JP2004306594A - 衛生陶器の製造方法 - Google Patents

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Yoshifumi Misumi
欣史 三澄
Takachika Arakawa
高親 荒川
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武 羽田野
Hiroyuki Takada
高田  宏行
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
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Abstract

【課題】 衛生陶器の接合部外周面に生じる段差を低減することによって、外観上の見栄えの良好な衛生陶器の製造方法を提供すること。
【解決手段】 焼成前の複数の成形体を接着用泥漿を用いて互いに接合して衛生陶器を製造する方法において、前記接合時に対峙する少なくともどちらか一方の成形体の少なくともカドを切り欠いていることを特徴とする衛生陶器の製造方法とした。前記成形体が洋風便器の便鉢部とリム部とからなることを特徴とする衛生陶器の製造方法とした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、大便器、小便器、洗面器などの衛生陶器の製造方法に関するものである。
例えば、大便器では、現在最も広く普及している、リム部に設けられた吐水口から洗浄水を吐出することによりボウル面を洗浄するタイプの便器は、便鉢部とリム部をそれぞれ別の成形型により鋳込み成形し、その後に型より取り出して図7に示すように便鉢部1の上周縁の便鉢部接合面11とそれに相対するリム部4の下面のリム部接合面12とを接着用泥漿を使用して接合し、接合状態において乾燥し、その後に施釉し焼成して図6のような製品としている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−102913号公報(第5頁、第9−11図)
上記のように、便鉢部とリム部はそれぞれ別の成形型で鋳込み成形されるため、便鉢部接合面とリム部接合面は、便鉢部やリム部の他の部分に比べ、素地粒子の配向が異なり、焼成時に収縮のばらつきが生じてしまう。その結果、便鉢部とリム部の接合部に当たる洋風便器の外周面には、焼成後に凸状の段差が発生してしまっていた。便鉢部とリム部との接合部の外周面は、通常の便器使用時によく目に付く場所であって、凸状の段差は外観上の見栄えを阻害していた。
そこで、本発明の目的は衛生陶器の接合部外周面に生じる段差を低減することによって、外観上の見栄えの良好な衛生陶器の製造方法を提供することである。
本発明では、上記課題を解決すべく、焼成前の複数の成形体を接着用泥漿を用いて互いに接合して衛生陶器を製造する方法において、前記接合時に対峙する成形体の少なくともカドを切り欠いていることを特徴とする衛生陶器の製造方法を提供する。
各成形体は、予め種々の成形方法によって成形されるが、各成形体の端面となる接合面は、成形体の他の部分と粒子配向が異なることから収縮挙動が異なってしまう。すなわち、粒子の配向による収縮は、図5の(A)図に示すように粒子が並んだ、図面縦方向に収縮は大きく、横方向に小さくなる。この傾向は、乾燥時及び焼結時も同様である。また、この挙動は、泥漿鋳込み成形でも半乾式加圧成形でも、押出し成形の場合にもあることから、成形方法に依らず認められる現象である。本発明の成形体では、成形体の接合面近傍と成形体の厚み方向とでは、粒子は、概略図5の(B)のように配向していると推測され、この場合、a部の縦方向の収縮、及びb部の横方向の収縮が大きく、b部の縦方向の収縮が小さいので、b部が接合面近傍で取り残されることで、凸状に残り、接合部に段差を生じてしまっていたのである。従って、単純には、この配向の異なる部分を全て取り除くことで、解消できることになるが、凸部の大きさを低減する為には、少なくとも接合面を構成する成形体のカドを切り欠くことで、改善される。カドは、製品の外観上に現れる片方のみでもよく、例えば、大便器の便鉢成形体とリム成形体との接合の場合には、ボウル面側でなく外周面に当たるカドを切り欠けば良い。
本発明によれば、上記の知見に基き接合時に対峙する成形体の少なくともカドを切り欠くことで、接合面に見られた段差を低減することができるものである。
また、上記カド部の切り欠き方としては、面取りや丸み付けが、成形後の成形体から切除する場合には、作業上、また、自動化する上で望ましい。
更に、カド部の切り欠きを、予め成形型で構成することで、切り欠きの形状、寸法が精度良く成形でき、成形後の切り欠き作業が必要無く、工数を低減できるので、望ましい。また、予め、成形型で面取りや丸み付けをした部分では、接合面の大部分を占める粒子の配向に比べ、配向が乱れる傾向にあり、これによって、成形体の厚み方向から接合面への粒子の大きな配向の変化を緩和し、接合面側と成形体厚み方向との収縮挙動の差を緩和させる方向に働くため、接合部での凸状の段差の低減につながることになる。
本発明の好ましい態様においては、成形型の面取りされた形状または丸みの付いた形状に当たる部分には、半透水性の被膜が形成されているようにする。
成形型の表面に半透水性の被膜が形成された部分は、それ以外の部分と比較して吸水性が悪くなるので、素地原料の着肉速度が遅くなる傾向にある。そのため、所定の時間で鋳込み成形により得られた成形体は、成形型に半透水性の被膜を形成しておいた部分の粒子の配向が乱れ、接合面側と成形体厚み方向との収縮挙動の差を緩和させる方向に働くため、接合部での凸状の段差の低減につながることになる。
本発明の好ましい態様においては、半透水性の被膜は、ワセリン又は低濃度の素地泥漿により形成するようにする。
成形型の表面にワセリン被膜を形成しておくことにより、素地泥漿内の水はワセリン被膜が抵抗になって型側へ移動できる量が減少する。そのため、この部分の素地原料粒子の配向が乱れやすくなり、接合面側と成形体厚み方向との収縮挙動の差を緩和させる方向に働くため、接合部での凸状の段差を低減することができるようになる。また、ワセリン自体は撥水性のため、脱型時に成形体側に移行することがなく、好適である。低濃度の素地泥漿を用いて成形型の表面に予め素地の薄い被膜を形成しておいた場合も、この部分の吸水速度が減少することにより、同様の効果が得られることになる。
本発明の好ましい態様においては、前記面取りされた形状または丸みの付いた形状は、便鉢部およびリム部成形後に形成するようにする。
面取りされた形状または丸みの付いた形状を便鉢部およびリム部の鋳込み成形後に形成するようにすることにより、素地原料の組成を変更したりした際に焼成時の収縮率が変わることによって、面取りまたは丸みの大きさを変更する必要性が生じた場合、適宜変更することが可能となるので好適である。
本発明の好ましい態様においては、前記面取りされた形状において面取りする寸法は、素地厚み方向の面取り長さをT、接合面から成形体方向の面取り長さをLとしたとき、TまたはLが2mm以上且つL≧Tであるようにする。
成形体の粒子の配向は、上述したように接合部分で大きく異なってくることから、その部分を切除することで、接合部での粒子の配向は、成形体の厚み方向の配向と略同じになり、その為、接合部での収縮挙動も成形体と略同じになるが、凸部の低減には、少なくともT及びLが2mm以上あれば、粒子の配向による収縮挙動を緩和できる。尚、凸部を形成する主要因となる粒子の配向は、接合面から成形体方向の面取り長さL方向にあるので、Lの方を長く取ることが良い。また、Tが大きくなると接着用泥漿を多く塗布することになるため、2〜5mmが望ましい。
この傾向は、面取り部分を型に予め構成した場合でも同様であり、粒子の配向を乱して、接合面での大きな配向の変化を緩和するためには、T、Lは2mm以上で、L≧Tとする。
本発明の好ましい態様においては、前記丸みの付いた形状における丸みの半径は、2mm以上であるようにする。
丸み付けの場合も、面取りの場合と同様に半径2mm以上あれば、凸部の低減になる。なお、曲率半径Rが大きくなると接着用泥漿を多く塗布することになるため、半径2〜5mmが望ましい。
本発明の好ましい態様においては、前記接着用泥漿にはAl成分が20重量%以上40重量%以下含有されているようにする。
成形体接着後の切り欠いた接合面には、従来よりも多くの接着用泥漿が存在するため、接着用泥漿の収縮挙動についても、調整しておくことが望ましい。無添加の接着用泥漿は、成形体に比べ、若干大きな収縮をすることから、それを緩和させるために、Alを添加することが望ましい。
接着用泥漿にAl粉末等を添加して、接着用泥漿中のAl成分を通常よりも多い20重量%以上含有させることにより、接着用泥漿部分の焼成時における収縮率を小さくすることができ、面取りまたは丸み形状を変更せずに接合部の外周面側に生じてしまっていた凹状の段差を無くすことができるので好適である。また、接着用泥漿中のAl成分が40重量%を超えてしまうと、接着用泥漿部分が焼成時に焼き締まらず、強度や外観を大きく阻害することになってしまうので不適である。
本発明の好ましい態様においては、前記接着用泥漿には、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ドロマイトの少なくとも1種が含有されているようにする。
成形体接着後の切り欠いた接合面には、従来よりも多くの接着用泥漿が存在するため、接着用泥漿の収縮挙動についても、調整しておくことが望ましい。無添加の接着用泥漿は、成形体とは異なった収縮となることが多いため、それを調節するために、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ドロマイトの少なくとも1種を含有するようにすることが望ましい。
本発明によれば、成形体の接合部外周面に生じる段差を低減することができ、外観上の見栄えの良好な衛生陶器を製造することができるようになる。
図1は、便鉢部1の成形後の状態を示す図、図2は、リム部4の成形後の状態を示す図で、参照符号3、6は、それぞれの接合面を示す。
本発明では、以下、大便器の便鉢部とリム部の接着の実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されることなく、全ての衛生陶器の接合面に適用できるものである。
大便器を製造する方法は、原料を湿式粉砕して衛生陶器用素地泥漿を準備する工程、前記衛生陶器用素地泥漿を大便器の便鉢部およびリム部の成形素地とする工程、前記便鉢部とリム部の成形素地を接着用泥漿を用いて接合する工程、接合した成形素地を乾燥する工程、釉薬原料を湿式粉砕して釉薬泥漿を準備する工程、前記釉薬泥漿を成形素地上に適用して釉薬層を形成する工程、焼成する工程、を経て行う。
衛生陶器用素地泥漿を調製する方法は、好ましい粒径分布の粉体を入手することができれば、それらを混合・撹拌するだけで良い。この方法は各成分の粒径分布を独立してコントロールできるため、最も簡便な方法である。一方、好ましい粒径分布の粉体原料が入手できない時(陶石等の石塊状の原料を用いる場合等)には、ボールミル等を用いた素地原料の粉砕工程を設ける。この場合には、全原料を一括して粉砕する方が工程としては簡単であるが、場合によっては一部の原料を除いて粉砕し、粉砕終了後にその原料を添加する方が好ましい場合もある。衛生陶器用素地泥漿を大便器の便鉢部およびリム部の成形体とする方法は、鋳込み成形、押し出し成形、ろくろ成形、プレス成形等、特に制限はないが、衛生陶器等の大型・複雑形状品には通常、鋳込み成形が用いられる。
成形体の一部分に面取りまたは丸みの形状を持たせるための方法は、鋳込み成形用の石膏型や樹脂型等を作製する段階において、面取りまたは丸み形状を持たせるべき場所に予め加工しておくことができれば、成形型に素地泥漿の流し込みを行って所定の素地厚みが着肉後、脱型するだけでよい。一方、鋳込み成形用の石膏型や樹脂型を予め加工しておかない場合には、脱型した成形体の面取りまたは丸みを持たせたい部分にゲージ等を当て、成形体の一部を切り取ることによる。
図3、図4は、面取り加工及び丸み付けを施した後の成形体を示す図であり、リム部4の接合面6と便鉢部1に接合面3が対峙するカドの便器の外表面に当たる側を面取り7、8、丸み付け9、10している。また、図3において、Tを素地厚み方向の面取り長さ、Lを接合面から成形体方向の面取り長さとしている。
成形型の面取りされた形状または丸みの付いた形状に当たる部分に半透水性の被膜を形成するための方法は、成形型を構成する石膏や樹脂の目的とする表面に薄くワセリンを塗布したり、タルクのスラリーを塗布して乾燥させたりすることによる。または、片面に粘着層が設けられたセロハン、不織布等の半透水性シートを、成形型を構成する石膏や樹脂の目的とする表面に直接貼り付けることによっても可能である。
接着用泥漿を調製する方法は、衛生陶器素地泥漿に対して固形分濃度を若干高めに調節して所定の粒度に粉砕し、接着時の泥漿の垂れ防止として粘度を増加させるため、素地乾重に対して糊剤を0.01〜5%程度加えることによる。好ましい糊剤は有機高分子系のものであり、例としてはカルボキシルメチルセルロースナトリウム、トラガガントゴム、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、酢酸セルロース、デキストリン、メチルセルロース、ペプトン、溶性デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、各種ニグニン抽出物、各種エマルジョン系バインダー等を挙げることができる。更に、接着用泥漿の収縮率を成形体の収縮率に近似させるための、成形体の粒子径と略同じ、平均粒径1μm〜10μmのアルミナ(Al)や硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ドロマイトといった成分を加えても良い。添加量は、Alでは、20重量%以上40重量%以下とする。
便鉢部とリム部の成形素地を接合する方法は、上記の如く成形して脱型された便鉢部とリム部の生素地とを互いに接合しやすい位置におき、リム部生素地のみ手で持ち上げられる程度まで乾燥して硬化させ、便鉢部の接合面に上記接着用泥漿を塗布し、リム部生素地を持ち上げて空中で180度回転させながら便鉢部生素地に沿うようにしてリム部生素地を便鉢部生素地の上に置き、リム部生素地と便鉢部生素地とが完全に重なり合うことを確認した後、接着面を手で上下から押さえ込むことにより行う。
釉薬泥漿を調製する方法は、好ましい粒径分布の粉体を入手することができれば、それらを混合・撹拌するだけで良い。この方法は各成分の粒径分布を独立してコントロールできるため、最も簡便な方法である。一方、好ましい粒径分布の粉体原料が入手できない時には、ボールミル等を用いた釉薬原料の粉砕工程を設ける。この場合には、全原料を一括して粉砕する方が工程としては簡単であるが、場合によっては一部の原料を除いて粉砕し、粉砕終了後にその原料を添加する方が好ましい場合もある。釉薬泥漿を成形素地に適用する方法は、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング等の一般的な方法が利用できる。
焼成温度は成形素地を予め焼結させておくか否かにより異なる。成形素地を予め焼結させておかない場合は、成形素地が焼結し、かつ釉薬が軟化する1000℃以上の温度で焼成する。成形素地を予め焼結させておく場合は、釉薬が軟化可能である400℃以上の温度で焼成する。
(実施例1)
表1の組成から成る釉薬原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより約18時間粉砕した。レーザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬スラリーの粒径を測定したところ、10μm以下が65%、50%平均粒径(D50)が6.0μmであった。
次に、表2に示す衛生陶器素地原料2Kgと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器製ポットに入れ、ボールミルにより約13時間粉砕した。レーザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後に得られた衛生陶器素地泥漿の粒径を測定したところ、10μm以下が56%、50%平均粒径(D50)が6.2μmであった。
更に、表2と同じ組成で固形分濃度が約5%高い衛生陶器素地泥漿を準備し、これに糊剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を0.02重量%添加することにより、接着用泥漿を調製した。
前記の如くして得られた衛生陶器素地泥漿を石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mmの成形体を2枚作製し、接合面側を2mm、4mm、6mm切除し、前記接着用泥漿を用いて前記成形体の面取り部が相対するように接合し、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、上記の如くして得られた釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
尚、泥漿の注入、排出、焼成条件などは、実際の大便器のリム部や便鉢部と同様にしている。
得られた試料について、接合部の近傍3cmにおける釉薬表面の断面曲線を(株)ミツトヨ製サーフテストSV−624により測定し、接合部の凹凸状態を評価した。その結果、接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例2)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mmの成形体を2枚作製し、接合面側に半径3mmの丸みを付ける加工をし、実施例1で調製した接着用泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、接合部が同一面となるように修正した後、55℃で一晩乾燥し、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例3)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を、接合面に当たるカドを面取りした石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm(カド面取り)の成形体2枚作製し、実施例1で調製した接着用泥漿を用いて前記成形体の面取り部が相対するように接合し、接合部が同一面となるように修正した後、55℃で一晩乾燥し、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。面取り寸法は、成形体の厚み方向、接合面方向とも2mm(2Cと称す)、3mm(3Cと称す)、4mm(4Cと称す)、5mm(5Cと称す)、6mm(6Cと称す)とした。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例4)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を、接合面に当たるカドを丸み付けした石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm(カド丸み付け)の成形体2枚作製し、実施例1で調製した接着用泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、接合部が同一面となるように修正した後、55℃で一晩乾燥し、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。丸み付け寸法は、半径2mm(2Rと称す)、3mm(3Rと称す)、4mm(4Rと称す)、5mm(5Rと称す)、6mm(6Rと称す)とした。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例5)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を接合面に当たるカドを丸み付けした石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm且つ一辺に半径3mmの丸みが付けられた成形体を2枚作製し、実施例1よりもAl量を増加させて25重量%とした接着用泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例6)
便鉢部およびリム部の外周面側に半径3mmの丸みが形成されるようにした石膏型において、予め前記丸み部分に白色ワセリンを塗布しておくことにより、石膏型の丸み部分のみ吸水性が低下するようにした。実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を前記石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm(カド丸み付け)の成形体を2枚作製し、実施例1で調製した接着用泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例7)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を接合面に当たるカドを丸み付けした石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm且つ一辺に半径2mmの丸みが付けられた成形体を2枚作製し、そのうち1枚の接着面の略中央にφ1mmの溝を後加工により形成した。実施例1で調製した接着用泥漿に炭酸ナトリウム2.5重量%を外添加した泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例8)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を接合面に当たるカドを丸み付けした石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm且つ一辺に半径2mmの丸みが付けられた成形体を2枚作製し、そのうち1枚の接着面の略中央にφ1mmの溝を後加工により形成した。実施例1で調製した接着用泥漿にドロマイトを3.5重量%を外添加した泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例9)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を接合面に当たるカドを丸み付けした石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm且つ一辺に半径2mmの丸みが付けられた成形体を2枚作製し、そのうち1枚の接着面の略中央にφ1mmの溝を後加工により形成した。実施例1で調製した接着用泥漿に塩化マグネシウム10重量%を外添加した泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例10)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を接着面に加工を施した石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm且つ一辺が長手方向に3mm、厚み方向に3mm突出した成形体を2枚作製し、そのうち1枚の接着面の略中央にφ1mmの溝を後加工により形成した。実施例9で使用した接着用泥漿を用いて前記成形体の突出部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(実施例11)
便鉢部およびリム部の外周面側に半径2mmの丸みが形成されるようにした石膏型において、予め前記丸み部分にAl量を30%に調整した低濃度泥漿を塗布しておくことにより、得られる成形体の丸み部分付近の焼成収縮が小さくなるようにした。実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mm且つ一辺に半径2mmの丸みが付けられた成形体を2枚作製し、そのうち1枚の接着面の略中央にφ1mmの溝を後加工により形成した。実施例9で使用した接着用泥漿を用いて前記成形体の丸み部が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
(比較例1)
実施例1で調製した衛生陶器素地用泥漿を石膏型に流し込んで鋳込み成形を行い、縦×横×厚み=100×100×10mmの成形体を2枚作製し、実施例1で調製した接着用泥漿を用いて前記成形体の一辺が相対するように接合し、室温で1時間放置した後、接合部が同一面となるように修正した。次に、55℃で一晩乾燥し、再度接合部が同一面となるように修正した後、実施例1で調製した釉薬スラリーを前記接合した成形体の表面にスプレーコーティング法により塗布し、室温で乾燥させた。続いて、この乾燥した成形体を接合面が床面と平行になるように保持したまま、1100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
得られた試料について実施例1と同様に評価した。接合部の最大段差を表3に示す。
表3から、試験片の接合部の切除、カドを面取りまたは丸み形状とし、切り欠くこと、更には接着用泥漿を改良することによって、焼成後に生じる接合部の凸状の段差を従来よりも小さくできることが分かる。従って、本発明の面取りおよび丸み形状ないし改良した接着用泥漿を大便器に適用することにより、便鉢部とリム部の接合部外周面に生じる段差を低減することができ、外観上の見栄えの良好な衛生陶器を製造することができるようになると考えられる。
本発明の大便器における接合前の便鉢部を示す平面図である。 本発明の大便器における接合前のリム部を示す底面図である。 本発明の大便器における面取り形状とされた便鉢部とリム部との接合前の状態を示す要部断面図である。 本発明の大便器における丸み形状とされた便鉢部とリム部との接合前の状態を示す要部断面図である。 成形体の粒子の配向を示す概略図である。 従来の大便器における便鉢部とリム部とを接合した状態を示す斜視図である。 従来の大便器における便鉢部とリム部との分解斜視図である。
符号の説明
1…便鉢部
3…便鉢部の上周縁の接合面
4…リム部
6…リム部の下面の接合面
7…便鉢部接合面の面取り形成部
8…リム部接合面の面取り形成部
9…便鉢部接合面の丸み形成部
10…リム部接合部の丸み形成部
11…便鉢部接合部の外周面
12…リム部接合部の外周面

Claims (11)

  1. 焼成前の複数の成形体を接着用泥漿を用いて互いに接合して衛生陶器を製造する方法において、前記接合時に対峙する成形体の少なくともカド部を切り欠いていることを特徴とする衛生陶器の製造方法。
  2. 前記成形体が洋風便器の便鉢部とリム部とからなることを特徴とする請求項1に記載の衛生陶器の製造方法。
  3. 前記カド部を面取り又は丸み付けをすることで切り欠くことを特徴とする請求項1または2に記載の衛生陶器の製造方法。
  4. 前記面取りされた形状または丸みの付いた形状は、成形型により形成されることを特徴とする請求項3に記載の衛生陶器の製造方法。
  5. 前記成形型の面取りされた形状または丸みの付いた形状に当たる部分には、半透水性の被膜が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の衛生陶器の製造方法。
  6. 前記半透水性の被膜は、ワセリン又は低濃度の素地泥漿により形成されることを特徴とする請求項5に記載の衛生陶器の製造方法。
  7. 前記面取りされた形状または丸みの付いた形状は、便鉢及びリム部成形後に形成することを特徴とする請求項3に記載の衛生陶器の製造方法。
  8. 前記面取りされた形状において面取りする寸法は、素地厚み方向の面取り長さをT、接合面から成形体方向の面取り長さをLとしたとき、TまたはLが2mm以上且つL≧Tであることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の衛生陶器の製造方法。
  9. 前記丸みの付いた形状における丸みの半径は、2mm以上であることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の衛生陶器の製造方法。
  10. 前記接着用泥漿には、Al成分が20重量%以上40重量%以下含有されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の衛生陶器の製造方法。
  11. 前記接着用泥漿には、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ドロマイトの少なくとも1種が含有されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の衛生陶器の製造方法。
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