JP2004309122A - 火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉 - Google Patents

火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉 Download PDF

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Abstract

【課題】
低空気比下で燃焼を行う場合においても火格子上のごみの安定燃焼を実現でき、排ガス中の有害物質の抑制、熱回収の効率の向上を図ることが可能な火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉を提供する。
【解決手段】
燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整する。
さらに、火格子上のごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、火格子式のごみ焼却炉の運転制御方法及びごみ焼却炉に関する。
一般に火格子式ごみ焼却炉の燃焼用空気としては、火格子下から供給される一次燃焼用空気と炉内に直接供給される二次燃焼用空気とに分けることができる。これらの燃焼用空気量の制御、及び、火格子の送り速度の調整を行うことでごみの安定燃焼を実現し、排ガス中のダイオキシン類や窒素酸化物の発生量の抑制、熱回収効率の向上を図っている。
前記炉内に供給される一次燃焼用空気と二次燃焼用空気の合計量は、ごみの燃焼に必要な理論空気量の1.7倍程度(空気比)であり、ごみの燃焼に対して燃焼用空気が過剰な状態で操業されている。これは、投入されるごみの発熱量に変動が大きいためである。このため、空気過剰な状態で燃焼された排ガスからの熱回収となるため、ボイラでの熱回収が効率的に行われないといった問題があった。また、ごみの燃焼によって発生する排ガス量が多くなるため、ごみ焼却プラントの下工程設備にある排ガス処理装置、誘引ブロワ等の設備も排ガス量に対応して大型の設備を必要としていた。
一方、最近では、ダイオキシン類の発生量を抑えるために、燃焼排ガスを高温化させることで完全燃焼させる技術として、供給する燃焼用空気量を減らし、過剰な空気を減らすことで排ガス温度を高温化する方法が用いられている。さらに、供給する燃焼用空気量を減らすことにより、排出される排ガス量が少なくなるため、下工程の排ガス処理設備等の負荷が低減できるとしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、燃料がごみであるため、燃焼用空気量が少ないと、ごみの乾燥、燃焼、灰化までの燃焼プロセスを安定に維持することが困難となる。このため、一次燃焼用空気に酸素を富化し燃焼用空気の酸素濃度を高くする方法や、炉から排出された排ガスを再度炉内に戻し循環させる方法で燃焼を安定化させる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、他の方法として、燃焼に必要な燃焼用空気の量を減らし、下工程設備の負荷を軽減し、熱回収効率を向上させるために、昇温した高温空気をごみが燃焼している表面上に供給することで、燃焼用空気の合計量を減らし空気比1.3程度で完全燃焼を実現させようとする方法もある(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−332120号公報 特開2002−267132号公報 特開2000−199620号公報
ここで、空気比が低い状態で完全燃焼を実現させるために、酸素富化、排ガス循環、高温空気燃焼等の方法を用いる必要がある。しかし、火格子上のごみの発熱量は一定でないために、空気比が低い状態で完全燃焼を実現させることは非常に困難である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、低空気比下で燃焼を行う場合においても火格子上のごみの安定燃焼を実現でき、排ガス中の有害物質の抑制、熱回収の効率の向上を図ることが可能な火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉を提供することを目的とする。
本発明者らは、低空気比下で燃焼を行う場合においても火格子上のごみの安定燃焼を実現でき、排ガス中の有害物質の発生を効果的に抑制できるごみ焼却炉の燃焼制御方法について検討を行った。ここで、前記低空気比下で燃焼を行う場合とは、ごみの燃焼に必要な理論空気量に対して、1.2倍程度から1.5倍程度、通常は1.3倍程度の空気量でごみの固形分及び排ガス中の未燃成分の完全燃焼を行う場合をいう。
図1は、実際のごみ焼却炉において、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差に対するボイラ出口における排ガス中のCO濃度の特性を調べた結果を示した図である。図1に示すように、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が図中Aの領域であれば、排ガス中のCO濃度は低くなり、さらに、排ガス中の未燃成分が少なく、ダイオキシン類等の発生量も少ない状態となる。また、図中Bの領域では、ガス混合室内のガス温度が燃焼室内のガス温度よりも高く、CO濃度は高く、さらに、排ガス中の未燃成分が多く、ダイオキシン類の発生量も多い状態となる。図中Cの領域では、ガス混合室内のガス温度が燃焼室内のガス温度よりも低く、排ガス中の未燃成分は少ないが、残っている未燃成分がガス混合室内のガス温度が低いため完全燃焼が十分に行われずダイオキシン類の発生量が増加する可能性がある。
また、図2は、排ガス中のO 濃度と、排ガス中のCO濃度、及び、ガス混合室内ガス温度との特性を調べた結果を示した図である。図2に示すように、排ガス中のO濃度とCO濃度の特性から、低空気比運転ではない従来の燃焼(図中白抜き部分)では、燃焼用空気量が過剰なため、排ガス中の酸素濃度が高く、燃焼に必要な酸素があってもガス混合室内のガス温度が低下するため、排ガス中の未燃成分が完全燃焼できない状態となり、排ガス中のCO濃度が高くなる。それに対し、低空気比運転下(図中塗潰し部分)では、排ガス中の未燃成分が従来の燃焼よりも多く、燃焼に必要な酸素量が不足するため、排ガス中のCO濃度及びガス混合室内ガス温度とも高くなる。
低空気比下で運転すると、ごみから発生する未燃成分は多くなる。このため、ごみ層表面から発生する未燃成分をごみ層上部で燃焼させ、残りの未燃成分は二次燃焼用空気によってガス混合室内にて完全燃焼させてから炉外に排出させるようにする。なお、低空気比運転を行うために、二次燃焼用空気においても従来の1/4程度の供給量としているため、ごみ層上部で排ガス中の未燃成分を極力燃焼させ、残りの未燃成分をガス混合室内で完全燃焼させる状態とすることが好ましい。
そのためには、燃焼室内ガス温度はガス混合室内ガス温度よりも同程度もしくは高い状態とする必要があり、このような状態とすることで図1に示すように、炉から排出されるCO濃度が低くなる(図1中Aの領域)。逆に、ガス混合室内ガス温度が、燃焼室内ガス温度よりも高い状態となると(図1中Bの領域)、ごみ層上部で未燃成分が燃焼しきれず、ガス混合室内での未燃成分の燃焼負荷が上がり、ガス混合室内で燃焼しきれない未燃成分が排出されることとなり排ガス中のCO濃度が高くなる。一方、ガス混合室内ガス温度が、燃焼室内ガス温度よりも低い状態では、燃焼室内で未燃成分がすべて燃焼してしまうため、ガス混合室内での未燃成分が少なくガス混合室内のガス温度が低くなる(図1中Cの領域)。
また、図1中の領域Aの状態に燃焼を維持するためには、火格子上のごみの量を一定に維持し、ごみから発生する未燃成分の発生量を一定に維持することが重要である。
本発明は以上のような検討に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉である。
[1]火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[2]火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整し、さらに、火格子上のごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[3]上記[1]又は[2]において、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲よりも低い場合には、燃焼室内の主燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を増やすと共に、乾燥領域及び後燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を減らし、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め定めた範囲よりも高い場合には、燃焼室内の主燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を減らすと共に、乾燥領域及び後燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を増やすことを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[4]燃焼室内のガス温度を計測する手段と、ガス混合室内のガス温度を計測する手段と、前記燃焼室内のガス温度を計測する手段により計測された燃焼室内ガス温度と前記ガス混合室内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御する燃焼制御装置とを備えたことを特徴とする火格子式ごみ焼却炉。
[5]上記[4]において、さらに、火格子上のごみ量を計測する手段を備え、燃焼制御装置が、前記火格子上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉。
[6]火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整し、さらに、ガス混合室内のガス温度に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[7]火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整し、さらに、ガス混合室内のガス温度及び火格子上のごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[8]上記[6]又は[7]において、ガス混合室内のガス温度が所定温度よりも低い場合には、燃焼室内の主燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を増やすと共に、乾燥領域及び後燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を減らすことを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
[9]燃焼室内のガス温度を計測する手段と、ガス混合室内のガス温度を計測する手段と、前記燃焼室内のガス温度を計測する手段により計測された燃焼室内ガス温度と前記ガス混合室内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御し、さらに、前記ガス混合室内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を制御する燃焼制御装置とを備えたことを特徴とする火格子式ごみ焼却炉。
[10]上記[9]において、さらに、火格子上のごみ量を計測する手段を備え、燃焼制御装置が、前記火格子上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉。
本発明によれば、低空気比下で燃焼を行う場合においても火格子上のごみの安定燃焼を実現でき、排ガス中の有害物質の抑制、熱回収の効率の向上を図ることが可能な火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
図3は、本発明に係るごみ焼却炉の一実施形態を示す概略構成図である。
図3に示すごみ焼却炉は、火格子4を有する全連型(24時間連続運転)の火格子式ごみ焼却炉であり、ホッパ1、燃焼室2、燃焼室2の出口側に設けられたガス混合室3、ガス混合室3の下流側に設置されたボイラ7を備えている。
クレーンでホッパ1に投入されたごみは、給塵装置5によって燃焼室2内の火格子4上に送り込まれる。火格子4は往復運動し、その往復運動によってごみの撹拌および移動が行われる。火格子4下をごみ搬送方向に4つの領域に分割した風箱(上流側からNo.1,No.2,No.3,No.4)から燃焼室2内に一次燃焼用空気が供給される。燃焼室2内に供給された火格子上のごみは、火格子4上を移動しながら、火格子4下から供給される一次燃焼用空気によって、乾燥、燃焼、後燃焼が行われ灰となり、灰落下口6より外部に排出される。
一次燃焼用空気は、一次燃焼用空気ブロア8により各風箱を介して火格子4の下から燃焼室2内に供給される。また、各風箱に供給される一次燃焼用空気の量は、各風箱に一次燃焼用空気を供給する各配管に設けられた火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dにより調整される。なお、図3に示した例では、火格子4の下をごみ搬送方向に対し4つの風箱(No.1からNo.4)で分割して一次燃焼用空気を供給する構成としているが、ごみ焼却炉の規模及び目的に応じて適宜変更可能であり4つの風箱の場合に限られるものではないことは言うまでもない。
また、燃焼室2内の火格子4上のごみが燃焼している表面上には、灯油等の燃料を燃焼させることによって加熱した高温空気とボイラ7出口から排出される排ガスを混合した空気が供給され、ごみ層から発生した未燃ガスを燃焼させる。
さらに、ガス混合室3内には、二次燃焼用空気ブロア10からの二次燃焼用空気と、ボイラ7出口から排出される排ガスが供給され、燃焼室2内で燃焼しきれなかった燃焼排ガス中の未燃ガスを完全燃焼させる。ガス混合室3内で二次燃焼させた後の燃焼排ガスは、下流側のボイラ7で熱エネルギーを回収された後に外部に排出される。
ここで、燃焼室2内には図3に示すように中間天井16を設けることが好ましい。中間天井16を燃焼室内に設けることにより、燃焼室内のガスを火格子4の上流側のごみ乾燥過程で発生した可燃性ガスと下流側の後燃焼過程で発生した燃焼排ガスに2分して排出することができる。この2分して排出したガスをガス混合室3で再合流させることにより、ガス混合室3内でのガスの攪拌混合がさらに促進され、ガス混合室3内での燃焼がより安定化し、燃焼過程におけるダイオキシン類の発生のさらなる抑制、ごみ未燃の発生防止を図ることができる。なお、中間天井16を有さないごみ焼却炉においても本発明が適用できることは言うまでもない。
上記構成のごみ焼却炉において、本発明にかかるごみ焼却炉は、燃焼室2内のガス温度を計測する手段と、ガス混合室3内のガス温度を計測する手段と、前記燃焼室2内のガス温度を計測する手段により計測された燃焼室2内ガス温度と前記ガス混合室3内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御する燃焼制御装置11とを備えている。
また、本発明にかかるごみ焼却炉は、さらに、火格子4上のごみ量を計測する手段を備え、前記燃焼制御装置11が、前記火格子4上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することが好ましい。
ここで、前記燃焼室2内のガス温度を計測する手段としては、例えば、燃焼室2内に設置された燃焼室内ガス温度計12を用いることができる。また、前記ガス混合室3内のガス温度を計測する手段としては、例えば、ガス混合室3内に設置されたガス混合室内ガス温度計13を用いることができる。
前記燃焼制御装置11は、前記燃焼室内ガス温度計12と前記ガス混合室内ガス温度計13とにより計測された燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度を含む各種計測値を取り込む手段と、燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度との差を算出する手段と、前記燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度との差を予め設定された温度範囲と比較する手段と、前記燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度との差が前記予め設定された温度範囲から外れている場合には、前記予め設定された温度範囲内となるように給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御する手段とを備えている。なお、燃焼制御装置11には例えばコンピュータを使用することができる。
前記給塵速度は、給塵装置5の単位時間当たりの往復回数によって燃焼室内へのごみの給塵量を調節することにより制御される。前記火格子速度は、火格子駆動装置(図示せず)の単位時間当たりの往復回数を調節することにより制御される。前記一次燃焼用空気の火格子下空気配分量は、各風箱に一次燃焼用空気を供給する各配管に設けられた火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dの開度を調節することにより制御される。ここで、前記火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dの開度の調節は、各風箱に一次燃焼用空気を供給する各配管に設けられた流量計F1,F2,F3,F4の計測値が所定の値となるように行われる。
前記予め設定された温度範囲としては、図1に示した結果より、−100℃≦燃焼室内ガス温度−ガス混合室内ガス温度≦100℃程度の図中Aで示す範囲とすることが好ましい。
具体的な調整方法としては、図1に示した燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度の温度特性、および、火格子上ごみ量の2つの状態に基づいて操作量を変更するため、ファジィ制御を用いることが好ましい。
図4に、燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度との差の前件部を示す。図1のBの状態における燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度との差の前件部を負、図1のAの状態を零、図1のCの状態を正とする。
また、前記火格子4上のごみ量を計測する手段としては、例えば、燃焼室2内に設けられた工業用の炉内監視カメラ(ITV)14、或いは、火格子4下の各風箱に設けられた圧力計P1,P2,P3,P4及び流量計F1,F2,F3,F4、及び燃焼室2内に設けられた燃焼室内圧力計15を用いることができる。
前記工業用の炉内監視カメラ(ITV)14の画像情報は燃焼制御装置11に送られ、そこで画像処理操作が行われて火格子4上のごみ量が算出される。或いは、火格子4下の各風箱に設けられた圧力計P1,P2,P3,P4及び流量計F1,F2,F3,F4の計測データ、及び、燃焼室2内に設けられた燃焼室内圧力計15の計測データが燃焼制御装置11に送られ、そこで、圧損値、流量値に基づいて火格子4上のごみ量が算出される。
前記燃焼制御装置11は、火格子4上のごみ量の算出結果に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することで、火格子4上に供給されるごみ量を調整し、火格子上のごみ量を所定の適正範囲に維持する。
調整方法としては、ファジィ制御を用いることが好ましい。図5に、ごみ層厚の前件部を示す。ここで、ごみ層厚の前件部は、薄い、薄くないの2つの状態とする。
具体的な調整方法の一例を下記表1のファジィ制御ルールに示す。
Figure 2004309122
燃焼室2内のガス温度とガス混合室3内のガス温度との差が予め設定された温度範囲よりも低い場合であって、さらに、火格子4上のごみ量が所定の適正範囲もしくは適正範囲に比べて多い場合(ごみ層厚が薄くない状態)には、燃焼室2内の主燃焼域に供給する一次燃焼用空気量を増やし、ごみからの未燃ガスの発生量を促進させる必要がある。つまり、主燃焼域に一次燃焼用空気を供給するNo.2及びNo.3の風箱に供給する一次燃焼用空気の供給量を増やし、No.1及びNo.4の風箱に供給する一次燃焼用空気の供給量を減らすように、火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dの開度を調節する。なお、この場合、給塵速度および火格子4の速度は増速して未燃ガス量の発生を増やし、燃焼領域での燃焼を活発化させることが好ましい。
一方、燃焼室2内のガス温度とガス混合室3内のガス温度との差が予め設定された温度範囲よりも高い場合であって、さらに、火格子4上のごみ量が所定の適正範囲もしくは適正範囲よりも少ない場合には、燃焼室2内の主燃焼域に供給する一次燃焼用空気量を減らす必要がある。つまり、主燃焼域に一次燃焼用空気を供給するNo.2及びNo.3の風箱に供給する一次燃焼用空気の供給量を減らし、No.1及びNo.4の風箱に供給する一次燃焼用空気の供給量を増やすように、火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dの開度を調節する。なお、この場合、燃焼を抑えて、未燃ガスの発生量を減らすため、給塵速度、火格子速度を減速させることが好ましい。
なお、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量の制御手法としては、他には、例えば、PID制御などの手法が適用できるが、複数の計測値に基づいて操作量の値を決定する本発明においては、事象をルール化しやすいファジィ制御を用いることが好ましい。
前記ファジィルールは、例えばmin−max法、シングルトン法などを用い、後件部の操作量を決定する。
また、本発明に係るごみ焼却炉の実施形態の他の一例は、前記図3に示すごみ焼却炉において、燃焼室2内のガス温度を計測する手段と、ガス混合室3内のガス温度を計測する手段と、前記燃焼室2内のガス温度を計測する手段により計測された燃焼室2内ガス温度と前記ガス混合室3内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室3内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御し、さらに、前記ガス混合室3内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室3内ガス温度に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を制御する燃焼制御装置11とを備えるものである。
また、本実施形態においては、さらに、火格子4上のごみ量を計測する手段を備え、前記燃焼制御装置11が、前記火格子4上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することが好ましい。
ここで、前記燃焼室2内ガス温度とガス混合室3内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御する方法については、上述の実施形態と同様に行うことができる。また、前記火格子4上のごみ量を計測する手段を備え、前記燃焼制御装置11が、前記火格子4上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整する方法についても、上述の実施形態と同様に行うことができる。
以下、前記ガス混合室3内のガス温度に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整する方法を追加した場合について説明する。
ダイオキシン類生成抑制の指標では、燃焼室2の出口側に設けられたガス混合室3内のガス温度を800〜850℃以上に維持することが必要とされている。例えば、燃焼室2内ガス温度とガス混合室3内ガス温度との差が、上述の図1中Aの領域であれば、排ガス中のCO濃度は低い状態であるが、ごみ質やごみの性状等によっては、ガス混合室3内ガス温度が比較的低い状態、例えば、800℃を下まわる状態、となる場合も考えられる。
そこで、本実施形態においては、前記燃焼制御装置11において、ガス混合室3内のガス温度に基づいて、前記ガス混合室3内のガス温度が所定の閾値温度以上、例えば、800℃以上、好ましくは、850℃以上となるように給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整するものである。
これにより、排ガス中に含まれるダイオキシン類等の有害物質の発生を、より効果的に抑制することが可能となる。
前記調整方法としては、例えば、ファジィ制御を用いることが好ましい。図6に、ガス混合室3内ガス温度の前件部を示す。ここでは、ガス混合室3内ガス温度が低下している場合にのみ対応させるため、ガス混合室3内ガス温度が「低い」状態と、「適」の状態のみを示している。なお、ガス混合室3内ガス温度が所定温度より高い場合は、ダイオキシン類生成抑制という観点からは好ましい状態と考えられるため、特に調整は行わず、現状維持するものとしている。
前記調整方法の具体的な一例を下記表2のファジィ制御ルールに示す。
Figure 2004309122
ガス混合室3内ガス温度が低い状態の場合には、火格子上のごみ量が所定の適正範囲もしくは適正範囲に比べて多い状態(ごみ層厚が薄くない状態)も判断して、燃焼室2内の主燃焼域に供給する一次燃焼用空気量を増やすことで、ごみからの未燃ガスの発生量を促進させてガス混合室3内ガス温度を上昇させる。つまり、主燃焼域に一次燃焼用空気を供給するNo.2及びNo.3の風箱に供給する一次燃焼用空気の供給量を増やし、No.1及びNo.4の風箱に供給する一次燃焼用空気の供給量を減らすように、火格子下一次燃焼用空気ダンパ9a,9b,9c,9dの開度を調節する。なお、この場合、給塵速度および火格子4の速度は増速して未燃ガス量の発生を増やし、燃焼領域での燃焼を活発化させることが好ましい。
図7に、本実施形態に係る制御フローの一例を示す。下記の式(1)は、上記表1の制御(f1)で得られる操作量の増減分(Δu1i)を表す。ここで、iは、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分をそれぞれ表す。式(2)は、上記表2の制御(f2)で得られる操作量の増減分(Δu2i)を表す。式(3)は、ガス混合室3内ガス温度の状態で、各操作量Δu1i、Δu2iの和をとる関数gである。Δuiは、関数gで和をとった操作量Δuiである。式(4)は、前回の操作量の絶対値(ui(k−1))に増減分(Δui)を加えて、今回の操作量を決定する。
Δu1i=f1 (1)
Δu2i=f2 (2)
Δui=g(Δu1i,Δu2i) (3)
ui(k)=ui(k−1)+Δui (4)
なお、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量の制御手法としては、他には、例えば、PID制御などの手法が適用できるが、複数の計測値に基づいて操作量の値を決定する本発明においては、事象をルール化しやすいファジィ制御を用いることが好ましい。
前記ファジィルールは、例えばmin−max法、シングルトン法などを用い、後件部の操作量を決定する。
実際のごみ焼却炉において、燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差に対するボイラ出口における排ガス中のCO濃度の特性を調べた結果を示した図である。 排ガス中のO 濃度と、排ガス中のCO濃度、及び、ガス混合室内ガス温度との特性を調べた結果を示した図である。 本発明に係るごみ焼却炉の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る燃焼室内ガス温度とガス混合室内ガス温度との差の前件部を示す図である。 本発明に係るごみ層厚の前件部を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るガス混合室内ガス温度の前件部を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る制御フローの一例を示す図である。
符号の説明
1 ホッパ
2 燃焼室
3 ガス混合室
4 火格子
5 給塵装置
6 灰落下口
7 ボイラ
8 一次燃焼用空気ブロア
9a,9b,9c,9d 火格子下一次燃焼用空気ダンパ
10 二次燃焼用空気ブロア
11 燃焼制御装置
12 燃焼室内ガス温度計
13 ガス混合室内ガス温度計
14 工業用の炉内監視カメラ(ITV)
15 燃焼室内圧力計
16 中間天井

Claims (10)

  1. 火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、
    燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  2. 火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、
    燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整し、
    さらに、火格子上のごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  3. 燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲よりも低い場合には、燃焼室内の主燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を増やすと共に、乾燥領域及び後燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を減らし、
    燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め定めた範囲よりも高い場合には、燃焼室内の主燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を減らすと共に、乾燥領域及び後燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を増やすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  4. 燃焼室内のガス温度を計測する手段と、
    ガス混合室内のガス温度を計測する手段と、
    前記燃焼室内のガス温度を計測する手段により計測された燃焼室内ガス温度と前記ガス混合室内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御する燃焼制御装置とを備えたことを特徴とする火格子式ごみ焼却炉。
  5. さらに、火格子上のごみ量を計測する手段を備え、
    燃焼制御装置が、前記火格子上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする請求項4に記載の火格子式ごみ焼却炉。
  6. 火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、
    燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整し、
    さらに、ガス混合室内のガス温度に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  7. 火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、
    燃焼室内のガス温度とガス混合室内のガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を調整し、
    さらに、ガス混合室内のガス温度及び火格子上のごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  8. ガス混合室内のガス温度が所定温度よりも低い場合には、燃焼室内の主燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を増やすと共に、乾燥領域及び後燃焼領域に供給する一次燃焼用空気の火格子下空気配分量を減らすことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の火格子式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  9. 燃焼室内のガス温度を計測する手段と、
    ガス混合室内のガス温度を計測する手段と、
    前記燃焼室内のガス温度を計測する手段により計測された燃焼室内ガス温度と前記ガス混合室内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度との差が予め設定された範囲内となるように、給塵速度、火格子速度、一次燃焼用空気の火格子下空気配分量のいずれか1以上を制御し、さらに、前記ガス混合室内のガス温度を計測する手段により計測されたガス混合室内ガス温度に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を制御する燃焼制御装置とを備えたことを特徴とする火格子式ごみ焼却炉。
  10. さらに、火格子上のごみ量を計測する手段を備え、
    燃焼制御装置が、前記火格子上のごみ量を計測する手段により計測されたごみ量に基づいて、給塵速度、火格子速度のいずれか1以上を調整することを特徴とする請求項9に記載の火格子式ごみ焼却炉。
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