JP2004287461A - 親水性鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射率が70%以上と高く、鏡表面の汚れが落ちやすい、洗浄後の親水性の回復が極めて短時間のうちになされ、しかも回復した親水性の持続効果が高い親水性鏡を提供する。
【解決手段】 ガラス基板の一方の主表面上に、550nmの波長において屈折率n1の膜、前記波長において屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3の酸化錫膜及びオーバーコート膜を順次形成させてなる親水性鏡であって、前記屈折率n1、n2、n3の関係がn1≧n3>n2であり、表面側から入射された光の可視光反射率が70%以上である親水性鏡を作る。
【選択図】 図1

Description

本発明は親水性のうち特に親水回復性に優れた鏡に関するものである。
鏡には一般に銀、アルミニウムなどの反射率の高い金属膜が形成されている。銀を用いた鏡では銀塩の溶液をガラス上に塗布し、ガラス表面にて還元反応させて銀膜を形成させている。しかし、銀膜そのものは酸化されやすく、また腐食されやすいので耐久性が非常に弱い。従ってそのままでは鏡として実用に耐えうるものは得られず、銀膜の表面に保護膜を形成させる必要がある。さらにエッジ(銀幕の外周端縁部)からも水等に浸食されるため、エッジへも保護処理が必要であり、特に銀を用いた鏡を洗面台や浴室用に使用するためには保護処理として特殊加工を施している。また多くの場合、保護層としては不透明剤を使用するため、裏面鏡としてしか使用できず、表面の反射と裏面の反射による二重像がさけられない。
アルミニウム膜を用いた鏡では、一般的に真空蒸着法やスパッタリング法にてアルミニウム膜が形成されるために、設備として真空装置が必要となる、また成膜に時間が掛かり、生産効率があまり良くない等製造コストが高くなる傾向にある。さらに上記方法で形成されたアルミニウム膜は耐久性の弱い膜となってしまうために保護膜が必要となる。
真空装置を使用しない方法としては、常圧CVD法を使用して反射層及び反射増強層を順次形成させ、反射率が70%以上の鏡の製造方法が特許文献1に開示されている。具体的には反射層に珪素膜等の高屈折率膜を使用し、その上に酸化珪素膜等の低屈折率膜と珪素膜、酸化錫膜、酸化チタン膜等の高屈折率膜を反射増強層として順次形成させた鏡のことが開示されている。
また、ガラス等の基材表面を親水性にして防曇性を持たせる先行技術として、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5が知られている。
具体的には、特許文献2には、基板表面にポリビニルアルコール等の親水性膜を形成すると共に、この親水性膜の表面平均粗さを0.5〜500nmとしたことが開示されている。
また特許文献3には、基材表面に酸化チタン膜や酸化錫膜を形成すると共に酸化チタン膜や酸化錫膜の表面平均粗さを1μm以上としたことが開示されている。
さらに特許文献4には、ガラス基板の表面に酸化チタン等の光触媒膜を形成し、この光触媒膜の表面に酸化珪素等の多孔質無機酸化膜を形成することが開示されている。
さらにまた特許文献5には、ガラス基材の表面に、アルカリ遮断膜及び光触媒膜を形成すると共に、光触媒膜の表面平均粗さを1.5〜800nmにすることが開示されている。
特開平6−183787号公報 特開平9−278431号公報 特開平9−295363号公報 特開平10−36144号公報 特開平10−231146号公報
洗面台や浴室などに備え付けた鏡では、耐久性が良く、かつ防曇性に優れたものが求められている。防曇性を持つ鏡として、透明基材上に銀膜及び保護膜を形成させて裏面鏡を作製し、表面側に親水性の機能を持たせたものが容易に考えられる。しかし前記のように銀膜の耐久性が悪いため、特殊なエッジ処理が必要となる。
特許文献1において、最表面の膜を珪素膜にした場合、高反射率のものが得られるため鏡としての特性は良いが、珪素膜の耐久性が悪いため、保護膜が必要である。最表面を酸化錫膜や酸化チタン膜にした場合、耐久性の良い表面鏡が得られるが親水性の機能はない。
また特許文献2〜4のいずれの先行技術も基材表面に親水性膜を形成すると共に、その表面を微細な粗面とすることで親水性を更に向上するものであるが、基材の表面が汚れた場合、洗剤等で表面を洗浄すると、その後の親水性の回復が遅い欠点がある。洗面台や浴室に備え付けた鏡は、その表面に石鹸やシャンプーや歯磨き粉等が付着し、表面が汚れやすいので、頻繁に洗剤で洗浄を行うが、洗浄後の親水性の回復が遅れると、表面に微細な水滴が付着しやすく防曇効果が薄れてしまう。
上記課題を解決するためになされた本発明は、ガラス基板の一方の主表面上に、550nmの波長において屈折率n1の膜、前記波長において屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3の酸化錫膜及びオーバーコート膜を順次形成させてなる親水性鏡であって、前記屈折率n1、n2、n3の関係がn1≧n3>n2であり、膜表面側から入射された光の可視光反射率が70%以上で、前記酸化錫膜がルチル型の結晶構造を有し、且つ前記オーバーコート膜が酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムから選択される少なくとも1種からなるものである。
また請求項2に記載の発明は、前記オーバーコート膜中の酸化珪素の含有率が80%以上である。
また請求項3に記載の発明は、前記屈折率n1の膜が珪素を主成分とするものである。
さらに請求項4に記載の発明は、前記屈折率n2の膜が酸化珪素を主成分とするものである。
さらに請求項5に記載の発明は、膜面側最表面の凹凸の表面平均粗さ(Ra)が0.5nm以上25nm以下である。
さらにまた請求項6に記載の発明は、前記屈折率n3の酸化錫膜の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下にすることで、最表面の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下にするものである。
また請求項7に記載の発明は、膜面側最表面の凹凸の平均間隔(Sm)が4nm以上300nm以下である。
さらに請求項8に記載の発明は、前記屈折率n1の膜、前記屈折率n2の膜、前記屈折率n3の酸化錫膜、前記オーバーコート膜の膜厚がそれぞれ屈折率n1の膜 :15nm以上45nm以下屈折率n2の膜 :20nm以上170nm以下屈折率n3の酸化錫膜:10nm以上200nm以下オーバーコート膜 :0.1nm以上90nm以下である。
つまり、本発明はガラス基板上に550nmの波長において屈折率n1の膜、前記波長において屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3の酸化錫膜及びオーバーコート膜を順次形成させることで、鏡として可視光反射率が70%以上の高い性能を持ち、オーバーコート膜により表面汚れが落ちやすく、表面洗浄後でも高い親水性を維持する耐久性のよい親水性鏡を得ることである。
本発明によれば、ガラス基板表面に直接あるいは下地膜を介して屈折率n1の膜、屈折率n2の膜、屈折率n3の酸化錫膜を形成し、この酸化錫膜の表面に酸化珪素などのオーバーコート膜を形成し、且つ最表面の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下としたことで、膜表面側から入射される光の可視光反射率が70%以上であり、且つ洗浄後の親水性の回復が極めて短時間のうちになされ、しかも回復した親水性の持続力が高いものが得られる。また表面が耐久性の良い膜で覆われているため、親水性鏡として有効に利用されることができる。特に浴室や洗面台に備え付ける鏡に有効に適用される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、ガラス基板上に550nmの波長における屈折率n1の膜、550nmの波長における屈折率n2の膜その上に550nmの波長における屈折率n3の酸化錫膜を順次形成し、さらにその上にオーバーコート膜を形成させて親水性鏡としている。この場合、前記屈折率n3の酸化錫膜の上にオーバーコート膜を形成することは反射増強としては逆効果となり多少反射率は低下してしまう。しかしながら、前記構成にすることによって、表面汚れが簡単に落とせ、表面洗浄後でも親水性を維持することが出来る。また表面が酸化錫膜及び前記オーバーコート膜で覆うことが耐久性の良い表面鏡を作るためには必要である。
ここで前記屈折率n1の膜はいわゆる鏡としての反射層の役割を持ち、前記屈折率n2の膜及び前記屈折率n3の酸化錫膜は反射増強層の役割を持つ。これらの膜の屈折率の関係は、可視光反射率を70%以上の高反射を得るためにn1≧n3>n2が必要である。
550nmの波長における屈折率n1及びn2の値は、酸化錫膜の550nmの波長における屈折率n3が2.0程度であるため、n1は2.0以上、n2は1.8以下が好ましい。また屈折率n1と屈折率n2の差(n1>n2)が大きいほど可視光反射率が大きくなるので、n1は大きいほど、n2は小さいほどより好ましい。
上記屈折率n3の酸化錫膜は、ルチル型の結晶構造を有すると表面に適度な凹凸が得られ、この上に形成されたオーバーコート膜表面には、酸化錫膜の凹凸が転写され微細な凹凸が形成されるので、この凹凸により親水性表面は、ますます親水性が向上するので好ましい。
オーバーコート膜として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたは酸化チタンの中から少なくとも1種選択されるのが好ましい。
オーバーコート膜中の酸化珪素の含有率が80%以上が好ましい。この理由は、80%以上であるとオーバーコート膜が非晶質となり、オーバーコート膜の下の形状に追随した表面を得ることができるので、また屈折率が低い膜となり、鏡としての性能を損なわないので好ましい。
基材の上に前記酸化錫膜を形成し、この酸化錫膜の表面粗さを粗面とした場合には特許文献3にも記載されているように親水性は発揮される。しかしながら、一旦浴用石鹸で表面を洗浄すると、水の接触角は70°〜80°になってしまう。一方、上記の酸化錫膜の表面に酸化珪素膜等のオーバーコート膜を薄く形成すると、洗浄後の水との接触角は10°未満になる。これは、表面極性的に酸化錫膜と酸化珪素膜とが対極にあり、浴用石鹸は陰イオン系なので、洗浄後に超親水性を呈するためと考えられる。
550nmの波長における屈折率がn1の膜は、珪素を主成分とする膜が好ましい。この理由は、珪素が特に高屈折率を有する、さらに熱分解法で容易に形成されるからである。また珪素膜には炭素、窒素、酸素などが含まれても良い。この場合の屈折率n1は含まれる不純物の物質や量によって異なり、3.0以上5.5以下の範囲となる。
550nmの波長における屈折率がn2の膜は、酸化珪素を主成分とする膜が好ましい。この理由は、酸化珪素が低屈折率を有する、さらに熱分解法で容易に形成されるからである。また酸化珪素膜には窒素、炭素、フッ素、チタン、錫、アルミ、ホウ素、燐などが含まれていても良い。この場合の屈折率n2は含まれる不純物の物質や量によって異なり、1.4以上1.6以下の範囲となる。
屈折率n1の膜とガラス基板の間に下地膜を形成させても良い。ガラス基板にソーダライムガラスを使用したときには下地膜を形成することによって屈折率n1の膜中へのアルカリの拡散を防止し、屈折率の低下を防ぐことができる。さらに下地膜の表面凹凸を変化させることにより最表面の表面凹凸を調整することもできる。
この下地膜の一例として酸化錫膜を挙げることができる。また前記屈折率n3の膜と前記下地膜の酸化錫膜にはインジウム、フッ素、アンチモン、塩素、炭素、珪素などが含まれていても良い。
下地膜の膜厚は100nm以下が好ましく、更に好ましい範囲は50nm以下である。下地膜の膜厚が厚くなるとヘイズ率が大きくなり、反射光が乱反射するため鏡としての機能が損なわれるので好ましくない。
最表面の表面平均粗さ(Ra)は0.5nm以上25nm以下が好ましい。0.5nmより小さいと親水性能が低くなり好ましくなく、25nmより大きくなるとヘイズ率が大きくなり、反射光が乱反射するため、鏡としての性能が損なわれ好ましくない。
酸化錫膜の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下とすることにより、この凹凸を最表面に転写することで、最表面の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下とすることが可能である。
また、凹凸の平均間隔(Sm)については、4nm以上300nm以下の範囲にするのが好ましい。平均間隔(Sm)が4nmより小さくても300nmより大きくても親水性の長期安定性が低く好ましくない。凹凸の平均間隔(Sm)の更に好ましい範囲は5nm以上150nm以下である。この範囲で親水性の長期安定性が更に良好である。
ここで、前記表面平均粗さ(Ra)を表示する方法としては、JIS B0601(1994)に定義されている算術平均粗さ(Ra)を用いる。算術平均粗さの値(nm)は「平均線からの偏差の絶対値」と表現され、次式で与えられる。
また、凹凸の平均間隔(Sm)についても、前記表面平均粗さ(Ra)と同様にJIS B 0601(1994)で定義される。すなわち、凹凸の平均間隔の値(nm)は、「粗さ曲線が平均線と交差する交点から求めた山谷一周期の間隔の平均値」と表現され、次式で与えられる。
前記膜を積層した鏡において、各層の膜厚が以下の範囲であり、かつ可視光反射率が70%以上であることが好ましい。
屈折率n1の膜 :15nm以上45nm以下
屈折率n2の膜 :20nm以上170nm以下
酸化錫膜 :10nm以上200nm以下
オーバーコート膜:0.1nm以上90nm以下
屈折率n1、n2の膜厚が上記範囲から外れると可視光反射率が70%より低くなる。また酸化錫の厚さが10nmより小さいか或いは200nmより大きいと、所望の凹凸を得ることができないし、可視光反射率が70%より低くなる。オーバーコート層の厚さが0.1nmより小さいと均一な被膜にならず、90nmより大きいと表面の凹凸間隔が大きくなり、親水維持性能が確保できないし、可視光反射率が70%より低くなる。
さらに、各層の膜厚が以下の範囲であり、かつ可視光反射率が70%以上であり、かつ反射色調をa*、b*(クロマティックネス指数)で表したときに、√(a*2+b*2)の値が0以上10以下であることにより、反射色が自然の色により近づくため、より好ましい。
屈折率n1の膜 :15nm以上35nm以下
屈折率n2の膜 :40nm以上150nm以下
酸化錫膜 :10nm以上90nm以下
オーバーコート膜:0.1nm以上85nm以下
前記親水性鏡は30%以下の可視光透過率が得られる。これによりハーフミラーとしての使用が可能となる。また裏面側の像が透視されないように裏面のガラス表面に不透明層を形成させても良い。この不透明層の色を変化させることにより鏡表面の反射色を調整することも可能である。
各層を作製する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル法、液相析出法、焼き付け法、スプレー法、CVD法など何でも良いが、高温ガラス上に原料を供給し、ガラスの持つ熱を利用して成膜させる熱分解法スプレー法及びCVD法が有効である。
ガラス基板は鏡が作製できるようなものであれば何でも良いが、ソーダライムガラスのような生産性の良いフロート法で製造されるガラスが好ましい。
高温ガラスは予め成形されたガラスを再度加熱しても良いが、フロートガラス製造時のフロートバス内やフロートバスから出てきたガラス表面に原料を供給して成膜させる方法、いわゆるオンライン成膜法を利用すると加熱装置が不要、大面積への成膜が可能となるため、より好ましい。
また前記熱分解法と他の製法を組み合わせて作製する方法、例えば屈折率n1の膜、屈折率n2の膜、屈折率n3の酸化錫膜を熱分解法にて作製し、オーバーコート膜をゾルゲル法、スパッタリング法で作製するような方法を用いても良い。
熱分解法にて珪素膜を成膜する場合に使用する原料は、例えばモノシランやジシランのようなシランガスやジクロロシラン、四塩化珪素などが挙げられる。
熱分解法にて酸化珪素膜を成膜する場合に使用する原料は、珪素原料としては例えばモノシランガスやジシランガスなどのシランガスやジクロロシラン、四塩化珪素などの無機化合物、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジブトキシジアセトキシシランなどの有機化合物が挙げられる。また酸素源として、酸素、オゾン、アセトン、二酸化炭素などが挙げられる。シランガスを使用する場合、エチレンやエタンなどを添加すると酸化珪素膜を安定して成膜できる。
熱分解法にて酸化錫膜を成膜する場合に使用する原料は、例えば四塩化錫などの無機化合物や、モノメチル錫トリクロライド、モノブチル錫トリクロライド、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、テトラメチル錫、テトラブチル錫、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテートなどが挙げられる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る表面鏡の拡大断面図である。
(a)に示す実施例にあっては、ガラス基板1の表面に珪素膜2、酸化珪素膜3、酸化錫膜4、酸化珪素膜5を順次形成している。
(b)に示す実施例にあっては、ガラス基板1と珪素膜2との間に下地膜6として酸化錫膜を形成させている。
(c)に示す実施例にあっては、ガラス基板1の裏面に不透明層7を形成させている。
本実施例では図4に示すようなフロートガラス作製時のフロートバス13内にて熱分解CVD法にて前記膜を形成させた。成膜はガラスが所定の厚さに成形された後、すなわちガラス温度が600℃〜750℃の範囲にて行われる。各膜の成膜のためにそれぞれ成膜装置15〜19をフロートバス13内に挿入し、珪素膜2は成膜装置16にて窒素で希釈されたモノシランを、酸化珪素膜3を成膜装置17にて窒素で希釈されたモノシラン、エチレン、酸素を、酸化錫膜4を成膜装置18にて窒素で希釈されたジメチル錫ジクロライド、酸素、水を、酸化珪素膜5を成膜装置19にて窒素で希釈されたモノシラン、エチレン、酸素をガラス表面に供給して順次形成させた。それぞれの膜厚は原料濃度を変更して調整した。また下地膜6として酸化錫を成膜させる場合には、前記ガラス表面に成膜装置15にて窒素で希釈されたジメチル錫ジクロライド、酸素、水を供給した。
具体的には、実施例1〜7、11〜14、及び比較例1〜6は、上記成膜装置16,17,18,19を用いてガラス表面上に珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜、酸化珪素膜を順次形成後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの大きさの親水性鏡を作製した。実施例8、15は、上記成膜装置15〜19を用いてガラス表面上に酸化錫膜、珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜及び酸化珪素膜を順次形成後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの大きさの親水性鏡を作製した。
実施例9は、上記成膜装置15〜18を用いてガラス表面上に酸化錫膜、珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜を順次形成後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの大きさの鏡板を作製した。次にこの鏡板上に公知技術であるゾルゲル法を用いて酸化珪素膜を形成し、親水性鏡を作製した。
実施例10は、実施例9と同様な方法でガラス表面上に酸化錫膜、珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜を順次形成後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの大きさの鏡基板を作製した。次にこの鏡基板上に公知技術であるスパッタリング法を用いて酸化珪素膜を形成し、親水性鏡を作製した。
比較例7〜9は、上記成膜装置16,17,18を用いてガラス表面上に珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜を順次形成後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの大きさの鏡を作製した。
比較例10〜11は、上記成膜装置15〜18を用いてガラス表面上に酸化錫膜、珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜を順次形成後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの大きさの鏡を作製した。
本実施例では、実施例9および10の最上層オーバーコート膜以外はすべてフロートバス13内にて成膜したが、酸化珪素膜や酸化錫膜などの酸化物膜は徐冷部14にて成膜させても良い。この場合、溶液や粉体原料を用いるスプレー法で行っても良い。また最上層のオーバーコート膜は、実施例9および10の熱分解CVD法以外のゾルゲル法、スパッタリング法を用いて成膜させてもよい。
前記方法にて形成された珪素膜2、酸化珪素膜3、酸化錫膜4、酸化珪素膜5、下地膜6はそれぞれ以下の膜厚になっており、膜表面側から入射した光の可視光反射率が70%以上となっている。
下地酸化錫膜 :0nm以上50nm以下
珪素膜 :15nm以上45nm以下
酸化珪素膜 :20nm以上170nm以下
酸化錫膜 :10nm以上200nm以下
オーバーコート膜:0.1nm以上90nm以下
更に好ましい範囲は以下であり、この範囲で可視光反射率70%で、かつ反射色調をa*、b*(クロマティックネス指数)で表したときに、√(a*2+b*2)の値が0以上10以下であることにより、反射色が目立たなくなる。
下地酸化錫膜 :0nm以上50nm以下
珪素膜 :15nm以上35nm以下
酸化珪素膜 :40nm以上150nm以下
酸化錫膜 :10nm以上90nm以下
オーバーコート膜:0.1nm以上85nm以下
このときの珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜の550nmの波長における屈折率は以下になっている。
珪素膜 :4.7 酸化珪素膜:1.46 酸化錫膜 :2.0 酸化錫膜4の表面平均粗さ(Ra)は0.5nm以上25nm以下、表面の凹凸の平均間隔(Sm)は4nm以上300nm以下になっている。また酸化錫膜4はルチル型の結晶構造となっている。その上に形成した酸化珪素膜5は酸化錫膜4の凹凸がそのまま転写され、酸化珪素膜5の表面平均粗さ(Ra)も0.5nm以上25nm以下、表面の凹凸の平均間隔(Sm)も4nm以上300nm以下になっている。
このように、表面に微細な凹凸を形成することで、親水性表面は更に親水性が向上する。即ち、表面に微細な凹凸を形成することで表面積がr倍になった場合には、平滑表面の時の水との接触角をθ、凹凸を形成したときの水との接触角をθ’とすると、Wenzelの式から、cosθ’=rcosθ(90°>θ>θ’)が成り立つ。例えば、平滑表面の時の水に対する接触角が30°の部材の表面に、凹凸を形成して表面積を1.1倍にすると、上式から、cosθ’=1.1cos30°=0.935となり、これからθ’=17.7°となる。同様にして、表面積を1.15倍にすると、θ’は5.2になる。
尚、θが90°以上の場合、つまり表面が疎水性(撥水性)の場合には、表面積が大きくなると、θ’も大きくなる。即ち、表面に微細な凹凸を形成することで、親水性表面は益々親水性になり、疎水性表面は益々疎水性になる。
表1は本発明に係る各層の膜厚と膜表面側から入射された光の可視光反射率及び反射色調をa*、b*(クロマティックネス指数)で表したときの、√(a*2+b*2)の値を示したものである。なお、可視光反射率をJIS R 3106−1998に従って、反射色をJIS Z 8722−1982に従って、島津製作所製UV−3100型分光光度計により測定し、JIS Z 8729−1980において規定されるL*、a*、b*表色系クロマティックネス指数のa*、b*を計算した。
実施例1〜10の膜構成では可視光反射率が70%以上で、且つ√(a*2+b*2)が10以下となっている。実施例11〜15の膜構成では反射率が70%以上となっている。それに対し比較例1〜6の膜構成では可視光反射率が70%未満となっている。
次に、前記実施例および比較例のサンプルについて、表面平均粗さ(Ra)および凹凸の平均間隔(Sm)を測定した。これらの値の測定は、原子間力顕微鏡(AFM)や電子顕微鏡を用いて観察し、測定した断面曲線から計算した。
更に、サンプルを浴用石鹸で洗浄し、サンプル表面の水に対する濡れ性を確認するため、接触角の変化の測定を行った。水との接触角は、サンプル表面の洗浄直後、2時間経過後および200時間経過後に測定した。
表2に実施例1、4、6、9、15と、これらの膜構成で酸化珪素のオーバーコート膜のない比較例7〜11での洗剤による洗浄後の水との接触角の変化、平均表面粗さ(Ra)および平均間隔(Sm)の結果を示した。
実施例ではどの場合でも洗浄直後から水との接触角は10°以下となり、且つ長期間にわたって親水性が持続することがわかる。これに対し、オーバーコート膜を形成させない場合には、平均表面粗さ(Ra)は同等にも拘わらず洗浄直後から水との接触角は大きく、親水性を示さない。
本発明に係る親水性鏡の拡大断面図。 下地層を有する親水性鏡の拡大断面図。 不透明層を有する親水性鏡の拡大断面図。 本発明に係る親水性鏡の製造用フロートガラス製造ラインでの成膜装置の配置を示す概略図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 屈折率n1の膜(珪素膜)
3 屈折率n2の膜(酸化珪素膜)
4 酸化錫膜
5 オーバーコート膜(酸化珪素膜)
6 下地膜(酸化錫膜)
7 不透明層
11 ガラス
12 溶融窯
13 フロートバス
14 徐冷部
15 成膜装置
16 成膜装置
17 成膜装置
18 成膜装置
19 成膜装置

Claims (8)

  1. ガラス基板の一方の主表面上に、550nmの波長において屈折率n1の膜、前記波長において屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3の酸化錫膜及びオーバーコート膜を順次形成させてなる親水性鏡であって、前記屈折率n1、n2、n3の関係がn1≧n3>n2であり、膜表面側から入射された光の可視光反射率が70%以上で、前記屈折率n3の酸化錫膜がルチル結晶構造を有し、前記オーバーコート膜が酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムからなることを特徴とする親水性鏡。
  2. 前記オーバーコート膜中の酸化珪素の含有率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の親水性鏡。
  3. 前記屈折率n1の膜が珪素を主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の親水性鏡。
  4. 前記屈折率n2の膜が珪素を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の親水性鏡。
  5. 膜面側最表面の凹凸の表面平均粗さ(Ra)が0.5nm以上25nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の親水性鏡。
  6. 前記屈折率n3の酸化錫膜の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下にすることで、最表面の凹凸の表面平均粗さ(Ra)を0.5nm以上25nm以下にすることを特徴とする請求項5に記載の親水性鏡。
  7. 膜面側最表面の凹凸の平均間隔(Sm)が4nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の親水性鏡。
  8. 前記屈折率n1の膜、前記屈折率n2の膜、前記屈折率n3の酸化錫膜、オーバーコート膜の膜厚がそれぞれ以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の親水性鏡。
    屈折率n1の膜 :15nm以上45nm以下
    屈折率n2の膜 :20nm以上170nm以下
    屈折率n3の酸化錫膜 :10nm以上200nm以下
    オーバーコート膜 :0.1nm以上90nm以下
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