JP2004304718A - 近接領域画像抽出装置及び近接領域画像抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カラー動画像を撮影するカラーカメラ11と、近接物体OBに赤外光を照射する赤外光源部15と、点灯赤外画像と消灯赤外画像とを交互に取得する赤外カメラ12と、点灯赤外画像と消灯赤外画像の絶対値差分画像を取得する絶対値差分画像取得部22と、絶対値差分画像から近接領域画像を抽出する近接領域画像抽出部23と、近接領域画像から近接物体を表すオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出部24とを備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接物体を含むカラー動画像から、近接物体を含む近接領域画像を抽出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラービデオカメラと赤外カメラとを用いて、カラービデオカメラが撮影したカラー動画像から撮影者の近傍に位置する近接物体を含む近接領域画像を抽出する技術がいくつか提案されている。
【0003】
非特許文献1においては、カラー動画像を撮影するカラービデオカメラと、このカラービデオカメラと光軸一致状態に配設された赤外カメラと、赤外光を発光する赤外光源とを備え、被写体からの赤外反射光を受光することで得られた赤外画像に基づいて、カラー動画像から近接領域画像を抽出する装置が開示されている。かかる装置では、カラービデオカメラと赤外カメラとが光軸一致の状態で配設されているため、両カメラは同一の被写体を撮影することが可能となり、カラー動画像から近接領域画像を精度よく抽出することができる。なお、赤外画像は、輝度が距離の二乗に反比例して現れる特性を有しているため、輝度を基に、近接領域画像と背景画像とを分離することができる。
【0004】
しかし、非特許文献1の装置においては、屋内では近接領域画像を良好に抽出することができるものの、屋外では太陽光に多く含まれる赤外光の影響により、赤外画像中の背景画像の輝度が高くなってしまい、近接領域画像を精度良く抽出することができず、屋外でのロバスト性が低下するという問題を有していた。
【0005】
そこで、赤外光源に対して、赤外カメラが赤外画像を取得するタイミングと同期して、点灯及び消灯を交互に繰り返し実行させ、赤外光源の点灯時の赤外画像(点灯赤外画像)と赤外光源の消灯時の赤外画像(消灯赤外画像)とを交互に取得し、点灯赤外画像から、その点灯赤外画像の次フィールドで取得された消灯赤外画像を差し引くことにより差分画像を取得し、この差分画像を用いて、近接領域画像を抽出することで屋外でのロバスト性を確保できる装置が開示されている。
【0006】
ここで、点灯赤外画像には、太陽光に含まれる赤外光の成分(太陽光赤外成分)と赤外光源からの赤外光の成分(光源赤外光成分)とが含まれている。一方、消灯赤外画像には、太陽赤外光成分のみが含まれる。そのため、点灯赤外画像から消灯赤外画像を差し引くと、両画像に含まれる太陽赤外光成分が相殺されることとなり、差分画像には、光源赤外光成分のみが含まれ、背景画像と近接領域画像とを精度よく分離することができる。その他、以下に示す非特許文献3及び4なども存在する。
【0007】
【非特許文献1】
上岡、河村、河野、木戸出“ウェアラブル装置を用いたオブジェクト登録・検索システムの基礎実験”画像電子学会第91回研究会、pp25−30,jan 2002
【非特許文献2】
Lee,C.,Schroder,K,and Seibel,E.Efficient image segmentation of walking hazards using IR illumination in Wearable low vision aids.Proc.6th IEEE International Symposium on Wearable Computers(ISWC2002),pp127−128,Oct.2002
【非特許文献3】
種本、松本、今井、小笠原“赤外光源を用いたての画像取得に基づく非接触インターフェイスの構築”ロボティクス・メカトロニクス講演会’01公演論文集、1P1−M10,2001
【非特許文献4】
三原、原島、沼崎Pop.eye“パーソナルユーザ向けの「飛び出す」動画取得システム”WISS2002論文集,pp.73−79,Dec2002
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非特許文献2に開示された装置では、点灯赤外画像からその次に取得される消灯赤外画像を差し引くことにより差分画像を取得しているが、これでは差分画像は、奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像が取得される周期をΔTとすると、2ΔTの周期で取得されるため、近接領域画像をフィールドレートで取得することができないという問題があった。特に、赤外カメラ及びカラーカメラを頭部に装着してウェアラブルに使用する場合、頭部運動(首振り)による画像変動が大きいため、差分画像を取得する周期が大きいと、赤外画像及びカラー画像間における近接物体の位置が相違してしまい、近接領域画像を高精度に検出することができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、屋外におけるロバスト性を確保しつつ、近接領域画像をフィールドレートで取得することができる近接領域画像抽出装置及び近接領域画像抽出方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本近接領域画像抽出装置は、カラー動画像から撮影者の近傍に位置する近接物体を含む近接領域画像を抽出する近接領域画像抽出装置であって、可視光を用いて前記近接物体のカラー動画像を取得する撮影手段と、前記近接物体に赤外光を照射する赤外光源と、前記赤外光源に対し、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、点灯と消灯とを交互に繰り返し行わせる点灯制御手段と、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、前記赤外光源の点灯時の前記近接物体の赤外画像である点灯赤外画像と前記赤外光源の消灯時の前記近接物体の赤外画像である消灯赤外画像とを交互に取得する赤外画像取得手段と、現フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像であり、前フィールドに対応する赤外画像が消灯赤外画像であるときは、前記消灯赤外画像から前記点灯赤外画像の差分にマイナス1を乗算して得られた画像を絶対値差分画像とすることにより、時間的に連続して取得された点灯赤外画像と消灯赤外画像との差分の絶対値の画像を取得する絶対値差分画像取得手段と、前記絶対値差分画像取得手段が取得した絶対値差分画像を基に、前記カラー動画像から前記近接領域画像を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、撮影手段によって、カラー動画像が撮影されるとともに、撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、赤外光源の点灯と消灯とが交互に繰り返され、赤外画像取得手段によって、点灯赤外画像と消灯赤外画像とが交互に繰り返し撮影される。そして、時間的に連続する点灯赤外画像と消灯赤外画像との差分の絶対値の画像(絶対値差分画像)が取得される。ここで、絶対値差分画像は、前フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像であり、現フィールド画像に対応する赤外画像が消灯赤外画像である場合は、点灯赤外画像から消灯赤外画像を差し引くことで取得され、前フィールド画像に対応する赤外画像が消灯赤外画像であり、現フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像である場合は、消灯赤外画像から点灯赤外画像を差し引いた差分画像にマイナス1を乗算することで取得される。
【0012】
これにより、点灯赤外画像と消灯赤外画像との差分画像がフィールドレートで得ることが可能となる。そして、この差分画像を基に近接領域画像が抽出され、この近接領域画像をマスク画像として、対応するカラー動画像にマスキング処理を施し、カラー動画像から近接領域画像が抽出される。
【0013】
また、前記撮影手段及び前記赤外画像取得手段の光軸は、一致の状態で配設されていることが好ましい。この構成によれば、赤外画像取得手段と撮影手段とは、同じ被写体を撮影することが可能となるため、カラー動画像から抽出される近接領域画像の抽出精度をより高めることができる。
【0014】
また、前記撮影手段によって取得された時間的に連続する2枚のフィールド画像、前記2枚のフィールド画像とそれぞれ同期して取得された点灯赤外画像及び消灯赤外画像を1枚の画像に統合して、前記絶対値差分画像取得手段に出力する画像統合部をさらに備え、前記画像統合部は、前記2枚のフィールド画像、前記点灯赤外画像及び前記消灯赤外画像をそれぞれ、水平方向の画素数が1/2となるように圧縮して、1枚の画像に統合することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、連続する2枚のカラー画像、点灯赤外画像及び消灯赤外画像は、それぞれ水平方向の画素数が1/2に圧縮されて1枚の画像に統合されるため、これら4枚の画像を効率よく絶対値差分画像取得手段に出力することができる。
【0016】
また、前記抽出手段は、前記近接領域画像から肌色の領域を除去し、前記近接物体を表すオブジェクト画像を抽出することが好ましい。この構成によれば、近接領域画像に含まれる近接物体を把持する撮影者の手の画像を除去することが可能となり、カラー動画像から近接物体を表すオブジェクト画像を抽出することができる。
【0017】
また、前記抽出手段が抽出したオブジェクト画像を表示するオーバーヘッドディスプレイをさらに備え、前記撮影手段、前記赤外光源及び前記赤外画像取得手段は、前記オーバーヘッドディスプレイと一体的に構成されているとともに、その光軸が撮影者の視野内に含まれるように配設することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、撮影手段及び赤外画像取得手段は、撮影者が近接物体を把持し、把持した近接物体を目視したときの画像を撮影することができる。
【0019】
本発明に係る近接領域画像抽出方法は、カラー動画像から撮影者の近傍に位置する近接物体を含む近接領域画像を抽出する近接領域画像抽出方法であって、撮影手段を用い、前記近接物体のカラー動画像を撮影するステップと、前記近接物体に対して赤外光を照射する赤外光源に対し、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、点灯と消灯とを交互に繰り返し実行させるステップと、赤外画像取得手段を用い、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、前記赤外光源の点灯時の前記近接物体の赤外画像である点灯赤外画像と前記赤外光源の消灯時の前記近接物体の赤外画像である消灯赤外画像とを交互に取得するステップと、現フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像であり、前フィールドに対応する赤外画像が消灯赤外画像であるときは、前記消灯赤外画像から前記点灯赤外画像の差分にマイナス1を乗算して得られた画像を絶対値差分画像とすることにより、時間的に連続する前記点灯赤外画像と前記消灯赤外画像との差分の絶対値の画像を取得するステップと、前記差分の絶対値の画像を基に、前記撮影手段が取得したカラー動画像から前記近接領域画像を抽出するステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、撮影手段によって、カラー動画像が撮影されるとともに、撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、赤外光源の点灯と消灯とが交互に繰り返され、赤外画像取得手段によって、点灯赤外画像と消灯赤外画像とが交互に繰り返し撮影される。そして、時間的に連続する点灯赤外画像と消灯赤外画像との差分の絶対値の画像(絶対値差分画像)が取得される。ここで、絶対値差分画像は、前フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像であり、現フィールド画像に対応する赤外画像が消灯赤外画像である場合は、点灯赤外画像から消灯赤外画像を差し引くことで取得され、前フィールド画像に対応する赤外画像が消灯赤外画像であり、現フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像である場合は、消灯赤外画像から点灯赤外画像を差し引いた差分画像にマイナス1を乗算することで取得される。
【0021】
これにより、点灯赤外画像と消灯赤外画像との差分画像がフィールドレートで得ることが可能となる。そして、この差分画像を基に近接領域画像が抽出され、この近接領域画像をマスク画像として、対応するカラー動画像にマスキング処理を施し、カラー動画像から近接領域画像が抽出される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る近接領域画像抽出装置の外観構成を示した図である。本近接領域画像抽出装置は、撮影者Pの顔面部に装着される装着部10及び撮影者Pの例えば腰部に装着されるウェアラブルコンピュータ20から構成されている。装着部10及びウェアラブルコンピュータ20は電気ケーブルにより電気的に接続されている。なお、電気ケーブルに代えて無線により通信可能に接続してもよい。
【0023】
装着部10は、撮影ユニット101、制御ユニット102及び表示ユニット103を備えている。撮影ユニット101は、被写体からの反射光を受光するビームスプリッタ13、ビームスプリッタ13の上下に配設された赤外光源部15を備えている。ビームスプリッタ13は、撮影者のこめかみ付近に配設され、撮影者Pの視野内に存在する被写体からの反射光が受光可能となっている。本近接領域画像抽出装置は、撮影者Pによって把持された近接物体OBをカラービデオカメラにより撮影し、得られたカラー動画像から近接物体OBの画像(オブジェクト画像)を抽出し、このオブジェクト画像を表示ユニット103に動画像表示させるものである。
【0024】
赤外光源部15は、赤外発光ダイオードが所定行所定列に配列されている。制御ユニット102は、後述するフィールド多重回路及び同期回路を備えている。
【0025】
表示ユニット103は、眼鏡104及び眼鏡104のフレーム上であって、撮影者Pが左右何れか一方の眼(図1では、撮影者Pの右眼)の前方に配設された片眼ディスプレイ105とを備えている。
【0026】
図2は、本近接領域画像抽出装置の全体構成を示したブロック図である。図2に示すように、装着部10は、カラーカメラ11、赤外カメラ12、ビームスプリッタ13、フィールド多重回路14、赤外光源部15、同期回路16、赤外透過フィルタ17及び表示装置18を備えている。
【0027】
カラーカメラ11は、ビームスプリッタ13の図中上側に配設され、所定のフィールドレートでカラー動画像を取得する。カラーカメラ11は、表示装置18の各画素と対応するように所定行所定列で配列されたエリアCCDを備えている。赤外カメラ12は、ビームスプリッタ13の図中右側に配設され、カラーカメラ11と同一のフィールドレートで赤外画像を取得する。赤外カメラ12は、表示装置18の各画素と対応するように所定行所定列で配列され、赤外光帯域に高い感度を有するエリアCCDを備えている。
【0028】
ビームスプリッタ13は、近接物体OBの光像を反射してカラーカメラ11側に導くとともに、近接物体OBからの反射光を透過して赤外カメラ12側に導く。これにより、カラーカメラ11と赤外カメラ12との光軸が一致し、両カメラは同じ被写体を撮影することができる。ビームスプリッタ13と赤外カメラ12との間には、赤外透過フィルタ14が配設されている。これにより、赤外カメラ12には、被写体からの反射光に含まれる赤外光成分のみが抽出され、導かれることとなる。なお、ビームスプリッタ13として、赤外光のみを透過して赤外カメラ12側に導く特性を有するものを採用した場合、赤外透過フィルタ14は不要となる。
【0029】
赤外光源部15は、赤外発光ダイオード及び赤外発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動回路等から構成され、同期回路16の制御の基、近接物体OBに対して赤外光の点灯及び消灯を交互に繰り返し照射する。
【0030】
同期回路16は、カラーカメラ11がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、赤外光源部15に赤外光の点灯と消灯とを繰り返し実行させるとともに、カラーカメラ11がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、赤外カメラ12に赤外画像を取得させる。これにより、赤外カメラ12は、カラーカメラ11がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、赤外光源部15の点灯時の赤外画像である点灯赤外画像と消灯時の赤外画像である消灯赤外画像とを交互に取得することが可能となる。点灯赤外画像及び消灯赤外画像の垂直解像度は、それぞれ、フレーム画像の垂直解像度の1/2である。
【0031】
なお、以下の説明では、カラーカメラ11が奇数フィールド画像(1枚のフレーム画像の奇数行のみを表した画像)を取得するときに、赤外カメラ12は、点灯赤外画像を取得するものとし、カラーカメラ11が偶数フィールド画像(1枚のフレーム画像の偶数行のみを表した画像)を取得するときに、赤外カメラ12は、消灯赤外画像を取得するものとする。ただし、本発明はこれに限定されず、カラーカメラ11が奇数フィールド画像を取得するときに、赤外カメラ12は、消灯赤外画像を取得し、カラーカメラ11が偶数フィールド画像を取得するときに、赤外カメラ12は、点灯赤外画像を取得してもよい。
【0032】
フィールド多重回路17は、奇数フィールド画像とこれと同時に取得された点灯赤外画像、偶数フィールド画像とこれと同時に取得された消灯赤外画像の合計4枚の画像を統合して1枚の画像(統合画像)とし、ウェアラブルコンピュータ20に出力する。これにより、上記4枚の画像を効率よくウェアラブルコンピュータ20に出力することが可能となる。フィールド多重回路17は、この統合画像を上記4枚の画像を取得する毎に生成し、ウェアラブルコンピュータ20に出力する。したがって、統合画像は、フィールド画像が取得される周期をΔTとすると、2ΔTの周期で生成されることになる。
【0033】
図3は、フィールド多重回路17が生成した統合画像の一例を示している。図3に示すように、フィールド多重回路17は、1枚の画像を水平方向の中心部で左右2つのエリアA1及びA2に分ける。そして、エリアA1には、それぞれ水平方向の画素数が1/2に圧縮された奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像を奇数フィールド画像から順番に1ラインずつ交互に配列する。また、エリアA2には、それぞれ水平方向の画素数が1/2に圧縮された点灯赤外画像及び消灯赤外画像を、点灯赤外画像から順番に1ラインずつ交互に配列する。この場合、エリアA1には、奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像を偶数フィールド画像から順番に1ラインずつ交互に配列し、エリアA2には、点灯赤外画像及び消灯赤外画像を消灯赤外画像から順番に1ラインずつ交互に配列してもよい。さらに、エリアA1に奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像を、エリアA2に点灯赤外画像及び消灯赤外画像を配列してもよい。
【0034】
図2に示すウェアラブルコンピュータ20は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、外部記憶装置等から構成されている(いずれも図略)。補助記憶装置には、オペレーティングシステム及びウェアラブルコンピュータ20を本近接領域画像抽出装置の処理部として機能させるための制御プログラム等を記憶する。CPUは、オペレーティングシステムの制御の基、この制御プログラムを実行することで、ウェアラブルコンピュータ20を画像メモリ21、絶対値差分画像取得部22、近接領域画像抽出部23及びオブジェクト画像抽出部24として機能させる。
【0035】
画像メモリ21は、例えばRAMから構成され、フィールド多重回路17で生成された統合画像を一時的に記憶する。
【0036】
絶対値差分画像取得部22は、画像メモリ21から1枚の統合画像を読み出し、この統合画像に含まれる点灯赤外画像から消灯赤外画像を差し引くことで得られた差分画像を絶対値差分画像として取得するとともに、画像メモリ21から次の統合画像を読み出し、前の統合画像に含まれる消灯画像から、次の統合画像に含まれる点灯赤外画像を差し引くことで得られた差分画像に−1を乗算し絶対差分画を取得する。ここでいう差分画像とは、点灯赤外画像及び消灯赤外画像の対応する画素同士の輝度の差分を算出することにより得られる画像をいう。
【0037】
近接領域画像抽出部23は、絶対値差分画像取得部22が取得した絶対値差分画像の輝度を所定の閾値と比較し、この閾値よりも大きな輝度を有する領域を近接領域画像として抽出し、抽出した画像をマスク画像として、対応する奇数フィールド画像又は偶数フィールド画像に対してマスキング処理を施し、奇数フィールド画像又は偶数フィールド画像から近接領域画像を抽出する。
【0038】
オブジェクト画像抽出部24は、近接領域画像抽出部23が抽出した近接領域画像に対して、肌色の画素領域を除去することにより、近接領域画像中の近接物体を把持する撮影者の手の画像を除去し、オブジェクト画像を抽出する。
【0039】
表示装置18は、片眼ディスプレイ105から構成され、オブジェクト画像抽出部24が抽出したオブジェクト画像を表示する。
【0040】
なお、本近接領域画像抽出装置は、フィールド多重回路14が画像統合部に相当し、同期回路16が点灯制御手段に相当し、近接領域画像抽出部23及びオブジェクト画像抽出部24が抽出手段に相当する。
【0041】
次に、本近接領域画像抽出装置の動作を図4〜図6を参照して説明する。図4は、本近接領域画像抽出装置が行う処理を説明するための図である。また、図5は、カラーカメラ11が取得する奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像を時系列的に表すとともに、赤外カメラ12が取得する点灯赤外画像及び消灯赤外画像を時系列的に表した図である。さらに、図6(a)はカラーカメラ11が取得するカラー動画像を示し、(b)は赤外カメラ12が取得する点灯赤外画像及び消灯赤外画像を用いて生成された絶対値差分画像を示し、(c)近接領域画像を示し、(d)はオブジェクト画像を示している。
【0042】
図4では、1列目には統合画像JI1、JI2、・・・が下側に向けて時系列的に示されており、2列目には奇数フィールド画像OI1、偶数フィールド画像EI1、点灯赤外画像LR1及び消灯赤外画像OR1、・・・が下側に向けて時系列的に示されており、3列目には絶対値差分画像SI1、SI2、・・・が下側に向けて時系列的に示されており、4列目にはマスク画像M1、M2、・・・が下側に時系列的に示されており、5列目には近接領域画像EX1、EX2、・・・が下方向に向けて時系列的に示されている。また、図5では、奇数フィールド画像OI1、OI2、・・・及び偶数フィールド画像EJ1、EJ2、・・・が時系列的に交互に表されており、点灯赤外画像LR1、LR2、・・・及び消灯赤外画像OR1、OR2、・・・が時系列的に表されている。さらに図5では、絶対値差分画像SI1、SI2、・・・及び近接領域画像EX1、EX2、・・・が時系列的に表されている。なお、図4及び図5において同じ符号を付しているものは同じ画像を表している。
【0043】
図4に示すように、まず、絶対値差分画像取得部22は、統合画像JI1に含まれる点灯赤外画像LR1から消灯赤外画像OR1を差し引き、絶対値差分画像SI1を算出する。この場合、図6(b)に示すような絶対値差分画像が取得される。この絶対値差分画像は輝度情報のみを含むモノクロ画像である。
【0044】
このように絶対値差分画像を算出しているため、屋外使用時におけるロバスト性を確保することができる。屋外環境下において、太陽光には多量の赤外光成分が含まれており、近接物体OBの赤外画像には、太陽光に起因する赤外成分と照射赤外光に起因する赤外成分とが含まれている。近接物体OBの赤外画像に太陽光に起因する赤外成分が多く含まれると、近接物体OB以外の背景画像の輝度も大きくなり、輝度に基づいて、赤外画像から近接物体OBのみを抽出することが困難となる。そのため、近接物体OBを精度よく抽出するためには、近接物体OBの赤外画像から太陽光に起因する赤外成分を取り除き、照射赤外光に起因する赤外成分のみを抽出する必要がある。点灯赤外画像には、太陽光に起因する赤外成分と照射赤外光に起因する赤外成分が含まれている。一方、消灯赤外画像に太陽光に起因する赤外成分のみが含まれている。したがって、点灯赤外画像から消灯赤外画像を差し引くと、両赤外画像に含まれる太陽光に起因する赤外成分が相殺され、照射赤外光に起因する赤外成分のみを抽出することが可能となる。これにより屋外環境下でのロバスト性が確保されることとなる。
【0045】
次いで、近接領域画像抽出部23は、この絶対値差分画像SI1の各画素の輝度を所定の閾値と比較することにより、絶対値差分画像SI1からマスク画像M1を抽出する。赤外画像は、輝度が距離の二乗に反比例して表れるという特性を有している。すなわち、赤外カメラ12の近傍に位置する近接物体OBは、赤外画像中、高い輝度で表され、背景画像は、近接物体OBに比べて極端に低い輝度で表される。そのため、近接物体OBの輝度と背景画像の輝度との間の所定の値を閾値として設定し、各画素の輝度をこの閾値と比較することにより、カラー動画像から近接領域画像を抽出することができる。
【0046】
次いで、近接領域画像抽出部23は、マスク画像M1を用いて奇数フィールド画像OI1に対してマスキングを施し、奇数フィールド画像OI1から近接領域画像EX1を抽出する。この場合、図6(c)に示すように近接物体OB及び撮影者Pの手Hの画像が近接領域画像として抽出される。
【0047】
次いで、オブジェクト画像抽出部24は、近接領域画像EX1から肌色の画素を除去することで、撮影者Pの手Hの画像を除去し、オブジェクト画像を抽出する。この場合、図6(d)に示すように、近接物体OB(コップ)の画像のみが抽出される、すなわちオブジェクト画像が抽出されることとなる。抽出されたオブジェクト画像は、表示装置18に表示される。
【0048】
次いで、図4に示すように、絶対値差分画像取得部22は、統合画像J11の次に生成された統合画像JI2に含まれる点灯赤外画像LR2から統合画像JI1に含まれる消灯赤外画像を差し引くことにより、絶対値差分画像SI2を取得する。すなわち、絶対値差分画像取得部22は、図5に示すように、偶数番目の差分画像(絶対値差分画像SI2、SI4、・・・)を取得するにあたり、消灯赤外画像から点灯赤外画像を差し引いた差分画像に−1を乗算し、この差分画像の各画素の輝度をプラスの値とすることにより絶対値差分画像を得ている。その結果、絶対値差分画像SI1、SI2、・・・をフィールドレートで得ることができる。
【0049】
表示装置18は、このようにして抽出されたオブジェクト画像を順次表示していく。これにより、表示装置18には、撮影者Pの視野内に存在する近接物体OBの画像が撮影者Pの動作に追従して表示されることとなる。
【0050】
以上説明したように本近接領域画像抽出装置によれば、屋外におけるロバスト性を確保するために、点灯赤外画像と消灯赤外画像の差分画像を算出するにあたり、絶対値差分画像を用いているため、オブジェクト画像をフィールドレート(ΔT)で得ることができる。
【0051】
また、カラーカメラ11及び赤外カメラ12は、ユーザが顔面部に装着する装着部10に含まれているため、頭部運動(首振運動)が頻繁に発生することが想定され、この場合、取得画像毎の画像変動が大きくなるが、本近接領域画像抽出装置は、フィールドレートで絶対値差分画像を取得することができるため、オブジェクト画像を高精度で抽出することが可能となる。
【0052】
また、ビームスプリッタ13を用い、カラーカメラ11と赤外カメラ12との光軸を一致させているため、両カメラは同じ被写体を撮影することが可能となり、近接領域画像の抽出精度をより高めることができる。
【0053】
さらに、フィールド多重回路14を用いて、統合画像を生成し、ウェアラブルコンピュータ20に出力しているため、奇数フィールド画像、偶数フィールド画像、点灯赤外画像及び消灯赤外画像を効率良くウェアラブルコンピュータ20に出力することができる。
【0054】
さらに、ビームスプリッタ13が撮影者Pのこめかみ付近に位置するように撮影ユニット102の装着が可能となっているため、撮影者Pが近接物体OBを目視することにより、近接物体OBを撮影することが可能となる。そのため、撮影者Pは、撮影することを意識することなく、近接物体OBを用いて、何らかの作業を行なっているときの近接物体OBの画像を取得することができる。
【0055】
さらに、ウェアラブルコンピュータ20を用いているため、撮影者Pは、本近接領域画像抽出装置を装着した状態で、自由に動き回ることができる。
【0056】
なお、本発明は、以下の態様を採用してもよい。
【0057】
(1)上記実施形態では、カラーカメラ11と赤外カメラ12とは、フィールド画像と赤外画像とを同じタイミングで取得しているがこれに限定されず、例えば、図7に示すように、奇数フィールド画像OI1、点灯赤外画像LR1、偶数フィールド画像EI1、消灯赤外画像OR1、・・・の順番となるように、フィールド画像と赤外画像とを一定の時間間隔(ΔT)でタイミングをずらして取得する態様も請求項1に記載する「同期」に含まれる。この場合、従来の方式、すなわち点灯赤外画像から消灯赤外画像を差し引いた画像のみを差分画像とする方式を採用すると、差分画像は4ΔTの周期で取得されることとなる。一方、本発明による方式を採用すれば、絶対値差分画像SI1、SI2、SI3、・・・は、2ΔTの周期で取得されることとなるため、本変形例においても、高速にオブジェクト画像を抽出することができる。
【0058】
(2) 上記実施形態では、フィールド多重回路14は、図3に示すような統合画像を取得しているが、これに限定されず、図8に示すように、エリアA1には、それぞれ水平方向の画素数が1/2に圧縮された点灯赤外画像及び奇数フィールド画像を1ラインずつ交互に配列し、エリアA2には、それぞれの水平方向の画素数が1/2に圧縮された消灯赤外画像及び偶数フィールド画像を1ラインずつ交互に配列してもよい。
【0059】
(3)上記実施形態では、奇数フィールド画像と偶数フィールド画像とに分けて取得するインターレース方式のカラーカメラ11を採用したが、本発明は、これに限定されず、プログレッシブ方式のカラーカメラ11を採用してもよい。この場合、フィールド多重回路14は、インターレース方式のカラーカメラを採用したときと同様に、プログレッシブ方式のカラーカメラによって取得された2枚の画像と、その2枚の画像と同期して取得された点灯赤外画像及び消灯赤外画像の合計4枚の画像を用いて統合画像を生成すればよい。この場合であっても、統合画像をフレームレート(2ΔT)で取得することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、点灯赤外画像と消灯赤外画像との絶対値差分画像を用いて、近接領域画像を抽出しているため、屋外におけるロバスト性を確保しつつ、近接領域画像をフィールドレートで抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る近接領域画像抽出装置の外観構成を示した図である。
【図2】本近接領域画像抽出装置の全体構成を示したブロック図である。
【図3】フィールド多重回路が生成した統合画像の一例を示した図である。
【図4】本近接領域画像抽出装置が行う処理を説明するための図である。
【図5】カラービデオカメラが取得する奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像を時系列的に表すとともに、赤外カメラが取得する点灯赤外画像及び消灯赤外画像を時系列的に表した図である。
【図6】(a)はカラーカメラが取得するカラー動画像を示し、(b)は赤外カメラが取得する点灯赤外画像及び消灯赤外画像を用いて生成された絶対値差分画像を示し、(c)近接領域画像を示し、(d)はオブジェクト画像を示している。
【図7】カラービデオカメラ及び赤外カメラの画像取得タイミングの変形例を示した図である。
【図8】統合画像の他の例を示した図である。
【符号の説明】
10 装着部
11 カラービデオカメラ
12 赤外カメラ
13 ビームスプリッタ
14 フィールド多重回路
15 赤外光源部
16 同期回路
17 表示装置
18 眼鏡
20 ウェアラブルコンピュータ
21 画像メモリ
22 絶対値差分画像取得部
23 近接領域画像抽出部
24 オブジェクト画像抽出部
Claims (6)
- カラー動画像から撮影者の近傍に位置する近接物体を含む近接領域画像を抽出する近接領域画像抽出装置であって、
可視光を用いて前記近接物体のカラー動画像を取得する撮影手段と、
前記近接物体に赤外光を照射する赤外光源と、
前記赤外光源に対し、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、点灯と消灯とを交互に繰り返し行わせる点灯制御手段と、
前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、前記赤外光源の点灯時の前記近接物体の赤外画像である点灯赤外画像と前記赤外光源の消灯時の前記近接物体の赤外画像である消灯赤外画像とを交互に取得する赤外画像取得手段と、
現フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像であり、前フィールドに対応する赤外画像が消灯赤外画像であるときは、前記消灯赤外画像から前記点灯赤外画像の差分にマイナス1を乗算して得られた画像を絶対値差分画像とすることにより、時間的に連続して取得された点灯赤外画像と消灯赤外画像との差分の絶対値の画像を取得する絶対値差分画像取得手段と、
前記絶対値差分画像取得手段が取得した絶対値差分画像を基に、前記カラー動画像から前記近接領域画像を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする近接領域画像抽出装置。 - 前記撮影手段及び前記赤外画像取得手段の光軸は、一致の状態で配設されていることを特徴とする請求項1記載の近接領域画像抽出装置。
- 前記撮影手段によって取得された時間的に連続する2枚のフィールド画像、前記2枚のフィールド画像とそれぞれ同期して取得された点灯赤外画像及び消灯赤外画像を1枚の画像に統合して、前記絶対値差分画像取得手段に出力する画像統合部をさらに備え、
前記画像統合部は、前記2枚のフィールド画像、前記点灯赤外画像及び前記消灯赤外画像をそれぞれ、水平方向の画素数が1/2となるように圧縮して、1枚の画像に統合することを特徴とする請求項1又は2記載の近接領域画像抽出装置。 - 前記抽出手段は、前記近接領域画像から肌色の領域を除去し、前記近接物体を表すオブジェクト画像を抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近接領域画像抽出装置。
- 前記抽出手段が抽出したオブジェクト画像を表示するオーバーヘッドディスプレイをさらに備え、
前記撮影手段、前記赤外光源及び前記赤外画像取得手段は、前記オーバーヘッドディスプレイと一体的に構成されているとともに、その光軸が撮影者の視野内に含まれるように配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の近接領域画像取得装置。 - カラー動画像から撮影者の近傍に位置する近接物体を含む近接領域画像を抽出する近接領域画像抽出方法であって、
撮影手段を用い、前記近接物体のカラー動画像を撮影するステップと、
前記近接物体に対して赤外光を照射する赤外光源に対し、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、点灯と消灯とを交互に繰り返し実行させるステップと、
赤外画像取得手段を用い、前記撮影手段がフィールド画像を取得するタイミングと同期して、前記赤外光源の点灯時の前記近接物体の赤外画像である点灯赤外画像と前記赤外光源の消灯時の前記近接物体の赤外画像である消灯赤外画像とを交互に取得するステップと、
現フィールド画像に対応する赤外画像が点灯赤外画像であり、前フィールドに対応する赤外画像が消灯赤外画像であるときは、前記消灯赤外画像から前記点灯赤外画像の差分にマイナス1を乗算して得られた画像を絶対値差分画像とすることにより、時間的に連続する前記点灯赤外画像と前記消灯赤外画像との差分の絶対値の画像を取得するステップと、
前記差分の絶対値の画像を基に、前記撮影手段が取得したカラー動画像から前記近接領域画像を抽出するステップとを備えることを特徴とする近接領域画像抽出方法。
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