JP2004304573A - 移動通信基地局装置 - Google Patents

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JP2004304573A JP2003095907A JP2003095907A JP2004304573A JP 2004304573 A JP2004304573 A JP 2004304573A JP 2003095907 A JP2003095907 A JP 2003095907A JP 2003095907 A JP2003095907 A JP 2003095907A JP 2004304573 A JP2004304573 A JP 2004304573A
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守 町田
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健二 須田
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Abstract

【課題】ダイバシチ機能を有する無線通信方式において、冗長構成を採用することなく、障害発生時に通常時と同等の通信特性を維持する通信技術を提供する。
【解決手段】移動通信基地局装置であり、移動局に送信信号を送信する複数の送信系統2A、2B、3A、3Bと、上記各送信系統の異常を検知する異常検知部24、32と、上記各送信系統の送信電力を制御する電力制御部14と、いずれかの送信系統で異常が検知されたときに異常が検知されていない送信系統の送信電力を増加する方向に指示する制御指示部15とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信の基地局に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IMT−2000に代表される次世代携帯電話システムでは、安定運用を図るための通話特性の向上が要求される。そこで、IMT−2000では、例えば、送信チャネルにダイバシチ機能を有し、直交符号による拡散変調を用いるCDMAセルラ通信システムを採用している。このようなシステムは、IMT−2000の基地局装置により構成される。
【0003】
従来のIMT−2000の基地局装置においては、特に無線信号を送出する送信部およびアンプ部が非常に高価な装置であった。このため、送信部およびアンプ部を冗長構成(現用系と予備系とによる構成)とするシステムは少なかった。このようなシステムでは、送信部またはアンプ部に障害が発生しても、予備系に切り替えることはできない。
【0004】
このようなシステムでは、送信部またはアンプ部での障害発生時にも、障害発生時の制御として何かを実行するということはなかった。ただし、通常の電力制御(例えば、IMT−2000の本来の機能であるクローズループ処理)により移動局側からの指示にしたがい、徐々に基地局側の送信電力は増加することになる。このため、基地局装置に障害が発生した場合には、移動局の受信特性が劣化する場合がある。
【0005】
このような無線通信基地局装置の障害発生時の技術としては、以下の特許文献が知られている。
【0006】
例えば、特許文献1には、ダイバシチ受信系統の一方に障害が発生した場合でも、ダイバシチ受信利得は低下するものの受信機能を正常に動作させる技術が提案されている。
【0007】
しかしながら、従来の技術では、ダイバシチ機能を有し、障害発生時に通常時と同等の通信特性を維持するための配慮がなされていない。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−168778号公報(要約書)
【特許文献2】
特許第3019775号公報(要約書)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、ダイバシチ機能を有する無線通信方式において、冗長構成を採用することなく、障害発生時に通常時と同等の通信特性を維持する通信技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、移動通信基地局装置であり、
移動局に送信信号を送信する複数の送信系統と、
上記各送信系統の異常を検知する異常検知部と、
上記各送信系統の送信電力を制御する電力制御部と、
いずれかの送信系統で異常が検知されたときに異常が検知されていない送信系統の送信電力を増加する方向に指示する制御指示部とを備えるものである。
【0011】
この移動通信基地局装置は、各送信系統に異常がないときには、複数の送信系統から送信信号を送信する。また、いずれかの送信系統に異常が発生したときには、異常が検知されていない送信系統の送信電力を増加させて送信信号を送信する。したがって、いずれかの送信系統に異常が発生しても、受信側に送信される送信信号の送信電力を異常のない状態での送信電力と同等にすることができる。
【0012】
好ましくは、上記制御指示部は、上記異常が検知された送信系統での送信を停止させるものでもよい。異常が検知された送信系統での送信を停止することにより、送信信号を受信する受信側での不要な信号の受信を抑止できる。
【0013】
好ましくは、上記異常が検知されない状態では、上記複数の送信系統は送信ダイバシチを構成し、上記電力制御部は複数の送信系統による送信信号を合成した送信電力により移動局に対してダイバシチがない場合と同等の送信電力を供給し、
上記異常が検知された状態では、上記電力制御部は異常が検知されていない送信系統においてダイバシチのない場合と同等の送信電力で送信信号を送信するようにしてもよい。
【0014】
したがって、異常のない通常の送信状態では、ダイバシチが実行され、いずれかの送信系統に異常が発生しても、受信側に送信される送信信号の送信電力を異常のない状態(ダイバシチ実行状態)と同等の送信電力にすることができる。
【0015】
好ましくは、上記移動通信基地局装置は、送信データの送信中に上記異常が検知された状態を上記移動局に通知する通知部をさらに備えるものでもよい。このような通知により、受信側では、異常の発生した送信系統から送信される送信信号の受信を抑止できる。
【0016】
好ましくは、上記複数の送信系統において異常が検知されない状態では第1の送信系統の送信信号に対し第2の送信系統の位相を変化させ、上記第1の送信系統で異常が検知されたときに上記第2の送信系統の位相を上記変化のない状態に戻す位相調整手段をさらに備えるものでもよい。
【0017】
したがって、異常のない通常の送信状態では、位相の異なる複数の送信信号を送信でき、いずれかの送信系統に異常が発生した場合には、位相調整のない単一の送信信号を送信することができる。
【0018】
好ましくは、上記電力制御部は、上記送信部にそれぞれ設けられるものでもよい。
【0019】
また、本発明は、上記移動通信基地局装置において、上記の処理を実行する方法であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0021】
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る無線通信基地局装置を図1から図5の図面に基づいて説明する。本実施形態では、携帯電話(例えば、IMT−2000等)の基地局装置である無線通信基地局装置に、本発明を適用する例を説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る無線通信基地局装置の基本構成図である。この無線通信基地局装置は、ベースバンド信号を生成するベースバンド送信部1と、ベースバンド送信部1の出力するベースバンド信号をデジタル変調する送信部2A、2B(図1では、送信部をTX部と省略する、以下同様)と、送信部2Aおよび2Bの出力信号を増幅して不図示のアンテナに給電するアンプ部3A、3B(図1では、アンプ部をAMP部と省略する、以下同様)とを有している。
【0023】
ベースバンド送信部1は、送信チャネルごとに異なる符号を用い、送信信号を符号拡散する(この技術は、CDMA、Code Division Multiple Accessとして知られている)。符号拡散された拡散信号(これをベースバンド信号ともいう)は、送信部2A、2Bおよびアンプ部3A、3B、および不図示のアンテナを介して移動局に送信される。
【0024】
送信部2Aおよびアンプ部3Aは、送信ダイバシチのブランチ0を構成する。また、送信部2Bおよびアンプ部3Bは、送信ダイバシチのブランチ1を構成する。なお、送信部2Aおよびアンプ部3Aを含むブランチ0をアンテナ0といい、送信部2Bおよびアンプ部3Bを含むブランチ1をアンテナ1と呼ぶ場合もある。
【0025】
送信ダイバシチは、ブランチ0、1およびブランチ0、1に接続されるアンテナに振幅、位相、または、通信チャネルを構成する符号拡散のシンボルパターン等を操作することで、移動局側での利得向上を図る技術である。
【0026】
ベースバンド送信部1には、送信部2A、2B、アンプ部3A、3Bからアラーム信号(図1でALMと省略する、以下同様)が収集される。本実施形態において、ベースバンド送信部1は、このアラーム信号にしたがい、送信電力を制御する。そして、送信部2A、2B、アンプ部3A、3Bのいずれかに異常が発生した場合であっても、移動局が異常発生前と同等の無線信号を受信できるようにベースバンド送信部1は、送信電力を制御する。
【0027】
図2に、送信部2A、2Bのブロック図を示す。図2のように、送信部は、加算部21、直交変調部22、周波数変換部23およびアラーム収集部24を有している。
【0028】
加算部21には、図1に示したベースバンド送信部1から複数チャネルに対応する拡散信号(図2では、拡散波と記載)が入力される。加算部21は、複数の拡散信号をデジタル加算し、直交変調部22に引き渡す。
【0029】
直交変調部22は、入力された信号を直交変調する。直交変調とは、デジタル信号を搬送波の同相成分(Iチャネルと呼ぶ)および搬送波と位相が90度ずれた成分(Qチャネルという)に分離して変調することをいう。
【0030】
周波数変換部は、直交変調された変調信号(例えば、5MHz帯の信号)を高周波信号(例えば、2GHz帯)に周波数変換する。この高周波信号を拡散変調波と呼ぶ。拡散変調波は、アンプ部3A、3Bに引き渡される。
【0031】
図2に示すように、送信部2A、2Bには、アラーム収集部24(図2には、アラーム収集部と記載)が設けられ、送信部2A、2Bの各構成要素からのアラーム情報を収集する。アラーム情報とは、例えば、送信部2A、2B、アンプ部3A、3B等の構成要素に異常が発生した場合に、各構成要素から発せられる情報である。
【0032】
アラーム収集部24は、アラーム情報を検出すると、周波数変換部23の周波数変換を停止させる(矢印101)。そして、アラーム収集部24は、収集したアラーム情報をTX_ALMとして、ベースバンド送信部1に通知する。
【0033】
図3に、アンプ部3A、3Bのブロック図を示す。図3に示すように、アンプ部3A、3Bは、増幅部31とアラーム検出部32を有している。増幅部31は、送信部2A、または2Bから入力される拡散搬送波を増幅し、送信波として、不図示のアンテナから放射する。アラーム収集部32は、アンプ部3A、3Bの各構成要素からのアラーム情報を収集する。
【0034】
アラーム収集部32は、アラーム情報を検出すると、増幅部31の増幅機能を停止させる(矢印102)。そして、アラーム収集部32は、収集したアラーム情報をAMP_ALMとして、ベースバンド送信部1に通知する。
【0035】
図4に、ベースバンド部1のブロック図を示す。ベースバンド部1は、送信データから無線通信用の伝送データを生成するデータ生成部10、データ生成部10で生成された伝送データをブランチ0用の送信データに拡散するブランチ0拡散部11、データ生成部10で生成された伝送データをブランチ1用の送信データに拡散するブランチ1拡散部12、ブランチ1の送信データの位相を調整する位相調整部13およびブランチ0とブランチ1の送信データを増幅して振幅を調整する電力制御部14、電力制御部14に送信電力を指示する送信電力指示部15および送信部2A、2Bおよびアンプ3A、3Bからのアラームを収集するアラーム収集部16、および、ブランチ0拡散部11とブランチ1拡散部12の拡散コードを生成するコード生成部17を有している。
【0036】
データ生成部10に入力される送信データは、例えば、通話音声のデジタルデータ、コンピュータが処理する画像、文字、その他のデジタルデータ等である。このような送信データは、例えば、携帯電話の音声入力部、携帯情報端末のCPU等において生成される。
【0037】
データ生成部10は、そのような送信データから無線通信用の伝送データを生成する。データ生成部10の機能は、例えば、伝送単位(例えば、トランスポートブロックと呼ばれる)ごとにブロック誤りを検出するCRC(Cyclic Redundancy Check)符号の付加、誤り訂正符号の付加、ビットの順序を並び替えるインターリーブ処理、オーバーヘッドの付加、送信データフォーマット(無線通信チャネルを伝送されるデータ形式、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、3GPP2の規定にフォーマット)の作成等である。
【0038】
データ生成部10で生成された伝送データは、ブランチ0拡散部11およびブランチ1拡散部12に入力される。ブランチ0拡散部11およびブランチ1拡散部12は、各々、伝送データを互いに異なるコードで符号拡散する。ブランチ0拡散部11およびブランチ1拡散部12で使用される拡散符号は、コード生成部17から入力される。符号拡散された伝送データを拡散波と呼ぶ。
【0039】
位相調整部13は、ブランチ1の位相をブランチ0から変位させる。位相調整部13による位相の変位は、位相平面(I−Q平面とも呼ばれる)上での点の移動に相当するデジタルデータ上の位相変位である。
【0040】
電力制御部14は、送信電力指示部15の指示にしたがい、ブランチ0およびブランチ1の送信電力、すなわち、振幅を所定値の範囲に制御する。電力制御部14による振幅の制御は、I−Q平面上での原点からの距離の制御に相当する。
【0041】
ブランチ0およびブランチ1の拡散波は図1の送信部2Aおよび送信2Bに伝送される。以上により、ブランチ0の拡散波とブランチ1の拡散波は、同一のパスを異なる位相で伝搬する。
【0042】
以下、アラーム情報に基づく送信電力の制御処理について説明する。アラーム収集部16には、アンプ部2A、2B、送信部3A、3Bからアラーム情報が収集される。アラーム収集部16は、収集されたアラーム情報を送信電力指示部15に伝達する。送信電力指示部15は、伝達されたアラーム情報にしたがい、ブランチ0およびブランチ1の送信電力を決定する。
【0043】
図5に、送信電力指示部15が送信電力を決定するときの論理を説明するテーブルを示す。図5のように、このテーブルは、ブランチ0(BR0)、ブランチ1(BR1)のアラーム状態と、ブランチ0(BR0)、ブランチ1(BR1)の電力設定値との組み合わせからなる。
【0044】
ブランチ0のアラーム状態(TX#ALM/AMP#ARM)は、ブランチ0において送信部2Aまたはアンプ3Aの少なくとも一方にアラームが発生したか否かを示す。図5では、アラームが発生した場合に1を設定する。
【0045】
同様に、ブランチ1のアラーム状態(TX#ALM/AMP#ARM)は、ブランチ1において送信部2Bまたはアンプ3Bの少なくとも一方にアラームが発生したか否かを示す。
【0046】
本実施形態のベースバンド送信部1(送信電力指示部15)は、このようなアラーム状態にしたがい、図5に示すように作用する。すなわち、ブランチ0およびブランチ1においてアラームが全く発生していない場合、ベースバンド送信部1は、ブランチ0およびブランチ1を通常の送信電力で送信する。
【0047】
この場合、ブランチ0およびブランチ1により送信ダイバシチが実施される。送信ダイバシチを実行する場合、ブランチ0およびブランチ1の各々送信電力は、通常、ダイバシチを実行しない単一ブランチの場合と比較して3dB少ない電力に設定される。受信側(不図示の移動局)は、ブランチ0とブランチ1の電力を合成して最適な受信信号を得る。受信側では、この合成により、ダイバシチを実行しない単一ブランチの場合と同等の受信電力を得ることができる。
【0048】
また、ブランチ1が正常で、ブランチ0においてアラームが発生している場合、ベースバンド送信部1は、ブランチ0の送信を停止する。一方、ベースバンド送信部1は、ブランチ1の送信電力を通常より3bB増加させて送信する。これは、ブランチ0が正常で、ブランチ1においてアラームが発生している場合も同様である。
【0049】
そのため、本実施形態の無線通信基地局装置によれば、移動局は、送信ダイバシチを実行するブランチ0(送信部2A、アンプ3A)またはブランチ1(送信部2B、アンプ3B)のいずれかが故障しても、ダイバシチにより得られる受信電力と同等の受信電力で受信することができる。
【0050】
一方、ブランチ0およびブランチ1の双方においてアラームが発生している場合、ベースバンド送信部1は、ブランチ0およびブランチ1双方の送信を停止する。もはや、無線通信基地局装置として機能することができないからである。
【0051】
この図5のテーブルは、例えば、送信電力指示部15から参照可能なメモリ上のテーブルとして実現してもよい。送信電力指示部15は、そのようなメモリを参照して送信電力を決定すればよい。また、図5のテーブルは、ブランチ0からのTX#ALP、AMP#ALMおよびブランチ1からのTX#ALP、AMP#ALM信号を各々入力とし、図5に示した論理を生成する論理回路として実現してもよい。
【0052】
以上述べたように、本実施形態の無線通信基地局装置によれば、通常状態では、送信ダイバシチを実行し、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態の同等の受信電力で移動局に受信させることができる。
【0053】
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る無線通信基地局装置を図6から図8の図面に基づいて説明する。上記第1実施形態では、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させるように、送信電力を制御する例を示した。
【0054】
本実施形態では、そのような場合に、異常が発生したブランチを移動局に報知する機能を有する無線通信基地局装置を説明する。本実施形態における他の構成および作用は、第1実施形態のものと同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図5の図面を参照する。
【0055】
図6に、本実施形態に係るベースバンド送信部1の構成を示す。図5に示す通り、ベースバンド送信部1は、図1の場合と比較して、アラームデータ格納部18(図6では、ALMDATA格納と記載)を有している。アラームデータ格納部18には、各ブランチのアラーム状態を示す情報(以下、アラームビットと呼ぶ)が格納される。
【0056】
図8にアラームビットの定義を示す。本実施形態では、アラームビットとして、00、10、および11のビット列を用いる(01は、使用されない)。図8に示すように、アラームビットが00の場合、すべてのブランチが正常であることを示す。また、アラームビットが10の場合、ブランチ0が異常であり、ブランチ1が正常であることを示す。さらに、アラームビットが11の場合、ブランチ1が異常であり、ブランチ0が正常であることを示す。
【0057】
本実施形態において、このアラームビットは、無線通信基地局装置から移動局に伝達される。図7に、アラームビットを移動局に送信する送信データフォーマットを示す。
【0058】
この送信データフォーマットは、3GPPにおいて、物理チャネルのスロットフォーマットの1つであるDPCCH(dedicated Physical Control Channel)として規定されているフォーマットに上記アラームビット(図8で定義)を追加したものである。本実施形態においては、アラームビットを図7のALMの位置に設定する。ただし、本発明の実施は、このような構成に限定されるものではなく、他の位置にアラームビットを設定してもよい。
【0059】
なお、図7の送信データフォーマットにおいてALM以外の情報は、3GPPにおいて規格化されているので、その説明を省略する。
【0060】
以下、図6により、本実施形態における無線通信基地局装置の処理を説明する。
アラーム収集部16は、各ブロック(送信部2A、2B、アンプ部3A、3B)からのアラーム信号を収集し、各ブロックのアラーム状態に基づき選択信号103を生成する。選択信号103は、アラームデータ格納部18に入力され、対応するアラームビットが読み出される。読み出されたアラームビットは、データ生成部10に入力される。
【0061】
データ生成部10は、送信するデータとアラームビットから図7のデータフォーマットにしたがった伝送データを作成する。そして、データ生成部10は、生成した伝送データを、ブランチ0拡散部11およびブランチ1拡散部12に送信する。
そして、第1実施形態の場合と同様、ブランチ0拡散部11、ブランチ1拡散部12、位相調整部12、電力制御部14、送信部2A、2B、アンプ部3A、3B(図1参照)を介して移動局に送信される。
【0062】
移動局側では、ダイバシチの場合、片系単位に復調処理を行い、受信データをデコードし、合成する。しかし、一方のブランチにおいて異常等のために電力が弱まると、合成しない状態と同じになる。
【0063】
本実施形態の無線通信基地局装置からの受信では、移動局は、送信データを復調後、アラームビットから基地局の状態を知り、図8の定義にしがたい異常状態を認識する。そのような異常状態を認識後、移動局は、異常ブランチの受信を停止すればよい。異常ブランチの受信を停止することにより、移動局は干渉波をおさえ、特性劣化を防ぐことが可能となる。
【0064】
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る無線通信基地局装置を図9および図10の図面に基づいて説明する。上記第1実施形態では、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させるように、送信電力を制御する例を示した。
【0065】
また、第2実施形態では、そのような無線通信基地局装置の異常状態を移動局に報知する処理の例を示した。
【0066】
本実施形態では、異常が発生したブランチが位相調整されたブランチ(例えば、第1実施形態のブランチ1に相当)の場合、位相調整を停止する無線通信基地局装置を説明する。本実施形態の無線通信基地局装置は、このような構成により、例えば、通話中にブランチ1に異常が発生した場合、ダイバシチ構成から非ダイバシチ構成(単一ブランチによる通信)に変更し、特性劣化を防ぐ。
【0067】
本実施形態における他の構成および作用は、第1実施形態または第2実施形態のものと同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図8の図面を参照する。
【0068】
図9に、本実施形態のベースバンド送信部1の構成を示す。図9に示す通り、このベースバンド送信部1は、アラーム収集部16からの選択信号104がアラームデータ格納部18、データ生成部10、位相調整部13、および送信電力制御部15に入力される点を除き、第2実施形態の場合(図6)と同様である。本実施形態では、選択信号104は、各ブロック(送信部2A、2B、アンプ部3A、3B)のアラーム状態により、ベースバンド送信部1の各部を設定する。
【0069】
図10のテーブルに、アラームの状態と、その状態に基づき設定されるベースバンド送信部1の各部の設定値を示す。
【0070】
図10のように、このテーブルは、ブランチ0(BR0)、ブランチ1(BR1)のアラーム状態と、ブランチ0(BR0)、ブランチ1(BR1)の電力設定値、位相調整部設定値、およびデータ生成部設定値との組み合わせからなる。
【0071】
ブランチ0(BR0)、ブランチ1(BR1)のアラーム状態および電力設定値については、すでに第1実施形態(図5)において説明した。
【0072】
図10では、この電力設定値以外に、さらに、位相調整部設定値およびデータ生成部設定値が追加されている。
【0073】
位相調整部設定値は、アラームの状態に応じて位相調整部13に指示される情報である。例えば、アラームがない状態では、位相調整部13には、通常通信が指示される。この場合には、ブランチ1は、ブランチ0に対して所定の位相分だけ位相回転される。
【0074】
また、ブランチ0およびブランチ1の少なくとも一方に異常が発生すると、位相調整部13には、位相調整の停止が指示される。例えば、ブランチ0に異常が発生した場合には、ブランチ1の位相調整が停止され、位相が変更されない状態で片方のブランチ1による通信が実行される。
【0075】
データ生成部設定値は、アラームの状態に応じてデータ生成部10に指示される情報である。例えば、アラームがない状態では、データ生成部10には、通常通信が指示される。また、ブランチ0に異常が発生すると、ブランチ0の送信停止と、ブランチ1のダイバシチなし(図10では、STTDなしと記載)が指示される。
【0076】
同様に、ブランチ1に異常が発生すると、ブランチ1の送信停止と、ブランチ0のダイバシチなしが指示される。また、ブランチ0および1の双方が異常の場合には、ブランチ0、1双方の停止が指示される。
【0077】
次に、図9により、本実施形態の無線通信基地局装置の処理を説明する。まず、本無線通信基地局装置は、第1実施形態と同様、異常ブランチの送信を停止する。また、電力指示部15は、正常時の電力より3dB増加するように電力制御部に指示する。また、第2実施形態と同様、本無線通信基地局装置は、アラーム発生後、移動局に対しアラームビットを通知する。
【0078】
さらに、本無線通信基地局装置では、データ生成部10は、正常なブランチの送信データを送信ダイバシチでエンコードされた送信から通常送信に切り替える。ここで、ダイバシチでのエンコードとは、例えば、STTD(Space Time block based Transmit antenna Diversity)によるエンコードである。
【0079】
通常状態では、STTDによりエンコードされたデータがブランチ0およびブランチ1から送信され、移動局側でSTTDにしたがいデコードする。これにより、移動局側では、2つのブランチからの受信信号を最大比合成する。
【0080】
一方、片方のブランチが異常の場合には、このようなエンコードが停止されるとともに、異常状態がアラームビットにより通知される。これにより、移動局は、STTDのデコードなしで受信処理を実行する。
【0081】
さらに、異常がブランチ0に発生した場合、本無線通信基地局装置では、選択信号104が位相調整部13に入力される。位相調整部13は、選択信号に応じて位相回転を停止する。以上により基地局からの送信がダイバシチなしの状態になる。
【0082】
移動局側では、アラーム認識後ダイバシチなし状態に切り替える。この制御により、移動局は受信特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0083】
《第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係る無線通信基地局装置を図11から図16の図面に基づいて説明する。上記第1実施形態では、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させるように、送信電力を制御する例を示した。
【0084】
また、第2実施形態では、そのような無線通信基地局装置の異常状態を移動局に報知する送信データフォーマットの例を示した。
【0085】
本実施形態では、そのような異常状態においてダイバシチを停止することを3GPP等において規定されたチャネルの信号により通知する例を説明する。
【0086】
本実施形態における他の構成および作用は、第1実施形態から第3実施形態に示したものと同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図10の図面を参照する。
【0087】
本実施形態の無線通信基地局装置は、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生し、ダイバシチを停止する場合に、第2実施形態のように特殊な送信フォーマット(アラームビット等)にしたがって移動局に通知することをしない。本実施形態では、第2実施形態に示した送信フォーマットに代えてP−SCH(Primary Synchronization Channel、同期チャネル)を利用する。
【0088】
SCHは、移動局が高速でセルをサーチし、同期を取る際に用いられる。SCHには、P−SCHとS−SCH(Secondary Synchronization Channel)がある。P−SCHは、スロットレベルの同期に使用される。すなわち、移動局に電源が入り、セルをサーチし、基地局装置との同期を取る際、移動局は、P−SCHの信号を使用する。このPS−SCHの送信データには、P−CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)のSTTDエンコードの有無を示すa(a=+1:STTDあり、a=−1:STTDなし)があり、移動端末は、aによりダイバシチ有無(STTDあり:ダイバシチあり、STTDなし:ダイバシチなし)を認識することが可能である。
【0089】
本来P−SCHは、移動局が最初に基地局と同期を取るために使用される。そして、その際、S−SCHの信号パターンにより、ダイバシチの有無が指定される。また、従来の無線通信基地局と移動局との通信では、一旦同期が取れた後、ダイバシチの有無が変更されることはない。したがって、従来の無線通信基地局と移動局との通信では、ダイバシチ実行中にブランチ0またはブランチ1に異常が発生しても、例えば、移動局の電源をオフ・オンする等、同期をリセットしなければダイバシチを停止する機能はなかった。
【0090】
本実施形態では、S−SCHの信号により、無線通信基地局装置と移動局とで無線リンクが確立した後、例えば、通話中において、無線通信基地局から移動局にダイバシチの中止を通知する処理例を説明する。
【0091】
図11に、本実施形態に係るベースバンド送信部1の構成を示す。図11に示したベースバンド送信部1の構成は、第1実施形態(図4)に示したものとほぼ同様である。
【0092】
図11に示す通り、アラーム収集部16からの選択信号112にしたがい、データ生成部10は、ダイバシチあり/なしを3GPPのP−SCH信号に設定する。上述のように、従来、3GPPでは、移動局が基地局と無線リンクを確立するときにP−SCHが使用される。
【0093】
例えば、3GPPによる物理チャネルでは、各無線フレームは、15個のスロットから構成される。スロットは、約0.67msであり、無線フレームは、約10msである。P−SCHは、P−CCPCH(Primary Common Control Physical CHannel)と呼ばれる制御チャネルと組み合わせられ、各スロットの先頭に挿入されている。
【0094】
この無線リンクの確立時、まず、移動局は、自身がどの基地局のセルに属するかを調べる。この処理をセルサーチと呼ぶ。移動局は、セルサーチを実行する際に、SCH(P−SCH、およびS−SCH)を受信し、受信タイミングの決定およびスクランブルコードの同定に利用する。
【0095】
また、このPS−SCHの送信データには、P−CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)のSTTDエンコードの有無を示すa(a=+1:STTDあり、a=−1:STTDなし)があり、移動端末は、aによりダイバシチ有無(STTDあり:ダイバシチあり、STTDなし:ダイバシチなし)を認識することが可能である。本実施形態では、基地局は、この無線リンクの確立時に使用されるP−SCHを無線リンクの確立後、例えば、通話中のダイバシチの有無の通知に使用する。
【0096】
以下、図11により、本実施形態における無線通信基地局装置の処理を説明する。図11において、データ生成部10には、送信データの他、P−CCPCHダイバシチあり、P−CCPCHダイバシチなし、およびP−SCHダイバシチイネーブルおよびP−SCHディセーブルが入力されている。なお、一般的には、P−SCHとP−CCPCHのダイバシチは、互いに連動する。
【0097】
例えば、P−SCHダイバシチイネーブルの場合は、P−CCPCHダイバシチありとなる。また、P−SCHディセーブルの場合には、P−CCPCHダイバシチなしとなる。
【0098】
P−SCH信号は、データ生成部10で生成され、ブランチ0拡散部11およびブランチ1拡散部12に送信される。ブランチ0拡散部11およびブランチ1拡散部12は、送信されたデータとコード生成部17から送信されたコードにて拡散処理を行い、位相調整部13、電力制御部14に送信する。
【0099】
アラーム収集部16は、各ブロック(送信部2A、2B、アンプ部3A、3B)からのアラーム信号を収集し、各ブロックのアラーム状態に基づき選択信号112、113を生成する。選択信号112は、データ生成部10および位相調整部13に入力される。
【0100】
データ生成部10は、選択信号112にしたがい、P−SCHのフォーマットにダイバシチの有無を設定する。一方、位相調整部13は、選択信号112にしたがい、ブランチ1の位相を制御する。
【0101】
また、選択信号113は、送信電力指示部15に入力される。送信電力指示部15は、アラームの有無に応じて、第1実施形態〜第3実施形態と同様、送信電力制御部14を制御する。
【0102】
図12、図13のテーブルに、アラームの状態と、その状態に基づき設定されるベースバンド送信部1の各部の設定値を示す。図12は、P−SCHに対する設定値を示している。
【0103】
図12のように、このテーブルは、ブランチ0(BR0)、ブランチ1(BR1)のアラーム状態と、位相調整部設定値、およびデータ生成部設定値との組み合わせからなる。これらの値については、すでに第3実施形態(図10)等において説明した。また、第2実施形態では、アラームビットにより、無線通信基地局装置から移動局にアラームの状態を通知する例を示した。
【0104】
本実施形態では、図12にしたがい、アラーム状態により、位相調整の有無が制御されるともに、P−SCHのフォーマットにより、ブランチ0とブランチ1の状態(通常送信、停止、ダイバシチ(図12では、STTDで示す)のあり、なし)が移動局に通知される。
【0105】
図13は、PCCPCHを制御する設定値を示している。すなわち、本実施形態では、PCCPCHについても、第1実施形態から第3実施形態の場合と同様、送信部2A、2B、アンプ部3A、3Bのアラーム状態にしたがい、位相調整と、およびブランチ0および1に対するダイバシチの有無が制御される。
【0106】
図14に、アラーム収集部16からの選択信号により、データ生成部10で実行される処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、アラーム収集部16が、アラーム検出の有無を判定する。アラーム収集部16においてアラームが検出されていない場合、通常送信(例えば、ダイバシチありの送信)が継続される。
【0107】
一方、アラーム収集部16において、送信部2A、2B、アンプ部3A、3Bのいずれかからのアラームが検出された場合、選択信号112により、そのアラームがデータ生成部10に通知される。
【0108】
そして、選択信号112により、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)または、ブランチ1のアラーム(BR1_ALM)のいずれか一方が通知された場合、データ生成部10は、P−SCHのフォーマットにダイバシチなし(P−SCH_ENなし)を設定し、送信する(S3)。
【0109】
この場合に、データ生成部10は、P−SCHをダイバシチなしの状態で送信する(送信部2Aまたは2Bに送信させる、以下同様)。さらに、データ生成部10は、PCCPCHをダイバシチなしで送信する(S4)。
【0110】
そして、データ生成部10は、個別チャネルのデータ、例えば、DPDCH(Dedicated Physical Data CHannel)、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)等をダイバシチなしで送信する(S5)。
【0111】
一方、選択信号112により、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)およびブランチ1のアラーム(BR1_ALM)の双方が通知された場合、データ生成部10は、送信を停止する。
【0112】
図15に、アラーム収集部16からの選択信号により、位相調整部13で実行される処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、アラーム収集部16が、アラーム検出の有無を判定する。アラーム収集部16においてアラームが検出されていない場合、通常送信(例えば、ダイバシチありの送信)が継続される。
【0113】
一方、アラーム収集部16において、送信部2A、2B、アンプ部3A、3Bのいずれかからのアラームが検出された場合、選択信号112により、そのアラームが位相調整部13に通知される。
【0114】
そして、選択信号112により、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)が通知された場合、位相調整部13は、位相調整(位相回転処理)を中止し、ブランチ0との位相差を0にする(S10)。
【0115】
一方、選択信号112により、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)およびブランチ1のアラーム(BR1_ALM)の双方が通知された場合、位相調整部13は、送信を停止する(S11)。
【0116】
図16に、アラーム収集部16からの選択信号により、送信電力指示部15で実行される処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、アラーム収集部16が、アラーム検出の有無を判定する。アラーム収集部16においてアラームが検出されていない場合、通常送信(例えば、ダイバシチありの送信)が継続される。
【0117】
一方、アラーム収集部16において、送信部2A、2B、アンプ部3A、3Bのいずれかからのアラームが検出された場合、選択信号113により、そのアラームが送信電力指示部15に通知される。
【0118】
そして、選択信号113により、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)が通知され、ブランチ1のアラーム(BR1_ALM)が通知されなかった場合、送信電力指示部15は、ブランチ0の送信停止を電力制御部14に指示する(S20)。このとき、さらに、送信電力指示部15は、ブランチ1において通常送信より送信電力を3dB増加するように電力制御部14に指示する(S21)。
【0119】
また、選択信号113により、ブランチ1のアラーム(BR1_ALM)が通知され、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)が通知されなかった場合、送信電力指示部15は、ブランチ1の送信停止を電力制御部14に指示する(S222)。このとき、さらに、送信電力指示部15は、ブランチ0において通常送信より送信電力を3dB増加するように電力制御部14に指示する(S23)。
【0120】
さらに、選択信号113により、ブランチ0のアラーム(BR0_ALM)およびブランチ1のアラーム(BR1_ALM)の双方が通知された場合、送信電力指示部15は、双方の送信停止を指示する(S24、S25)。
【0121】
以上述べたように、本実施形態によれば、ブランチ0またはブランチ1でアラームが発生した場合に、アラームが発生したブランチの送信を停止し、アラームが発生していないブランチの送信電力を3dB増加させる。さらに、ブランチ0にアラームが発生した場合に、ブランチ1の位相調整を停止する。このようにして、ダイバシチのない状態で移動局における受信電力の低減を防止する。すなわち、本実施形態の無線通信基地局装置によれば、無線リンク確立後、例えば、通話途中においてダイバシチあり/なしを切り替えることができる。
【0122】
さらに、本実施形態のデータ生成部10は、P−SCHのフォーマットにしたがい、ダイバシチによらずに送信することを移動局に通知する。すなわち、本データ生成部10によれば、本来、無線リンクの確立、セルサーチに使用するP−SCHを利用し、無線リンク確立後、例えば、通話途中でのダイバシチ有無の切替結果を通知することができる。
【0123】
<変形例>
上記実施形態では、無線通信基地局装置は、通話途中におけるダイバシチ有無の切替結果をP−SCHのフォーマットにより移動局に通知した。
【0124】
しかし、本発明の実施はこのような処理には限定されない。例えば、P−SCHは、3GPP規格では、通常送信時、各無線フレームを構成する15個の各スロットの先頭に挿入される。一方、ダイバシチありの場合、P−SCHは、TSTD(Time Switched Transmit Diversity)により、送信される。TSTDでは、タイムスロットごとに送信アンテナ(ブランチ)を切り替えることでダイバシチを実現する方法である。
【0125】
したがって、TSTDにおいては、P−SCHは、ブランチ0とブランチ1とで交互に送信されることになる。そこで、移動局側で、ブランチ0またはブランチ1のいずれかにおけるP−SCHの送信間隔を判定すれば、ダイバシチの有無が判定できる。この場合、P−SCHのフォーマートにダイバシチの有無を設定しなくても、通話途中において、ダイバシチ有無の切替結果を通知することができる。
【0126】
《第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係る無線通信基地局装置を図17から図20の図面に基づいて説明する。上記第1実施形態では、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させるように、ベースバンド送信部1で送信電力を制御する例を示した。
【0127】
本実施形態では、そのような場合に、送信部およびアンプにおいて送信電力を制御する無線通信基地局装置を説明する。本実施形態における他の構成および作用は、第1実施形態のものと同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図5の図面を参照する。
【0128】
図17に、本実施形態に係る無線通信基地局装置の基本構成図を示す。この無線通信基地局装置の構成は、基本的には、図1の場合と同様である。ただし、図17に示すように、本実施形態では、ブランチ0を構成する送信部2Cまたはアンプ部3Cで発生したアラーム信号は、ブランチ1を構成する送信部2Dおよびアンプ部3Dに送信される。また、ブランチ1を構成する送信部2Dまたはアンプ部3Dで発生したアラーム信号は、ブランチ0を構成する送信部2Cおよびアンプ部3Cに送信される。
【0129】
そして、本実施形態では、送信電力の制御が送信部2Cおよび2Dにおいて実行される。また、アラームが発生したブランチにおける送信電力の停止がアンプ部3Cまたは3Dに指示される。
【0130】
図18に、本実施形態における送信部2Cの構成を示す。なお、送信部2Dの構成は、送信部2Cと同様である。図18に示すように、本実施形態の送信部2Cは、第1実施形態の送信部2A、2Bと比較して、電力変換部25およびセレクタ26が追加されている。さらに、アラーム収集部24は、当該ブランチ0のアラーム信号を他のブランチ(例えば、ブランチ1)に送信するとともに、他のブランチからのアラーム信号を受信する。
【0131】
電力変換部25は、拡散波信号を入力され、その送信電力を3dB増加させる。この電力変換部25は、選択信号120により、イネーブル状態とディセーブル状態を切り替えられる。
【0132】
セレクタ26は、選択信号120にしたがい、通常の拡散波信号または電力変換部により3dB増大した拡散波信号を選択し、直交変調部22に引き渡す。
【0133】
図19に、本実施形態におけるベースバンド送信部1Cの構成を示す。図19に示すように、本実施形態においては、ベースバンド送信部1Cは、第1実施形態のベースバンド送信部1と比較して、アラーム収集部16が設けられていない。すなわち、本実施形態においては、ベースバンド送信部1Cは、送信部2C、2Dまたはアンプ部3C、3D等のアラーム信号を収集しない。また、ベースバンド送信部1Cは、アラーム信号にしたがって送信電力を制御することをしない。 すなわち、通常の無線通信基地局と同様に、ベースバンド送信部1Cは、初期電力の指示、または、移動局からの電力指示(図19に上り電力指示と示す)にしたがい、送信電力を制御する。
【0134】
図20に、送信部2Cまたは2Dにおいて、電力変換部25が送信電力を決定するときの論理を説明するテーブルを示す。
【0135】
本実施形態の送信部2C、2D(電力変換部25)は、このようなアラーム状態にしたがい、図20に示すように作用する。すなわち、ブランチ0およびブランチ1においてアラームが全く発生していない場合、送信部2C、2Dは、ブランチ0およびブランチ1を通常の送信電力で送信する。
【0136】
この場合、ブランチ0およびブランチ1により送信ダイバシチが実施される。送信ダイバシチを実行する場合、ブランチ0およびブランチ1の各々の送信電力は、通常、ダイバシチを実行しない単一ブランチの場合と比較して3dB少ない電力に設定される。受信側(不図示の移動局)は、ブランチ0とブランチ1の電力を合成して最適な受信信号を得る。受信側では、この合成により、ダイバシチを実行しない単一ブランチの場合と同等の受信電力を得ることができる。
【0137】
また、ブランチ1が正常で、ブランチ0においてアラームが発生している場合、送信部2Cは、ブランチ0の送信を停止する。一方、送信部2Dは、ブランチ1の送信電力を通常より3bB増加させて送信する。これは、ブランチ0が正常で、ブランチ1においてアラームが発生している場合も同様である。
【0138】
そのため、本実施形態の無線通信基地局装置によれば、移動局は、送信ダイバシチを実行するブランチ0(送信部2A、アンプ3A)またはブランチ1(送信部2B、アンプ3B)のいずれかが故障しても、ダイバシチにより得られる受信電力と同等の受信電力で受信することができる。
【0139】
一方、ブランチ0およびブランチ1の双方においてアラームが発生している場合、送信部2Cは、ブランチ0の送信を停止し、送信部2Dは、ブランチ1の送信を停止する。その結果、ブランチ0およびブランチ1双方の送信が停止される。もはや、無線通信基地局装置として機能することができないからである。
【0140】
以上の述べたように、本実施形態によれば、送信部2C、2Dにおける電力制御により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、通常状態では、送信ダイバシチを実行し、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させることができる。
【0141】
《第6実施形態》
以下、本発明の第6実施形態に係る無線通信基地局装置を図21から図23の図面に基づいて説明する。上記第1実施形態または第5実施形態では、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させるように、送信電力を制御する例を示した。これらの例では、異常発生時、ブランチ0またはブランチ1からアラーム信号が発せられた。
【0142】
従来、3GPP等で規定する送信電力制御においては、移動局からの電力制御情報にしたがい送信電力を制御する機能が規定されている。
【0143】
本実施形態では、このような移動局からのフィードバックに基づく電力制御機能に、無線通信基地局装置内のアラームに基づく電力制御機能を組み合わせた処理を説明する。本実施形態における他の構成および作用は、第1実施形態から第5実施形態等の構成と同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、必要に応じて図1から図20の図面を参照する。
【0144】
3GPPで規定するCDMAシステムは、送信電力制御機能の1つとしてクローズループ制御を実行する。下り電力を移動局が受信したときに、移動局は受信レベルが高いか低いかを判定する。この判定は、例えば、SIR(Signal−to−Interference Ratio)推定による。
【0145】
例えば、移動局は、受信SIRを測定し、目標値に達していない場合、増加(UP)コマンドを無線通信基地局に送信する。また、目標値を超えている場合、移動局は、減少(DOWN)コマンドを無線通信基地局に送信する。これらのコマンドは、上り制御データ(DPCCH)の電力制御情報(一般的にはTPC(Transmit Power Control)と呼ばれる)により通知される。無線通信基地局は、これらのコマンドにしたがい送信電力を制御する。本実施形態の無線通信基地局装置は、アラーム発生時に、この電力制御を強制的に、所定の電力(アラーム時の送信電力)に切り替える。
【0146】
図21に、本実施形態に係る無線通信基地局装置の基本構成図を示す。この無線通信基地局装置は、第1実施形態の場合(図1)と比較して、受信部4およびベースバンド受信部5が明示されている。他の構成要素は、図1と同様である。
【0147】
受信部4は、移動局からの上り方向のチャネルを受信し、増幅し、周波数変換によりベースバンド信号を生成する。このベースバンド信号は、ベースバンド受信部5に入力される。
【0148】
ベースバンド受信部5は、移動局が送信するDPCCHの電力制御情報を復調し、0か1かをベースバンド送信部1に通知する。ベースバンド送信部1では、この0,1による通知にしたがい電力を規定通り(上げ幅、下げ幅は設定による)に増加(UP)、減少(DOWN)する処理を繰り返す。
【0149】
さらに、本実施形態では、図23に示すベースバンド受信部5が、アラーム発生時にベースバンド送信部1に送る電力制御情報にアラーム時の電力情報を設定する。
【0150】
図23に、ベースバンド受信部5からベースバンド送信部1に送信される電力制御情報(TPC)を示す。図23のように、この電力制御情報は、3GPPで規定されたDOWN(”0”)、UP(”1”)の他、3dB増加(”X”)を含む。ベースバンド送信部1は、その指示にしたがい電力を制御する。
【0151】
図22にベースバンド受信部5のブロック図を示す。ベースバンド受信部5は、パス検出部51、逆拡散部52、電力制御情報生成部53およびアラーム収集部54を有している。
【0152】
パス検出部51は、セルサーチを実行するユニットである。逆拡散部52には、拡散符号により拡散された受信データに拡散符号を乗算し、移動局から送信された信号を再現する。DPCCHについては、例えば、電力制御情報(TPC)が再現される。この電力制御情報は、電力制御情報生成部53に送信される。このように、移動局からの送信情報にしたがい、送信側で送信電力を制御する処理をクローズドループ(CL)処理をという。
【0153】
また、ベースバンド受信部5は、アラーム収集部54を有している。アラーム収集部54には、送信部2A、2B、およびアンプ部3A、3B等のアラーム信号が収集される。このアラーム信号も、電力制御情報生成部24に送信される。
【0154】
電力制御情報生成部53は、逆拡散部52からの電力制御情報およびアラーム収集部54からのアラーム信号により、図23にしたがい、ベースバンド送信部1を制御する電力制御情報(”0”、”1”または”X”)を生成する。この電力制御情報は、ベースバンド送信部1に送信され、送信電力が制御される。
【0155】
以上の述べたように、本実施形態によれば、ベースバンド受信部5からの電力制御情報(TPC)と基地局内で収集されたアラーム情報を組み合わせて送信電力を制御することができる。すなわち、通常状態では、送信ダイバシチを実行し、ブランチ0またはブランチ1に異常が発生した場合でも、通常状態と同等の受信電力で移動局に受信させることができる。
【0156】
《その他》
さらに、本実施の形態は以下の発明を開示する。また、以下の各発明(以下付記と呼ぶ)のいずれかに含まれる構成要素を他の付記の構成要素と組み合わせてもよい。
(付記1) 移動局に送信信号を送信する複数の送信系統と、
前記各送信系統の異常を検知する異常検知部と、
前記各送信系統の送信電力を制御する電力制御部と、
いずれかの送信系統で異常が検知されたときに異常が検知されていない送信系統の送信電力を増加する方向に指示する制御指示部とを備える移動通信基地局装置。(1)
(付記2) 前記制御指示部は、前記異常が検知された送信系統での送信を停止させる付記1に記載の移動通信基地局装置。(2)
(付記3) 前記異常が検知されない状態では、前記複数の送信系統は送信ダイバシチを構成し、前記電力制御部は複数の送信系統による送信信号を合成した送信電力により移動局に対してダイバシチがない場合と同等の送信電力を供給し、前記異常が検知された状態では、前記電力制御部は異常が検知されていない送信系統においてダイバシチのない場合と同等の送信電力で送信信号を送信する付記1に記載の移動通信基地局装置。(3)
(付記4) 前記送信データの送信中に前記異常が検知された状態を前記移動局に通知する通知部をさらに備える付記1に記載の移動通信基地局装置。(4)
(付記5) 前記複数の送信系統において異常が検知されない状態では第1の送信系統の送信信号に対し第2の送信系統の位相を変化させ、前記第1の送信系統で異常が検知されたときに前記第2の送信系統の位相を前記変化のない状態に戻す位相調整手段をさらに備える付記1に記載の移動通信基地局装置。(5)
(付記6) 前記電力制御部は、前記送信部にそれぞれ設けられる移動通信基地局装置。
(付記7) 移動局に送信信号を送信する複数の送信系統を有する移動通信基地局装置による通信方法であり、
前記各送信系統の異常を検知するステップと、
いずれかの送信系統で異常が検知されたときに異常が検知されていない送信系統の送信電力を増加する方向に制御する制御ステップとを備える通信方法。
(付記8) 前記異常が検知された送信系統での送信を停止させるステップをさらに備える付記7に記載の通信方法。
(付記9) 前記異常が検知されない状態では、前記複数の送信系統は送信ダイバシチを構成し、複数の送信系統による送信信号を合成した送信電力により移動局に対してダイバシチがない場合と同等の送信電力を供給しており、
前記制御ステップでは、前記異常が検知されたときに、異常が検知されていない送信系統においてダイバシチのない場合と同等の送信電力で送信信号が送信される付記7に記載の通信方法。
(付記10) 前記送信データの送信中に前記異常が検知された状態を前記移動局に通知するステップをさらに備える付記7に記載の通信方法。
(付記11) 前記複数の送信系統において異常が検知されない状態では第1の送信系統の送信信号に対し第2の送信系統の位相を変化させるステップと、
前記第1の送信系統で異常が検知されたときに前記第2の送信系統の位相を前記変化のない状態に戻すステップとをさらに備える付記7に記載の通信方法。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ダイバシチ機能を有する無線通信方式において、冗長構成を採用することなく、障害発生時に通常時と同等の通信特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における無線通信基地局装置の基本構成図
【図2】送信部ブロック図
【図3】アンプ部ブロック図
【図4】ベースバンド部ブロック図
【図5】アラーム別送信電力の設定値を示す図
【図6】本発明の第2実施形態におけるベースバンド送信部1の構成図
【図7】アラームビットを移動局に送信する送信データフォーマット
【図8】アラームビットの定義を示す図
【図9】本発明の第3実施形態におけるベースバンド送信部1の構成図
【図10】アラームの状態と、その状態に基づき設定されるベースバンド送信部1の各部の設定値を示す図
【図11】本発明の第4実施形態におけるベースバンド送信部1の構成図
【図12】アラームの状態と、その状態に基づき設定されるベースバンド送信部1の各部の設定値を示す図(P−SCH用)
【図13】アラームの状態と、その状態に基づき設定されるベースバンド送信部1の各部の設定値を示す図(PCCPCH用)
【図14】アラーム収集部16からの選択信号により、データ生成部10で実行される処理のフローチャート
【図15】アラーム収集部16からの選択信号により、位相調整部13で実行される処理のフローチャート
【図16】アラーム収集部16からの選択信号により、送信電力指示部15で実行される処理のフローチャート
【図17】本発明の第5実施形態における無線通信基地局装置の基本構成図
【図18】本発明の第5実施形態における送信部2Cの構成図
【図19】本発明の第5実施形態におけるベースバンド送信部1Cの構成図
【図20】電力変換部25が送信電力を決定するときの論理を説明するテーブル
【図21】本発明の第6実施形態における無線通信基地局装置の基本構成図
【図22】本発明の第6実施形態におけるベースバンド受信部5のブロック図
【図23】電力制御情報生成部53がベースバンド送信部1を制御する電力制御情報を生成する論理を示すテーブル
【符号の説明】
1、1C ベースバンド送信部
2A、2B、2C、2D 送信部
3A、3B、3C、3D アンプ部
11 ブランチ0拡散部
12 ブランチ1拡散部
13 位相調整部
14 電力制御部
15 電力指示部
16、24、32 アラーム収集部
21 加算部
22 直交変調部
23 周波数変換部

Claims (5)

  1. 移動局に送信信号を送信する複数の送信系統と、
    前記各送信系統の異常を検知する異常検知部と、
    前記各送信系統の送信電力を制御する電力制御部と、
    いずれかの送信系統で異常が検知されたときに異常が検知されていない送信系統の送信電力を増加する方向に指示する制御指示部とを備える移動通信基地局装置。
  2. 前記制御指示部は、前記異常が検知された送信系統での送信を停止させる請求項1に記載の移動通信基地局装置。
  3. 前記異常が検知されない状態では、前記複数の送信系統は送信ダイバシチを構成し、前記電力制御部は複数の送信系統による送信信号を合成した送信電力により移動局に対してダイバシチがない場合と同等の送信電力を供給し、
    前記異常が検知された状態では、前記電力制御部は異常が検知されていない送信系統においてダイバシチのない場合と同等の送信電力で送信信号を送信する請求項1に記載の移動通信基地局装置。
  4. 前記送信データの送信中に前記異常が検知された状態を前記移動局に通知する通知部をさらに備える請求項1に記載の移動通信基地局装置。
  5. 前記複数の送信系統において異常が検知されない状態では第1の送信系統の送信信号に対し第2の送信系統の位相を変化させ、前記第1の送信系統で異常が検知されたときに前記第2の送信系統の位相を前記変化のない状態に戻す位相調整手段をさらに備える請求項1に記載の移動通信基地局装置。
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