JP2004286449A - マイクロ分析チップ、その製造法及びこれを用いた分析装置 - Google Patents

マイクロ分析チップ、その製造法及びこれを用いた分析装置 Download PDF

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清 山野井
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Abstract

【課題】フィルム状のフォトレジストを用いて形成する微細溝を有するマイクロ分析チップ、その製造法、及びこれを用いたキャピラリー電気泳動用装置などの分析装置を提供する。
【解決手段】微細溝をフィルム状のフォトレジストを用いて形成する方法において、絶縁性基板上にフィルム状のフォトレジストを密着した後、該フィルム状のフォトレジストを露光、現像して作製した該微細溝上にシール部材を接合する際に、前記絶縁性基板と前記フォトレジスト、あるいは前記フォトレジストと前記シール部材の、少なくとも1組が同種の分子構造部分を含むことを特徴とするマイクロ分析チップ、その製造法及びこれを用いた分析装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状のフォトレジストを用いて形成する微細溝を有するマイクロ分析チップ、その製造法、及びこれを用いたキャピラリー電気泳動用装置などの分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からキャピラリー電気泳動装置の小型化などを目的として、透明樹脂などの有機材料やシリカガラスなどの無機材料を用いた、泳動路などを含むチップが種々提案されてきた。それらの中で、有機材料、無機材料にかかわらず、一方の基板に溝などの加工を施し、もう一方の部材(シール部材、カバー材)で対向するように両者を接合することにより溝などに蓋をすることにより泳動路などを形成する方法が提案されてきた。透明樹脂などの有機材料を用いたチップの製造方法としては、射出成形などの成形により溝などを形成するのが一般的であるが、成形による方法は量産性に優れる反面、金型の作製に時間がかかり金型が高価であるという問題に加え、泳動路などの形状設計に多かれ少なかれ制約があり設計の自由度が低いという問題がある。
【0003】
一方、泳動路となる溝をフォトレジストを用いて形成する初期の方法としては、特開平6−294771号公報が提案されている。すなわち、2枚の高分子シートの間に、フィルム状のフォトレジストが一例であるスペーサシートを用いて溝を形成するが、複数のキャピラリーが平面状に配列され、配列密度が両端で異なって粗密があり、その粗側の一端部が相互に分離しているなど、形状を限定したものとなっている。このため、工程途中で高分子シートに貫通穴を設ける場合や完成後に泳動路の途中から試料液を添加するための注入口がある場合などについての記載はない。そして、同公報およびその特許2974537号公報の実施例において、前記2枚の高分子シートがPETフィルムであり、スペーサーシートが感光性基を含むアクリルシート等の感光性樹脂フィルムであり、第1のPETフィルムと感光性樹脂フィルム、および、感光性樹脂フィルムと第2のPETフィルムとは接着剤を用いて接着している。
【0004】
また、特開2000−246092号公報と特開2000−297157号公報では、凹部(溝)を有する部材とカバー材とを接着剤を用いて接着する際に、接着剤の悪影響を泳動路に及ぼさないための方法を開示している。より具体的には、前者は成形あるいはフォトレジストで形成した溝側の面上に感光性の接着剤を塗布しカバー材を接触させ、溝部上以外の接着剤を露光・硬化させ、流路に溶剤を流すことにより溝部上の未硬化物を除去する。後者は、フォトレジストで単なる溝でなく、周りの土地より高くした川の土手形状の溝をつくることにより接着剤は土手の上面にのみ必要となるため、接着剤使用量の低減により接着剤の溝への流れ込みを抑える方法である。
【0005】
また、特表2001−510276号公報では、微細溝をフォトレジストを用いて形成する方法について開示している。すなわち、ウエルまたはチャネルの表面微細構造をもつ基板の作製方法に関し、プラスチック基体上に硬化性材料として微小構造をスクリーン印刷する方法、および、さらに微細な構造作製のために、フォトレジストを基体上に析出させ、露光、現像する方法との2つの方法が示され、それぞれの方法において形成されるウエルまたはチャネル幅などの微細度の限定が示されている。そして第2の方法においてフォトレジストの基体上への析出方法は、蒸着、シルクスクリーン印刷、スピンコーティング、リトグラフ印刷、別な方法として乾燥自立構造光像形成フィルムレジストが使用できるとしている。そして、前記チャネルの上をカバー材でおおうことができるとしており、実施例3において、印刷したUV架橋性インクで微細構造を形成後、接着剤のついたMylarシートでおおっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−294771号公報
【特許文献2】
特許第2974537号公報
【特許文献3】
特開2000−246092号公報
【特許文献4】
特開2000−297157号公報
【特許文献5】
特表2001−510276号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術は、絶縁基板とフォトレジストとの密着およびフォトレジストとシール材の接合に接着剤を用いているため、泳動路となる溝などの凹部を塞ぎがちであった。また、フィルム状のフォトレジストを用いて泳動路、ウエル、貫通穴を持つことを特徴とし、接着剤なしで平滑面を実用に十分な強度で接合する方法は示されていなかった。本発明は、上記従来の技術の欠点に鑑みてなされたものであり、フォトレジストにより微細溝あるいは泳動路などを形成するため、金型が不要となるため金型製作の時間とコストがかからず、微細溝あるいは泳動路などの設計の自由度が高いという利点がある。
【0008】
本発明は、フォトレジストをフィルム状にしているため、基板裏面への汚染の心配がないなど取り扱いが容易であり、形成後の膜厚の均一性が優れるとともに、チップに貫通孔および非貫通孔を設けたことを特徴としており、かつ、微細溝あるいは泳動路の底面と天井面の少なくとも一方が平滑であるにもかかわらず、必要な接合強度が得られるため、キャピラリー電気泳動装置などの分析装置用のマイクロ分析チップを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、微細溝をフィルム状のフォトレジストを用いて形成する方法において、絶縁性基板上にフィルム状のフォトレジストを密着した後、該フィルム状のフォトレジストを露光、現像して作製した該微細溝上にシール部材を接合する際に、前記絶縁性基板と前記フォトレジスト、あるいは前記フォトレジストと前記シール部材の、少なくとも1組が同種の分子構造部分を含むことを特徴とするマイクロ分析チップに関する。
【0010】
本発明は、該シール部材を接合する前に予め該絶縁性基板に複数の貫通孔を設け、かつ複数の貫通孔のうち少なくともその一部を該シール部材により塞ぐことを特徴とするマイクロ分析チップであることが好ましい。
【0011】
本発明は、該絶縁性基板の該フォトレジストと密着する側の面、該シール部材の該フォトレジストと接合する側の面の少なくとも一方が平滑であることを特徴とするマイクロ分析チップであることが好ましい。
【0012】
本発明は、該フォトレジストがアクリレートあるいは/及びメタアクリレートを原料とするアクリル系樹脂を含むことを特徴とするマイクロ分析チップであることが好ましい。
本発明は、上記に記載のマイクロ分析チップの製造法に関する。
【0013】
本発明は、上記に記載のマイクロ分析チップを用いたキャピラリー電気泳動用装置に関する。
【0014】
本発明は、上記に記載のマイクロ分析チップを用いた分析用装置に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるフィルム状のフォトレジスト材料のポリマーとしては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂などを用いることができるが、半水性現像性あるいはアルカリ現像性の観点および接合する際の条件の観点から、アクリル系樹脂がより好ましい。フォトレジストの現像方法としては、溶剤現像、半水性現像、アルカリ現像等を適宜使用できるが、作業性、環境性の観点からは半水性現像又はアルカリ現像が好ましい。また、本発明に用いるフィルム状のフォトレジストとしては市販の、例えば、プリント配線板に用いられ、しかも、製品完成後にも配線板の絶縁材料として残る、いわゆる、永久レジストタイプを用いれば、耐薬品性、耐熱性、耐電圧性などが予め確保されているので好都合である。
【0016】
また、フォトレジストは、ネガ型、ポジ型のどちらでも使用できる。フォトレジストの厚さは、最終的に微細溝あるいは泳動路の深さに相当するが、5〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、15〜100μmがさらに好ましい。また、微細溝あるいは泳動路となる溝の幅は、製造の観点からはフォトレジストの解像度と関係し、使用の観点からは異物による流路の詰まりや分析結果への悪影響などと関係する。このため、溝の幅としては、10〜1000μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、30〜150μmがさらに好ましい。
【0017】
本発明に用いる絶縁性基板の材料としては、プラスチックが使用でき、プラスチック単体あるいはガラス繊維などとの複合材が使用できる。プラスチックの種類としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂を用いることができる。 具体的には、アクリル系樹脂では、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)が使用できる。また、メチルメタアクリレートとその他のアクリレート、例えば、フェニルメタクリレートなど、あるいはフェニルマレイミド、芳香族ビニルなどとの共重合物を用いることができる。PMMAでは、市販材料を入手して成形することにより基板を得ることができるほか、種々の大きさと厚さの板状の成形品が市販されておりこれを所定の大きさに切断して用いることができ好都合である。エポキシ系樹脂は、例えば、市販の注型用樹脂などを用いて基板を作製することにより、用いることができる。また、エポキシ系樹脂では、プリント配線板用の材料としての銅張り積層板の銅箔を除いたものを使用することができ、これはエポキシ樹脂とガラス繊維などとの複合材となっている。フェノール系樹脂についても前記同様の産業分野において紙などとの複合材の基板が入手可能である。スチレン系樹脂については、市販材料を入手にて成形することにより基板を得ることができる。
【0018】
分析装置において照射あるいは/および検出に可視光を用いる場合、絶縁性基板は透明であることが好ましい。但し、この場合においても、後述するシール部材側を照射および検出に用いる場合、シール部材を透明とすれば、絶縁性基板は透明でなくてもよい。そして、前記の各種材料の絶縁性材料に対して同種の分子構造部分を含む、あるいは同種の材料を含むフォトレジストを用いることにより、より強固に両者を接合することができるため好ましい。また、絶縁性基板の一方の面、すなわち、後でフォトレジストを密着する側の面は、微細溝あるいは泳動路の底面あるいは天井面となるため平滑であることが安定した液の流れあるいは分析結果の安定性のために良く、平均粗さRa=1μm以下が好ましく、Ra=0.5μm以下がより好ましい。
【0019】
絶縁性基板の形状とサイズとしては、製品の扱いのしやすさから、10〜150mm角あるいは同程度大きさの長方形が好ましく、20〜100mm角あるいは同程度の大きさの長方形がより好ましいが、同程度の大きさの円形、楕円形など形状は特に制限はない。絶縁性基板の厚さに関しては材料の強度や剛性などによるが製品の扱いのしやすさから0.3〜5mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。
【0020】
絶縁性基板上にフィルム状のフォトレジストを密着する方法としては、プレスによる方法やロールラミネートによる方法を用いることができる。その際に加える圧力と温度は絶縁性基板が変形しない範囲で選ぶことができるが、材料の組み合わせにより密着性が良い場合は、加圧、加温をせず、フィルムを室温で載せるのみでも良い。
【0021】
絶縁性基板に貫通孔をあける方法は、貫通孔付きの基板の成形品を用いることができるが、穴なしの基板からスタートする場合シール部材を接合する前のいずれかの段階でドリルあるいはレーザーなどの機械加工によりあけても良い。貫通孔の数としては、後にシール部材で被服しないものが2つ以上であり、これらを分析装置におけるチップの位置決め用に用いることができる。ただし、位置決めを別の手段で行う場合は必ずしも被服しない貫通孔は必要ない。後にシール部材で被服する貫通孔の数に関しては微細溝あるいは泳動路の設計により異なるが、微細溝あるいは泳動路1セットあたり少なくとも2個でありこれらを液だめとして用いるとともに泳動路の場合電極を挿入して電気泳動を行う。また、サンプルの円滑な導入のため、サンプル導入と排出のための液だめ用にさらに2個の貫通孔を設けることができ、この場合は微細溝あるいは泳動路1セットあたり4つの貫通孔となる。
【0022】
微細溝あるいは泳動路は複数のセットを1枚のチップに設けることができ、貫通孔もその倍数あける必要がある。貫通孔の形状は、特に制限はないが、円形や楕円形が製造と使用の観点から好ましい。貫通孔のサイズは、操作性と製品の小型化の観点から、円形の場合、直径0.3〜10mmがよく、直径1〜8mmがより好ましく、直径2〜5mmがさらに好ましい。
【0023】
本発明に用いるシール部材の材質としては、プラスチックを用いることができる。プラスチックの種類としてはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂等を用いることができる。そして、シール部材がフォトレジストの材料と同種の分子構造部分を含む材料あるいは同種の材料を含むものとすることにより、より強固の接合ができるため好ましい。具体的には、前記各種のプラスチックに関して、上記の絶縁性基板と同様な方法でシート状あるいはフィルム状のものを得て使用することができるが、アクリル系樹脂に関しては、PMMAのシートあるいはフィルムが種々のサイズ、厚さで市販されており入手しやすく好都合である。また、スチレン系樹脂に関しては、ポリスチレンシートあるいはフィルムが市販されており入手可能である。
【0024】
シール部材の一方の面、すなわち、フォトレジストと接合する側の面は、微細溝あるいは泳動路の天井面あるいは底面となるため平滑であることが液の流れの安定性あるいは分析結果の安定性のために良く、平均粗さRa=1μm以下が好ましく、Ra=0.5μm以下がより好ましい。シール部材のサイズとしては、絶縁性基板と同等か若干小さいものが良く、絶縁性基板からははみ出さないようにしながらフォトレジスト上に接合する。シール部材の厚さは、上記の絶縁性基板同様に5mm以下が使用できるが、必要な強度が得られれば、接合のしやすさや分析感度の観点から薄いほうが好ましく、5〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
【0025】
シール部材のフォトレジスト面への接合方法としては、熱溶着による方法を用いることができる。熱溶着の手段としては、直接加熱するホットプレート溶着、加熱と加圧を併用するプレスによる方法、ロールラミネータによる方法、超音波溶着、および振動溶着法を用いることができ、接合する材質により最適な方法を選ぶことができる。また、接着剤を用いる方法、あるいは、前記の各種溶着法と接着剤を用いる方法を組み合わせる方法を用いることことができる。但し、接着剤を多量に用いると、微細溝あるいは泳動路となる溝を塞ぎがちとなり注意が必要である。
【0026】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に詳しく説明する。実施例中及び比較例中の「部」は重量部を意味し、「%」は重量%を意味する。
(合成例1)
【表1】
Figure 2004286449
【0027】
表1中のAを温度計、撹拌装置、冷却管、ガス導入管及び滴下器のついた、加熱及び冷却可能な容積500mlの反応器に加え、窒素ガス雰囲気下で78℃に昇温し、反応温度を78±2℃に保ちながら、3時間かけて均一に表1中のBを滴下した。Bの滴下後、78℃で約6時間撹拌を続けた後、60℃以下に冷却し、表1中のCを添加し15分間撹拌した後、室温に冷却して、酸価19.6mgKOH/gのビニル重合型高分子結合剤を36.9%含む溶液(a−1)を得た(重量平均分子量70,000)。
【0028】
実施例1
(a)感光性エレメントの製造
【表2】
Figure 2004286449
【0029】
表2の配合の感光性樹脂組成物の溶液を25μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し80〜100℃の熱風対流式乾燥機で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物の層の乾燥後の厚さは約35μmであった。感光性樹脂組成物の層の上には、更に厚さ約25μmのポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして張り合わせ、フィルム状のフォトレジストを得た。前記フィルム状のフォトレジストの市販品としては、例えば、日立化成工業(株)製商品名フォテック、旭化成工業(株)製商品名サンフォート、ニチゴー・モートン(株)製商品名アルフォ、ラミナー、ダイナマスク、コンフォマスク、デュポン社製商品名リストン等が挙げられる。
【0030】
(b)チップの作製
絶縁性基板として、三菱レイヨン(株)製ポリメチルメタクリレート(PMMA)板である、アクリライト001、無色透明、板厚1.0mm品を、50mm×85mmのサイズに切断したものを用いた。
表1からわかるようにメチルメタアクリレートが材料となっており、前記PMMA板とは同種の材料を含んでいる。 次に、日立常圧ラミネータHLM−1500を用い、ラミネート温度(ロール温度)=40℃、ラミネート圧力=0.4MPaの条件で、前記の絶縁性基板に前記のフィルム状フォトレジストのポリエチレンフィルムを剥がしながらフォトレジストをラミネートした。
次に、所定のパターンを有するマスクを介して、(株)オーク製作所製HMW−590型平行光線式露光機を用いて200mJ/cmで露光した。60分間室温で放置後ポリエチレンテレフタレートフィルムをはがし、スプレー現像装置を用い、ホウ酸ナトリウム 8g、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル200ml、水800mlの割合で調整した半水性現像液で圧力:0.12MPa、温度:40℃、時間:75秒の条件で現像した。現像後、80℃で10分乾燥した基板に(株)オーク製作所製QRM−2317−F−00 型コンベア式UV照射機で1J/cm紫外線照射した。この現像、硬化後のSEM観察像を図1に示す。上記で得た所定のパターンを設けた基板の所定の位置にドリルで貫通孔を複数設けた。ここで露光時に使用するマスクはレジストがネガ型又はポジ型により適宜選択をすることができる。また、レーザー露光によりマスクを使用しないでパターンを形成する方法も使用できる。
次に、上記で得た基板に、シール部材として三菱レイヨン製PMMAフィルムである、アクリプレン、50μm厚品を重ね合わせ、ホットプレート上で加熱と加圧を行い接合した。接合条件としては、温度:105℃、圧力:0.1MPa、時間:60secとした。
図2に得られたチップの概略を、シール部材から見た平面図で示す。
【0031】
(c)漏洩試験および電気泳動試験
(b)で得られたチップを日立マイクロチップ電気泳動システムに適用した。
分析用試薬キットIC1100(日立化成工業株式会社製)の泳動ゲルを泳動路の一端に設けられたウエルに入れキットに付属のシリンジを用いて該ウエル部を加圧し泳動ゲルを泳動路の他の端まで通すことにより、泳動ゲルを泳動路内に満たし泳動ゲルが乾燥しないように60分放置後観察した。この結果、泳動ゲルの漏れなどの異常は起こらなかった。次に上記分析用試薬キットIC1100および分析装置SV1210(コスモアイ、日立電子エンジニアリング株式会社製)を用いて電気泳動試験を行った。この結果、付属のチップを使用したときと同様に電気泳動が正常に終了した。
【0032】
【発明の効果】
本発明のマイクロ分析チップとその製造方法によれば、基板裏面への汚染の心配がないなど取り扱いが容易であり、形成後の膜厚の均一性に優れるとともに、微細溝あるいは泳動路の底面と天井面の少なくとも一方が平滑であるにもかかわらず、必要な接合強度を有する設計自由度が高いチップが、市販の材料を用いて製造することができ、分析装置に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成したフォトレジスト現像後の溝部(クロス部)のSEM像
【図2】実施例で作製したキャピラリー電気泳動チップのシール部材から見た平面図(同パターン3組からなるため代表する1組のみに符号をつける)
【符号の説明】
1(1a、1b):溝部
2 フォトレジスト
3 電気泳動チップ
4(4a、4b):位置決め用貫通孔
5(5a、5b):泳動路あるいは溝をシール部材でシールした薬液の流路
6(6a、6b、6c、6d):薬液注入あるいは排出および電極(図示しない)挿入用の非貫通孔

Claims (7)

  1. 微細溝をフィルム状のフォトレジストを用いて形成する方法において、絶縁性基板上にフィルム状のフォトレジストを密着した後、該フィルム状のフォトレジストを露光、現像して作製した該微細溝上にシール部材を接合する際に、前記絶縁性基板と前記フォトレジスト、あるいは前記フォトレジストと前記シール部材の、少なくとも1組が同種の分子構造部分を含むことを特徴とするマイクロ分析チップ。
  2. 該シール部材を接合する前に予め該絶縁性基板に複数の貫通孔を設け、かつ複数の貫通孔のうち少なくともその一部を該シール部材により塞ぐことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ分析チップ。
  3. 該絶縁性基板の該フォトレジストと密着する側の面、該シール部材の該フォトレジストと接合する側の面の少なくとも一方が平滑であることを特徴とする請求項1〜2に記載のマイクロ分析チップ。
  4. 該フォトレジストがアクリレートあるいは/及びメタアクリレートを原料とするアクリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載のマイクロ分析チップ。
  5. 請求項1〜4に記載のマイクロ分析チップの製造法。
  6. 請求項1〜4に記載のマイクロ分析チップを用いたキャピラリー電気泳動用装置。
  7. 請求項1〜4に記載のマイクロ分析チップを用いた分析用装置。
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