JP2004308220A - 擁壁施工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、一定の規格を定め、その規格に応じてブロック単位の擁壁を工場で製造し、かつ、擁壁を形成する場所において規格に併せた支柱を設置し、該支柱に擁壁ブロックを積み上げることにより、擁壁を形成するという擁壁施工法を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る擁壁施工法は、コンクリート製の基礎に固定される水平部21と擁壁を支持する起立部22とからなる鉄骨製の支柱20と、支柱の起立部に填める複数の貫通穴12を備えた直方体状のコンクリート製擁壁ブロック10と、隣接する支柱の水平部間の距離を一定にするための水平部用ゲージ30と、隣接する支柱の起立部間の距離を一定にするための起立部用ゲージ40と、支柱の起立部を垂直に立設するための垂直測定具50とを使用し、コンクリート製の基礎Dに擁壁Eを立設するものである。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製擁壁の施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンクリート擁壁の施工法として、コンクリート製基礎の施工に際して予め縦筋を埋め込んでおき、このコンクリート基礎の上に突出した縦筋に横筋を針金による結束などの手段で接続して縦横の鉄筋を構成し、この鉄筋を型枠工事、すなわち木板などのパネルで囲み、各パネルをセパレートボルトで連結固定した後、パネル内にコンクリートを打設し、コンクリートが固化した後、パネルを除去して擁壁を形成する方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の施工法は、擁壁を形成するに当たって、パネルの取付及び除去などの型枠工事に著しく手数がかかり、また、雨天はコンクリートを打設することができないなどの工期が遅延する欠点があり、それ故に施工コストが高くなる欠点がある。しかも、パネルを除去した後の擁壁の地肌に凹凸が生じることがあるため、その手直しにさらに手数とコストが必要であった。
【0004】
そこで、本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ね、一定の規格を定め、その規格に応じてブロック単位の擁壁を工場で製造し、かつ、擁壁を形成する場所において規格に併せた支柱を設置し、該支柱に擁壁ブロックを積み上げることにより、擁壁を形成するという擁壁施工法を発明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る擁壁施工法は、コンクリート製の基礎に固定される水平部と擁壁を支持する起立部とからなる鉄骨製の支柱と、支柱の起立部に填める複数の貫通穴を備えた直方体状のコンクリート製擁壁ブロックと、隣接する支柱の水平部間の距離を一定にするための水平部用ゲージと、隣接する支柱の起立部間の距離を一定にするための起立部用ゲージと、支柱の起立部を垂直に立設するための垂直測定具とを使用し、以下の手順によりコンクリート製の基礎に擁壁を立設することを特徴とするものである。
【0006】
1.基礎形成前に、各支柱の水平部が水平部用ゲージにより一定の距離をおいて、また各支柱の起立部が起立部用ゲージにより一定の距離をおいて、さらに各支柱の起立部が垂直測定具により垂直となるように、さらにまた擁壁ブロックの貫通穴に各支柱の起立部が合致するように支柱を設置する。
【0007】
2.各支柱の水平部が埋没するようにコンクリートを打設して基礎を形成する。
【0008】
3.基礎により各支柱が固定された時点で、各支柱の起立部に擁壁ブロックの貫通穴を填め、擁壁ブロックを積み上げて擁壁を形成する。
【0009】
4.擁壁ブロックの貫通穴にコンクリートを注入して擁壁ブロックと支柱の起立部とを固着する。
【0010】
上記の施工法によれば、基礎に支柱が水平部用ゲージ及び起立部用ゲージにより一定間隔をおいて、かつ、垂直測定具により起立部が垂直となるように固定されると共に、垂直に立設された起立部に擁壁ブロックの貫通穴が適合するので、該起立部に擁壁ブロックを填めていけば擁壁が形成される。
【0011】
また、上記の擁壁施工法において使用する水平部用ゲージとして、所定長さの水平バーと該水平バーの下面に所定間隔をおいて支柱の水平部に嵌合する嵌合部材とから構成したものを使用し、該嵌合部材を隣接する支柱の水平部に装着して架け渡すことにより、隣接する支柱の水平部が一定の間隔に配設されるようにしてもよい。
【0012】
上記の水平部用ゲージを使用すれば、隣接する支柱の水平部に嵌合部材を填め込めば、隣接する支柱の水平部が正確に一定の距離をおいて配置することができる。
【0013】
さらに、上記の擁壁施工法において使用する起立部用ゲージとして、所定長さの水平軸部と該水平軸部の両端に配した係合部とからなるゲージ本体と、支柱の起立部の頂部に着脱自在に配し、前記ゲージ本体の係合部と係合可能な係合受け部材とから構成したものを使用し、該係合受け部材を隣接する支柱の起立部にそれぞれ装着し、各支柱の係合受け部材間に前記ゲージ本体を架け渡すことにより、隣接する支柱の起立部が一定の間隔に立設されるようにしてもよい。
【0014】
上記の起立部用ゲージを使用すれば、隣接する支柱の起立部にそれぞれ係合受け部材を装着し、該係合受け部材にゲージ本体の係合部を係合させることにより係合受け部材間に前記ゲージ本体を架け渡すと、隣接する支柱の起立部が正確に一定の距離をおいて配置することができる。
【0015】
さらにまた、上記の擁壁施工法において使用する垂直測定具として、各支柱の起立部に沿って垂下する下げ振り装置と、支柱の起立部が垂直に立設しているときに前記の下げ振り装置が指し示す指標部とから構成したものを使用し、該垂直測定具により、各支柱の起立部が垂直に立設していることを確認できるようにしてもよい。
【0016】
上記の垂直測定具を使用すれば、支柱の起立部が垂直に立設されているか否かを即座に判断することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施例を図に基いて詳細に説明する。図1は擁壁ブロックの斜視図、図2は支柱の一部省略斜視図、図3は水平部用ゲージの斜視図、図4は起立部用ゲージの斜視図、図5〜図14は施工手順を示す概略図、図15は施工状態を示す参考斜視図である。
【0018】
[本発明の擁壁施工法に使用する器具]
図1において10はコンクリート製の擁壁ブロックであり、擁壁ブロック10はその内部に鉄筋11を備え、図において縦方向に貫通穴12a、12b、12c、12dが形成されたものである。この貫通穴12a、12b、12c、12dは、擁壁ブロック10を立設するために後述する支柱の起立部に填めるものであって、等間隔に設けられており、両端部の貫通穴12a、12dは断面半円状をなし、同一形状の擁壁ブロック10を隣接させることにより断面円形となる。該擁壁ブロック10はその全体が工場などにおいて型成形などにより製造され、工事現場などに移送されて使用されるものであり、そのため量産及び備蓄が可能であり、また壁面13は平滑なフラットに仕上げることも容易であり、さらに化粧仕上げなどの装飾を施すことも可能である。
【0019】
図2において20は鉄骨製の支柱であり、水平部21と起立部22とから構成される。水平部21は後述する擁壁施工の準備として行われるコンクリート製の基礎を構築する際に、この基礎に固定される部分であり、起立部22は擁壁を支持する部分である。支柱20は、その強度を保持するために水平部21と起立部22との交差部分に支え部材23が設けられている。また、支柱20は強度保持のために断面コの字型のいわゆるCチャンネルと呼ばれる鉄骨を直角に接合又は屈曲して形成し、さらに強度を高めるために断面T字型の補強部材24が支柱20の形状に沿ってその内側に添設されている。
【0020】
図3において30は水平部用ゲージを示し、該水平部用ゲージ30は前記支柱20を複数並列して立設したときに、隣接する支柱の水平部21が平行でその間隔を一定にするためのものである。該水平部用ゲージ30は水平バー31とこの水平バー31の下面の2箇所に設けられた嵌合部材32、33とから構成される。嵌合部材32と嵌合部材33との距離は、隣接する支柱間の距離であり、この距離は擁壁ブロック10の隣接する貫通穴間の距離である。前記嵌合部材32、33はそれぞれ支柱20の水平部21の太さに合致する間隔をあけた挟持片32a、32b、33a、33bから構成され、該挟持片32a、32bにより一方の支柱20の水平部21が挟み込まれ、挟持片33a、33bにより隣接する支柱20の水平部21が挟み込まれて、水平部用ゲージ30が支柱20の水平部21に架け渡されるように装着される。
【0021】
上記水平部用ゲージ30は、これを使用すれば、隣接する支柱20の水平部21に嵌合部材32、33を填め込むだけで、隣接する支柱20の水平部21が正確に一定の距離をおいて配置することができるので、簡単でかつ極めて便利でにある。また、この水平部用ゲージ30は、これを除去せずに後述するようにコンクリートを打設して支柱20の水平部21と共に基礎を形成するようにすれば、コンクリートの打設時のみならずコンクリート固着後において支柱全体を安定させる効果がある。
【0022】
図4において40は起立部用ゲージを示し、該起立部用ゲージ40は前記支柱20を複数並列して立設したときに、隣接する支柱の起立部22が平行でその間隔を一定にするためのものである。該起立部用ゲージ40は、ゲージ本体41と係合受け部材42、43とからなる。ゲージ本体41は所定長さの水平軸部41aと該水平軸部41aの両端に配した垂下曲板状の係合部41b、41cとから構成される。係合受け部材42、43は支柱の起立部22の頂部22aに着脱自在に配されるものであり、下部を開口した有天筒状をなし、その口径は起立部22の頂部22aに填る大きさであり、その側面には前記係合部41b、41cが係合する係合受け部42a、43aが設けられている。そして、該係合受け部材42、43を隣接する支柱の起立部22の頂部22aにそれぞれ装着し、各支柱の係合受け部材42、43の係合受け部42a、43aにゲージ本体41の係合部41b、41cを係合させることにより、各支柱の係合受け部材間に前記ゲージ本体41を架け渡すことができる。これにより、隣接する支柱の起立部22が一定の間隔に立設されるようになる。この起立部用ゲージ40は前記の水平部用ゲージ30と関連するものであり、前者は支柱の起立部22が平行でその間隔を一定にし、後者は支柱の水平部21を平行でその間隔を一定にするものであるから、水平部用ゲージ30により設定される支柱間の距離と起立部用ゲージ40により設定される支柱間の距離とは同一となり、また、起立部用ゲージ40及び水平部用ゲージ30は、そのように関連して設計される。
【0023】
上記の起立部用ゲージ40を使用すれば、隣接する支柱の起立部が正確に一定の距離をおいて配置することができるので、簡単でかつ極めて便利である。また、起立部用ゲージ40は支柱の起立部22に対して着脱自在であるから、起立部用ゲージ40を除去することができるので、後述するように擁壁用ブロック10を支柱の起立部22に填める際に邪魔にならない利点がある。
【0024】
上記したように、水平部用ゲージ30及び起立部用ゲージ40は、支柱20を平行に一定の間隔をおいて立設するためものであり、この支柱の20の起立部22は擁壁ブロック10の貫通穴に填めて擁壁ブロック10を垂直に立設するものであるから、擁壁ブロック10、支柱の20、水平部用ゲージ30及び起立部用ゲージ40は一定の規格に基づいて全て構成されるものであり、擁壁ブロック10の大きさが変化すれば、規格が変化し、その規格に基づいて支柱の20、水平部用ゲージ30及び起立部用ゲージ40の設計が変化する。例えば、擁壁ブロック10の大きさが大きくかつ厚くなれば、支柱20については、その太さを太く、長さを長く設計し、また、擁壁ブロック10については貫通穴の口径を大きく、間隔を変更し、個数を増加し、水平部用ゲージ30及び起立部用ゲージ40も擁壁ブロック10の貫通穴の間隔及び支柱20の太さに合わせて設計変更する。
【0025】
また、図4に示す50は垂直測定具であって、支柱20の起立部22を垂直に立設するためのものである。該垂直測定具50は、下げ振り装置51と指標部54とからなり、下げ振り装置51は係合受け部材43の側面に設けた下げ振り支持部材52と該下げ振り支持部材52から垂下する下げ振り53とから構成され、該下げ振り支持部材52は端部に垂直方向の垂直溝52bを形成した水平ピン52aから構成され、下げ振り53は下げ振り紐53aと下げ振り体53bとから構成される。そして、該水平ピン52aに下げ振り紐53aを巻き付け、垂直溝52bを通して下げ振り体53bを支柱の起立部22に沿って下方に垂下させる。指標部54は支柱の起立部22の図において前面側に垂直線をもって表示されており、指標部54に対して、水平ピン52aから下げ振り体53bまでの間の下げ振り紐53aが同一平面上において平行になっているときは、支柱の起立部22が垂直に立設していることが確認できる。また、指標部54に対して、水平ピン52aから下げ振り体53bまでの間の下げ振り紐53aがねじれの位置関係にあるときは、支柱の起立部22が垂直に立設していないことを示し、支柱の起立部22を傾動させて支柱の起立部22が垂直に立設するように修正する。
【0026】
上記の垂直測定具50を使用すれば、支柱の起立部22が垂直に立設されているか否かを即座に判断することができ、支柱の起立部22が垂直に立設されてない場合には、この垂直測定具50を確認しながら修正することができるので、簡単でかつ極めて便利である。
【0027】
[施工法の手順]
図5は、擁壁を構築する前の準備段階を表しており、地盤上に、コンクリートによる舗装Aがなされ、その舗装上の所定箇所にコンクリート製の敷き台Bが配設されている。この敷き台B上に図6に示すように2本の支柱20a、20bが立設される。この2本の支柱20a、20bの立設に当たり、まず、水平部21a、21bに2個の水平部用ゲージ30a、30bを填めて水平部21a、21bが平行で一定間隔になるように調整する。その状態において、起立部22a、22bの頂部に起立部用ゲージ40を填めて起立部22a、22bが平行で一定間隔になるように調整する。その際、起立部22a、22bの一方又は双方が垂直になるように垂直測定具50によって調整する。このようにして2本の支柱20a、20bが平行でかつ一定の間隔を維持し、起立部22a、22bが垂直になるように立設する。
【0028】
次に、図7に示すように、3番目の支柱20cを敷き台上に配置し、2番目の支柱20bの水平部21bと3番目の支柱20cの水平部21cとの間に2個の水平部用ゲージ30c、30dを填めて水平部21b、21cが平行で一定間隔になるように調整する。その状態において、1番目の支柱20aの起立部22aの頂部と2番目の支柱20bの起立部22bの頂部との間に架け渡した起立部用ゲージ40を起立部22b、22cの頂部に掛けかえ、この起立部用ゲージ40によって起立部22b、22cが平行で一定間隔になるように調整する。また、必要に応じて、起立部22b、22cの一方又は双方が垂直になるように垂直測定具50によって調整する。
【0029】
さらに、図8に示すように、4番目の支柱20dを敷き台上に配置し、3番目の支柱20cの水平部21cと4番目の支柱20dの水平部21dとの間に2個の水平部用ゲージ30e、30fを填めて水平部21c、21dが平行で一定間隔になるように調整する。その状態において、2番目の支柱20bの起立部22bの頂部と3番目の支柱20cの起立部22cの頂部との間に架け渡した起立部用ゲージ40を起立部22c、22dの頂部に掛けかえ、この起立部用ゲージ40によって起立部22c、22dが平行で一定間隔になるように調整する。また、前記と同様に、必要に応じて、起立部22b、22cの一方又は双方が垂直になるように垂直測定具50によって調整する。
【0030】
上記のような作業を繰り返して、所定本数の支柱20a、20b、20c、20d、・・を立設していく。本実施例においては、6本の支柱を立設することとし、支柱を立設した状態を図9に示す。この状態において、上記の支柱20a、20b、20c、20d、・・は、その水平部21a、21b、21c、21d、・・をそれぞれ跨ぐように填められた水平部用ゲージ30a、30b、30c、30d、30e、30f、・・により、ずれ動かないように固定される。なお、上記の支柱20a、20b、20c、20d、・・の立設において重要な点は、各支柱20a、20b、20c、20d、・・の水平部21a、21b、21c、21d、・・が水平部用ゲージ30a、30b、30c、30d、30e、30f、・・により一定の距離をおいて、また各支柱20a、20b、20c、20d、・・の起立部22a、22b、22c、22d、・・が起立部用ゲージ40により一定の距離をおいて、さらに各支柱20a、20b、20c、20d、・・の起立部22a、22b、22c、22d、・・が垂直測定具50により垂直となるように、さらにまた擁壁ブロック10の貫通穴12a、12b、12c、12d、・・に各支柱20a、20b、20c、20d、・・の起立部22a、22b、22c、22d、・・が合致するように支柱20a、20b、20c、20d、・・を設置する
次に、図10に示すように、上記の支柱20a、20b、20c、20d、・・の各水平部21a、21b、21c、21d、・・上に、水平部用ゲージ30a、30b、30c、30d、30e、30f、・・を挟んで、鉄筋を縦横に折り込んだネット状鉄筋Cを敷設する。その後、図11に示すように、前記のネット状鉄筋Cを含めて水平部21a、21b、21c、21d、・・及び水平部用ゲージ30a、30b、30c、30d、30e、30f、・・が埋没するように舗装A上にコンクリートを打設して基礎Dを形成し、支柱20a、20b、20c、20d、・・の起立部22a、22b、22c、22d、・・のみが直立して固定される状態にする。
【0031】
そして、基礎Dを形成するコンクリートが固まった時点において、図12に示すように、予め製作しておいた擁壁ブロック10を、その貫通穴12b、12c、12d、・・に前記の支柱20a、20b、20c、20d、・・の起立部22a、22b、22c、22d、・・が差し込まれるようにしてに填め込んで積み上げていくといくと、図13に示すように擁壁Eを形成する。そして、擁壁ブロック10の貫通穴12a、12b、12c、12d、・・にコンクリートを注入して擁壁ブロック10と支柱20a、20b、20c、20d、・・の起立部22a、22b、22c、22d、・・とを固着して、擁壁Eが完成する。
【0032】
上記に記載した手順による擁壁Eの施工法によれば、基礎に支柱が水平部用ゲージ及び起立部用ゲージにより一定間隔をおいて、かつ、垂直測定具により起立部が垂直となるように固定されると共に、垂直に立設された起立部に擁壁ブロックの貫通穴が適合するので、該起立部に擁壁ブロックを填めていくだけで擁壁を形成することができる。したがって、現場における擁壁形成のための型枠工事が不要となり、擁壁形成作業に手数を要しないものとなるので、工期の短縮が図れると共にコストの低減が図れる。また、擁壁ブロックは工場において製造されるため、工場において規格に適合した美麗な擁壁ブロックのみを選択して使用することができるので、現場における手直し作業が不要となる。なお、上記の実施例においては起立部用ゲージを、支柱を立設する毎に掛け替えていくようにしているが、複数の起立部用ゲージを用意して支柱の起立部頂部に掛けたままにしておき、基礎Dが形成された時点で起立部用ゲージを取り外すようにしてもよい。そのようにした場合には各支柱が水平部用ゲージと起立部用ゲージとで固定された状態で基礎Dにより支柱が固着するので、種々の影響による狂いなどが生じ難く、精度がより一層高くなる利点がある。
【0033】
[変更例]
図14は、擁壁ブロックにおける貫通穴を形成するパターンを示す斜視図であり、図14(a)は上記の実施例において採用した擁壁ブロック10であり、これは両端に断面半円形の貫通穴12a、12dを形成し、内方側に適宜間隔をおいて断面円形の貫通穴12b、12cを形成したものであり、上記実施例において説明したように支柱20を填め込む。また、図14(b)に示す擁壁ブロック110は、その両端のみに断面半円形の貫通穴112a、112bを形成し、断面半円形の貫通穴あるいは隣接する擁壁ブロックと合わせて断面円形に形成した貫通穴に支柱を填めて使用する。さらに図14(c)に示す擁壁ブロック210は、その内方のみに適宜の間隔をおいて断面円形の貫通穴212a、212bを形成したものであり、この貫通穴に支柱を填めて使用する。なお、擁壁ブロックの大きさは適宜選択可能であり、構築される擁壁の大きさ及び輸送の事情に合わせて設計すればよい。また、支柱を填める貫通穴の径及び数や間隔などは、擁壁の耐久性等を考慮して適宜設計すればよい。その場合、貫通穴の間隔が2種以上になったときには、水平部用ゲージ及び起立部用ゲージも2種以上の間隔のものを揃えておけばよい。
【0034】
図15は、起立部用ゲージの変更例であり、該起立部用ゲージ140は前記支柱20を複数並列して立設したときに、隣接する支柱の起立部22が平行でその間隔を一定にするためのものである。該起立部用ゲージ140は、ゲージ本体141と係合受け部材142、143とからなる。ゲージ本体141は所定長さの水平軸部141aと該水平軸部141aの両端に配した突起状の係合部141b、141cとから構成される。係合受け部材142、143は支柱の起立部22の頂部22aに着脱自在に配されるものであり、下部を開口した有天筒状をなし、その口径は起立部22の頂部22aに填る大きさであり、その頂部には前記係合部141b、141cが係合する凹状の係合受け部142a、143aが設けられている。そして、該係合受け部材142、143を隣接する支柱の起立部22の頂部22aにそれぞれ装着し、各支柱の係合受け部材142、143の係合受け部142a、143aにゲージ本体141の係合部141b、141cを係合させることにより、各支柱の係合受け部材間に前記ゲージ本体141を架け渡すことができる。これにより、隣接する支柱の起立部22が一定の間隔に立設されるようになる。
【0035】
なお、上記の実施例は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した広範囲な実施形態を包含するものである。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る擁壁施工法は、コンクリート製の基礎に固定される水平部と擁壁を支持する起立部とからなる鉄骨製の支柱と、支柱の起立部に填める複数の貫通穴を備えた直方体状のコンクリート製擁壁ブロックと、隣接する支柱の水平部間の距離を一定にするための水平部用ゲージと、隣接する支柱の起立部間の距離を一定にするための起立部用ゲージと、支柱の起立部を垂直に立設するための垂直測定具とを使用し、以下の手順によりコンクリート製の基礎に擁壁を立設することを特徴とするものである。
【0037】
1.基礎形成前に、各支柱の水平部が水平部用ゲージにより一定の距離をおいて、また各支柱の起立部が起立部用ゲージにより一定の距離をおいて、さらに各支柱の起立部が垂直測定具により垂直となるように、さらにまた擁壁ブロックの貫通穴に各支柱の起立部が合致するように支柱を設置する。
【0038】
2.各支柱の水平部が埋没するようにコンクリートを打設して基礎を形成する。
【0039】
3.基礎により各支柱が固定された時点で、各支柱の起立部に擁壁ブロックの貫通穴を填め、擁壁ブロックを積み上げて擁壁を形成する。
【0040】
4.擁壁ブロックの貫通穴にコンクリートを注入して擁壁ブロックと支柱の起立部とを固着する。
【0041】
上記の施工法によれば、基礎に支柱が水平部用ゲージ及び起立部用ゲージにより一定間隔をおいて、かつ、垂直測定具により起立部が垂直となるように固定されると共に、垂直に立設された起立部に擁壁ブロックの貫通穴が適合するので、該起立部に擁壁ブロックを填めていくだけで擁壁を形成することができる。したがって、現場における擁壁形成のための型枠工事が不要となり、擁壁形成作業に手数を要しないものとなるので、工期の短縮が図れると共にコストの低減が図れる。また、擁壁ブロックは工場において製造されるため、工場において規格に適合した美麗な擁壁ブロックのみを選択して使用することができるので、現場における手直し作業が不要となる。
【0042】
また、上記の擁壁施工法において使用する水平部用ゲージとして、所定長さの水平バーと該水平バーの下面に所定間隔をおいて支柱の水平部に嵌合する嵌合部材とから構成したものを使用し、該嵌合部材を隣接する支柱の水平部に装着して架け渡すことにより、隣接する支柱の水平部が一定の間隔に配設されるようにしてもよい。
【0043】
上記の水平部用ゲージを使用すれば、隣接する支柱の水平部に嵌合部材を填め込むだけで、隣接する支柱の水平部が正確に一定の距離をおいて配置することができるので、簡単でかつ極めて便利でにある。また、この水平部用ゲージは、これを除去せずにコンクリートを打設して支柱の水平部と共に基礎を形成するようにすれば、コンクリートの打設時のみならずコンクリート固着後において支柱全体を安定させる効果がある。
【0044】
さらに、上記の擁壁施工法において使用する起立部用ゲージとして、所定長さの水平軸部と該水平軸部の両端に配した係合部とからなるゲージ本体と、支柱の起立部の頂部に着脱自在に配し、前記ゲージ本体の係合部と係合可能な係合受け部材とから構成したものを使用し、該係合受け部材を隣接する支柱の起立部にそれぞれ装着し、各支柱の係合受け部材間に前記ゲージ本体を架け渡すことにより、隣接する支柱の起立部が一定の間隔に立設されるようにしてもよい。
【0045】
上記の起立部用ゲージを使用すれば、隣接する支柱の起立部にそれぞれ係合受け部材を装着し、該係合受け部材にゲージ本体の係合部を係合させることにより係合受け部材間に前記ゲージ本体を架け渡すと、隣接する支柱の起立部が正確に一定の距離をおいて配置することができるので、簡単でかつ極めて便利である。また、起立部用ゲージは支柱の起立部に対して着脱自在であるから、起立部用ゲージを除去することができるので、擁壁用ブロックを支柱の起立部に填める際に邪魔にならない利点がある。
【0046】
さらにまた、上記の擁壁施工法において使用する垂直測定具として、各支柱の起立部に沿って垂下する下げ振り装置と、支柱の起立部が垂直に立設しているときに前記の下げ振り装置が指し示す指標部とから構成したものを使用し、該垂直測定具により、各支柱の起立部が垂直に立設していることを確認できるようにしてもよい。
【0047】
上記の垂直測定具を使用すれば、支柱の起立部が垂直に立設されているか否かを即座に判断することができ、支柱の起立部が垂直に立設されてない場合には、この垂直測定具を確認しながら修正することができるので、簡単でかつ極めて便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擁壁施工法に使用する擁壁ブロックの斜視図である。
【図2】本発明の擁壁施工法に使用する支柱の一部省略斜視図である。
【図3】本発明の擁壁施工法に使用する水平部用ゲー篠斜視図である。
【図4】本発明の擁壁施工法に使用する起立部用ゲージの一部切欠斜視図である。
【図5】擁壁を構築する前の準備段階を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図6】擁壁を構築するための第1及び第2の支柱を立設する状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図7】擁壁を構築するための第3の支柱を立設する状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)はI−I線断面図である。
【図8】擁壁を構築するための第4の支柱を立設する状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)はII−II線断面図である。
【図9】擁壁を構築するための支柱を立設した状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図10】擁壁を構築するための支柱の水平部上にネット状鉄筋を敷設した状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図11】擁壁を構築するための支柱の水平部に基礎を形成した状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図12】擁壁を構築する状態を示す斜視図である。
【図13】擁壁を構築した状態を表す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図14】擁壁ブロックに形成する貫通穴の3種類のパターン(a)、(b)、(c)を示す斜視図である。
【図15】起立部用ゲージの変更例を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
10・・・擁壁ブロック
11・・・擁壁ブロックに内在する鉄筋
12a・・擁壁ブロックの端部の貫通穴
12b・・擁壁ブロックの貫通穴
12c・・擁壁ブロックの貫通穴
12d・・擁壁ブロックの端部の貫通穴
13・・・擁壁ブロックの壁面
20・・・支柱
21・・・支柱の水平部
22・・・支柱の起立部
22a・・支柱起立部の頂部
23・・・支え部材
24・・・補強部材
30・・・水平部用ゲージ
31・・・水平バー
32・・・嵌合部材
32a・・嵌合部材32の挟持片
32b・・嵌合部材32の挟持片
33・・・嵌合部材
33a・・嵌合部材33の挟持片
33b・・嵌合部材33の挟持片
40・・・起立部用ゲージ
41・・・起立部用ゲージのゲージ本体
41a・・水平軸部
41b・・係合部
41c・・係合部
42・・・係合受け部材
42a・・係合受け部
43・・・係合受け部材
43a・・係合受け部
50・・・垂直測定具
51・・・下げ振り装置
52・・・下げ振り支持部材
52a・・水平ピン
52b・・垂直溝
53・・・下げ振り
53a・・下げ振り紐
53b・・下げ振り体
54・・・指標部
A・・・・舗装
B・・・・敷き台
C・・・・ネット状鉄筋
D・・・・基礎
E・・・・擁壁
110・・擁壁ブロック
112a・擁壁ブロックの端部の貫通穴
112b・擁壁ブロックの貫通穴
210・・擁壁ブロック
212a・擁壁ブロックの端部の貫通穴
212b・擁壁ブロックの貫通穴
140・・起立部用ゲージ
141・・起立部用ゲージのゲージ本体
141a・水平軸部
141b・係合部
141c・係合部
142・・係合受け部材
142a・係合受け部
143・・係合受け部材
143a・係合受け部

Claims (4)

  1. コンクリート製の基礎に固定される水平部と擁壁を支持する起立部とからなる鉄骨製の支柱と、
    支柱の起立部に填める複数の貫通穴を備えた直方体状のコンクリート製擁壁ブロックと、
    隣接する支柱の水平部間の距離を一定にするための水平部用ゲージと、
    隣接する支柱の起立部間の距離を一定にするための起立部用ゲージと、
    支柱の起立部を垂直に立設するための垂直測定具とを使用し、
    以下の手順によりコンクリート製の基礎に擁壁を立設することを特徴とする擁壁施工法。
    1.基礎形成前に、各支柱の水平部が水平部用ゲージにより一定の距離をおいて、また各支柱の起立部が起立部用ゲージにより一定の距離をおいて、さらに各支柱の起立部が垂直測定具により垂直となるように、さらにまた擁壁ブロックの貫通穴に各支柱の起立部が合致するように支柱を設置する。
    2.各支柱の水平部が埋没するようにコンクリートを打設して基礎を形成する。
    3.基礎により各支柱が固定された時点で、各支柱の起立部に擁壁ブロックの貫通穴を填め、擁壁ブロックを積み上げて擁壁を形成する。
    4.擁壁ブロックの貫通穴にコンクリートを注入して擁壁ブロックと支柱の起立部とを固着する。
  2. 水平部用ゲージを、所定長さの水平バーと該水平バーの下面に所定間隔をおいて支柱の水平部に嵌合する嵌合部材とから構成し、
    該嵌合部材を隣接する支柱の水平部に装着して架け渡すことにより、隣接する支柱の水平部が一定の間隔に配設されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の擁壁施工法。
  3. 起立部用ゲージを、所定長さの水平軸部と該水平軸部の両端に配した係合部とからなるゲージ本体と、支柱の起立部の頂部に着脱自在に配し、前記ゲージ本体の係合部と係合可能な係合受け部材とから構成し、
    該係合受け部材を隣接する支柱の起立部にそれぞれ装着し、各支柱の係合受け部材間に前記ゲージ本体を架け渡すことにより、隣接する支柱の起立部が一定の間隔に立設されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の擁壁施工法。
  4. 垂直測定具を、各支柱の起立部に沿って垂下する下げ振り装置と、支柱の起立部が垂直に立設しているときに前記の下げ振り装置が指し示す指標部とから構成し、
    該垂直測定具により、各支柱の起立部が垂直に立設していることを確認できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の擁壁施工法。
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