JP2004337241A - 手術用覆布 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の所望の身体部位と、スクリーン部の向こう側とを視認可能な手術用覆布を提供する。
【解決手段】手術用覆布11は、本体部12、スクリーン部13およびマチ部14から構成される。本体部12は、患者Aの身体を覆う部分であり、透視部12aおよび開窓部12bを有する。透視部12aは、手術用覆布11の使用時に、患者Aの上肢・下肢を覆う位置に設けられている。開窓部12bは、本体部12の所定位置に設けられており、患者Aの手術野を手術可能に露出させる。スクリーン部13は、本体部12の患者A頭部側に、本体部12と一体に設けられており、透視部13aを有する。手術時には、保持具Dを用いて、立設するように保持される。透視部13aは、スクリーン部13に設けられており、その向こう側を視認可能にする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療現場等で行われる外科手術に関連して使用される手術用覆布に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外科手術において、患者の身体を覆い、手術野を露出させる手術用覆布が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。図3に示すように、手術用覆布31は、主に本体部32、スクリーン部33およびマチ部34から構成される。本体部32は、開窓部32bを有し、この開窓部32bから手術野を露出させた状態で患者Aを覆っている。スクリーン部33は、患者Aの手術野側を清潔領域、患者Aの頭部側を非清潔領域に区分けするための壁であり、保持具Dによって立設するように保持されている。外科医Bは、清潔領域に立ち手術を行う。また、麻酔科医Cは、非清潔領域に立ち麻酔の管理を行う。
【0003】
また、頭部の手術にも手術用覆布が用いられている(例えば、特許文献2参照。)。図4に示すように、手術用覆布41は、本体部42に顔面覗見用透視部42aおよび開窓部42bを並べて設けたものである。開窓部42bから手術を露出した状態で、手術野の近傍である患者Aの顔面を視認しながら手術することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−229991号公報(図7)
【特許文献2】
特開2000−37401号公報(図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の手術用覆布31に対して、以下に示すような改良を望む声が挙がっていた。
(a) 開窓部32bから離れた位置の患者の身体Aの状態を目視して確認したいときがある。例えば、患者Aの手や足が手術台から落ちそうになっていたり、患者Aの上肢・下肢が不用意に圧迫されていたり、点滴ラインがはずれていたりする状況を目視して確認できるようにしたい。
(b) 清潔領域を確保するためには、スクリーン部33を大きくすることが望ましい。しかし、スクリーン部33が大きくなると、外科医B、麻酔科医Cの視認野が狭くなるおそれがある。つまり、外科医Bの立つ清潔領域からは、患者Aの顔が見えない。また、麻酔科医Cの立つ非清潔領域からは、手術野が見えない。また、手術室中の装置等のレイアウトが制限される。したがって、清潔領域・非清潔領域の区分けと、外科医Bおよび麻酔科医Cの視認野の確保とを両立できる手術用覆布を使用したい。
【0006】
また、特許文献2に記載の手術用覆布41に対しては、以下に示すような問題点があった。
(c) 手術用覆布41はスクリーン部を有していないので、清潔領域と非清潔領域とを区分けすることができず、清潔領域を汚染から守るためには、麻酔科医等、清潔ガウンを着用していないスタッフが、必要以上に患者Aから遠くに離れて位置する必要が生じる。
(d) 顔面覗見用透視部42aは、開窓部42b近傍を視認するためのものであり、開窓部42bから離れた位置の患者Aの状態を視認するためのものではない。したがって、(a)と同様の改良が望まれている。
【0007】
そこで、本発明は、患者の所望の身体部位と、スクリーン部の向こう側とを視認可能な手術用覆布を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、請求項1に記載の手術用覆布は、手術中に患者の身体を覆う本体部と、前記本体部に形成され、手術野を露出させる開窓部と、を有する手術用覆布であって、前記本体部には、前記開窓部から所定の距離に、透光素材からなる透視部が形成されている構成とした。
【0009】
かかる構成により、手術中においても、透視部を通して患者の身体の一部を視認することができる。この透視部は、患者の上肢・下肢を視認可能な位置に設けることができる。この場合には、患者の上肢・下肢が手術台から落ちそうになっていたり、患者の上肢・下肢が不用意に圧迫されていたり、アレルギーやショックにより患者の皮膚に発疹等の変化が生じていたり、点滴ラインにトラブルが生じていたり、といったことを容易に確認することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の手術用覆布は、手術中に患者の身体を覆う本体部と、前記本体部に形成され、手術野を露出させる開窓部と、を有する手術用覆布であって、前記本体部の患者頭部側からのび、手術中には立設するように保持されるスクリーン部を有し、前記スクリーン部には、透光素材からなる透視部が形成されている構成とした。
【0011】
かかる構成により、スクリーン部に形成された透視部を通して、その向こう側を視認することができる。したがって、外科医が、透視部を通して、患者の顔を視認したり、麻酔科医が透視部を通して、手術野を視認したりすることが可能となる。
【0012】
また、請求項3に記載の手術用覆布は、請求項2に記載の手術用覆布であって、前記本体部には、前記開窓部から所定の距離に、透光素材からなる透視部が形成されている構成とした。
【0013】
かかる構成により、請求項1に記載の手術用覆布の有する機能と、請求項2に記載の手術用覆布の有する機能とを兼ね備えた手術用覆布を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について適宜図面を参照しながら説明する。上下、左右等、位置や方向をあらわす用語は、手術用覆布を使用している状態を基準とする。
図1は、本発明の実施形態に係る手術用覆布を示す概略平面図である。また図2は、本発明の実施形態に係る手術用覆布の使用状態の例を示す概略斜視図である。
【0015】
手術用覆布11の本体部12は、患者Aの身体を覆う部分であり、透視部12aおよび開窓部12bを有する。
【0016】
透光素材からなる透視部12aは、開窓部12bから所定の距離に形成されている。本実施形態では、手術用覆布11の使用時に、患者Aの上肢・下肢を覆う位置に設けられている。具体的には、患者Aの左腕、右腕、左脚および右脚を覆う位置となるよう4個の透視部12aが設けられている。
【0017】
開窓部12bは、本体部12の所定位置に設けられており、患者Aの手術野を手術可能に露出させる。開窓部12bの周縁となる本体部12の患者A側面には、粘着部(図示せず)が設けられており、この粘着部は患者Aの体に貼り付けられている。開窓部12bの位置は、その手術の種類によって決められる。本実施形態では、患者Aの胸部を覆う位置に開窓部12bが設けられている。
【0018】
手術用覆布11は、その患者A頭部側に、スクリーン部13およびマチ部14を有する。
【0019】
スクリーン部13は、本体部12の患者A頭部側に、本体部12と一体に設けられており、透視部13aを有する。手術時には、保持具Dを用いて、立設するように保持される。
【0020】
透光素材からなる透視部13aは、スクリーン部13に設けられており、その向こう側を視認可能にする。
【0021】
マチ部14は、手術時には、スクリーン部13の下側に位置する。
【0022】
スクリーン部13およびマチ部14は、手術室を清潔領域と、非清潔領域とに区分けする。詳しくは、患者Aの手術野側は清潔領域となり、患者Aの頭部側は非清潔領域となる。外科医Bは、清潔領域に立ち手術を行う。麻酔科医Cは、非清潔領域に立ち患者Aの麻酔管理を行う。
【0023】
このような手術用覆布11を外科手術に用いることにより、外科医Bは、透視部12aを通して、また、麻酔科医Cは、透視部13aおよび透視部12aを通して、患者Aの上肢・下肢の状態を視認することができる。したがって、患者Aの腕や脚が手術台から落ちそうになっていたりする場合でも、そのことを視認することができ、患者Aの腕や脚が手術台から落ちることを防ぐことが可能となる。また、患者Aの上肢・下肢が不用意に圧迫された場合もそれを視認することができ、圧迫による損傷や神経障害を防ぐことが可能となる。さらに、アレルギーやショックにより患者の皮膚に発疹等の変化が生じている場合にも、外科医Bおよび麻酔科医Cはそのことを視認することができ、手術や麻酔管理に反映することができる。その上、点滴ラインがはずれたり、点滴が漏れたりした場合にもそれを視認することができ、即座に改善することが可能となる。
【0024】
また、透視部13aが光を通すので、患者Aの顔付近が明るくなり、患者Aの顔色、唇の色、瞳孔の大きさ等の生命徴候がはっきりわかるようになる。したがって、うっ血等による患者の顔色の変化、チアノーゼによる患者の唇の色の変化、脳虚血による瞳孔の散大等、重大な生命徴候の変化を即座に、かつ正確に確認することが可能となる。さらには、麻酔管理上患者の生命維持に最も重要である気管内チューブの様子が、明るい視野の中で逐一監視可能となるため、気管内チューブのトラブルをいち早く発見できる可能性がある。
【0025】
また、清潔領域に立つ外科医Bは、透視部13aを通して非清潔領域を視認することができる。したがって、外科医Bは、患者Aの顔や、非清潔領域にある機器のモニタ等(図示せず)を容易に視認することができる。特に、頚椎前方固定術等、手術中に患者Aの頭の位置を変えて手術の成否を確認する必要のある手術に好適である。また、心臓手術中において、非清潔領域に設置される心エコーのモニタを、外科医Bは透視部13aを通して視認することができ、麻酔科医Cと相談しながら、より容易に手術を進めることが可能となる。
【0026】
また、非清潔領域に立つ麻酔科医Cは、透視部13aを通して清潔領域を視認することができる。したがって、麻酔科医Cは、開窓部12bで露出された手術野や、清潔領域にある機器のモニタ等(図示せず)を容易に視認することができる。また、外科医Bと麻酔科医Cとは、透視部13aを通してお互いの顔を視認しあえるので、より容易にコミュニケーションをとることができる。また、麻酔科医Cは、清潔領域に移動することなく手術野を視認することができるので、清潔領域の汚染を防ぐことができる。また、研修医が手術の見学を行う場合であっても、研修医は、非清潔領域側から透視部13aを通して手術野を見ることができる。
【0027】
脊椎麻酔等の局所麻酔を用いる手術においては、麻酔科医Cがおらず、外科医Bが麻酔を行い、そのまま手術することが多い。このように、麻酔科医Cがいない場合においても、外科医Bが透視部13aを通して患者Aの顔を視認することができる。
【0028】
また、スクリーン部13を大きくしても、透視部13aがあるので外科医B、麻酔科医Cの視認野が狭くなることがない。したがって、スクリーン部13の大型化による清潔領域、非清潔領域の区分けの明確化が可能となり、清潔領域の汚染をより好適に防止することができる。また、スクリーン部13の大型化により、患者Aの体液等が非清潔領域に飛散することを防止でき、非清潔領域にいる麻酔科医Cや看護婦等の、患者Aの体液による汚染を防止できる。
【0029】
前記した手術用覆布11の本体部12、スクリーン部13およびマチ部14は、同一の素材から形成されていることが望ましい。この素材は、患者Aの身体にフィットする柔軟性を有する、患者Aの身体に負担をかけないよう通気性を有する、手術中に出る患者Aの体液等による汚染を防ぐよう防水性あるいは撥水性を有する、等の機能を備えるものであることが望ましい。例えば、天然繊維、合成繊維等による不織布が好適である。
【0030】
以下、本体部12、スクリーン部13およびマチ部14の素材について述べる。本体部12、スクリーン部13およびマチ部14の、各透視部12a、13aを除く部分の素材は、不織布であることが望ましく、さらには撥水性を有する不織布であることが望ましい。不織布の素材となる天然繊維としては木綿、羊毛、絹等が挙げられる。合成繊維としてはポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ポリウレタン系等の高分子樹脂が挙げられる。半合成繊維としてはポリアセテート系が挙げられる。再生繊維としてはレーヨン、ポリノジック、キュプラ等が挙げられる。前記した繊維を用いて公知の方法で不織布を製造し、その不織布に撥水撥油剤を付与し、撥水性および撥油性を持たせる。撥水撥油剤としては、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート化合物等が好適に使用される。
【0031】
また、不織布は、公知の方法で製造された、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、湿式不織布、またはこれらの複合体である長繊維不織布に、短繊維不織布ウェブをケミカルボンド、ニードルパンチ、高圧水流による繊維の交絡等によって積層一体化した構造体である。この構造体の目付量は30〜100g/mであることが望ましい。目付量が30g/m未満では通気性が過剰になり、また撥水性や防水性が低下し汚染を防ぐことができないおそれがある。目付量が100g/mを超えると柔軟性が失われ、患者の身体にフィットしなくなるおそれがある。
【0032】
本体部12の形状は略長方形で、その大きさは、使用される手術の種類によって異なるが、縦幅(患者の身長方向)500〜4000mm、横幅500〜3000mmの範囲内である。
【0033】
開窓部12bの形状は、丸、楕円、長方形等、使用する手術に対応した形状に設定される。その大きさは、丸では直径50〜150mm、楕円では短径20〜200mm、長径30〜300mm、長方形では縦100〜500mm、横10〜300mmであることが望ましい。また、脳外科手術においては、縦50〜900mm、横30〜200mm内に形成されるU字状の開窓部が使用されることがある。胸部外科手術においては縦200〜400mm、横100〜200mm内に形成されるV字状の開窓部が使用されることがある。産科・婦人科の外科手術においては上底50〜150mm、下底150〜250mm、高さ200〜300mmの台形状の開窓部が使用されることがある。
【0034】
各透視部12a、13aの素材としては、視認可能な透光性や、防水性または撥水性を有するものであればよい。また、各透視部12a、13aの本体部12、スクリーン部13への取り付けは、公知の技術による。例えば、本体部12、スクリーン部13となる不織布を、所定の形状に切り取り、そこに各透視部12a、13aを貼付けてもよい。この場合、各透視部12a、13aと、不織布との貼付け部分が、防水性を有することが望ましい。
【0035】
本体部12に形成される透視部12aの位置、形状および数は、図示したものに限定されない。
【0036】
スクリーン部13に形成される透視部13aの形状は、図示したものに限定されない。例えば、スクリーン部13全体が透視部13aである構成であってもよい。また、部分麻酔による手術に使用する場合には、患者Aが手術野を見ることができないようにするため、透視部13aがある高さから始まる構成であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、手術中に、手術野から離れた位置の患者の身体の一部を視認可能な手術用覆布を提供することができる。
【0038】
また、請求項2に記載の発明によれば、スクリーン部に設けられた透視部を通して、その向こう側を視認可能な手術用覆布を提供することができる。
【0039】
また、請求項3に記載の発明によれば、手術中に、手術野から離れた位置の患者の身体の一部を視認可能で、かつスクリーン部に設けられた透視部を通して、その向こう側を視認可能な手術用覆布を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る手術用覆布を示す概略平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る手術用覆布の使用状態の例を示す概略斜視図である。
【図3】従来の手術用覆布を示す概略図である。
【図4】従来の手術用覆布を示す概略図である。
【符号の説明】
11 手術用覆布
12 本体部
12a 透視部
12b 開窓部
13 スクリーン部
13a 透視部
14 マチ部
A 患者
B 外科医
C 麻酔科医
D 保持具

Claims (3)

  1. 手術中に患者の身体を覆う本体部と、前記本体部に形成され、手術野を露出させる開窓部と、を有する手術用覆布であって、
    前記本体部には、前記開窓部から所定の距離に、透光素材からなる透視部が形成されていることを特徴とする手術用覆布。
  2. 手術中に患者の身体を覆う本体部と、前記本体部に形成され、手術野を露出させる開窓部と、を有する手術用覆布であって、
    前記本体部の患者頭部側からのび、手術中には立設するように保持されるスクリーン部を有し、
    前記スクリーン部には、透光素材からなる透視部が形成されていることを特徴とする手術用覆布。
  3. 前記本体部には、前記開窓部から所定の距離に、透光素材からなる透視部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の手術用覆布。
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