JP2004336111A - マルチビームアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】1基のアンテナによって、複数の方向に電波を送信するとともに、そのアンテナの取り付けスペースを最小限にし、かつ、取り付けを容易にしたマルチビームアンテナを提供する。
【解決手段】一次輻射器1と主反射板2を備える単一指向性のビームアンテナ13を基本構成単位とし、これをAビームアンテナ6、Bビームアンテナ7、Cビームアンテナ8、Dビームアンテナ9のように複数縦方向に接続し、各ビームアンテナ6,7,8,9の主反射板2をそれぞれ異なる向きに配置したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として放送分野や通信分野に利用されるマルチビームアンテナに関し、特に、SHF帯域で使用され、複数の方向へビームを放射するマルチビームアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、実現に向けて準備が進められている地上デジタル放送のチャンネル割り当ては、基本的には、県単位毎に1チャンネルを割り当てるSFN(Single Frequency Network)を前提としている。このようなSFNの構築にあたっては、受信電波と送信電波が同一チャンネルであるため、従来の放送波中継方式では送信側から受信側への電波の回り込みなどの問題があって放送波中継がはなはだ困難となる。そのため、一般的には、下位局へのプログラム伝送手段として無線回線TTL(Transmitter to Transmitter Link)が必要となる。
【0003】
このような無線回線TTLのチャンネル割り当ては、周波数帯域が3〜30GHzのマイクロ波であるSHF帯となることから、無線回線TTLを行うための送受信アンテナとしては、一般的には、重量は重いが構造が簡単であって高い利得が得られるプレート・パラボラアンテナが用いられる。このプレート・パラボラアンテナは、放物面反射器を持っていて一般的には単一指向性を有している。
【0004】
そのため、一カ所の送信局から複数の相手局に向けた同一チャンネルの無線回線TTLを構成する場合は、複数の相手局が同一方向にあるときは1台のプレート・パラボラアンテナでよいが、複数の相手局が多方向に点在しているときは相手局の数だけプレート・パラボラアンテナを設ける必要がある。すなわち、下位局を多数持っている親局や送信規模の大きい重要中継局では、通常、無線回線TTLを行うためのプレート・パラボラアンテナを下位局の設置数だけ取り付けなければならないのが現状である。
なお、アンテナの重量の軽量化を図り、複数の放射素子を長手方向にアレイ状に配列して給電素子と平行に配置したコリニアアンテナの技術が開示されている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−202563号公報(段落番号0009〜0015、図1〜図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術では、一カ所の送信局が多方向にある複数の下位局に向けて同一チャンネルの無線回線TTLを構成する場合は、下位局の数だけ送信用のプレート・パラボラアンテナを必要とするため、送信局は、重量の重いプレート・パラボラアンテナを複数個用意して、それぞれの下位局の方向に向けて設置しなければならない。このため、送信局は、複数個のプレート・パラボラアンテナを設置するための取り付け架台の強度や取り付けスペースを確保しなければならないので、設置場所や設備費などが大きな課題となっている。特に、放送事業者が現行のアナログ放送を行っているテレビ放送所などにおいては、既存の構築物や局舎に複数のプレート・パラボラアンテナを設置することは、スペース面や強度面から考えると一般的には極めて困難である場合が多い。
【0007】
また、前記特許文献1で開示された多段アンテナ構成のコリニアアンテナによれば、放射素子と給電回路を一体化して小型軽量で無指向性のアンテナを実現することができるが、放射電界強度が弱いので、プレート・パラボラアンテナに代わり得るような電界強度の強い無線回線TTL用の送信アンテナとして実用化することはできない。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、1基のアンテナによって、複数の方向に電波を送信するとともに、そのアンテナの取り付けスペースを最小限にし、かつ、取り付けを容易にした、SHF帯域に好適なマルチビームアンテナを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のマルチビームアンテナは、送信する電波を輻射する一次輻射器と、この一次輻射器から輻射された電波を水平方向に対して単一指向性の電波として反射する主反射板とを有するビームアンテナを垂直方向に複数接続して備え、主反射板のそれぞれは、水平方向において異なる方向に前記電波を反射するように配置された構成とする。
【0010】
このように構成されることにより、請求項1に記載のマルチビームアンテナでは、各ビームアンテナの水平方向における電波ビームを異なる方向に設定することができるので、アンテナ1基で、所望の方向および所望の数のビームを有するマルチビームアンテナを実現することができる。また、本発明のマルチビームアンテナは縦長のシンプルな構造で軽量化されているので、マルチビームアンテナを比較的小さな取り付け強度で強固に固定することができると共に、限られたスペースに取り付けることができる。これによって、既存のテレビ放送所における構造物を利用してSHF帯域用のマルチビームアンテナを設置することができる。
【0011】
また、請求項2に記載のマルチビームアンテナは、請求項1に記載のマルチビームアンテナにおいて、前記ビームアンテナが、一次輻射器と、この一次輻射器に対向する位置に配置される主反射板とを固定するフランジ付固定円板を上下に備えた構成とする。
このように構成されることにより、本発明のマルチビームアンテナによれば、それぞれのビームアンテナ毎に上下にフランジ付固定円板が設けられているので、それぞれのビームアンテナ毎に電波ビームの方向を所望の向きに設定して固定することができる。例えば、Aビームアンテナ、Bビームアンテナ、およびCビームアンテナの各電波ビームの方向を所望の位置関係になるよう配置して、各フランジ付固定円板をボルト・ナットなどによって固定すれば、各電波ビームの方向を安定させてマルチビームアンテナを設置することができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載のマルチビームアンテナは、請求項1または請求項2に記載のマルチビームアンテナにおいて、それぞれのビームアンテナが、主反射板の長さおよび幅が個別に設定された構成とする。すなわち、本発明のマルチビームアンテナによれば、ビームアンテナ毎に主反射板の長さ(高さ)と横幅を決定して、それぞれのビームアンテナ毎の電波ビームの利得を所望の値に設定することができる。これによって、送信局と受信局との間の距離が長い場合は、ビームアンテナの主反射板の長さ(高さ)および横幅を大きくして電波ビームの利得を大きくし、送信局と受信局との間の距離が短い場合は、ビームアンテナの主反射板の長さ(高さ)および横幅を小さくして電波ビームの利得を小さくすることができる。よって、送信局と受信局との間の距離に応じて、常に最適な電力で最適な利得の電波ビームを所望の受信局に向けて放射することができる。このとき、主反射板と対になる一次輻射器と、主反射板の長さ(高さ)を合わせて長くしたり短くしたりすることによって利得を設定する。
【0013】
また、請求項4に記載のマルチビームアンテナは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマルチビームアンテナにおいて、前記一次輻射器が、輻射素子と、副反射素子または副反射板の何れか一方を備え、前記輻射素子は半波長素子がアレイ状に接続されたコリニアアンテナによって構成されているものとする。すなわち、本発明のマルチビームアンテナによれば、輻射素子、すなわち、一次輻射器が水平方向に対して無指向性の特性を有するコリニアアンテナによって構成されているので、電波を均等に主反射板へ輻射することができる。したがって、送信局から下位局へ電波を伝送するのに好適な無線回線TTL用のマルチビームアンテナを構築することができる。このとき、一次輻射器は、輻射素子と副反射素子からなる2素子型のコリニアアンテナであってもよいし、輻射素子と副反射板からなる反射板型のコリニアアンテナであってもよい。
【0014】
さらに、請求項5に記載のルチビームアンテナは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマルチビームアンテナにおいて、前記一次輻射器が、輻射素子と、副反射素子または副反射板の何れか一方を備え、前記輻射素子は長手方向が波長の長さ以下である細長のスロットを設けたスロットアンテナによって構成されている構成とする。
すなわち、本発明のマルチビームアンテナによれば、一次輻射器が水平方向に対して無指向性の特性を有するスロットアンテナによって構成されているので、電波を均等に主反射板へ輻射することができる。したがって、送信局から下位局へ電波を伝送するのに好適な無線回線TTL用のマルチビームアンテナを構築することができる。このとき、一次輻射器は、輻射素子と副反射板からなる反射板型のスロットアンテナで構成であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、単一指向性のビームアンテナを基本構成単位として、これを縦方向(垂直方向)に複数個組み合わせることによって複数の方向のビーム(マルチビーム)の指向性を有するマルチビームアンテナを構成したことを特徴としている。これによって、送信アンテナが一基で、所望の利得、所望の方向、および所望の数のビーム(放射ローブ)となる指向性を有したアンテナを構成でき、SHF帯域に好適なマルチビームアンテナを実現することができる。
【0016】
以下、図面を用いて、本発明におけるマルチビームアンテナの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明におけるマルチビームアンテナの構成要素となるビームアンテナの基本構成を示す概念図であり、(a)はビームアンテナの斜視図、(b)は2素子型ビームアンテナの平面図、(c)は反射板型ビームアンテナの平面図である。
【0017】
図1(a)に示すように、ビームアンテナ13は、中心部分に配置された楕円筒状の一次輻射器1と、この一次輻射器1の対面する位置に配置された半円筒形状の主反射板2とを備えている。また、一次輻射器1は、金属性の楕円筒状体とこの楕円筒状体の内部の一端側でその軸線方向に沿って配置された輻射素子3と、この輻射素子3に対向して楕円筒状体の内部の他端側にその輻射素子3に平行に配置された副反射素子4とを備えている。
【0018】
なお、図1(a)では、一次輻射器1の内部に輻射素子3と副反射素子4を組み合わせて配置したビームアンテナ(2素子型ビームアンテナ)とした構成としたが、図1(c)に示すように、一次輻射器1の内部に輻射素子3と副反射板5とを組み合わせて配置したビームアンテナ(反射板型ビームアンテナ)として構成してもよい。
【0019】
また、一次輻射器1の内部の輻射素子3としては、コリニアアンテナまたはスロットアンテナを使用してもよい。コリニアアンテナは、半波長の長さを有する線状のダイポールアンテナをアレイ状にして多段構成したアンテナ(図6参照)であって、電波の受信において東西南北の水平方向に対しては無指向性のビームを有し、垂直方向に対しては内狭ビームを有している。
また、一次輻射器1の内部の輻射素子3としてのスロットアンテナは、長手方向に1/2波長の長さのスロットを導体表面にあけたアンテナであって、スロットの開口部の磁界分布がスロットの長手方向に対して正弦波状となり、スロットの幅方向に電界成分を有している。このようなスロットアンテナは、スロットの電界分布によって、水平偏波のビームを作ることができる。
【0020】
なお、輻射素子3がコリニアアンテナとなっている場合、すなわち、図1(b)のように、一次輻射器1が輻射素子3と副反射素子4からなる2素子型で構成されているときは、その一次輻射器1全体を2素子型のコリニアアンテナの構成となり、図1(c)のように、一次輻射器1が輻射素子3と副反射板5からなる反射板型で構成されているときは、その一次輻射器1全体を反射板型のコリニアアンテナの構成となる。同様にして、輻射素子3がスロットアンテナとなっている場合、図1(c)のように、一次輻射器1が輻射素子3と副反射板5からなる反射板で構成され、その一次輻射器1自体が反射板つきスロットアンテナの構成となる。
【0021】
ところで、図1のような構成のビームアンテナ13は、一次輻射器1と主反射板2からなる単一指向性のアンテナであるので、本発明では、このようなビームアンテナ13のビームの方向を変えて複数個を組み合わせることによってマルチビームアンテナを実現している。図2は、図1に示すビームアンテナを4段直列に構成したマルチビームアンテナの概念図である。図1(a)に示すような基本構成のビームアンテナ13を縦方向(垂直方向)に4段直列に接続することにより、図2に示すような4段構成のマルチビームアンテナを実現することができる。すなわち、4段構成のマルチビームアンテナ14は、基本構成のビームアンテナ13のビーム方向をそれぞれ変えて、Aビームアンテナ6、Bビームアンテナ7、Cビームアンテナ8、およびDビームアンテナ9をこの順序で縦方向に接続して取付柱11に固定し、さらに、最上段のAビームアンテナ6の上部に避雷針10を設けた構造となっている。
【0022】
4段構成のマルチビームアンテナ14においてビームの方向をマルチに分散させる構成についてさらに詳しく説明する。図3は、2素子型ビームアンテナを基本構成とし、ビームの方向を分散させて4段構成のマルチビームアンテナを実現する過程を示す概念図であり、(a)はビームアンテナの斜視図、(b)は2素子型ビームアンテナの平面図、(c)は4段構成のマルチビームアンテナを示す。なお、図3では、図1および図2と重複する構成の説明は省略して、各ビームアンテナにおけるビームの方向を分散させる構成について説明する。
図3(a)に示すような一次輻射器1と主反射板2からなるビームアンテナ13を基本構成として、図3(c)に示すように、まず、ビームの方向がA面方向となるようにAビームアンテナ6を配置する。すなわち、図3(c)におけるAビームアンテナ6の破線矢印の方向の断面図に示すような向き(A面方向)に主反射板2が位置するように基本構成のビームアンテナ13を配置する。
【0023】
次に、Bビームアンテナ7の破線矢印の方向の断面図に示すような向き(B面方向)に主反射板2が位置するようにビームアンテナ13を配置し、Cビームアンテナ8の破線矢印の方向の断面図に示すような向き(C面方向)に主反射板2が位置するようにビームアンテナ13を配置し、さらに、Dビームアンテナ9の破線矢印の方向の断面図に示すような向き(D面方向)に主反射板2が位置するようにビームアンテナ13を配置する。このようにして各ビームアンテナの配置によってそれぞれのビームが所望の方向へ向けられるように調整されたら、Aビームアンテナ6、Bビームアンテナ7、Cビームアンテナ8、およびDビームアンテナ9を取付柱11に固定する。
【0024】
このとき、図3(a)の基本構成単位のビームアンテナ13は、それぞれの方向(A,B,C,D方向)における各ビームの利得および水平指向性が所望の値になるように、各基本構成単位のビームアンテナ13毎に主反射板2の長さ(高さ)と横幅を決定する。すなわち、送信局と受信局との間の距離が長い場合はビームアンテナ13の主反射板2の長さ(高さ)および横幅を大きくし、送信局と受信局との間の距離が短い場合はビームアンテナ13の主反射板2の長さ(高さ)および横幅を小さくする。このとき、主反射板2の長さ(高さ)および横幅の大きさに合わせて一次輻射器1の長さ(高さ)を長くしたり短くしたりする。また、各ビームアンテナ13におけるそれぞれのビームの垂直指向性は、基本構成単位のビームアンテナ13における電力分配と位相によって適宜決定する。
【0025】
このようにして、ビームアンテナ13を4個縦方向に接続して、図3(c)に示すような4段構成のマルチビームアンテナ14を構成すると、それぞれの方向(A,B,C,D方向)に所望の利得と水平指向性を有した4方向マルチビームアンテナを実現することができる。したがって、このような基本構成単位となるビームアンテナをN個縦方向に接続すれば、所望の利得、所望の方向、および所望の数のビームを有するマルチビームアンテナを構成することができる。
【0026】
図4は、図3(c)に示す4段構成のマルチビームアンテナの水平/垂直指向性を示す特性図であり、(a)は水平指向性、(b)は垂直指向性を示している。図3(c)のマルチビームアンテナの構成を参照しながら図4(a)の水平指向性の特性図を説明すると、Bビームアンテナ7における主反射板2の向きと一致する方向にBビームが放射されていると共に、Bビームアンテナ7は一次輻射器1と主反射板2の長さ(高さ)が最も大きくなっているので、Bビームの水平指向性を示す電波の利得は最も大きくなっている。これは、B方向の受信局が送信局から最も遠くにあることを意味している。
【0027】
また、Aビームアンテナ6、Cビームアンテナ8、Dビームアンテナ9も、それぞれの主反射板2の向きと一致する方向にAビーム、Cビーム、Dビームを放射している。さらに、Aビームアンテナ6、Cビームアンテナ8、Dビームアンテナ9は、その順序でそれぞれの一次輻射器1と主反射板2の長さ(高さ)が短くなっているので、Aビーム、Cビーム、Dビームの指向性を示す電波の利得は順次小さくなっている。なお、Aビームアンテナ6、Cビームアンテナ8、およびDビームアンテナ9は、Bビームアンテナ7に比べて一次輻射器1の太さと主反射板2の横幅が大きくなっているので、Aビーム、Cビーム、およびDビームの電波は比較的幅の広い水平指向性を示している。
【0028】
図4(b)の垂直指向性の特性はそれぞれのビームアンテナの電力分配と電波の位相によって決まるが、図の例では、Dビームアンテナ9の一次輻射器1と主反射板2の長さ(高さ)は最も短いので、Dビームは最も幅の広い垂直指向性を示している。以下、それぞれのビームアンテナの一次輻射器1と主反射板2の長さ(高さ)と横幅に応じて、Cビームアンテナ8、Aビームアンテナ6、およびBビームアンテナ7はそれぞれCビーム,Aビーム,Bビームのような垂直指向性を示している。
【0029】
次に、本発明におけるマルチビームアンテナの具体的な構成について、輻射素子3がコリニアアンテナとなっている場合について説明する。図5は、ビームアンテナの基本構成と一次輻射器内の輻射素子の断面形状を示す図である。前記したように、輻射素子3は、一次輻射器1の内部に一次輻射器1と平行に配置されていて円柱型のコリニアアンテナを構成している。すなわち、この輻射素子3は、中心に骨材15を入れてその外側を絶縁体16で充填あるいは装着し、さらにその外側を同軸線路状の輻射体17で覆う構造となっている。このような構造の輻射素子3は、外周の輻射体17を長手方向に半波長(λ/2)の基本単位に分割して縦方向にアレイ状に配列してコリニアアンテナを構成している。
【0030】
図6(a)は、図5における輻射体17を長手方向にλ/2に分割してアレイ状に配列したコリニアアンテナの回路構成図、図6(b)は、図5における輻射体17に対応するように長手方向にλ/2のスロットをアレイ状に配列したスロットアンテナの回路構成図である。すなわち、図6(a)に示すように、図5の輻射体17を長手方向にλ/2毎に分割した輻射体基本素子17a,17b,17c…17nをダイポール状(垂直方向に一列)に多段に接続することによってコリニアアンテナを形成している。輻射体基本素子17aを接続する際には、内導体と外導体をλ/2素子ごとに交互に接続している。また、図6(b)に示すように、図5に示す輻射体17の円筒側面の長手方向に沿って1/2波長(λ)のスロットを多数設けることにより、輻射素子3(図5参照)をスロットアンテナとして形成してもよい。
【0031】
図7は、本発明におけるマルチビームアンテナの基本構成であるビームアンテナの具体的な実装構造を示す外観斜視図である。図7に示すように、基本構成のビームアンテナ13は、主反射板2と一次輻射器1内の輻射素子3の骨材15とが、上下のフランジ付固定円板18a,18bに固定された構造となっている。図7では、物理的な固定構造を示すために図5に示す一次輻射器1は破線で示し、上下のフランジ付固定円板18a,18bの中心部分を固定する骨材15と、上下のフランジ付固定円板18a,18bの外周部分を固定する主反射板2のみが強調して描かれている。すなわち、図7に示すように、所望の長さ(高さ)と横幅(太さ)を有した主反射板2と一次輻射器1が上下のフランジ付固定円板18a,18bに固定されて基本単位のビームアンテナ13を構成している。
【0032】
図8は、2段構成のマルチビームアンテナの具体的な構成例を示す外観図であり、(a)は本体部分の平面図、(b)は側面図である。基本単位の構成であるAビームアンテナ6の下部のフランジ付固定円板18bと、基本単位の構成であるBビームアンテナ7の上部のフランジ付固定円板18aとをボルト・ナット23a,23bなどによって固着する。このとき、Aビームアンテナ6のビームの方向とBビームアンテナ7のビームの方向が所望の方向関係になるようにして両者のフランジ付固定円板18a,18bを固定する。そして、Aビームアンテナ6の端子(図示せず)をコネクタ19aに接続し、Bビームアンテナ7の端子(図示せず)をコネクタ19bに接続する。さらに、それぞれのコネクタ19a,19bからセミリジットケーブル(または導波管)20a,20bを介して分配器21へ接続し、導波管22より図示しない送受信機へ接続する。これによって、Aビームアンテナ6の電波ビームの方向とBビームアンテナ7の電波ビームの方向がそれぞれ異なったマルチビームアンテナが構成される。
【0033】
なお、図8に示すように、マルチビームアンテナでは、フランジ付固定円板18a,18bを介して多段状態とするため、図2で示す避雷針10を固定するときに安定して設置でき、また、取付柱11に対しても安定して設置することができるものである。
【0034】
以上述べた実施の形態は、本発明を説明するための一例であり、本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。前記した実施の形態では基本構成となるビームアンテナを2段構成、または4段構成にしたマルチビームアンテナについて説明したが、ビームアンテナをN段構成にして水平面上にN個のビームを放射させれば、送信局に設置された1基のマルチビームアンテナから各方向に点在している多数の受信局へ同時に電波を送信することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマルチビームアンテナは、単一指向性のビームアンテナを基本構成単位として、これを縦方向に複数個組み合わせることによって複数方向の指向性を有するマルチビームアンテナを構成している。これによって、送信アンテナ1基で、所望の利得、所望の方向、および所望の数のビームを有するSHF帯域に好適なマルチビームアンテナを実現することができる。また、本発明のマルチビームアンテナは縦長の筒型構造で軽量化されているので、マルチビームアンテナを比較的小さな取り付け強度で強固に固定することができると共に限られたスペースで取り付けることができる。これにより、既存のテレビ放送所における構造物をそのまま利用してSHF帯域用のマルチビームアンテナを設置することができる。また、相手局が多数点在している場合でも、送信局は1基ないしは2基程度のマルチビームアンテナで無線回線TTL用の送信アンテナを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるマルチビームアンテナの構成要素となるビームアンテナの基本構成を示す概念図であり、(a)はビームアンテナの斜視図、(b)は2素子型ビームアンテナの平面図、(c)は反射板型ビームアンテナの平面図である。
【図2】図1に示すビームアンテナを4段直列に構成した4段構成のマルチビームアンテナの概念図である。
【図3】本発明において、2素子型ビームアンテナを基本構成とし、ビームの方向を分散させて4段構成のマルチビームアンテナを実現するための概念図であり、(a)はビームアンテナの側面図、(b)は2素子型ビームアンテナの平面図、(c)は4段構成のマルチビームアンテナを示す。
【図4】図3(c)に示す4段構成のマルチビームアンテナの水平/垂直指向性を示す特性図であり、(a)は水平指向性、(b)は垂直指向性を示す。
【図5】本発明において、ビームアンテナの基本構成と一次輻射器内の輻射素子の断面形状を示す図である。
【図6】(a)は、図5における輻射体17を長手方向にλ/2に分割してアレイ状に配列したコリニアアンテナの回路構成図、(b)は、図5における輻射体17に対応するように長手方向にλ/2のスロットをアレイ状に配列したスロットアンテナの回路構成図である。
【図7】本発明におけるマルチビームアンテナの基本構成であるビームアンテナの具体的な実装構造を示す外観斜視図である。
【図8】2段構成のマルチビームアンテナの具体的な構成例を示す外観図であり、(a)は本体部分の平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 一次輻射器
2 主反射板
3 輻射素子
4 副反射素子
5 副反射板
6 Aビームアンテナ
7 Bビームアンテナ
8 Cビームアンテナ
9 Dビームアンテナ
10 避雷針
11 取付柱
13 ビームアンテナ
14 マルチビームアンテナ
15 骨材
16 絶縁体
17 輻射体
17a,17b…17n 輻射体基本素子
18a,18b フランジ付固定円板
19a,19b コネクタ
20a,20b セミリジットケーブル(導波管)
21 分配器
22 導波管
23a,23b ボルト・ナット

Claims (5)

  1. 送信する電波を輻射する一次輻射器と、この一次輻射器から輻射された電波を水平方向に対して単一指向性の電波として反射する主反射板とを有するビームアンテナを、垂直方向に複数接続して備え、
    前記主反射板のそれぞれは、水平方向において異なる方向に前記電波を反射するように配置されたことを特徴とするマルチビームアンテナ。
  2. 前記ビームアンテナは、前記一次輻射器とこの一次輻射器の軸線方向に平行で対向する位置に配置される前記主反射板とを固定するフランジ付固定円板を、前記一次輻射器および前記主反射板の上下に備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチビームアンテナ。
  3. それぞれの前記ビームアンテナは、前記主反射板の長さおよび幅が個別に設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチビームアンテナ。
  4. 前記一次輻射器は、輻射素子と、副反射素子または副反射板の何れか一方を備え、
    前記輻射素子は、半波長素子がアレイ状に接続されたコリニアアンテナによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマルチビームアンテナ。
  5. 前記一次輻射器は、輻射素子と、副反射素子または副反射板の何れか一方を備え、
    前記輻射素子は、長手方向が波長の長さ以下である細長のスロットを設けたスロットアンテナによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマルチビームアンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009519668A (ja) * 2005-12-13 2009-05-14 ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド 移動通信基地局における可変ビーム制御アンテナ

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