JP2004307861A - クロロトリフルオロエチレンベースのフッ化ポリマー発泡性組成物 - Google Patents

クロロトリフルオロエチレンベースのフッ化ポリマー発泡性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造が容易で、改善された電気絶縁特性をもつ発泡被覆または発泡製品に容易に転換できる、フッ化ポリマーベースの組成物を入手可能にする。
【解決手段】 少なくとも80モル%のクロロトリフルオロエチレン(CTFE)および成核剤を含有するクロロトリフルオロエチレンベースのポリマーを含む発泡性組成物により、上記の課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、改善された電気絶縁特性を有する物品または発泡成形品を与え得る発泡性フッ化ポリマー組成物に関する。
より具体的には、本発明は少なくとも80モル%のクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を含むCTFEベースのポリマーの発泡性組成物に関する。
フッ化ポリマーが、その非常に優れた耐薬品性、難燃性、および優れた電気絶縁性に鑑み、広範な用途、特に高周波時の低い誘導性定数および低tanδのため、電線の被覆において用いられ得ることが知られている。特に、フッ化ポリマーは、誘電性定数およびtanδをさらに低減し、フッ化ポリマーの使用量を減少させる利点をもつため、電線の発泡絶縁体として用いられる。
発泡フッ化ポリマーで電線を被覆することに関する先行技術は、窒化ホウ素またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子のような成核剤を含む、押出時に発泡するフッ化ポリマー混合物の使用を包含する。
混合物中に予め含まれている発泡剤を用いて、または押出機中に直接導入される例えばN2もしくはCO2のような不活性ガスを使用することによって、膨張が得られる。例えばUSP5,837,173(特許文献1)参照。
分解により揮発性物質を生成するある種の発泡剤を使用すると、該発泡剤の残存物が発泡フッ化ポリマーに残留し、その電気絶縁特性を変化させるという欠点を示す。
不活性ガスの使用は、所望の発泡を得るのに適した流量で、ガスの引き込みを押出中に調節し難いという欠点を示す。いずれにしても、発泡電線の均一性を保証するためには、高圧下で稼動する高価で複雑な装置を使用することが結局必要となる。
米国特許第5,837,173号公報
したがって、製造が容易で、改善された電気絶縁特性をもつ発泡被覆または発泡製品に容易に転換できる、フッ化ポリマーベースの組成物を入手可能にする必要性があった。
上記の技術的問題を解決するCTFEポリマーをベースとする組成物が、驚くべきことに、また予期せずして見出された。
本発明の目的は、発泡性の組成物であって、主に
A)少なくとも80モル%のCTFEを含むクロロトリフルオロエチレン(CTFE)ポリマー50〜99.9重量%;および
B)成核剤0.1〜50重量%
により形成される。
さらに具体的には、成核剤は微粉末の形態であり、50ミクロンより小さいサイズ、好ましくは20ミクロンより小さい平均粒径を有し、250℃よりも高い溶融温度を有している。
成核剤は、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%の量で使用される。
好ましい成核剤は、250℃より高い第2溶融温度を有する、テトラフルオロエチレン(TFE)ホモポリマーまたはそのコポリマーである。
TFEコポリマーの例は、アルキルがC1〜C3(例えば市販の製品、Hyflon(登録商標)MFAおよびPFA)のパーフルオロアルキルビニルエーテルとのTFEコポリマー、後記の式(I)のパーフルオロジオキソールとのTFEコポリマー、または任意にパーフルオロアルキルビニルエーテルを含んでいてもよいヘキサフルオロプロペン(FEP)とのTFEコポリマーである。
より好ましくは、成核剤B)として、1,000,000未満、好ましくは500,000未満の数平均分子量を有する、テトラフルオロエチレンホモポリマー(PTFE)が用いられる。前記のPTFEは、分散または懸濁重合法により得られるPTFE粉末にガンマ線または電子線を照射し、この照射された粉末を微粉砕することにより得られる。
分散重合法では、粒径0.1〜0.3ミクロンのラテックスが得られる。凝集後、粉末の粒径は約100〜500ミクロンに拡大する。この粉末はガンマ線で照射され、次いで15ミクロン未満の最終粒径をもつ粉末を得るために微粉砕される(市販製品PTFE Algoflon(登録商標) L 206およびAlgoflon(登録商標)L 203)。
懸濁重合法では、2〜5mmの粒子径をもつ粉末が得られる。この粉末は、電子線で照射され、次いで15ミクロン未満の最終粒径を有する粉末を得るために微粉砕される。
照射されたPTFEの数平均分子量は、1,000,000未満、一般に500,000未満の値であり、FT-IRスペクトロスコピーにより測定される、PTFE末端基、−CF2COOHおよび−CF2COF、Ngの全量(モル/kgで表される)により計算される。数平均分子量(Mn)は、次の式:
Mn=2,000/Ng
によって計算される。
本発明で用い得るその他の成核剤は、例えば窒化ホウ素、窒化珪素、シリカ、アルミナ、タルク、硫化亜鉛である。
ポリマーA)は、好ましくは少なくとも90モル%、より好ましくは少なくとも95モル%のCTFEにより形成され、参照文献としてここに組み込まれる特許出願EP1,067,146に従って製造されるCTFEホモポリマーおよびコポリマーを含む。
CTFEコポリマーとしては、コポリマーがアルキルがC1〜C3であるパーフルオロアルキルビニルエーテルから選択されるものが望ましく、パーフルオロプロピルビニルエーテルが好ましい。一つ以上の前記パーフルオロアルキルビニルエーテル類が用いられ得る。これらのコポリマーの製造については、例えば、USP6,391,975を参照されたい。
その他のCTFEコモノマーは、次式のジオキソールである。
Figure 2004307861
[式中、YはORf(ここで、Rfは1〜5の炭素原子を有するパーフルオロアルキルである)に等しいか、、または以下に定義するようにY=Zである;好ましくは、YはORfに等しい;X1およびX2は互いに同一または異なって、−Fまたは−CF3である;Zは−F、−H、−Clから選択される]
式(I)において好ましくは、X1、X2およびZは−Fである;Rf は好ましくは−CF3、C2F5または−C3F7である。YがORfと等しく、Rfが−CF3であり、X1、X2およびZが−Fである、式(I)のフルオロジオキソールが特に好ましい。一つ以上の前記ジオキソール類が使用できる。前記コポリマーの製造については、USP6,277,936の開示に倣うことができる。
その他のCTFEコモノマーは、次の一般式を有するアクリルモノマーである。
CH2=CH−CO−O−R1 (II)
[式中、R1はC原子1〜20の水素化された基、C1~C20の直鎖状および/または分枝状のアルキル、またはシクロアルキル基であるか、あるいはR1はHである。]
基R1は、ヘテロ原子、好ましくはCl、O、N;好ましくは−OH、−COOH、エポキシド、エステルおよびエーテルから選択される一つ以上の官能基;および二重結合を任意に含んでいてもよい。好ましくは、R1は一つ以上の官能性ヒドロキシド基を含む、C原子1〜10のアルキル基である。例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、(ヒドロキシ)−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。一つ以上の前記アクリルモノマー類が用いられ得る。これらのコポリマーの製造については、例えばUSP6,342,569を参照されたい。
上記の特許はいずれも、参照文献としてここに組み込まれている。
CTFEコモノマーとして、フッ化ビニリデン(VDF)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)も挙げられる。
A)+B)の組成物は、熱安定剤、UV安定剤、顔料、難燃剤、強化剤のような、先行技術で知られている発泡性組成物用の添加剤を含むこともできる。
本発明の組成物の本質的な特徴は、該組成物が、USP5,716,665に記載されているように、例えば窒素、CO2、パーフルオロポリエーテル類の軽画分(ライトフラクション)のような、先行技術による公知の発泡剤を用いないでも発泡可能であるということである。
A) + B)組成物の熱成形または押出により、発泡性成形品および特に電線およびケーブルの発泡性絶縁体が得られる。
本発明のさらなる目的は、本発明のA) + B)組成物の押出または熱成形による、発泡成形品の製造方法である。
本発明のもう一つの目的は、金属導電体により、またその導電体上に押出されるA) + B)組成物により形成される発泡性絶縁被覆によって形成される電線である。
本発明の組成物の熱成形または押出により、平均セルサイズが100ミクロン未満、好ましくは60ミクロン未満であり、10容量%より高い、好ましくは20容量%より高い気孔度を有する、発泡成形品ならびに特に電線およびケーブルの発泡絶縁体が得られる。
本発明の発泡性組成物は、低いtanδを有することを特徴とする。tanδは、所定の周波数における誘電体定数の、実際の部分と想像上の部分との間の比として定義される。
電線およびケーブルの発泡絶縁体としての本発明の組成物の使用は、低い減衰の電線およびケーブルを得ることを許容する。
本発明の組成物は、さらに商業用および住宅用の例えば断熱および遮音パネルような発泡製品の製造に、耐衝撃被覆に、および例えば家庭用電気器具または自動車産業における断熱用、あるいは化学品製造工業(CPI)の装置の絶縁用に用いられる。
本発明の範囲を非限定的に説明する目的で、いくつかの実施例を以下に示す。
実施例
実施例の材料について行った次の特徴付けを以下に示す。
−メルトフローインデックス(M.I.)
フッ化ポリマーのM.I.をASTM D 1238の方法に従って測定する。
−第2溶融温度(TmII
示差走査熱量計(DSC)により10℃/分でフッ化ポリマーのTmIIを測定する。
−セルサイズ
Cambridge Instrumentsによる電子走査顕微鏡(SEM)Stereoscan200モデルにより セルサイズを測定した。
−ボイド%
次の等式により計算した。
ボイド% = 100*(ρ c−ρm) /ρc
ここで:
ρc= A)およびB)の測定された密度の重量平均により得られた
組成物A)+B)の計算された密度
ρm= ASTM D792法に従って測定された発泡品の密度
実施例1
成分A)
組成物A)は、265℃および10kgの荷重で測定された45g/10'に等しいM.I.を有するCTFEホモポリマーの粉末であり、特許EP−A−1,067,146に従って製造された。
成分B)
成分B)は、懸濁重合により得られ、TFEホモポリマーであり、電子線照射に次いで微粉砕に付された、100,000の数平均分子量および10ミクロンに等しい平均粒径を有し、Solvayグループの元Ausimont S.p.A.、現在のSolvay SolexisによるPOLYMIST F5Aとして入手可能な市販のものである。
A)+ B)の製造
90重量%のA)と10重量%のB)で形成される粉末のブレンドを製造した。乾燥ブレンドを、HastelloyおよびInconelのような耐食鋼で製作された円錐形二軸Brabender押出機(スクリュ−径は、ホッパーで42.5mm、ヘッドで28.5mmの範囲)で、顆粒状にする。三つの押出機加熱ゾーンを、ホッパーから出発して175℃、215℃および240℃に設定する。ヘッドの温度を250℃に設定する。10rpmで押出機を稼動させて、ヘッド圧約27barおよび溶融温度250℃で、流量は約5kg/時間となった。
ワイヤーの押出し
ブレンド顆粒を、押出により直径0.51mmの一重銅線AWG 24を被覆するために用いた。
この被覆には、長さ/直径の比が30で、直径38mmを有する、 Hastelloy C276のような、フッ化ポリマーの加工に好適な耐食鋼製の一軸Sterling押出機で、Davisラインを用いた。
さらにDraw Down比が約100のパイプダイを用いて、発泡ブレンドA) + B)の厚さ0.15mmで導電体を被覆した。
テスト作業条件を以下にまとめる。設定された熱プロファイルは、ホッパーからヘッドまで220〜300℃の範囲で上昇し、その結果その稼動条件下で溶融温度は289℃となる。ほぼ50m/分のライン速度、20rpmで、材料を押し出した。押出機のヘッドの圧力は、約100barの上記条件下である。上記の条件下で、そのヘッドから発泡ポリマーが流出するのがわかり、そのヘッドにおいて、それは室温で水槽を通過させることにより冷却される。
ワイヤー被覆のボイド%は35%となる。得られたセルのサイズは10〜50ミクロンの範囲内である。
実施例2(比較)
成分A) すなわちCTFEホモポリマーのみを用い、B)の非存在下で、実施例1を繰り返し、ボイド%が0に等しい被覆電線を得た。
実施例3
成分A)
成分A)は、実施例1のPCTFEと同じである。
成分B)
成分B)は、実施例1のPTFEと同じである。
A) + B)の製造
A)75重量%およびB)25重量%で形成される粉末ブレンドを製造した。三つの加熱ゾーンをホッパーから出発し200℃、210℃および220℃に設定し、ヘッドの温度を230℃に設定し、40rpmの割合で、ブレンドをBrabender製の直径18mmを有する一軸押出機中で顆粒状にした。
得られた顆粒を、265℃でM.Iを測定するための装置中に押出して押出物を得た。
押出物のボイド%は27.6%であり、セルサイズは30〜90ミクロンである。
実施例4
成分A)
成分A)は、USP6,391,975の実施例4に従って製造され、265℃、荷重10kgで測定して9.8g/10'に等しいM.I.および第2溶融温度(TmII)197.1℃を有するパーフルオロプロピルビニルエーテル1.6モル%とのCTFEコポリマー粉末である。
成分B)
成分B)は、実施例1のPTFEと同じである。
A)+B)の製造
A)を90重量%とB)を10重量%含む粉末ブレンドを製造した。ブレンドは、M.I.測定のための装置を用いて実施例3と同様に顆粒にし、次いで押し出して、押出物とした。
押出物のボイド%は31.9%であり、セルサイズは30〜130ミクロンの間である。
実施例5
成分A)
成分A)は、実施例1のPCTFEと同じである。
成分B)
成分B)は、パーフルオロアルキルビニルエーテルとのTFEコポリマーであって、Solvayグループの元Ausimont S.p.A.、現在のSolvay SolexisによりHyflon(登録商標)MFA6010として市販されており、30ミクロンに等しい平均粒径を有し、285℃に等しい(TmII)、および372℃、荷重5kgで測定したとき16.3g/10'に等しいM.I.を有する。
A) + B)の製造
A)を90重量%とB)を10重量%含む粉末ブレンドを製造した。
このブレンドを実施例3のようにして顆粒にし、次いで実施例3のようにしてM.I.測定のための装置を用いて押し出して押出物とした。
押出線のボイド%は25.8%であり、セルサイズは150〜230ミクロンである。

Claims (13)

  1. A) CTFEを少なくとも80モル%含むクロロトリフルオロエチレン(CTFE)ポリマー50〜99.9重量%;および
    B) 成核剤0.1〜50重量%
    により主に形成される発泡可能な組成物。
  2. A) CTFEを少なくとも80モル%含むクロロトリフルオロエチレン(CTFE)ポリマー50〜99.9重量%;および
    B) 50ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満の平均粒径および250℃より高い溶融温度を有する微粉末状の成核剤0.1〜50重量%
    により主に形成される請求項1による発泡可能な組成物。
  3. 成核剤が、250℃より高い第2溶融温度を有するテトラフルオロエチレン(TFE)ホモポリマーまたはそのコポリマーから選択される、請求項1または2による組成物。
  4. 成核剤B)が、1,000,000未満、好ましくは500,000未満の数平均分子量を有する、テトラフルオロエチレンホモポリマー(PTFE)である、請求項1〜3のいずれかによる組成物。
  5. TFEコポリマーが、アルキルがC1〜C3であるパーフルオロアルキルビニルエーテルとのTFEコポリマー、パーフルオロジオキソールとのTFEコポリマー、または任意にパーフルオロアルキルビニルエーテルを含んでいてもよいヘキサフルオロプロペン(FEP)とのTFEコポリマーから選択される、請求項1〜4のいずれかによる組成物。
  6. 成核剤が、5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%の量で用いられる、請求項1〜5のいずれかによる組成物。
  7. 成核剤B)が、ガンマ線または電子線で照射されたテトラフルオロエチレンホモポリマー(PTFE)である、請求項1〜6のいずれかによる組成物。
  8. ポリマーA)が、少なくともCTFE90モル%、好ましくは少なくとも95モル%により形成されている、請求項1〜7のいずれかによる組成物。
  9. ポリマーA)が、
    −アルキルがC1〜C3であるパーフルオロアルキルビニルエーテル類、好ましくはパーフルオロプロピルビニルエーテル;
    −一般式:
    Figure 2004307861
    [式中、YはORf(ここで、Rfは1〜5の炭素原子を有するパーフルオロアルキルである)に等しいか、または以下に定義されるY=Zである;好ましくは、YはORfに等しく;X1およびX2は互いに同一または異なって、−Fまたは−CF3である;Zは−F、−H、−Clから選択される;好ましくは式(I)において、X1、X2およびZは−Fである;Rfは好ましくは−CF3、−C25または−C37である]
    を有するジオキソール類、
    −一般式:
    CH2=CH−CO−O−R1 (II)
    [式中、R1は1〜20のC原子の水素化された基、C1〜C20の直鎖状および/または分枝状のアルキル、あるいはシクロアルキル基であるか、またはR1はHである。基R1は、任意にヘテロ原子、好ましくはCl、O、N;好ましくは−OH、−COOH、エポキシド、エステルおよびエーテルから選択される一つ以上の官能基;および二重結合を含んでいてもよい]
    を有するアクリルモノマー
    −フッ化ビニリデン(VDF)および/またはテトラフルオロエチレン (TFE)
    から選択される一つ以上のコモノマーとのCTFEコポリマーである、請求項1〜8のいずかによる組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つの組成物の押出しまたは熱成形物を含む、成形品および発泡被覆品の製造方法。
  11. 請求項10により得られる成形品および発泡被覆。
  12. 10容量%、好ましくは20容量%より高いボイド%をもち、平均セルサイズが100ミクロン未満、好ましくは60ミクロン未満である、請求項11による物品および発泡被覆。
  13. 金属導電体および請求項12による発泡被覆により形成される電線。
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