JP2004286604A - Icp分析装置のスプレーチャンバ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプレーチャンバ内の洗浄に要する時間を可及的に少なくしつつ洗浄を確実に行うことができるようにして、複数の試料溶液の分析や複数回の試料分析を効率よく行うことのできるICP分析装置のスプレーチャンバ装置を提供すること。
【解決手段】スプレーチャンバ1に二つの液導入部12,13を設け、一方の液導入部12を試料溶液導入用とし、他方の液導入部13を洗浄液導入用とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)分析装置のスプレーチャンバ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平8−304286号公報
ICP分析装置においては、例えば前記特許文献1に記載されているように、プラズマトーチに分析対象の試料(サンプル)を供給するのに、プラズマトーチの前段に、スプレーチャンバ装置を設け、サンプル溶液をネブライザによってスプレーチャンバ内に吹きつけて霧化し、この霧化されたサンプルを選別してプラズマトーチにサンプルガスとして供給している。このスプレーチャンバ装置として、サイクロン型チャンバやスコット型チャンバがある。サイクロン型チャンバは、サンプル溶液の導入効率が高いといった特性を有する反面、前記サンプル溶液の導入濃度が高くなるとチャンバ内壁にサンプル溶液が付着しやすく、所謂サンプル溶液導入によるメモリ効果が大きくなり、特に、B(ホウ素)やHg(水銀)などを含むサンプル溶液を霧化した後においては、洗浄液(リンス)による洗浄時間を長くしてやる必要がある。なお、スコット型チャンバにおいては、洗浄が効率的に行えず、前記メモリ効果が大きくなる。
【0003】
そして、従来のスプレーチャンバ装置においては、チャンバにはネブライザが一つだけしか設けられていないため、例えば、図7(A)に示すように、ネブライザによってチャンバ内に試料(図中では、サンプルと表記している。以下同じ)1を供給して所定の分析を行った後、ネブライザを介してチャンバ内に洗浄液(図中では、リンスと表記している。以下同じ)を送給して当該チャンバ内の洗浄を行っていた。そして、例えば、ICP発光分光分析装置における分析においては、通常、検出器の出力が一定になったとき(定常状態)の所定時間の出力をサンプリングし、このサンプリングされた検出器出力に基づいて元素など分析対象成分の濃度を求めるようにしていた。なお、前記図7(A)において、Taは1回の分析に要する時間(分析時間)、Tbは分析後の洗浄を含む分析間隔、Tsは信号サンプリング時間である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、従来のスプレーチャンバ装置においては、検出器出力がゼロになるまでチャンバ内に洗浄液を送給し当該チャンバ内の洗浄を行っていたため、前記図7(A)からも理解されるように、一つの分析を行って次の分析を行うまでに、チャンバ内洗浄のための時間がそのまま必要になり、それだけ一つの分析から次の分析までの分析間隔Tbが大きくならざるを得ず、多くの異なる試料を順次分析する場合、全分析に要する時間が大きくなり、分析効率が悪いといった課題があった。
【0005】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、スプレーチャンバ内の洗浄に要する時間を可及的に少なくしつつ洗浄を確実に行うことができるようにして、複数の試料溶液の分析や複数回の試料分析を効率よく行うことのできるICP分析装置のスプレーチャンバ装置(以下、単にスプレーチャンバ装置という)を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明におけるスプレーチャンバ装置は、スプレーチャンバに二つの液導入部を設け、一方の液導入部を試料溶液導入用とし、他方の液導入部を洗浄液導入用としている。ここで、液導入部としてネブライザを好適に用いることができる。
【0007】
上記スプレーチャンバ装置においては、図7(B)に示すように、一方の液導入部(試料溶液導入部)を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行う。この分析が終了すると同時に、前記一方の液導入部から洗浄液をスプレーチャンバに導入する。これにより、一方の液導入部に連なる液流路およびチャンバ内が洗浄される。この一方の液導入部からのスプレーチャンバへの洗浄液の導入とともに、他方の液導入部(洗浄液導入部)を介して洗浄液をスプレーチャンバ内に供給する。これにより、スプレーチャンバ内が洗浄される。したがって、洗浄効率が高められるとともに洗浄に要する時間が短縮され、一つの分析から次の分析までの分析間隔Tbが短縮される。
【0008】
また、前記目的を達成するため、請求項2に係る発明におけるスプレーチャンバ装置は、スプレーチャンバに二つの液導入部を設け、一方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行い、この分析の終了後、前記一方の液導入部を介して洗浄液を供給してスプレーチャンバ内を洗浄し、この洗浄液導入から所定時間経過後、他方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行わせるようにしている。ここで、液導入部としてネブライザを好適に用いることができる。
【0009】
上記スプレーチャンバ装置においては、一方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行い、この分析が終了すると同時に、一方の液導入部を介して洗浄液を供給してスプレーチャンバ内を洗浄する。そして、この洗浄液導入から所定時間経過後、他方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行わせる。そして、この分析が終了すると同時に、他方の液導入部を介して洗浄液を供給してスプレーチャンバ内を洗浄する。そして、この洗浄液導入から所定時間経過後、一方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行わせる。このスプレーチャンバ装置においては、図7(C)に示すように、洗浄液の導入と試料溶液の導入とをオーバーラップさせることができ、試料溶液導入を従来より前倒しした状態で開始することができるので、一つの分析終了から次の分析開始までの時間を短縮することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の詳細を、図を参照しながら説明する。図1および図2は、この発明の第1の実施の形態を示すもので、この実施の形態におけるICP分析装置は、ICP発光分光分析装置である。図1および図2において、11はスプレーチャンバで、この実施の形態においてはサイクロン型チャンバよりなり、ガラス製である。12,13はこのスプレーチャンバ11に設けられる液導入部で、この実施の形態においては、図2に示すように、点対称の位置に気(液)密かつ着脱自在であって、さらにそれらの噴霧方向がスプレーチャンバ11の周方向に沿いかつ互いに反対方向となるように設けられている。そして、14,15はスプレーチャンバ11の上部、下部に形成される霧状試料導出口、ドレン排出口である。
【0011】
前記両液導入部12,13は、いずれも、例えば同軸型ネブライザよりなり、一方の液導入部12は、その内側のノズル12aに可撓性のチューブよりなる液供給路16が接続され、外側のノズル12bにキャリアガス導入管17が接続され、スプレーチャンバ11内に試料溶液(サンプル)を霧化して導入するための試料溶液導入部に構成されている。また、他方の液導入部13は、その内側のノズル13aに可撓性のチューブよりなる液供給路18が接続され、外側のノズル13bにキャリアガス導入管19が接続され、スプレーチャンバ11内に洗浄液(リンス)を霧化して導入するための洗浄液導入部に構成されている。なお、図示していないが、キャリアガス導入管17,19には流量調整機構がそれぞれ設けられており、キャリアガスの流量制御やその供給、停止の制御を行うことができるようにしてある。
【0012】
そして、この実施の形態においては、試料溶液導入部12に接続される液供給路16の上流側にはペリスタポンプ20が設けられ、さらに、このペリスタポンプ20には試料溶液供給源としての試料容器21と洗浄液供給源としての洗浄液容器22とが択一的に接続されるようにしてある。すなわち、ペリスタポンプ20の上流側の液流路23の端部を、図2中の実線または仮想線で示すように、試料容器21または洗浄液容器22に対して手動によって択一的に接続することにより、試料容器21内の試料溶液Sまたは洗浄液容器22内の洗浄液Rのいずれかをペリスタポンプ20によって試料溶液導入部12側に送給できるように構成されている。
【0013】
また、前記洗浄液導入部13に接続される液供給路18にはペリスタポンプ24が設けられ、さらに、このペリスタポンプ24には洗浄液供給源としての洗浄液容器25が液流路26を介して接続され、洗浄液容器24内の洗浄液Rを洗浄液導入部13側に送給できるように構成されている。なお、前記液流路23,26は、例えば、試験担当者が容器21,22,25と接続・分離を自在に行うことができるように、例えば、適宜の素材よりなる可撓性のチューブで構成されている。
【0014】
そして、前記霧状試料導出口14は、接続管27を介してプラズマトーチ28に接続されている。このプラズマトーチ28は、プラズマ29を発生させるもので、スプレーチャンバ11より上方に位置するように設けられており、このプラズマトーチ28には、スプレーチャンバ11において生じた霧状試料とキャリアガスが流れるプラズマガス流路30、補助ガスが流れる補助ガス流路31および冷却ガスが流れる冷却ガス流路32がこの順に内部から外部に同心配置されるとともに、その先端部近傍の外周には高周波電源(図示していない)に接続された誘導コイル33が周設されており、この誘導コイル33による高周波磁界によって、プラズマトーチ28に供給される霧状試料がプラズマ化し、プラズマ発光する。このプラズマ発光は、分光分析部(図示していない)に設けられた分光器を経て検出器によって検出される。
【0015】
また、前記ドレン排出口15には、ドレン回収路34が接続され、このドレン回収路34の下端は、回収されたドレン35を収容するドレン回収容器36に接続されている。
【0016】
なお、上記ICP発光分光分析装置の各部は、図示していない制御部によって所定の手順で制御されるように構成されている。
【0017】
上記第1の実施の形態におけるスプレーチャンバ装置の作動を、図7(B)をも参照しながら説明する。一つの試料溶液Sの分析を行うに際して、まず、試料容器21を液流路23を介してペリスタポンプ20に接続して、試料容器21を試料溶液導入部12と連通させ、試料溶液導入部12にキャリアガスを供給している状態で、ペリスタポンプ20を動作させる。これにより、試料容器22内の試料溶液Sが試料溶液導入部12に入り、前記キャリアガスの作用によりスプレーチャンバ11内に噴霧供給され(図7(B)におけるサンプル1IN)、この噴霧によって、図2において矢印37で示すようにスプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして反時計回り方向に旋回する霧状試料が生ずる。そして、この霧状試料のうち所定の径より小さいものが接続管27を介してプラズマトーチ28に対してキャリアガスとともに供給され、プラズマトーチ28におけるプラズマ29中でプラズマ発光し、この発光は分光分析部に導入され、分光分析に供される。他方、前記霧状試料のうち所定の径より大きいものはドレン35としてドレン排出口15から排出され、ドレン回収路34を経てドレン回収容器36内に回収される。
【0018】
前記分光分析部における検出器において所定の信号のサンプリングが終了すると、一つの試料溶液Sに関する分析が終了する。
【0019】
そして、前記一つの分析が終了すると同時に、例えば試験担当者が液流路23を試料容器21から外して、図2において仮想線23で示すように、液流路23を洗浄液容器22に接続することにより、洗浄液容器22をペリスタポンプ20を介して試料溶液導入部12と連通させ、試料溶液導入部12にキャリアガスを供給している状態で、ペリスタポンプ20を動作させる。これにより、洗浄液容器22内の洗浄液Rが試料溶液導入部12に入り、前記キャリアガスの作用によりスプレーチャンバ11内に噴霧供給され(図7(B)におけるリンスIN)、この噴霧によって、図2において矢印38で示すように、スプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして洗浄液Rが反時計回り方向に旋回する。この洗浄液Rの試料溶液導入部12への供給およびスプレーチャンバ11内への導入によって、液流路23内、液供給路16内および試料溶液導入部12内の洗浄並びにスプレーチャンバ11内の洗浄が行われる。この試料溶液導入部12からのスプレーチャンバ11への洗浄液Rの導入とともに、洗浄液導入部13にキャリアガスの供給を開始するとともに、洗浄液供給路18側のペリスタポンプ24を動作させて、洗浄液容器25内の洗浄液Rを洗浄液導入部13側に送給する。この洗浄液導入部13においては、前記キャリアガスの作用によりスプレーチャンバ11内に洗浄液Rが噴霧供給され(図7(B)にリンスIN)、これによって、洗浄液Rは、図2において矢印39で示すようにスプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして反時計回り方向に霧状態となって旋回し、前記試料溶液導入部12からの洗浄液Rと共働してスプレーチャンバ11の内壁面を隈なく洗浄する。この場合、洗浄液導入部13が試料溶液導入部12に対して点対称の位置に設けられているので、前記霧状の洗浄液Rの旋回方向は、前記分析における霧状試料の旋回方向37と同方向となり、その結果、前記内壁面の全面を短時間で洗浄することができる。
【0020】
以下、上述のようにして、試料溶液導入部12および洗浄液導入部13へのキャリアガスの供給、ペリスタポンプ20,24による試料溶液導入部12および洗浄液導入部13への試料溶液Sおよび洗浄液Rの供給制御を行うことにより、二つの液導入部12,13によって、スプレーチャンバ11内への試料溶液Sおよび洗浄液Rの噴霧供給を交互に行うことができるとともに、分析後のスプレーチャンバ11内の洗浄を確実に行うことができる。
【0021】
上記スプレーチャンバ装置における分析とその後に行われる洗浄の時間的関係は、図7(B)に示すようになり、洗浄に要する時間は、同図(A)に示す従来のスプレーチャンバ装置における前記時間よりかなり短縮される。したがって、一つの分析から次の分析までの時間間隔Tbが短縮されることが分かる。
【0022】
図3は、この発明の第2の実施の形態を示すもので、この実施の形態においては、スプレーチャンバ11に互いに点対称の位置に設けられるネブライザよりなる二つの液導入部12,13のそれぞれに、流路切換え部を備えた液供給路を接続し、前記各流路切換え部に試料液供給源および洗浄液供給源を接続している。すなわち、図3において、40,41は二つの液導入部12,13に対する液供給路16,18に設けられる三方電磁弁などの流路切換え装置で、これらの流路切換え部40,41の上流側には、ストップ弁42,43,44,45を介して試料溶液供給源46,47と洗浄液供給源48,49がそれぞれ接続されている。なお、試料溶液供給源46,47は、例えば、前記第1の実施の形態におけるペリスタポンプ20と試料容器21とを組み合わせたものより構成され、また、洗浄液供給源48,49は、例えば、前記第1の実施の形態におけるペリスタポンプ24と洗浄液容器25とを組み合わせたものより構成されている。
【0023】
上記第2の実施の形態におけるスプレーチャンバ装置の作動を、図7(C)をも参照しながら説明する。一つの試料溶液Sの分析を行うに際して、まず、一方の液導入部12にキャリアガスを供給している状態で、液導入部12に接続されている三方電磁弁40をオンするとともにストップ弁42を開いて、試料溶液供給源46を一方の液導入部12に連通させる。これにより、試料溶液Sが液導入部12に入り、前記キャリアガスの作用によりスプレーチャンバ11内に噴霧供給され(図7(C)におけるサンプル1IN)、この噴霧によって、図3において矢印50で示すようにスプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして反時計回り方向に旋回する霧状試料が生ずる。そして、この霧状試料のうち所定の径より小さいものが第1および第2の実施の形態と同様にプラズマトーチ28に対して供給され、所定の分析(第1番目の分析)が行われる。
【0024】
そして、前記第1番目の分析における検出器において所定の信号のサンプリングが終了すると同時に、三方電磁弁40をオフするとともにストップ弁43を開く。これにより、試料溶液供給源46が一方の液導入部12と非連通となり、第1番目の分析が終了するとともに、洗浄液供給源48が一方の液導入部12に連通されることにより、洗浄液Rが液導入部12を介してスプレーチャンバ11内に噴霧供給される(図7(C)におけるリンスIN)。この洗浄液Rの導入により、液供給路16および液導入部12内が洗浄されるとともに、スプレーチャンバ11内への噴霧によって、図3において矢印51で示すようにスプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして反時計回り方向に洗浄液Rが旋回し、この旋回する洗浄液Rによってスプレーチャンバ11の内壁面が隈なく洗浄される。
【0025】
そして、前記洗浄液Rの導入から所定時間経過後、他方の液導入部13にキャリアガスを供給し、その状態で、液導入部13に接続されている三方電磁弁41をオンするとともにストップ弁44を開いて、試料溶液供給源47を他方の液導入部13に連通させる。これにより、試料溶液Sが液導入部13に入り、前記キャリアガスの作用によりスプレーチャンバ11内に噴霧供給され(図7(C)におけるサンプル2IN)、この噴霧によって、図3において矢印52で示すようにスプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして反時計回り方向に旋回する霧状試料が生ずる。そして、このように、液導入部13から試料溶液Sを継続するとともに、前の測定における試料溶液Sが十分に洗浄された後、前記洗浄液Rの導入を停止する(図7(C)におけるリンス1OUT)。その後、この霧状試料のうち所定の径より小さいものが前記第1および第2の実施の形態と同様にプラズマトーチ28に対して供給され、所定の分析(第2番目の分析)が行われる。
【0026】
そして、前記第2番目の分析における検出器において所定の信号のサンプリングが終了すると同時に、三方電磁弁41をオフするとともにストップ弁44を開く。これにより、試料溶液供給源47が他方の液導入部13と非連通となり、第2番目の分析が終了するとともに、洗浄液供給源49が他方の液導入部13に連通されることにより、洗浄液Rが液導入部13を介してスプレーチャンバ11内に噴霧供給される(図7(C)におけるリンス2IN)、この洗浄液Rの導入により、液供給路18および液導入部13内が洗浄されるとともに、スプレーチャンバ11内への噴霧によって、図3において矢印53で示すようにスプレーチャンバ11の内壁面に沿うようにして反時計回り方向に洗浄液Rが旋回し、この旋回する洗浄液Rによってスプレーチャンバ11の内壁面が隈なく洗浄される。
【0027】
以下、上述のようにして、三方電磁弁40,41の切換え制御およびストップ弁42〜45の開閉制御を行うことにより、二つの液導入部12,13に、それぞれ、試料溶液供給部と洗浄液供給部の双方の機能をもたせることができ、スプレーチャンバ11内への試料溶液Sおよび洗浄液Rの噴霧供給を交互に行うことができ、分析後のスプレーチャンバ11内の洗浄を確実に行うことができる。
【0028】
そして、上記第2の実施の形態におけるスプレーチャンバ装置における分析とその後に行われる洗浄の時間的関係は、図7(C)に示すようになる。すなわち、分析時間Taの前半を洗浄時間内にオーバーラップさせ、試料溶液導入を従来より前倒しした状態で開始することができるので、一つの分析から次の分析までの時間間隔を短縮することができる。
【0029】
図4および図5は、この発明の第3の実施の形態を示すもので、この実施の形態においては、洗浄液導入部13側のペリスタポンプ24においても、前記第1の実施の形態における試料溶液導入部12側のペリスタポンプ20に対するのと同様に、試料溶液Sと洗浄液Rとを手動によって択一的に供給できるように構成されている。すなわち、試料容器25と並列的に試料容器54を設け、図5中の実線または仮想線で示すように、ペリスタポンプ24に対して洗浄液容器25または試料容器54に試験担当者が手動によって択一的に接続することにより、洗浄液容器25内の洗浄液Rまたは試料容器40内の試料溶液Sのいずれかをペリスタポンプ24によって洗浄液導入部13側に送給できるように構成されている。
【0030】
上記第3の実施の形態におけるスプレーチャンバ装置の二つの液導入部12,13に対して試料溶液Sおよび洗浄液Rを切換え供給するようにした構成および試料溶液Sおよび洗浄液Rを切換え供給する手順は、前記第2の実施の形態のものと同じであり、第2の実施の形態においては、二つの液導入部12,13に対応するようにして設けられた三方電磁弁よりなる流路切換え装置40,41によって、前記試料溶液Sおよび洗浄液Rを切換え供給するのに対して、上記図4および図5に示す第3の実施の形態においては、前記試料溶液Sおよび洗浄液Rを切換え供給を試験担当員によって行う点がことなるだけであり、その動作シーケンスは、図7(C)と同じであるので、この第3の実施の形態の作動の説明については省略する。
【0031】
この発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々に変形して実施することができる。例えば、スプレーチャンバ11に設けられる二つの液導入部12,13の配置関係は、互いに点対称の位置であることは必ずしも必要ではなく、スプレーチャンバ11内への試料溶液Sおよび洗浄液Rの噴霧方向が同じになるように設けてあればよい。また、場合によっては、前記噴霧方向が逆になるように、液導入部12,13を設けてもよい。
【0032】
さらに、上述した各実施の形態においては、スプレーチャンバ11がサイクロン型チャンバよりなるものであったが、図6に示す第4の実施の形態のように、スコット型チャンバにおいても同様に適用することができる。すなわち、図6において、60はスコット型チャンバで、その一端側に二つの液導入部61,62が並設されている。これらの液導入部61,62は、いずれも、同軸型ネブライザよりなり、一方の液導入部61には、例えば図1に示した液供給路16と同様構成の供給路63が接続され、他方の液導入部62には、例えば図1に示した液供給路18と同様構成の液供給路64が接続されている。なお、65,66はキャリアガス導入管である。また、67は霧状試料導出口、68はドレン排出口である。
【0033】
前記第4の実施の形態においても、第1の実施の形態におけるスプレーチャンバ装置と同様に、二つの液導入部61,62によって、スプレーチャンバ11内への試料溶液Sおよび洗浄液Rの噴霧供給を交互に行うことができるとともに、分析後のスプレーチャンバ11内の洗浄を確実に行うことができる。
【0034】
ところで、上述の第1〜第4の実施の形態においては、液導入部12,13,61,62として同軸型ネブライザを用いていたが、これに代えて、クロスフロー型ネブライザなどを用いてもよい。そして、第1および第4の実施の形態のように、二つの液導入部12,61,13,62のうちのいずれか一方を試料溶液導入部とし、いずれか他方を洗浄液導入部というようにその役割が固定的に定まるものにおいては、試料溶液導入部となるものについてのみ流量調整できるネブライザを用いる必要があるが、洗浄液導入部については高度に流量調整できる構成のネブライザを必ずしも用いる必要はない。
【0035】
また、流路切換え装置40,41としては、三方コックなどの他の切換え装置を用いてもよい。さらに、上述の各実施の形態においては、ICP分析装置としてICP発光分光分析装置を例示していたが、この発明は、これに限られるものではなく、ICP質量分析装置においても同様に適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のスプレーチャンバ装置によれば、スプレーチャンバ内の洗浄を確実に行うことができ、複数の異なる試料溶液を連続的に行う場合におけるコンタミネーションを確実に防止することができる。そして、洗浄液によるスプレーチャンバ内の洗浄を従来に比べて短縮することができるので、複数の試料溶液の分析や複数回の試料分析を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のスプレーチャンバ装置の構成を概略的に示す側面図である。
【図2】前記スプレーチャンバ装置の平面構成を概略的に示す図である。
【図3】第2の実施の形態のスプレーチャンバ装置の平面構成を概略的に示す図である。
【図4】第3の実施の形態のスプレーチャンバ装置の構成を概略的に示す側面図である。
【図5】前記スプレーチャンバ装置の平面構成を概略的に示す図である。
【図6】第4の実施の形態のスプレーチャンバ装置の構成を概略的に示す側面図である。
【図7】この発明の作用を説明するための図で、(A)は従来技術の作用説明図、(B)は第1の実施の形態の作用説明図、(C)は第2および第3の実施の形態の作用説明図である。
【符号の説明】
11…スプレーチャンバ、12,13…液導入部、40,41…流路切換え装置、46,47…試料液供給源、48,49…洗浄液供給源、60…スプレーチャンバ、61,62…液導入部、63,64…液供給路、S…試料溶液、R…洗浄液。

Claims (3)

  1. スプレーチャンバに二つの液導入部を設け、一方の液導入部を試料溶液導入用とし、他方の液導入部を洗浄液導入用としたことを特徴とするICP分析装置のスプレーチャンバ装置。
  2. スプレーチャンバに二つの液導入部を設け、一方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行い、この分析の終了後、前記一方の液導入部を介して洗浄液を供給してスプレーチャンバ内を洗浄し、この洗浄液導入から所定時間経過後、他方の液導入部を介して試料溶液をスプレーチャンバに導入して所定の分析を行わせることを特徴とするICP分析装置のスプレーチャンバ装置。
  3. スプレーチャンバに二つの液導入部を設け、これらの液導入部のそれぞれに流路切換え部を備えた液供給路を接続し、前記各流路切換え部に試料液供給源および洗浄液供給源を接続したことを特徴とするICP分析装置のスプレーチャンバ装置。
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