JP2004337083A - 水溶性化合物の油溶化剤 - Google Patents

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Toshihide Hanano
年秀 花野
Shigehira Kuriyama
重平 栗山
Mitsuhiro Sakamoto
光宏 阪本
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】油脂に不溶の水溶性化合物を白濁させることなく透明な状態で、しかも容易に油脂に油溶化できる水溶性化合物の油溶化剤及び本発明の油溶化剤を含むことにより、水溶性化合物を均一に油溶化させた油脂を提供することを目的とする。
【解決手段】水溶性化合物の油溶化剤として、主構成脂肪酸がエルカ酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることを特徴とし、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを油脂に添加することにより、水溶性化合物を均一に油溶化させることができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂に不溶である水溶性化合物を油脂中に均一に油溶化させることができるポリグリセリン脂肪酸エステルに関するものである。更に詳しくは、本発明の水溶性化合物の油溶化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することで、水溶性化合物を均一に含有された油脂及び該油脂を用いた食品、医薬品、化粧品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、食品分野においては油溶性化合物を水相成分へ均一に分散させる、いわゆる可溶化に関するものが中心であった。これは一般食品の多くが水を中心としてきたことによる。しかし、近年、例えばイワシ油を原料とするエイコサペンタエン酸のマスキングフレーバーとしての水溶性香料の使用や、食用油脂類への醤油風味の付与、水溶性ビタミン類による油脂の栄養強化のように、油性食品中に水溶性化合物を均一に分散させる、いわゆる油溶化させる必要が生じてきた。
【0003】
また、食品分野以外においても、水溶性化合物を油溶化する必要性が生じてきている。例えば、水溶性ビタミン類及びその誘導体はその生理作用により医薬品や化粧品の栄養強化、または酸化防止剤として広範な用途に供されている。
【0004】
これまで、水溶性化合物の油溶化法としては、ポリオールを用いた色素の油溶化法(特許文献1参照)、レシチンによる水溶性物質の油溶化法(特許文献2参照)などが開示されている。しかしながら、これらの方法では水溶性化合物を油脂中に透明な状態で溶解させることは難しく、油相に曇りが生じたり、水溶性組成物の溶解量が多い場合は白濁するなどの問題点がある。この様に、水溶性物質を油脂中にうまく分散させることができず、分離してしまうという問題を抱えている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−16075号公報
【特許文献2】
特開平10−231240号公報
【0006】
また、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを用いて、油脂中に水溶性組成物を油溶化する方法が開示されている(特許文献3参照)。しかし、この方法を用いても、油脂中に水溶性化合物を長時間安定に油溶化させておくことは難しく、油脂中に水溶性組成物が沈殿するなどの問題点がある。
【0007】
【特許文献3】
特開平2−111426号公報
【0008】
更に、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルと中性脂質の併用による油溶化法(特許文献4参照)、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、レシチン、アルコールの併用による油溶化法(特許文献5参照)などが開示されている。しかし、複数の必須成分が必要であるため、油溶化の操作は煩雑なものとなり作業性の面で問題が残る。また、油溶化の性能についても、満足できるものではなかった。
【0009】
【特許文献4】
特開2001−231470号公報
【特許文献5】
特開平6−254378号公報
【0010】
また、従来の技術においては油相に水相を混合する際、ホモモキサー、ホモゲナイザー等による機械的な混合行程を必要とし、より煩雑なものとなっていた。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上記問題点を解決するため、機械的な混合行程がなくとも、また、他の添加剤を使用せずとも、油脂に不溶の水溶性化合物を透明な状態で溶解できる油溶化剤を提供することを目的とする。また、本発明は上記水溶性化合物の油溶化剤を含むことにより、水溶性化合物を均一に油溶化させた油脂を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、主構成脂肪酸がエルカ酸エステルからなるポリグリセリン脂肪酸エステルによって、上記の課題を解決することができるという知見を見出した。
【0013】
また、本発明の内容としては上記油溶化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルを添加した食品、医薬品又は化粧品用油脂を含んでいる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは主構成脂肪酸がエルカ酸であり、その含有量は50重量%以上、好ましくは80重量%以上が良い。50重量%以下では実質的に本発明の効果が低下する。また、エルカ酸が主構成脂肪酸であれば、他の構成脂肪酸が如何なるものであれ、何種類と混合しても良い。
【0015】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルに使用するポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度2以上であれば良く、好ましくは2〜20の範囲である。
【0016】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリンに対する脂肪酸のエステル化率は5重量%〜80重量%であるのが好ましく、10重量%〜50重量%であるのが最も好ましい。エステル化率が5重量%未満であると、油脂への溶解性が低下してしまうため、本発明の効果が期待できない。また、80重量%以上であると、油脂へは溶解するものの、水溶性化合物を安定に油溶化することができなくなるため、好ましくない。
【0017】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量は、通常油脂に対し0.01重量%〜50重量%である。50重量%以上の添加は風味上好ましくなく、0.01重量%以下であれば本発明の効果が期待し難い。
【0018】
本発明で用いられる水溶性化合物としては、その種類に制限はなく、水溶性であって、油脂中に溶解しない全ての化合物が使用できる。水溶性の化合物には不純物が含まれていても良く、また組成物や混合物であっても良く、全体として水溶性のものであれば良い。例えば、水溶性色素、水溶性ビタミン、アミノ酸、調味料、ミネラル、有機酸、保存料、タンパク質、甘味料、糖質、医薬品用生理活性物質などが挙げられる。
【0019】
具体的なものとしては、アスコルビン酸、没食子酸、クエン酸に代表される有機酸、ブドウ種子抽出物、ゴマ種子抽出物、ギシギシ種子抽出物、ローズマリー抽出物、セージ抽出物、クローブ抽出物、タイム種子抽出物、ナツメグ抽出物、ターメリック抽出物などに代表される天然物抽出物、甘草、桂皮などの生薬成分、アラニン、グリシン、アスパラギン酸などのアミノ酸、メラノイジンなどのアミノ酸変換物、大豆タンパク、乳タンパクやその分解物など、抗酸化性を有する成分、ステビア、紅花色素、乳酸カルシウム、カゼインナトリウム、砂糖、醤油などが挙げられる。
【0020】
また、上記水溶性化合物は親水性溶媒に溶解させた状態でも良い。親水性溶媒としては特に制限はなく、具体的には蒸留水、精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類などが挙げられる。
【0021】
本発明で使用される油脂は特に限定されるものではない。具体的には、ラッカセイ油、ゴマ油、大豆油、サフラワー油、アボガド油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、菜種油、綿実油、ヒマシ油、椿油、ヤシ油、オリーブ油、ケシ油、カカオ油及びホホバ油などの植物油、並びに牛脂、豚脂及び羊毛油などの動物油脂などの油脂類、ワセリン、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素系液状油、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、リシノール酸プロピルなどの高級脂肪酸エステル、木ろう、密ろう、カルナウバろうなどのろう類、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級脂肪族アルコール、ワックス類、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸、飽和又は不飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセライド混合物などが挙げられる。
【0022】
また、これらの油脂は一種単独で使用しても良く、二種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。また、油脂が固形の場合は補助溶剤を用いて液状に調製して使用しても良い。
【0023】
本発明の油溶化剤には、必要に応じて他の成分を添加、配合することができる。添加、配合できる他の成分としては油溶化剤の用途にもよるが、糖類や多価アルコール、pH調整剤等が挙げられ、具体的にはプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、マンノース、乳糖、砂糖、カップリングシュガー、ブドウ糖、麦芽糖水飴、麦芽糖、果糖、蜂蜜等が挙げられる。また、pH調整剤としてはクエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸等が挙げられる。これらは単独でも複数の混合物であっても良い。全成分中におけるこれら他の成分の添加、配合量は、製品の用途に応じて適時選択することができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0025】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは次のように合成した。ヘキサグリセリン100gとエルカ酸121.7gを反応容器に入れ、触媒及び窒素気流下、245℃で反応させ、エステル化率約25%のヘキサグリセリンジエルカ酸エステルを得た。以下同様にポリグリセリンに対する脂肪酸のモル比を変化させて製造したものを表1に示した。
【0026】
【表1】
Figure 2004337083
【0027】
【試験例】
水溶性化合物として、アスコルビン酸(和光純薬(株)製)の25%水溶液を調製した。次いで、アスコルビン酸水溶液0.5gと表1に示したポリグリセリン脂肪酸エステル1.0gを良く混合し、製剤とした。そこへ、80℃に加熱した大豆サラダ油100gを加え、約1時間スターラーで混合したものを油溶化物とした。その油溶化物を25℃の恒温槽中に放置し、24時間後及び、1ヶ月後の状態を評価した。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 2004337083
【0029】
表2から明らかなように、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用すると、水溶性化合物を油脂中に均一に油溶化させることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることによって、水溶性化合物を油脂中へ均一にかつ長時間安定に油溶化させることができる。

Claims (4)

  1. 油脂に不溶である水溶性化合物を油脂中に均一に油溶化させることができるポリグリセリン脂肪酸エステルからなる油溶化剤。
  2. ポリグリセリン脂肪酸エステルの主構成脂肪酸がエルカ酸からなることを特徴とする請求項1記載の水溶性化合物の油溶化剤。
  3. 請求項1及び2記載の油溶化剤を用いて、油脂に不溶である水溶性化合物を油溶化してなる油脂。
  4. 請求項3記載の油脂を用いた食品、医薬品及び化粧品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013256476A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Pola Chemical Industries Inc 可溶化型化粧料

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