JP2004303472A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、積層体の曲がりを確実に阻止するとともに、所望のシール性を確保することを可能にする。
【解決手段】複数の単位セル12が積層された積層体14内に、中間プレート22が配設される。中間プレート22は、平行支持機構60を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。平行支持機構60は、中間プレート22を貫通してエンドプレート20a、20b間を締結する6本の締結ボルト62と、前記締結ボルト62に外装され、前記中間プレート22の両面を挟み込む絶縁性カラー部材64a、64bとを備える。
【選択図】図4
【解決手段】複数の単位セル12が積層された積層体14内に、中間プレート22が配設される。中間プレート22は、平行支持機構60を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。平行支持機構60は、中間プレート22を貫通してエンドプレート20a、20b間を締結する6本の締結ボルト62と、前記締結ボルト62に外装され、前記中間プレート22の両面を挟み込む絶縁性カラー部材64a、64bとを備える。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極構造体が、セパレータを介して複数積層された燃料電池スタックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の燃料電池が開発されており、例えば、固体高分子型燃料電池が知られている。この固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜(電解質)を採用している。この電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒と多孔質カーボンからなるアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)をセパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより、単位セルが構成されている。
【0003】
この種の燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出されることにより、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
通常、この燃料電池は、所望の発電力を得るために、所定数だけ積層した燃料電池スタックとして使用されている。ところが、各燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体およびセパレータには、形状誤差が存在し易く、多数の燃料電池を積層することによって、前記形状誤差が累積されてしまう。このため、多数の燃料電池を積層した積層体は、全体として積層方向に曲がってしまい、反応ガスのシール性が低下するという問題が指摘されている。
【0005】
そこで、積層体の積層方向の曲がりを抑制するために、例えば、特許文献1の燃料電池スタックが知られている。この燃料電池スタックは、図7に示すように、複数の単位セル1を矢印X方向に積層した積層体2を備え、この積層体2の両端部には、エンドプレート3が配設される。積層体2の中間には、中間プレート4が介装されるとともに、前記積層体2および前記中間プレート4を貫通してスタッドボルト5が設けられる。このスタッドボルト5には、大径なフランジ部5aが形成され、このフランジ部5aが中間プレート4の段付き孔部4aに嵌合して積層方向に直交する方向(矢印Y方向)の移動が規制される。一方のエンドプレート2には、皿ばね6を介装してバックアッププレート7が積層される。
【0006】
この特許文献1では、積層体2の積層方向の中間位置に中間プレート4が設けられており、前記積層体2が前記中間プレート4の両側に分割されている。このため、積層体2は、厚さ方向に累積される形状誤差を実質的に半分程度に抑えることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−151135号公報(段落[0023]〜[0025]、図3、図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、積層体2内に配置された中間プレート4は、一方のエンドプレート3に対して平行度を維持することが困難である。このため、中間プレート4上に積層されている単位セル1は、各単位セル1の形状誤差が累積されてしまい、全体として積層方向に曲がるおそれがある。
【0009】
特に、単位セル1のセパレータが金属製セパレータで構成される際、このセパレータ自体には、プレス等の加工に伴う変形が惹起されている場合が多い。これにより、単位セル1の積層数が比較的少ない場合にも、前記単位セル1が積層方向に曲がってしまうという懸念がある。
【0010】
また、燃料電池スタックが車載用として使用されると、車両の急発進や急制動時には、積層体2が積層方向に移動する場合がある。エンドプレート3とバックアッププレート7との間に、皿ばね6が介装されているからである。このため、各単位セル1間には、隙間が発生する場合があり、反応ガスのシール性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、積層体の曲がりを確実に阻止するとともに、所望のシール性を確保することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料電池スタックでは、電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルを複数積層して積層体が構成されるとともに、前記積層体の積層方向両端にエンドプレートが配設されている。
【0013】
そして、積層体内には、積層方向の所定の位置、すなわち、所定数の単位セルに対応して中間プレートが配設されるとともに、前記中間プレートは、平行支持機構を介しエンドプレートに対して互いに平行に支持固定されている。
【0014】
このように、中間プレートは、エンドプレートと平行に支持されて積層体内に配設されるため、前記積層体が所定数の単位セル毎に分割され、各単位セルの形状誤差が累積されて前記積層体が積層方向に傾くおそれがない。従って、積層体内の面圧を均一に維持することができ、簡単な構成で、前記積層体内の接触抵抗の低減を図ることが可能になる。
【0015】
しかも、中間プレートは、エンドプレート間に固定されるため、例えば、車載用として使用される際、車両の急発進や急制動時に積層体が積層方向に移動することがない。これにより、単位セル間には、比較的大きな隙間が発生することがなく、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になる。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る燃料電池スタックでは、平行支持機構は、中間プレートを貫通してエンドプレート間を締結する締結ボルトと、前記締結ボルトに外装され、前記中間プレートの両面を挟み込むカラー部材とを備えている。このため、平行支持機構は、構成の簡素化を図ることができ、しかもカラー部材により中間プレートの位置が規制されるため、積層体に作用する締め付け荷重を適切に調整することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の概略全体斜視図であり、図2は、前記燃料電池スタック10の一部断面側面図である。
【0018】
燃料電池スタック10は、複数の単位セル12が矢印A方向に積層された積層体14を備え、前記積層体14の積層方向(矢印A方向)両端には、ターミナル端子板16a、16bと、インシュレータ板18a、18bと、エンドプレート20a、20bとが外方に向かって、順次、配設される。積層体14内には、積層方向の所定の位置に対応して、例えば、前記積層体14の中間位置に対応して中間プレート22が配設される。
【0019】
図3に示すように、各単位セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)24と、前記電解質膜・電極構造体24を挟持する第1および第2セパレータ26、28とを備える。第1および第2セパレータ26、28は、例えば、金属製の板材により構成されている。なお、第1および第2セパレータ26、28をカーボン材等により構成してもよい。
【0020】
単位セル12の長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30aと、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔32bとが設けられる。
【0021】
単位セル12の長辺方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔32aと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30bとが設けられる。
【0022】
単位セル12の短辺方向(矢印C方向)の一端縁部には、冷却媒体を供給するための2つの冷却媒体供給連通孔34aが設けられるとともに、前記単位セル12の短辺方向の他端縁部には、前記冷却媒体を排出するための2つの冷却媒体排出連通孔34bが設けられる。
【0023】
電解質膜・電極構造体24は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、該固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38およびカソード側電極40とを備える。
【0024】
アノード側電極38およびカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布された電極触媒層とをそれぞれ有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に接合されている。
【0025】
第1セパレータ26の電解質膜・電極構造体24に向かう面26aには、燃料ガス供給連通孔32aと燃料ガス排出連通孔32bとを連通する燃料ガス流路42が形成される。この燃料ガス流路42は、例えば、矢印B方向に延在する複数の溝部を設ける。第1セパレータ26の面26bには、冷却媒体供給連通孔34aと冷却媒体排出連通孔34bとを連通する冷却媒体流路44が形成される。この冷却媒体流路44は、矢印B方向に延在する複数の溝部を設ける。
【0026】
第2セパレータ28の電解質膜・電極構造体24に向かう面28aには、例えば、矢印B方向に延在する複数の溝部からなる酸化剤ガス流路46が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路46は、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する。
【0027】
単位セル12には、後述する締結ボルトが挿入される孔部48が形成される。孔部48は、例えば、上下にそれぞれ3つずつ設けられている。また、電解質膜・電極構造体24と第1および第2セパレータ26、28との間には、図示しないシール部材が介装されている。
【0028】
図1に示すように、エンドプレート20aの長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、酸化剤ガス供給連通孔30aおよび燃料ガス排出連通孔32bにそれぞれ連通する酸化剤ガス供給口50aおよび燃料ガス排出口52bが設けられる。エンドプレート20aの長辺方向の他端縁部には、燃料ガス供給連通孔32aおよび酸化剤ガス排出連通孔30bにそれぞれ連通する燃料ガス供給口52aおよび酸化剤ガス排出口50bが設けられる。
【0029】
エンドプレート20aの短辺方向の一端縁部には、冷却媒体供給連通孔34aに連通する冷却媒体供給口54aが設けられるとともに、前記エンドプレート20aの短辺方向の他端縁部には、冷却媒体排出連通孔34bに連通する冷却媒体排出口54bが設けられる。
【0030】
中間プレート22は、第1および第2セパレータ26、28と同様に金属製の板材(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。中間プレート22は、積層体14内において所定数の単位セル12を仕切るようにして1枚または2枚以上配設されており、この単位セル12の数は、使用状態や各種構成部材の寸法および材質等によって設定されている。
【0031】
この中間プレート22は、図1および図4に示すように、平行支持機構60を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。平行支持機構60は、エンドプレート20a、20b間を締結するとともに、中間プレート22を貫通する、例えば、6本の締結ボルト62と、前記締結ボルト62に外装され、前記中間プレート22の両面を挟み込む絶縁性カラー部材64a、64bとを備える。
【0032】
締結ボルト62は、外周面に絶縁層(または絶縁膜)を設けており、エンドプレート20aから積層体14内に挿入されるとともに、エンドプレート20bに突出する端部にナット66が螺合する(図4参照)。積層体14に設けられた孔部48の内周面は、絶縁性カラー部材64a、64bの外周面との間に、例えば、片側に0.05mmの隙間が設けられており、走行振動等に起因して単位セル12にずれが発生することを阻止している。
【0033】
中間プレート22には、締結ボルト62を挿入する孔部68が形成されるとともに、この孔部68の両端には、絶縁性カラー部材64a、64bの端部を所定の深さまで挿入する大径な孔部70a、70bが連通する。エンドプレート20aと中間プレート22との間には、絶縁性カラー部材64aが介装される一方、前記中間プレート22とエンドプレート20bとの間には、絶縁性カラー部材64bが介装される。
【0034】
このように構成される燃料電池スタック10を組み立てる作業について、以下に説明する。
【0035】
まず、複数の単位セル12が矢印A方向に積層されるとともに、所定の枚数、例えば、1枚の中間プレート22を中間位置に介装して積層体14が得られる。この積層体14の積層方向両端には、ターミナル端子板16a、16bおよびインシュレータ板18a、18bが配設される。
【0036】
そこで、積層体14の孔部48には、積層方向一方から絶縁性カラー部材64aが挿入され、前記絶縁性カラー部材64aの先端が中間プレート22の孔部70aに嵌合する。孔部48には、積層方向他方から絶縁性カラー部材64bが挿入され、前記絶縁性カラー部材64bの先端が中間プレート22の孔部70bに嵌合する。この状態で、積層体14の両端に、すなわち、インシュレータ板18a、18bの外方にエンドプレート20a、20bが配置される。
【0037】
さらに、エンドプレート20aから積層体14内を通ってエンドプレート20bに締結ボルト62が挿入される。締結ボルト62は、図4に示すように、絶縁性カラー部材64aから中間プレート22の孔部68を介して絶縁性カラー部材64bに挿入され、エンドプレート20bの外方に突出する。締結ボルト62の端部には、ナット66が螺合し、エンドプレート20a、20b間には、所定の締め付け荷重が付与される。
【0038】
この場合、第1の実施形態では、積層体14内に介装されている中間プレート22は、平行支持機構60を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。従って、積層体14内は、中間プレート22を介して所定数の単位セル12毎に分割されているため、各単位セル12の形状誤差が累積されて前記積層体14が積層方向に傾くおそれがない。
【0039】
特に、各単位セル12を構成する第1および第2セパレータ26、28を金属製の薄板で構成する際には、この第1および第2セパレータ26、28の平行度を出すことは極めて難しい。その際、第1の実施形態では、中間プレート22がエンドプレート20a、20bに対して確実に平行度を維持することができるため、各単位セル12の平行度を有効に確保することが可能になる。
【0040】
これにより、簡単な構成で、積層体14内の接触抵抗の低減を図るとともに、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になるという効果が得られる。
【0041】
しかも、中間プレート22は、エンドプレート20a、20b間に固定される。このため、燃料電池スタック10が、例えば、車載用として使用される際、車両の急発進や急制動時に積層体14が積層方向に移動することがない。従って、単位セル12間には、比較的大きな隙間が発生することがなく、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になる。
【0042】
また、平行支持機構60は、中間プレート22を貫通してエンドプレート20a、20b間を締結する締結ボルト62と、前記締結ボルト62に外装され、前記中間プレート22の両面を挟み込む絶縁性カラー部材64a、64bとを備えている。これにより、平行支持機構60は、構成の簡素化を図ることができ、しかも絶縁性カラー部材64a、64bにより中間プレート22の位置が規制され、積層体14に作用する締め付け荷重を適切に調整することが可能になる。
【0043】
次いで、上記のように組み立てられた燃料電池スタック10の動作について、説明する。
【0044】
まず、図1に示すように、燃料電池スタック10内には、エンドプレート20aの燃料ガス供給口52aから水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス供給口50aから酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給口54aから純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。このため、積層体14では、矢印A方向に重ね合わされた複数の単位セル12に対し、燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷却媒体が矢印A1方向に直列的に供給される。
【0045】
図3に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aから第2セパレータ28の酸化剤ガス流路46に導入され、電解質膜・電極構造体24のカソード側電極40に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔32aから第1セパレータ26の燃料ガス流路42に導入され、電解質膜・電極構造体24のアノード側電極38に沿って移動する。
【0046】
従って、各電解質膜・電極構造体24では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
【0047】
次いで、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔32bに排出されて矢印A2方向に流動した後、エンドプレート20aの燃料ガス排出口52bから排出される。同様に、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A2方向に流動した後、エンドプレート20aの酸化剤ガス排出口50bから排出される(図1参照)。
【0048】
また、冷却媒体供給口54aに供給された冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔34aから第1セパレータ26の冷却媒体流路44に導入された後、矢印B方向に沿って流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体24を冷却した後、冷却媒体排出連通孔34bを矢印A2方向に移動し、エンドプレート20aの冷却媒体排出口54bから排出される。
【0049】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック80の概略斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0050】
燃料電池スタック80は、エンドプレート20a、20bがケース部材82を介して一体的に結合される。ケース部材82は、下板84a、上板84bおよび側板84c、84dを備えており、これらがボルト85を介してエンドプレート20a、20bに固定される。
【0051】
積層体14内には、積層方向の所定の位置に対応して、例えば、前記積層体14の中間位置に対応して中間プレート86が配設される。中間プレート86は、金属製の板材(例えば、SUS材)で形成されており、平行支持機構90を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。
【0052】
図6に示すように、平行支持機構90は、中間プレート86の四辺にそれぞれ設けられ、所定間隔ずつ離間して外方に突出する複数の突起部92a〜92dと、下板84a、上板84bおよび側板84c、84dに形成され、前記突起部92a〜92dが嵌合するそれぞれ複数の開口部94a〜94dとを備える。開口部94a〜94dは、エンドプレート20a、20bから所定の距離だけ離間した位置に設定される。
【0053】
このように構成される燃料電池スタック80を組み立てる作業について、以下に説明する。
【0054】
まず、下板84aの開口部94aには、中間プレート86の突起部92aが嵌合して前記中間プレート86が前記下板84aに保持される。この中間プレート86の両側には、それぞれ所定数の単位セル12が矢印A方向に積層されて積層体14が得られる。積層体14の積層方向両端には、ターミナル端子板16a、16b、インシュレータ板18a、18bおよびエンドプレート20a、20bが配設される。
【0055】
次いで、積層体14を覆って上板84bおよび側板84c、84dが配置される。その際、上板84bの開口部94bには、中間プレート86の突起部92bが嵌合するとともに、側板84c、84dの開口部94c、94dには、前記中間プレート86の突起部92c、92dが嵌合する。この状態で、下板84a、上板84bおよび側板84c、84dは、ボルト85を介してエンドプレート20a、20bに固定される。
【0056】
この場合、第2の実施形態では、中間プレート86は、突起部92a〜92dと開口部94a〜94dとを備える平行支持機構90を介して、ケース部材82に対し、すなわち、エンドプレート20a、20bに対し、互いに平行に支持固定される。このため、積層体14内の面圧を均一に維持し、簡単な構成で、接触抵抗の低減を図るとともに、所望のシール性を確保することができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池スタックは、積層体内で中間プレートを介して所定数の単位セル毎に分割されているため、各単位セルの形状誤差が累積されて前記積層体が積層方向に傾くおそれがない。従って、積層体内の面圧を均一に維持することができ、簡単な構成で、前記積層体内の接触抵抗の低減を図ることが可能になる。
【0058】
しかも、中間プレートは、エンドプレート間に固定されるため、例えば、車載用として使用される際、車両の急発進や急制動時に積層体が積層方向に移動することがない。これにより、単位セル間には、比較的大きな隙間が発生することがなく、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略全体斜視図である。
【図2】前記燃料電池スタックの一部断面側面図である。
【図3】前記燃料電池スタックを構成する単位セルの分解斜視図である。
【図4】前記燃料電池スタックを構成する中間プレートおよび平行支持機構の断面説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視図である。
【図6】前記燃料電池スタックを構成するケース部材および平行支持機構の分解斜視図である。
【図7】特許文献1の燃料電池の内部概略説明図である。
【符号の説明】
10、80…燃料電池スタック 12…単位セル
14…積層体 20a、20b…エンドプレート
22、86…中間プレート 24…電解質膜・電極構造体
26、28…セパレータ 36…固体高分子電解質膜
38…アノード側電極 40…カソード側電極
48、68、70a、70b…孔部 60、90…平行支持機構
62…締結ボルト 64a、64b…絶縁性カラー部材
66…ナット 82…ケース部材
84a…下板 84b…上板
84c、84d…側板 92a〜92d…突起部
94a〜94d…開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極構造体が、セパレータを介して複数積層された燃料電池スタックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の燃料電池が開発されており、例えば、固体高分子型燃料電池が知られている。この固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜(電解質)を採用している。この電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒と多孔質カーボンからなるアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)をセパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより、単位セルが構成されている。
【0003】
この種の燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出されることにより、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
通常、この燃料電池は、所望の発電力を得るために、所定数だけ積層した燃料電池スタックとして使用されている。ところが、各燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体およびセパレータには、形状誤差が存在し易く、多数の燃料電池を積層することによって、前記形状誤差が累積されてしまう。このため、多数の燃料電池を積層した積層体は、全体として積層方向に曲がってしまい、反応ガスのシール性が低下するという問題が指摘されている。
【0005】
そこで、積層体の積層方向の曲がりを抑制するために、例えば、特許文献1の燃料電池スタックが知られている。この燃料電池スタックは、図7に示すように、複数の単位セル1を矢印X方向に積層した積層体2を備え、この積層体2の両端部には、エンドプレート3が配設される。積層体2の中間には、中間プレート4が介装されるとともに、前記積層体2および前記中間プレート4を貫通してスタッドボルト5が設けられる。このスタッドボルト5には、大径なフランジ部5aが形成され、このフランジ部5aが中間プレート4の段付き孔部4aに嵌合して積層方向に直交する方向(矢印Y方向)の移動が規制される。一方のエンドプレート2には、皿ばね6を介装してバックアッププレート7が積層される。
【0006】
この特許文献1では、積層体2の積層方向の中間位置に中間プレート4が設けられており、前記積層体2が前記中間プレート4の両側に分割されている。このため、積層体2は、厚さ方向に累積される形状誤差を実質的に半分程度に抑えることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−151135号公報(段落[0023]〜[0025]、図3、図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、積層体2内に配置された中間プレート4は、一方のエンドプレート3に対して平行度を維持することが困難である。このため、中間プレート4上に積層されている単位セル1は、各単位セル1の形状誤差が累積されてしまい、全体として積層方向に曲がるおそれがある。
【0009】
特に、単位セル1のセパレータが金属製セパレータで構成される際、このセパレータ自体には、プレス等の加工に伴う変形が惹起されている場合が多い。これにより、単位セル1の積層数が比較的少ない場合にも、前記単位セル1が積層方向に曲がってしまうという懸念がある。
【0010】
また、燃料電池スタックが車載用として使用されると、車両の急発進や急制動時には、積層体2が積層方向に移動する場合がある。エンドプレート3とバックアッププレート7との間に、皿ばね6が介装されているからである。このため、各単位セル1間には、隙間が発生する場合があり、反応ガスのシール性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、積層体の曲がりを確実に阻止するとともに、所望のシール性を確保することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料電池スタックでは、電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルを複数積層して積層体が構成されるとともに、前記積層体の積層方向両端にエンドプレートが配設されている。
【0013】
そして、積層体内には、積層方向の所定の位置、すなわち、所定数の単位セルに対応して中間プレートが配設されるとともに、前記中間プレートは、平行支持機構を介しエンドプレートに対して互いに平行に支持固定されている。
【0014】
このように、中間プレートは、エンドプレートと平行に支持されて積層体内に配設されるため、前記積層体が所定数の単位セル毎に分割され、各単位セルの形状誤差が累積されて前記積層体が積層方向に傾くおそれがない。従って、積層体内の面圧を均一に維持することができ、簡単な構成で、前記積層体内の接触抵抗の低減を図ることが可能になる。
【0015】
しかも、中間プレートは、エンドプレート間に固定されるため、例えば、車載用として使用される際、車両の急発進や急制動時に積層体が積層方向に移動することがない。これにより、単位セル間には、比較的大きな隙間が発生することがなく、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になる。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る燃料電池スタックでは、平行支持機構は、中間プレートを貫通してエンドプレート間を締結する締結ボルトと、前記締結ボルトに外装され、前記中間プレートの両面を挟み込むカラー部材とを備えている。このため、平行支持機構は、構成の簡素化を図ることができ、しかもカラー部材により中間プレートの位置が規制されるため、積層体に作用する締め付け荷重を適切に調整することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の概略全体斜視図であり、図2は、前記燃料電池スタック10の一部断面側面図である。
【0018】
燃料電池スタック10は、複数の単位セル12が矢印A方向に積層された積層体14を備え、前記積層体14の積層方向(矢印A方向)両端には、ターミナル端子板16a、16bと、インシュレータ板18a、18bと、エンドプレート20a、20bとが外方に向かって、順次、配設される。積層体14内には、積層方向の所定の位置に対応して、例えば、前記積層体14の中間位置に対応して中間プレート22が配設される。
【0019】
図3に示すように、各単位セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)24と、前記電解質膜・電極構造体24を挟持する第1および第2セパレータ26、28とを備える。第1および第2セパレータ26、28は、例えば、金属製の板材により構成されている。なお、第1および第2セパレータ26、28をカーボン材等により構成してもよい。
【0020】
単位セル12の長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30aと、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔32bとが設けられる。
【0021】
単位セル12の長辺方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔32aと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30bとが設けられる。
【0022】
単位セル12の短辺方向(矢印C方向)の一端縁部には、冷却媒体を供給するための2つの冷却媒体供給連通孔34aが設けられるとともに、前記単位セル12の短辺方向の他端縁部には、前記冷却媒体を排出するための2つの冷却媒体排出連通孔34bが設けられる。
【0023】
電解質膜・電極構造体24は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、該固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38およびカソード側電極40とを備える。
【0024】
アノード側電極38およびカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布された電極触媒層とをそれぞれ有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に接合されている。
【0025】
第1セパレータ26の電解質膜・電極構造体24に向かう面26aには、燃料ガス供給連通孔32aと燃料ガス排出連通孔32bとを連通する燃料ガス流路42が形成される。この燃料ガス流路42は、例えば、矢印B方向に延在する複数の溝部を設ける。第1セパレータ26の面26bには、冷却媒体供給連通孔34aと冷却媒体排出連通孔34bとを連通する冷却媒体流路44が形成される。この冷却媒体流路44は、矢印B方向に延在する複数の溝部を設ける。
【0026】
第2セパレータ28の電解質膜・電極構造体24に向かう面28aには、例えば、矢印B方向に延在する複数の溝部からなる酸化剤ガス流路46が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路46は、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する。
【0027】
単位セル12には、後述する締結ボルトが挿入される孔部48が形成される。孔部48は、例えば、上下にそれぞれ3つずつ設けられている。また、電解質膜・電極構造体24と第1および第2セパレータ26、28との間には、図示しないシール部材が介装されている。
【0028】
図1に示すように、エンドプレート20aの長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、酸化剤ガス供給連通孔30aおよび燃料ガス排出連通孔32bにそれぞれ連通する酸化剤ガス供給口50aおよび燃料ガス排出口52bが設けられる。エンドプレート20aの長辺方向の他端縁部には、燃料ガス供給連通孔32aおよび酸化剤ガス排出連通孔30bにそれぞれ連通する燃料ガス供給口52aおよび酸化剤ガス排出口50bが設けられる。
【0029】
エンドプレート20aの短辺方向の一端縁部には、冷却媒体供給連通孔34aに連通する冷却媒体供給口54aが設けられるとともに、前記エンドプレート20aの短辺方向の他端縁部には、冷却媒体排出連通孔34bに連通する冷却媒体排出口54bが設けられる。
【0030】
中間プレート22は、第1および第2セパレータ26、28と同様に金属製の板材(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。中間プレート22は、積層体14内において所定数の単位セル12を仕切るようにして1枚または2枚以上配設されており、この単位セル12の数は、使用状態や各種構成部材の寸法および材質等によって設定されている。
【0031】
この中間プレート22は、図1および図4に示すように、平行支持機構60を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。平行支持機構60は、エンドプレート20a、20b間を締結するとともに、中間プレート22を貫通する、例えば、6本の締結ボルト62と、前記締結ボルト62に外装され、前記中間プレート22の両面を挟み込む絶縁性カラー部材64a、64bとを備える。
【0032】
締結ボルト62は、外周面に絶縁層(または絶縁膜)を設けており、エンドプレート20aから積層体14内に挿入されるとともに、エンドプレート20bに突出する端部にナット66が螺合する(図4参照)。積層体14に設けられた孔部48の内周面は、絶縁性カラー部材64a、64bの外周面との間に、例えば、片側に0.05mmの隙間が設けられており、走行振動等に起因して単位セル12にずれが発生することを阻止している。
【0033】
中間プレート22には、締結ボルト62を挿入する孔部68が形成されるとともに、この孔部68の両端には、絶縁性カラー部材64a、64bの端部を所定の深さまで挿入する大径な孔部70a、70bが連通する。エンドプレート20aと中間プレート22との間には、絶縁性カラー部材64aが介装される一方、前記中間プレート22とエンドプレート20bとの間には、絶縁性カラー部材64bが介装される。
【0034】
このように構成される燃料電池スタック10を組み立てる作業について、以下に説明する。
【0035】
まず、複数の単位セル12が矢印A方向に積層されるとともに、所定の枚数、例えば、1枚の中間プレート22を中間位置に介装して積層体14が得られる。この積層体14の積層方向両端には、ターミナル端子板16a、16bおよびインシュレータ板18a、18bが配設される。
【0036】
そこで、積層体14の孔部48には、積層方向一方から絶縁性カラー部材64aが挿入され、前記絶縁性カラー部材64aの先端が中間プレート22の孔部70aに嵌合する。孔部48には、積層方向他方から絶縁性カラー部材64bが挿入され、前記絶縁性カラー部材64bの先端が中間プレート22の孔部70bに嵌合する。この状態で、積層体14の両端に、すなわち、インシュレータ板18a、18bの外方にエンドプレート20a、20bが配置される。
【0037】
さらに、エンドプレート20aから積層体14内を通ってエンドプレート20bに締結ボルト62が挿入される。締結ボルト62は、図4に示すように、絶縁性カラー部材64aから中間プレート22の孔部68を介して絶縁性カラー部材64bに挿入され、エンドプレート20bの外方に突出する。締結ボルト62の端部には、ナット66が螺合し、エンドプレート20a、20b間には、所定の締め付け荷重が付与される。
【0038】
この場合、第1の実施形態では、積層体14内に介装されている中間プレート22は、平行支持機構60を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。従って、積層体14内は、中間プレート22を介して所定数の単位セル12毎に分割されているため、各単位セル12の形状誤差が累積されて前記積層体14が積層方向に傾くおそれがない。
【0039】
特に、各単位セル12を構成する第1および第2セパレータ26、28を金属製の薄板で構成する際には、この第1および第2セパレータ26、28の平行度を出すことは極めて難しい。その際、第1の実施形態では、中間プレート22がエンドプレート20a、20bに対して確実に平行度を維持することができるため、各単位セル12の平行度を有効に確保することが可能になる。
【0040】
これにより、簡単な構成で、積層体14内の接触抵抗の低減を図るとともに、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になるという効果が得られる。
【0041】
しかも、中間プレート22は、エンドプレート20a、20b間に固定される。このため、燃料電池スタック10が、例えば、車載用として使用される際、車両の急発進や急制動時に積層体14が積層方向に移動することがない。従って、単位セル12間には、比較的大きな隙間が発生することがなく、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になる。
【0042】
また、平行支持機構60は、中間プレート22を貫通してエンドプレート20a、20b間を締結する締結ボルト62と、前記締結ボルト62に外装され、前記中間プレート22の両面を挟み込む絶縁性カラー部材64a、64bとを備えている。これにより、平行支持機構60は、構成の簡素化を図ることができ、しかも絶縁性カラー部材64a、64bにより中間プレート22の位置が規制され、積層体14に作用する締め付け荷重を適切に調整することが可能になる。
【0043】
次いで、上記のように組み立てられた燃料電池スタック10の動作について、説明する。
【0044】
まず、図1に示すように、燃料電池スタック10内には、エンドプレート20aの燃料ガス供給口52aから水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス供給口50aから酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給口54aから純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。このため、積層体14では、矢印A方向に重ね合わされた複数の単位セル12に対し、燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷却媒体が矢印A1方向に直列的に供給される。
【0045】
図3に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aから第2セパレータ28の酸化剤ガス流路46に導入され、電解質膜・電極構造体24のカソード側電極40に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔32aから第1セパレータ26の燃料ガス流路42に導入され、電解質膜・電極構造体24のアノード側電極38に沿って移動する。
【0046】
従って、各電解質膜・電極構造体24では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
【0047】
次いで、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔32bに排出されて矢印A2方向に流動した後、エンドプレート20aの燃料ガス排出口52bから排出される。同様に、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A2方向に流動した後、エンドプレート20aの酸化剤ガス排出口50bから排出される(図1参照)。
【0048】
また、冷却媒体供給口54aに供給された冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔34aから第1セパレータ26の冷却媒体流路44に導入された後、矢印B方向に沿って流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体24を冷却した後、冷却媒体排出連通孔34bを矢印A2方向に移動し、エンドプレート20aの冷却媒体排出口54bから排出される。
【0049】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック80の概略斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0050】
燃料電池スタック80は、エンドプレート20a、20bがケース部材82を介して一体的に結合される。ケース部材82は、下板84a、上板84bおよび側板84c、84dを備えており、これらがボルト85を介してエンドプレート20a、20bに固定される。
【0051】
積層体14内には、積層方向の所定の位置に対応して、例えば、前記積層体14の中間位置に対応して中間プレート86が配設される。中間プレート86は、金属製の板材(例えば、SUS材)で形成されており、平行支持機構90を介してエンドプレート20a、20bに対して互いに平行に支持固定される。
【0052】
図6に示すように、平行支持機構90は、中間プレート86の四辺にそれぞれ設けられ、所定間隔ずつ離間して外方に突出する複数の突起部92a〜92dと、下板84a、上板84bおよび側板84c、84dに形成され、前記突起部92a〜92dが嵌合するそれぞれ複数の開口部94a〜94dとを備える。開口部94a〜94dは、エンドプレート20a、20bから所定の距離だけ離間した位置に設定される。
【0053】
このように構成される燃料電池スタック80を組み立てる作業について、以下に説明する。
【0054】
まず、下板84aの開口部94aには、中間プレート86の突起部92aが嵌合して前記中間プレート86が前記下板84aに保持される。この中間プレート86の両側には、それぞれ所定数の単位セル12が矢印A方向に積層されて積層体14が得られる。積層体14の積層方向両端には、ターミナル端子板16a、16b、インシュレータ板18a、18bおよびエンドプレート20a、20bが配設される。
【0055】
次いで、積層体14を覆って上板84bおよび側板84c、84dが配置される。その際、上板84bの開口部94bには、中間プレート86の突起部92bが嵌合するとともに、側板84c、84dの開口部94c、94dには、前記中間プレート86の突起部92c、92dが嵌合する。この状態で、下板84a、上板84bおよび側板84c、84dは、ボルト85を介してエンドプレート20a、20bに固定される。
【0056】
この場合、第2の実施形態では、中間プレート86は、突起部92a〜92dと開口部94a〜94dとを備える平行支持機構90を介して、ケース部材82に対し、すなわち、エンドプレート20a、20bに対し、互いに平行に支持固定される。このため、積層体14内の面圧を均一に維持し、簡単な構成で、接触抵抗の低減を図るとともに、所望のシール性を確保することができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池スタックは、積層体内で中間プレートを介して所定数の単位セル毎に分割されているため、各単位セルの形状誤差が累積されて前記積層体が積層方向に傾くおそれがない。従って、積層体内の面圧を均一に維持することができ、簡単な構成で、前記積層体内の接触抵抗の低減を図ることが可能になる。
【0058】
しかも、中間プレートは、エンドプレート間に固定されるため、例えば、車載用として使用される際、車両の急発進や急制動時に積層体が積層方向に移動することがない。これにより、単位セル間には、比較的大きな隙間が発生することがなく、所望のシール性を確保することができ、発電性能の向上が容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略全体斜視図である。
【図2】前記燃料電池スタックの一部断面側面図である。
【図3】前記燃料電池スタックを構成する単位セルの分解斜視図である。
【図4】前記燃料電池スタックを構成する中間プレートおよび平行支持機構の断面説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視図である。
【図6】前記燃料電池スタックを構成するケース部材および平行支持機構の分解斜視図である。
【図7】特許文献1の燃料電池の内部概略説明図である。
【符号の説明】
10、80…燃料電池スタック 12…単位セル
14…積層体 20a、20b…エンドプレート
22、86…中間プレート 24…電解質膜・電極構造体
26、28…セパレータ 36…固体高分子電解質膜
38…アノード側電極 40…カソード側電極
48、68、70a、70b…孔部 60、90…平行支持機構
62…締結ボルト 64a、64b…絶縁性カラー部材
66…ナット 82…ケース部材
84a…下板 84b…上板
84c、84d…側板 92a〜92d…突起部
94a〜94d…開口部
Claims (2)
- 電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルを複数積層して積層体を構成するとともに、前記積層体の積層方向両端にエンドプレートが配設される燃料電池スタックであって、
前記積層体内に、積層方向の所定の位置に対応して配設される中間プレートと、
前記中間プレートを、前記エンドプレートに対して互いに平行に支持固定する平行支持機構と、
を備えることを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記平行支持機構は、前記中間プレートを貫通して前記エンドプレート間を締結する締結ボルトと、
前記締結ボルトに外装され、前記中間プレートの両面を挟み込むカラー部材と、
を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
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2003
- 2003-03-28 JP JP2003092277A patent/JP2004303472A/ja active Pending
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