JP2004334007A - 対物レンズユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】対物レンズユニットにおいて、高精度でありながら、容易に製作できるようにする。
【解決手段】対物レンズ群2を固定するとともに、対物レンズ群2と内周面との間に、照明用光路領域8を有する鏡筒3の外周に、雄ねじ部3a、嵌合面3bを設ける。そして、端部に反射面4cを備える管状の暗視野照明ミラー4を嵌合面3bに嵌合させる。暗視野照明ミラー4の内周には、雌ねじ部4a、嵌合面4bが設けられ、それぞれ雄ねじ部3a、嵌合面3bと、螺合および嵌合する。暗視野照明ミラー4の側部には、固定ねじ5が取り付けられ、暗視野照明ミラー4を光軸方向に行こう調整してから、固定ねじ5により鏡筒3と固定できるように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】対物レンズ群2を固定するとともに、対物レンズ群2と内周面との間に、照明用光路領域8を有する鏡筒3の外周に、雄ねじ部3a、嵌合面3bを設ける。そして、端部に反射面4cを備える管状の暗視野照明ミラー4を嵌合面3bに嵌合させる。暗視野照明ミラー4の内周には、雌ねじ部4a、嵌合面4bが設けられ、それぞれ雄ねじ部3a、嵌合面3bと、螺合および嵌合する。暗視野照明ミラー4の側部には、固定ねじ5が取り付けられ、暗視野照明ミラー4を光軸方向に行こう調整してから、固定ねじ5により鏡筒3と固定できるように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズユニット、特に暗視野観察用の照明光路を内蔵する対物レンズユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、暗視野顕微鏡において、対物レンズの外周側に光軸方向に沿って円筒状の照明光を透過させ、標本側に配置した暗視野照明ミラーによりその照明光を反射して標本上に導くようにした対物レンズユニットが知られている(例えば、特許文献1)。
このような暗視野照明ミラーは、例えば放物面からなる反射面を有し、円筒状の平行光からなる照明光が光軸に沿って入射されたとき、光軸上の焦点に集光されるようになっている。その際、光軸上に配置された標本に対して、光軸外から比較的大きな入射角で照射されるようになっているので、暗視野観察を行うための照明が可能となるものである。
【0003】
【特許文献1】
西独国特許出願公開第3425674号明細書(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の対物レンズユニットには以下のような問題があった。
暗視野顕微鏡では、鮮明な観察像を得るために、照明光量の偏りが生じたり、標本の散乱光以外の光が対物レンズに入射したりしないようにする必要がある。そのためには、暗視野照明ミラーの集光位置と対物レンズの焦点位置とを所定の位置関係に厳密に合わせる必要がある。位置合わせ精度は、一般には0.05mm程度以下が必要とされ、高精度に観察するためには、0.01mm程度の精度を有することが望ましい。
特許文献1に記載の技術では、鏡面が鏡筒と一体に設けられているので、観察光学系に対する位置精度は部品の製作誤差および組立誤差の範囲で保証することになる。したがって、部品の製作精度および組立誤差を上記のような精度を満たす範囲に収める必要があった。その結果、高精度の部品製作と部品組立を行わなくてはならず、製作費が高価となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、高精度でありながら、容易に製作できる対物レンズユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、標本の反射光を結像する対物レンズと、該対物レンズを保持するとともにその外周側に略円筒状の照明光を透過させる照明用光路領域を形成する鏡筒部材と、該鏡筒部材の標本側の端部に前記照明光を所定の照明位置に導くべく設置された照明光反射部材とを備える対物レンズユニットであって、前記照明光反射部材と前記鏡筒部材とが相互に嵌合する嵌合面を備え、これらの嵌合面が、前記鏡筒部材に対する前記照明光反射部材の光軸に直交する方向に沿う移動を規制し、光軸方向に沿う移動を可能とするように設けられた構成とする。
この発明によれば、照明光反射部材を設置する際、鏡筒部材と嵌合する嵌合面を有しており、その嵌合面に沿って、光軸に直交する方向に沿う移動を規制しながら光軸方向に沿う移動を行って位置合わせすることができるので、高精度な位置調整を行うことができる。
特に移動させる照明光反射部材を、鏡筒部材の嵌合面の外周側に嵌合するようにすれば、移動時に照明光反射部材の側面が把持しやすくなるので、手作業、機械作業のいずれであっても効率よく調整作業を行うことができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の対物レンズユニットにおいて、前記照明光反射部材または前記鏡筒部材のいずれか一方に、その光軸方向に略沿ったねじ中心軸を有する雄ねじが設けられ、前記照明光反射部材または前記鏡筒部材のいずれか他方に、その光軸方向に略沿ったねじ中心軸を有するとともに、前記雄ねじと螺合可能とされた雌ねじが設けられた構成とする。
この発明によれば、雌ねじと雄ねじとを螺合させて、ねじ込むことにより、照明光反射部材を光軸方向に沿って移動させ、鏡筒部材に対する光軸方向の位置を調整し、その状態を保持することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の対物レンズユニットにおいて、前記鏡筒部材に対して前記照明光反射部材を光軸方向の任意の相対位置において固定する固定手段を備える。
この発明によれば、照明光反射部材の鏡筒部材に対する光軸方向の相対位置を調整して、その状態を固定手段により固定できる。また、固定手段による固定を解除することにより、位置を再調整することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、実施形態が異なる場合でも、同一または相当する部材には同一符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る対物レンズユニット1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る対物レンズユニット1の概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
本実施形態に係る対物レンズユニット1は、例えば暗視野顕微鏡に取り付けて暗視野観察を行うための光学系を内蔵するもので、その概略構成は、対物レンズ群2(対物レンズ)、鏡筒3(鏡筒部材)および暗視野照明ミラー4(照明光反射部材)からなる。図1において、符号6は、不図示の顕微鏡本体から供給される照明光を示す。符号7は、観察対象である標本を示している。
【0010】
対物レンズ群2は、標本7に照射された照明光6の反射光を所定像面に結像するために適宜のレンズを組み合わせて、必要な倍率を得るための対物レンズ光学系をなし、略円筒状のレンズ鏡筒に保持された構成とされている。
鏡筒3は、対物レンズ群2の光軸と同心となるように設けられた略円筒状の保持部材である。そして、鏡筒3の内周面には、径方向内側に延ばされて対物レンズ群2の外周部に接続される保持アーム(不図示)が周方向に適宜個数設けられている。それらにより対物レンズ群2が鏡筒3に固定されている。
また、対物レンズ群2の外周部と鏡筒3の内周部との間には、光軸方向に延びる略円筒状の隙間である照明用光路領域8が形成されている。照明用光路領域8は、その領域内に、光路断面が円環状に整形されて直進する略平行光束である照明光6を光軸に沿って略透過させることができる構成とされている。
鏡筒3の外周面は、対物レンズ群2の光軸と厳密に同心に加工された円筒状の嵌合面3bが設けられている。鏡筒3の標本7側の端部には、嵌合面3bよりも内径側に、光軸方向に略沿うねじ中心軸を有する雄ねじ部3a(雄ねじ)が所定長さ形成されている。
【0011】
暗視野照明ミラー4は、開口円筒の一端側が山形に縮径されてなる管状部材で構成され、その内側には、大径の開口側から、嵌合面4b、雌ねじ部4a(雌ねじ)、反射面4cがこの順に設けられている。そして、大径の開口側の側面には、径方向に貫通された適宜数の固定用雌ねじ部4dが設けられている。
【0012】
嵌合面4bは、鏡筒3の嵌合面3bの外周側に嵌合されて光軸方向および周方向に摺動移動可能とされた円筒面である。
雌ねじ部4aは、光軸方向に略沿うねじ中心軸を有し、嵌合面4bと嵌合面3bとが互いに嵌合した状態で、鏡筒3の雄ねじ部3aと螺合するねじである。雄ねじ部3aにねじ込むことにより、暗視野照明ミラー4を光軸方向に沿う方向に移動させることが可能となっている。
反射面4cは、照明光6が対物レンズ群2の光軸上に集光されるような鏡面であり、対物レンズ群2の光軸上に焦点を有する放物面により構成される。放物面の形状は、反射面4cにより反射された照明光6が、暗視野観察が可能となるように十分に大きな入射角で標本7上に照射される形状とされている。
【0013】
固定用雌ねじ部4dには、同じ呼びねじ径を有する固定ねじ5(固定手段)が螺合されている。固定ねじ5は、どのようなねじでもよいが、例えばすりわりや六角穴などがねじ頭部に設けられた止めねじや小ねじなどを採用することができる。なお、固定用雌ねじ部4dは、固定ねじ5をねじ込んだときの暗視野照明ミラー4や鏡筒3の変形が微小にとどまり、集光性能に影響を与えるほど反射面4cの配置位置がずれたり、鏡面が歪んだりしない位置であれば、大径側の側面のどこに設けてもよい。
【0014】
本実施形態に係る対物レンズユニット1の組立工程について簡単に説明する。
固定ねじ5を、嵌合面4bの内周側に突出しないように径方向外側に後退させておき、対物レンズ群2が固定された鏡筒3に、暗視野照明ミラー4を嵌合させていく。
まず嵌合面3bと嵌合面4bとが嵌合され、それら嵌合面に沿って嵌合を進めると、雄ねじ部3aと雌ねじ部4aとが螺合可能となるので、それから、暗視野照明ミラー4を鏡筒3にねじ込み、光軸方向に移動させる。
この状態で、例えば適宜の調整治具などに取り付け、顕微鏡に取り付けた時と同様に照明光6を入射する。調整治具には、標本7の配置位置に、例えば光センサを配置しておき、暗視野照明ミラー4を鏡筒3に対して回転させながら、標本面上の光量分布を計測し、所望の光量分布が得られるまで、光軸方向の位置調整を行う。
そして、最適位置が決まったら、固定ねじ5を径方向内側にねじ込み、鏡筒3と暗視野照明ミラー4と固定する。必要ならば、位置ずれ防止のため、ねじロック剤や接着剤などを併用して位置ずれを防止する。
【0015】
このような組立工程によれば、嵌合面3b、4bにより光軸に直交する方向の移動が規制された状態で光軸方向の位置調整が容易に行える。特に、調整時に回転させる暗視野照明ミラー4が鏡筒3の外周側に嵌合されているので、適宜のチャック治具などで外側から容易にチャックできるから、暗視野照明ミラー4を回転する際の作業性が向上できるという利点がある。チャック治具は手作業で回転させてもよいし、精密モータなどにより自動送りしてもよい。
また、固定ねじ5で固定するので、調整が不十分と判断されれば、固定ねじ5を緩めて固定を解除し、再調整することができるという利点がある。
また、雄ねじ部3aと雌ねじ部4aとを螺合させて、光軸方向に沿う移動を行うので、光軸方向に連続して所望量だけ移動させることができるから、例えば、光軸方向にスペーサを挿着して位置調整する場合に比べて、作業時間が短縮でき、しかも高精度に調整できるという利点がある。
このように、本実施形態の対物レンズユニット1は、手作業の調整および機械調整のいずれにおいても容易かつ高精度の調整して組み立てることが可能となるという利点がある。
【0016】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図2は、本発明の実施形態の変形例に係る対物レンズユニット10の概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
本変形例の対物レンズユニット10は、対物レンズユニット1の鏡筒3、暗視野照明ミラー4、固定ねじ5に代えて、それぞれ鏡筒30、暗視野照明ミラー40、押えねじ9(固定手段)を備えてなる。
以下、対物レンズユニット1と異なる点を中心に簡単に説明する。
【0017】
鏡筒30は、鏡筒3と略同様の円筒形状を有し、標本側の端部には雄ねじ部3aが設けられている。一方、嵌合面3bに相当する外周部は標本側から嵌合面30b、固定用雄ねじ部30cが形成されている。
嵌合面30bは、嵌合面3bと同様に嵌合面4bと嵌合する円筒面である。
固定用雄ねじ部30cは、嵌合面30bに続けて標本側と反対側に設けられた光軸方向に略沿うねじ中心軸を有する雄ねじからなる。固定用雄ねじ部30cの呼びねじ径は、嵌合面30bの外径よりも大きくても小さくてもどちらでもよい。
【0018】
暗視野照明ミラー40は、暗視野照明ミラー4と略同様な形状を有するが、大径の開口側の内周面に、鏡筒3の外周面と嵌合されたとき、固定用雄ねじ部30cとの干渉を避けるための逃げ部40cが設けられている点のみが暗視野照明ミラー4と異なる。
【0019】
押えねじ9は、内周に固定用雄ねじ部30cと螺合する雌ねじ部9aが設けられた円環状の部材である。そして、暗視野照明ミラー40の外径より大きい外径を有することにより、軸方向の端面の一方である押え面9bが暗視野照明ミラー40の大径の開口部の端面に当接可能とされている。
【0020】
本変形例によれば、暗視野照明ミラー40を暗視野照明ミラー4と同様に光軸方向に移動させて位置調整を行うことができる。そして、調整位置が決定したら、押えねじ9を固定用雄ねじ部30cにねじ込んで押え面9bにより暗視野照明ミラー40を標本側に押圧することにより、暗視野照明ミラー40の位置を固定することができる。
その際、固定ねじ5と同様に鏡筒3の外側から容易に操作して固定できるという利点がある。
そして、押圧方向が光軸方向に沿っているので、固定時に暗視野照明ミラー40を光軸に直交する方向に押圧する力が働かないから、比較的大きな荷重で固定しても光軸直角方向の位置ずれや反射面4cの変形などが起こりにくい。その結果、高精度でありながらより強固な固定が可能となるという利点がある。
【0021】
なお、本変形例では、押えねじ9と暗視野照明ミラー40とを直に当接させるとして説明したが、押えねじ9の回転力が暗視野照明ミラー40に伝達されないように、押えねじ9と暗視野照明ミラー40との間に、周方向に高摺動性を有する複数の平ワッシャや波形ワッシャなどの緩衝部材を介して固定してもよい。
【0022】
なお、上記の説明では、固定手段がねじであるとして説明したが、照明光反射部材と鏡筒部材とを固定できる手段であれば、ねじに限定されるものではない。
【0023】
また、上記の説明では、いずれも固定手段を設ける例で説明したが、調整のやり直しを行う必要がなければ、固定手段を設けず、例えば接着剤などの液状硬化剤などにより鏡筒部材と照明光反射部材とを直に固定してもよい。そうすれば、部品点数が低減でき、固定時に鏡筒部材や照明光反射部材に応力がかからないのでより高精度に固定することができるという利点がある。
【0024】
また、上記の説明では、照明光反射部材の嵌合面を鏡筒部材の嵌合面の外周側に嵌合させる例で説明したが、鏡筒部材の内周側に照明光反射部材の外周側が嵌合するように嵌合面を設けてもよい。
【0025】
また、上記の説明では、照明光反射部材と鏡筒部材とを、それぞれの雌ねじ、雄ねじにより螺合させ、それにより光軸方向に沿う移動を行う例で説明したが、例えば、照明光反射部材を組立治具で保持して嵌合面に沿って移動させ、調整位置が決まったら、そのまま固定するようにしてもよい。また、雄ねじ、雌ねじの代わりに、螺旋状の案内溝や、溝カムなどを設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、嵌合面に沿って、光軸に直交する方向の移動を規制しながら光軸方向に沿う移動を行って位置調整を行うことができるので、高精度な位置調整が容易に行えるという効果を奏する。
【0027】
請求項2に記載の発明では、照明光反射部材を光軸方向に沿って移動させ、鏡筒部材に対する光軸方向の位置を調整し、その状態を保持することができるから、照明光反射部材を容易に移動させることができ、調整を簡単に行うこともできるという効果を奏する。
【0028】
請求項3に記載の発明では、固定手段により照明光反射部材を鏡筒部材に対して光軸方向の任意の相対位置に固定できるから、調整位置をより確実に保持することができ、しかも固定を解除することにより、位置の再調整をすることができるので、高精度な調整が容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る対物レンズユニットの概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
【図2】本発明の実施形態の変形例に係る対物レンズユニットの概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
【符号の説明】
1、10 対物レンズユニット
2 対物レンズ群(対物レンズ)
3、30 鏡筒(鏡筒部材)
3a 雄ねじ部(雄ねじ)
3b、4b、30b 嵌合面
4、40 暗視野照明ミラー(照明光反射部材)
4a 雌ねじ部(雌ねじ)
4c 反射面
5 固定ねじ(固定手段)
8 照明用光路領域
9 押えねじ(固定手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズユニット、特に暗視野観察用の照明光路を内蔵する対物レンズユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、暗視野顕微鏡において、対物レンズの外周側に光軸方向に沿って円筒状の照明光を透過させ、標本側に配置した暗視野照明ミラーによりその照明光を反射して標本上に導くようにした対物レンズユニットが知られている(例えば、特許文献1)。
このような暗視野照明ミラーは、例えば放物面からなる反射面を有し、円筒状の平行光からなる照明光が光軸に沿って入射されたとき、光軸上の焦点に集光されるようになっている。その際、光軸上に配置された標本に対して、光軸外から比較的大きな入射角で照射されるようになっているので、暗視野観察を行うための照明が可能となるものである。
【0003】
【特許文献1】
西独国特許出願公開第3425674号明細書(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の対物レンズユニットには以下のような問題があった。
暗視野顕微鏡では、鮮明な観察像を得るために、照明光量の偏りが生じたり、標本の散乱光以外の光が対物レンズに入射したりしないようにする必要がある。そのためには、暗視野照明ミラーの集光位置と対物レンズの焦点位置とを所定の位置関係に厳密に合わせる必要がある。位置合わせ精度は、一般には0.05mm程度以下が必要とされ、高精度に観察するためには、0.01mm程度の精度を有することが望ましい。
特許文献1に記載の技術では、鏡面が鏡筒と一体に設けられているので、観察光学系に対する位置精度は部品の製作誤差および組立誤差の範囲で保証することになる。したがって、部品の製作精度および組立誤差を上記のような精度を満たす範囲に収める必要があった。その結果、高精度の部品製作と部品組立を行わなくてはならず、製作費が高価となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、高精度でありながら、容易に製作できる対物レンズユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、標本の反射光を結像する対物レンズと、該対物レンズを保持するとともにその外周側に略円筒状の照明光を透過させる照明用光路領域を形成する鏡筒部材と、該鏡筒部材の標本側の端部に前記照明光を所定の照明位置に導くべく設置された照明光反射部材とを備える対物レンズユニットであって、前記照明光反射部材と前記鏡筒部材とが相互に嵌合する嵌合面を備え、これらの嵌合面が、前記鏡筒部材に対する前記照明光反射部材の光軸に直交する方向に沿う移動を規制し、光軸方向に沿う移動を可能とするように設けられた構成とする。
この発明によれば、照明光反射部材を設置する際、鏡筒部材と嵌合する嵌合面を有しており、その嵌合面に沿って、光軸に直交する方向に沿う移動を規制しながら光軸方向に沿う移動を行って位置合わせすることができるので、高精度な位置調整を行うことができる。
特に移動させる照明光反射部材を、鏡筒部材の嵌合面の外周側に嵌合するようにすれば、移動時に照明光反射部材の側面が把持しやすくなるので、手作業、機械作業のいずれであっても効率よく調整作業を行うことができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の対物レンズユニットにおいて、前記照明光反射部材または前記鏡筒部材のいずれか一方に、その光軸方向に略沿ったねじ中心軸を有する雄ねじが設けられ、前記照明光反射部材または前記鏡筒部材のいずれか他方に、その光軸方向に略沿ったねじ中心軸を有するとともに、前記雄ねじと螺合可能とされた雌ねじが設けられた構成とする。
この発明によれば、雌ねじと雄ねじとを螺合させて、ねじ込むことにより、照明光反射部材を光軸方向に沿って移動させ、鏡筒部材に対する光軸方向の位置を調整し、その状態を保持することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の対物レンズユニットにおいて、前記鏡筒部材に対して前記照明光反射部材を光軸方向の任意の相対位置において固定する固定手段を備える。
この発明によれば、照明光反射部材の鏡筒部材に対する光軸方向の相対位置を調整して、その状態を固定手段により固定できる。また、固定手段による固定を解除することにより、位置を再調整することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、実施形態が異なる場合でも、同一または相当する部材には同一符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る対物レンズユニット1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る対物レンズユニット1の概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
本実施形態に係る対物レンズユニット1は、例えば暗視野顕微鏡に取り付けて暗視野観察を行うための光学系を内蔵するもので、その概略構成は、対物レンズ群2(対物レンズ)、鏡筒3(鏡筒部材)および暗視野照明ミラー4(照明光反射部材)からなる。図1において、符号6は、不図示の顕微鏡本体から供給される照明光を示す。符号7は、観察対象である標本を示している。
【0010】
対物レンズ群2は、標本7に照射された照明光6の反射光を所定像面に結像するために適宜のレンズを組み合わせて、必要な倍率を得るための対物レンズ光学系をなし、略円筒状のレンズ鏡筒に保持された構成とされている。
鏡筒3は、対物レンズ群2の光軸と同心となるように設けられた略円筒状の保持部材である。そして、鏡筒3の内周面には、径方向内側に延ばされて対物レンズ群2の外周部に接続される保持アーム(不図示)が周方向に適宜個数設けられている。それらにより対物レンズ群2が鏡筒3に固定されている。
また、対物レンズ群2の外周部と鏡筒3の内周部との間には、光軸方向に延びる略円筒状の隙間である照明用光路領域8が形成されている。照明用光路領域8は、その領域内に、光路断面が円環状に整形されて直進する略平行光束である照明光6を光軸に沿って略透過させることができる構成とされている。
鏡筒3の外周面は、対物レンズ群2の光軸と厳密に同心に加工された円筒状の嵌合面3bが設けられている。鏡筒3の標本7側の端部には、嵌合面3bよりも内径側に、光軸方向に略沿うねじ中心軸を有する雄ねじ部3a(雄ねじ)が所定長さ形成されている。
【0011】
暗視野照明ミラー4は、開口円筒の一端側が山形に縮径されてなる管状部材で構成され、その内側には、大径の開口側から、嵌合面4b、雌ねじ部4a(雌ねじ)、反射面4cがこの順に設けられている。そして、大径の開口側の側面には、径方向に貫通された適宜数の固定用雌ねじ部4dが設けられている。
【0012】
嵌合面4bは、鏡筒3の嵌合面3bの外周側に嵌合されて光軸方向および周方向に摺動移動可能とされた円筒面である。
雌ねじ部4aは、光軸方向に略沿うねじ中心軸を有し、嵌合面4bと嵌合面3bとが互いに嵌合した状態で、鏡筒3の雄ねじ部3aと螺合するねじである。雄ねじ部3aにねじ込むことにより、暗視野照明ミラー4を光軸方向に沿う方向に移動させることが可能となっている。
反射面4cは、照明光6が対物レンズ群2の光軸上に集光されるような鏡面であり、対物レンズ群2の光軸上に焦点を有する放物面により構成される。放物面の形状は、反射面4cにより反射された照明光6が、暗視野観察が可能となるように十分に大きな入射角で標本7上に照射される形状とされている。
【0013】
固定用雌ねじ部4dには、同じ呼びねじ径を有する固定ねじ5(固定手段)が螺合されている。固定ねじ5は、どのようなねじでもよいが、例えばすりわりや六角穴などがねじ頭部に設けられた止めねじや小ねじなどを採用することができる。なお、固定用雌ねじ部4dは、固定ねじ5をねじ込んだときの暗視野照明ミラー4や鏡筒3の変形が微小にとどまり、集光性能に影響を与えるほど反射面4cの配置位置がずれたり、鏡面が歪んだりしない位置であれば、大径側の側面のどこに設けてもよい。
【0014】
本実施形態に係る対物レンズユニット1の組立工程について簡単に説明する。
固定ねじ5を、嵌合面4bの内周側に突出しないように径方向外側に後退させておき、対物レンズ群2が固定された鏡筒3に、暗視野照明ミラー4を嵌合させていく。
まず嵌合面3bと嵌合面4bとが嵌合され、それら嵌合面に沿って嵌合を進めると、雄ねじ部3aと雌ねじ部4aとが螺合可能となるので、それから、暗視野照明ミラー4を鏡筒3にねじ込み、光軸方向に移動させる。
この状態で、例えば適宜の調整治具などに取り付け、顕微鏡に取り付けた時と同様に照明光6を入射する。調整治具には、標本7の配置位置に、例えば光センサを配置しておき、暗視野照明ミラー4を鏡筒3に対して回転させながら、標本面上の光量分布を計測し、所望の光量分布が得られるまで、光軸方向の位置調整を行う。
そして、最適位置が決まったら、固定ねじ5を径方向内側にねじ込み、鏡筒3と暗視野照明ミラー4と固定する。必要ならば、位置ずれ防止のため、ねじロック剤や接着剤などを併用して位置ずれを防止する。
【0015】
このような組立工程によれば、嵌合面3b、4bにより光軸に直交する方向の移動が規制された状態で光軸方向の位置調整が容易に行える。特に、調整時に回転させる暗視野照明ミラー4が鏡筒3の外周側に嵌合されているので、適宜のチャック治具などで外側から容易にチャックできるから、暗視野照明ミラー4を回転する際の作業性が向上できるという利点がある。チャック治具は手作業で回転させてもよいし、精密モータなどにより自動送りしてもよい。
また、固定ねじ5で固定するので、調整が不十分と判断されれば、固定ねじ5を緩めて固定を解除し、再調整することができるという利点がある。
また、雄ねじ部3aと雌ねじ部4aとを螺合させて、光軸方向に沿う移動を行うので、光軸方向に連続して所望量だけ移動させることができるから、例えば、光軸方向にスペーサを挿着して位置調整する場合に比べて、作業時間が短縮でき、しかも高精度に調整できるという利点がある。
このように、本実施形態の対物レンズユニット1は、手作業の調整および機械調整のいずれにおいても容易かつ高精度の調整して組み立てることが可能となるという利点がある。
【0016】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図2は、本発明の実施形態の変形例に係る対物レンズユニット10の概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
本変形例の対物レンズユニット10は、対物レンズユニット1の鏡筒3、暗視野照明ミラー4、固定ねじ5に代えて、それぞれ鏡筒30、暗視野照明ミラー40、押えねじ9(固定手段)を備えてなる。
以下、対物レンズユニット1と異なる点を中心に簡単に説明する。
【0017】
鏡筒30は、鏡筒3と略同様の円筒形状を有し、標本側の端部には雄ねじ部3aが設けられている。一方、嵌合面3bに相当する外周部は標本側から嵌合面30b、固定用雄ねじ部30cが形成されている。
嵌合面30bは、嵌合面3bと同様に嵌合面4bと嵌合する円筒面である。
固定用雄ねじ部30cは、嵌合面30bに続けて標本側と反対側に設けられた光軸方向に略沿うねじ中心軸を有する雄ねじからなる。固定用雄ねじ部30cの呼びねじ径は、嵌合面30bの外径よりも大きくても小さくてもどちらでもよい。
【0018】
暗視野照明ミラー40は、暗視野照明ミラー4と略同様な形状を有するが、大径の開口側の内周面に、鏡筒3の外周面と嵌合されたとき、固定用雄ねじ部30cとの干渉を避けるための逃げ部40cが設けられている点のみが暗視野照明ミラー4と異なる。
【0019】
押えねじ9は、内周に固定用雄ねじ部30cと螺合する雌ねじ部9aが設けられた円環状の部材である。そして、暗視野照明ミラー40の外径より大きい外径を有することにより、軸方向の端面の一方である押え面9bが暗視野照明ミラー40の大径の開口部の端面に当接可能とされている。
【0020】
本変形例によれば、暗視野照明ミラー40を暗視野照明ミラー4と同様に光軸方向に移動させて位置調整を行うことができる。そして、調整位置が決定したら、押えねじ9を固定用雄ねじ部30cにねじ込んで押え面9bにより暗視野照明ミラー40を標本側に押圧することにより、暗視野照明ミラー40の位置を固定することができる。
その際、固定ねじ5と同様に鏡筒3の外側から容易に操作して固定できるという利点がある。
そして、押圧方向が光軸方向に沿っているので、固定時に暗視野照明ミラー40を光軸に直交する方向に押圧する力が働かないから、比較的大きな荷重で固定しても光軸直角方向の位置ずれや反射面4cの変形などが起こりにくい。その結果、高精度でありながらより強固な固定が可能となるという利点がある。
【0021】
なお、本変形例では、押えねじ9と暗視野照明ミラー40とを直に当接させるとして説明したが、押えねじ9の回転力が暗視野照明ミラー40に伝達されないように、押えねじ9と暗視野照明ミラー40との間に、周方向に高摺動性を有する複数の平ワッシャや波形ワッシャなどの緩衝部材を介して固定してもよい。
【0022】
なお、上記の説明では、固定手段がねじであるとして説明したが、照明光反射部材と鏡筒部材とを固定できる手段であれば、ねじに限定されるものではない。
【0023】
また、上記の説明では、いずれも固定手段を設ける例で説明したが、調整のやり直しを行う必要がなければ、固定手段を設けず、例えば接着剤などの液状硬化剤などにより鏡筒部材と照明光反射部材とを直に固定してもよい。そうすれば、部品点数が低減でき、固定時に鏡筒部材や照明光反射部材に応力がかからないのでより高精度に固定することができるという利点がある。
【0024】
また、上記の説明では、照明光反射部材の嵌合面を鏡筒部材の嵌合面の外周側に嵌合させる例で説明したが、鏡筒部材の内周側に照明光反射部材の外周側が嵌合するように嵌合面を設けてもよい。
【0025】
また、上記の説明では、照明光反射部材と鏡筒部材とを、それぞれの雌ねじ、雄ねじにより螺合させ、それにより光軸方向に沿う移動を行う例で説明したが、例えば、照明光反射部材を組立治具で保持して嵌合面に沿って移動させ、調整位置が決まったら、そのまま固定するようにしてもよい。また、雄ねじ、雌ねじの代わりに、螺旋状の案内溝や、溝カムなどを設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、嵌合面に沿って、光軸に直交する方向の移動を規制しながら光軸方向に沿う移動を行って位置調整を行うことができるので、高精度な位置調整が容易に行えるという効果を奏する。
【0027】
請求項2に記載の発明では、照明光反射部材を光軸方向に沿って移動させ、鏡筒部材に対する光軸方向の位置を調整し、その状態を保持することができるから、照明光反射部材を容易に移動させることができ、調整を簡単に行うこともできるという効果を奏する。
【0028】
請求項3に記載の発明では、固定手段により照明光反射部材を鏡筒部材に対して光軸方向の任意の相対位置に固定できるから、調整位置をより確実に保持することができ、しかも固定を解除することにより、位置の再調整をすることができるので、高精度な調整が容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る対物レンズユニットの概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
【図2】本発明の実施形態の変形例に係る対物レンズユニットの概略構成を説明するための光軸を含む方向の断面説明図である。
【符号の説明】
1、10 対物レンズユニット
2 対物レンズ群(対物レンズ)
3、30 鏡筒(鏡筒部材)
3a 雄ねじ部(雄ねじ)
3b、4b、30b 嵌合面
4、40 暗視野照明ミラー(照明光反射部材)
4a 雌ねじ部(雌ねじ)
4c 反射面
5 固定ねじ(固定手段)
8 照明用光路領域
9 押えねじ(固定手段)
Claims (3)
- 標本の反射光を結像する対物レンズと、該対物レンズを保持するとともにその外周側に略円筒状の照明光を透過させる照明用光路領域を形成する鏡筒部材と、該鏡筒部材の標本側の端部に前記照明光を所定の照明位置に導くべく設置された照明光反射部材とを備える対物レンズユニットであって、
前記照明光反射部材と前記鏡筒部材とが相互に嵌合する嵌合面を備え、
これらの嵌合面が、前記鏡筒部材に対する前記照明光反射部材の光軸に直交する方向に沿う移動を規制し、光軸方向に沿う移動を可能とするように設けられたことを特徴とする対物レンズユニット。 - 前記照明光反射部材または前記鏡筒部材のいずれか一方に、その光軸方向に略沿ったねじ中心軸を有する雄ねじが設けられ、
前記照明光反射部材または前記鏡筒部材のいずれか他方に、その光軸方向に略沿ったねじ中心軸を有するとともに、前記雄ねじと螺合可能とされた雌ねじが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズユニット。 - 前記鏡筒部材に対して前記照明光反射部材を光軸方向の任意の相対位置において固定する固定手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズユニット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003131656A JP2004334007A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 対物レンズユニット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003131656A JP2004334007A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 対物レンズユニット |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004334007A true JP2004334007A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506777
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003131656A Pending JP2004334007A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 対物レンズユニット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004334007A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100638891B1 (ko) | 2005-10-11 | 2006-10-27 | 삼성전기주식회사 | 렌즈 초점 조정용 노브 |
| JP2010151980A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Mitaka Koki Co Ltd | 太陽光集光システム |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131656A patent/JP2004334007A/ja active Pending
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