JP2004332182A - 耐洗濯性に優れた親水性ポリエステル不織布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭での洗濯や病院でのリネン洗濯を繰り返しても耐洗濯性を長期間保持できるポリエステル不織布の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維表面にポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を噴霧する第一段親水処理工程と、得られたポリエステル繊維を100〜220℃の温度で5分〜15分間、熱処理する第一段熱処理工程と、得られたポリエステル繊維を不織布にする不織布化工程と、該不織布を第一段親水工程で使用された親水処理剤と同じ処理剤に浸漬する第二段親水処理と、100〜220℃の温度で5〜15分間、熱処理する第二段熱処理工程を経て親水性ポリエステル不織布を製造する。得られた親水性ポリエステル繊維不織布は、30回洗濯を繰り返しても、洗濯前の約90%程度の親水性能を維持している。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリエステル繊維表面にポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を噴霧する第一段親水処理工程と、得られたポリエステル繊維を100〜220℃の温度で5分〜15分間、熱処理する第一段熱処理工程と、得られたポリエステル繊維を不織布にする不織布化工程と、該不織布を第一段親水工程で使用された親水処理剤と同じ処理剤に浸漬する第二段親水処理と、100〜220℃の温度で5〜15分間、熱処理する第二段熱処理工程を経て親水性ポリエステル不織布を製造する。得られた親水性ポリエステル繊維不織布は、30回洗濯を繰り返しても、洗濯前の約90%程度の親水性能を維持している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性ポリエステル不織布の製造方法、特に水で20〜30回以上の洗濯を繰り返して乾燥しても親水性に優れた耐洗濯性ポリエステル不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】特開2001−303449号公報
従来から親水性ポリエステル不織布の製造方法として、特開2001−303449号公報記載の技術がある。この公知技術によると、図2に示すように、親水処理工程2において、ポリエステル不織布1に対しポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする水性分散液を付与し、次いでそのポリエステル不織布1を熱処理工程3で35℃以上に熱処理することにより親水性ポリエステル不織布4を得ている。
【0003】
前述の親水性ポリエステル不織布は一応優れた親水性を有するが、その不織布をオムツや雑巾など家庭や病院で繰り返し洗濯をする用途にしてみると、水による洗濯回数が増えるに従って、親水性が低下し、30回以上の洗濯には耐えられないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、水による耐洗濯性、特に30回以上洗濯しても親水性が低下しない不織布の製造方法を確立すべく鋭意研究した結果、ポリエステル不織布を特定の親水処理剤で親水処理する前に同じ親水処理剤で処理をすればよいという事実を見出した。すなわち、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする水性分散液でポリエステル不織布に対して繊維製造時及び不織布加工時に2度にわたって親水処理を施すとともに高温熱処理を行うことにより、前記ポリエステル不織布の親水機能を長期間保持できるともに耐洗濯性を向上させることができるという事実を見出し、本発明を完成した。したがって、本発明の課題は、水による家庭での洗濯や病院でのリネン洗濯を繰り返しても、それらの洗濯により親水性が低下しない性能、すなわち耐洗濯性を長期間保持できるポリエステル不織布を製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明は、前記課題を解決するため、ポリエステル繊維表面に、第一段親水処理としてポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を噴霧し、次いで前記ポリエステル繊維を100〜220℃の温度で5分〜15分間の第一段熱処理をした後、不織布にし、得られた不織布を第二段親水処理として前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤に浸漬して、最後に100〜220℃の温度で5〜15分間の第二段熱処理を行うという手段を採用する。
【0006】
前記第一段親水処理においてポリエステル繊維表面にポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤が点在付着するようになる。このポリエステル繊維表面と前記親水処理剤の間に比較的水分が少ないから、そのポリエステル繊維を第一段熱処理すると水分がさらに少なくなるとともに、ポリエステル繊維表面に対して前記親水処理剤が強固に固着する。このポリエステル繊維を不織布にしてから第二段親水処理すると、すでにポリエステル繊維の表面に固着しているポリエステルポリエーテルブロック共重合体が、第二段親水処理において同様に使用される親水処理剤の主成分であるポリエステルポリエーテルブロック共重合体と親和してポリエステル繊維表面に強固に吸引され、ひいてはポリエステル繊維表面の前面に延び広がる。その結果、ポリエステル繊維表面が親水性を有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体で覆われるとともにポリエステル繊維とポリエステルポリエーテルブロック共重合体との固着力が増大し、ひいてはそのポリエステル繊維不織布を耐洗濯性能が従来技術のそれより向上する。
【0007】
本請求項2発明は、前記の課題をより効果的に達成するために、請求項1の手段に加えて、第一段親水処理において前記ポリエステル繊維に対してポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.05〜0.5重量%付与し、第二段親水処理において前記ポリエステル繊維に対してポリエステルポリエーテルブロック共重合体を最終的に0.1〜0.8重量%付与するという手段を採用する。すなわち、第一段親水処理において、ポリエステルホリエーテルブロック共重合体を0.05重量%以上にすることによって、初めて本発明の効果が発揮され、0.5重量%以下にすることによりポリエステル繊維を不織布するとき前記繊維のカード通過性が良好になる。また、第二段親水処理において、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.1重量%以上にすることにより、本発明の課題とする良好な耐洗濯性を与え、0.5重量%以下にすることにより、不織布表面の粘着性を抑制できる。さらにこの態様において好ましくは、第一段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対して前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.1〜0.3重量%付与し、第二段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対してポリエステルポリエーテルブロック共重合体を最終的に0.3〜0.6重量%付与する(請求項3発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら本発明の最も好ましい実施の形態を説明する。図1に示すように、本発明に係る親水性ポリエステル不織布18の製造方法は、ポリエステル繊維トウ11に親水処理剤を噴霧する第一段親水処理工程12、その親水処理工程12で得たポリエステル繊維トウ11を熱処理する第一段熱処理工程13、さらにその工程13で得られたポリエステル繊維トウ11を切断して短繊維とするカット工程14、得られた短繊維をウェブにしてパンチングする不織布化工程15、得られた不織布を親水処理する第二段親水処理工程16および熱処理する第二段熱処理工程17等から構成される。
【0009】
本発明に使用されるポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート屑および市場回収ペットボトル等を原料として公知の溶融紡糸方法にて製造した再生繊維等がある。ポリエステル繊維は中実丸形、中空丸形又は異形断面を有する繊維が使用できるが好ましくは毛細管現象が起こりやすいY形断面を有する繊維が使用される。またポリエステル繊維の中に顔料などの無機物や消臭剤等が分散されていてもよい。
【0010】
第一段親水処理工程12における親水処理剤は、好ましくはポリエステル繊維にスプレー法にて付与されるが、浸漬法、シャワー法にて付与しても差し支えない。第二段親水処理工程16は、前記のいずれかの付与方法で付与させるが、好ましくは浸漬法が親水処理剤をポリエステル繊維の表面に均一に付与するという観点から採用される。
【0011】
第一段熱処理工程13、第二段熱処理工程17はともに熱風乾燥機にて100〜220℃で5〜15分熱処理するが、好ましくは150℃〜220℃で10〜15分熱処理を行って、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体をポリエステル繊維に強固に固着させる。
【0012】
本発明で使用する不織布は公知の方法で製造される。すなわち、カードウェブを使って、ニードルパンチ法又はステッチボンド法で製造される。不織布製造時の目付が200g/m2以上で、不織布の厚みが1mm程度になるようパンチングの回数を多くした方がバイレック吸水長の吸水長が長くなるので好ましい。
【0013】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)Y断面の単糸繊度1.7dtexのポリエチレンテレフタレート捲縮繊維の表面にスプレーにてポリエーテルポリエステルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を0.2重量%付与した(第一段親水処理工程12)後、熱風乾燥機にて150℃、15分乾燥を行い(第一段熱処理工程13)、その後51mmの長さにポリエチレンテレフタレート捲縮繊維をカットして短繊維を得た(カット工程14)。この短繊維をカードウェブにしニードルパンチ法で目付220g/m2のニードルパンチ不織布にし(不織布化工程15)、浸漬法にて前記ポリエーテルポリエステルブロック共重合体親水処理剤を0.5%付与した(第二段親水処理工程16)後、熱風乾燥機にて200℃、5分乾燥を行い(第二段熱処理工程17)、本発明に係る親水性ポリエステル不織布を得た。
【0014】
(比較例1)Y断面の単糸繊度1.7dtexのポリエチレンテレフタレート捲縮糸にスプレーにて実施例1と同様の親水処理剤を0.2%付与した(第一親水処理工程12)後、熱風乾燥機にて150℃、15分乾燥を行い(第一段熱処理工程13)、その後51mmの長さにカットして短繊維を得た(カット工程14)。この短繊維をカードウェブにしニードルパンチ法で220g/m2のニードルパンチを施した不織布を得た(不織布化工程15)。
【0015】
(比較例2)目付220g/m2のコットン不織布を強アルカリにて脱脂を行い、脱脂綿を得た。
【0016】
(洗濯方法)80℃温水(洗い時のみ)、家庭用洗濯洗剤(弱アルカリ性)を基布に対し0.5%、家庭用洗濯機に入れ、洗い15分を行なった後、すすぎを10分行なった。この洗濯条件を1サイクルとして、30回行なった。
【0017】
(バイレック法吸水長)JIS L1907の規定に基づいて前記のようにして得た不織布及びその不織布を所定回数洗濯した後の試料の吸水長さを測定した。測定装置は、図3に示す構造のものを使用した。すなわち、基台25の上に水槽22を設置するとともにその両側に支持枠24を立脚し、その支持枠24に懸架した水平棒20から前記水槽22の水の中まで吊下げた本発明に係る不織布、比較例1及び比較例2で得た不織布を試験片23とし、それらに吸い上げられる水の上昇高さを、試験片23の側において前記水平棒に立て掛けた吸水長測定スケール21で測定する方法で試験片の吸水長を測定した。具体的には、前記不織布の製造時に生産されたたて方向から大きさ200×25mmの試験片23を5枚採取し、次に、水を入れた水槽22の水面上に支えた水平棒20上に試験片23をクリップで固定した後、水平棒20を降下させて、試験片23の下端20mmが水に浸漬するように調整し、そのまま10分間放置した。そして10分間経過後、毛細管現象によって水が試験片23を上昇した高さを1mm単位で測定した。そして、表1の示す測定結果、すなわち吸水長(単位mm)を得た。表1から判るように、本発明法で得られたポリエステル不織布は、洗濯を30回行なっても吸水長は、洗濯前の不織布に比較して約90%維持されているとともに、その効果は比較例のそれらより格段に優れている。なお、上記試験は水で行なったが、生理食塩水(NaCl 0.9%)を用いて同試験を行なった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
以上詳説したように、本発明で得られたポリエステル不織布は、家庭での洗濯や病院でのリネン洗濯を30回以上繰り返しても耐洗濯性を長期保持できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造法のフローチャートを示す。
【図2】従来技術に係るフローチャートを示す。
【図3】バイレック吸水長試験装置の概略正面図である。
【符号の説明】
11:ポリエステル繊維トウ
12:第一段親水処理工程
13:第一段熱処理工程
14:カット工程
15:不織布化工程
16:第二段親水処理工程
17:第二段熱処理工程。
18:親水性ポリエステル不織布
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性ポリエステル不織布の製造方法、特に水で20〜30回以上の洗濯を繰り返して乾燥しても親水性に優れた耐洗濯性ポリエステル不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】特開2001−303449号公報
従来から親水性ポリエステル不織布の製造方法として、特開2001−303449号公報記載の技術がある。この公知技術によると、図2に示すように、親水処理工程2において、ポリエステル不織布1に対しポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする水性分散液を付与し、次いでそのポリエステル不織布1を熱処理工程3で35℃以上に熱処理することにより親水性ポリエステル不織布4を得ている。
【0003】
前述の親水性ポリエステル不織布は一応優れた親水性を有するが、その不織布をオムツや雑巾など家庭や病院で繰り返し洗濯をする用途にしてみると、水による洗濯回数が増えるに従って、親水性が低下し、30回以上の洗濯には耐えられないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、水による耐洗濯性、特に30回以上洗濯しても親水性が低下しない不織布の製造方法を確立すべく鋭意研究した結果、ポリエステル不織布を特定の親水処理剤で親水処理する前に同じ親水処理剤で処理をすればよいという事実を見出した。すなわち、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする水性分散液でポリエステル不織布に対して繊維製造時及び不織布加工時に2度にわたって親水処理を施すとともに高温熱処理を行うことにより、前記ポリエステル不織布の親水機能を長期間保持できるともに耐洗濯性を向上させることができるという事実を見出し、本発明を完成した。したがって、本発明の課題は、水による家庭での洗濯や病院でのリネン洗濯を繰り返しても、それらの洗濯により親水性が低下しない性能、すなわち耐洗濯性を長期間保持できるポリエステル不織布を製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明は、前記課題を解決するため、ポリエステル繊維表面に、第一段親水処理としてポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を噴霧し、次いで前記ポリエステル繊維を100〜220℃の温度で5分〜15分間の第一段熱処理をした後、不織布にし、得られた不織布を第二段親水処理として前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤に浸漬して、最後に100〜220℃の温度で5〜15分間の第二段熱処理を行うという手段を採用する。
【0006】
前記第一段親水処理においてポリエステル繊維表面にポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤が点在付着するようになる。このポリエステル繊維表面と前記親水処理剤の間に比較的水分が少ないから、そのポリエステル繊維を第一段熱処理すると水分がさらに少なくなるとともに、ポリエステル繊維表面に対して前記親水処理剤が強固に固着する。このポリエステル繊維を不織布にしてから第二段親水処理すると、すでにポリエステル繊維の表面に固着しているポリエステルポリエーテルブロック共重合体が、第二段親水処理において同様に使用される親水処理剤の主成分であるポリエステルポリエーテルブロック共重合体と親和してポリエステル繊維表面に強固に吸引され、ひいてはポリエステル繊維表面の前面に延び広がる。その結果、ポリエステル繊維表面が親水性を有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体で覆われるとともにポリエステル繊維とポリエステルポリエーテルブロック共重合体との固着力が増大し、ひいてはそのポリエステル繊維不織布を耐洗濯性能が従来技術のそれより向上する。
【0007】
本請求項2発明は、前記の課題をより効果的に達成するために、請求項1の手段に加えて、第一段親水処理において前記ポリエステル繊維に対してポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.05〜0.5重量%付与し、第二段親水処理において前記ポリエステル繊維に対してポリエステルポリエーテルブロック共重合体を最終的に0.1〜0.8重量%付与するという手段を採用する。すなわち、第一段親水処理において、ポリエステルホリエーテルブロック共重合体を0.05重量%以上にすることによって、初めて本発明の効果が発揮され、0.5重量%以下にすることによりポリエステル繊維を不織布するとき前記繊維のカード通過性が良好になる。また、第二段親水処理において、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.1重量%以上にすることにより、本発明の課題とする良好な耐洗濯性を与え、0.5重量%以下にすることにより、不織布表面の粘着性を抑制できる。さらにこの態様において好ましくは、第一段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対して前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.1〜0.3重量%付与し、第二段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対してポリエステルポリエーテルブロック共重合体を最終的に0.3〜0.6重量%付与する(請求項3発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら本発明の最も好ましい実施の形態を説明する。図1に示すように、本発明に係る親水性ポリエステル不織布18の製造方法は、ポリエステル繊維トウ11に親水処理剤を噴霧する第一段親水処理工程12、その親水処理工程12で得たポリエステル繊維トウ11を熱処理する第一段熱処理工程13、さらにその工程13で得られたポリエステル繊維トウ11を切断して短繊維とするカット工程14、得られた短繊維をウェブにしてパンチングする不織布化工程15、得られた不織布を親水処理する第二段親水処理工程16および熱処理する第二段熱処理工程17等から構成される。
【0009】
本発明に使用されるポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート屑および市場回収ペットボトル等を原料として公知の溶融紡糸方法にて製造した再生繊維等がある。ポリエステル繊維は中実丸形、中空丸形又は異形断面を有する繊維が使用できるが好ましくは毛細管現象が起こりやすいY形断面を有する繊維が使用される。またポリエステル繊維の中に顔料などの無機物や消臭剤等が分散されていてもよい。
【0010】
第一段親水処理工程12における親水処理剤は、好ましくはポリエステル繊維にスプレー法にて付与されるが、浸漬法、シャワー法にて付与しても差し支えない。第二段親水処理工程16は、前記のいずれかの付与方法で付与させるが、好ましくは浸漬法が親水処理剤をポリエステル繊維の表面に均一に付与するという観点から採用される。
【0011】
第一段熱処理工程13、第二段熱処理工程17はともに熱風乾燥機にて100〜220℃で5〜15分熱処理するが、好ましくは150℃〜220℃で10〜15分熱処理を行って、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体をポリエステル繊維に強固に固着させる。
【0012】
本発明で使用する不織布は公知の方法で製造される。すなわち、カードウェブを使って、ニードルパンチ法又はステッチボンド法で製造される。不織布製造時の目付が200g/m2以上で、不織布の厚みが1mm程度になるようパンチングの回数を多くした方がバイレック吸水長の吸水長が長くなるので好ましい。
【0013】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)Y断面の単糸繊度1.7dtexのポリエチレンテレフタレート捲縮繊維の表面にスプレーにてポリエーテルポリエステルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を0.2重量%付与した(第一段親水処理工程12)後、熱風乾燥機にて150℃、15分乾燥を行い(第一段熱処理工程13)、その後51mmの長さにポリエチレンテレフタレート捲縮繊維をカットして短繊維を得た(カット工程14)。この短繊維をカードウェブにしニードルパンチ法で目付220g/m2のニードルパンチ不織布にし(不織布化工程15)、浸漬法にて前記ポリエーテルポリエステルブロック共重合体親水処理剤を0.5%付与した(第二段親水処理工程16)後、熱風乾燥機にて200℃、5分乾燥を行い(第二段熱処理工程17)、本発明に係る親水性ポリエステル不織布を得た。
【0014】
(比較例1)Y断面の単糸繊度1.7dtexのポリエチレンテレフタレート捲縮糸にスプレーにて実施例1と同様の親水処理剤を0.2%付与した(第一親水処理工程12)後、熱風乾燥機にて150℃、15分乾燥を行い(第一段熱処理工程13)、その後51mmの長さにカットして短繊維を得た(カット工程14)。この短繊維をカードウェブにしニードルパンチ法で220g/m2のニードルパンチを施した不織布を得た(不織布化工程15)。
【0015】
(比較例2)目付220g/m2のコットン不織布を強アルカリにて脱脂を行い、脱脂綿を得た。
【0016】
(洗濯方法)80℃温水(洗い時のみ)、家庭用洗濯洗剤(弱アルカリ性)を基布に対し0.5%、家庭用洗濯機に入れ、洗い15分を行なった後、すすぎを10分行なった。この洗濯条件を1サイクルとして、30回行なった。
【0017】
(バイレック法吸水長)JIS L1907の規定に基づいて前記のようにして得た不織布及びその不織布を所定回数洗濯した後の試料の吸水長さを測定した。測定装置は、図3に示す構造のものを使用した。すなわち、基台25の上に水槽22を設置するとともにその両側に支持枠24を立脚し、その支持枠24に懸架した水平棒20から前記水槽22の水の中まで吊下げた本発明に係る不織布、比較例1及び比較例2で得た不織布を試験片23とし、それらに吸い上げられる水の上昇高さを、試験片23の側において前記水平棒に立て掛けた吸水長測定スケール21で測定する方法で試験片の吸水長を測定した。具体的には、前記不織布の製造時に生産されたたて方向から大きさ200×25mmの試験片23を5枚採取し、次に、水を入れた水槽22の水面上に支えた水平棒20上に試験片23をクリップで固定した後、水平棒20を降下させて、試験片23の下端20mmが水に浸漬するように調整し、そのまま10分間放置した。そして10分間経過後、毛細管現象によって水が試験片23を上昇した高さを1mm単位で測定した。そして、表1の示す測定結果、すなわち吸水長(単位mm)を得た。表1から判るように、本発明法で得られたポリエステル不織布は、洗濯を30回行なっても吸水長は、洗濯前の不織布に比較して約90%維持されているとともに、その効果は比較例のそれらより格段に優れている。なお、上記試験は水で行なったが、生理食塩水(NaCl 0.9%)を用いて同試験を行なった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
以上詳説したように、本発明で得られたポリエステル不織布は、家庭での洗濯や病院でのリネン洗濯を30回以上繰り返しても耐洗濯性を長期保持できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造法のフローチャートを示す。
【図2】従来技術に係るフローチャートを示す。
【図3】バイレック吸水長試験装置の概略正面図である。
【符号の説明】
11:ポリエステル繊維トウ
12:第一段親水処理工程
13:第一段熱処理工程
14:カット工程
15:不織布化工程
16:第二段親水処理工程
17:第二段熱処理工程。
18:親水性ポリエステル不織布
Claims (3)
- ポリエステル繊維表面に、第一段親水処理としてポリエステルポリエーテルブロック共重合体を主成分とする親水処理剤を噴霧し、次いで前記ポリエステル繊維を100〜220℃の温度で5分〜15分間の第一段熱処理をした後、不織布にし、第二段親水処理として得られた不織布を前記親水処理剤に浸漬して、最後に100〜220℃の温度で5〜15分間の第二段熱処理を行うことを特徴とする耐洗濯性に優れた親水性ポリエステル不織布の製造方法。
- 前記第一段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対して前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.05〜0.5重量%付与し、前記第二段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対して前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を最終的に0.1〜0.8重量%付与する請求項1記載の耐洗濯性に優れた親水性ポリエステル不織布の製造方法。
- 前記第一段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対して前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を0.1〜0.3重量%付与し、前記第二段親水処理において前記ポリエステル繊維表面に対して前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を最終的に0.3〜0.6重量%付与する請求項1記載の耐洗濯性に優れた親水性ポリエステル不織布の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
| CN105544222A (zh) * | 2016-01-25 | 2016-05-04 | 苏州印丝特纺织数码科技有限公司 | 一种涤纶织物的壳聚糖-聚酯聚醚共聚物亲水整理方法 |
| CN105839411A (zh) * | 2016-05-03 | 2016-08-10 | 盐城工学院 | 用于提高聚酯纤维抗静电性的复配整理剂及整理工艺 |
-
2003
- 2003-05-02 JP JP2003163004A patent/JP2004332182A/ja active Pending
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| CN105839411B (zh) * | 2016-05-03 | 2018-03-02 | 盐城工学院 | 用于提高聚酯纤维抗静电性的复配整理剂及整理工艺 |
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