JP2004335579A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止されてなる発光装置であり、封止材に4価のMnが発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEuが発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させた発光装置、並びに半導体発光素子からの発光光の光路上に4価のMnが発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEuが発光イオンをなす赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置。
【効果】本発明の発光装置は、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光でき、広い赤色域を発光できる演色性のよい発光装置である。また、緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して上記波長の光を発光する半導体発光素子からの光により蛍光体を発光させて白色若しくは中間色を表示する場合、微妙な色合いをより精密に再現性よく表示することができる。
【選択図】 なし
【効果】本発明の発光装置は、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光でき、広い赤色域を発光できる演色性のよい発光装置である。また、緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して上記波長の光を発光する半導体発光素子からの光により蛍光体を発光させて白色若しくは中間色を表示する場合、微妙な色合いをより精密に再現性よく表示することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、350〜420nmの長波長紫外線又は短波長可視光線により励起され赤色に発光する赤色発光蛍光体、その製造方法及びその赤色発光蛍光体を用いた発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、光を放射する半導体発光素子であり、電気エネルギーを紫外光、可視光、赤外光などに変換するものである。例えば、可視光を利用するものとしては、GaP、GaAsP、GaAlAs等の発光材料で形成した半導体発光素子があり、これらを透明樹脂等で封止したLEDランプが広く使用されている。また、発光材料をプリント基板や金属リードの上面に固定し、数字や文字をかたどった透明樹脂ケースで封止したディスプレイ型のLEDランプなども多用されている。
【0003】
また、発光ダイオードは半導体素子であるため、寿命が長く、信頼性も高く、光源として用いた場合には、その交換作業も軽減できることから、携帯通信機器、パーソナルコンピュータ周辺機器、OA機器、家庭用電気機器、オーディオ機器、各種スイッチ、バックライト用光源、掲示板等の各種表示装置などの構成部品として広く使用されている。
【0004】
このようなLEDランプは、各種の蛍光体粉末を半導体発光素子を封止する透明樹脂中に含有させることにより、LEDランプから放射される光の色を変化させることが可能であり、使用用途に応じて青色から赤色まで可視光領域の広い範囲の色を得ることが可能である。
【0005】
しかしながら、最近では、上記各種表示装置の色彩に対する需要者の要求が高まり、表示装置に微妙な色合いをより精密に再現できる性能が要求されていると共に、1個のLEDランプにより白色や各種の中間色を発光させることができることが強く求められている。
【0006】
そのため、LEDランプの半導体発光素子の表面に、赤色、緑色、青色の各種蛍光体を塗布したり、LEDランプの封止材、コーティング材等に上記各種蛍光体を含有させたりすることにより、1個のLEDランプで白色や各種の中間色を表示できるように構成することも試行されている。
【0007】
このような蛍光体の中で、長波長紫外線又は短波長可視光線(350〜420nm)で励起する蛍光体として、現在、主に使用されているものとしては、発光色が青色のBaMg2Al16O27:Eu、(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu、発光色が緑色のBaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2GeO4:Mn、発光色が赤色のY2O2S:Eu、La2O2S:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mnなどがあり、これらの発光蛍光体を適宜用いることにより広い範囲の発光色を得ることができる。
【0008】
しかしながら、上記赤色発光蛍光体には、青色、緑色発光蛍光体と比較して長波長紫外線及び短波長可視光線(350〜420nm)に対する発光が弱いという問題がある。
【0009】
そのため、これらの波長の光を用いて白色系の発光色を得る場合、赤色発光蛍光体の割合を多くしなければならず、コストが高くなること、白色系の発光色は、赤色、緑色、青色の発光量のバランスを合わせることにより白色を得ることができるものであるから、白色系の発光色を得るためには、赤色の発光量に合わせて緑色及び青色の発光量を減らさざるを得ず、また、蛍光体の使用量にも上限があるため、得られる白色光の発光量が少なくなってしまい、高輝度の白色が得られないことなどが問題となっている。
【0010】
更に、酸化物系化合物の電子対の励起エネルギーに対応する波長は紫外領域にあり、長波長紫外線及び短波長可視光線(350〜420nm)の波長は蛍光体の吸収端と重なるため、特に、赤色発光蛍光体には、半導体発光素子の発光波長のピークが変動すると蛍光体の発光量が著しく変化してしまうという問題もある。
【0011】
この問題を解決するためユーロピウムで付活された希土類酸硫化物蛍光体が特開平11−246857号公報(特許文献1)や特開2000−144130号公報(特許文献2)などで提案されており、このような蛍光体は、励起波長が長波長側へシフトしていることが報告されている。
【0012】
しかしながら、これらの赤色発光蛍光体でも350nmより長波長側での吸収強度は、波長が長くなるに従って急激に低下しており、350〜342nmを発光ピークとする励起光源、例えば紫外LEDを励起光源に用いた場合、製造上避けられないLEDの発光波長、即ち励起光の波長の変動により蛍光体の発光量が著しく変化してしまう。これは、緑色、青色の発光蛍光体と併用して白色や中間色を表示する場合には、色合いがばらつくことになるため、従来の赤色発光蛍光体では、微妙な色合いをより精密に再現することが困難であった。
【0013】
また、上記の赤色発光蛍光体は発光は、3価のEuイオン(Eu3+)の4f−4f遷移による発光であるため、その発光はスペクトル幅の610〜630nm程度の幅の狭いものであり、特に640nmより長波長側のスペクトルが不足しているため演色性に劣るという問題があった。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−246857号公報
【特許文献2】
特開2000−144130号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光できる発光装置及び緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して白色若しくは中間色を効率よく高輝度で、かつ演色性よく表示できる発光装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であり、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させた発光装置、又は波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であり、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置が、4価のMn(Mn4+)イオンの吸収スペクトルには、可視から近紫外領域に4A2(t2 3)→4T1,4T2(t2 2e)スピン許容遷移に対応した強い吸収バンドがあり、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光すること、また、3価のEu(Eu3+)とは異なる波長で赤色光と発光することから、3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体と併用することによって広い赤色域を発光できる演色性のよい発光装置となること、また、長波長紫外線から短波長可視光線の領域の広い範囲の波長に対して安定した強度で赤色を発光する発光装置であり、特に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体と併用すれば、白色若しくは中間色を効率よく高輝度で発光でき、励起光の波長の変動の影響を受けにくいため、緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して上記波長の光を発光する半導体発光素子からの光により蛍光体を発光させて白色若しくは中間色を表示する場合、微妙な色合いをより精密に再現性よく表示することができることを見出した。
【0017】
即ち、本発明は、
[1] 波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたことを特徴とする発光装置、
[2] 更に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体を分散させたことを特徴とする[1]記載の発光装置、
[3] 波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたことを特徴とする発光装置、
[4] 更に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体を含有することを特徴とする[3]記載の発光装置、
[5] 上記半導体発光素子上又は封止材上に蛍光層を設けたことを特徴とする[3]又は[4]記載の発光装置、
[6] 上記蛍光層が上記赤色発光蛍光体を樹脂、ゴム、エラストマー又はガラスに分散してなるものであることを特徴とする[3]乃至[5]のいずれか1項記載の発光装置、
[7] 上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体が0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mnであることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1項記載の発光装置、及び
[8] 上記3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体がY2O2:Eu、La2O2S:Eu又はLiEuW2O8であることを特徴とする請求項[1]乃至[7]のいずれか1項記載の発光装置
を提供する。
【0018】
以下、本発明について更に詳述する。
まず、本発明の発光装置の第1の態様について説明する。この第1の態様の光学装置は、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であり、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたものである。
【0019】
上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としては、例えば、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mn等が、3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としてはY2O2:Eu、La2O2S:Eu、LiEuW2O8等が挙げられ、これら4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体と3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体との比を変化させることにより、赤色光の微妙な色合いを変えることが可能である。
【0020】
このような発光装置として更に具体的には、図1に示されるような、リード1,2、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3、半導体発光素子3とリード2とを電気的に接続するリード細線4を、封止材5で砲弾型に封止した構造の、いわゆる砲弾タイプの発光ダイオードや、図2に示されるような、上面が開口した箱形の発光体収容部材6の内底から一対のリード1,2を発光体収容部材6の外部へ延出し、この発光体収容部材6の内部に波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3やリード細線4,4を収容し、これらを接続して、発光体収容部材6内部を封止材5で封止した構造の、いわゆるチップ型の発光ダイオードなどの封止材5中に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたものが挙げられる。
【0021】
この場合、封止材5中に上述した本発明の赤色発光蛍光体のみを分散させれば、高輝度の赤色を発光する発光装置となり、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2GeO4:Mn等の緑色発光蛍光体、BaMg2Al16O27:Eu、(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu等の青色蛍光発光体と共に分散させれば、高輝度の白色又は中間色を発光する発光装置となる。
【0022】
なお、この発光装置は、半導体発光素子等を封止する際に、樹脂、ゴム、エラストマー、ガラスなどの封止材材料に蛍光体を混合して封止することにより製造することができる。特に、複数種の蛍光体を用いる場合、本発明の赤色発光蛍光体は、一般的な蛍光体に比べ、真比重が高いため封止材料と混合したときに他の蛍光体よりも速く沈降して色むらを引き起こすおそれがある。そのため、本発明の赤色発光蛍光体は、粘度の高いもの、例えば、チキソトロピー調整剤で粘度を調整したシリコーンゴム組成物、シリコーン樹脂組成物などに混合し、これを硬化させる方法で封止材中に分散させることが好ましい。また、封止材中には色調変換材料として上述した蛍光体の他に、顔料、染料、擬似顔料などを添加してもよい。
【0023】
次に、本発明の発光装置の第2の態様について説明する。この第2の態様の発光装置は、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に上述した本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたものである。
【0024】
上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としては、例えば、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mn等が、3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としてはY2O2:Eu、La2O2S:Eu、LiEuW2O8等が挙げられ、これら4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体と3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体との比を変化させることにより、赤色光の微妙な色合いを変えることが可能である。
【0025】
このような発光装置として更に具体的には、例えば、半導体発光素子上又は封止材上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたものが挙げられ、具体的には、図3に示されるような、リード1,2、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3、半導体発光素子3とリード2とを電気的に接続するリード細線4を、封止材5で砲弾型に封止した構造の、いわゆる砲弾タイプの発光ダイオードの半導体発光素子3上に蛍光層7を設けて半導体発光素子3等と共に封止したもの、図4に示されるような、上面が開口した箱形の発光体収容部材6の内底から一対のリード1,2を発光体収容部材6の外部へ延出し、この発光体収容部材6の内部に波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3やリード細線4,4を収容し、これらを接続して、発光体収容部材6内部を封止材5で封止した構造の、いわゆるチップ型の発光ダイオードの半導体発光素子3上に蛍光層7を設けて半導体発光素子3等と共に封止したもの、図5に示されるような砲弾タイプの発光ダイオードの封止材5上に封止材5を被覆するように蛍光層7を設けたもの、図6に示されるようなチップ型の発光ダイオードの封止材5上に蛍光層7を設けたものが挙げられる。なお、図5、図6中の蛍光層以外の構成は図1、図2に各々示される構成と同様であるため説明を省略する。
【0026】
また、上述したような、蛍光層を発光ダイオード内部に又は発光ダイオードと隣接して設けたいわゆる透過型のものに限らず、図7に示されるように、蛍光層7を発光ダイオード8から離間する位置に設けると共に、この蛍光層から発光した光を反射板9で反射させるいわゆる反射型の発光装置も挙げられる。また、図5、図6に示されるような封止材上に蛍光層を設けた発光装置の蛍光層を、更に封止材で封止することも可能である。
【0027】
この場合、蛍光層中に上述した本発明の赤色発光蛍光体のみを分散させれば、高輝度の赤色を発光する発光装置となり、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2GeO4:Mn等の緑色発光蛍光体、BaMg2Al16O27:Eu、(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu等の青色蛍光発光体と共に分散させれば、高輝度の白色又は中間色を発光する発光装置となる。
【0028】
なお、蛍光層を半導体発光素子上に設ける場合は、蛍光体をそのままで用いてもバインダーと共に混合して用いてもよい。この場合、図3、図4に示されるように、蛍光層は半導体発光素子と共に封止材中に封止されることとなる。
【0029】
一方、蛍光層を封止材上に設ける場合、赤色発光蛍光体を透光性の樹脂、ゴム、エラストマー又はガラス、特にシリコーン樹脂又はシリコーンゴムに分散させて用いることが好ましい。特に、複数種の蛍光体を蛍光層に分散させる場合、上述した封止材に本発明の赤色発光蛍光体を分散させる場合と同様、チキソトロピー調整剤で粘度を調整したシリコーンゴム組成物、シリコーン樹脂組成物などに混合し、これを硬化させる方法で蛍光層中に分散させることが好ましい。また、蛍光層は、蛍光体を混合して1層としたものでも、蛍光体をいくつかの層にわけて積層したものでもよい。また、蛍光層中には色調変換材料として上述した蛍光体の他に、顔料、染料、擬似顔料などを添加してもよい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
赤色発光蛍光体として、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Y2O2:Eu、青色発光蛍光体として(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu、緑色発光蛍光体としてBaMg2Al16O27:Eu,Mnを5:10:1:1の割合でシリコーンゴムに混合分散させた図6に示される蛍光層7の形状のシリコーンゴム製シート(厚さ0.5mm)を加熱プレス機を用いて製造し、これを発光波長が380nmの紫外LEDの封止材上に被せて蛍光層として図6に示されるような発光装置を得た。
【0032】
積分球中においてこの発光装置に20mAの電流を流して点灯し、得られた光の分光分布を分光放射輝度計PR−704(Photo Research社製)で測色した。この分光分布を図8に示す。この発光装置の色度はx=0.3542、y=0.3517の白色であった。また、図8に示されるように、この分光分布からY2O2:Euによる630nmの発光及び0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mnによる662nmの発光が確認され、赤色光が発光領域の広いものであることが確認された。
【0033】
[実施例2]
0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mnの代わりにMg2TiO4:Mnを用いた以外は実施例1と同様の方法で発光装置を得、この発光装置から得られた光の分光分布を測定したところ、Y2O2:Euによる630nmの発光及びMg2TiO4:Mnによる659nmの発光が確認され、赤色光が発光領域の広いものであることが確認された。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明の発光装置は、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光でき、広い赤色域を発光できる演色性のよい発光装置である。
【0035】
また、本発明の発光装置は、長波長紫外線から短波長可視光線の領域の広い範囲の波長に対して安定した強度で赤色を発光する発光装置であり、特に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体と併用すれば、白色若しくは中間色を効率よく高輝度で発光でき、励起光の波長の変動の影響を受けにくいため、緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して上記波長の光を発光する半導体発光素子からの光により蛍光体を発光させて白色若しくは中間色を表示する場合、微妙な色合いをより精密に再現性よく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の一例を示す図であり、砲弾型の発光ダイオードの封止材に本発明の赤色発光蛍光体を分散させた発光装置を示す断面図である。
【図2】本発明の光学装置の一例を示す図であり、チップ型の発光ダイオードの封止材に本発明の赤色発光蛍光体を分散させた発光装置を示す断面図である。
【図3】本発明の光学装置の一例を示す図であり、砲弾型の発光ダイオードの半導体発光素子上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図4】本発明の光学装置の一例を示す図であり、チップ型の発光ダイオードの半導体発光素子上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図5】本発明の光学装置の一例を示す図であり、砲弾型の発光ダイオードの封止材上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図6】本発明の光学装置の一例を示す図であり、チップ型の発光ダイオードの封止材上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図7】本発明の光学装置の一例を示す図であり、蛍光層を発光ダイオードから離間する位置に設けると共に、この蛍光層から発光した光を反射させる発光装置を示す断面図である。
【図8】実施例1の発光装置の発光光の分光分布を示す図である。
【符号の説明】
1,2 リード
3 半導体発光素子
4 リード細線
5 封止材
6 発光体収容部材
7 蛍光層
8 発光ダイオード
9 反射板
【発明の属する技術分野】
本発明は、350〜420nmの長波長紫外線又は短波長可視光線により励起され赤色に発光する赤色発光蛍光体、その製造方法及びその赤色発光蛍光体を用いた発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、光を放射する半導体発光素子であり、電気エネルギーを紫外光、可視光、赤外光などに変換するものである。例えば、可視光を利用するものとしては、GaP、GaAsP、GaAlAs等の発光材料で形成した半導体発光素子があり、これらを透明樹脂等で封止したLEDランプが広く使用されている。また、発光材料をプリント基板や金属リードの上面に固定し、数字や文字をかたどった透明樹脂ケースで封止したディスプレイ型のLEDランプなども多用されている。
【0003】
また、発光ダイオードは半導体素子であるため、寿命が長く、信頼性も高く、光源として用いた場合には、その交換作業も軽減できることから、携帯通信機器、パーソナルコンピュータ周辺機器、OA機器、家庭用電気機器、オーディオ機器、各種スイッチ、バックライト用光源、掲示板等の各種表示装置などの構成部品として広く使用されている。
【0004】
このようなLEDランプは、各種の蛍光体粉末を半導体発光素子を封止する透明樹脂中に含有させることにより、LEDランプから放射される光の色を変化させることが可能であり、使用用途に応じて青色から赤色まで可視光領域の広い範囲の色を得ることが可能である。
【0005】
しかしながら、最近では、上記各種表示装置の色彩に対する需要者の要求が高まり、表示装置に微妙な色合いをより精密に再現できる性能が要求されていると共に、1個のLEDランプにより白色や各種の中間色を発光させることができることが強く求められている。
【0006】
そのため、LEDランプの半導体発光素子の表面に、赤色、緑色、青色の各種蛍光体を塗布したり、LEDランプの封止材、コーティング材等に上記各種蛍光体を含有させたりすることにより、1個のLEDランプで白色や各種の中間色を表示できるように構成することも試行されている。
【0007】
このような蛍光体の中で、長波長紫外線又は短波長可視光線(350〜420nm)で励起する蛍光体として、現在、主に使用されているものとしては、発光色が青色のBaMg2Al16O27:Eu、(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu、発光色が緑色のBaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2GeO4:Mn、発光色が赤色のY2O2S:Eu、La2O2S:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mnなどがあり、これらの発光蛍光体を適宜用いることにより広い範囲の発光色を得ることができる。
【0008】
しかしながら、上記赤色発光蛍光体には、青色、緑色発光蛍光体と比較して長波長紫外線及び短波長可視光線(350〜420nm)に対する発光が弱いという問題がある。
【0009】
そのため、これらの波長の光を用いて白色系の発光色を得る場合、赤色発光蛍光体の割合を多くしなければならず、コストが高くなること、白色系の発光色は、赤色、緑色、青色の発光量のバランスを合わせることにより白色を得ることができるものであるから、白色系の発光色を得るためには、赤色の発光量に合わせて緑色及び青色の発光量を減らさざるを得ず、また、蛍光体の使用量にも上限があるため、得られる白色光の発光量が少なくなってしまい、高輝度の白色が得られないことなどが問題となっている。
【0010】
更に、酸化物系化合物の電子対の励起エネルギーに対応する波長は紫外領域にあり、長波長紫外線及び短波長可視光線(350〜420nm)の波長は蛍光体の吸収端と重なるため、特に、赤色発光蛍光体には、半導体発光素子の発光波長のピークが変動すると蛍光体の発光量が著しく変化してしまうという問題もある。
【0011】
この問題を解決するためユーロピウムで付活された希土類酸硫化物蛍光体が特開平11−246857号公報(特許文献1)や特開2000−144130号公報(特許文献2)などで提案されており、このような蛍光体は、励起波長が長波長側へシフトしていることが報告されている。
【0012】
しかしながら、これらの赤色発光蛍光体でも350nmより長波長側での吸収強度は、波長が長くなるに従って急激に低下しており、350〜342nmを発光ピークとする励起光源、例えば紫外LEDを励起光源に用いた場合、製造上避けられないLEDの発光波長、即ち励起光の波長の変動により蛍光体の発光量が著しく変化してしまう。これは、緑色、青色の発光蛍光体と併用して白色や中間色を表示する場合には、色合いがばらつくことになるため、従来の赤色発光蛍光体では、微妙な色合いをより精密に再現することが困難であった。
【0013】
また、上記の赤色発光蛍光体は発光は、3価のEuイオン(Eu3+)の4f−4f遷移による発光であるため、その発光はスペクトル幅の610〜630nm程度の幅の狭いものであり、特に640nmより長波長側のスペクトルが不足しているため演色性に劣るという問題があった。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−246857号公報
【特許文献2】
特開2000−144130号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光できる発光装置及び緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して白色若しくは中間色を効率よく高輝度で、かつ演色性よく表示できる発光装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であり、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させた発光装置、又は波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であり、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置が、4価のMn(Mn4+)イオンの吸収スペクトルには、可視から近紫外領域に4A2(t2 3)→4T1,4T2(t2 2e)スピン許容遷移に対応した強い吸収バンドがあり、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光すること、また、3価のEu(Eu3+)とは異なる波長で赤色光と発光することから、3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体と併用することによって広い赤色域を発光できる演色性のよい発光装置となること、また、長波長紫外線から短波長可視光線の領域の広い範囲の波長に対して安定した強度で赤色を発光する発光装置であり、特に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体と併用すれば、白色若しくは中間色を効率よく高輝度で発光でき、励起光の波長の変動の影響を受けにくいため、緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して上記波長の光を発光する半導体発光素子からの光により蛍光体を発光させて白色若しくは中間色を表示する場合、微妙な色合いをより精密に再現性よく表示することができることを見出した。
【0017】
即ち、本発明は、
[1] 波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたことを特徴とする発光装置、
[2] 更に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体を分散させたことを特徴とする[1]記載の発光装置、
[3] 波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたことを特徴とする発光装置、
[4] 更に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体を含有することを特徴とする[3]記載の発光装置、
[5] 上記半導体発光素子上又は封止材上に蛍光層を設けたことを特徴とする[3]又は[4]記載の発光装置、
[6] 上記蛍光層が上記赤色発光蛍光体を樹脂、ゴム、エラストマー又はガラスに分散してなるものであることを特徴とする[3]乃至[5]のいずれか1項記載の発光装置、
[7] 上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体が0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mnであることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1項記載の発光装置、及び
[8] 上記3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体がY2O2:Eu、La2O2S:Eu又はLiEuW2O8であることを特徴とする請求項[1]乃至[7]のいずれか1項記載の発光装置
を提供する。
【0018】
以下、本発明について更に詳述する。
まず、本発明の発光装置の第1の態様について説明する。この第1の態様の光学装置は、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であり、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたものである。
【0019】
上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としては、例えば、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mn等が、3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としてはY2O2:Eu、La2O2S:Eu、LiEuW2O8等が挙げられ、これら4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体と3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体との比を変化させることにより、赤色光の微妙な色合いを変えることが可能である。
【0020】
このような発光装置として更に具体的には、図1に示されるような、リード1,2、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3、半導体発光素子3とリード2とを電気的に接続するリード細線4を、封止材5で砲弾型に封止した構造の、いわゆる砲弾タイプの発光ダイオードや、図2に示されるような、上面が開口した箱形の発光体収容部材6の内底から一対のリード1,2を発光体収容部材6の外部へ延出し、この発光体収容部材6の内部に波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3やリード細線4,4を収容し、これらを接続して、発光体収容部材6内部を封止材5で封止した構造の、いわゆるチップ型の発光ダイオードなどの封止材5中に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたものが挙げられる。
【0021】
この場合、封止材5中に上述した本発明の赤色発光蛍光体のみを分散させれば、高輝度の赤色を発光する発光装置となり、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2GeO4:Mn等の緑色発光蛍光体、BaMg2Al16O27:Eu、(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu等の青色蛍光発光体と共に分散させれば、高輝度の白色又は中間色を発光する発光装置となる。
【0022】
なお、この発光装置は、半導体発光素子等を封止する際に、樹脂、ゴム、エラストマー、ガラスなどの封止材材料に蛍光体を混合して封止することにより製造することができる。特に、複数種の蛍光体を用いる場合、本発明の赤色発光蛍光体は、一般的な蛍光体に比べ、真比重が高いため封止材料と混合したときに他の蛍光体よりも速く沈降して色むらを引き起こすおそれがある。そのため、本発明の赤色発光蛍光体は、粘度の高いもの、例えば、チキソトロピー調整剤で粘度を調整したシリコーンゴム組成物、シリコーン樹脂組成物などに混合し、これを硬化させる方法で封止材中に分散させることが好ましい。また、封止材中には色調変換材料として上述した蛍光体の他に、顔料、染料、擬似顔料などを添加してもよい。
【0023】
次に、本発明の発光装置の第2の態様について説明する。この第2の態様の発光装置は、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に上述した本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたものである。
【0024】
上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としては、例えば、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mn等が、3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体としてはY2O2:Eu、La2O2S:Eu、LiEuW2O8等が挙げられ、これら4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体と3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体との比を変化させることにより、赤色光の微妙な色合いを変えることが可能である。
【0025】
このような発光装置として更に具体的には、例えば、半導体発光素子上又は封止材上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたものが挙げられ、具体的には、図3に示されるような、リード1,2、波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3、半導体発光素子3とリード2とを電気的に接続するリード細線4を、封止材5で砲弾型に封止した構造の、いわゆる砲弾タイプの発光ダイオードの半導体発光素子3上に蛍光層7を設けて半導体発光素子3等と共に封止したもの、図4に示されるような、上面が開口した箱形の発光体収容部材6の内底から一対のリード1,2を発光体収容部材6の外部へ延出し、この発光体収容部材6の内部に波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子3やリード細線4,4を収容し、これらを接続して、発光体収容部材6内部を封止材5で封止した構造の、いわゆるチップ型の発光ダイオードの半導体発光素子3上に蛍光層7を設けて半導体発光素子3等と共に封止したもの、図5に示されるような砲弾タイプの発光ダイオードの封止材5上に封止材5を被覆するように蛍光層7を設けたもの、図6に示されるようなチップ型の発光ダイオードの封止材5上に蛍光層7を設けたものが挙げられる。なお、図5、図6中の蛍光層以外の構成は図1、図2に各々示される構成と同様であるため説明を省略する。
【0026】
また、上述したような、蛍光層を発光ダイオード内部に又は発光ダイオードと隣接して設けたいわゆる透過型のものに限らず、図7に示されるように、蛍光層7を発光ダイオード8から離間する位置に設けると共に、この蛍光層から発光した光を反射板9で反射させるいわゆる反射型の発光装置も挙げられる。また、図5、図6に示されるような封止材上に蛍光層を設けた発光装置の蛍光層を、更に封止材で封止することも可能である。
【0027】
この場合、蛍光層中に上述した本発明の赤色発光蛍光体のみを分散させれば、高輝度の赤色を発光する発光装置となり、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2GeO4:Mn等の緑色発光蛍光体、BaMg2Al16O27:Eu、(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu等の青色蛍光発光体と共に分散させれば、高輝度の白色又は中間色を発光する発光装置となる。
【0028】
なお、蛍光層を半導体発光素子上に設ける場合は、蛍光体をそのままで用いてもバインダーと共に混合して用いてもよい。この場合、図3、図4に示されるように、蛍光層は半導体発光素子と共に封止材中に封止されることとなる。
【0029】
一方、蛍光層を封止材上に設ける場合、赤色発光蛍光体を透光性の樹脂、ゴム、エラストマー又はガラス、特にシリコーン樹脂又はシリコーンゴムに分散させて用いることが好ましい。特に、複数種の蛍光体を蛍光層に分散させる場合、上述した封止材に本発明の赤色発光蛍光体を分散させる場合と同様、チキソトロピー調整剤で粘度を調整したシリコーンゴム組成物、シリコーン樹脂組成物などに混合し、これを硬化させる方法で蛍光層中に分散させることが好ましい。また、蛍光層は、蛍光体を混合して1層としたものでも、蛍光体をいくつかの層にわけて積層したものでもよい。また、蛍光層中には色調変換材料として上述した蛍光体の他に、顔料、染料、擬似顔料などを添加してもよい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
赤色発光蛍光体として、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Y2O2:Eu、青色発光蛍光体として(Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu、緑色発光蛍光体としてBaMg2Al16O27:Eu,Mnを5:10:1:1の割合でシリコーンゴムに混合分散させた図6に示される蛍光層7の形状のシリコーンゴム製シート(厚さ0.5mm)を加熱プレス機を用いて製造し、これを発光波長が380nmの紫外LEDの封止材上に被せて蛍光層として図6に示されるような発光装置を得た。
【0032】
積分球中においてこの発光装置に20mAの電流を流して点灯し、得られた光の分光分布を分光放射輝度計PR−704(Photo Research社製)で測色した。この分光分布を図8に示す。この発光装置の色度はx=0.3542、y=0.3517の白色であった。また、図8に示されるように、この分光分布からY2O2:Euによる630nmの発光及び0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mnによる662nmの発光が確認され、赤色光が発光領域の広いものであることが確認された。
【0033】
[実施例2]
0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mnの代わりにMg2TiO4:Mnを用いた以外は実施例1と同様の方法で発光装置を得、この発光装置から得られた光の分光分布を測定したところ、Y2O2:Euによる630nmの発光及びMg2TiO4:Mnによる659nmの発光が確認され、赤色光が発光領域の広いものであることが確認された。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明の発光装置は、波長が350〜420nmの励起光に対して赤色光を効率よく高輝度で発光でき、広い赤色域を発光できる演色性のよい発光装置である。
【0035】
また、本発明の発光装置は、長波長紫外線から短波長可視光線の領域の広い範囲の波長に対して安定した強度で赤色を発光する発光装置であり、特に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体と併用すれば、白色若しくは中間色を効率よく高輝度で発光でき、励起光の波長の変動の影響を受けにくいため、緑色発光蛍光体、青色発光蛍光体と併用して上記波長の光を発光する半導体発光素子からの光により蛍光体を発光させて白色若しくは中間色を表示する場合、微妙な色合いをより精密に再現性よく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の一例を示す図であり、砲弾型の発光ダイオードの封止材に本発明の赤色発光蛍光体を分散させた発光装置を示す断面図である。
【図2】本発明の光学装置の一例を示す図であり、チップ型の発光ダイオードの封止材に本発明の赤色発光蛍光体を分散させた発光装置を示す断面図である。
【図3】本発明の光学装置の一例を示す図であり、砲弾型の発光ダイオードの半導体発光素子上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図4】本発明の光学装置の一例を示す図であり、チップ型の発光ダイオードの半導体発光素子上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図5】本発明の光学装置の一例を示す図であり、砲弾型の発光ダイオードの封止材上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図6】本発明の光学装置の一例を示す図であり、チップ型の発光ダイオードの封止材上に本発明の赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けた発光装置を示す断面図である。
【図7】本発明の光学装置の一例を示す図であり、蛍光層を発光ダイオードから離間する位置に設けると共に、この蛍光層から発光した光を反射させる発光装置を示す断面図である。
【図8】実施例1の発光装置の発光光の分光分布を示す図である。
【符号の説明】
1,2 リード
3 半導体発光素子
4 リード細線
5 封止材
6 発光体収容部材
7 蛍光層
8 発光ダイオード
9 反射板
Claims (8)
- 波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記封止材に上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を分散させたことを特徴とする発光装置。
- 更に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体を分散させたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 波長が350〜420nmの光を発光する半導体発光素子が封止材内に封止されてなる発光装置であって、上記半導体発光素子から発光する光の光路上に、上記波長の光により励起されて発光する4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体及び3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体を含む蛍光層を設けたことを特徴とする発光装置。
- 更に、緑色発光蛍光体及び/又は青色発光蛍光体を含有することを特徴とする請求項3記載の発光装置。
- 上記半導体発光素子上又は封止材上に蛍光層を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の発光装置。
- 上記蛍光層が上記赤色発光蛍光体を樹脂、ゴム、エラストマー又はガラスに分散してなるものであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の発光装置。
- 上記4価のMn(Mn4+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体が0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、Mg2TiO4:Mn、α−Al2O3:Mn、LiAl5O8:Mn、Mg6As2O11:Mn又は6MgO・As2O5:Mnであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の発光装置。
- 上記3価のEu(Eu3+)が発光イオンをなす赤色発光蛍光体がY2O2:Eu、La2O2S:Eu又はLiEuW2O8であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の発光装置。
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