JP2004338105A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて簡単な構成により、ガイドシャフトと軸受け部の内面との摩擦面積を効果的に減少し、キャリア動作に対する負荷を低減し、低温での使用を可能にし、より長時間使用できる記録装置を提供する。
【解決手段】ガイドシャフト4の軸受け部3内面で、上部円弧側では2カ所以上の点または線的接触に突起部33、下部円弧側では面的接触Bとし、かつ前記面的接触部分Bには横方向に溝部35を二条以上形成し、これらの隙間部Sに潤滑用グリスが保持されるように構成。
【選択図】図4
【解決手段】ガイドシャフト4の軸受け部3内面で、上部円弧側では2カ所以上の点または線的接触に突起部33、下部円弧側では面的接触Bとし、かつ前記面的接触部分Bには横方向に溝部35を二条以上形成し、これらの隙間部Sに潤滑用グリスが保持されるように構成。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置、特にインクヘッドを装着したキャリアがガイドシャフトに案内されて往復走行するようになっている記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタなどの記録装置において、インクヘッドを装着したキャリアがガイドシャフトに案内されて往復走行するようになっているものでは、キャリアに設けられている軸受部が潤滑用グリスを塗布したガイドシャフトに摺動自在に嵌合されている。
【0003】従来のこの種記録装置では、断面視円形のガイドシャフトに、内面が円形面に形成されている軸受部が摺動自在に嵌合されているため、キャリアが前記ガイドシャフトに案内されて一定領域を往復走行するという動作が繰り返されると、ガイドシャフトに塗布されていた潤滑用グリスの余剰分(余剰グリス)が軸受部によって前記領域の端部に押しやられたままになる。その反面、前記領域内では、ガイドシャフト表面と軸受部の内面との間の微細な隙間(クリアランス)にグリスが膜状に残るが、その隙間内にグリスが補給されることはない。この結果、前記グリスの乾燥が促進されて潤滑性が徐々に低下し、キャリアの異常動作を起こしたり、場合によってはキャリアの動作が停止してしまうといった事態が生じるなどといった、不都合がある。
【0004】ところで、上述の点を考慮して、例えばインクヘッド着脱部とそのインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部とを一体に有するキャリアの前記軸受部が潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトに摺動自在に嵌合され、前記軸受部の内面がその内面を軸方向に横切る溝部を周方向等間隔おきの複数箇所に有していると共に、前記溝部とガイドシャフトとの間に、余剰グリスが寄り集まることのできる隙間が形成され、かつ、これらの隙間は前記ガイドシャフトの外周面の頂部を除く箇所に形成したものが別途本件出願人によって提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−172827号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の特許文献1記載の構成では、従来のように、オイルバッドなどの余分な部材を用いずに、ガイドシャフトと軸受部との摺動箇所への潤滑用グリスの補給が可能となり、キャリアの走行安定性の向上によって印字品質などが常に良好に保たれるようになり、また、軸受部とガイドシャフトとの摺動によって発生する摩耗粉に起因してキャリアの走行安定性が損なわれるという事態も抑制され都合がよい。ところが、前記ガイドシャフトと軸受部の内面との接触部分は、前記溝部が形成された以外は、略面的接触であることから、摩擦面積が多く、高負荷となり、特に低温での使用時、キャリア動作負荷上昇に伴って、印字ピッチ不良(縦縞)が発生し、ときには印字動作が停止することがある。さらには、前記溝部から補給される潤滑用グリスには限りがあり、自ずと使用期間が限られるなどといった課題がある。
【0007】本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、極めて簡単な構成により、ガイドシャフトと軸受部の内面との摩擦面積を効果的に減少し、キャリア動作に対する負荷を低減し、低温での使用を可能にするとともに、より長期間に亘って使用できるようにした記録装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明では、インクヘッドが装着されるインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部を有するキャリアと、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトとを備え、このガイドシャフトに前記キャリアの軸受部を摺動自在に嵌合してなる記録装置において、前記軸受部の内面を、前記ガイドシャフトとの接触が上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触に、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、かつ、前記面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成し、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスが保持されるように構成する。
【0009】請求項1記載の発明の構成によれば、相対的に負荷の掛かりが少ない上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成してこれらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減するとともに、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が略半減したこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0010】請求項2記載の発明では、インクヘッド着脱部を有するキャリアの軸受部が潤滑用グリスを塗布したガイドシャフトに摺動自在に嵌合され、前記軸受部と上記ガイドシャフトとの間に、前記潤滑用グリスが保持できる隙間が、前記軸受部の内面を軸方向に横切る形態で形成された記録装置において、前記ガイドシャフトと軸受部との接触に際し、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側部分ではその軸方向で点または線的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に前記潤滑用グリスを保持する隙間を形成するとともに、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側部分ではその軸方向で面的接触に構成する。
【0011】請求項2記載の発明の構成によれば、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側ではその軸方向で点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側ではその軸方向で面的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減し、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が減じたこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0012】請求項3記載の発明では、インクヘッドが装着されるインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部を有するキャリアと、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトとを備え、このガイドシャフトに前記キャリアの軸受部を摺動自在に嵌合してなる記録装置において、前記軸受部の内面を、前記ガイドシャフトとの接触が上部円弧側ではその軸方向で点または線的接触に、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、かつ、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部を含むとともに、前記面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスが保持されるように構成する。
【0013】請求項3記載の発明の構成によっても上部円弧側ではその軸方向で少なくとも頂部を含んで点または線的接触とし、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、摩擦面積を略半減しするとともに、ガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、上述したものと同様の作用効果を奏する。
【0014】請求項4記載の発明では、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設する。
【0015】請求項4記載の発明の構成によれば、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設さ、ガイドシャフトの上部円弧側の等角度に形成されるので、バランスよく負荷が掛かり、キャリア走行安定性がより良好に維持されるようになり、都合がよい。
【0016】請求項5記載の発明では、前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部と、この底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設する。
【0017】請求項5記載の発明の構成によれば、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部と、この底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設され、ガイドシャフトの下部円弧側の等角度に形成されるので、前記したグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとがガイドシャフトの周方向で万遍なく長期間に亘り行われてキャリア走行安定性が常に良好に維持されるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1乃至図3に基づき説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施形態による記録装置の概略構成を示す斜視図、図2は、図1に示す記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図、図3は、図1に示す記録装置のキャリアの軸受部とガイドシャフトとの関係を示す部分断面図である。
【0020】1は、キャリアで、インクヘッド着脱部2とそのインクヘッド着脱部2の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部3とを一体に有する。前記インクヘッド着脱部2には、図示しないがそれぞれ黒色およびカラー用のインクヘッドが装着されている。前記軸受部3は、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフト4に摺動自在に嵌合されている。前記キャリア1には、その上部に摺動部5を備えており、この摺動部5が、シャーシなどによって形成された水平なレール部6によって案内されるようになっている。
【0021】前記合成樹脂製の軸受部3の内面31は、その内面31が前記ガイドシャフト4との接触に際し、相対的に負荷の掛かりが少ない上部円弧32側部分は、その軸方向で線的接触となるように、この例では、上部円弧32の頂部Tに突起部33が連続的に形成されている。この場合、前記軸受部3の内面31の軸方向に突起部33を複数個適当な間隔を空けて設け、点接触となるようにしてもよいのは勿論である。また、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側すなわち、下部円弧34側部分は、その軸方向で面的接触となるように形成されている。この例では、前記下部円弧34側部分の底部Bに軸方向に横切る溝部35が形成されている。従って、前記突起部33および溝部35の存在により、これらガイドシャフト4と軸受部3の内面31との間に形成される隙間Sに、余剰グリスが寄り集まり、潤滑用グリスが保持されることとなる。前記点または線的接触と面的接触が、軸受部3の内面31のガイドシャフト30の表面に対する摺動部分となっている。なお、図中36は、軸受部31に形成された面取り部で、このような面取り部36を形成しておくと軸受部3をガイドシャフト4に挿入する際に入りやすくなり、都合がよい。
【0022】以上のような実施の形態では、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側である上部円弧32側部分には、その軸方向で線的接触となるように、上部円弧32の頂部Tに突起部33を連続的に形成し、また、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側である下部円弧34側部分には、その軸方向で面的接触となるようにするとともに、その底部Bに軸方向に横切る溝部35を形成してその摩擦面積を略半減するとともに、これら摩擦面積を略半減し、ガイドシャフト4と軸受部3の内面31との間に形成される隙間Sに、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、キャリア1の走行によってガイドシャフト4を軸受部3が摺動すると、その軸受部3の内面31とガイドシャフト4との間に形成される隙間Sの走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部3がガイドシャフト4を摺動したときに、軸受部3の内面31とガイドシャフト4との摺動箇所、特に、負荷の掛かりが多い円弧側である下部円弧34側、すなわち面的接触部分に少しずつ給送されてガイドシャフト4の表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリア1の走行時には、摩擦面積が減じたこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部3を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0023】次に、図4に示す本発明の他の実施形態について説明する。なお、図4において図1乃至図3と同じ符号を付した部分は略同一のものを示す。以下相違点を中心に説明する。
【0024】図4は、本発明の他の実施形態による記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図である。
【0025】この形態では、前記相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側である上部円弧32側部分には、その軸方向で点または線的接触となるように形成される突起部33が、少なくともガイドシャフトの頂部Tと、この頂部Tから左右略45度の位置にそれぞれ配設されている。また、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側で、面的接触になるように形成される下部円弧34側部分には、その軸方向に横切る溝部35が、少なくともガイドシャフト4の底部Bと、この底部Bから左右略45度の位置にそれぞれ配設されている。そして、上述した実施態様と同様、ガイドシャフト4と軸受部3の内面31との間に形成される隙間Sに、前記潤滑用グリスを保持するように構成されている。
【0026】この構成によれば、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する他、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフト4の頂部Tと、この頂部Tから左右略45度の位置にそれぞれ配設さ、ガイドシャフト4の上部円弧32側の等角度に形成されるので、バランスよく負荷が掛かり、キャリア走行安定性がより良好に維持されるようになり、都合がよい。また、前記面的接触部分である下部円弧34の内面31を軸方向に横切る溝部35は、少なくともガイドシャフト4の底部Bと、この底部Bから左右略45度の位置にそれぞれ配設され、ガイドシャフト4の下部円弧34側の等角度に形成されるので、前記したグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとがガイドシャフト4の周方向で万遍なく行われてキャリア走行安定性が常に良好に維持されるようになる。
【0027】なお、上述した各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明では、相対的に負荷の掛かりが少ない上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成してこれらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減するとともに、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が略半減したこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる、などという効果を奏する。
【0029】また、請求項2記載の発明では、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側ではその軸方向で点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側ではその軸方向で面的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減し、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が減じたこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0030】また、請求項3記載の発明の構成によっても上部円弧側ではその軸方向で少なくとも頂部を含んで点または線的接触とし、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、摩擦面積を略半減しするとともに、ガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、上述したものと同様の作用効果を奏する。
【0031】また、請求項4記載の発明では、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設さ、ガイドシャフトの上部円弧側の等角度に形成されるので、バランスよく負荷が掛かり、キャリア走行安定性がより良好に維持されるようになり、都合がよい。
【0032】さらに、請求項5記載の発明では、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部と、この底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設され、ガイドシャフトの下部円弧側の等角度に形成されるので、前記したグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとがガイドシャフトの周方向で万遍なく長期間に亘り行われてキャリア走行安定性が常に良好に維持されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図である。
【図3】図1に示す記録装置のキャリアの軸受部とガイドシャフトとの関係を示す部分断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態による記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図である。
【符号の説明】
1 キャリア
2 インクヘッド着脱部
3 軸受部
31 内面
32 上部円弧
33 突起部
34 下部円弧
35 溝部
4 ガイドシャフト
T 頂部
B 底部
S 隙間
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置、特にインクヘッドを装着したキャリアがガイドシャフトに案内されて往復走行するようになっている記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタなどの記録装置において、インクヘッドを装着したキャリアがガイドシャフトに案内されて往復走行するようになっているものでは、キャリアに設けられている軸受部が潤滑用グリスを塗布したガイドシャフトに摺動自在に嵌合されている。
【0003】従来のこの種記録装置では、断面視円形のガイドシャフトに、内面が円形面に形成されている軸受部が摺動自在に嵌合されているため、キャリアが前記ガイドシャフトに案内されて一定領域を往復走行するという動作が繰り返されると、ガイドシャフトに塗布されていた潤滑用グリスの余剰分(余剰グリス)が軸受部によって前記領域の端部に押しやられたままになる。その反面、前記領域内では、ガイドシャフト表面と軸受部の内面との間の微細な隙間(クリアランス)にグリスが膜状に残るが、その隙間内にグリスが補給されることはない。この結果、前記グリスの乾燥が促進されて潤滑性が徐々に低下し、キャリアの異常動作を起こしたり、場合によってはキャリアの動作が停止してしまうといった事態が生じるなどといった、不都合がある。
【0004】ところで、上述の点を考慮して、例えばインクヘッド着脱部とそのインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部とを一体に有するキャリアの前記軸受部が潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトに摺動自在に嵌合され、前記軸受部の内面がその内面を軸方向に横切る溝部を周方向等間隔おきの複数箇所に有していると共に、前記溝部とガイドシャフトとの間に、余剰グリスが寄り集まることのできる隙間が形成され、かつ、これらの隙間は前記ガイドシャフトの外周面の頂部を除く箇所に形成したものが別途本件出願人によって提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−172827号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の特許文献1記載の構成では、従来のように、オイルバッドなどの余分な部材を用いずに、ガイドシャフトと軸受部との摺動箇所への潤滑用グリスの補給が可能となり、キャリアの走行安定性の向上によって印字品質などが常に良好に保たれるようになり、また、軸受部とガイドシャフトとの摺動によって発生する摩耗粉に起因してキャリアの走行安定性が損なわれるという事態も抑制され都合がよい。ところが、前記ガイドシャフトと軸受部の内面との接触部分は、前記溝部が形成された以外は、略面的接触であることから、摩擦面積が多く、高負荷となり、特に低温での使用時、キャリア動作負荷上昇に伴って、印字ピッチ不良(縦縞)が発生し、ときには印字動作が停止することがある。さらには、前記溝部から補給される潤滑用グリスには限りがあり、自ずと使用期間が限られるなどといった課題がある。
【0007】本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、極めて簡単な構成により、ガイドシャフトと軸受部の内面との摩擦面積を効果的に減少し、キャリア動作に対する負荷を低減し、低温での使用を可能にするとともに、より長期間に亘って使用できるようにした記録装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明では、インクヘッドが装着されるインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部を有するキャリアと、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトとを備え、このガイドシャフトに前記キャリアの軸受部を摺動自在に嵌合してなる記録装置において、前記軸受部の内面を、前記ガイドシャフトとの接触が上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触に、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、かつ、前記面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成し、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスが保持されるように構成する。
【0009】請求項1記載の発明の構成によれば、相対的に負荷の掛かりが少ない上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成してこれらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減するとともに、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が略半減したこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0010】請求項2記載の発明では、インクヘッド着脱部を有するキャリアの軸受部が潤滑用グリスを塗布したガイドシャフトに摺動自在に嵌合され、前記軸受部と上記ガイドシャフトとの間に、前記潤滑用グリスが保持できる隙間が、前記軸受部の内面を軸方向に横切る形態で形成された記録装置において、前記ガイドシャフトと軸受部との接触に際し、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側部分ではその軸方向で点または線的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に前記潤滑用グリスを保持する隙間を形成するとともに、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側部分ではその軸方向で面的接触に構成する。
【0011】請求項2記載の発明の構成によれば、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側ではその軸方向で点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側ではその軸方向で面的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減し、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が減じたこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0012】請求項3記載の発明では、インクヘッドが装着されるインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部を有するキャリアと、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトとを備え、このガイドシャフトに前記キャリアの軸受部を摺動自在に嵌合してなる記録装置において、前記軸受部の内面を、前記ガイドシャフトとの接触が上部円弧側ではその軸方向で点または線的接触に、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、かつ、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部を含むとともに、前記面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスが保持されるように構成する。
【0013】請求項3記載の発明の構成によっても上部円弧側ではその軸方向で少なくとも頂部を含んで点または線的接触とし、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、摩擦面積を略半減しするとともに、ガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、上述したものと同様の作用効果を奏する。
【0014】請求項4記載の発明では、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設する。
【0015】請求項4記載の発明の構成によれば、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設さ、ガイドシャフトの上部円弧側の等角度に形成されるので、バランスよく負荷が掛かり、キャリア走行安定性がより良好に維持されるようになり、都合がよい。
【0016】請求項5記載の発明では、前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部と、この底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設する。
【0017】請求項5記載の発明の構成によれば、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部と、この底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設され、ガイドシャフトの下部円弧側の等角度に形成されるので、前記したグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとがガイドシャフトの周方向で万遍なく長期間に亘り行われてキャリア走行安定性が常に良好に維持されるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1乃至図3に基づき説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施形態による記録装置の概略構成を示す斜視図、図2は、図1に示す記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図、図3は、図1に示す記録装置のキャリアの軸受部とガイドシャフトとの関係を示す部分断面図である。
【0020】1は、キャリアで、インクヘッド着脱部2とそのインクヘッド着脱部2の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部3とを一体に有する。前記インクヘッド着脱部2には、図示しないがそれぞれ黒色およびカラー用のインクヘッドが装着されている。前記軸受部3は、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフト4に摺動自在に嵌合されている。前記キャリア1には、その上部に摺動部5を備えており、この摺動部5が、シャーシなどによって形成された水平なレール部6によって案内されるようになっている。
【0021】前記合成樹脂製の軸受部3の内面31は、その内面31が前記ガイドシャフト4との接触に際し、相対的に負荷の掛かりが少ない上部円弧32側部分は、その軸方向で線的接触となるように、この例では、上部円弧32の頂部Tに突起部33が連続的に形成されている。この場合、前記軸受部3の内面31の軸方向に突起部33を複数個適当な間隔を空けて設け、点接触となるようにしてもよいのは勿論である。また、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側すなわち、下部円弧34側部分は、その軸方向で面的接触となるように形成されている。この例では、前記下部円弧34側部分の底部Bに軸方向に横切る溝部35が形成されている。従って、前記突起部33および溝部35の存在により、これらガイドシャフト4と軸受部3の内面31との間に形成される隙間Sに、余剰グリスが寄り集まり、潤滑用グリスが保持されることとなる。前記点または線的接触と面的接触が、軸受部3の内面31のガイドシャフト30の表面に対する摺動部分となっている。なお、図中36は、軸受部31に形成された面取り部で、このような面取り部36を形成しておくと軸受部3をガイドシャフト4に挿入する際に入りやすくなり、都合がよい。
【0022】以上のような実施の形態では、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側である上部円弧32側部分には、その軸方向で線的接触となるように、上部円弧32の頂部Tに突起部33を連続的に形成し、また、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側である下部円弧34側部分には、その軸方向で面的接触となるようにするとともに、その底部Bに軸方向に横切る溝部35を形成してその摩擦面積を略半減するとともに、これら摩擦面積を略半減し、ガイドシャフト4と軸受部3の内面31との間に形成される隙間Sに、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、キャリア1の走行によってガイドシャフト4を軸受部3が摺動すると、その軸受部3の内面31とガイドシャフト4との間に形成される隙間Sの走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部3がガイドシャフト4を摺動したときに、軸受部3の内面31とガイドシャフト4との摺動箇所、特に、負荷の掛かりが多い円弧側である下部円弧34側、すなわち面的接触部分に少しずつ給送されてガイドシャフト4の表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリア1の走行時には、摩擦面積が減じたこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部3を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0023】次に、図4に示す本発明の他の実施形態について説明する。なお、図4において図1乃至図3と同じ符号を付した部分は略同一のものを示す。以下相違点を中心に説明する。
【0024】図4は、本発明の他の実施形態による記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図である。
【0025】この形態では、前記相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側である上部円弧32側部分には、その軸方向で点または線的接触となるように形成される突起部33が、少なくともガイドシャフトの頂部Tと、この頂部Tから左右略45度の位置にそれぞれ配設されている。また、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側で、面的接触になるように形成される下部円弧34側部分には、その軸方向に横切る溝部35が、少なくともガイドシャフト4の底部Bと、この底部Bから左右略45度の位置にそれぞれ配設されている。そして、上述した実施態様と同様、ガイドシャフト4と軸受部3の内面31との間に形成される隙間Sに、前記潤滑用グリスを保持するように構成されている。
【0026】この構成によれば、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する他、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフト4の頂部Tと、この頂部Tから左右略45度の位置にそれぞれ配設さ、ガイドシャフト4の上部円弧32側の等角度に形成されるので、バランスよく負荷が掛かり、キャリア走行安定性がより良好に維持されるようになり、都合がよい。また、前記面的接触部分である下部円弧34の内面31を軸方向に横切る溝部35は、少なくともガイドシャフト4の底部Bと、この底部Bから左右略45度の位置にそれぞれ配設され、ガイドシャフト4の下部円弧34側の等角度に形成されるので、前記したグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとがガイドシャフト4の周方向で万遍なく行われてキャリア走行安定性が常に良好に維持されるようになる。
【0027】なお、上述した各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明では、相対的に負荷の掛かりが少ない上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成してこれらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減するとともに、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が略半減したこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる、などという効果を奏する。
【0029】また、請求項2記載の発明では、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側ではその軸方向で点または線的接触とし、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側ではその軸方向で面的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、摩擦面積は略半減し、キャリアの走行によってガイドシャフトを軸受部が摺動すると、その軸受部の内面とガイドシャフトとの間に形成される隙間の走行跡に、余剰グリスが寄り集まって大きなグリスラインが形成される。このため、従来のようにキャリア走行領域の端部に余剰グリスが押しやられてしまうという現象が抑制される。また、前記グリスラインを形成している大量の潤滑用グリスは、その後に軸受部がガイドシャフトを摺動したときに、軸受部の内面とガイドシャフトとの摺動箇所に少しずつ給送されてガイドシャフトの表面に膜状に残っているグリスの乾燥を防ぐ。従がって、キャリアの走行時には、摩擦面積が減じたこと、およびグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとが相伴って、低温での使用が可能となる他、キャリア走行安定性は、グリス溜まりが増大したことにより、長期間に亘って良好に維持されるようになる。しかも、そのための構成は極めて簡単で、軸受部を合成樹脂で成形する際に一体に形成すればよく、殊更オイルバッドなどの余分な部材を用いる必要がなくなるので、部品点数を増やさずにキャリア走行安定性を高めることが可能となる。
【0030】また、請求項3記載の発明の構成によっても上部円弧側ではその軸方向で少なくとも頂部を含んで点または線的接触とし、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、この面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、摩擦面積を略半減しするとともに、ガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスを保持するように構成しているので、上述したものと同様の作用効果を奏する。
【0031】また、請求項4記載の発明では、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設さ、ガイドシャフトの上部円弧側の等角度に形成されるので、バランスよく負荷が掛かり、キャリア走行安定性がより良好に維持されるようになり、都合がよい。
【0032】さらに、請求項5記載の発明では、上述したものと同様の作用効果を奏する他、前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部と、この底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設され、ガイドシャフトの下部円弧側の等角度に形成されるので、前記したグリスラインからの前記摺動箇所へのグリス補給と、余剰グリスのグリスラインへの寄り集まりとがガイドシャフトの周方向で万遍なく長期間に亘り行われてキャリア走行安定性が常に良好に維持されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図である。
【図3】図1に示す記録装置のキャリアの軸受部とガイドシャフトとの関係を示す部分断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態による記録装置の要部を拡大して示す縦断面拡大図である。
【符号の説明】
1 キャリア
2 インクヘッド着脱部
3 軸受部
31 内面
32 上部円弧
33 突起部
34 下部円弧
35 溝部
4 ガイドシャフト
T 頂部
B 底部
S 隙間
Claims (5)
- インクヘッドが装着されるインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部を有するキャリアと、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトとを備え、このガイドシャフトに前記キャリアの軸受部を摺動自在に嵌合してなる記録装置において、
前記軸受部の内面を、前記ガイドシャフトとの接触が上部円弧側ではその軸方向で少なくとも2箇所以上点または線的接触に、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、かつ、前記面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも二条以上形成し、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスが保持されるように構成したことを特徴とする記録装置。 - インクヘッド着脱部を有するキャリアの軸受部が潤滑用グリスを塗布したガイドシャフトに摺動自在に嵌合され、前記軸受部と上記ガイドシャフトとの間に、前記潤滑用グリスが保持できる隙間が、前記軸受部の内面を軸方向に横切る形態で形成された記録装置において、
前記ガイドシャフトと軸受部との接触に際し、相対的に負荷の掛かりが少ない円弧側部分ではその軸方向で点または線的接触とし、これらガイドシャフトと軸受部との間に前記潤滑用グリスを保持する隙間を形成するとともに、相対的に負荷の掛かりが多い他の円弧側部分ではその軸方向で面的接触に構成したことを特徴とする記録装置。 - インクヘッドが装着されるインクヘッド着脱部の背部に一体に設けられた合成樹脂製の軸受部を有するキャリアと、潤滑用グリスを塗布した断面視円形のガイドシャフトとを備え、このガイドシャフトに前記キャリアの軸受部を摺動自在に嵌合してなる記録装置において、
前記軸受部の内面を、前記ガイドシャフトとの接触が上部円弧側ではその軸方向で点または線的接触に、下部円弧側ではその軸方向で面的接触とし、かつ、前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部を含むとともに、前記面的接触部分には内面を軸方向に横切る溝部を少なくとも一条以上形成し、これらガイドシャフトと軸受部との間に形成される隙間に、前記潤滑用グリスが保持されるように構成したことを特徴とする記録装置。 - 前記点または線的接触は、少なくともガイドシャフトの頂部と、この頂部から左右略45度の位置にそれぞれ配設してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の記録装置。
- 前記面的接触部分の内面を軸方向に横切る溝部は、少なくともガイドシャフトの底部から左右略45度の位置にそれぞれ配設してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の記録装置。
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|---|---|---|---|
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7681983B2 (en) | 2006-04-04 | 2010-03-23 | Seiko Epson Corporation | Image forming apparatus and vibration prevention mechanism of a carriage |
| JP2012041970A (ja) * | 2010-08-18 | 2012-03-01 | Seiko Epson Corp | 軸受構造及び記録装置 |
| US8213844B2 (en) | 2008-08-26 | 2012-07-03 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Developing device and image forming apparatus |
| JP2012131047A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Seiko Epson Corp | 軸受構造及び記録装置 |
| JP2021160167A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | キヤノン株式会社 | 液体残量検知機構および液体吐出装置 |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003134143A patent/JP2004338105A/ja active Pending
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