JP2004307606A - ポリエステルペレットの処理方法 - Google Patents

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Nobuhachi Konuma
伸八 小沼
Mikio Nakane
幹夫 中根
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Abstract

【課題】ポリエステル成形時に金型に付着し問題となるオリゴマーに起因する白粉の減少が著しく、生産性向上、透明性、耐熱性及び機械的強度に優れたフィルム又は容器等の包装材料を得ることができる、ポリエステルの処理方法を提供すること。
【解決手段】固相重合されたポリエステルペレットと酸化剤とを接触させる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形時に金型等に付着し問題となるオリゴマーに起因する白粉の減少に著しく効果があり、生産性向上、透明性、耐熱性及び機械的強度に優れたフィルム又は容器等の包装材料を得ることのできる、固相重合されたポリエステルの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルはその優れた機械的性質、化学的性質から、繊維、フィルム、工業用樹脂、ボトル、カップ、トレイ等に成形されて広く用いられている。
【0003】
しかしながら、その成形過程において、例えば繊維紡糸時にはポリエステル中に存在するオリゴマー又は成形中に生成されるオリゴマーが、延伸ローラー、熱処理ローラー等に付着し、また、染色加工時にはスカムが発生して染色液を汚染するという問題が、フィルム製膜時には繊維と同様各種ローラーの汚染や、磁気テープにおけるいわゆるドロップアウト等、製品欠陥の原因になるという問題が、更に、中空容器や工業用樹脂の成形時においては、成形金型を汚染したり、ペント部等にオリゴマーが付着したり、ひけを起こしたりするなどして満足な状態の成形品が得られなくなる。加えて延伸、熱処理時に発生するオリゴマーが金型などに付着し、転写により成形品の透明性が著しく損なわれる等の、種々の問題もあった。
【0004】
これらの問題を解決する為に、ポリエステル中に含有されているオリゴマーを減少させる方法が検討され、数多くの提案がなされており、例えば、ポリエステルをその融点以下において高真空状態で加熱処理する方法(例えば、特許文献1、2等参照。)、ポリエステルを不活性気体雰囲気下で融点以下の温度で熱処理する方法(例えば、特許文献3参照。)等のいわゆる固相重合法によるオリゴマー減少方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの方法でオリゴマーを低減する場合、オリゴマー量が比較的多いポリマーに対しては白粉低減効果を有するが、逆にオリゴマー量が比較的少ないポリマーに対しては白粉低減効果を発揮出来ないばかりか、逆に白粉が増加したりすることがある。
【0006】
また、この技術に関連して、成形時に生成するオリゴマーを低減させるため、固相重合後のポリエステルを水で処理することも提案されているが(例えば、特許文献4参照。)、処理液が水である為十分な効果を得るためには比較的高温にするか、低温の水を用いて長時間の処理を行わなければならなかった。
【0007】
また、食品特に飲料の包装用樹脂として用いられる場合は、樹脂中のアセトアルデヒド含量が飲料のフレーバー性に影響することがあり、アセトアルデヒド含量を低減させることも同時に求められている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭48−101462号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭51−48505号公報
【0010】
【特許文献3】
特開昭55−189331号公報
【0011】
【特許文献4】
特開平3−47830号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、成形時に金型に付着し問題となる白粉の減少が著しく、生産性向上、透明性、耐熱性及び機械的強度に優れたフィルム又は容器等の包装材料を得ることができる、ポリエステルの処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明の目的は、固相重合されたポリエステルペレットを、酸化剤と接触させる、ポリエステルペレットの処理方法によって達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてポリエステルとは、二塩基酸とジオール化合物とが、場合によってはヒドロキシ酸が重合反応することにより生じた高分子化合物をいう。
【0016】
該二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ナトリウム−スルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸、デカリンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などを挙げることができる。
【0017】
また、ジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ビトロキノン、カテコール、ナフタレンジオール、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−スルホン、ビスフェノールA[2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、テトラブロモビスフェノールA、ビスヒドロキシエトキシビスフェノールA、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
【0018】
またヒドロキシ酸として例えば、グリコール酸、ヒドロアクリル酸、3−オキシプロピオン酸、アシアチン酸、キノバ酸などを、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、マンデル酸、アトロラクチン酸などを挙げることができる。
【0019】
更にポリエステルを構成する高分子鎖が実質的に線状である範囲内であれば3価以上の多官能化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、没食子酸などを共重合してもよく、必要に応じて単官能化合物、例えばo−ベンゾイル安息香酸、ナフトエ酸などを添加してもよい。
【0020】
上記ポリエステルは、従来公知のポリエステル製造方法を用いて製造すればよく、例えば、二塩基酸及びジオール化合物を用いてエステル化反応を行い、あるいは二塩基酸の低級アルキルエステル(例えばジメチルエステル)及びジオール化合物を用いてエステル交換反応を行って、得られた反応生成物を更に重縮合反応させることによって製造できる。
【0021】
これらのポリエステルを製造する際にエステル交換触媒、重合触媒、安定剤などを使用することが好ましく、これらの触媒、安定剤などはポリエステル触媒、安定剤などとして知られているものを用いることができるが、特にチタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類の化合物を触媒成分として用いて得たポリエステルであることが好ましい。もちろん、必要に応じて他の添加剤、例えば、着色剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などを使用してもよい。
【0022】
得られたポリエステルはペレット化されたのち更に少なくとも1段の固相重合工程で重縮合されなければならないが、その固相重合方法に関しては従来公知のいずれの方法を採用してもよい。
【0023】
この時、代表的なポリエステル化合物であるポリエチレンテレフタレートの場合、固相重合後の固有粘度は、成形品の機械的強度の点より、0.65以上であることが好ましく、またポリマー中に含有するオリゴマー(環状三量体)は0.35wt%以下であることが好ましい。
【0024】
本発明において使用される酸化剤は、他の物質を酸化して自らは還元される物質であれば、いずれを用いることができ、該酸化剤として例えば、空気、酸素、オゾン、過マンガン酸カリウム、硝酸、二酸化窒素などの窒素酸化物、硝酸銅(II)のような硝酸塩、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、過酸化ナトリウム、過酸化ベンゾイル、ペルオキソ硫酸及びその塩、ペルオキソ硫酸及びその塩、ペルオキソ酢酸、ペルオキソ安息香酸、熱濃硫酸、発煙硫酸と硝酸の混合物、次亜塩素酸ナトリウムや過ヨウ素酸などの酸素酸及びその塩、酸化鉛などの金属塩、酸化オスミニウムなどの金属酸化物などが挙げられるが、特に過酸化水素を用いることが好ましく、上述した酸化剤から、一種を単独で選択して用いてもよいし、二種以上の混合物を用いてもよい。
【0025】
本発明においては、固相重合されたポリエステルペレットを前記の酸化剤と接触させる必要がある。
【0026】
該酸化剤とポリエステルのペレットとを接触させることにより、ポリエステルペレットを溶融処理した後のオリゴマー(環状三量体)再生量及びアセトアルデヒド含有量を低減することができる。
【0027】
該酸化剤はポリエステルペレットの表面との接触が均一に行いやすいため、水溶液として接触させることが好ましい。
【0028】
また、酸化剤を水溶液としてポリエステルペレットと接触させる場合、該水溶液濃度は、0.001〜50wt%の範囲とすることが好ましい。該濃度がこの範囲内にあるときには、成形時の白粉減少効果は十分なものであり、またコストの観点からも問題の無いものとなる。
【0029】
本発明において、ポリエステルペレットと酸化剤とを接触させる方法としてはバッチ式、連続式のいずれでもよく、バッチ式とする場合には、処理装置に酸化剤と固相重合されたポリエステルペレットとを入れて接触させる方法等を採用することができ、また連続式で行う場合には連続的に酸化剤を向流あるいは並流で供給し、ペレットと接触させる方法などが例示できる。
【0030】
前述の処理条件は酸化剤の種類、濃度、温度等によって、適切な接触時間処理時間が異なる他、固相重合後のポリエチレンテレフタレートの固有粘度、オリゴマー(環状三量体)含有率、及びペレットの大きさ等によって適宜選択すればよく、また前述の酸化剤を連続的に供給する場合には、酸化剤の流量、向流か並流かについても適宜選択すればよい。
【0031】
これらの方法により処理されたポリエステルペレットは成形過程に供する以前に乾燥させる必要があるが、通常用いられるポリエチレンテレフタレートの乾燥処理方法を用いることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の処理方法によって得られたポリエステルは、オリゴマーに起因する成形時に金型に付着し問題となる白粉の減少が著しく、生産性向上、透明性、耐熱性及び機械的強度に優れたフィルムとすることができ、さらにアセトアルデヒド含有量が低減されるので、容器等の材料としても好ましく用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。なお、実施例中の各値は以下の方法により求めた。
1)固有粘度:
常法に従って、フェノール/テトラクロロエタン(重量比60/40)の混合溶媒を用い35℃で測定した。
2)オリゴマー(環状三量体)含有量:
サンプルを一定容量定量し、ヘキサフロロイソプロパノール/クロロホルム=1/1(容積比)で溶解した後、クロロホルムで希釈して、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(ウォーターズ社製ALC/GPC744))で測定して求めた。
3)オリゴマー再生量:
サンプルペレットと、該サンプルペレットを溶融剪断処理(フローテスタ(株式会社島津製作所製フローテスタCFT−500使用)305℃×6分保持ダイ0.5mm径×2.0mm、荷重110kg)した押出サンプルとのオリゴマー(環状三量体)含有量差から求めた。
4)アセトアルデヒド含有量:
サンプルペレットを凍結粉砕しバイアル瓶に仕込み、150℃×60分保持し、株式会社日立製作所製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーで測定して求めた。
【0034】
[実施例1]
予め225部のオリゴマーが滞留する反応器内に、撹拌下、窒素雰囲気で255℃、常圧下に維持された条件下に、179部の高純度テレフタル酸と95部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを一定速度供給し、反応で発生する水とエチレングリコールを系外に留去ながら、エステル化反応を4時間し反応を完結させた。この時のエステル化率は、98%以上で、生成されたオリゴマーの重合度は、約5〜7であった。
【0035】
このエステル化反応で得られたオリゴマー225部を重縮合反応槽に移し、重縮合触媒として、テトラブトキシチタネート0.018重量部を投入した。引き続き系内の反応温度を255から280℃、また、反応圧力を常圧から60Paにそれぞれ段階的に上昇及び減圧し、反応で発生する水、エチレングリコールを系外に除去しながら重縮合反応を行った。
【0036】
重縮合反応の進行度合いを、系内の撹拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所望の重合度に達した時点で、反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押し出し、冷却、カッティングして、約3mm程度の粒状ペレットを得た。この時の重縮合反応時間は110分間であり、得られたポリエチレンテレフタレートペレットの固有粘度は0.519であった。
【0037】
次いで、得られたポリエチレンテレフタレートのペレットを220℃、15時間真空下で固相重合して得られたペレット(固有粘度0.769、オリゴマー(環状三量体)0.293wt%)1kgを、25℃、0.007wt%の過酸化水素水溶液1kgを入れた容積5リットルの処理装置に入れて15分接触処理させ、引き続き、過酸化水素水溶液を除いた後160℃にて5時間窒素気流下で乾燥させた。結果を表1に示す。
【0038】
[実施例2〜3]
実施例1において、水溶液とする酸化剤の濃度、及び種類を変更したこと以外は、同様の操作を行った。
【0039】
[比較例1]
実施例1において、接触処理及び乾燥処理を行わなかったこと以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0040】
[比較例2]
実施例1において、接触処理液として処理装置内に水を入れたこと以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004307606

Claims (6)

  1. 固相重合されたポリエステルペレットを、酸化剤と接触させる、ポリエステルペレットの処理方法。
  2. 酸化剤を水溶液として用いる、請求項1記載の処理方法。
  3. 水溶液濃度が0.001〜50wt%である、請求項2記載の処理方法。
  4. 酸化剤が過酸化水素である請求項1記載の処理方法。
  5. ポリエステルが、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類の化合物を触媒成分として用いて得たポリエステルである、請求項1記載の処理方法。
  6. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである、請求項1記載の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111733612A (zh) * 2020-07-23 2020-10-02 石狮市瑞鹰纺织科技有限公司 一种涤纶纱线染色专用分散染料及其制备方法

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