JP2004306029A - 化学反応装置および有害物質分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラズマを用いた化学反応を容易にかつ効率的に実施できるようにする。
【解決手段】 化学反応装置1において、供給管8から容器2内へ供給された液体に対して超音波発生装置3から超音波を照射すると、液体中に気泡が発生する。そして、電磁波発生装置4により液体に対して電磁波を照射すると、気泡中にプラズマが発生する。このプラズマは、気泡中に含まれる、液体に由来の気相状態の物質に作用し、合成反応や分解反応等の化学反応を進行させる。例えば、液体がダイオキシン類を含む場合、当該ダイオキシン類はプラズマの作用により分解する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化学反応装置および有害物質分解方法、特に、プラズマを発生させる化学反応装置およびプラズマによる有害物質分解方法に関する。
温度や圧力等の調節を中心とする因習的手法では実現が困難な化学反応、例えば、ダイヤモンドやニューカーボン等の合成反応およびダイオキシン類等の難分解性物質の分解反応において、プラズマの利用が検討され、また、一部が実用化されている。例えば、特許文献1には、気相プラズマを利用した化学蒸着法(CVD法)によりシリコンを合成したり、立方晶シリコンカーバイトの表面にダイヤモンド膜を形成したりすることが記載されている。また、特許文献2には、ダイオキシンを含む液体を滴下させ、これに電磁波を照射してプラズマを発生させることによりダイオキシンを分解する方法が記載されている。
ところが、特許文献1に記載の方法は、気相で高エネルギーのプラズマを発生させる必要があるため、プラズマの取り扱いが困難である。また、化学反応系が高温になるため、熱に弱いに基板材料に対する適用が困難という不具合もある。一方、特許文献2に記載の方法は、液体を滴下しながらプラズマを発生させているため、少量のダイオキシンを試験的に分解することはできるが、大量のダイオキシンを効率的に分解するのは困難である。
特開平10−81589号公報 特開2002−336650公報
本発明の目的は、プラズマを用いた化学反応を容易にかつ効率的に実施できるようにすることにある。特に、本発明の目的は、分解が困難な有害物質の分解や合成が困難な物質の合成を容易にかつ効果的に実施できる化学反応装置および分解が困難な有害物質の分解を容易にかつ効率的に実施できる分解方法を実現することにある。
本願において、「ダイオキシン類」という用語は、平成11年法律第105号「ダイオキシン類対策特別措置法」第2条の規定に倣い、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)に加え、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCBs)をも含む意味として用いる。また、ポリ塩化ビフェニル若しくはPCBという用語は、コプラナーポリ塩化ビフェニル以外のポリ塩化ビフェニルを意味する用語として用いる。
本発明の化学反応装置は、液体を入れる容器と、容器へ液体を連続的に供給する供給手段と、容器から液体を排出する排出手段と、液体中に気泡を発生させる気泡発生装置と、液体に電磁波を照射する電磁波発生装置とを備えている。液体は、例えば、ダイオキシン類を含むものである。
この化学反応装置では、供給手段から容器へ供給された液体において、気泡発生装置の作用により気泡が発生する。そして、電磁波発生装置により液体に対して電磁波を照射すると、気泡中にプラズマが発生する。すなわち、液体において、液中プラズマが発生する。このプラズマは、高温・高圧であるが、液中で発生するために巨視的には低温であり、取り扱いやすく安全である。また、このプラズマは、気泡中に含まれる、液体に由来の気相状態の物質に作用し、合成反応や分解反応等の化学反応を進行させる。例えば、液体がダイオキシン類を含む場合、当該ダイオキシン類はプラズマの作用により分解する。因みに、この化学反応装置は、処理対象となる液体を供給手段によって外部から容器へ導入し、容器内で処理しながら排出手段により外部へ排出することができる。したがって、供給手段から容器へ供給される液体を連続的に処理することができ、大量の液体の処理を効果的に行うのに有利である。
本発明の他の見地に係る化学反応装置は、有害物質を含む液体を入れる容器と、液体中に気泡を発生させる気泡発生装置と、液体に電磁波を照射する電磁波発生装置とを備えている。有害物質は、例えば、ダイオキシン類である。
この化学反応装置では、容器内の液体において、気泡発生装置の作用により気泡が発生する。そして、電磁波発生装置により液体に対して電磁波を照射すると、気泡中にプラズマが発生する。すなわち、液体において、液中プラズマが発生する。このプラズマは、高温・高圧であるが、液中で発生するために巨視的には低温であり、取り扱いやすく安全である。また、このプラズマは、気泡中に含まれる、有害物質を含む液体に由来の気相状態の物質に作用し、有害物質の分解反応、すなわち化学反応を進行させる。例えば、有害物質がダイオキシン類の場合、液中プラズマは、当該ダイオキシン類の分解反応を進行させる。
本発明の有害物質分解方法は、有害物質を含む液体中に気泡を発生させるとともに、液体に電磁波を照射する工程を含んでいる。当該工程は、例えば、液体を容器に入れて実施する。また、有害物質は、例えば、ダイオキシン類である。
この有害物質分解方法において、有害物質を含む液体中に気泡を発生させるとともに、液体に電磁波を照射すると、発生した気泡中にプラズマが発生する。すなわち、液体において、液中プラズマが発生する。このプラズマは、高温・高圧であるが、液中で発生するために巨視的には低温であり、取り扱いやすく安全である。このプラズマは、気泡中に含まれる、有害物質を含む液体に由来の気相状態の物質に作用し、有害物質の分解反応、すなわち化学反応を進行させる。例えば、有害物質がダイオキシン類の場合、液中プラズマは、当該ダイオキシン類の分解反応を進行させる。
以下、本発明に関し、さらに補足説明する。
本発明の化学反応装置において用いられる容器は、処理すべき対象物質の種類や処理量にあわせて適宜選択することができる。したがって、当該容器は、少量の対象物質を処理するためのフラスコ程度の大きさのものであってもよいし、大量の対象物質を処理するための大型処理槽であってもよい。また、対象物質を高速で連続的に処理する場合、容器は、処理に必要な時間だけ液体が通過するような配管であってもよい。
また、気泡発生装置は、例えば、超音波発生装置である。超音波発生装置は、容器内の液体に超音波を照射するものであり、照射した超音波により液体中に気泡を発生させることができる。ここで照射する超音波は、通常、10kHz以上、特に、20kHz以上のものが好ましい。超音波の照射により、液体中では気泡、特に微小な気泡が多数発生する。特に、この気泡は、雲状に発生する。気泡の中には容器中の液体に起因する物質が気相で入っているが、気泡内部の気体は超音波によって急速に拡大収縮を繰り返す。収縮時にはほぼ断熱圧縮となり、気泡内では超高圧高温となりプラズマが発生しやすい状態となる。
因みに、気泡発生装置は、液体中に気泡を発生させることができるものであれば、超音波発生装置以外のものであってもよい。例えば、流体を加熱して沸騰させることにより、液体中に気泡を発生させる加熱装置、若しくは、液体を減圧下に置いて脱気することにより、液体中に気泡を発生させる減圧装置が超音波発生装置に代わる気泡発生装置として用いられてもよい。
一方、電磁波発生装置は、液体の中の気泡が発生する位置に電磁波を照射するようになっている。すなわち、本発明の化学反応装置では、気泡が発生している箇所に電磁波を照射するように、電磁波発生装置が設けられている。電磁波は、発生させようとするプラズマの種類や強度等によって周波数や出力を選択すればよい。例えば、液体が有機溶媒の場合は、主に2GHz程度かそれ以上のマイクロ波を用いるのが好ましい。
本発明の化学反応装置では、超音波の照射により液体中に発生した高温高圧の気泡に電磁波を重畳すると、液中にプラズマを発生させることができる。換言すると、液体中に発生した気泡中に高エネルギーのプラズマを発生させることができる。さらに換言すると、液体中で高密度の高エネルギープラズマを発生させることができる。このプラズマは、既に気泡中に封じ込まれており、プラズマ技術における大きな課題である発生したプラズマの封じ込めは本発明において問題にならない。液体中には、局所的に高温高圧のプラズマが発生しているが、このプラズマは、熱容量の大きな液体中に閉じ込められており、巨視的にみれば低温である。このようにして発生したプラズマは、高温高圧であってエネルギー密度が高く、しかも取り扱いが容易であるので,物質の合成に利用することができ、あるいは後述の通り、高エネルギー状態での電気分解にも応用ができ、ダイオキシン類等の有害物質の分解に利用することもできる。
音響キャビテーションにより発生する気泡として単気泡(シングルバブル)と多気泡(マルチバブル)とがあるが、本発明は両者に適用できる。単気泡では全体のエネルギーは小さくなるが、気泡内において超音波照射だけでも5,000K〜100,000Kという高エネルギー状態が得られる。一方、多気泡ではやや低温になり、超音波照射のみで5,000K程度であるが、全体のエネルギー量は大きく、工業的利用に有利である。
本発明に係る化学反応装置は簡易であるとともに小型であり、机上に置けるほどの大きさに作ることができる一方、超音波発生装置や電磁波発生装置に高出力のものを用いて大規模なものとすることもできる。
本発明の化学反応装置を物質の合成のために使用する場合は、原料となる物質を含む液体を容器内に導入する。たとえば、ドデカン(C1226)や灯油等の有機物を使用し、フラーレンやカーボンナノチューブ等のいわゆるニューカーボンの生成を行うことができる。
また、本発明の化学反応装置および有害物質分解方法によれば、有害物質を含む液体に対し、有害物質の分解処理を施すことができる。ここで、有害物質を含む液体は、人間に害悪をもたらす可能性のある有害物質を含む液体であれば特に限定されるものではないが、例えば、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(通称、PRTR法)若しくはその政省令において規定された、クロロベンゼン、ダイオキシン類、トルエンおよびベンゼン等の第一種指定化学物質並びにトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンおよび四塩化炭素等の第二種指定化学物質を有害物質として含む液体である。有害物質を含む液体は、このような有害物質そのものからなるものであってもよいし、このような有害物質を他の液体に溶解若しくは分散させたものであってもよい。例えば、前者の場合、有害物質を含む液体は、トルエンやベンゼンそのものであってもよい。また、後者の場合、有害物質を溶解している他の液体は、特に限定されるものではなく、例えば、炭化水素系の有機溶媒であってもよいし、水等の水系溶媒であってもよい。液体が有機溶媒の場合、当該有機溶媒は、トルエンやベンゼン等、上述の有害物質であってもよい。本発明によれば、従来の化学的手法では分解が困難であった有害物質、特に、ダイオキシン類やPCB等の難分解性の有害物質であっても、効果的に分解することができる。
本発明の化学反応装置は、液体中に気泡を発生させる気泡発生装置と、液体に電磁波を照射する電磁波発生装置とを備えているため、液体中にプラズマを発生させることができ、このプラズマにより化学反応、特に、超高温下で実現可能な化学反応を容易にかつ効率的に実施することができる。特に、この化学反応装置によれば、分解が困難な有害物質の分解や合成が困難な物質の合成を容易にかつ効果的に実施することができる。
本発明の他の見地に係る化学反応装置は、有害物質を含む液体中に気泡を発生させる気泡発生装置と、液体に電磁波を照射する電磁波発生装置とを備えているため、液体中にプラズマを発生させることができ、このプラズマにより有害物質を容易にかつ効率的に分解することができる。
本発明の有害物質分解方法は、有害物質を含む液体中に気泡を発生させるとともに、液体に電磁波を照射する工程を含んでいるため、液体中にプラズマを発生させることができ、このプラズマにより有害物質を容易にかつ効率的に分解することができる。
第一の実施の形態
図1を参照して、本発明の第一の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る化学反応装置を示す概略図であり、化学反応装置1は、有害物質を含む液体を入れる容器2と、容器2内の液体に気泡を発生させるための超音波発生装置3と、気泡が発生する位置に電磁波を照射するための電磁波発生装置4と、タンク7とを主に備えている。
容器2は、密閉構造のタンク状のものであり、外部からキャリアガスを導入する吸気管13と、真空ポンプ14に接続された排気管15とを有している。超音波発生装置3は、ホーン型振動子を利用したものであり、超音波ホーン5を有する。電磁波発生装置4は、電磁波電極6を有している。電磁波電極6は、超音波ホーン5に対向して配置されている。
タンク7は、有害物質を含む液体を貯留するためのものであり、液体を容器2へ供給するための供給管8(供給手段の一例)が容器2の上部に接続されている。また、供給管8は、第一制御弁9を備えている。一方、容器2から液体を排出するための排出管10(排出手段の一例)が容器2の下部より延びており、液体を廃液口11から排出できるようになっている。また、排出管10には第二制御弁12が設けられている。
この化学反応装置1は、タンク7に貯留された液体に含まれる有害物質を分解することができる。この場合、先ず、第二制御弁12を閉鎖した状態で第一制御弁9を開き、供給管8を通じてタンク7に貯留された液体を容器2内へ供給する。そして、容器2内に所定量の液体7が貯留された段階で第一制御弁9を閉鎖し、超音波発生装置3を作動させる。これにより、容器2内に貯留された液体に対して超音波ホーン5から超音波が照射され、容器2内の液体には、主に、超音波ホーン5と電磁波電極6との間において気泡が発生する。次に、電磁波発生装置4を作動させ、電磁波電極6から超音波ホーン5方向へ電磁波を照射する。これにより、電磁波電極6からの電磁波は、気泡に対して照射される。また、この結果、気泡において電磁波が重畳され、プラズマ、特に高温のプラズマが発生する。
気泡において発生したプラズマは、気泡を形成している液体に由来の気相、すなわち、液体そのものの気化物および有害物質の気化物からなる気相に作用し、有害物質を分解する。そして、有害物質の分解により発生した無害な気体は、吸気管13から容器2内へ供給されるキャリアガスとともに、排気管15を通って真空ポンプ14により容器2の外へ排出される。また、第二制御弁12を開放すると、容器2内の処理後の液体は、排出管10を通じて廃液口11から排出される。
容器2内の液体を排出した後、容器2内へタンク7から新たに液体を供給し、上述の操作を繰り返すと、タンク7に貯留された液体に含まれる有害物質を逐次的に分解処理することができる。
なお、上述のような有害物質の分解過程において、真空ポンプ14は、容器2内の圧力を調整するためにも使用することができる。
第二の実施の形態
図2を参照して、本発明の第二の実施の形態を説明する。図2は、本実施の形態に係る、流れ式化学反応炉形式に構成された化学反応装置を示す概略図であり、化学反応装置1では、比較的小型の容器2が供給管8(供給手段の一例)と排出管10(排出手段の一例)との間に設けられている。供給管8は、ポンプ16を有している。このポンプ16は、図に矢印で示すように、供給管8から容器2を経由して排出管10へ、所定の液体を強制的に流動させるためのものである。容器2には、超音波発生装置3と電磁波発生装置4が対向して設けられている。超音波発生装置3および電磁波発生装置4は、第一の実施の形態のものと同様のものである。
この化学反応装置1において、ポンプ16により供給管8から容器2へ供給される液体は、容器2において、超音波発生装置3から照射される超音波を受け、気泡を発生する。そして、この気泡は、電磁波発生装置4からの電磁波が照射され、プラズマ、特に高温のプラズマが発生する。このプラズマは、第一の実施の形態の場合と同様に、気泡に含まれる、液体に由来の気化物に作用し、化学反応を進行させる。ここで、液体が有害物質を含む液体の場合、液体中の有害物質は、化学反応により分解される。一方、液体がドデカン(C1226)や灯油等の有機物である場合は、化学反応により、フラーレンやカーボンナノチューブ等のいわゆるニューカーボン若しくはダイヤモンド等が合成される。
この化学反応装置1は、第一の実施の形態のものとは異なり、容器2内を流れる液体を連続的に処理することができるため、例えば、工場排水等の配管の途中等に取り付けることができる。このため、有害物質を発生する工場設備の排水管にこの化学反応装置1を設ければ、有害物質を分解して無害化した液体(排水)を環境中に排出することができる。因みに、有害物質の分解化学反応は高温高圧状態で行われるが、この反応は、液中で発生する、巨視的には低温のプラズマによるため、特殊な冷却装置を必要としない。
第三の実施の形態
図3を参照して、本発明の第三の実施の形態を説明する。図3は、本実施の形態に係る化学反応装置を示す概略図であり、化学反応装置1では、比較的小型の容器2が供給管8(供給手段の一例)と排出管10(排出手段の一例)との間に設けられている。供給管8は、ポンプ16を有している。このポンプ16は、図に矢印で示すように、供給管8から容器2を経由して排出管10へ所定の液体を強制的に流動させるためのものである。
また、容器2には、超音波発生装置3と電磁波発生装置4とが対向して設けられている。超音波発生装置3は、第一の実施の形態および第二の実施の形態において用いられるものよりも簡易なもの、例えば、超音波洗浄器である。一方、電磁波発生装置4は、電磁波増幅器17を備えており、マイクロ波を発生するものである。
この化学反応装置1において、ポンプ16により供給管8から容器2へ連続的に供給される液体は、容器2において、超音波発生装置3から照射される超音波を受け、気泡を発生する。そして、この気泡は、電磁波発生装置4からの電磁波が照射され、プラズマ、特に高温のプラズマが発生する。このプラズマは、第二の実施の形態の場合と同様に、気泡に含まれる気化物に作用し、液体の種類に応じ、有害物質の分解反応若しくはニューカーボンやダイヤモンド等の合成反応等の化学反応を進行させる。因みに、液体は、供給管8から容器2を経由して排出管10へ連続的に流れるため、容器2において、連続的に処理される。
ここで、電磁波発生装置4は、電磁波増幅器17を備えているため、電磁波のエネルギーを集中させることができる。このため、この化学反応装置1では、大気圧下であってもプラズマを発生させることができ、それによる化学反応を起こさせることができる。したがって、化学反応により有害な気体が発生しない場合は、密閉構造の容器2を用いる必要がなく、図に示すような上部が開放した容器2を用いることができる。
第四の実施の形態
図4を参照して、本発明の第四の実施の形態を説明する。図4は、本実施の形態に係る、超音波集中型の化学反応装置を示す概略図であり、化学反応装置1では、比較的小型の密閉された容器2が供給管8(供給手段の一例)と排出管10(排出手段の一例)との間に設けられている。供給管8は、容器2に対し、所定の液体を連続的に供給するためのものである。また、この容器2に対し、超音波発生装置3と電磁波発生装置4とが配置されている。超音波発生装置3は、超音波発信器3aと、この超音波発信器3aに接続された複数の超音波発信体3bとを備えている。各超音波発信体3bは、容器2の中心部に向けて超音波を照射するよう、容器2に対して取り付けられている。一方、電磁波発生装置4は、容器2へ向けて電磁波を照射するよう、容器2とは別に配置されている。
この化学反応装置1において、供給管8から容器2へ連続的に供給される液体は、容器2において、超音波発生装置3から照射される超音波を受け、気泡を発生する。そして、この気泡は、電磁波発生装置4からの電磁波が照射され、プラズマ、特に高温のプラズマが発生する。このプラズマは、第二の実施の形態の場合と同様に、気泡に含まれる気化物に作用し、液体の種類に応じ、有害物質の分解反応若しくはニューカーボンやダイヤモンド等の合成反応等の化学反応を進行させる。因みに、液体は、供給管8から容器2を経由して排出管10へ連続的に流れるため、容器2において、連続的に処理される。
ここで、超音波発生装置3は、超音波のエネルギーを容器2の中心部に集中させ、容器2内にトラップされた単一の気泡を断熱圧縮させることができるため、大気圧下かつ常温の雰囲気においても、容器2の中心部に100,000Kで1GPa以上の超高温・超高圧状態をつくることができる。また、電磁波発生装置4により電磁波を重畳すると、超高圧状態を維持することができる。このため、この化学反応装置1は、第一から第三の実施の形態に係る化学反応装置1に比べ、より分解が困難な有害物質を分解することができ、また、より合成が困難な物質を合成することができる。
実施例1
第一の実施の形態において説明した化学反応装置1を用い、n−ドデカン80mlにOCDD(オクタクロロジベンゾパラジオキシン)1μgを添加した溶液を処理した。ここでは、当該溶液の全量を容器2内に貯留し、超音波ホーン5から20kHzの超音波を照射して溶液に気泡を発生させた。この際、雰囲気圧力は500Paに調整した。そして、この気泡に対して電磁波電極6から2.5GHzの電磁波を照射したところ、温度が5,000Kのプラズマが発生した。このプラズマにより、30秒で溶液中のOCDDを分解することができた。
実施例2
第三の実施の形態において説明した化学反応装置1を用い、n−ドデカン60mlにOCDD(オクタクロロジベンゾパラジオキシン)1μgを添加した溶液を処理した。ここでは、容器2内に1l/分の流速で溶液を供給しつつ、超音波発生装置3から20kHzの超音波を照射して溶液に気泡を発生させた。そして、この気泡に対して電磁波発生装置4から2.5GHzの電磁波を照射したところ、8秒で溶液中のOCDDを分解することができた。
実施例3
第一の実施の形態において説明した化学反応装置1を用い、有害物質であるトルエンを処理した。ここでは、容器2内に100mlのトルエンを貯留し、超音波ホーン5から20kHzの超音波を照射してトルエンに気泡を発生させた。この際、雰囲気圧力は大気圧になるよう調整した。そして、この気泡に対して電磁波電極6から2.5GHzの電磁波(マイクロ波)を300W照射し、プラズマを5秒間発生させた。このプラズマによるトルエンの化学反応(分解反応)の結果、固体生成物(主にカーボン)と気体生成物(主に水素)とが生成した。生成物重量(固体生成物と気体生成物との合計)は、0.025gであった。化学反応の前後で質量は保存されるため、生成物重量はトルエンの分解量と等しくなる。これによると、トルエンの分解速度(g/分)は、(0.025g÷5秒)×60=0.3g/分となる。したがって、100ml(86.69g)のトルエンを分解するのに必要な推定時間は、86.69g÷0.3g/分=289分になる。
因みに、生成物の重量を全て測定できていない場合、トルエンの分解速度はより高い可能性があるため、100mlのトルエンを分解するのに必要な上記推定時間は、さらに短縮される可能性がある。
実施例4
トルエンに代えて有害物質であるベンゼンを用い、実施例3と同様の条件でベンゼンを分解した。ここで、生成物重量は、0.023gであった。これによると、ベンゼンの分解速度(g/分)は、(0.023÷5秒)×60=0.276g/分となり、100ml(87.65g)のベンゼンを分解するのに必要な推定時間は、87.65g÷0.276g/分=317分になる。この推定時間は、実施例3の場合と同様の理由により、さらに短縮される可能性がある。
本発明の第一の実施の形態に係る化学反応装置の概略図。 本発明の第二の実施の形態に係る化学反応装置の概略図。 本発明の第三の実施の形態に係る化学反応装置の概略図。 本発明の第四の実施の形態に係る化学反応装置の概略図。
符号の説明
1 化学反応装置
2 容器
3 超音波発生装置
4 電磁波発生装置
8 供給管
10 排出管

Claims (7)

  1. 液体を入れる容器と、
    前記容器へ前記液体を連続的に供給する供給手段と、
    前記容器から前記液体を排出する排出手段と、
    前記液体中に気泡を発生させる気泡発生装置と、
    前記液体に電磁波を照射する電磁波発生装置と、
    を備えた化学反応装置。
  2. 前記液体がダイオキシン類を含むものである、請求項1に記載の化学反応装置。
  3. 有害物質を含む液体を入れる容器と、
    前記液体中に気泡を発生させる気泡発生装置と、
    前記液体に電磁波を照射する電磁波発生装置と、
    を備えた化学反応装置。
  4. 前記有害物質がダイオキシン類である、請求項3に記載の化学反応装置。
  5. 有害物質を含む液体中に気泡を発生させるとともに、前記液体に電磁波を照射する工程を含む、
    有害物質分解方法。
  6. 前記液体を容器に入れて前記工程を実施する、請求項5に記載の有害物質分解方法。
  7. 前記有害物質がダイオキシン類である、請求項5または6に記載の有害物質分解方法。
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