JP2004302007A - 光導波路部材及び光メモリ素子 - Google Patents

光導波路部材及び光メモリ素子 Download PDF

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聡 江崎
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啓 石原
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Abstract

【課題】再生画面におけるノイズ画像が低減され、光メモリ素子に記録されている情報が確実に再生されるようにした光導波路部材及び光メモリ素子を提供すること。
【解決手段】光導波路として機能する光透過性樹脂からなるコア層101と、このコア層101の両面から挟む形で設けられた光透過性樹脂からなる第1及び第2のクラッド層102とを備えた複数の光導波路部材103と、この複数の光導波路部材103から構成された積層体を上下から挟む2枚の樹脂フィルム105,105’とを有し、光導波路部材103中に含有されるベンゼン環の濃度が、単位重量当たり4×10−4モル以下であり、再生像における本信号像強度に対するサテライト信号像強度の割合が0.3以下である、再生像のノイズが大幅に低減された光メモリ素子100。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光メモリ素子及び光メモリ素子の製造方法に関し、より詳しくは、再生画面におけるノイズ画像が低減された光メモリ素子及び光メモリ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光透過性材料である光硬化性樹脂を用いて形成された、予め所定の散乱光を生じるようにパターンが刻まれた平面型の光導波路中に光を導入し、光導波面の外部に画像を結像させる光メモリ素子が報告されている(特許文献1、特許文献2)。例えば、図3に模式的に示した光メモリ素子300は、光導波路として機能するように屈折率や膜厚が調整され、表面に微細な凹凸が形成された光硬化性樹脂からなるコア層301と、このコア層301を挟む形でその両面部に設けられた光硬化性樹脂からなる第1及び第2のクラッド層302とを備えた光導波路デバイス306が複数積層された構造を有し、コア層301にレーザ光303を導入すると、導入光の一部が微細な凹凸部分で散乱し、散乱光304がクラッド層302を通じて外部に散乱する。
【0003】
光硬化性樹脂を用いることにより、コア層301の表面に微細な凹凸を簡便な方法で形成することが可能となり、この微細な凹凸により、コア層301は情報の記録層として機能する。また、外部に散乱した散乱光304は、所定距離に設置した受像機305に受光され、結像画像を2次元のデジタルパターン化してデジタル信号化され、既存のディジタル画像処理装置により所望の画像処理が行われる。このような光導波路デバイス306を複数積層した光メモリ素子300の容量は積層数に比例し、ROM等の記録媒体として使用できる。このような光メモリ素子300における1層の容量は、理論上、約1ギガバイト程度であり、300層程度まで積層することが可能であるといわれており、将来的には、動画像の記録等に十分対応できる大容量の光硬化性樹脂製ROMとして使用されることが有望視されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−27714号公報
【特許文献2】
特開2002−358789号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような光硬化性樹脂により形成された光メモリ素子にレーザ光を照射し、コア層から外部に散乱した散乱光を所定距離に設置したCCD受像機に受光し、適当な画像処理を行って再生像を得ると、再生像の近傍にサテライト信号と呼ばれるノイズ画像が発生することがある。このサテライト信号は、設計上得られるはずがない結像像である。このようなサテライト信号が観測されると、本来観測されるべき信号(本信号)に対するサテライト信号の比が増大し、延いてはエラーレートが大きくなり、実質的に、コア層に記録された光情報が正確に再生できなくなるので、対策が必要とされている。
【0006】
本発明は、このような光導波路部材を有する光メモリ素子を開発する中で浮き彫りになった課題を解決すべくなされたものである。即ち本発明の目的は、再生画面におけるノイズ画像が低減され、光メモリ素子に記録されている情報が確実に再生されるようにした光メモリ素子及び光メモリ素子の製造方法に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決すべく、本発明においては、コア層中に含有されるベンゼン環濃度を一定の範囲以下にしている。即ち、本発明が適用される光導波路部材は、結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンを備えた光透過性樹脂からなるコア層と、このコア層の両面に形成された光透過性樹脂からなる一組のクラッド層と、を有し、コア層及びクラッド層の単位重量当たりに含有されるベンゼン環の濃度が、4×10−4モル以下であることを特徴とするものである。特に、本発明が適用される光導波路部材を構成するコア層の単位重量当たりに含有されるベンゼン環の濃度が、11×10−4モル以下であることが好ましく、この光導波路部材を有することにより、光メモリ素子の再生画面におけるノイズ画像が低減される。
【0008】
次に、本発明が適用される光導波路部材は、結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンを備えた光透過性樹脂からなるコア層と、このコア層の両面に形成された光透過性樹脂からなる一組のクラッド層と、を有するものであって、このようなコア層は、放射線硬化性単量体及び/又はオリゴマー100重量部と、これに対して分子内にベンゼン環が結合された分子構造を有する放射線開始剤0.01重量部以上3重量部以下を配合してなる放射線硬化性樹脂組成物の硬化物から形成されることを特徴としている。このような硬化物から形成されたコア層を備える光導波路部材を用いることにより、再生画面のノイズ画像が低減され、記録されている情報が確実に再生される光メモリ素子を得ることができる。
【0009】
一方、本発明は、結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンを備えた光透過性樹脂からなるコア層と、このコア層に積層された光透過性樹脂からなるクラッド層とを有し、このコア層から生じた所定の散乱光に基づく本信号像強度に対するサテライト信号像強度の比が0.3以下であることを特徴とする光メモリ素子として把握される。特に、この光メモリ素子を構成するコア層及びクラッド層の単位重量当たりに含有されるベンゼン環の濃度が、4×10−4モル以下であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本実施の形態が適用される光メモリ素子及び光メモリ素子の製造方法について詳述する。
図1は、本実施の形態が適用される光メモリ素子を説明するための図である。図1に示された光メモリ素子100(積層型の光メモリ素子、積層導波路型ホログラム素子、MWH素子)は、光導波路として機能する光透過性樹脂からなるコア層101と、このコア層101の両面から挟む形で設けられた光透過性樹脂からなる第1及び第2のクラッド層102とを備えた複数(ここでは3個)の光導波路部材103と、この複数の光導波路部材103から構成された積層体を上下から挟む2枚の樹脂フィルム105,105’と、最下層を形成してこれらの積層体を載置する硬化クラッド材層104と、この硬化クラッド材層104と樹脂フィルム105とを接着するための硬化コア材層106と、樹脂フィルム105,105’を光導波路部材103の上下に設けた第1及び第2のクラッド層102にそれぞれ接着させるための2個の硬化コア材層106’,106”と、を有する。
【0011】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100が有する光導波路部材103は、前述したように、光導波路として機能するコア層101と、このコア層101の両面から挟む2個のクラッド層102とから構成される。コア層101の表面には凸部108が設けられ、結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンが形成されている。また、コア層101は、光透過性樹脂により光導波路として機能するように屈折率や膜厚が調整されている。凸部108を設けることにより形成された凹凸パターンは、強度,位相,角度などに関する情報を含むものとして構成され、例えば、強度情報と位相情報とを含むもの、強度情報と角度情報とを含むもの、強度情報のみを含むもの等が挙げられる。
【0012】
コア層101及びクラッド層102は、光透過性樹脂から形成され、また、光メモリ素子100を製造する際にコア材やクラッド材を硬化させるために照射する光の波長域において光透過性である。コア層101又はクラッド層102の波長550nmにおける光透過率は、通常、80%以上、好ましくは85%以上である。また、屈折率は、通常、1.45以上、好ましくは、1.48以上である。但し、通常、1.60以下、好ましくは、1.55以下である。尚、コア層101の屈折率に比べて、クラッド層102の屈折率は僅かに小さくなるように調製されている。また、コア層101の厚さは、通常、0.5μm以上である。但し、通常、3μm以下、好ましくは、2μm以下である。クラッド層102の厚さは、通常、1μm以上、好ましくは、3μm以上である。但し、通常、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
【0013】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100は、コア層101と2個のクラッド層102とから構成される光導波路部材103中に含有されるベンゼン環の濃度が、単位重量(1g)当たり4×10−4モル以下、好ましくは3×10−4モル以下であることが必要である。但し、0.1×10−4モル以上、好ましくは0.5×10−4モル以上である。コア層101と2個のクラッド層102とから構成される光導波路部材103中に含有されるベンゼン環の濃度が過度に大きい場合は、光メモリ素子100により得られる再生像にノイズが生じ、光メモリ素子100に記録されている情報が確実に再生されない場合がある。
【0014】
光導波路部材103を構成するコア層101とクラッド層102とは、通常、層を形成する光透過性樹脂の組成及び層の厚さが異なり、それぞれの層に含有されるベンゼン環の濃度は異なっている。この場合、光導波路部材103全体として含有され単位重量(1g)当たりのベンゼン環の濃度は、次式により求められる。
単位重量当たりのベンゼン環の濃度(モル)=aX+(1−a)Y (1)
式(1)中、aはコア層101と2個のクラッド層102との合計の厚さを1としたときのコア層101の厚さであり、(1−a)は2個のクラッド層102の厚さであり、Xは単位重量当たりのコア層101中に含有されるベンゼン環の濃度(モル)であり、Yは単位重量当たりのクラッド層102に含有されるベンゼン環の濃度(モル)である。
【0015】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100は、コア層101中に含有されるベンゼン環の濃度が、単位重量当たり11×10−4モル以下、好ましくは10×10−4モル以下であることが、特に必要である。但し、0.1×10−4モル以上、好ましくは0.5×10−4モル以上である。コア層101中に含有されるベンゼン環の濃度が、この範囲である場合は、光メモリ素子100により再生された再生像は、サテライト信号像によるノイズ画像がほとんど観測されないほどに低減され、再生信号のエラーレートが低くなるため、光メモリ素子100に記録されている情報が確実に再生される。
【0016】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100は、上述したように、情報用凹凸パターンが形成されたコア層101とコア層101の両面に積層されるクラッド層102とから構成された光導波路部材103を1個又は複数個積層させた構造を有し、コア層101の端面から入射されたレーザ光をコア層101に導き、コア層101に形成された情報用凹凸パターンにより散乱された散乱光をその出力面から外部へ信号光として出射させ、CCD受像機等により再生像を得るものとして構成される。
【0017】
このコア層101から散乱された散乱光からは、通常、本信号像とサテライト信号像とが観測される。本信号像とは、設計上あるべき位置に、所期の信号像が結像するものである。一方、サテライト信号像とは、所期の信号像と同じ像が、設計上あるべき位置とは異なる位置に結像するものである。また、本信号像とサテライト信号像のそれぞれの信号強度を測定するには、例えば、信号光を結像したCCD受像機等の出力信号を測定すればよい。
【0018】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100は、光メモリ素子100を構成する光導波路部材103中に含有される単位重量(1g)当たりのベンゼン環の濃度を、4×10−4モル以下であることにより、コア層101に形成された情報用凹凸パターンにより散乱された散乱光に基づく本信号像強度に対するサテライト信号像強度の割合が0.3以下、好ましくは、0.15以下である性能を有している。即ち、本実施の形態が適用される光メモリ素子100により再生された再生像は、サテライト信号像によるノイズ画像がほとんど観測されないほどに低減され、再生信号のエラーレートが低くなるため、光メモリ素子100に記録されている情報が確実に再生される。
【0019】
光導波路部材103を構成するコア層101又はクラッド層102を形成する光透過性樹脂としては、特に限定されないが、通常、光開始剤等の放射線開始剤の存在下で放射線硬化性単量体及び/又はオリゴマーに紫外線又は電子線等を照射し、放射線硬化反応により硬化させる放射線硬化性樹脂が挙げられる。これらの放射線硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系光硬化性樹脂、チオール系光硬化性樹脂、エポキシ系光硬化性樹脂等が挙げられる。これらの光硬化性樹脂が得られるための光硬化性単量体としては、具体的には、アクリル系光硬化性樹脂としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、2,2−ビス(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8−ジイルジメチルジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8−ジイルジメチルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート等が挙げられる。
【0020】
また、ビスフェノール化合物としては、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールAアクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、テトラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=ジアクリレート、テトラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、テトラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=アクリレートメタクリレート等が挙げられる。
【0021】
チオール系光硬化性樹脂が得られるための光硬化性単量体としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(チオグリコレート)、トリエチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、トリエチレングリコール(チオグリコレート)、ブタンジオールビス(β−チオプロピオネート)、ブタンジオールビス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコレート)等のチオグリコール酸エステル又チオプロピオン酸エステルが挙げられる。
【0022】
また、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシエトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオキシエトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス[3−(β−チオプロピオニルオキシ)プロピル]イソシアヌレート、トリス(3−チオグリコニルオキシプロピル)イソシアヌレート等のチオール基含有イソシアネート;ベンゼンジメルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジメルカプトジフェニルスルフィド等のチオール基含有炭化水素が挙げられる。
【0023】
また、エポキシ系光硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA−エピクロールヒドリン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、複素環式系エポキシ樹脂等のカチオン系紫外線硬化性エポキシ樹脂が挙げられる。
【0024】
前述した放射線硬化性樹脂は、通常、光開始剤等の放射線開始剤の存在下で放射線硬化性単量体及び/又はオリゴマーに紫外線等を照射して放射線硬化反応を行うことにより得られる。放射線開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線により開始反応を生じるものであれば、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系光開始剤、ベンゾフェノン系光開始剤等が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシジアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0025】
また、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド及びアシルホスフィン酸エステル類等を挙げることができる。
【0026】
また、カチオン系紫外線硬化性エポキシ樹脂の硬化反応に使用するカチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェード、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0027】
さらに、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0028】
これらの放射線開始剤は二種以上を併用することができる。放射線開始剤の配合量は、特に限定されないが、通常、放射線硬化性単量体及び/又はオリゴマー100重量部に対し、0.01重量部以上、好ましくは、0.05重量部以上である。但し、通常、10重量部以下、好ましくは、5重量部以下、より好ましくは、3重量部以下、特に好ましくは、2重量部以下である。
【0029】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100において、コア層101を放射線硬化性樹脂により形成する際に、放射線開始剤として、例えば、アセトフェノン系光開始剤、ベンゾフェノン系光開始剤等のように、分子内にベンゼン環が結合された分子構造を有する化合物を使用する場合は、コア層101は、放射線硬化性単量体及び/又はオリゴマー100重量部と、これに対して、分子内にベンゼン環が結合された分子構造を有する放射線開始剤3重量部以下、好ましくは、2重量部以下を配合した放射線硬化性樹脂組成物を放射線硬化反応を行うことにより硬化させて形成することが必要である。コア層101を形成するために使用される放射線硬化性樹脂組成物中の、分子内にベンゼン環が結合された分子構造を有する放射線開始剤の配合量が過度に多い場合は、コア層101に含有されるベンゼン環の濃度が増大し、光メモリ素子100により得られる再生像にノイズが生じるサテライト現象が観測されるので好ましくない。
【0030】
本実施の形態が適用される光メモリ素子100において、樹脂フィルム105,105’としては、光透過性材料であれば特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられる。また、非晶質ポリオレフィン樹脂フィルム(例えば、ジェイエスアール社製アートン(登録商標))等も使用することができる。樹脂フィルム105,105’は、コア層を導波させるレーザ光の波長域において透明で、光学的な特性や膜厚の均一性、力学的な強度等が許す限り、できるだけ薄い方が良く、例えば、100μm以下の厚さのものが好ましい。
【0031】
尚、本実施の形態が適用される光メモリ素子100において、2つの硬化コア材層106,106’及び硬化クラッド材層104は、それぞれ、コア層101とクラッド層102とを形成するために使用する材料と同様に、光透過性材料であるコア材及びクラッド材を用いて形成される。但し、2つの硬化コア材層106,106’は、光導波路部材103を構成するコア層101と異なり、凹凸パターンが設けられておらず、専ら、硬化クラッド材層104と樹脂フィルム105との間の接着のために用いられ、情報再生層としては機能しない。また、硬化クラッド材層104も、光導波路部材103を構成する2つのクラッド層102と異なり、光導波路部材103を構成するものではなく、専ら、後述する光メモリ素子100を作製するための使用する作製用ベース基板としてのガラス基板等と硬化コア材層106との接着のために用いられる。また、接着剤としてのコア材又はクラッド材は、屈折率が特定値のものを用いる必要はなく、樹脂フィルム105や、後述する光メモリ素子100を製造する際に使用される作製用ベース基板の材質を考慮して接着相性の良い組み合わせを選定すれば良い。例えば、光硬化型、熱硬化型、室温硬化型、ホットメルト型、2液混合型等の各種の型の接着剤が適用可能であり、材質としては、アクリル系、エポキシ系、シアノアクリレート系、ウレタン系、オレフィン系等を用いることができる。
【0032】
次に、本実施の形態が適用される光メモリ素子の製造方法について、図2(A)〜(E)に基づき詳述する。
図2(A)〜図2(E)は、本実施の形態が適用される光メモリ素子の製造方法を説明するための図である。ここには、クラッド層に光透過性スタンパをラミネートして凹凸パターンを転写する方法(クラッド転写法)により光メモリ素子の製造する方法が示されている。
【0033】
(基体接着工程)
図2(A)に示すように、まず、光メモリ素子を製造するための作製用ベース基板107上に、所定の膜厚(例えば、硬化時に約5μm)となるように液状紫外線硬化性樹脂からなるクラッド材を塗布し、紫外線を照射して硬化させ硬化クラッド材層104を形成する。作製用ベース基板107としては、例えば、数mm厚のガラス基板、ポリカーボネート製基板、非晶質ポリオレフィン製基板等の硬質基板(例えば、厚さ約0.1mm〜約3mm程度)を用いる。尚、作製用ベース基板107は、クラッド層102やコア層101を形成するために用いられる紫外線硬化性樹脂の収縮により、クラッド層102やコア層101が反らないだけの強度を備えるものであれば良い。
【0034】
次に、硬化クラッド材層104の表面上に、液状紫外線硬化性樹脂から成るコア材を所定の膜厚(完全硬化時に約1.8μm程度)になるように塗布し、次に、塗布したコア材の表面上に、樹脂フィルム105を、気泡が入らないように貼着(ラミネート)し、この状態で、紫外線を照射してコア材を硬化させ、硬化コア材層106を形成するとともに、樹脂フィルム105と硬化コア材層106とを接着する。尚、コア材及びクラッド材の塗布方法は、例えば、スピンコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の湿式製膜法が好ましい。
【0035】
(コア層形成工程)
次に、樹脂フィルム105上に、所定の膜厚(例えば、完全硬化時に約1.8μm)となるように、コア材を塗布した後、紫外線照射により硬化させて硬化コア材層106’を形成する。次に、この硬化コア材層106の表面上に、所定の膜厚(例えば、完全硬化時に約15〜約20μm)となるようにクラッド材を塗布し、続いて、図2(B)に示すように、塗布されたクラッド材の表面上に、結像させたい画像(情報)に応じた所望の凹凸パターン(凸形状;ピット)を表面に刻まれた光透過性スタンパ201をラミネート(貼着)し、この状態で、光透過性スタンパ201の裏面側から紫外線を照射して、塗布されたクラッド材を一部硬化させたクラッド層102を形成する。
【0036】
次に、図2(C)に示すように、光透過性スタンパ201をクラッド層102剥離(分離)した後、紫外線を照射して、クラッド層102を完全に硬化させ、光透過性スタンパ201の凹凸パターンが転写された凹部109を有するクラッド層102を形成する。続いて、図2(D)に示すように、クラッド層102の表面上に、コア材を所定の膜厚(完全硬化時に約1.8μm程度)になるように塗布し、図2(E)に示すように、塗布されたコア材に紫外線を照射して硬化させ、光透過性スタンパ201の凹凸パターンが転写された凸部108を有するコア層101を形成する。尚、クラッド層102は上述したように1層として形成しても良いが、膜厚を安定させるために2層に分けて形成してもよい。
【0037】
(積層体形成工程)
以後、上述と同様の処理(図2(A)〜(E))を繰り返し、光メモリ素子を作製するための作製用ベース基板107上に、コア層101及びクラッド層102から構成される光導波路部材を所望の積層数(例えば、100層程度)になるまで連続して積層する。
【0038】
尚、図示しないが、本実施の形態が適用される光メモリ素子の製造方法においては、上述のように、光導波路部材を所望の数だけ積層させた後、最後に最上層のクラッド層102の表面上に、所定の膜厚(例えば、完全硬化時に約1.8μm)となるように、コア材を塗布し、その表面上に、樹脂フィルム105’を貼着(ラミネート)し、この状態で、紫外線照射によりコア材を硬化させて硬化コア材層106”を形成するとともに、樹脂フィルム105’と硬化コア材層106”とを接着させ、最上層に樹脂フィルム105’を有する積層体を形成する。
【0039】
(積層体分離工程)
最後に、このようにして作製された積層体(コア層101及び2個のクラッド層102からなる光導波路部材の積層体を樹脂フィルム105,105’で挟んだ構造体)は、光メモリ素子を作製するための作製用ベース基板107から剥離(分離)し、光メモリ素子が製造される。
【0040】
このように、本実施の形態では、積層されたコア層101とクラッド層102とがいずれも光透過性樹脂により形成され、しかも、凹凸パターンが形成されるコア層101には光硬化性樹脂を用いているので、従来のようにフォトレジストの露光、現像処理等を用いなくても、スタンパからの転写によって、コア層101の表面に容易に所望形状の凹凸部を形成することが可能になる。
【0041】
尚、本実施の形態が適用される光メモリ素子の製造方法では、上述のコア層形成工程において、塗布されたコア材を硬化させてコア層101を形成する処理(図2(E)参照)を、コア材の表面の周囲の酸素濃度を低減させた状態で行なうことが好ましい。酸素濃度を低減させた状態とは、例えば、酸素濃度が5容量%以下の状態、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス(例えば、Ar,He,Ne等などの希ガスを含む)雰囲気下等が挙げられる。
【0042】
尚、本実施の形態では、クラッド層102に光透過性スタンパ201をラミネートして凹凸パターンを転写するクラッド層転写法を採用しているが、これに限定されるものではなく、コア層101に光透過性スタンパ201をラミネートして凹凸パターンを転写するコア層転写法により光メモリ素子を製造することも可能である。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本実施の形態を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。また、実施例、比較例及び表中の部又は%は、特に断らない限り総て重量基準である。
(光透過性スタンパ)
表面に画像情報に応じた凹凸形状を有する金属ニッケル製スタンパ上に、表2に示した組成からなるクラッド材aを塗布し、紫外線照射(800mJ/cm)によりて硬化させ、5μm厚の硬化クラッド材層(屈折率=1.49)を形成した。次に、この硬化クラッド材層上に、表1に示した組成からなるコア材aを塗布し、さらに、厚さ100μmの樹脂フィルム(ジェイエスアール株式会社製:アートンフィルム)を、ゴムローラで圧着しながら、ゆっくりと貼着し、紫外線照射(800mJ/cm)によりて硬化させ、1.8μm厚の硬化コア材層(屈折率=1.49)を形成し、樹脂フィルムと硬化コア材層/硬化クラッド材層とを接着した後、金属ニッケル製スタンパから樹脂フィルムと硬化コア材層/硬化クラッド材層とを一体に分離し、光透過性スタンパを作製した。尚、紫外線照射によりコア材a又はクラッド材aを硬化させる操作は、酸素濃度1%以下の窒素雰囲気下にて行った。
【0044】
【表1】
Figure 2004302007
【0045】
【表2】
Figure 2004302007
【0046】
(再生像の観察)
作製した光メモリ素子を、ダイシングソーを用いて縦45mm、横38mmの大きさに切断し、評価用片を作成した。一方、波長680nm、強度約5mWの半導体レーザを、縦5μm、横約1cmの光束に絞り、コア層に入るように調整した。各層でデータが描画されている領域の幅は26.5mmである。コア層に入射したレーザ光がコア層内を伝播し、凹凸によってコア層と垂直方向に散乱した散乱光により結像した再生像を直接CCD上に投影し、所期の画像(本信号)及びノイズ画像(ノイズ信号)を観察した。
次に、CCDにて受光した光をディジタル画像処理装置で画像処理し、本信号とノイズ信号の強度を測定し、サテライト信号強度α(ノイズ信号強度/本信号強度)を求めた。
【0047】
(コア層及びクラッド層のベンゼン環濃度)
コア層及びクラッド層の1g当たりのベンゼン環濃度は、後述するように、計算により求めた(単位:モル)。尚、コア層及びクラッド層に含まれるベンゼン環濃度は、前述した光メモリ素子の評価用片について、共焦点顕微ラマン分光光度計の測定結果から、ベンゼン環に相当する面積に基づき求めることができる。
【0048】
(実施例1)
1.6mm厚のガラス基板上に、表2に示した組成のアクリル系紫外線硬化性樹脂組成物(屈折率n=1.49)であるクラッド材aを塗布した後、紫外線照射(800mJ/cm)により硬化させ、5μm厚の硬化クラッド材層を形成し、この硬化クラッド材層上に、表1に示した組成のアクリル系紫外線硬化性樹脂組成物(屈折率n=1.49)であるコア材aを塗布した後、厚さ100μmの樹脂フィルム(ジェイエスアール株式会社製アートン(登録商標))をゴムローラで圧着しながら、ゆっくりと貼着し、この上から紫外線を照射(800mJ/cm)して、樹脂フィルムを硬化コア材層/硬化クラッド材層と接着し、さらに、この樹脂フィルム上に、コア材aを塗布した後、紫外線照射(2400mJ/cm)により硬化させ、1.8μm厚の硬化コア材層を形成し、その上に、クラッド材aを塗布した後、紫外線照射(800mJ/cm)により硬化させ、5μm厚の硬化クラッド材層を形成した。
【0049】
次に、この硬化クラッド材層の上に、さらに、クラッド材aを塗布し、続いて、予め表面に画像情報に応じた凹凸形状が形成された光透過性スタンパを、転写面がクラッド材に接する向きに、ゴムローラで圧着しながら、ゆっくりと貼着し、この上から、紫外線を照射(10mJ/cm)して、クラッド材aを硬化させた後、光透過性スタンパのみを剥離し、その後、さらに紫外線を照射(800mJ/cm)して、クラッド材aを完全に硬化させ、12μm厚のクラッド層(屈折率n=1.51)を形成した。
【0050】
次に、このクラッド層上に、コア材aを塗布し、紫外線照射(2400mJ/cm)により硬化させ、1.8μm厚のコア層(屈折率n=1.52)を形成した。さらに、このコア層上に表2に示したクラッド材aを塗布した後、紫外線照射(800mJ/cm)により硬化させ、12μm厚のクラッド層(屈折率n=1.51)を形成した。最後に、ガラス基板を剥離し、樹脂フィルム上に形成された1単位の光導波路部材を有する光メモリ素子を作製した。尚、紫外線照射によりコア材a又はクラッド材aを硬化させる操作は、酸素濃度1%以下の窒素雰囲気下にて行った。
【0051】
表1に示した組成からなるコア材aを使用して形成したコア層中に含有される1g当たりのベンゼン環の濃度は、以下のようにして求められる。
ビスフェノールFエトキシ変性ジアクリレート(日本化薬社製;カヤラッドR−712)は1分子中にベンゼン環を2個有し、コア材a1g当たりのベンゼン環数に換算すると、{(20/102)/484}×2=8.10×10−4モルとなる。
また、光重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー社製ダロキュア1173)は1分子中にベンゼン環を1個有し、コア材a1g当たりのベンゼン環数に換算すると、(2/102)/164=1.20×10−4モルとなる。
従って、表1に示した組成からなるコア材aを使用して形成したコア層中に含有される1g当たりのベンゼン環の濃度は、(8.10×10−4モル+1.20×10−4モル)=9.30×10−4モルとなる。
【0052】
また、表2に示した組成からなるクラッド材aを用いて形成したクラッド層中に含有させる1g当たりのベンゼン環の濃度は、1.20×10−4モルとなる。
【0053】
コア層の膜厚が1.8μmであり、クラッド層の膜厚が12μmであるので、光導波路部材1g当たりのベンゼン環の濃度は、[{1.8/(12+1.8)}×9.30×10−4]+[{12/(12+1.8)}×1.20×10−4]=2.25×10−4モルとなる。
【0054】
このように作製した光メモリ素子に所定の条件でレーザ光をコア層に入射させて得られた再生像は、所期の画像(本信号)の他にはノイズ画像(ノイズ信号)がほとんど観察されず、また、サテライト信号強度の比(α)は0.08であった。この結果から、ベンゼン環の濃度が4.0×10−4モル以下である光導波路部材から構成された光メモリ素子は、再生画面におけるノイズ画像が低減され、光メモリ素子に記録されている情報が確実に再生されることが分かる。
【0055】
(比較例1)
表1及び表2に示したように、光重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー社製ダロキュア1173)を7.5部配合したコア材b及びクラッド材bを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行って光メモリ素子を作製した。
光メモリ素子1g当たりのベンゼン環モル数は、[{1.8/(12+1.8)}×11.94×10−4]+[{12/(12+1.8)}×4.26×10−4]=5.29×10−4モルとなる。
【0056】
このように作製した光メモリ素子に所定の条件でレーザ光をコア層に入射させて得られた再生像は、所期の画像(本信号)の他にノイズ画像(ノイズ信号)が明確に観察された。また、サテライト信号強度の比(α)は0.39であった。この結果から、ベンゼン環の濃度が4.0×10−4モルを超えた光導波路部材から構成された光メモリ素子は、再生画面におけるノイズ画像が増大し、光メモリ素子に記録されている情報が確実に再生されないことが分かる。
【0057】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、再生画面におけるノイズ画像が低減された光メモリ素子及び光メモリ素子の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される光メモリ素子の構成を説明するための図である。
【図2】(A)〜(E)は、本実施の形態が適用される光メモリ素子の製造方法を説明するための図である。
【図3】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するための図である。
【符号の説明】
100,300…光メモリ素子、101,301…コア層、102,302…クラッド層、103…光導波路部材、104…硬化クラッド材層、105…樹脂フィルム、106…硬化コア材層、107…作製用ベース基板、108…凸部、201…光透過性スタンパ、303…レーザ光、304…散乱光、305…受像機

Claims (5)

  1. 結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンを備えた光透過性樹脂からなるコア層と、
    前記コア層の両面に形成された光透過性樹脂からなる一組のクラッド層と、を有し、
    前記コア層及び前記クラッド層の単位重量当たりに含有されるベンゼン環の濃度が、4×10−4モル以下であることを特徴とする光導波路部材。
  2. 前記コア層の単位重量当たりに含有されるベンゼン環の濃度が、11×10−4モル以下であることを特徴とする請求項1記載の光導波路部材。
  3. 結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンを備えた光透過性樹脂からなるコア層と、
    前記コア層の両面に形成された光透過性樹脂からなる一組のクラッド層と、を有し、
    前記コア層は、放射線硬化性単量体及び/又はオリゴマー100重量部と、これに対して分子内にベンゼン環が結合された分子構造を有する放射線開始剤0.01重量部以上3重量部以下を配合してなる放射線硬化性樹脂組成物の硬化物から形成されることを特徴とする光導波路部材。
  4. 結像させる情報に応じた所定の散乱光を生じさせるための凹凸パターンを備えた光透過性樹脂からなるコア層と、
    前記コア層に積層された光透過性樹脂からなるクラッド層と、を有し、
    前記コア層から生じた所定の散乱光に基づく本信号像強度に対するサテライト信号像強度の比が0.3以下であることを特徴とする光メモリ素子。
  5. 前記コア層及び前記クラッド層の単位重量当たりに含有されるベンゼン環の濃度が、4×10−4モル以下であることを特徴とする請求項4記載の光メモリ素子。
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