JP2004313031A - 加硫ゴムの脱硫方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中性領域で、加硫ゴムの脱硫を効率よく行う方法を提供する。
【解決手段】加硫ゴム粒子を添加したpH5〜8の培養液中でグラム陽性の短桿菌を培養する。加硫ゴム粒子の平均粒径は3mm以下が好ましい。加硫ゴムは天然ゴム、SBR、BRを含むタイヤリサイクルゴムが好ましい。培養温度は10〜45℃が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】加硫ゴム粒子を添加したpH5〜8の培養液中でグラム陽性の短桿菌を培養する。加硫ゴム粒子の平均粒径は3mm以下が好ましい。加硫ゴムは天然ゴム、SBR、BRを含むタイヤリサイクルゴムが好ましい。培養温度は10〜45℃が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃タイヤ等の加硫ゴムの微生物を用いる脱硫方法に関する。本発明により脱硫された加硫ゴムはゴム用充填剤等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
廃タイヤで代表される加硫ゴム廃棄物の再生利用は従来検討されているが、経済的に産業として成立ち難いのが現状である。我国における加硫ゴム廃棄物の再利用方法としては、防舷材としての使用のようにそのままの使用、燃料としての使用、粉末化して固めての使用、各種充填剤としての使用が挙げられる。
【0003】
近年、廃タイヤ由来のスチレンブタジエンゴム(SBR)加硫物を微生物チオバシリ(Thiobacilli)で脱硫し、40日間で全イオウの4.7%が硫酸塩に変換されたことが報告されている(非特許文献1)。また、微生物を用いるくずゴムの表面の脱硫として、ゴム表面のポリスルフィドを酸化して硫酸塩にする方法が報告されている(非特許文献2)。
【0004】
これらの脱硫方法は、何れもpH4以下の酸性領域で行われており、中性領域において微生物を用いる加硫ゴムの脱硫は従来報告されていない。また、微生物による脱硫は、長時間を要し、また脱硫効率が低い問題がある。
【0005】
【非特許文献1】
エム・ロエッファー他;バイオヒドロメタル・テクノル・プロク・イントバイオヒドロメタル シンプ.(M. Loeffer et al.; Biohydrometall. Technol. Proc. Int. Biohydrometall. Symp.,) 2, 673 (1993)
【非特許文献2】
エム・ロエッファー他; カオシュ.グミ ケクンストスト.( M. Loeffer et al.; Kautsch. Gummi Kunstst., ) 48, (6), 454 (1995)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、廃タイヤ等の加硫ゴムの再生利用方法につき各種検討を行っているうちに、グラム陽性の短桿菌を用いると、加硫ゴム表面の脱硫を効率よく行えることを知得した。更に、この短桿菌による脱硫は中性領域で行えることを見出した。従って、本発明の目的とするところは、pHが中性の領域で、加硫ゴムの脱硫を効率よく行う方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
【0008】
〔1〕 加硫ゴム粒子を添加したpH5〜8の培養液中でグラム陽性の短桿菌を培養することを特徴とする加硫ゴムの脱硫方法。
【0009】
〔2〕 加硫ゴム粒子の平均粒径が3mm以下である〔1〕に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
【0010】
〔3〕 加硫ゴムが天然ゴム、SBR、BRを含むタイヤリサイクルゴムである〔1〕に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
【0011】
〔4〕 培養温度が10〜45℃である〔1〕に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において脱硫に付す加硫ゴム粒子は、粒径が3mm以下、好ましくは粒径が2〜0.05mm、より好ましくは粒径が0.3〜0.1mmのものである。 加硫ゴム粒子の形状は特に制限がないが、例えば不定形のものが例示できる。 加硫ゴムの原料は特に制限がないが、廃タイヤ、廃ベルト等の加硫ゴムを粉砕した加硫ゴム粒子が好ましい。具体的には、加硫ゴムをロールで粉砕したロール粉砕粉末ゴム粒子や、鋭利な回転刃によって加硫ゴムを切断したカット粉砕粉末ゴム粒子等が例示でき、これらは粉末ゴムとして市販されているものを使用することができる。
【0013】
例えば、村岡ゴム工業(株)のロール粉砕粉末ゴム製品として、#2080−R、#1530−R、#0720−R、#10TB、#30TB等が、またカット粉砕粉末ゴムとして#1540−c、#1530−c等が例示できる。
【0014】
加硫ゴムの種類としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレン・ジエン3元共重合体(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)等、及びこれらのブレンドゴムが有り、特にNR、SBRが好ましい。
【0015】
本発明の加硫ゴムの脱硫方法においては、上記加硫ゴム粒子を培養液中に浸漬し、グラム陽性の短桿菌を培養することにより、加硫ゴム粒子表面近傍が脱硫される。グラム陽性の短桿菌は、例えば有馬温泉で採取した土壌から分離したものを例示できる。
【0016】
培養液のpHは中性領域が好ましく、pH5〜8がより好ましく、pH6〜8が特に好ましい。培養温度は10〜45℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
【0017】
培養液は特に制限が無く、公知の培養液を使用できる。また、培養期間は、5日以上が好ましく、10〜30日が好ましい。
【0018】
このような条件で短桿菌を培養することにより、加硫ゴム粒子の表面近傍が脱硫され、通常0.3mm以下の加硫ゴム粒子の場合、全加硫イオウの最大15%程度が脱硫される。
【0019】
本脱硫方法により脱硫したゴム粒子(以下脱硫ゴム粒子)は、各種のゴム、プラスチック、エラストマー、無機や有機構造物の充填剤、増量剤等として好適に使用できる。この脱硫ゴムは、その表面近傍のイオウ架橋密度が低くなっているので、充填剤としてゴムに配合する場合、ゴムとのなじみが良く、多量に配合することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1
村岡ゴム工業(株)製ロール粉砕粉末ゴム#30TBを脱硫した。
【0021】
(加硫ゴム粒子)
#30TBは、0.8〜0.336mmの粒径の粒子が57質量%で主成分を成し、0.2mm以下の粒径のものが28質量%であった。見かけ密度は0.36で、イオウの含有量は0.8質量%で、その他の組成は、表1に示すものであった。
【0022】
【表1】
【0023】
(脱硫菌の分離)
加硫ゴム粒子10gと表2の組成の金属溶液2mlとを表3の組成の合成培地1Lに加え、これをオートクレーブで滅菌処理(120℃、20分間)した。滅菌処理後、これに表4の組成のビタミン混合物(0.45μmのメンブランフィルターで濾過して減菌したもの)を1mL添加した。
【0024】
これに有馬温泉で採取した土の細菌を接種した。接種は3回行った。
【0025】
種培養(1回目) 100mlの三角フラスコに入れた20mlの合成培地に1白金耳を接種した。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0026】
培養(2回目) 次いで同様にして2回目の接種を行った。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0027】
培養(3回目) 次いで同様にして3回目の接種行った。これを26℃で10日間回転培養した(240回転/分)。
【0028】
分離された細菌は、グラム陽性の短桿菌であった。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
(脱硫)
加硫ゴム粒子10gと表2の組成の金属溶液2mlとを表3の組成の合成培地1Lに加え、これをオートクレーブで滅菌処理(120℃、20分間)した。滅菌処理後、これに表4の組成のビタミン混合物(0.45μmのメンブランフィルターで濾過して減菌したもの)を1mL添加した。
【0033】
これに有馬温泉で採取した土から分離した細菌を接種した。接種は3回行った。
【0034】
種培養(1回目) 100mlの三角フラスコに入れた20mlの合成培地に1白金耳を接種した。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0035】
培養(2回目) 次いで同様にして2回目の接種を行った。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0036】
培養(3回目) 次いで同様にして3回目の接種行った。これを26℃で10日間回転培養した(240回転/分)。
【0037】
(脱硫ゴムの回収)
上記培養処理した加硫ゴム粒子(脱硫ゴム粒子)を含む培養液を、東洋濾紙No.1を用いて濾過し、濾紙上に濾別された脱硫ゴム粒子を0.85質量%の食塩水1500mlで洗浄した。更に、蒸留水500mlで3回洗浄した。
【0038】
濾紙上の脱硫ゴム粒子をビーカーに移し、これに0.1NのNaOH水溶液を1000ml加え30分間室温で攪拌して付着した菌体を溶解した。次いで、No.1濾紙で脱硫ゴム粒子を濾別し、更に蒸留水で脱硫ゴム粒子を洗浄した。この菌体の溶解除去操作を合計3回繰返し、脱硫ゴム粒子に付着した菌体を完全に溶解除去した。
【0039】
その後、濾紙上の脱硫ゴム粒子を50℃で一晩乾燥させ、乾燥脱硫ゴム粒子(実施品1)を得た。
【0040】
(結果)
(1) 全イオウ量
上記乾燥脱硫ゴム粒子(実施品1)の全イオウ量をJIS K 6350−1976 に従って測定した。また、培養処理前の加硫ゴム粒子(比較品1)中の全イオウ量を同様にして測定した。結果を表5に示した。表5から明らかなように、培養処理により全イオウ量は1.8質量%から1.6質量%に減少した。
【0041】
【表5】
【0042】
(2) 電子顕微鏡観察
実施品1及び比較品1の電子顕微鏡写真を図1に示した。実施品1及び比較品1は定法により表面に金蒸着を行い、日立走査型電子顕微鏡S−530により観察した。図1(b)に示すように、実施品1の表面には明らかに培養した細菌が増殖してコロニーを形成している状態が認められる。これに対し、比較品1の表面には図1(a)に示すようにコロニーは形成されていない。
【0043】
(3) 生育量、pH
表6に培養時間に対する生育量、及び培養液のpHの変化を示す。また、図2に生育曲線を示す。表6から、培養期間中のpHは略中性に保たれ、変動が殆ど無いことが分る。
【0044】
表6及び図2の生育量から、合成培地中で細菌が増殖しており、約2週間で定常期になることが分る。
【0045】
【表6】
【0046】
(配合試験)
上記実施品1を用いてNRに対する配合試験を行った(配合実施品1)。また、上記比較品1を用いて同様にNRに対する配合試験を行った(配合比較品1)。更に、比較のためこれらの充填剤を配合していないものを製造した(無配合比較品1)。混練はロール温度70℃で行った。配合を表7に示す。また、ムーニースコーチ試験、常態試験の結果を併せて表7に示す。更に、キュラストメータ加硫試験(150℃)結果を図3に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
【発明の効果】
本発明においては、グラム陽性の短桿菌を用いて加硫ゴム粒子の脱硫を行うようにしたので、中性pH領域で、効率よく加硫ゴム粒子の表面近傍の脱硫を行うことができる。このようにして製造した脱硫ゴム粒子は、ゴム等の充填剤として有用なものである。更に、加硫ゴム粒子として廃ゴムを原料とするものを用いる場合は、資源がリサイクルできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、培養前の加硫ゴム粒子の表面状態を、(b)は培養後の加硫ゴム粒子の表面状態を示す、図面代用走査電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1の合成培地における細菌の生育量と培養時間の関係を示すグラフである。
【図3】配合試験におけるキュラストメータ加硫試験結果を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃タイヤ等の加硫ゴムの微生物を用いる脱硫方法に関する。本発明により脱硫された加硫ゴムはゴム用充填剤等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
廃タイヤで代表される加硫ゴム廃棄物の再生利用は従来検討されているが、経済的に産業として成立ち難いのが現状である。我国における加硫ゴム廃棄物の再利用方法としては、防舷材としての使用のようにそのままの使用、燃料としての使用、粉末化して固めての使用、各種充填剤としての使用が挙げられる。
【0003】
近年、廃タイヤ由来のスチレンブタジエンゴム(SBR)加硫物を微生物チオバシリ(Thiobacilli)で脱硫し、40日間で全イオウの4.7%が硫酸塩に変換されたことが報告されている(非特許文献1)。また、微生物を用いるくずゴムの表面の脱硫として、ゴム表面のポリスルフィドを酸化して硫酸塩にする方法が報告されている(非特許文献2)。
【0004】
これらの脱硫方法は、何れもpH4以下の酸性領域で行われており、中性領域において微生物を用いる加硫ゴムの脱硫は従来報告されていない。また、微生物による脱硫は、長時間を要し、また脱硫効率が低い問題がある。
【0005】
【非特許文献1】
エム・ロエッファー他;バイオヒドロメタル・テクノル・プロク・イントバイオヒドロメタル シンプ.(M. Loeffer et al.; Biohydrometall. Technol. Proc. Int. Biohydrometall. Symp.,) 2, 673 (1993)
【非特許文献2】
エム・ロエッファー他; カオシュ.グミ ケクンストスト.( M. Loeffer et al.; Kautsch. Gummi Kunstst., ) 48, (6), 454 (1995)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、廃タイヤ等の加硫ゴムの再生利用方法につき各種検討を行っているうちに、グラム陽性の短桿菌を用いると、加硫ゴム表面の脱硫を効率よく行えることを知得した。更に、この短桿菌による脱硫は中性領域で行えることを見出した。従って、本発明の目的とするところは、pHが中性の領域で、加硫ゴムの脱硫を効率よく行う方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
【0008】
〔1〕 加硫ゴム粒子を添加したpH5〜8の培養液中でグラム陽性の短桿菌を培養することを特徴とする加硫ゴムの脱硫方法。
【0009】
〔2〕 加硫ゴム粒子の平均粒径が3mm以下である〔1〕に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
【0010】
〔3〕 加硫ゴムが天然ゴム、SBR、BRを含むタイヤリサイクルゴムである〔1〕に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
【0011】
〔4〕 培養温度が10〜45℃である〔1〕に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において脱硫に付す加硫ゴム粒子は、粒径が3mm以下、好ましくは粒径が2〜0.05mm、より好ましくは粒径が0.3〜0.1mmのものである。 加硫ゴム粒子の形状は特に制限がないが、例えば不定形のものが例示できる。 加硫ゴムの原料は特に制限がないが、廃タイヤ、廃ベルト等の加硫ゴムを粉砕した加硫ゴム粒子が好ましい。具体的には、加硫ゴムをロールで粉砕したロール粉砕粉末ゴム粒子や、鋭利な回転刃によって加硫ゴムを切断したカット粉砕粉末ゴム粒子等が例示でき、これらは粉末ゴムとして市販されているものを使用することができる。
【0013】
例えば、村岡ゴム工業(株)のロール粉砕粉末ゴム製品として、#2080−R、#1530−R、#0720−R、#10TB、#30TB等が、またカット粉砕粉末ゴムとして#1540−c、#1530−c等が例示できる。
【0014】
加硫ゴムの種類としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレン・ジエン3元共重合体(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)等、及びこれらのブレンドゴムが有り、特にNR、SBRが好ましい。
【0015】
本発明の加硫ゴムの脱硫方法においては、上記加硫ゴム粒子を培養液中に浸漬し、グラム陽性の短桿菌を培養することにより、加硫ゴム粒子表面近傍が脱硫される。グラム陽性の短桿菌は、例えば有馬温泉で採取した土壌から分離したものを例示できる。
【0016】
培養液のpHは中性領域が好ましく、pH5〜8がより好ましく、pH6〜8が特に好ましい。培養温度は10〜45℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
【0017】
培養液は特に制限が無く、公知の培養液を使用できる。また、培養期間は、5日以上が好ましく、10〜30日が好ましい。
【0018】
このような条件で短桿菌を培養することにより、加硫ゴム粒子の表面近傍が脱硫され、通常0.3mm以下の加硫ゴム粒子の場合、全加硫イオウの最大15%程度が脱硫される。
【0019】
本脱硫方法により脱硫したゴム粒子(以下脱硫ゴム粒子)は、各種のゴム、プラスチック、エラストマー、無機や有機構造物の充填剤、増量剤等として好適に使用できる。この脱硫ゴムは、その表面近傍のイオウ架橋密度が低くなっているので、充填剤としてゴムに配合する場合、ゴムとのなじみが良く、多量に配合することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1
村岡ゴム工業(株)製ロール粉砕粉末ゴム#30TBを脱硫した。
【0021】
(加硫ゴム粒子)
#30TBは、0.8〜0.336mmの粒径の粒子が57質量%で主成分を成し、0.2mm以下の粒径のものが28質量%であった。見かけ密度は0.36で、イオウの含有量は0.8質量%で、その他の組成は、表1に示すものであった。
【0022】
【表1】
【0023】
(脱硫菌の分離)
加硫ゴム粒子10gと表2の組成の金属溶液2mlとを表3の組成の合成培地1Lに加え、これをオートクレーブで滅菌処理(120℃、20分間)した。滅菌処理後、これに表4の組成のビタミン混合物(0.45μmのメンブランフィルターで濾過して減菌したもの)を1mL添加した。
【0024】
これに有馬温泉で採取した土の細菌を接種した。接種は3回行った。
【0025】
種培養(1回目) 100mlの三角フラスコに入れた20mlの合成培地に1白金耳を接種した。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0026】
培養(2回目) 次いで同様にして2回目の接種を行った。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0027】
培養(3回目) 次いで同様にして3回目の接種行った。これを26℃で10日間回転培養した(240回転/分)。
【0028】
分離された細菌は、グラム陽性の短桿菌であった。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
(脱硫)
加硫ゴム粒子10gと表2の組成の金属溶液2mlとを表3の組成の合成培地1Lに加え、これをオートクレーブで滅菌処理(120℃、20分間)した。滅菌処理後、これに表4の組成のビタミン混合物(0.45μmのメンブランフィルターで濾過して減菌したもの)を1mL添加した。
【0033】
これに有馬温泉で採取した土から分離した細菌を接種した。接種は3回行った。
【0034】
種培養(1回目) 100mlの三角フラスコに入れた20mlの合成培地に1白金耳を接種した。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0035】
培養(2回目) 次いで同様にして2回目の接種を行った。これを26℃で14日間回転培養した(240回転/分)。
【0036】
培養(3回目) 次いで同様にして3回目の接種行った。これを26℃で10日間回転培養した(240回転/分)。
【0037】
(脱硫ゴムの回収)
上記培養処理した加硫ゴム粒子(脱硫ゴム粒子)を含む培養液を、東洋濾紙No.1を用いて濾過し、濾紙上に濾別された脱硫ゴム粒子を0.85質量%の食塩水1500mlで洗浄した。更に、蒸留水500mlで3回洗浄した。
【0038】
濾紙上の脱硫ゴム粒子をビーカーに移し、これに0.1NのNaOH水溶液を1000ml加え30分間室温で攪拌して付着した菌体を溶解した。次いで、No.1濾紙で脱硫ゴム粒子を濾別し、更に蒸留水で脱硫ゴム粒子を洗浄した。この菌体の溶解除去操作を合計3回繰返し、脱硫ゴム粒子に付着した菌体を完全に溶解除去した。
【0039】
その後、濾紙上の脱硫ゴム粒子を50℃で一晩乾燥させ、乾燥脱硫ゴム粒子(実施品1)を得た。
【0040】
(結果)
(1) 全イオウ量
上記乾燥脱硫ゴム粒子(実施品1)の全イオウ量をJIS K 6350−1976 に従って測定した。また、培養処理前の加硫ゴム粒子(比較品1)中の全イオウ量を同様にして測定した。結果を表5に示した。表5から明らかなように、培養処理により全イオウ量は1.8質量%から1.6質量%に減少した。
【0041】
【表5】
【0042】
(2) 電子顕微鏡観察
実施品1及び比較品1の電子顕微鏡写真を図1に示した。実施品1及び比較品1は定法により表面に金蒸着を行い、日立走査型電子顕微鏡S−530により観察した。図1(b)に示すように、実施品1の表面には明らかに培養した細菌が増殖してコロニーを形成している状態が認められる。これに対し、比較品1の表面には図1(a)に示すようにコロニーは形成されていない。
【0043】
(3) 生育量、pH
表6に培養時間に対する生育量、及び培養液のpHの変化を示す。また、図2に生育曲線を示す。表6から、培養期間中のpHは略中性に保たれ、変動が殆ど無いことが分る。
【0044】
表6及び図2の生育量から、合成培地中で細菌が増殖しており、約2週間で定常期になることが分る。
【0045】
【表6】
【0046】
(配合試験)
上記実施品1を用いてNRに対する配合試験を行った(配合実施品1)。また、上記比較品1を用いて同様にNRに対する配合試験を行った(配合比較品1)。更に、比較のためこれらの充填剤を配合していないものを製造した(無配合比較品1)。混練はロール温度70℃で行った。配合を表7に示す。また、ムーニースコーチ試験、常態試験の結果を併せて表7に示す。更に、キュラストメータ加硫試験(150℃)結果を図3に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
【発明の効果】
本発明においては、グラム陽性の短桿菌を用いて加硫ゴム粒子の脱硫を行うようにしたので、中性pH領域で、効率よく加硫ゴム粒子の表面近傍の脱硫を行うことができる。このようにして製造した脱硫ゴム粒子は、ゴム等の充填剤として有用なものである。更に、加硫ゴム粒子として廃ゴムを原料とするものを用いる場合は、資源がリサイクルできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、培養前の加硫ゴム粒子の表面状態を、(b)は培養後の加硫ゴム粒子の表面状態を示す、図面代用走査電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1の合成培地における細菌の生育量と培養時間の関係を示すグラフである。
【図3】配合試験におけるキュラストメータ加硫試験結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 加硫ゴム粒子を添加したpH5〜8の培養液中でグラム陽性の短桿菌を培養することを特徴とする加硫ゴムの脱硫方法。
- 加硫ゴム粒子の平均粒径が3mm以下である請求項1に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
- 加硫ゴムが天然ゴム、SBR、BRを含むタイヤリサイクルゴムである請求項1に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
- 培養温度が10〜45℃である請求項1に記載の加硫ゴムの脱硫方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003108522A JP2004313031A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 加硫ゴムの脱硫方法 |
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| JP2003108522A JP2004313031A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 加硫ゴムの脱硫方法 |
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| JP (1) | JP2004313031A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101173059B (zh) * | 2007-10-11 | 2010-06-09 | 回振有 | 废旧硫化橡胶常压低温化学时效脱硫方法及装置 |
| CN104334585A (zh) * | 2012-10-18 | 2015-02-04 | 迪沃克股份公司 | 用于制备再生橡胶粉的脱硫剂 |
| CN104693565A (zh) * | 2015-02-12 | 2015-06-10 | 北京路德永泰环保科技有限公司 | 一种可稳定存储的复合废胶粉粒子及其制备方法 |
| WO2025033151A1 (ja) | 2023-08-04 | 2025-02-13 | 株式会社ブリヂストン | 加硫ゴムの分解方法 |
-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003108522A patent/JP2004313031A/ja active Pending
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| WO2025033151A1 (ja) | 2023-08-04 | 2025-02-13 | 株式会社ブリヂストン | 加硫ゴムの分解方法 |
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