JP2004307612A - アスファルト組成物、混合物の製造法および舗装体 - Google Patents

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Kiyotaka Saito
清高 斉藤
Kunio Hosaka
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Abstract

【課題】高い機械的強度と低温(60℃)での高い粘度及び高温(200℃)での低い粘度、組成物としての安定性、さらにはその組成物を用いたアスファルト舗装体が良好なカンタブロ損失率を有した高度にバランスのとれた排水性舗装用のアスファルト組成物を提供する。
【解決手段】(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を、アスファルトに加熱溶融混合してなるアスファルト組成物(I)に2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)を混合して得られたアスファルト組成物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質アスファルト組成物及び混合物の製造法に関し、特に道路舗装用アスファルト、とりわけ排水性舗装体に好適な組成物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路舗装材として、現在、アスファルトが主に使用されているが、交通量の増加、重車両交通の増大化により、夏場の路面温度上昇時に交差点部や重車両交通地域において轍掘れが発生し、路面が波打つ問題や、積雪寒冷地域においてはタイヤチェーン等により舗装体が摩耗してしまう等の問題が指摘されている。
【0003】
従来、これらの問題の解決のために、アスファルト改質材として高分子量のゴムや樹脂を添加することにより、アスファルトの感温性を改良し、骨材との接着性を向上させ、低温時の撓み性等を付与して、舗装用バインダーとしてのアスファルトの性能を改善できることは公知である。
【0004】
また、近年、舗装の滑り抵抗性を高めるために、また、自動車による水はねを防止し、雨天に自動車が高速走行しているときに起きるハイドロプレーニング現象やスモーキング現象を防止し、道路走行時の安全性を向上するために、さらには通行車両増大や高速化に伴う騒音低減を目的とした道路周辺住民に対する騒音環境対策として、開粒度混合物を用いた排水性舗装が広く採用されてきている。
排水性舗装とは、空隙率が15%以上の開粒度アスファルト混合物より構成されており、舗装表面に降った雨水がこの空隙を通って排水されるものである。排水性舗装により路面に水の滞留が無く、自動車走行時に発生するハイドロプレーニング現象、スリップ、スモーキングによる視界不良、雨天・夜間走行時の車両のヘッドライトによるまぶしさが解消され、交通事故が防止されると同時に、空隙に走行音が吸収され走行車両の騒音が低減できる。
排水性舗装体用のアスファルト混合物は、空隙率が15%以上であるため骨材同士の接触面積が小さい。そのため排水性舗装においては、骨材の飛散防止や轍掘れ防止のために骨材把握力や粘着力、すなわちタフネス、テナシティ等の機械的強度が大きなアスファルト組成物が要求される。また、低温(例えば60℃)における高粘度および車両通行時の石飛の指標とされているカンタブロ損失率の向上が必要とされる。このため改質材の分子量アップ、添加量アップ等の方法が試みられているが、反面、高温での溶融粘度が高くなり、施工性が著しく阻害されている。
これらの問題を解決する手段としてスチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーが主として検討され、現在のアスファルト組成物の主流となっているが、アスファルトへの溶解性が不十分であり、多量に添加した場合、組成物の安定性が低下する欠点がある。
【0005】
従来は、セミブローンアスファルトとストレートアスファルトに2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体(以下クロロプレン称す)と熱可塑性エラストマーを配合した組成物がある(例えば特許文献1参照)が、このような組成物では排水性舗装用に用いる場合、軟化点、タフネス、テナシティ、伸度が不十分であった。これらアスファルト組成物(プレミックスタイプ)はアスファルトとスチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーとを加熱混合して得られるが、排水性舗装用に用いるためには多量の共重合体を含有させなくてはならず、共重合体の熱劣化の問題や骨材との混練り時の作業性が劣る欠点があった。またアスファルトにクロロプレンラテックスと熱可塑性エラストマーラテックスを加熱混合して得られる改質アスファルト組成物がある(例えば特許文献2参照)が熱可塑性エラストマーを乳化する工程でコストがかかる欠点があった。
【0006】
【特許文献1】特開平9−95616号公報(第2頁:請求項1〜2、第5〜6頁:実施例1〜3)
【0007】
【特許文献2】特開2002−188012号公報(第2頁:請求項1〜3、第5頁:実施例1〜12)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のアスファルト組成物が有する課題を解決し、汎用のプレミックスタイプのアスファルト組成物にクロロプレンラテックスを添加することにより、高い機械的強度と低温(60℃)での高い粘度及び高温(200℃)での低い粘度、組成物としての安定性、さらにはその組成物を用いたアスファルト舗装体が良好なカンタブロ損失率を有した高度にバランスのとれた排水性舗装用のアスファルト組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を、アスファルトに加熱溶融混合してなるアスファルト組成物(I)に2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)(以下クロロプレン系重合体(II)と称す)を混合して得られたアスファルト組成物が各々単独で配合したアスファルト組成物に比べ、機械的強度(具体的にはタフネス、テナシティ)、低温粘度、伸度が高く、組成物としての安定性も良好で、高温での溶融粘度が低く、その組成物を用いたアスファルト舗装体はカンタブロ損失率を低く抑えることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、アスファルトに対し、重量平均分子量が5万〜40万で、ビニル芳香族化合物の含有量が重合体組成物全量基準で20〜50質量%である(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体1〜15質量%を加熱溶融混合してなるアスファルト組成物(I)100質量部に対し、クロロプレン系重合体(II)を組成物全量基準で0.5〜10質量%を混合してなることを特徴とするアスファルト組成物の製造法である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるアスファルトは、天然系のアスファルト及び石油系のアスファルトがあげられる。天然系のアスファルトはギルンナイト、グラハマライト、トリニダット等があり、石油系アスファルトには原油の蒸留により得られる各種針入度のストレートアスファルト、ストレートアスファルトに空気を吹き込んで酸化重合して得られるブローンアスファルト、セミブローンアスファルトがある。
これらは2種以上混合して使用することもできる。
【0012】
上に例示した天然アスファルトおよび石油アスファルトは、一般に道路舗装用として知られているアスファルトである。本発明のアスファルトとして最も好ましいものは、ストレートアスファルトで単独使用することが好ましく、特に25℃針入度が20〜150、好ましくは40〜120の範囲に入るものが好ましい。また、轍掘れを防止するには60℃でのアスファルト粘度が4万Pa.s以上であることが好ましい。
【0013】
本発明で用いる(A)成分は、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体で、ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち特に好ましいものはスチレンである。
共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち、好ましいものは1,3−ブタジエン、イソプレンであり、特に好ましいものは1,3−ブタジエンである。
【0014】
本発明に用いる(A)共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量は共重合体全量基準で20〜50質量%、好ましくは25〜40質量%である。20質量%未満ではアスファルト組成物の軟化点が低くなり、50質量%を超えるとアスファルト組成物の伸びが低下し、タフネス、テナシティ等の機械的強度も低下する。
【0015】
共重合体の重量平均分子量は5万〜40万の範囲が好ましく、特に9万〜30万の範囲が好ましい。重量平均分子量が5万未満ではアスファルト組成物のタフネス、テナシティが不十分であり、40万を超えるとタフネス、テナシティは大きいが高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
なお、この重量平均分子量はGPC法により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0016】
本発明で用いる(B)成分は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体で、ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち特に好ましいものはスチレンである。
共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち、好ましいものは1,3−ブタジエン、イソプレンであり、特に好ましいものは1,3−ブタジエンである。
【0017】
本発明に用いる(B)ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量は、ブロック共重合体全量基準で20〜50質量%、好ましくは25〜40質量%である。20質量%未満ではアスファルト組成物の軟化点が低くなり、50質量%を超えるとアスファルト組成物の伸びが低下し、タフネス、テナシティ等の機械的強度も低下する。
【0018】
ブロック共重合体の重量平均分子量は5万〜40万の範囲が好ましく、特に9万〜30万の範囲が好ましい。重量平均分子量が5万未満ではアスファルト組成物のタフネス、テナシティが不十分であり、40万を超えるとタフネス、テナシティは大きいが高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
なお、この重量平均分子量はGPC法により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0019】
従来技術においては、SBRあるいはSBSブロック共重合体が一般にアスファルト改質材として使用されており、ブロック共重合体の場合には、ブロック共重合体中のスチレンブロック部とブタジエンブロック部が各々アスファルト成分に溶解することにより、分散性が発現していることが知られている。プレミックスタイプのアスファルト改質材は、より分散性を付与するために石油樹脂等の相溶化剤を添加して混練分散させる場合もある。
【0020】
本発明のアスファルト組成物はクロロプレン系重合体(II)とブロック共重合体を併用することによって相乗効果が発現して、各々単独でアスファルトに配合して得られたアスファルト組成物と比べて格段に物性バランスが向上するものである。
【0021】
本発明のアスファルト組成物(I)における(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の割合は、組成物全量基準で1〜15質量%である。(A)、(B)の割合が1質量%未満では(II)成分を添加した場合効果が小さく、15質量%を超えた組成物では(II)成分を添加すると、高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
【0022】
本発明で用いる(I)成分は、150〜250℃に加熱されたアスファルトに(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を添加し撹拌後、ホモジナイザ、ホモミキサまたはコロイドミル等の混合機で分散・溶融させて得られる。分散・溶融性を向上させるために石油樹脂等の相溶化剤を添加してもよい。
【0023】
本発明に用いる(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体の重合方法としては、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合などが挙げられるが、中でも乳化重合法が好ましい。乳化重合法について、より詳細に記せば、乳化剤としては炭素数が6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸または不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが用いられる。
連鎖移動剤はアルキルメルカプタン、ジアルキルキサントゲンジスルフィドなどが用いられる。
重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物類が用いられる。
重合温度は0〜55℃、単量体転化率は50〜100%の範囲で実施される。単量体転化率が100%に達する前に重合を停止させる場合の重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−ターシャリーブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール、ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジメチルジチオカーバメートなどが用いられる。
【0024】
本発明に用いる(B)ブロック共重合体は公知のアニオン重合により製造されるが、ブロック共重合体の製造に使用される不活性炭化水素溶媒としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して使用される。これらの不活性炭化水素溶媒中で、金属リチウム化合物を重合開始剤として例えばスチレンを重合させ、次いでブタジエンを重合させ、再度スチレンを重合させる方法で、GPC法における重量平均分子量が5〜50万の範囲になるように金属リチウム化合物を制御して調製される。
【0025】
本発明で用いる(II)成分は、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体である。
2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体とは2−クロロ−1,3−ブタジエンの単独重合体及び共重合体であり、共重合可能な単量体の一例を挙げれば、1−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、スチレン、硫黄、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどである。共重合体中の2−クロロ−1,3−ブタジエンの割合は、本発明の特性を発現させるために50質量%以上、好ましくは75質量%以上であることが好ましい。
2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体とは2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの単独重合体及び共重合体であり、共重合可能な単量体の一例を挙げれば、1−クロロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、スチレン、硫黄、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどである。共重合体中の2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの割合は、本発明の特性を発現させるために50質量%以上、好ましくは75質量%以上であることが好ましい。
【0026】
本発明で用いる2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体を得るための重合方法としては、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合などが挙げられるが、中でも乳化重合法が好ましい。
乳化重合法について、より詳細に記せば、乳化剤としては、炭素数が6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸または不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが用いられる。
連鎖移動剤はアルキルメルカプタン、ジアルキルキサントゲンジスルフィドなどが用いられる。
重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、又は過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物類が用いられる。
重合温度は0〜55℃、単量体転化率は50〜100%の範囲で用いられる。単量体転化率が100%に達する前に重合を停止させる場合の重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−ターシャリーブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール、ジエチルヒドロキシルアミンなどが用いられる。
【0027】
本発明の組成物における2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)の重量平均分子量が10万〜30万であることが好ましい。
なお、この重量平均分子量はGPC法により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0028】
本発明の組成物におけるクロロプレン系重合体(II)の割合は、組成物全量基準で0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。0.5質量%未満では機械的強度、すなわちタフネス、テナシティが低く、一方10質量%を超えると高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
【0029】
クロロプレン系重合体及び2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体はラテックス状が好ましい。
【0030】
本発明のアスファルト組成物には、必要により従来アスファルト組成物に慣用されている各種添加材、例えばシリカ、タルク、炭酸カルシウム、各種鉱物、ガラス等の繊維状および粉末状充填材、補強材、鉱物質の骨材、顔料あるいはパラフィン系、ナフテン系およびアロマ系のプロセスオイルなどの軟化剤、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、ゴム粉末、剥離防止剤、分散剤、安定剤、凍結防止剤等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。
【0031】
更に、本発明のアスファルト混合物とは前述のアスファルト組成物と骨材、具体的には5号、6号、7号等の単粒度砕石、粗砂、細砂、スクリーニングス等の天然骨材、人工骨材からなるものであり、その構成比は道路、通路として構造物の機能を全うするものであればいずれでもかまわない。
【0032】
本発明のアスファルト混合物を道路舗装用として用いる場合、その作製法は、事前に攪拌型加熱溶解釜、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等によりアスファルト組成物(I)とクロロプレン系重合体(II)の混合物を作製後、アスファルトプラントのミキサー内で各種加熱骨材混合物及びフィラーとともに混合する方法と、アスファルトプラントのミキサー内で各種加熱骨材混合物とアスファルト組成物(I)を混合する際にクロロプレン系重合体(II)を添加混合する方法であり、各成分の混合温度は、通常160〜210℃で行うことが好ましい。
【0033】
本発明のアスファルト混合物の施工方法は、舗装用アスファルト組成物を所定の温度で骨材、フィラー等と混合し、舗装場所に敷設し、転圧することにより行うことができる。骨材、フィラー等の混合温度は、通常170〜200℃で行うことができる。また、転圧時の温度は、通常160〜180℃で行うことができる。また、効果的な排水性舗装とするためには空隙率を15〜25%をすることが好ましい。
【0034】
「実施例」
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。なお、以下の説明における部および%は質量基準に基づく。
【0035】
共重合体、ブロック共重合体、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体およびアスファルト組成物の評価は、次の評価方法により行った。
(1)共重合体、ブロック共重合体、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw);GPC装置[東ソー(株)製 HLC−8120型]で測定し、標準ポリスチレンで換算した。
(2)針入度、軟化点、伸度
JIS K2207に準拠して測定した。
(3)タフネス、テナシティ
「舗装試験法便覧(社団法人日本道路協会刊行)」に準じて測定した。
(4)溶融粘度
200℃でブルックフィールド型粘度計により測定した。
(5)低温粘度
「舗装試験法便覧(社団法人日本道路協会刊行)」に準じて測定した。
【0036】
アスファルト混合物の物性測定:
カンタブロ損失率:新潟県姫川産の6号砕石。粗砂、新潟県青海町産の石粉を用い空隙率約20%の混合物を作製後、日本道路公団規格カンタブロ試験方法(JHS231−1992)にて測定した。
【0037】
「実施例1〜13」
共重合体の調整:
50リットルのステンレス製重合缶を用いて、ブタジエン7kg、スチレン3kg、純水20kg、乳化剤として不均化ロジン酸450g、分散剤としてアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム9g、電解質としてNaPO4 20g、触媒としてパラメンタンハイドロパーオキサイド(PMHP)5g、FeSO4・7H2O 3g、EDTA・Na4 2g、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)5g、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン17gを加え5℃で重合を行い、重合率60%でジメチルジチオカーバメートを加えて重合を停止させた。その後脱気・濃縮処理をして表1に示す固形分濃度50%の共重合体ラテックスを得た。
【0038】
ブロック共重合体の調整:
30リットルのステンレス製重合缶を用いて、シクロヘキサン溶媒11kg、スチレン200g、テトラヒドロフラン10g、開始剤としてn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で0.1g)を仕込み、スチレンの重合を開始し、スチレンが完全に重合してからブタジエン1400gとスチレン200gとの混合物を添加し、重合を継続した。内容物が完全に重合した後、更にスチレン200gを加え重合を完結させた。
同様に開始剤量を変えて表1に示すブロック共重合体を作製した。
【0039】
クロロプレン重合体の調整:
クロロプレン重合体を得るための重合は、内容積200リットルのステンレス製重合缶を用いて、窒素雰囲気中で重合温度40℃で過硫酸カリウムを連続的に添加しながら行った。重合処方を表2に示した。モノマーの転化率が約85%に達した時点で、ターシャリーブチルカテコールを加えて重合を停止した。未反応単量体を減圧除去し、クロロプレン重合体ラテックスを得た。
【0040】
アスファルト組成物(I)の調整:
表1に示す共重合体及び/又はブロック共重合体を表3に示す配合により、昭和シェル(株)社製ストレートアスファルト60−80に180℃で加熱溶融させてアスファルト組成物(I)を得た。
【0041】
アスファルト組成物試験:
表4、表5に示す配合により、180℃にて加熱溶融した攪拌下のアスファルト組成物(I)に、既述の方法で得られたラテックス(表中の添加量は固形分の量で示した)を所定量逐次添加し、溶融混合した。完全溶融混合後、さらに約10分間養生脱泡し、評価サンプルとした。得られたアスファルト組成物は高いタフネス、テナシティおよび軟化点、40万poise以上の60℃粘度、低い200℃粘度を有し、組成物としての安定性も問題なかった。
【0042】
アスファルト混合物試験:
6号砕石/粗砂/石粉=82/13/5の比率の骨材を所定量、約200℃に加熱後、190℃に温調された30kgミキサーにて30秒間混合後、骨材に対してアスファルト組成物(I)及びクロロプレン系重合体(II)の合計が5質量%となるように表4、表5に示す配合に従って添加して3分間混合し、所定の金型に入れて突き固め、空隙率約20%の供試体を作製した。この供試体のカンタブロ損失率はいずれも低く良好であった。なお、骨材に対するアスファルト組成物の添加量は、日本道路公団規格JHS232「排水性アスファルト混合物の付着試験方法」の最適アスファルト組成物量から求めた。
組成物物性、混合物物性共に優れ、高度にバランスのとれたアスファルト組成物、混合物であることが確認された。
【0043】
「比較例1〜7」
昭和シェル(株)社製ストレートアスファルト60−80とクロロプレン系重合体及びブロック共重合体を表6記載の所定量にて、実施例と同様に評価した。組成物としては伸度、タフネス、テナシティ及び60℃粘度が低く、混合物としてはカンタブロ損失率が高く、満足できるものではなかった。
【0044】
【表1】
Figure 2004307612
【0045】
【表2】
Figure 2004307612
【0046】
【表3】
Figure 2004307612
【0047】
【表4】
Figure 2004307612
【0048】
【表5】
Figure 2004307612
【0049】
【表6】
Figure 2004307612
【0050】
【発明の効果】
本発明のアスファルト組成物の製造法は、高い機械的強度と低温での高い粘度及び高温での低い粘度を有し、組成物としての安定性にも優れ、更にその混合物は良好な施工性と優れたカンタブロ損失率を有する優れた排水性舗装体を与える。

Claims (4)

  1. アスファルトに対し、重量平均分子量が5万〜40万でビニル芳香族化合物の含有量が重合体組成物全量基準で20〜50質量%である、(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を組成物全量基準で1〜15質量%を加熱溶融混合してなるアスファルト組成物(I)100質量部に対し、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)を組成物全量基準で0.5〜10質量%を混合してなることを特徴とするアスファルト組成物。
  2. 2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)の重量平均分子量が10万〜30万であることを特徴とする請求項1記載のアスファルト組成物。
  3. アスファルト組成物(I)と2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)のラテックスとを混合することを特徴とする請求項1または2記載のアスファルト組成物の製造法。
  4. 請求項4記載のアスファルト混合物からなることを特徴とする排水性舗装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101256108B1 (ko) * 2013-01-09 2013-05-02 주식회사 큐맥스 교면방수공법
JP2013136795A (ja) * 2013-04-12 2013-07-11 Denki Kagaku Kogyo Kk クロロプレンゴムの製造方法
KR101661309B1 (ko) * 2015-09-25 2016-10-04 주식회사 드림아스콘 분말 또는 입상형 재생 아스팔트 첨가제 및 이를 포함하는 재생 아스팔트 콘크리트 혼합물

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