着火エンジンにおいて、第2排気バルブ13を吸気行程の後半に加えて、排気行程中も第1排気バルブ12と同様に開くようにしたものである。すなわち、図2において、排気行程では第1排気バルブ12と共に第2排気バルブ13が符号Eのようなタイミング・リフト量で開かれ、吸気行程では実施の形態1と同様に、第2排気バルブ13のみが符号Fのようなタイミング・リフト量で開かれる。第2排気バルブ13のこのような開閉動作は、突起を二つ有する2段カムを第2排気バルブ13用のカムとして用いることで実現される。また、本実施の形態では、火花点火燃焼時の排気行程中には第2排気バルブ13に排気機能を発揮させ、且つ、火花点火燃焼時の吸気行程中には第2排気バルブ13が開弁していても排気ガスの還流は無効化させる必要があることから、排気スロットル15は火花点火燃焼時の吸気行程中のみ閉じるようにしている。
以上のような構成によれば、カム式のエンジンにおいてコストを低く抑えながら簡単な制御により圧縮着火燃焼時のみに内部EGRを行うことができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態2では、排気行程において第1排気バルブ12だけでなく第2排気バルブ13も開くことから、これら第1排気バルブ12及び第2排気バルブ13の2つのバルブを使用して排気することができ、これにより排気ガスの排出を効率よく行うことができる。
なお、上述の実施の形態2において、第2排気バルブ13は、排気行程中に符号Eのようなタイミング・バルブ量で開かれると共に吸気行程中後半に符号Fのようなタイミング・バルブ量で開かれるようになっていたが、その代わりに、図3(a)に示されるように、排気行程中に符号Eのようなタイミング・バルブ量で開かれると共に吸気行程中前半に符号Fのようなタイミング・バルブ量で開かれてもよい。さらに、第2排気バルブ13を図4に示される符号Fのようなタイミング・バルブ量で開くようにしてもよい。なお、図4では、第2排気バルブ13の開閉動作を優先して説明するため、第1排気バルブ12や2つの吸気バルブ10及び11のタイミング・リフト量は図示省略している。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3を図5により説明する。この実施の形態3の圧縮着火エンジンは、上述した実施の形態において各燃焼室毎に設けられていた排気スロットルを、排気系として一つだけ設ける態様で実施するものである。図5に示されるように、直列4気筒の圧縮着火エンジンにおいて、4つの燃焼室21には、吸気通路22及び排気通路24が接続されている。吸気通路22は、各気筒の燃焼室21毎に2つ設けられる吸気分岐路22aと、その上流で吸気分岐路22aの合計8本分がまとめられる吸気集合路22bとを備えている。吸気スロットル23は、かかる吸気集合路22bに設けられている。
一方、排気通路24は、図1の第1排気分岐路8aに相当する4本の第1排気分岐路24aと、これら4本の第1排気分岐路24aを下流でまとめる第1排気合流路24bと、図1の第2排気分岐路8bに相当する4本の第2排気分岐路24cと、これら4本の第2排気分岐路24cを下流でまとめる第2排気合流路24dと、第1及び第2排気合流路24b及び24dをその下流でまとめる排気集合路25とを備える。排気スロットル26は、各燃焼室に共通のものとして、第2排気合流路24dに一つだけ設けられている。
かかる圧縮着火エンジンにおいては、各燃焼室21に設けられた2つの吸気バルブ、第1排気バルブ及び第2排気バルブは、実施の形態1又は2における動作と同様に開閉制御される。また、排気スロットル26も上記の実施の形態と同様に、火花点火燃焼の少なくとも吸気行程において第2排気バルブが開弁している間だけは閉じられる。したがって、各燃焼室毎に排気スロットルを設けなくても、上記と同様の効果を奏することが可能となっている。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4を図6によって説明する。この実施の形態4の圧縮着火エンジンは、上記の実施の形態1において、排気バルブを二つではなく一つとしたものである。燃焼室30には1つの排気口32が形成されており、この排気口32に2段カムを介して開閉駆動される排気手段としての排気バルブ31が配置されている。また、この排気口32が排気通路33につながっており、排気通路33はその途中に排気スロットル34を有している。排気スロットル34は、火花点火燃焼時において少なくとも吸気行程中に排気バルブ31が開弁する間だけ閉じられるようになっている。
ここで、排気バルブ31は図7に符号G1及びG2で示されるようなタイミング・リフト量で開かれる、すなわち、排気行程中に開いた排気バルブ31は完全に閉じることなく微小のリフト量を保ってそのまま吸気行程中前半に開かれる。また、吸気行程中には2つの吸気バルブ10及び11が実施の形態1と同様に符号Dのようなタイミング・リフト量で開かれる。なお、これらの開閉制御は圧縮着火燃焼及び火花点火燃焼にかかわらず一定になるように行われる。
圧縮点火燃焼時において、排気行程中には、排気スロットル34が開かれ、吸気行程中には、排気スロットル34が開かれたまま維持され、吸気スロットル14も適当な要求開度で開かれる。これにより、排気行程中には、排気バルブ31が開いて排気ガスが排気通路33へと排出され、また、吸気行程中には、2つの吸気バルブ10及び11が開いて新気が流入すると共に吸気行程中前半に排気バルブ31が開いて燃焼室30内に高温の排気ガスが還流して内部EGRが行われる。
また、火花点火燃焼時において、排気行程中には、排気スロットル34が開かれ、吸気行程中には、排気スロットル34は閉じられる一方、吸気スロットル14が適当な要求開度で開かれる。よって、排気行程中に排気バルブ31が開いて排気ガスが排気通路33へと排出され、また、吸気行程中には、2つの吸気バルブ10及び11が開いて新気が流入するが、このとき排気スロットル34が閉じられているため、排気バルブ31が吸気行程中前半に開いても燃焼室30内への高温の排気ガスが還流することが防止される。
従って、このような構成にしても、カム式のエンジンにおいてコストを低く抑えながら簡単な制御により圧縮着火燃焼時のみに内部EGRを行うことができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、排気スロットルはできる限り排気バルブに近い位置に設置する。そのようにすることによって、排気バルブと排気スロットルとの間に残留した排気ガスが還流してしまうことを低減することができる。
なお、本実施の形態4のように、排気バルブ31を微小のリフト量を保ったまま吸気行程中前半に開く代わりに、排気行程の終了で一度完全に閉じた後に、吸気行程中の後半など吸気行程中のどこかで再び開くようにしてもよい。
また、本実施の形態4に関しても、実施の形態3のように排気スロットルを排気系として一つだけ用意するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態4のように2段カムを利用して排気・吸気行程の双方に開く排気バルブを、各燃焼室に2つずつ設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態4では、全ての排気分岐路を一つの排気合流路に合流させ、その一つの排気合流路に一つの排気スロットルが設けられていたが、必ずしもそれに限定されず、例えば、V型エンジンにおいて、複数の排気分岐路を二つの排気合流路に合流させ、各排気合流路に一つずつの排気スロットル、すなわち合計二つの排気スロットルを配置するようにしてもよい。すなわち、少なくとも二つ以上の排気分岐路を一つの排気合流路に合流させ、その排気合流路に一つの排気スロットルを配置するようにすれば、排気スロットルの数を減らすことができる。
実施の形態5.
次に、図8をもとに本発明の実施の形態5を説明する。なお、図8は、理解を助けるために図1の態様に対し排気経路部分のみ立体的に図示している。本実施の形態に係る圧縮着火エンジンは、排気通路及び排気ガス還流防止手段の構成が上述した実施の形態と異なるものであり、他の部分は上述した実施の形態1に係る構成と同様であるものとする。燃焼室1の上部には、上記実施の形態と同様に第1排気口9a及び第2排気口9bが設けられている。これら第1排気口9a及び第2排気口9bには排気通路103が接続される。排気通路103は、第1排気口9a及び第2排気口9bの双方を包含するように両排気口に接続される単一管状の連通室108と、その下流に設けられている排気本通路107とを備えている。連通室108内には、高さの低い仕切り151が立設されている。仕切り151は、第1排気口9a及び第2排気口9bが形成されている壁部であって連通室108の底面でもある底壁部153において、それら排気口9a及び9bの間の部分から立ち上がっている。また、連通室108には、シャッターバルブ115が設けられている。シャッターバルブ115は、仕切り151と当接又は離隔するようにスライド可能に設けられる。シャッターバルブ115が閉弁状態すなわち仕切り151と当接状態にある場合には、連通室108内が燃焼室1を介さずには連通不能な第1排気室108aと第2排気室108bとに区分けされる。すなわち、シャッターバルブ115によって第1排気口9a及び第2排気口9bが相互に非連通状態となるように連通室108内が区切られる。シャッターバルブ115の閉弁状態では、第1排気室108aは排気本通路107と連通する部屋となり、第2排気室108bは排気本通路107とは隔離した部屋となる。
次に、このような構成の圧縮着火エンジンの動作について説明する。シャッターバルブ115の開閉タイミングは上記実施の形態1の排気スロットル15と同様であり、また、第1排気バルブ12及び第2排気バルブ13の開閉タイミングも実施の形態1と同様である。従って、圧縮着火燃焼時における排気行程では、第1排気バルブ12が開弁されると共に第2排気バルブ13が閉弁され、且つ、シャッターバルブ115は開弁される。これによって、燃焼室1からの排気ガスは、図中一点鎖線で示されるように、第1排気口9a、連通室108及び排気本通路107を介して排気される。一方、圧縮着火燃焼時の吸気行程では、第1排気バルブ12が閉弁されると共に第2排気バルブ13が開弁され、且つ、シャッターバルブ115は開弁される。これによって、排気行程中に連通室108に排気され第1排気口9a近傍に存在する排気ガスは、図中実線で示されるように、シャッターバルブ115及び仕切り151の間を通って、第2排気口9bから燃焼室1内に還流される。
また、火花点火燃焼時においても、第1排気バルブ12及び第2排気バルブ13は圧縮着火燃焼時の場合と同様な開閉動作を行う。しかしながら、シャッターバルブ115が常に閉じられた状態で維持されるので、排気行程中に連通室108に排気された排気ガスが、開放されている第2排気口9bから燃焼室1内に還流されてしまうことを防止することができる。このように本実施の形態においても、実施の形態1の場合と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、圧縮着火燃焼時の排気ガスの還流は、排気行程で排気され連通室108に内に存在している排気ガスを、同じ連通室108から第2排気口9bを介して単純に燃焼室1へ吸い込むだけに過ぎないため、実施の形態1のように第1排気分岐路8a及び第2排気分岐路8bの叉部を回り込ませて吸い込む態様と比べて、より短距離且つ流路抵抗の少ない態様で排気ガスの還流が行える。よって、より効率の良いEGRを実現できる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1の場合と同様な改変を施すことができる。すなわち、シャッターバルブ115を火花点火燃焼時の吸気行程のみ閉じるようにしてもよく、あるいは、少なくとも第2排気バルブ13が開かれる間だけ常に閉じた状態に維持するようにしてもよい。
また、第2排気バルブ13の動作を図3(a)又は(b)に示されるように設定したり、第2排気口9bと第1排気口9aとの径の関係を改変したりできる点も、実施の形態1の場合と同様である。
また、シャッターバルブ115による連通室108内の区切り態様は次のようにすることもできる。図9に示されるように、連通室108内に、単体で当該連通室108内を第1排気室108aと第2排気室108bとに区分けできる仕切り251を設ける。仕切り251は、第1排気口9a及び第2排気口9bの間から延びており、その周縁が連通室108の底面や側面に接続されている。また、仕切り251における下部すなわち第1排気口9a及び第2排気口9bの近傍部分には、連通口255が穿設されている。さらに、この連通口255を選択的に開放及び閉塞できるように、連通室108に対してシャッターバルブ115を設ける。このような構成においても、圧縮着火燃焼の吸気行程時に連通口255を介して排気ガスの還流を行うことができ、図8の構成と同様な作用を得ることができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な改変を施して実施することができる。例えば、上述の実施の形態における吸気スロットルは、蝶型のバルブの他に、実施の形態5に示したようなシャッターバルブ等を使用することもできる。また、必要に応じて、排気スロットルやシャッターバルブの開度を変えることで、排気ガス還流量を調整するようにしてもよい。
また、圧縮着火燃焼と火花着火燃焼とを切り替えるタイミングは、エンジンの負荷を基準とすることには限定されない。さらに、上記実施の形態では、予混合圧縮着火燃焼と火花着火燃焼とを切り替える態様として説明されているが、本発明はこれに限定されず、予混合タイプではない単なる圧縮着火燃焼(燃焼室内に配置された燃料噴射弁から、ピストンにより圧縮された気体中に燃料を直接噴射する点火方式)と火花着火燃焼とを切り替える態様に適用することも可能である。
さらに、上述の実施の形態では、燃料として天然ガスを使用していたが、その代わりに、都市ガス及びプロパンガス等のガス燃料をそのまま使用することができる。また、本発明の圧縮着火内燃機関は、ガソリンや軽油などを燃料として実施してもよい。さらに、エンジンの気筒の数は4気筒に限られず、6気筒や8気筒でもよく、その形式も直列型だけでなくV型や水平対向型などでもよく、特に限定されるものではない。また、各気筒に関する吸気通路の数や吸気バルブの数も上記の実施の形態に限定されるものではない。
この発明の実施の形態1に係る圧縮着火エンジンの燃焼室近傍を平面的にみた模式図である。 実施の形態1におけるバルブの開閉動作を示す図である。 実施の形態1におけるバルブの開閉動作の変形例を示す図である。 実施の形態2におけるバルブの開閉動作を示す図である。 実施の形態3における吸気・排気の系統を示す模式図である。 実施の形態4における燃焼室近傍を平面的にみた模式図である。 実施の形態4におけるバルブの開閉動作を示す図である。 実施の形態5における図1とほぼ同態様の図である。 実施の形態5に関し、図8の構成と異なる連通室の仕切り態様を示す図である。 従来の圧縮着火エンジンにおけるバルブの開閉動作を示す図である。
符号の説明
1,21,30 燃焼室、2,22 吸気通路、3,24,33,103 排気通路、10,11 吸気バルブ、12 第1排気バルブ、13 第2排気バルブ、14,23 吸気スロットル、15,26,34 排気スロットル、31 排気バルブ、108 連通室、115 シャッターバルブ。

Claims (6)

  1. 圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替えて行う圧縮着火内燃機関において、
    吸気通路及び排気通路が連通される燃焼室と、
    吸気通路中に設けられ、吸気通路の開閉を行う吸気手段と、
    排気通路中に設けられ、カムにより駆動されて排気通路の開閉を行うと共に少なくとも圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時のそれぞれの排気行程中及び吸気行程中に排気通路を開く排気手段と、
    排気通路中に設けられ、少なくとも圧縮着火燃焼時の吸気行程中に開弁することで燃焼室への排気ガスの還流を行うと共に、火花点火燃焼時の吸気行程中の少なくとも前記排気手段が開いている間は閉弁することで、燃焼室への排気ガスの還流を防止する排気ガス還流防止手段と
    を備えることを特徴とする圧縮着火内燃機関。
  2. 前記排気通路は、燃焼室毎に設けられる合流路と、合流路の上流で分岐して燃焼室に連通する第1及び第2排気分岐路とを備え、
    前記排気手段は、第1排気分岐路に設けられ、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時において、排気行程のみ開く第1排気バルブと、第2排気分岐路に設けられ、少なくとも吸気行程に開く第2排気バルブとを含み、
    前記排気ガス還流防止手段は、第2排気分岐路に設けられて火花点火燃焼時には第2排気分岐路を常に遮断すると共に、圧縮着火燃焼時には第2排気分岐路を常に開通する排気スロットルである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。
  3. 前記排気手段は、2段カムを介して排気行程及び吸気行程の両方で開く各燃焼室毎に設けられた単一の排気バルブを含み、
    前記排気ガス還流防止手段は、排気通路に設けられて、排気行程中に開いて排気を行うと共に、火花点火燃焼時における吸気行程の少なくとも前記排気バルブが開弁する間、排気通路を遮断する排気スロットルである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。
  4. 前記燃焼室は複数設けられており、
    前記排気手段は、各燃焼室毎に設けられ少なくとも吸気行程に開く複数の排気バルブを含み、
    前記排気通路は、少なくとも吸気行程に開く前記排気バルブによって流路が開閉される複数の排気分岐路と、これら排気分岐路を一つにまとめる排気合流路とを備え、
    前記排気ガス還流防止手段は、排気合流路に設けられて火花点火燃焼時における吸気行程の少なくとも前記排気バルブが開弁する間、排気合流路を遮断する排気スロットルである、
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載の圧縮着火内燃機関。
  5. 前記燃焼室及び前記排気通路は第1排気口及び第2排気口によって連通されており、
    前記排気通路は、その上流端部に、第1排気口及び第2排気口の双方を包含するように両排気口に接続される単一管状の連通室を有し、
    前記排気手段は、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時において、排気行程のみ前記第1排気口を開く第1排気バルブと、少なくとも吸気行程に前記第2排気口を開く第2排気バルブとを有し、
    前記排気ガス還流防止手段は、閉弁時に第1排気口及び第2排気口が相互に非連通状態となるように前記連通室内を区切るシャッターバルブを有し、該シャッターバルブは、圧縮着火燃焼時の少なくとも吸気行程に第1排気口及び第2排気口が相互に連通状態となるように開弁する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。
  6. 前記燃焼室への新気の流入を制限する吸気制御手段をさらに備え、圧縮着火燃焼時の吸気行程中に前記吸気制御手段により新気の流入量を制限することにより前記排気手段からの排気ガスの還流を増やすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧縮着火内燃機関。
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