JP2004337657A - 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】揮発性有機化合物を含む廃水を、大気圧より低い減圧に維持した密閉容器1の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ当該廃水の温度を前記密閉容器内の飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度から前記飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持した状態でスプレーノズル3から噴出する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水又は産業廃水等の廃水にトリクロロエチレン又はテトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物を含んでいる場合に、この揮発性有機化合物を廃水から分離する方法と、その装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地下水又は産業廃水等の廃水の浄化処理に際して、この廃水に含まれているトリクロロエチレン又はテトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物を当該廃水から分離するに際しては、この廃水に対して空気等の気体を大量に吹き込むというバブリング(曝気)を行う方法を採用していたが、高い分離率にするためには、廃水に対して吹き込む空気等の気体の量を著しく多くしなければならないから、装置全体の大型化を避けることができないばかりか、多量の気体を圧送するブロワーの大型化による騒音の増大を招来し、しかも、バブリングした後における排気ガスは、多量であるにもかかわらず、この排気ガスに含まれる揮発性有機化合物の濃度が低いから、このバブリング後における前記排気ガスの浄化処理が厄介であった。
【0003】
そこで、本発明者は、先に特許出願した特許文献1において、前記廃水を、大気圧以下の減圧に保持した密閉容器内に、その下部から入れて上部から流出することで適宜液深さに溜めるように導入し、この密閉容器内に溜めた廃水を、当該廃水における水面から深い部分において沸騰・蒸発することにより、前記廃水に含まれている揮発性有機化合物を、前記沸騰・蒸発によって発生する蒸気と一緒に分離するという方法を提案した。
【0004】
【特許文献】
特開2002−282844号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この先願の分離方法は、前記従来の方法よりも分離率が遥かに高いとともに、排気ガスが少ないから、装置の小型化及び騒音の低減等を達成できるというように、従来の分離方法が有する問題を解消できる利点を有する。
【0006】
しかし、この反面、前記先願による分離方法においては、減圧にした密閉容器内に溜めた廃水を、その水面から深い部分において沸騰・蒸発することのために、前記廃水を加熱することによって、その温度を、前記密閉容器内における飽和蒸気温度よりも水面より深い部分において沸騰・蒸発させる分だけ高い温度にしなければならず、この廃水の加熱のためにエネルギーを必要とするから、この加熱に要するエネルギーの分だけ、ランニングコストが嵩むという問題があった。
【0007】
本発明は、前記先願の分離方法が有する問題、つまり、ランニングコストを低減することを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するための本発明の分離方法は、第1に、請求項1に記載したように、
「揮発性有機化合物を含む廃水を、大気圧より低い減圧に維持した密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ当該廃水の温度を前記密閉容器内の飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度から前記飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持した状態で噴出するように供給する。」
ことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の分離方法は、第2に、請求項2に記載したように、
「揮発性有機化合物を含む廃水を、大気圧より低い減圧に維持した第1密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解した状態で噴出するように供給し、この第1密閉容器から排出される廃水を、大気圧より低い減圧に維持した第2密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解した状態で噴出するように供給する一方、前記第2密閉容器内で発生した水蒸気を熱原の一部として、前記第1密閉容器に供給する廃水の温度を第1密閉容器内の飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持するとともに、前記第2密閉容器に供給する廃水の温度を第2密閉容器内の飽和蒸気温度から当該飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持する。」
ことを特徴としている。
【0010】
更にまた、本発明の分離方法は、第3に、請求項3に記載したように、
「前記請求項2の記載において、前記第2密閉容器から排出される廃水を、大気圧より低い減圧に維持され且つ前記第1密閉容器及び第2密閉容器に対して後段を成す密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ前記後段の密閉容器内の飽和蒸気温度に対して当該飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度差を維持した状態で噴出するように供給する。」
ことを特徴としている。
【0011】
一方、本発明の分離装置は、第1に、請求項4に記載したように、
「内部が大気圧より低い減圧に維持され且つ内部に揮発性有機化合物を含む廃水が噴出するように供給される第1密閉容器と、内部が大気圧より低い減圧に維持された第2密閉容器と、前記第1密閉容器から排出される廃水をこれに空気等の気体を溶解したのち前記第2密閉容器の内部に噴出するように供給する手段とを備え、更に、前記第1密閉容器に供給される廃水の温度を前記第2密閉容器内で発生する水蒸気を熱源の一部として前記第1密閉容器内の飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持する手段と、前記第2密閉容器に供給する廃水の温度を前記第2密閉容器内で発生する水蒸気を熱源の一部として第2密閉容器内の飽和蒸気温度から当該飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持する手段とを備えている。」
ことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の分離装置は、第2に、請求項5に記載したように、
「前記請求項4の記載において、前記大気圧より低い減圧に維持され且つ前記第1密閉容器及び第2密閉容器に対して後段を成す密閉容器を備え、更に、前記第2密閉容器から排出される廃水を、前記後段の密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ後段の密閉容器内の飽和蒸気温度に対してその飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度差を維持した状態で噴出するように供給する手段を備えている。」
ことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における第1の実施の形態による装置を示す。
【0014】
この装置は、内部が真空ポンプ2等の真空発生装置にて大気圧より低い減圧に維持される密閉容器1を備え、この密閉容器1内の上部にスプレーノズル3を設け、このスプレーノズル3に、地下水又は産業廃水等のようにトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物を含む廃水を、供給管路4を介して供給することにより、廃水を下向きに噴出することにより、前記廃水に対する脱気を行うように構成する一方、前記密閉容器1の底部に、脱気が終わった廃水を外に取り出すための排出管路5を設ける。
【0015】
また、前記廃水の供給管路4には、廃水をこれに熱エネルギーを加えて適宜温度に維持するための加熱手段6を設ける。また、前記供給管路4にて供給される前記廃水に予め含まれている空気等の気体の溶解量が充分でない場合においては、前記廃水の供給管路4に、二点鎖線で示すように、空気等の気体の混合手段7を設けて、廃水に充分な量の気体を溶解するようにする。
【0016】
そして、この装置において、前記供給管路4の廃水におけるトリクロロエチレン濃度と、前記排出管路5の廃水におけるトリクロロエチレン濃度とを測定するとによって、前記トリクロロエチレンの分離効率を求めることを実際に実施した。
【0017】
この実施は、前記供給管路4における廃水の温度と、前記密閉容器1内における減圧度とのうちいずれか一方又は両方を適宜調節することにより、前記供給管路4を供給する廃水の温度T1と、前記密閉容器1内における飽和蒸気温度T2との温度差ΔTを種々変えて行ったもので、その結果は、図2の通りであった。
【0018】
この図2において、前記温度差ΔTが零よりも高いプラス側の温度領域のとき、つまり、廃水の温度T1が密閉容器1内における飽和蒸気温度T2よりも高いときには、廃水は、密閉容器1内にスプレーノズル3より噴出したときにおいて、フラッシュ蒸発するとともに脱気が行われるが、前記温度差ΔTが零のとき及び零よりも低いマイナス側の温度領域のとき、つまり、廃水の温度T1が、密閉容器A内における飽和蒸気温度T2と等しいか、密閉容器1内における飽和蒸気温度T2よりも低いときには、廃水は、密閉容器1内にスプレーノズル3により噴出したときにおいて、フラッシュ蒸発することなく脱気のみが行われる。
【0019】
この図2から明らかなように、廃水中におけるトリクロロエチレンの分離効率は、前記温度差ΔTが零より5℃だけ高いとき、つまり+5℃のときにおいて約92%であるのに対して、前記温度差ΔTが前記+6℃になっても分離効率の向上は殆ど認められず、前記+5℃を越えた領域での分離効率の向上は横ばいの状態を呈するものである一方、前記分離効率は、前記温度差ΔTが零より4℃だけ低い領域において65%以下になるというように大幅に低下することが認められるのであった。
【0020】
そこで、前記した装置において、供給管路4を介して送られて来る廃水を、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ当該廃水の温度を前記密閉容器内の飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度から前記飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持した状態で、前記スプレーノズル3に供給して、密閉容器1の内部に噴出することにより、廃水中におけるトリクロロエチレンを、65〜92%という高い分離効率のもとで分離することができるのである。
【0021】
次に、図3は、本発明における第2の実施の形態を示す。
【0022】
この第2の実施の形態は、以下のように構成されている。
【0023】
すなわち、第1密閉容器11と第2密閉容器12との二つの密閉容器を備え、この両密閉容器11,12の内部には、後述する脱気及びフラッシュ蒸発を促進するためのラシヒリング等の充填物11a,12aが充填されている。
【0024】
トリクロロエチレン等の揮発性有機化合物を含み温度が15℃以下の廃水を、供給管路14を介して前記第1密閉容器11内における上部に設けたスプレーノズル13に供給することにより、このスプレーノズル13から前記第1密閉容器11内に下向きに噴出したのち、前記第1密閉容器11の底部から排出ポンプ15にて取り出す。
【0025】
この排出ポンプ15にて取り出した廃水を、移送管路16を介して前記第2密閉容器12内における上部に設けたスプレーノズル17に供給することにより、このスプレーノズル17から前記第2密閉容器12内に下向きに噴出したのち、前記第2密閉容器12の底部から排出ポンプ18にて取り出す。
【0026】
前記供給管路14から送られて来る廃水に、空気等の気体が予め充分に含まれている場合には、そのまま前記第1密閉容器11内に噴出するように供給するが、前記廃水に予め溶解されている空気等の気体が少ない場合には、前記供給管路14中に、二点鎖線で示すように、空気等の気体の混合手段19を設けて、廃水に充分な量の空気等の気体を溶解するようにする一方、前記第1密閉容器11から第2密閉容器12への廃水の移送管路16中には、空気等の気体の混合手段20を設けて、廃水に充分な量の空気等の気体を溶解するようにする。
【0027】
前記第1密閉容器1内への廃水の供給管路14中には第1熱交換器21を、前記第2密閉容器12内への廃水の移送管路16中には第2熱交換器22を各々設け、前記第1熱交換器21に、前記第2密閉容器12内にで発生した水蒸気をダクト23を介して導入して、前記水蒸気にて第1密閉容器11への廃水の温度を、前記第1熱交換器21において、高めるように構成する。
【0028】
前記第1熱交換器21内における水蒸気及び不凝縮性ガスを、ダクト24を介して真空ポンプ25にて吸引することにより、前記両密閉容器11,12内を、その内部の飽和蒸気温度が前記供給管路14における廃水の温度よりも高い温度(例えば、少なくとも5℃程度だけ高い温度)、例えば、約20℃になるように、大気圧よりも低い減圧に維持する一方、前記真空ポンプ25にて吸引して圧縮することによってエネルギーを加えた水蒸気及び不凝縮性ガスを、ダクト26を介して前記第2熱交換器22に供給することにより、前記第2密閉容器12への廃水の温度を、前記第2熱交換器22における加熱、及び前記排水ポンプ15でのエネルギーの供給によって、例えば、最高で約25℃に高めるように構成する。
【0029】
この構成において、供給管路14から第1密閉容器11に供給される廃水の温度は、第1熱交換器21において、前記第2密閉容器12内で発生する水蒸気を熱源として前記両密閉容器11,12内における飽和蒸気温度、つまり約20℃に近づくように、例えば、約19℃に高められたのち、前記第1密閉容器11内にスプレーノズル14から噴出して脱気が行われることにより、この廃水中に含まれているトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物が廃水から分離される。
【0030】
前記第1密閉容器11から排出ポンプ15にて取り出された廃水は、第2熱交換器22において約25℃に高められ、更に、これに混合手段20にて空気等の気体が混合・溶解されたのち、前記第2密閉容器12内にスプレーノズル17から噴出して、フラッシュ蒸発するとともに脱気が行われることにより、この廃水中に含まれているトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物が廃水から分離される。
【0031】
すなわち、この第2の実施の形態は、廃水からのトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物の分離を、先ず、第1密閉容器11内において、廃水の温度が第1密閉容器11内における飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度、この実施の形態では、前記飽和蒸気温度よりも約1℃だけ低い状態での脱気と、第2密閉容器12内において、廃水の温度が第2密閉容器12内における飽和蒸気温度から当該飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度までの温度範囲内のうち任意の温度、この実施の形態では、前記飽和蒸気温度よりも約5℃だけ高い状態でのフラッシュ蒸発及び脱気との二段階にわたって行うものである。
【0032】
次に、図4は、第3の実施の形態を示す。
【0033】
この第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態のように、第1密閉容器11における分離及び第2密閉容器12における分離に、更に、第3密閉容器27における分離、第4密閉容器28における分離、第5密閉容器29における分離を加えることにより、廃水からのトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物の分離を、合計で五段階にわたって行うように構成したものである。
【0034】
すなわち、前記第3密閉容器27、第4密閉容器28及び第5密閉容器29は、その内部の各々に脱気及びフラッシュ蒸発を促進するためのラシヒリング等の充填物27a,28a,29aが充填され、且つ、前記真空ポンプ25に繋がる前記第1熱交換器21へのダクト23に接続されていることにより、その内部が、前記第1密閉容器11及び第2密閉容器12と同様に、約20℃の飽和蒸気温度にになるような減圧に維持されている。
【0035】
前記第2密閉容器12から排出ポンプ18にて取り出した廃水を、移送管路30を介して、前記第3密閉容器27内における上部に設けたスプレーノズル31に供給することにより、このスプレーノズル31から前記第3密閉容器27内に下向きに噴出したのち、前記第3密閉容器27の底部から排出ポンプ32にて取り出す。
【0036】
この排出ポンプ32にて取り出した廃水を、移送管路33を介して、前記第4密閉容器28内における上部に設けたスプレーノズル34に供給することにより、このスプレーノズル34から前記第4密閉容器28内に下向きに噴出したのち、前記第4密閉容器28の底部から排出ポンプ35にて取り出す。
【0037】
この排出ポンプ35にて取り出した廃水を、移送管路36を介して、前記第5密閉容器29内における上部に設けたスプレーノズル37に供給することにより、このスプレーノズル37から前記第5密閉容器29内に下向きに噴出したのち、前記第5密閉容器29の底部から排出ポンプ38にて取り出す。
【0038】
前記第3密閉容器17への廃水の移送管路30、前記第4密閉容器28への廃水の移送管路33及び前記第5密閉容器29への廃水の移送管路36中の各々に、空気等の気体の混合手段39,40,41を設けて、各廃水に充分な量の空気等の気体を溶解するようにする。
【0039】
一方、前記第3密閉容器27への廃水の移送管路30中に、前記真空ポンプ25にて圧縮された水蒸気及び不凝縮性ガスを熱源とする第3熱交換器42を設けて、前記第3密閉容器27への廃水の温度を、約22℃に高めるように構成する。
【0040】
なお、この第3熱交換器42は、前記第2熱交換器22と同様に前記真空ポンプ25にて圧縮された水蒸気及び不凝縮性ガスを熱源とすることから、前記第2熱交換器22と一体化した一体型の熱交換器に構成することができる。
【0041】
この構成において、前記第2密閉容器12内においてフラッシュ蒸発と脱気が行われ、この第2密閉容器12から排出ポンプ18にて取り出された廃水は、第3熱交換器42において約22℃に高められ、更に、これに混合手段39にて空気等の気体が混合されたのち、前記第3密閉容器27内にスプレーノズル31から噴出して、フラッシュ蒸発するとともに脱気が行われることにより、この廃水中に含まれているトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物が廃水から分離される。
【0042】
前記第3密閉容器27内から排出ポンプ32にて取り出された廃水は、これに混合手段40にて空気等の気体が混合されたのち、前記第4密閉容器28内にスプレーノズル34から噴出して、脱気が行われることにより、この廃水中に含まれているトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物が廃水から分離される。
【0043】
そして、前記第4密閉容器28内から排出ポンプ35にて取り出された廃水は、これに混合手段41にて空気等の気体が混合されたのち、前記第5密閉容器29内にスプレーノズル37から噴出して、脱気が行われることにより、この廃水中に含まれているトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物が廃水から分離される。
【0044】
この第3の実施の形態は、廃水のフラッシュ蒸発と脱気とを行う密閉容器を、第2密閉容器12と、第3密閉容器27との二つに構成する一方、これより後段において廃水の脱気を行うための後段の密閉容器を、第4密閉容器28と、第5密閉容器29との二つに構成した場合である。
【0045】
なお、前記第1及び第2の実施の形態において、前記第2熱交換器22及び第3熱交換器42からは、トリクロロエチレン等の揮発性有機化合物を含んだ状態の凝縮水及び不凝縮性ガスが管路43,44より排出されるが、これらは、例えば、以下にようにして処理される。
【0046】
すなわち、凝縮水は、超音波分解槽に導いて、超音波を照射することにより、これに含まれている揮発性有機化合物を分解する一方、前記不凝縮性ガスは、これを加熱炉に導いて、これに揮発性有機化合物を熱分解したのち大気中に放出する。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、請求項1に記載したように、揮発性有機化合物を含む廃水を、大気圧より低い減圧に維持した密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ当該廃水の温度を前記密閉容器内の飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度から前記飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持した状態で噴出するように供給することを特徴とするものであることにより、廃水の温度を前記した温度範囲内のうち任意の温度に維持するだけで良く、廃水を前記温度範囲内のうち任意の温度に維持することに加えるエネルギーを、前記した先願の分離方法のように水面より深い部分で沸騰・蒸発する場合によりも遥かに少なくできるから、揮発性有機化合物を高い分離効率で、且つ、低いランニングコストで分離することができる効果を有する。
【0048】
また、請求項2及び3は、前記した分離を、複数段にわたって行うことにより、揮発性有機化合物の分離効率をより高めることができるほか、第2密閉容器内でのフラッシュ蒸発にて発生した水蒸気を、廃水の温度を前記温度に維持することの熱源に利用することにより、前記温度に維持することに加えるエネルギーをより少なくできるから、ランニングコストを更に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態による装置を示す図である。
【図2】前記図1の装置において、廃水の温度と密閉容器内の飽和蒸気温度との温度差と、揮発性有機化合物の分離効率との関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による装置を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による装置を示す図である。
【符号の説明】
1 密閉容器
2 真空ポンプ
3,13,17,31,34,37 スプレーノズル
4,14 廃水の供給管路
6 加熱手段
7,19,20,39,40,41 気体の混合手段
11 第1密閉容器
12 第2密閉容器
21 第1熱交換器
22 第2熱交換器
25 真空ポンプ
27 第3密閉容器
28 第4密閉容器
29 第5密閉容器
Claims (5)
- 揮発性有機化合物を含む廃水を、大気圧より低い減圧に維持した密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ当該廃水の温度を前記密閉容器内の飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度から前記飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持した状態で噴出するように供給することを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法。
- 揮発性有機化合物を含む廃水を、大気圧より低い減圧に維持した第1密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解した状態で噴出するように供給し、この第1密閉容器から排出される廃水を、大気圧より低い減圧に維持した第2密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解した状態で噴出するように供給する一方、前記第2密閉容器内で発生した水蒸気を熱原の一部として、前記第1密閉容器に供給する廃水の温度を第1密閉容器内の飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持するとともに、前記第2密閉容器に供給する廃水の温度を第2密閉容器内の飽和蒸気温度から当該飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持することを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法。
- 前記請求項2の記載において、前記第2密閉容器から排出される廃水を、大気圧より低い減圧に維持され且つ前記第1密閉容器及び第2密閉容器に対して後段を成す密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ前記後段の密閉容器内の飽和蒸気温度に対して当該飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度差を維持した状態で噴出するように供給することを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法。
- 内部が大気圧より低い減圧に維持され且つ内部に揮発性有機化合物を含む廃水が噴出するように供給される第1密閉容器と、内部が大気圧より低い減圧に維持された第2密閉容器と、前記第1密閉容器から排出される廃水をこれに空気等の気体を溶解したのち前記第2密閉容器の内部に噴出するように供給する手段とを備え、更に、前記第1密閉容器に供給される廃水の温度を前記第2密閉容器内で発生する水蒸気を熱源の一部として前記第1密閉容器内の飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持する手段と、前記第2密閉容器に供給する廃水の温度を前記第2密閉容器内で発生する水蒸気を熱源の一部として第2密閉容器内の飽和蒸気温度から当該飽和蒸気温度よりも5℃だけ高い温度までの温度範囲内のうち任意の温度に維持する手段とを備えていることを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する装置。
- 前記請求項4の記載において、前記大気圧より低い減圧に維持され且つ前記第1密閉容器及び第2密閉容器に対して後段を成す密閉容器を備え、更に、前記第2密閉容器から排出される廃水を、前記後段の密閉容器の内部に、当該廃水に空気等の気体を溶解し且つ後段の密閉容器内の飽和蒸気温度に対してその飽和蒸気温度に等しい温度から当該飽和蒸気温度よりも4℃だけ低い温度までの温度範囲内のうち任意の温度差を維持した状態で噴出するように供給する手段を備えていることを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する装置。
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