JP2004332689A - 密閉ケース - Google Patents
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Abstract
【課題】コンプレッサの密閉ケースに関し、密閉ケースの共振に起因する騒音の低減を図る。
【解決手段】天面252及び底面254と、前記天面252及び底面254より大きな曲率を有する側面250と、前記天面252及び底面254と側面250とを結ぶ接続面258とを備えるとともに、前記接続面258に、内側に凸となるリブ272を備えたことにより、接続面258の曲げ剛性が向上し、密閉ケース202の剛性を向上することで、騒音を低減する。
【選択図】 図3
【解決手段】天面252及び底面254と、前記天面252及び底面254より大きな曲率を有する側面250と、前記天面252及び底面254と側面250とを結ぶ接続面258とを備えるとともに、前記接続面258に、内側に凸となるリブ272を備えたことにより、接続面258の曲げ剛性が向上し、密閉ケース202の剛性を向上することで、騒音を低減する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクル等に用いられるコンプレッサの密閉ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍機器の低騒音化の必要性はさらに高まっており、このため、コンプレッサの密閉ケースに関しても種々の改良がなされている。
【0003】
密閉ケースにより低騒音化を図った従来の密閉型電動コンプレッサとしては、ケースを複数の曲面で形成し、曲面同士で形成される稜線を略半径方向と略円周方向に形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図7を参照しながら、従来の密閉ケースについて説明する。図7は、従来のコンプレッサの縦断面図である。
【0005】
図7において、圧縮要素100を収納する密閉ケース110はそれぞれ鉄板を成形して製造される下側部分112と上側部分114とを、ライン116に沿って互いに溶接して構成される。
【0006】
また、ほぼ円筒形状の圧縮要素100を収納した上で、全体寸法を小さくするため、密閉ケース110はほぼ円筒状の側面122と大きな曲率の天面124、底面126を小さな曲率の接続面130、132でつないだ形になっている。さらに、半径稜線140および円周稜線142などで曲面を分割している。
【0007】
以上のように構成された従来のコンプレッサの密閉ケースについて、以下その動作を説明する。
【0008】
圧縮要素100が駆動されると、振動、騒音が発生し、これが加振源となって、密閉ケース110は加振される。
【0009】
ここで一般に、曲率が大きく広い曲面は、曲率が小さく狭い面より剛性が低くなるため、密閉ケース110においては接続面130,132の剛性は高く、側面122、天面124、底面126の剛性は相対的に低くなる。このため、密閉ケース110の振動モードは剛性の低い側面122、天面124、底面126などの面の中央部が腹となって、半径方向に変形する形態となる。
【0010】
このような振動モードによる騒音発生を防止するため、ここで例示している従来の技術においては、例えば側面122、天面124、底面126などの曲率の大きな部分の面積を小さくしたり、曲率をなるべく小さくするなどして、剛性向上を図っている。
【0011】
さらに、曲面を半径稜線140および円周稜線142で複雑に分割することで、個々の曲面の剛性向上を図っている。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−291560号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の構成では、側面122、天面124、底面126などの曲率の大きな部分の面積を小さくするか、曲率を小さくすれば、この部分の剛性は向上するため、曲率の大きな面の中心部が腹となって変形する振動モードに対しては、腹となっている部分の剛性が向上することになる。
【0014】
ところが、密閉ケースの外形寸法がほぼ一定なので、腹となる面の面積が小さく、あるいは曲率が小さくなるほど、これを囲む接続面130,132の面積が広くなり曲率も大きくなるため、接続面130,132の剛性が低下する。
【0015】
従って、腹となる面の剛性自体は向上しても、これを周囲で保持している接続面130,132の剛性が低下し、腹となる面全体が振動するような変形を生じやすくなるため、全体の変形量はそれほど小さくならない。
【0016】
また、同様に曲面を稜線で細分化する場合も、密閉ケースの外形寸法がほぼ一定なので、稜線で分割された曲面同士がなす角度は小さくなるか、分割された曲面の曲率が大きくなるため、分割された曲面と稜線部のいずれかの剛性が低くなる。
【0017】
このように、面積や曲率を小さくして腹となっている面の剛性を向上するか、稜線部で曲面を細分化しても、密閉ケース全体の剛性を大幅に向上することはむずかしい。その結果、密閉ケースの振動モードの周波数を十分に上げられないので、圧縮要素の作動による加振によって密閉ケースが振動し、騒音が発生するという欠点があった。
【0018】
本発明は従来の課題を解決するもので、密閉ケースの剛性が高く密閉ケースの振動に起因する騒音をより効果的に低減できるコンプレッサを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、電動圧縮要素を収納すると共に冷媒を充填する密閉ケースとからなり、前記密閉ケースは鉛直断面において天面及び底面と、前記天面及び底面より大きな曲率を有する側面と、前記天面及び底面と側面とを結ぶ接続面とを備えるとともに、前記接続面に内側に凸となるリブを形成したものであり、接続面は密閉ケースの振動モードの節に位置するので曲げ主体の変形となるが、リブにより接続面の曲げ剛性が向上するので、密閉ケース全体の剛性を向上し、密閉ケースの振動による騒音を低減することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、さらに前記密閉ケースの側面には平面部が形成されるとともに、前記リブを前記平面部の略中心線に対して100度〜260度の少なくとも一方向に配置したものであり、密閉ケースの振動が問題となる振動モードの節の部分に位置するリブにより、曲げ剛性を向上し、前記の振動モードに対する密閉ケースの剛性を高めることで、密閉ケースの振動による騒音を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による密閉ケースの実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるコンプレッサの縦断面図、図2は下側密閉ケースの上面図、図3は図2の下側密閉ケースのA−A断面図、図4は図3のB−B断面図、図5は密閉ケースの振動モードの形態を示す模式図、図6は振動モードに伴う変形の様子を示す模式図である。
【0023】
図1、図2において、コンプレッサ200の密閉ケース202は、上側密閉ケース204と下側密閉ケース206を接合部208で溶接等により密封結合して形成される。密閉ケース202内には、下方に配置された電動モータ210と、上方に配置された圧縮要素212を一体化した電動圧縮要素214がスプリング等の弾性部材216を介して支持されている。電動モータ210は、ロータ220と、ステータ222で構成され、圧縮要素212は、シリンダ224と、軸受226に支持されたクランクシャフト228と、その偏芯部230とピストン232とを連結したコンロッド234等から構成されている。吸入配管236と吐出配管238は密閉ケース202へ溶接等により固定されている。また、吐出配管238は、Dライン240を介して圧縮要素212と連結している。
【0024】
図1から図4において、密閉ケース202は、接合部208を含む略円筒型の側面250と、天面252と、底面254と、側面250と天面252および底面254を小さな曲率でつなぐ接続面256、258とから構成されている。また、側面250の一部に平面部260を設け、平面部260のほぼ中心に電動モータ210に電源を供給するための端子262が取り付けられている。
【0025】
A−A線で示される断面270は、平面部260の中心に対して約120度の方向に位置する。断面270において、側面250の曲率R1は底面254の曲率R2より小さく、いずれも密閉ケース202の半径の平均値に比べて大きい。一方、接続面258の曲率半径R3はこれらより小さくなっている。
【0026】
リブ272は、断面270上の弧に沿って接続面258の一部を内径方向に成型し、接続面258と交差する面276、278を形成したものである。なお、リブ272の深さは、ケースの板厚の1〜4倍程度が望ましい。また、リブ272の形状は、断面270上の弧に沿った長さが断面270に垂直方向の長さより長い方が望ましい。
【0027】
以上のように構成されたコンプレッサにおいて以下その動作を説明する。
【0028】
電動モータ210の回転運動がクランクシャフト228を回転させ、コンロッド234を介してピストン232がシリンダ224内で往復運動することにより、吸入管から導かれた冷媒がシリンダ224内へ導かれ、ピストン232の圧縮作用により圧縮冷媒がDライン240を通り、吐出配管238へ排出される。
【0029】
このため、シリンダ224内で大きな圧力変動を伴うので電動圧縮要素214に大きな振動が発生し、弾性部材216または、Dライン240、吐出配管238を介して密閉ケース202を加振することとなる。また、吸入配管236と、吐出配管238内で圧力脈動が発生し、配管を介して密閉ケース202を加振することとなる。さらに、密閉ケース202内へ開放された吸入冷媒の圧力脈動が直接、密閉ケース202を加振することになる。
【0030】
一般に、密閉ケース202はその形状と剛性による固有の共振周波数と振動モードを有するので、加振力を受けるとこの共振周波数の振動が起こりやすくなる。
【0031】
小型の冷蔵庫用コンプレッサにおける振動モードは、例えば図5に示すように、側面250の多角形状の変形や、天面252、底面254の上下方向の変形など、比較的平坦な曲面の中央部が振動モードの腹となり、接続面256,258は節になる場合が多い。
【0032】
振動モードによる変形を極端に大きくするとすると図6のようになる。すなわち、平坦な面の中央に位置する腹280aが面に垂直な方向281に変形して、280bあるいは280cの状態になる。これに伴って、面自体が矢印282,283の方向に伸びるような変形となる。一方、平坦な面の端に位置する節284、285では、面が伸びるような変形は少ないものの、隣接する腹280の変形の影響で、矢印286,288の方向に曲がる変形がおきる。
【0033】
このように接続面258では曲げ変形が起きるが、リブ272により接続面258とほぼ垂直に交差する面276、278が形成されるので、側面250と底面254の間の曲げに対する剛性が向上する。
【0034】
また、図5において、端子262周辺の平面部260と曲面のつなぎ部分250a,250bと、側面250の曲率が小さい部分250c、250dは、密閉ケース202の側面250において相対的に剛性が低くなる部分である。このため、密閉ケース202は図5に示すような、側面上の位置250a,250d,250eと、250b,250c,250fが交互に略三角形に変形する振動モード290を有する。振動モード290は小型の冷蔵庫用コンプレッサにおいては3kHz程度の共振周波数を持ち、騒音の原因となりやすい。
【0035】
これに対して本発明では、端子262から120度の方向にリブ272を設けることで、振動モード290の3箇所の内、最も変形が小さい腹290cと隣接する接続面258上の位置にリブ272を設けている。
【0036】
変形の大きい腹290a,290bの周辺では接続面258の近傍まで変形が生じており、接続面258には曲げ方向の変形に加え、伸び方向の変形が発生している。リブ272は曲げ変形に対しては剛性を高める効果を有するが、伸び変形に対しては面に弛みがある状態になり、逆に剛性を下げる結果になる。従って、変形の大きい腹の周辺にリブ272を加えて曲げ剛性を向上させても、伸び方向の剛性が若干低下するので、十分に剛性が向上しない。
【0037】
一方、変形の小さい腹290cの傍にリブ272を加えると、伸び方向の変形がわずかであり、曲げ剛性の向上により、密閉ケース202の剛性を効果的に向上させることができる。
【0038】
このように、リブ272を端子の方向に対して100度〜260度の範囲に配置することで、問題となる振動モード290の節の部分に確実に配置することができるので、接続面の曲げ剛性の向上により、密閉ケース202の全体剛性を向上することができ、密閉ケース202の振動に起因する騒音を低減することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、リブ272を1箇所に設けたが、2箇所以上に設けても同様の効果が得ることができる。
【0040】
また、リブ272は凹みにより構成したが、突起によりリブ272を構成しても、ほぼ同様の効果を得ることが出来る。
【0041】
また、接続面の面積を広くして、リブ272により接続面の剛性があげるとともに、側面、天面、底面の面積を小さくすることで、密閉ケース全体の剛性をさらに向上することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明したように請求項1記載の発明は、接続面に内側に凸となるリブを形成したので、接続面部分の曲げ剛性が向上することで、密閉ケースの振動を防止し、騒音を低減することができる。
【0043】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、リブを前記平面部の略中心線に対して100度〜260度の少なくとも一方向に配置したので、問題となる振動モードに対し確実にケースの全体剛性を高めることで、密閉ケースの振動を防止し、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密閉ケースの実施の形態1の縦断面図
【図2】同実施の形態の下側密閉ケースの上面図
【図3】図2のA−A線断面図
【図4】図3のB−B線断面図
【図5】同実施の形態の振動モードを示す模式図
【図6】同実施の形態の変形状態を示す模式図
【図7】従来のコンプレッサの縦断面図
【符号の説明】
202 密閉ケース
214 電動圧縮要素
250 側面
252 天面
254 底面
256、258 接続面
260 平面部
272 リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクル等に用いられるコンプレッサの密閉ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍機器の低騒音化の必要性はさらに高まっており、このため、コンプレッサの密閉ケースに関しても種々の改良がなされている。
【0003】
密閉ケースにより低騒音化を図った従来の密閉型電動コンプレッサとしては、ケースを複数の曲面で形成し、曲面同士で形成される稜線を略半径方向と略円周方向に形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図7を参照しながら、従来の密閉ケースについて説明する。図7は、従来のコンプレッサの縦断面図である。
【0005】
図7において、圧縮要素100を収納する密閉ケース110はそれぞれ鉄板を成形して製造される下側部分112と上側部分114とを、ライン116に沿って互いに溶接して構成される。
【0006】
また、ほぼ円筒形状の圧縮要素100を収納した上で、全体寸法を小さくするため、密閉ケース110はほぼ円筒状の側面122と大きな曲率の天面124、底面126を小さな曲率の接続面130、132でつないだ形になっている。さらに、半径稜線140および円周稜線142などで曲面を分割している。
【0007】
以上のように構成された従来のコンプレッサの密閉ケースについて、以下その動作を説明する。
【0008】
圧縮要素100が駆動されると、振動、騒音が発生し、これが加振源となって、密閉ケース110は加振される。
【0009】
ここで一般に、曲率が大きく広い曲面は、曲率が小さく狭い面より剛性が低くなるため、密閉ケース110においては接続面130,132の剛性は高く、側面122、天面124、底面126の剛性は相対的に低くなる。このため、密閉ケース110の振動モードは剛性の低い側面122、天面124、底面126などの面の中央部が腹となって、半径方向に変形する形態となる。
【0010】
このような振動モードによる騒音発生を防止するため、ここで例示している従来の技術においては、例えば側面122、天面124、底面126などの曲率の大きな部分の面積を小さくしたり、曲率をなるべく小さくするなどして、剛性向上を図っている。
【0011】
さらに、曲面を半径稜線140および円周稜線142で複雑に分割することで、個々の曲面の剛性向上を図っている。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−291560号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の構成では、側面122、天面124、底面126などの曲率の大きな部分の面積を小さくするか、曲率を小さくすれば、この部分の剛性は向上するため、曲率の大きな面の中心部が腹となって変形する振動モードに対しては、腹となっている部分の剛性が向上することになる。
【0014】
ところが、密閉ケースの外形寸法がほぼ一定なので、腹となる面の面積が小さく、あるいは曲率が小さくなるほど、これを囲む接続面130,132の面積が広くなり曲率も大きくなるため、接続面130,132の剛性が低下する。
【0015】
従って、腹となる面の剛性自体は向上しても、これを周囲で保持している接続面130,132の剛性が低下し、腹となる面全体が振動するような変形を生じやすくなるため、全体の変形量はそれほど小さくならない。
【0016】
また、同様に曲面を稜線で細分化する場合も、密閉ケースの外形寸法がほぼ一定なので、稜線で分割された曲面同士がなす角度は小さくなるか、分割された曲面の曲率が大きくなるため、分割された曲面と稜線部のいずれかの剛性が低くなる。
【0017】
このように、面積や曲率を小さくして腹となっている面の剛性を向上するか、稜線部で曲面を細分化しても、密閉ケース全体の剛性を大幅に向上することはむずかしい。その結果、密閉ケースの振動モードの周波数を十分に上げられないので、圧縮要素の作動による加振によって密閉ケースが振動し、騒音が発生するという欠点があった。
【0018】
本発明は従来の課題を解決するもので、密閉ケースの剛性が高く密閉ケースの振動に起因する騒音をより効果的に低減できるコンプレッサを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、電動圧縮要素を収納すると共に冷媒を充填する密閉ケースとからなり、前記密閉ケースは鉛直断面において天面及び底面と、前記天面及び底面より大きな曲率を有する側面と、前記天面及び底面と側面とを結ぶ接続面とを備えるとともに、前記接続面に内側に凸となるリブを形成したものであり、接続面は密閉ケースの振動モードの節に位置するので曲げ主体の変形となるが、リブにより接続面の曲げ剛性が向上するので、密閉ケース全体の剛性を向上し、密閉ケースの振動による騒音を低減することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、さらに前記密閉ケースの側面には平面部が形成されるとともに、前記リブを前記平面部の略中心線に対して100度〜260度の少なくとも一方向に配置したものであり、密閉ケースの振動が問題となる振動モードの節の部分に位置するリブにより、曲げ剛性を向上し、前記の振動モードに対する密閉ケースの剛性を高めることで、密閉ケースの振動による騒音を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による密閉ケースの実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるコンプレッサの縦断面図、図2は下側密閉ケースの上面図、図3は図2の下側密閉ケースのA−A断面図、図4は図3のB−B断面図、図5は密閉ケースの振動モードの形態を示す模式図、図6は振動モードに伴う変形の様子を示す模式図である。
【0023】
図1、図2において、コンプレッサ200の密閉ケース202は、上側密閉ケース204と下側密閉ケース206を接合部208で溶接等により密封結合して形成される。密閉ケース202内には、下方に配置された電動モータ210と、上方に配置された圧縮要素212を一体化した電動圧縮要素214がスプリング等の弾性部材216を介して支持されている。電動モータ210は、ロータ220と、ステータ222で構成され、圧縮要素212は、シリンダ224と、軸受226に支持されたクランクシャフト228と、その偏芯部230とピストン232とを連結したコンロッド234等から構成されている。吸入配管236と吐出配管238は密閉ケース202へ溶接等により固定されている。また、吐出配管238は、Dライン240を介して圧縮要素212と連結している。
【0024】
図1から図4において、密閉ケース202は、接合部208を含む略円筒型の側面250と、天面252と、底面254と、側面250と天面252および底面254を小さな曲率でつなぐ接続面256、258とから構成されている。また、側面250の一部に平面部260を設け、平面部260のほぼ中心に電動モータ210に電源を供給するための端子262が取り付けられている。
【0025】
A−A線で示される断面270は、平面部260の中心に対して約120度の方向に位置する。断面270において、側面250の曲率R1は底面254の曲率R2より小さく、いずれも密閉ケース202の半径の平均値に比べて大きい。一方、接続面258の曲率半径R3はこれらより小さくなっている。
【0026】
リブ272は、断面270上の弧に沿って接続面258の一部を内径方向に成型し、接続面258と交差する面276、278を形成したものである。なお、リブ272の深さは、ケースの板厚の1〜4倍程度が望ましい。また、リブ272の形状は、断面270上の弧に沿った長さが断面270に垂直方向の長さより長い方が望ましい。
【0027】
以上のように構成されたコンプレッサにおいて以下その動作を説明する。
【0028】
電動モータ210の回転運動がクランクシャフト228を回転させ、コンロッド234を介してピストン232がシリンダ224内で往復運動することにより、吸入管から導かれた冷媒がシリンダ224内へ導かれ、ピストン232の圧縮作用により圧縮冷媒がDライン240を通り、吐出配管238へ排出される。
【0029】
このため、シリンダ224内で大きな圧力変動を伴うので電動圧縮要素214に大きな振動が発生し、弾性部材216または、Dライン240、吐出配管238を介して密閉ケース202を加振することとなる。また、吸入配管236と、吐出配管238内で圧力脈動が発生し、配管を介して密閉ケース202を加振することとなる。さらに、密閉ケース202内へ開放された吸入冷媒の圧力脈動が直接、密閉ケース202を加振することになる。
【0030】
一般に、密閉ケース202はその形状と剛性による固有の共振周波数と振動モードを有するので、加振力を受けるとこの共振周波数の振動が起こりやすくなる。
【0031】
小型の冷蔵庫用コンプレッサにおける振動モードは、例えば図5に示すように、側面250の多角形状の変形や、天面252、底面254の上下方向の変形など、比較的平坦な曲面の中央部が振動モードの腹となり、接続面256,258は節になる場合が多い。
【0032】
振動モードによる変形を極端に大きくするとすると図6のようになる。すなわち、平坦な面の中央に位置する腹280aが面に垂直な方向281に変形して、280bあるいは280cの状態になる。これに伴って、面自体が矢印282,283の方向に伸びるような変形となる。一方、平坦な面の端に位置する節284、285では、面が伸びるような変形は少ないものの、隣接する腹280の変形の影響で、矢印286,288の方向に曲がる変形がおきる。
【0033】
このように接続面258では曲げ変形が起きるが、リブ272により接続面258とほぼ垂直に交差する面276、278が形成されるので、側面250と底面254の間の曲げに対する剛性が向上する。
【0034】
また、図5において、端子262周辺の平面部260と曲面のつなぎ部分250a,250bと、側面250の曲率が小さい部分250c、250dは、密閉ケース202の側面250において相対的に剛性が低くなる部分である。このため、密閉ケース202は図5に示すような、側面上の位置250a,250d,250eと、250b,250c,250fが交互に略三角形に変形する振動モード290を有する。振動モード290は小型の冷蔵庫用コンプレッサにおいては3kHz程度の共振周波数を持ち、騒音の原因となりやすい。
【0035】
これに対して本発明では、端子262から120度の方向にリブ272を設けることで、振動モード290の3箇所の内、最も変形が小さい腹290cと隣接する接続面258上の位置にリブ272を設けている。
【0036】
変形の大きい腹290a,290bの周辺では接続面258の近傍まで変形が生じており、接続面258には曲げ方向の変形に加え、伸び方向の変形が発生している。リブ272は曲げ変形に対しては剛性を高める効果を有するが、伸び変形に対しては面に弛みがある状態になり、逆に剛性を下げる結果になる。従って、変形の大きい腹の周辺にリブ272を加えて曲げ剛性を向上させても、伸び方向の剛性が若干低下するので、十分に剛性が向上しない。
【0037】
一方、変形の小さい腹290cの傍にリブ272を加えると、伸び方向の変形がわずかであり、曲げ剛性の向上により、密閉ケース202の剛性を効果的に向上させることができる。
【0038】
このように、リブ272を端子の方向に対して100度〜260度の範囲に配置することで、問題となる振動モード290の節の部分に確実に配置することができるので、接続面の曲げ剛性の向上により、密閉ケース202の全体剛性を向上することができ、密閉ケース202の振動に起因する騒音を低減することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、リブ272を1箇所に設けたが、2箇所以上に設けても同様の効果が得ることができる。
【0040】
また、リブ272は凹みにより構成したが、突起によりリブ272を構成しても、ほぼ同様の効果を得ることが出来る。
【0041】
また、接続面の面積を広くして、リブ272により接続面の剛性があげるとともに、側面、天面、底面の面積を小さくすることで、密閉ケース全体の剛性をさらに向上することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明したように請求項1記載の発明は、接続面に内側に凸となるリブを形成したので、接続面部分の曲げ剛性が向上することで、密閉ケースの振動を防止し、騒音を低減することができる。
【0043】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、リブを前記平面部の略中心線に対して100度〜260度の少なくとも一方向に配置したので、問題となる振動モードに対し確実にケースの全体剛性を高めることで、密閉ケースの振動を防止し、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密閉ケースの実施の形態1の縦断面図
【図2】同実施の形態の下側密閉ケースの上面図
【図3】図2のA−A線断面図
【図4】図3のB−B線断面図
【図5】同実施の形態の振動モードを示す模式図
【図6】同実施の形態の変形状態を示す模式図
【図7】従来のコンプレッサの縦断面図
【符号の説明】
202 密閉ケース
214 電動圧縮要素
250 側面
252 天面
254 底面
256、258 接続面
260 平面部
272 リブ
Claims (2)
- 電動圧縮要素を収納すると共に冷媒を充填する密閉ケースであって、前記密閉ケースは鉛直断面において天面及び底面と、前記天面及び底面より大きな曲率を有する側面と、前記天面及び底面と側面とを結ぶ接続面とを備えるとともに、前記接続面に、内側に凸となるリブを形成した密閉ケース。
- 前記密閉ケースの側面には平面部が形成されるとともに、前記リブを前記平面部の略中心線に対して100度〜260度の少なくとも一方向に配置した密閉ケース。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003133119A JP2004332689A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 密閉ケース |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003133119A JP2004332689A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 密閉ケース |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004332689A true JP2004332689A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33507764
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003133119A Pending JP2004332689A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 密閉ケース |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004332689A (ja) |
-
2003
- 2003-05-12 JP JP2003133119A patent/JP2004332689A/ja active Pending
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