JP2004306412A - 金属パターン転写シート - Google Patents
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Abstract
【課題】使用以前には金属層が剥離しにくく、使用時には金属層を良好に転写することのできる、金属パターン転写シートを提供すること。
【解決手段】ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成し、その樹脂層3の上に、セミアディティブ法やサブトラクティブ法を用いて、電解めっきにより金属層4を所定のパターンとして形成し、必要により、その金属層4の上に粘着剤層9を形成することにより、金属パターン転写シート1を得る。そして、金属層4(または粘着剤層9)を、被着体10の表面に貼着(圧着)した後、樹脂層3の表面からベースフィルム2を剥離させて、金属層4を被着体10に所定のパターンとして転写する。これによって、使用以前には、樹脂層3から金属層4が容易に剥離されることを防止でき、また、使用時には、樹脂層3とベースフィルム2とを、それらの界面で剥離させれば、金属層4を容易に転写できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成し、その樹脂層3の上に、セミアディティブ法やサブトラクティブ法を用いて、電解めっきにより金属層4を所定のパターンとして形成し、必要により、その金属層4の上に粘着剤層9を形成することにより、金属パターン転写シート1を得る。そして、金属層4(または粘着剤層9)を、被着体10の表面に貼着(圧着)した後、樹脂層3の表面からベースフィルム2を剥離させて、金属層4を被着体10に所定のパターンとして転写する。これによって、使用以前には、樹脂層3から金属層4が容易に剥離されることを防止でき、また、使用時には、樹脂層3とベースフィルム2とを、それらの界面で剥離させれば、金属層4を容易に転写できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属パターン転写シート、詳しくは、配線回路基板、電磁波シールド、シートコイルなどの製造において、所定パターンの金属層を転写するための金属パターン転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、転写シートを用いて、基板上に回路パターンなどを形成する方法が知られている。
【0003】
このような転写シートは、例えば、易剥離性シートの上に金属膜を転写可能に有してなり、基板の上に金属膜を圧着させて、易剥離性シートを剥がすことにより、その基板の上に金属膜を転写して、これによって、所定パターンの金属膜を基板の上に形成するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−185800号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような転写シートは、従来から、易剥離性シートの上に、金属膜が直接形成されていることから、金属膜が易剥離性シートに対して当初から剥がれやすく、使用する以前の製造中、保管中あるいは搬送中などにおいて、金属膜の一部または全部が、易剥離性シートから剥がれ落ちるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、使用以前には金属層が剥離しにくく、使用時には金属層を良好に転写することのできる、金属パターン転写シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の金属パターン転写シートは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に形成された樹脂層と、前記樹脂層の上に形成された所定パターンの金属層とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の金属パターン転写シートでは、前記金属層が電解めっきによって形成されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明の金属パターン転写シートでは、前記金属層の上に、さらに、粘着剤層が形成されていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の金属パターン転写シートの製造方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図1を参照して、本発明の金属パターン転写シートの一実施形態を製造する方法を説明する。
【0010】
まず、この方法では、図1(a)に示すように、ベースフィルム2を用意する。
【0011】
ベースフィルム2としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、TPX(メチルペンテン樹脂)フィルム、アルキド系樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどの公知のプラスチックフィルムが挙げられる。
【0012】
また、ベースフィルム2の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜100μmである。
【0013】
なお、ベースフィルム2は、その表面が、次に述べる樹脂層3に対して容易に剥離できるように剥離性を有しているものが好ましく、より具体的には、その表面に、離型処理が施されたものが、好ましく用いられる。離型処理は、例えば、シリコーン系、フッ化シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などの離型剤を、ベースフィルム2の表面に塗布するなど、公知の離型処理が用いられる。なお、ポリプロピレンフィルムやTPXフィルムなどの離型性を有するプラスチックフィルムは、離型処理せずに、そのまま用いることもできる。
【0014】
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成する。
【0015】
樹脂層3を形成する樹脂としては、ベースフィルム2に対する剥離性、および、次に述べる金属層4に対する密着性を有する樹脂であれば、特に制限されないが、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0016】
そして、ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成するには、特に制限されないが、例えば、樹脂の溶液を調製して、その樹脂の溶液をベースフィルム2の上に塗布し、乾燥させる。
【0017】
樹脂の溶液の調製は、特に制限されないが、例えば、上記した樹脂を、有機溶媒などに、その樹脂濃度(固形分濃度)が、1〜50重量%、好ましくは、3〜30重量%となるように溶解する。また、樹脂の溶液の塗布は、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、スプレー法などの公知の方法が用いられる。
【0018】
また、塗布後の乾燥は、樹脂や溶媒の種類により適宜選択され、例えば、40〜200℃、好ましくは、60〜150℃で乾燥させる。
【0019】
また、このような樹脂層3は、予め上記した樹脂をシート状に成形して、ベースフィルム2の上に熱融着などによって積層してもよい。
【0020】
このようにしてベースフィルム2の上に形成された樹脂層3は、その厚みが、例えば、0.1〜10μm、好ましくは、1〜5μmである。樹脂層3の厚みが、このような範囲であれば、ベースフィルム2に対する良好な剥離性を確保することができる。
【0021】
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、樹脂層3の上に金属層4を所定のパターンとして形成することによって、金属パターン転写シート1を得る。金属層4を所定のパターンとして形成するには、特に制限されず、アディティブ法、セミアディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。好ましくは、セミアディティブ法やサブトラクティブ法を用いて、電解めっきにより形成する。
【0022】
より具体的には、例えば、セミアディティブ法によって金属層4を形成するには、まず、図2(a)に示すように、樹脂層3の上に金属薄膜5を形成する。この金属薄膜5は、次に述べる金属めっき層6を電解めっきにより形成するための電極となる。
【0023】
金属薄膜5を形成する金属は、特に制限されないが、例えば、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、または、これらの合金などが挙げられる。
【0024】
そして、樹脂層3の上に金属薄膜5を形成するには、特に制限されないが、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空成膜法が用いられる。
【0025】
なお、金属薄膜5の厚みは、例えば、0.01〜0.5μmである。また、金属薄膜5は、2層以上の複数層として形成することもできる。
【0026】
次いで、図2(b)に示すように、金属薄膜5の上に、めっきレジスト7を金属層4のパターンと反転するパターンで形成する。
【0027】
めっきレジスト7の形成は、特に制限されず、例えば、写真法や印刷法などが用いられる。これらのうち、好ましくは写真法が用いられ、より具体的には、例えば、耐電解めっき液性を有するドライフィルムレジストなどを用いて、露光および現像がなされるフォト加工法などにより、所定のレジストパターンとして形成する。
【0028】
そして、図2(c)に示すように、金属薄膜5におけるめっきレジスト7が形成されていない部分に、電解めっきにより、金属めっき層6を所定のパターンとして形成する。
【0029】
所定のパターンは、特に制限されず、転写する対象(被着体10(図4参照))によって適宜決定すればよく、例えば、配線回路基板の基板を被着体10(図4参照)とする場合には、所定のパターンを、多数の配線が長手方向に沿って互いに所定間隔を隔てて並列するパターンなどとして形成する。
【0030】
また、金属めっき層6を形成する金属は、特に制限されず、例えば、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、鉄、錫、鉛、アルミニウム、および、それらの合金などが挙げられる。好ましくは、銅または銅の合金が用いられる。
【0031】
また、金属めっき層6の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0032】
そして、図2(d)に示すように、めっきレジスト7を除去する。めっきレジスト7の除去は、例えば、アルカリ剥離液などの剥離液を用いる剥離法や、化学エッチング(ウェットエッチング)などのエッチング法が用いられる。
【0033】
その後、図2(e)に示すように、めっきレジスト7が形成されていた部分に対応する金属薄膜5を除去する。金属薄膜5の除去は、特に制限されず、例えば、酸エッチング液などのエッチング液を用いる化学エッチング(ウェットエッチング)などのエッチング法が用いられる。
【0034】
これによって、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4が、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成される。なお、金属層4の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0035】
また、例えば、サブトラクティブ法によって金属層4を形成するには、まず、図3(a)に示すように、上記と同様の方法により、上記と同様の金属薄膜5を形成する。この金属薄膜5は、上記と同様に、金属めっき層6を電解めっきにより形成するための電極となる。
【0036】
次いで、図3(b)に示すように、金属薄膜5の全面に、電解めっきにより、金属めっき層6を形成する。金属めっき層6を形成するための金属は、上記と同様の金属が挙げられる。好ましくは、銅または銅の合金が用いられる。金属めっき層6の厚みは、上記と同様に、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0037】
そして、図3(c)に示すように、金属めっき層6の上に、エッチングレジスト8を、金属層4のパターンと同一のパターンで形成する。
【0038】
エッチングレジスト8の形成は、特に制限されず、例えば、写真法や印刷法などが用いられる。これらのうち、好ましくは写真法が用いられ、より具体的には、例えば、ドライフィルムレジストなどを用いて、露光および現像がなされるフォト加工法などにより、所定のレジストパターンとして形成する。
【0039】
そして、図3(d)に示すように、エッチングレジスト8をレジストとして、そのエッチングレジスト8から露出する金属めっき層6、および、その露出する金属めっき層6に対応する部分の金属薄膜5をエッチングする。金属めっき層6および金属薄膜5のエッチングは、特に制限されず、例えば、酸エッチング液などのエッチング液を用いる化学エッチング(ウェットエッチング)などが用いられる。
【0040】
次いで、図3(e)に示すように、エッチングレジスト8を除去する。エッチングレジスト8の除去は、例えば、アルカリ剥離液などの剥離液を用いる剥離法や、化学エッチング(ウェットエッチング)などのエッチング法が用いられる。
【0041】
これによって、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4が、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成される。なお、金属層4の厚みは、上記と同様に、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0042】
そして、このようにして得られる、樹脂層3の上に金属層4が所定のパターンとして形成された金属パターン転写シート1は、必要に応じて、図1(d)に示すように、金属層4の上に粘着剤層9を形成してもよい。粘着剤層9を形成することにより、被着体10に対する金属層4の接着性を向上させることができる。
【0043】
なお、図1(d)では、金属層4を含む樹脂層3の全面に粘着剤層9が形成されている。
【0044】
粘着剤層9を形成する粘着剤としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系感圧粘着剤、ゴム系感圧粘着剤、スチレン・共役ジエンブロック共重合体系感圧粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリイミド系粘着剤などが挙げられる。
【0045】
また、金属層4の上に粘着剤層9を形成するには、特に制限されないが、例えば、粘着剤の溶液を調製して、その粘着剤の溶液を、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、スプレー法などの公知の塗布方法により、金属層4の上(金属層4を含む樹脂層3の全面)に塗布し、乾燥させるか、または、別途、セパレータの上に形成された粘着剤層9を、金属層4の上(金属層4を含む樹脂層3の全面)に転写させる。
【0046】
また、エポキシ系やアクリル系の電着塗料を用いて粘着剤層9を形成してもよく、例えば、特開平9−235493号公報に記載されるような、水酸基およびイオン性基を含有する樹脂(A)と、脂環式骨格および/または有橋脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以上有するエポキシ基含有硬化剤(B)とを主成分として含有する熱硬化性転写用粘着性電着塗料組成物を用いて、粘着剤層9を形成してもよい。
【0047】
このような電着塗料を用いて粘着剤層9を形成する場合には、例えば、上記した図2に示すセミアディティブ法において、電解めっきにより金属めっき層6を形成した後に、引き続き粘着剤を電着すれば、所定のパターンとされた金属層4にのみ粘着剤層9を簡易に形成することができる。
【0048】
すなわち、電着塗料を用いた場合は、図1(e)に示すように、粘着剤層9を金属層4の上のみに形成することができる。
【0049】
なお、粘着剤層9の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0050】
このようにして得られる金属パターン転写シート1は、ベースフィルム2と、そのベースフィルム2の上に形成されている樹脂層3と、その樹脂層3の上に形成されている所定パターンの金属層4と、必要により、その金属層4の上に形成されている粘着剤層9とを備えている。
【0051】
そして、このような金属パターン転写シート1は、例えば、図4(a)に示すように、まず、金属パターン転写シート1の金属層4(図示しないが粘着剤層9が設けられている場合には、粘着剤層9)を、被着体10の表面に貼着(圧着)し、その後、図4(b)に示すように、樹脂層3の表面からベースフィルム2を剥離させれば、図4(c)に示すように、金属層4を、被着体10に所定のパターンとして転写することができる。
【0052】
なお、樹脂層3は、金属層4とともに被着体10に転写されるので、不要であれば除去してもよいが、そのまま金属層4の保護層として用いることもできる。樹脂層3を金属層4の保護層として用いる場合には、さらに、樹脂層3の所定部分に開口部11を形成して金属層4を露出させることにより、その部分を金属層4と電気的に接続するための端子部分12とすることもできる。
【0053】
なお、被着体10の表面は、平坦面に限らず、曲面であってもよい。
【0054】
そして、この金属パターン転写シート1は、樹脂層3が、ベースフィルム2に対する剥離性および金属層4に対する密着性を有しているので、ベースフィルム2と樹脂層3との界面が剥離しやすい一方で、樹脂層3と金属層4との界面が剥離しにくいため、金属層4を樹脂層3によって保持しつつ、樹脂層3とベースフィルム2との界面で剥離させることができる。そのため、使用以前には、金属層4が樹脂層3によって保持されるので、金属層4が容易に剥離されることを防止することができる。また、使用時には、樹脂層3とベースフィルム2とを、それらの界面で剥離させれば、金属層4を容易に転写することができる。
【0055】
このような金属パターン転写シート1は、被着体10が特に制限されることなく、種々の用途に用いることができる。より具体的には、例えば、配線回路基板、電磁波シールド、シートコイルなどの回路形成のために用いることができる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0057】
実施例1
厚み50μmの表面がシリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3としてヒドロキシプロピルセルロースを、有機溶媒としてトルエンとモノメチルグリコールの混合溶媒を用いて、スピンコート法により、厚み1.0μmで塗布し、その後乾燥させた(図1(b)参照)。
【0058】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜5を、樹脂層3の全面に厚み0.1μmで形成した(図2(a)参照)。
【0059】
その後、めっきレジスト7として、ドライフィルムレジスト(SPG102、旭化成社製)を用いて、そのめっきレジスト7を、金属薄膜5の上に、加熱および加圧により積層し、次いで、シートコイルのパターンと反転するめっきレジスト7のパターンを残すようなフォトマスクを介して露光し、その後、不要な部分を現像により除去することによって、金属薄膜5の上に、シートコイルのパターンと反転するパターンで形成した(図2(b)参照)。
【0060】
そして、金属薄膜5におけるめっきレジスト7が形成されていない部分に、金属薄膜5を電極として、電解ニッケルめっきにより、ニッケルめっき層からなる金属めっき層6をシートコイルのパターンとして、厚み20μmで形成した(図2(c)参照)。
【0061】
その後、めっきレジスト7を、エッチングにより除去し(図2(d)参照)、さらに、その除去されためっきレジスト7に対応する部分の金属薄膜5を、エッチングにより除去することによって(図2(e)参照)、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4を、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成し、これによって、シートコイルの製造に用いられる金属パターン転写シート1を得た(図1(c)参照)。
【0062】
実施例2
厚み50μmの表面がフッ化シリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3としてエチルセルロースを、有機溶媒としてトルエンを用いて、スピンコート法により、厚み0.5μmで塗布し、その後乾燥させた(図1(b)参照)。
【0063】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜5を、樹脂層3の全面に厚み0.1μmで形成した(図3(a)参照)。
【0064】
その後、金属薄膜5の全面に、金属薄膜5を電極として、電解ニッケルめっきにより、ニッケルめっき層からなる金属めっき層6を、厚み20μmで形成した(図3(b)参照)。
【0065】
次いで、エッチングレジスト8として、ドライフィルムレジスト(SPG102、旭化成社製)を用いて、そのエッチングレジスト8を、金属めっき層6の上に、加熱および加圧により積層し、次いで、電磁波シールドのパターンと同一のエッチングレジスト8のパターンを残すようなフォトマスクを介して露光し、その後、不要な部分を現像により除去することによって、エッチングレジスト8を、金属めっき層6の上に、電磁波シールドのパターンと同一のパターンで形成した(図3(c)参照)。
【0066】
そして、エッチングレジスト8から露出する金属めっき層6および露出する金属めっき層6に対応する金属薄膜5を、エッチングし(図3(d)参照)、次いで、エッチングレジスト8をエッチングにより除去することによって(図3(e)参照)、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4を、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成し、これによって、電磁波シールドの製造に用いられる金属パターン転写シート1を得た(図1(c)参照)。
【0067】
そして、この金属パターン転写シート1には、さらに、基材レス両面粘着テープ(No.5911、日東電工製)を用いて、粘着剤層9を転写することによって、金属層4の上に厚み20μmで形成した(図1(d)参照)。
【0068】
得られた金属パターン転写シート1を用いて、携帯電話の筐体の裏面(操作側の反対側)に、粘着剤層9を圧着した後、樹脂層3の表面からベースフィルム2を剥離させることによって、金属層4を電磁波シールドとして転写した。
【0069】
この電磁波シールドは、金属層4が樹脂層3によって被覆されているので、別途、絶縁層を設ける必要なく用いることができた。
【0070】
また、この電磁波シールドには、金属層4と外部の回路との電気的な導通をとるために、樹脂層3であるエチルセルロースの所定部分をアルコールで除去することにより開口部11を形成して、その開口部11に露出する金属層4を端子部分12として外部の回路と、はんだ接続した。
【0071】
比較例1
厚み50μmのポリテトラフルオロエチレンフィルムからなるベースフィルムを用意して、そのベースフィルムの全面に、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜を厚み0.1μmで形成した以外(すなわち、樹脂層を形成せずに、ベースフィルムの上に、直接、金属薄膜を形成した以外)は、実施例1と同様の操作によって、シートコイルの製造に用いられる金属パターン転写シートを得た。この金属パターン転写シートを目視により観察すると、金属層のパターンが部分的に欠落していることが確認された。
【0072】
比較例2
厚み50μmのポリテトラフルオロエチレンフィルムからなるベースフィルムを用意して、そのベースフィルムの全面に、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜を厚み0.1μmで形成した以外(すなわち、樹脂層を形成せずに、ベースフィルムの上に、直接、金属薄膜を形成した以外)は、実施例2と同様の操作によって、電磁波シールドの製造に用いられる金属パターン転写シートを得た。この金属パターン転写シートを目視により観察すると、金属層のパターンが部分的に欠落していることが確認された。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の金属パターン転写シートによれば、金属層を樹脂層によって保持しつつ、樹脂層とベースフィルムとの界面で剥離させることができる。そのため、使用以前には、金属層が樹脂層によって保持されるので、金属層が容易に剥離されることを防止することができる。また、使用時には、樹脂層とベースフィルムとを、それらの界面で剥離させれば、金属層を容易に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属パターン転写シートの製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(a)は、ベースフィルムを用意する工程、
(b)は、ベースフィルムの上に樹脂層を形成する工程、
(c)は、樹脂層の上に金属層を所定のパターンとして形成する工程、
(d)は、金属層の上(金属層を含む樹脂層の全面)に粘着剤層を形成する工程、
(e)は、金属層の上(金属層の上のみ)に粘着剤層を形成する工程を示す。
【図2】図1(c)に示す工程において、セミアディティブ法によって、樹脂層の上に金属層を所定のパターンとして形成する方法を示す工程図であって、
(a)は、樹脂層の上に金属薄膜を形成する工程、
(b)は、金属薄膜の上に、めっきレジストを金属層のパターンと反転するパターンで形成する工程、
(c)は、金属薄膜におけるめっきレジストが形成されていない部分に、電解めっきにより、金属めっき層を所定のパターンとして形成する工程、
(d)は、めっきレジストを除去する工程、
(e)は、めっきレジストが形成されていた部分に対応する金属薄膜を除去する工程を示す。
【図3】図1(c)に示す工程において、サブトラクティブ法によって、樹脂層の上に金属層を所定のパターンとして形成する方法を示す工程図であって、
(a)は、樹脂層の上に金属薄膜を形成する工程、
(b)は、金属薄膜の全面に、電解めっきにより、金属めっき層を形成する工程、
(c)は、金属めっき層の上に、エッチングレジストを、金属層のパターンと同一のパターンで形成する工程、
(d)は、エッチングレジストをレジストとして、そのエッチングレジストから露出する金属めっき層、および、その露出する金属めっき層に対応する部分の金属薄膜をエッチングする工程、
(e)は、エッチングレジストを除去する工程を示す。
【図4】金属パターン転写シートの金属層を、被着体に所定のパターンとして転写する方法を示す工程図であって、
(a)は、金属パターン転写シートの金属層を、被着体の表面に貼着(圧着)する工程、
(b)は、樹脂層の表面からベースフィルムを剥離させる工程、
(c)は、金属層が、被着体に所定のパターンとして転写されている工程を示す。
【符号の説明】
1 金属パターン転写シート
2 ベースフィルム
3 樹脂層
4 金属層
9 粘着剤層
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属パターン転写シート、詳しくは、配線回路基板、電磁波シールド、シートコイルなどの製造において、所定パターンの金属層を転写するための金属パターン転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、転写シートを用いて、基板上に回路パターンなどを形成する方法が知られている。
【0003】
このような転写シートは、例えば、易剥離性シートの上に金属膜を転写可能に有してなり、基板の上に金属膜を圧着させて、易剥離性シートを剥がすことにより、その基板の上に金属膜を転写して、これによって、所定パターンの金属膜を基板の上に形成するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−185800号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような転写シートは、従来から、易剥離性シートの上に、金属膜が直接形成されていることから、金属膜が易剥離性シートに対して当初から剥がれやすく、使用する以前の製造中、保管中あるいは搬送中などにおいて、金属膜の一部または全部が、易剥離性シートから剥がれ落ちるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、使用以前には金属層が剥離しにくく、使用時には金属層を良好に転写することのできる、金属パターン転写シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の金属パターン転写シートは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に形成された樹脂層と、前記樹脂層の上に形成された所定パターンの金属層とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の金属パターン転写シートでは、前記金属層が電解めっきによって形成されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明の金属パターン転写シートでは、前記金属層の上に、さらに、粘着剤層が形成されていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の金属パターン転写シートの製造方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図1を参照して、本発明の金属パターン転写シートの一実施形態を製造する方法を説明する。
【0010】
まず、この方法では、図1(a)に示すように、ベースフィルム2を用意する。
【0011】
ベースフィルム2としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、TPX(メチルペンテン樹脂)フィルム、アルキド系樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどの公知のプラスチックフィルムが挙げられる。
【0012】
また、ベースフィルム2の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜100μmである。
【0013】
なお、ベースフィルム2は、その表面が、次に述べる樹脂層3に対して容易に剥離できるように剥離性を有しているものが好ましく、より具体的には、その表面に、離型処理が施されたものが、好ましく用いられる。離型処理は、例えば、シリコーン系、フッ化シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などの離型剤を、ベースフィルム2の表面に塗布するなど、公知の離型処理が用いられる。なお、ポリプロピレンフィルムやTPXフィルムなどの離型性を有するプラスチックフィルムは、離型処理せずに、そのまま用いることもできる。
【0014】
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成する。
【0015】
樹脂層3を形成する樹脂としては、ベースフィルム2に対する剥離性、および、次に述べる金属層4に対する密着性を有する樹脂であれば、特に制限されないが、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0016】
そして、ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成するには、特に制限されないが、例えば、樹脂の溶液を調製して、その樹脂の溶液をベースフィルム2の上に塗布し、乾燥させる。
【0017】
樹脂の溶液の調製は、特に制限されないが、例えば、上記した樹脂を、有機溶媒などに、その樹脂濃度(固形分濃度)が、1〜50重量%、好ましくは、3〜30重量%となるように溶解する。また、樹脂の溶液の塗布は、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、スプレー法などの公知の方法が用いられる。
【0018】
また、塗布後の乾燥は、樹脂や溶媒の種類により適宜選択され、例えば、40〜200℃、好ましくは、60〜150℃で乾燥させる。
【0019】
また、このような樹脂層3は、予め上記した樹脂をシート状に成形して、ベースフィルム2の上に熱融着などによって積層してもよい。
【0020】
このようにしてベースフィルム2の上に形成された樹脂層3は、その厚みが、例えば、0.1〜10μm、好ましくは、1〜5μmである。樹脂層3の厚みが、このような範囲であれば、ベースフィルム2に対する良好な剥離性を確保することができる。
【0021】
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、樹脂層3の上に金属層4を所定のパターンとして形成することによって、金属パターン転写シート1を得る。金属層4を所定のパターンとして形成するには、特に制限されず、アディティブ法、セミアディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。好ましくは、セミアディティブ法やサブトラクティブ法を用いて、電解めっきにより形成する。
【0022】
より具体的には、例えば、セミアディティブ法によって金属層4を形成するには、まず、図2(a)に示すように、樹脂層3の上に金属薄膜5を形成する。この金属薄膜5は、次に述べる金属めっき層6を電解めっきにより形成するための電極となる。
【0023】
金属薄膜5を形成する金属は、特に制限されないが、例えば、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、または、これらの合金などが挙げられる。
【0024】
そして、樹脂層3の上に金属薄膜5を形成するには、特に制限されないが、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空成膜法が用いられる。
【0025】
なお、金属薄膜5の厚みは、例えば、0.01〜0.5μmである。また、金属薄膜5は、2層以上の複数層として形成することもできる。
【0026】
次いで、図2(b)に示すように、金属薄膜5の上に、めっきレジスト7を金属層4のパターンと反転するパターンで形成する。
【0027】
めっきレジスト7の形成は、特に制限されず、例えば、写真法や印刷法などが用いられる。これらのうち、好ましくは写真法が用いられ、より具体的には、例えば、耐電解めっき液性を有するドライフィルムレジストなどを用いて、露光および現像がなされるフォト加工法などにより、所定のレジストパターンとして形成する。
【0028】
そして、図2(c)に示すように、金属薄膜5におけるめっきレジスト7が形成されていない部分に、電解めっきにより、金属めっき層6を所定のパターンとして形成する。
【0029】
所定のパターンは、特に制限されず、転写する対象(被着体10(図4参照))によって適宜決定すればよく、例えば、配線回路基板の基板を被着体10(図4参照)とする場合には、所定のパターンを、多数の配線が長手方向に沿って互いに所定間隔を隔てて並列するパターンなどとして形成する。
【0030】
また、金属めっき層6を形成する金属は、特に制限されず、例えば、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、鉄、錫、鉛、アルミニウム、および、それらの合金などが挙げられる。好ましくは、銅または銅の合金が用いられる。
【0031】
また、金属めっき層6の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0032】
そして、図2(d)に示すように、めっきレジスト7を除去する。めっきレジスト7の除去は、例えば、アルカリ剥離液などの剥離液を用いる剥離法や、化学エッチング(ウェットエッチング)などのエッチング法が用いられる。
【0033】
その後、図2(e)に示すように、めっきレジスト7が形成されていた部分に対応する金属薄膜5を除去する。金属薄膜5の除去は、特に制限されず、例えば、酸エッチング液などのエッチング液を用いる化学エッチング(ウェットエッチング)などのエッチング法が用いられる。
【0034】
これによって、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4が、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成される。なお、金属層4の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0035】
また、例えば、サブトラクティブ法によって金属層4を形成するには、まず、図3(a)に示すように、上記と同様の方法により、上記と同様の金属薄膜5を形成する。この金属薄膜5は、上記と同様に、金属めっき層6を電解めっきにより形成するための電極となる。
【0036】
次いで、図3(b)に示すように、金属薄膜5の全面に、電解めっきにより、金属めっき層6を形成する。金属めっき層6を形成するための金属は、上記と同様の金属が挙げられる。好ましくは、銅または銅の合金が用いられる。金属めっき層6の厚みは、上記と同様に、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0037】
そして、図3(c)に示すように、金属めっき層6の上に、エッチングレジスト8を、金属層4のパターンと同一のパターンで形成する。
【0038】
エッチングレジスト8の形成は、特に制限されず、例えば、写真法や印刷法などが用いられる。これらのうち、好ましくは写真法が用いられ、より具体的には、例えば、ドライフィルムレジストなどを用いて、露光および現像がなされるフォト加工法などにより、所定のレジストパターンとして形成する。
【0039】
そして、図3(d)に示すように、エッチングレジスト8をレジストとして、そのエッチングレジスト8から露出する金属めっき層6、および、その露出する金属めっき層6に対応する部分の金属薄膜5をエッチングする。金属めっき層6および金属薄膜5のエッチングは、特に制限されず、例えば、酸エッチング液などのエッチング液を用いる化学エッチング(ウェットエッチング)などが用いられる。
【0040】
次いで、図3(e)に示すように、エッチングレジスト8を除去する。エッチングレジスト8の除去は、例えば、アルカリ剥離液などの剥離液を用いる剥離法や、化学エッチング(ウェットエッチング)などのエッチング法が用いられる。
【0041】
これによって、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4が、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成される。なお、金属層4の厚みは、上記と同様に、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0042】
そして、このようにして得られる、樹脂層3の上に金属層4が所定のパターンとして形成された金属パターン転写シート1は、必要に応じて、図1(d)に示すように、金属層4の上に粘着剤層9を形成してもよい。粘着剤層9を形成することにより、被着体10に対する金属層4の接着性を向上させることができる。
【0043】
なお、図1(d)では、金属層4を含む樹脂層3の全面に粘着剤層9が形成されている。
【0044】
粘着剤層9を形成する粘着剤としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系感圧粘着剤、ゴム系感圧粘着剤、スチレン・共役ジエンブロック共重合体系感圧粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリイミド系粘着剤などが挙げられる。
【0045】
また、金属層4の上に粘着剤層9を形成するには、特に制限されないが、例えば、粘着剤の溶液を調製して、その粘着剤の溶液を、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、スプレー法などの公知の塗布方法により、金属層4の上(金属層4を含む樹脂層3の全面)に塗布し、乾燥させるか、または、別途、セパレータの上に形成された粘着剤層9を、金属層4の上(金属層4を含む樹脂層3の全面)に転写させる。
【0046】
また、エポキシ系やアクリル系の電着塗料を用いて粘着剤層9を形成してもよく、例えば、特開平9−235493号公報に記載されるような、水酸基およびイオン性基を含有する樹脂(A)と、脂環式骨格および/または有橋脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以上有するエポキシ基含有硬化剤(B)とを主成分として含有する熱硬化性転写用粘着性電着塗料組成物を用いて、粘着剤層9を形成してもよい。
【0047】
このような電着塗料を用いて粘着剤層9を形成する場合には、例えば、上記した図2に示すセミアディティブ法において、電解めっきにより金属めっき層6を形成した後に、引き続き粘着剤を電着すれば、所定のパターンとされた金属層4にのみ粘着剤層9を簡易に形成することができる。
【0048】
すなわち、電着塗料を用いた場合は、図1(e)に示すように、粘着剤層9を金属層4の上のみに形成することができる。
【0049】
なお、粘着剤層9の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0050】
このようにして得られる金属パターン転写シート1は、ベースフィルム2と、そのベースフィルム2の上に形成されている樹脂層3と、その樹脂層3の上に形成されている所定パターンの金属層4と、必要により、その金属層4の上に形成されている粘着剤層9とを備えている。
【0051】
そして、このような金属パターン転写シート1は、例えば、図4(a)に示すように、まず、金属パターン転写シート1の金属層4(図示しないが粘着剤層9が設けられている場合には、粘着剤層9)を、被着体10の表面に貼着(圧着)し、その後、図4(b)に示すように、樹脂層3の表面からベースフィルム2を剥離させれば、図4(c)に示すように、金属層4を、被着体10に所定のパターンとして転写することができる。
【0052】
なお、樹脂層3は、金属層4とともに被着体10に転写されるので、不要であれば除去してもよいが、そのまま金属層4の保護層として用いることもできる。樹脂層3を金属層4の保護層として用いる場合には、さらに、樹脂層3の所定部分に開口部11を形成して金属層4を露出させることにより、その部分を金属層4と電気的に接続するための端子部分12とすることもできる。
【0053】
なお、被着体10の表面は、平坦面に限らず、曲面であってもよい。
【0054】
そして、この金属パターン転写シート1は、樹脂層3が、ベースフィルム2に対する剥離性および金属層4に対する密着性を有しているので、ベースフィルム2と樹脂層3との界面が剥離しやすい一方で、樹脂層3と金属層4との界面が剥離しにくいため、金属層4を樹脂層3によって保持しつつ、樹脂層3とベースフィルム2との界面で剥離させることができる。そのため、使用以前には、金属層4が樹脂層3によって保持されるので、金属層4が容易に剥離されることを防止することができる。また、使用時には、樹脂層3とベースフィルム2とを、それらの界面で剥離させれば、金属層4を容易に転写することができる。
【0055】
このような金属パターン転写シート1は、被着体10が特に制限されることなく、種々の用途に用いることができる。より具体的には、例えば、配線回路基板、電磁波シールド、シートコイルなどの回路形成のために用いることができる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0057】
実施例1
厚み50μmの表面がシリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3としてヒドロキシプロピルセルロースを、有機溶媒としてトルエンとモノメチルグリコールの混合溶媒を用いて、スピンコート法により、厚み1.0μmで塗布し、その後乾燥させた(図1(b)参照)。
【0058】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜5を、樹脂層3の全面に厚み0.1μmで形成した(図2(a)参照)。
【0059】
その後、めっきレジスト7として、ドライフィルムレジスト(SPG102、旭化成社製)を用いて、そのめっきレジスト7を、金属薄膜5の上に、加熱および加圧により積層し、次いで、シートコイルのパターンと反転するめっきレジスト7のパターンを残すようなフォトマスクを介して露光し、その後、不要な部分を現像により除去することによって、金属薄膜5の上に、シートコイルのパターンと反転するパターンで形成した(図2(b)参照)。
【0060】
そして、金属薄膜5におけるめっきレジスト7が形成されていない部分に、金属薄膜5を電極として、電解ニッケルめっきにより、ニッケルめっき層からなる金属めっき層6をシートコイルのパターンとして、厚み20μmで形成した(図2(c)参照)。
【0061】
その後、めっきレジスト7を、エッチングにより除去し(図2(d)参照)、さらに、その除去されためっきレジスト7に対応する部分の金属薄膜5を、エッチングにより除去することによって(図2(e)参照)、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4を、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成し、これによって、シートコイルの製造に用いられる金属パターン転写シート1を得た(図1(c)参照)。
【0062】
実施例2
厚み50μmの表面がフッ化シリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3としてエチルセルロースを、有機溶媒としてトルエンを用いて、スピンコート法により、厚み0.5μmで塗布し、その後乾燥させた(図1(b)参照)。
【0063】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜5を、樹脂層3の全面に厚み0.1μmで形成した(図3(a)参照)。
【0064】
その後、金属薄膜5の全面に、金属薄膜5を電極として、電解ニッケルめっきにより、ニッケルめっき層からなる金属めっき層6を、厚み20μmで形成した(図3(b)参照)。
【0065】
次いで、エッチングレジスト8として、ドライフィルムレジスト(SPG102、旭化成社製)を用いて、そのエッチングレジスト8を、金属めっき層6の上に、加熱および加圧により積層し、次いで、電磁波シールドのパターンと同一のエッチングレジスト8のパターンを残すようなフォトマスクを介して露光し、その後、不要な部分を現像により除去することによって、エッチングレジスト8を、金属めっき層6の上に、電磁波シールドのパターンと同一のパターンで形成した(図3(c)参照)。
【0066】
そして、エッチングレジスト8から露出する金属めっき層6および露出する金属めっき層6に対応する金属薄膜5を、エッチングし(図3(d)参照)、次いで、エッチングレジスト8をエッチングにより除去することによって(図3(e)参照)、金属薄膜5および金属めっき層6からなる金属層4を、樹脂層3の上に所定のパターンとして形成し、これによって、電磁波シールドの製造に用いられる金属パターン転写シート1を得た(図1(c)参照)。
【0067】
そして、この金属パターン転写シート1には、さらに、基材レス両面粘着テープ(No.5911、日東電工製)を用いて、粘着剤層9を転写することによって、金属層4の上に厚み20μmで形成した(図1(d)参照)。
【0068】
得られた金属パターン転写シート1を用いて、携帯電話の筐体の裏面(操作側の反対側)に、粘着剤層9を圧着した後、樹脂層3の表面からベースフィルム2を剥離させることによって、金属層4を電磁波シールドとして転写した。
【0069】
この電磁波シールドは、金属層4が樹脂層3によって被覆されているので、別途、絶縁層を設ける必要なく用いることができた。
【0070】
また、この電磁波シールドには、金属層4と外部の回路との電気的な導通をとるために、樹脂層3であるエチルセルロースの所定部分をアルコールで除去することにより開口部11を形成して、その開口部11に露出する金属層4を端子部分12として外部の回路と、はんだ接続した。
【0071】
比較例1
厚み50μmのポリテトラフルオロエチレンフィルムからなるベースフィルムを用意して、そのベースフィルムの全面に、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜を厚み0.1μmで形成した以外(すなわち、樹脂層を形成せずに、ベースフィルムの上に、直接、金属薄膜を形成した以外)は、実施例1と同様の操作によって、シートコイルの製造に用いられる金属パターン転写シートを得た。この金属パターン転写シートを目視により観察すると、金属層のパターンが部分的に欠落していることが確認された。
【0072】
比較例2
厚み50μmのポリテトラフルオロエチレンフィルムからなるベースフィルムを用意して、そのベースフィルムの全面に、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜を厚み0.1μmで形成した以外(すなわち、樹脂層を形成せずに、ベースフィルムの上に、直接、金属薄膜を形成した以外)は、実施例2と同様の操作によって、電磁波シールドの製造に用いられる金属パターン転写シートを得た。この金属パターン転写シートを目視により観察すると、金属層のパターンが部分的に欠落していることが確認された。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の金属パターン転写シートによれば、金属層を樹脂層によって保持しつつ、樹脂層とベースフィルムとの界面で剥離させることができる。そのため、使用以前には、金属層が樹脂層によって保持されるので、金属層が容易に剥離されることを防止することができる。また、使用時には、樹脂層とベースフィルムとを、それらの界面で剥離させれば、金属層を容易に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属パターン転写シートの製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(a)は、ベースフィルムを用意する工程、
(b)は、ベースフィルムの上に樹脂層を形成する工程、
(c)は、樹脂層の上に金属層を所定のパターンとして形成する工程、
(d)は、金属層の上(金属層を含む樹脂層の全面)に粘着剤層を形成する工程、
(e)は、金属層の上(金属層の上のみ)に粘着剤層を形成する工程を示す。
【図2】図1(c)に示す工程において、セミアディティブ法によって、樹脂層の上に金属層を所定のパターンとして形成する方法を示す工程図であって、
(a)は、樹脂層の上に金属薄膜を形成する工程、
(b)は、金属薄膜の上に、めっきレジストを金属層のパターンと反転するパターンで形成する工程、
(c)は、金属薄膜におけるめっきレジストが形成されていない部分に、電解めっきにより、金属めっき層を所定のパターンとして形成する工程、
(d)は、めっきレジストを除去する工程、
(e)は、めっきレジストが形成されていた部分に対応する金属薄膜を除去する工程を示す。
【図3】図1(c)に示す工程において、サブトラクティブ法によって、樹脂層の上に金属層を所定のパターンとして形成する方法を示す工程図であって、
(a)は、樹脂層の上に金属薄膜を形成する工程、
(b)は、金属薄膜の全面に、電解めっきにより、金属めっき層を形成する工程、
(c)は、金属めっき層の上に、エッチングレジストを、金属層のパターンと同一のパターンで形成する工程、
(d)は、エッチングレジストをレジストとして、そのエッチングレジストから露出する金属めっき層、および、その露出する金属めっき層に対応する部分の金属薄膜をエッチングする工程、
(e)は、エッチングレジストを除去する工程を示す。
【図4】金属パターン転写シートの金属層を、被着体に所定のパターンとして転写する方法を示す工程図であって、
(a)は、金属パターン転写シートの金属層を、被着体の表面に貼着(圧着)する工程、
(b)は、樹脂層の表面からベースフィルムを剥離させる工程、
(c)は、金属層が、被着体に所定のパターンとして転写されている工程を示す。
【符号の説明】
1 金属パターン転写シート
2 ベースフィルム
3 樹脂層
4 金属層
9 粘着剤層
Claims (3)
- ベースフィルムと、
前記ベースフィルムの上に形成された樹脂層と、
前記樹脂層の上に形成された所定パターンの金属層と
を備えていることを特徴とする、金属パターン転写シート。 - 前記金属層が電解めっきによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の金属パターン転写シート。
- 前記金属層の上に、さらに、粘着剤層が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属パターン転写シート。
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