JP2004305593A - 内視鏡用挿入補助具 - Google Patents

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孝治 中本
Toshio Nakamura
俊夫 中村
Hideo Ito
秀雄 伊藤
Yoshihiro Iida
善洋 飯田
Hiroki Moriyama
宏樹 森山
Masaaki Nakazawa
雅明 中沢
Haruhiko Kaiya
晴彦 海谷
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Abstract

【課題】より確実に、より被検者の苦痛を少なく体腔内の深部まで内視鏡を挿入できるようにする。
【解決手段】内視鏡用挿入補助具1は主として、蠕動用バルーン2と、腸紐3と、固定用バルーン4とを含んで構成される。 蠕動用バルーン2は、伸縮自在な弾性体からなる。腸紐3は、細長で柔軟性を有する。固定用バルーン4は、伸縮自在になっている。腸紐3の一端及び他端には、それぞれ蠕動用バルーン2及び固定用バルーン4が取り付けられている。固定用バルーン4は、バルーン本体5と、格納部6と、巻き付け軸部7とを含んで構成されている。 バルーン本体5は、弾性体により内部が空洞の筒状に形成されている。格納部6には、腸紐3を収納するとともに外周にバルーン本体5が設けられている。巻き付け軸部7は、円柱状に形成され、腸紐3を巻き付けた状態で格納部6に収納される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内の深部まで内視鏡を挿入する場合の補助を行う内視鏡用挿入補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡の位置付けは、その細長の挿入部を体腔内に挿入することにより検査対象部位を観察する診断装置から、挿入部内に設けられたチャンネルを経由して先端部から突出された処置具を用いることにより、開腹を必要とすることなく治療を提供できる治療装置へと変化しており、内視鏡の医療機器としての適応範囲は拡大している。
【0003】
そのような理由から内視鏡は、低侵襲な治療装置として脚光を浴びており、治療を中心とした処置具の改良や新手技の創出が各消化管部位を対象に活発に取り組まれている。
【0004】
しかしながら、人体の小腸部位においては、全長3mといわれる消化管の長さと複雑な走行を有し、その解剖学的特長から内視鏡による深部小腸への挿入は困難であり、様々な挿入手技が試みられているものの深部に確実に挿入できるものは見出されていない。
【0005】
この小腸挿入に対する試みとして、内視鏡先端部に設けられた湾曲部の他に挿入部の基端側には受動的に湾曲する第2の湾曲部を設けるとともに挿入部の硬度を任意に調整可能な硬度可変機構を内蔵することにより、食道からトライツ靭帯に至る複雑な管腔構造に適応させるととともに、内視鏡先端部前方に複数の凹凸を形成した可撓性の誘導子を突設させて内視鏡先端のオリエンテーションを容易にさせる小腸内視鏡が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、内視鏡をより深く挿入した際の胃内のたわみを防止する方法としては、体腔内に挿入された内視鏡をガイドにして挿入部に外装されるオーバーチューブを活用したものが考案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【0007】
更に、オーバーチューブ挿入性の向上を目的として、段階的に硬度の高いオーバーチューブを挿入するために、第一のガイドとして一端に小球を固着した紐で構成される内視鏡用挿入補助具が考案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
しかしながら、これらの考案はトライツ靭帯から数10cmを超えた小腸までの挿入に対しては非常に有効であるが、深部小腸へのアプローチに関しては小腸の複雑な走行によって挿入部の抵抗が大きくなるため、挿入時の進退が困難になっていた。また、オーバーチューブを使用しているために患者に挿入される器具の外径は大きくなり、患者の不安や苦痛を取り除くために麻酔を使用する場合もあった。
【0009】
そうした中、近年では、被検者の深部小腸への内視鏡を挿入する手段としてロープウエイ方式が用いられている。これは、内視鏡検査前に、あらかじめ留置しておいた腸紐に沿って内視鏡を挿入するものである。
【0010】
具体的には、先端に伸縮自在なバルーンが取り付けられた軟性なチューブ状の腸紐を、バルーンを収縮した状態で被検者に対して経鼻的に挿入する。胃内に腸紐の先端を押し進めた後、術者は、腸紐の手元側に設けられた口金からバルーン部内に水や空気などの流体を送り込み、バルーン部を膨張させる。これにより、被検者は、食物が小腸に送り込まれるのと同様の作用で、バルーンを蠕動運動によって肛門から排出する。術者は、口側あるいは肛門側から、この留置された腸紐に沿って内視鏡挿入部内のチャンネルを経由しながら、深部小腸に挿入する。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−330924号公報(第2−4頁、図1−5)
【0012】
【特許文献2】
特開平10−262918号公報(第2−4頁、図1−5)
【0013】
【特許文献3】
特開2000−262465号公報(第3−5頁、図1−2)
【0014】
【特許文献4】
特公昭48−44354号公報で(第1−2頁、図1−5)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の内視鏡の挿入部に外装されるオーバーチューブを使用して胃内のたわみを防止する手段においては、トライツ靭帯から数10cmを超えた小腸までの挿入に対しては非常に有効であるが、深部小腸へのアプローチに関しては小腸の複雑な走行による抵抗の増大により挿入時の進退が困難になるとともに、オーバーチューブの外径は内視鏡に外装されているために太くならざるを得ず、患者の不安や苦痛は通常の内視鏡検査と比較すると大きくなっていた。
【0016】
また、従来の深部小腸への挿入を実現するロープウェイ方式においても、腸紐挿入は検査前の1日から2日前に実施する必要があり、腸紐を挿入している期間において被検者は腸紐を鼻(鼻腔内)に留置するため、被検者にある程度の負担を強いらざるを得なかった。
【0017】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、より確実に、より被検者の苦痛を少なく体腔内の深部まで内視鏡を挿入できる内視鏡用挿入補助具を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具は、消化管内を移動可能な第1の部材と、この第1の部材に一端が固定される軟性のひも状部材と、前記ひも状部材の他端に設けられ、消化管臓器内に留置される第2の部材と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の内視鏡用挿入補助具は、請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具であって、前記紐状部材を収納する為の収納部を、前記第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の内視鏡用挿入補助具は、請求項1または2に記載の内視鏡用挿入補助具であって、前記ひも状部材を、X線不透過の材質で形成したことを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の内視鏡用挿入補助具は、請求項1ないし3のいずれか一つに記載の内視鏡用挿入補助具であって、前記第2の部材を、前記消化管臓器内で固定されるクリップ部材で構成したことを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の内視鏡用挿入補助具は、請求項1ないし3のいずれか一つに記載の内視鏡用挿入補助具であって、前記第2の部材を、伸縮自在なバルーンで構成したことを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の内視鏡用挿入補助具は、請求項1ないし5に記載の内視鏡用挿入補助具であって、前記第1の部材を、伸縮自在なバルーンで構成したことを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の内視鏡用挿入補助具は、請求項1ないし5に記載の内視鏡用挿入補助具であって、前記第1の部材を、カプセル内視鏡で構成したことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図12は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は内視鏡挿入補助具の外観斜視図、図2は固定用バルーンの組み立て方法を示す断面図、図3は留置用内視鏡を用いて内視鏡用挿入補助具を体腔内に挿入する状態を示す外観斜視図、図4は内視鏡用挿入補助具を留置用内視鏡に固定する方法を示す外観斜視図、図5は胃内で蠕動用バルーンを膨張させた状態を示す外観斜視図、図6は蠕動用バルーンから注入具の針部を引き抜く状態を示す外観斜視図、図7は固定用バルーンが胃内に固定し蠕動用バルーンを蠕動運動によって送り出す状態を示す外観斜視図、図8は蠕動用バルーンが体外に排出された状態を示す概略図、図9は留置用内視鏡を用いて固定用バルーンを体外へ導き出す状態を示す外観斜視図、図10は小腸を直線化した状態を示す概略図、図11は小腸用内視鏡に腸紐を挿入する状態を示す外観斜視図、図12は腸紐を経由して小腸内に小腸用内視鏡を挿入する状態を示す概略図である。
【0026】
(構成)
本発明の内視鏡用挿入補助具の構成について図1及び図2を参照して説明する。
【0027】
図1において、内視鏡用挿入補助具1は、主として、蠕動用バルーン2と、腸紐3と、固定用バルーン4とを含んで構成されている。
【0028】
蠕動用バルーン2は、伸縮自在な弾性体から構成されている。腸紐3は、細長で柔軟性を有する。固定用バルーン4は、伸縮自在になっている。
【0029】
腸紐3の一端及び他端には、それぞれ蠕動用バルーン2及び固定用バルーン4が取り付けられている。
【0030】
固定用バルーン4は、バルーン本体5と、格納部6と、巻き付け軸部7とを含んで構成されている。
【0031】
バルーン本体5は、弾性体により内部が空洞の筒状に形成されている。
格納部6は、腸紐3を収納するとともに外周にバルーン本体5が設けられている。
【0032】
巻き付け軸部7は、円柱状に形成され、腸紐3を巻き付けた状態で格納部6に収納される。
【0033】
図2に示すように、格納部6は、強固なプラスチックからなり、一端側が開口し、他端側に底部8を形成した筒状に形成されている。
【0034】
底部8の中央には、雌ねじ部9が形成されている。巻き付け軸部7の基端には、雄ねじ部10が形成されている。
【0035】
固定用バルーン4の組み立は、口から肛門に至る消化管全長に対応した十分な長さを有する腸紐3を巻き付け軸部7の外周に幾重にも巻き付けた後、巻き付け軸部7の雄ねじ部10を格納部6の雌ねじ部9に螺合させることで実現している。この場合の位置決めは、巻き付け軸部7のネジ底部11を格納部6の底部8に突き当てて行なう。
【0036】
このような構造により、蠕動用バルーン2は、消化管内を移動可能な第1の部材となっている。
【0037】
腸紐3は、この第1の部材に一端が固定される軟性のひも状部材となっている。
【0038】
固定用バルーン4は、前記ひも状部材の他端に設けられ、消化管臓器内に留置される第2の部材となっている。
【0039】
尚、第1の実施の形態では、前記紐状部材を収納する為の収納部を、第2の部材の固定用バルーン4に設けたが、収納部は、前記第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方に設ければよい。また、両バルーンの小型化を図る目的でそれぞれのバルーンに設けても構わない。
【0040】
(作用)
次に、図3ないし図9を参照して、内視鏡用挿入補助具1の使用方法について説明する。
【0041】
内視鏡用挿入補助具1の使用する場合には、まず、術者は、図3に示すように、留置用内視鏡20の先端部21において、第1チャンネル22から針部24を有する注入具23を突出させるとともに、第2チャンネル25からループ部27を有する保持具26を突出させる。
【0042】
前記保持具26のループ部27にはあらかじめ針部24を通過させ、この状態で、図4に示すように、蠕動用バルーン2に一部厚肉で形成された注入部28に前記注入具23の針部24の先端を蠕動用バルーン2の内空部29に突出するまで刺し入れる。このようにして、留置用内視鏡20と蠕動用バルーン2を固定し、一体化した状態で、図3に示すように被検者の食道61に挿入する。
【0043】
ここで、留置用内視鏡20は、被検者の負担を軽減することを目的として挿入部31の細径化を図るために、前記機能以外には観察光学系32、照明光学系33及び湾曲機構34といった必要最小限の機能のみを有している。
【0044】
術者は、図5に示すように、蠕動用バルーン2を胃62内まで導入したところで、注入具23の針部24から手元側のルアーロック口金(図示しない)にシリンジを取り付け、水や気体などの流体を蠕動用バルーン2内に流入し蠕動用バルーン2を膨張させる。所定の大きさまで蠕動用バルーン2を膨張させたところで、図6に示すように、留置用内視鏡20の先端部21から突出させた保持具26のループ部27を蠕動用バルーン2に押し付けた状態で注入具23の針部24を引き抜けば、前記蠕動用バルーン2の注入部28に形成された穿刺孔30は厚肉かつ弾性体で形成されているために強固に封鎖され、内空部29に充填された流体が漏れることは無い。
【0045】
次に、術者は、留置用内視鏡20を一度体腔外へ抜去し、再度、蠕動用バルーン2を胃62内へ導入した同様の方法で、固定用バルーン4を胃62内に留置する。ここで、留置用内視鏡20を用いて固定用バルーン4のバルーン本体5内へ流体を注入するが、その方法及び構成は前述の蠕動用バルーン2に注入する方法と同様である。このように、従来の留置バルーンのようにバルーン内に連通した管路を有するチューブを経由せず、内視鏡を使用してバルーン内に直接流体を注入しているため、腸紐3を細径化することが可能であり、よりコンパクトな収納形態を提供することができる。
【0046】
このように胃62内に蠕動用バルーン2を留置することで、胃62は前記蠕動用バルーン2からの直接刺激を受けて消化管壁を構成する平滑筋の収縮運動、つまり蠕動を開始し、図7に示すように、蠕動用バルーン2は幽門63を介して十二指腸球部64への送り出される。この時、蠕動用バルーン2の動きに引きずられて固定用バルーン4も十二指腸球部64側に移動するが、前記固定用バルーン4の外径は前記蠕動用バルーン2の外経よりも大きく設計されており、蠕動運動によって幽門63を越えない設定としている。したがって、固定用バルーン4は幽門63によって胃62内に保持され、蠕動用バルーン2の移動に伴い、腸紐3だけが前方に送り出されることになる。この時、腸紐3は固定用バルーン4の格納部に収まっており、胃62内で絡むことなく送り出される。以後、図8に示すように、十二指腸65、トライツ靭帯66、小腸67、大腸68などの他の消化管においても蠕動運動は継続して行われ、最終的に蠕動用バルーン2は肛門69外へ排出されることになる。
【0047】
ここで図8に示されている臓器は説明を簡便にするために実際のものとは変えている。つまり、実際には上部小腸67が大腸68の背側に存在し、小腸67全体はもっと複雑な走行をしている。
【0048】
最後に、内視鏡用挿入補助具1と小腸用内視鏡40とを組み合わせた小腸67への挿入方法について、図9ないし図12を参照して説明する。
【0049】
術者は、蠕動用バルーン2の体外への排出を確認した後、再度、留置用内視鏡20を以内へ挿入する。そこで、術者は、前記留置用内視鏡20の第1チャンネル22から注入具23を突出させて、膨張した固定用バルーン4のバルーン本体5に針部24を突き刺し、バルーン本体5内に貯留していた流体を胃62内へ排出させて収縮させる。このようにバルーン本体5が食道61内を通過できる程度に収縮したところで、術者は、図9に示すように、留置用内視鏡20の第2チャンネル25から把持鉗子35を突出させ、前記把持鉗子35で固定用バルーン4を摘んで、留置用内視鏡20と一緒に体外へ導き出す。
【0050】
この後、術者は、体外に導き出された固定用バルーン4と腸紐3をハサミなどを用いて切断し、切り離す。そして、図11に示す小腸用内視鏡40を挿入しやすくするために、術者は、図10に示すように、腸紐3を引っ張りながら小腸67にテンションをかけたり、あるいは用手圧迫によって小腸67の走行を修正したりしながら、小腸67をより直線に近い状態に設定する。
【0051】
次に、腸紐3をガイドに小腸用内視鏡40を挿入するが、ここで、小腸用内視鏡40の構成について図11を参照して説明する。
【0052】
小腸用内視鏡40の本体は、挿入部41と、操作部42と、ユニバーサルコード部43とを含んで構成されている。
【0053】
操作部42は、前記挿入部41の基端部に位置する。ユニバーサルコード部43は、操作部42に一端が連結され、他端に光源や画像処理装置(図示しない)に対して着脱自在に接続されるコネクタ(図示しない)を有する。
【0054】
前記挿入部41は先端側から先端部44、湾曲部45、可撓管部46を順次連結して全体的に軟性かつ長尺なものとして構成される。
【0055】
先端部44は、観察用カバーレンズ47、ノズル48、照明用カバーレンズ49、大径の処置用チャンネル50及び小径のガイド用チャンネル51がそれぞれ配設されている。
【0056】
観察用カバーレンズ47は、観察光学系の一端をなす。ノズル48は、前記観察用カバーレンズ47面を洗浄するためものである。大径の処置用チャンネル50は処置具などを挿通するためのものである。
【0057】
処置用チャンネル50及びガイド用チャンネル51は、挿入部41内を経由して操作部42に設けられた処置用チャンネル開口部52及びガイド用チャンネル開口部53にそれぞれ独立して連通している。
【0058】
術者が治療を行う際には、この処置用チャンネル開口部52から処置具を挿入する。
【0059】
操作部42には湾曲操作ノブ54が突設されている。前記湾曲部45の操作は操作部42の湾曲操作ノブ54によって遠隔的に行うことができる。また、操作部42の上方には送気・送水操作ボタン55、吸引操作ボタン56などが設けられている。
【0060】
小腸用内視鏡40の挿入部41を体腔内に挿入する場合には、図10に示す口60側から延出している腸紐3を小腸用内視鏡40の先端部44に開口しているガイド用チャンネル51から挿入し、順次挿入部41の基端側に送り込みながらガイド用チャンネル開口部53から突出させる。
【0061】
ここで、図11は小腸用内視鏡40に腸紐3を挿入する状態を示す外観斜視図であるが、小腸用内視鏡40の先端側は説明しやすくするために一部拡大している。
【0062】
そして、図12に示すように、口60側から小腸67までの消化管は腸紐3によってより単純な経路が確保されているため、小腸用内視鏡40はこの腸紐3に沿って押し進めていくだけで、目的とする小腸67部位への挿入が可能となる。
【0063】
(効果)
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、腸紐3を利用して小腸用内視鏡40を挿入することで、より短時間により確実に深部小腸への内視鏡観察及び処置を提供することが可能であるとともに、短時間の検査のために被検者の苦痛も少なくすることができる。さらに、腸紐3の一端を体外に排出させるまでの前処置として、腸紐3の他端胃62内に貯留する方法を採用しているため、腸紐を被検者の食道及び口に留置する時間が短く、前処置にかかる被検者の負担を最小限に抑えることが可能となる。
【0064】
(第2の実施の形態)
図13乃至図19は本発明の第2の実施の形態に係り、図13は内視鏡挿入補助具の外観斜視図、図14は留置用内視鏡に挿入しているクリップ装置にクリップを取り付ける状態を示す外観斜視図、図15は留置用内視鏡を用いて内視鏡挿入補助具を体腔内に挿入する状態を示す外観斜視図、図16はクリップを胃内に固定し蠕動用バルーンを蠕動運動によって送り出す状態を示す外観斜視図、図17は磁気コイルの原理を使用して蠕動用バルーンと体外マーカーの相対関係を表示する表示方法を説明する第1の説明図、図18は磁気コイルの原理を使用して蠕動用バルーンと体外マーカーの相対関係を表示する表示方法を説明する第2の説明図、図19は腸紐をハサミ鉗子で切断する状態を示す外観斜視図である。
【0065】
図13乃至図19を用いた第2の実施の形態の説明において、第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0066】
(構成)
図13に示すように、内視鏡用挿入補助具71は、蠕動用バルーン2、腸紐3及びクリップ部材72で構成されている。
【0067】
腸紐3は、一端に蠕動用バルーン2が取り付けられ、他端にクリップ部材72が取り付けられている。
【0068】
また、腸紐3は口から肛門に至る消化管全長に対応した十分な長さを有するが、腸紐3は途中でバンド部73によって一つにコンパクトにまとめられている。このバンド部73は胃内で経時的に消化される硬質タンパク質などを使用している。
【0069】
クリップ部材72は、基端側に係止孔74を有している。
クリップ部材72の先端部75は、ピンセット状に形成されるとともに、腸紐3の基端が取り付けられている。
【0070】
このような構造により、蠕動用バルーン2は、消化管内を移動可能な第1の部材となっている。
【0071】
クリップ部材72は前記消化管臓器内で固定される前記第2の部材となっている。
【0072】
(作用)
図14ないし図17を参照して、内視鏡用挿入補助具71の使用方法について説明する。
【0073】
まず始めに、術者は、留置用内視鏡20を用いて、内視鏡用挿入補助具71の蠕動用バルーン2を胃62内に留置するが、蠕動用バルーン2の構成及び留置方法については、第1の実施の形態と同様なのでここは省略する。
【0074】
つぎに、術者は、クリップ部材72を図16に示す胃62内に導入するが、図14に示すように、前記クリップ部材72は、留置用内視鏡20の第2チャンネル25にあらかじめ挿入され、先端部21より突出しているクリップ装置76のフック部77にクリップ部材72の係止孔74に係止された状態でクリップ装置76のシース部78に引き込むことで留置用内視鏡20と一体となっている。
【0075】
この状態で、術者は、図15に示すように、留置用内視鏡20を体腔内としての食道61へ挿入する。
【0076】
留置用内視鏡20を図16に示す胃62内に導入したところで、術者は、クリップ部材72を図14に示すクリップ装置76のシース部78より突出させながらクリップ部材72の先端部75を開口させた後、図16に示すように胃62の胃壁70にクリッピングを行なう。したがって、第2の実施の形態では、内視鏡用挿入補助具71のクリップ部材72を胃62内に固定し、蠕動用バルーン2を胃62内に留置することが可能となる。
【0077】
このように胃62内に蠕動用バルーン2を留置することで、胃62は前記蠕動用バルーン2からの直接刺激を受けて消化管壁を構成する平滑筋の収縮運動、つまり蠕動を開始し、蠕動用バルーン2は十二指腸球部64へ送り出される。 この時、腸紐3をとりまとめていたバンド部73は胃62内で溶解するため、蠕動用バルーン2の進行に伴って腸紐3を送り出すことが可能となる。以降、十二指腸65や小腸67などの他の消化管においても蠕動運動は継続して行なわれ、最終的に蠕動用バルーン2は肛門外へ排出されることになる。
【0078】
ここで、図17に示すように、蠕動用バルーン2の一部に磁気コイルを内蔵し、同様に磁気コイルを内蔵した体外マーカー81を被検者80の体外に配置してそれぞれの相対関係を受信用磁気コイルが内蔵されたレシーバ(図示しない)で演算後、図18に示すように、モニタ82に蠕動用バルーン映像P2と体外マーカー映像P81として表示するようにしておけば、蠕動用バルーン2の進行状況を容易に確認することが可能である。
【0079】
最後に、内視鏡用挿入補助具71と小腸用内視鏡40とを組み合わせた小腸67への挿入方法について説明する。術者は、蠕動用バルーン2の体外への排出を確認した後、再度、留置用内視鏡20を胃62内で挿入する。そこで、術者は、図19に示すように、前記留置用内視鏡20の第1チャンネル22から把持鉗子35を突出させて把持鉗子35に腸紐3を把持させたまま、第2チャンネルから突出させたハサミ鉗子79で腸紐3を切断する。そして、術者は、把持鉗子35で腸紐3を把持した状態で、把持鉗子35を留置用内視鏡20と一緒に体外へ導き出す。ここで、胃62内に固定されたクリップ部材72は経時的に固定力は弱くなり、最終的に排出物と一緒に体外へ排出される。
【0080】
また、術者は、小腸用内視鏡40を挿入しやすくするために、腸紐3を引張りながら小腸67にテンションをかけたり、あるいは用手圧迫によって小腸67の走行を修正したりしながら、小腸67をより直線に近い状態に設定する。ここで、腸紐3にX線不透過の材質を使用すれば、X線観察下において腸紐3の状況を確認しながら作業ができるためより効率的である。次に、術者は、腸紐3をガイドに小腸用内視鏡40を挿入するが、使用する小腸用内視鏡40の構成及び方法は第1の実施の形態と同様なのでここを省略する。
【0081】
(効果)
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、内視鏡用挿入補助具71の胃62内への固定にクリップ部材72を用いているので、被検者に膨満感を与えることなく、より確実に固定することが可能となる。その他の効果については、第1の実施の形態と同様である。
【0082】
(効果)
(第3の実施の形態)
次に、本発明の内視鏡用挿入補助具における第3の実施の形態について説明する。
【0083】
第3の実施の形態の内視鏡用挿入補助具では、第1及び第2の実施の形態で説明した内視鏡用挿入補助具1,71に取り付けられた蠕動用バルーン2の代わりに観察光学系と照明光学系を有するカプセル型内視鏡を用いる。これにより、例えば、消化管内の狭窄などによって、カプセル型内視鏡が消化管内に停留した場合にも、腸紐3を経由した内視鏡的アプローチが可能となり、鉗子などを使用することでカプセル型内視鏡を容易に体外に取り出すことができる。
【0084】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0085】
(付記項1) 消化管内を移動可能な第1の部材と、
この第1の部材に一端が固定される軟性のひも状部材と、
前記ひも状部材の他端に設けられ、消化管臓器内に留置される第2の部材と、
を有することを特徴とする内視鏡用挿入補助具。
【0086】
(付記項2) 前記紐状部材を収納する為の収納部を、前記第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方に設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0087】
(付記項3) 前記ひも状部材を、X線不透過の材質で形成したことを特徴とする付記項1または2に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0088】
(付記項4) 前記第2の部材を、前記消化管臓器内で固定可能なクリップ部材で構成したことを特徴とする付記項1ないし3のいずれか一つに記載の内視鏡用挿入補助具。
【0089】
(付記項5) 前記第2の部材を、伸縮自在なバルーンで構成したことを特徴とする付記項1ないし3のいずれか一つに記載の内視鏡用挿入補助具。
【0090】
(付記項6) 前記第1の部材を、伸縮自在なバルーンで構成したことを特徴とする付記項1ないし5に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0091】
(付記項7) 前記第1の部材を、カプセル内視鏡で構成したことを特徴とする付記項1ないし5に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0092】
(付記項8) 伸縮自在なバルーンと前記バルーンに固定された軟性かつ細長の紐部を有するとともに、前記紐部の他端側にはこの他端側を消化管臓器内で固定できる手段を設けたことを特徴とする内視鏡用挿入補助具。
【0093】
(付記項9) 前記紐部の収納部を設けたことを特徴とする付記項8に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0094】
(付記項10) 前記紐部を、X線不透過な材質で構成したことを特徴とする付記項8及び9に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0095】
(付記項11) 前記消化管臓器内で固定する手段としてクリップを用いたことを特徴とする付記項8、9及び10に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0096】
(付記項12) 前記消化管臓器内で固定する手段として伸縮自在な第2のバルーンを用いたことを特徴とする請求用8、9及び10に記載の内視鏡用挿入補助具。
【0097】
(付記項13) 前記収縮自在なバルーンの代わりにカプセル内視鏡を用いたことを特徴とする付記項8、9、10、11及び12に記載の内視鏡。
【0098】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、ひも状部材としての腸紐を消化管に留置する前処置における被検者の負担を最小限に抑えることが可能になるとともに、前記腸紐を経由して内視鏡を挿入することによって、より短時間でより確実に深部小腸への内視鏡観察及び処置を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡挿入補助具の外観斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る固定用バルーンの組み立て方法を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る留置用内視鏡を用いて内視鏡用挿入補助具を体腔内に挿入する状態を示す外観斜視図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡用挿入補助具を留置用内視鏡に固定する方法を示す外観斜視図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る胃内で蠕動用バルーンを膨張させた状態を示す外観斜視図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る蠕動用バルーンから注入具の針部を引き抜く状態を示す外観斜視図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る固定用バルーンが胃内に固定し蠕動用バルーンを蠕動運動によって送り出す状態を示す外観斜視図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る蠕動用バルーンが体外に排出された状態を示す概略図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る留置用内視鏡を用いて固定用バルーンを体外へ導き出す状態を示す外観斜視図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る小腸を直線化した状態を示す概略図。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る小腸用内視鏡に腸紐を挿入する状態を示す外観斜視図。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る腸紐を経由して小腸内に小腸用内視鏡を挿入する状態を示す概略図。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡挿入補助具の外観斜視図。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る留置用内視鏡に挿入しているクリップ装置にクリップを取り付ける状態を示す外観斜視図。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る留置用内視鏡を用いて内視鏡挿入補助具を体腔内に挿入する状態を示す外観斜視図。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るクリップが胃内に固定し蠕動用バルーンを蠕動運動によって送り出す状態を示す外観斜視図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る磁気コイルの原理を使用して蠕動用バルーンと体外マーカーの相対関係を表示する表示方法を説明する第1の説明図。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る磁気コイルの原理を使用して蠕動用バルーンと体外マーカーの相対関係を表示する表示方法を説明する第2の説明図。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る腸紐をハサミ鉗子で切断する状態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 …内視鏡用挿入補助具
2 …蠕動用バルーン
3 …腸紐
4 …固定用バルーン
5 …バルーン本体
6 …格納部
7 …巻き付け軸
8 …底部
9 …雌ねじ部
10 …雄ねじ部
11 …ネジ底部
20 …留置用内視鏡

Claims (7)

  1. 消化管内を移動可能な第1の部材と、
    この第1の部材に一端が固定される軟性のひも状部材と、
    前記ひも状部材の他端に設けられ、消化管臓器内に留置される第2の部材と、
    を有する事を特徴とする内視鏡用挿入補助具。
  2. 前記紐状部材を収納する為の収納部を、前記第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具。
  3. 前記ひも状部材を、X線不透過の材質で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡用挿入補助具。
  4. 前記第2の部材を、前記消化管臓器内で固定されるクリップ部材で構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の内視鏡用挿入補助具。
  5. 前記第2の部材を、伸縮自在なバルーンで構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の内視鏡用挿入補助具。
  6. 前記第1の部材を、伸縮自在なバルーンで構成したことを特徴とする請求項1ないし5に記載の内視鏡用挿入補助具。
  7. 前記第1の部材を、カプセル内視鏡で構成したことを特徴とする請求項1ないし5に記載の内視鏡用挿入補助具。
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