JP2004339509A - 難燃性熱硬化性材料、その用途およびその製造方法 - Google Patents

難燃性熱硬化性材料、その用途およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】特定のホスフィン酸塩および/または特定のジホスフィン酸塩および/またはこれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)および少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分(成分B)を含有する難燃性熱硬化性材料。
【効果】ホスフィン酸の塩を沢山の相乗性ハロゲン含有化合物と組合せると、それが熱硬化性樹脂、例えば不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂に対して有効な難燃剤となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性熱硬化性材料、その製造方法およびその用途に関する。
熱硬化性樹脂から製造される部材、特にガラス繊維強化物質を有するものはその良好な機械的性質、その低い密度、十分な耐薬品性および優れた表面品質に特徴がある。このことおよびそれの低価格が鉄道車両、建材および航空の用途分野において金属材料の代替物質としてそれを使用させている。
不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)、エポキシ樹脂(EP樹脂)およびポリウレタン(PU樹脂)は燃焼性であり、それ故に幾つかの用途においては難燃性にする必要がある。防火および製品の環境への適合性に関するますます増大する市場の要求はハロゲン不含の難燃剤、例えばリン化合物または金属水酸化物への興味を増している。
用途分野次第で機械的、電気的および防火特性に関する種々の要求がある。鉄道車両分野において特に防火要求が現在、更に非常に強くなってきた。
臭素−または塩素含有酸および/またはアルコール成分が不飽和ポリエステルを難燃性にするために使用できることは公知である。これらの成分の例にはヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸(HET酸)、テトラブロモフタル酸およびジブロモネオペンチルグリコールがある。三酸化アンチモンは相乗剤としてしばしば使用される。
特開平5−245,838号公報(CA 1993:672700)では、水酸化アルミニウム、赤燐および三酸化アンチモンが難燃性を向上させるために臭素化樹脂と組み合われている。臭素−および塩素含有樹脂の欠点は腐食性ガスを燃焼時に発生することであり、これは電子部品、例えば鉄道車両のリレー部品に著しい損傷をもたらし得る。好ましくない条件は多重塩素化されたまたは臭素化されたジベンゾダイオキシン類およびフラン類の発生ももたらし得る。それ故に不飽和ポリエステル樹脂および不飽和ポリエステル成形材料においてハロゲン含有難燃剤の割合を減らす要求がある。
不飽和ポリエステル樹脂および不飽和ポリエステル成形材料に充填剤、例えば水酸化アルミニウムを含有させることは公知である。高温のもとで水酸化アルミニウムが水を放出することによってある程度の難燃性が達成される。100部のUP当たりに150〜200部の水酸化アルミニウムの充填度では、自己消火性および低い煙密度(smoke density) を達成することができる。この種類の系の欠点はそれの高い比重であり、例えば中空ガラスビーズの添加によってこれを低減する試みがなされている[Staufer, G.Sperl, M.,Begemann, M.,Buhl, D.,Duell-Muehlbach, I.,"Kunststoffe" 85(1995),4 ] 。
ポーランド特許出願公開第159350号明細書(CA 1995:240054)には180部までの水酸化マグネシウムを含む不飽和ポリエステル樹脂から造られた積層体が開示されている。しかしながら、水酸化アルミニウムあるいは水酸化マグネシウムを含有する未硬化のUP樹脂は粘度が高いために、工業的に極めて重要な射出成形法をこの種類の配合物では使用することができない。
不飽和ポリエステル樹脂を難燃性にする以下に説明する方法でも沢山の欠点、特に非常に高い充填剤含有量という欠点を同様に有している。
充填剤の総含有量を減らすために、ドイツ特許出願公開第3728629号明細書に記載される様に水酸化アルミニウムをポリリン酸アンモニウムと併用することができる。特開昭57−016017号明細書(CA96(22):182248)には不飽和ポリエステル樹脂のための難燃剤として赤燐を使用することが開示されており、そして特開昭55−094918号明細書(CA93(24):22152t)には水酸化アルミニウム、赤燐および三酸化アンチモンよりなる組合せが開示されている。
ポーランド特許出願公開第161333号明細書(CA1994;632278号)では水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたは塩基性炭酸マグネシウム、赤燐および場合によっては微細なシリカを用いることによって煙密度および少ない毒性分解生成物の減少を達成している。更にメラミンおよび水酸化アルミニウムを使用することがドイツ特許出願公開第2159757号明細書で開示されている。
水酸化アルミニウム自体は不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂にとって非常に有効な難燃剤では決してないので、充填剤含有量を減らすために赤燐との組合せが提案されている。しかしながらこの場合の欠点は製品の赤色の固有色であり、このことがその用途を暗色に着色された建材だけに制限している。
不飽和ポリエステル樹脂は飽和および不飽和ジカルボン酸またはこれらの酸無水物とジオールとから製造された重縮合体を共重合性モノマー、好ましくはスチレンまたはメチルメタクリレートに溶解した溶液である。UP樹脂は開始剤(例えば過酸化物)および促進剤を用いた遊離基開始重合によって硬化され得る。ポリエステル鎖中の二重結合は共重合性溶剤モノマー中の二重結合と反応する。ポリエステルを製造するための最も重要なジカルボン酸は無水マレイン酸、フマル酸およびテレフタル酸である。最もしばしば使用されるジオールは1,2−プロパンジオールである。エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびネオペンチルグリコール等も使用される。最も適する架橋性モノマーはスチレンである。スチレンは樹脂と十分に混和することができそして容易に共重合する。不飽和ポリエステル樹脂中のスチレン含有量は一般に25〜40%である。スチレンの代わりに使用できるモノマーはメチルメタクリレートである。
不飽和ポリエステル樹脂はその化学的および物理的性質並びにその燃焼特性において、上記不飽和ポリエステル樹脂と反対に熱可塑性ポリマーである名称の似たポリエステルと著しく相違している。これらのポリエステルは、不飽和ポリエステル樹脂についての上述の段落に記載した様な方法と全く異なる方法でも製造される。ポリエステルは例えばラクトン類の開環重合によって、または一般式−[O−R−(CO)]−のポリマーが得られるヒドロキシカルボン酸の重縮合によって製造される。ジオール類とジカルボン酸および/またはジカルボン酸の誘導体との重縮合は一般式−[O−R1 −O−(CO)−R2 −(CO)]−のポリマーを製造する。分岐したおよび架橋したポリエステルは3個以上の官能性を有するアルコールと多官能性カルボン酸との重縮合によって得ることができる。
それ故に不飽和ポリエステル樹脂とポリエステルとは2種類の全く異なるポリマーでありそして完全に異なるポリマー群に ある。
熱硬化性物質の別の群であるエポキシ樹脂は今日、高水準の耐熱性、機械的および電子的性質を有する成形材料および被覆剤の製造に使用されている。
エポキシ樹脂はエポキシ樹脂成分と架橋成分(硬化剤)との重付加反応によって製造される。使用されるエポキシ樹脂成分は芳香族ポリグリシジルエステル類、例えばビスフェノールA−ジグリシジルエステル、ビスファノールF−ジグリシジルエステル、またはフェノールホルムアルデヒド樹脂またはグレゾールホルムアルデヒド樹脂のポリグリシジルエステル、またはフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸並びにトリメリット酸のポリグリシジルエステル、芳香族アミンまたはヘテロ環窒素塩基のN−グリシジル化合物、または脂肪族多価アルコールのジ−またはポリグリシジル化合物である。
使用される硬化剤はポリアミン類、例えばトリエチレンテトラミン、アミノエチルピペラジンまたはイソホロンジアミン、ポリアミドアミン類、多塩基酸またはこれらの酸無水物、例えば無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物またはメチルテトラヒドロフタル酸無水物またはフェノール類がある。架橋は適当な触媒を用いて重合することによって行ってもよい。
エポキシ樹脂は電気部品または電子部品のポッティング(potting) および浸漬および含浸法に適している。電気工業において使用されるエポキシ樹脂は主として難燃性であり、プリント回路基板または絶縁体に使用される。
プリント回路用エポキシ樹脂は従来技術に従って臭素含有芳香族化合物、特に四臭化ビスフェノールAを反応導入することによって難燃性にされる。火災の際に臭化水素(危険物質)を放出するという欠点があり、これが腐食損傷の原因になり得る。不利な条件のもとではポリ臭化ジベンゾダイオキシン類およびフラン類も生じ得る。水酸化アルミニウムの使用は、加工した時に水を放出するので完全に排除されている。
電気および電子装置のための耐炎要求は製品安全の仕様書および基準書に規定されている。米国では耐炎試験および承認方法が Underwriters Laboratories(UL)によって実施されそしてこのUL仕様書が今日、全世界で受け入れられている。プラスチックスの燃焼試験は、発火および延焼に対しての材料の耐久性を測定するために開発された。
これら材料は耐炎要求に応じて、水平燃焼試験( 分類UL94HB)またはより厳しい垂直試験(UL94V−2、V−1またはV−0)に合格しなければならない。これらの試験は電気用規格のプラスチック部材が曝され得る、電気的装置で発生する低エネルギー発火原因をシュミレーションしている。
驚くべきことに、本発明者はホスフィン酸の塩を沢山の相乗性ハロゲン含有化合物と組合せると、それが熱硬化性樹脂、例えば不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂に対して有効な難燃剤であることを見出した。
ホスフィン酸のアルカリ金属塩は熱可塑性ポリエステルのための難燃剤添加物として以前に提案された(ドイツ特許出願公開第4,430,932号明細書)。これらは30重量%までの量で添加しなければならない。ホスフィン酸とアルカリ金属または周期律表の第2または3主族の金属との塩、特に亜鉛塩(ドイツ特許出願公開第2447727号明細書)は難燃性ポリアミド成形材料を製造するためにも使用されてきた。熱可塑性ポリエステル、例えばPETおよびPBTと熱硬化性ポリエステル、例えば不飽和ポリエステル樹脂との間には燃焼挙動に著しい相違がある。即ち、熱可塑性物質は火災の際に焼けた物質の滴りが生じるが、熱硬化性物質は溶融しないかまたは焼けた物質の滴りが生じない。
それ故に本発明は、難燃剤組合せ物として下記式(I)のホスフィン酸塩および/または下記式(II)のジホスフィン酸塩
Figure 2004339509
[ 式中、R1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはアリールであり;
3 は直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C10−アルキレン、C6 〜C10−アリーレ ン、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレンであり;
MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、 Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;
mは1〜4であり;
nは1〜4であり;
xは1〜4である。]
および/またはこれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)および少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分Bを含有する難燃性熱硬化性材料に関する。
Mは好ましくはカルシウム、アルミニウムまたは亜鉛である。
プロトン化窒素塩基は好ましくはアンモニア、メラミン、トリエタノールアミンのプロトン化塩基、特にNH4 + である。
1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはフェニルであるのが好ましい。
1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルであるのが好ましい。
3 はメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、第三ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレンであるのが好ましい。
3 はフェニレンまたはナフチレンであるのが好ましい。
3 はメチルフェニレン、エチルフェニレン、第三ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたは第三ブチルナフチレンであるのが好ましい。
3 はフェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンであるのが好ましい。
ハロゲン含有成分Bは臭素または塩素含有の酸成分または臭素または塩素含有アルコール成分、または臭素または塩素含有芳香族および脂肪族成分であるのが好ましい。
臭素または塩素含有酸成分または臭素または塩素含有アルコール成分は、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、トリスクロロエチルホスファートおよび/またはトリスクロロプロピルホスファートであるのが好ましい。
臭素または塩素含有芳香族および脂肪族化合物はテトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、クロロパラフィン類および/またはドデカクロロペンタシクロオクタデカジエンである。
本発明の難燃剤組合せ物は、別の成分Cとして少なくとも1種類の窒素化合物、リン化合物またはリン−窒素化合物を含有する。
成分Cはメラミンホスファート、ジメラミンホスファート、メラミンピロホスファート、メラミンポリホスファート、メラムポリホスファート、メレムポリホスファートおよび/またはメロンポリホスファートである。
成分Cはメラミン縮合生成物、例えばメラム、メレムおよび/またはメロンである。
成分Cは好ましくは式(III) 〜(VIII)の窒素化合物またはそれらの混合物である:
Figure 2004339509
[式中、R5 〜R7 が水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロキシアルキル基で置換 されたまたは置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルま たは−アルキルシクロアルキル基; C2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ 、−アシル、または−アシルオキシ、C6 〜C12−アリールまたは−アリールアルキル 、−OR8 または−N(R8 )R9 、またはN−脂環式系またはN−芳香族系であり、 R8 は水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロキシアルキル基で置換されたまた は置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルまたは−アル キルシクロアルキルであるかまたはC2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ 、−アシルまたは−アシルオキシ、またはC6 〜C12−アリールまたは−アリールアル キルであり、
9 〜R13はR8 の基と同じかまたは−O−R8 基であり、
mおよびnは互いに無関係に1,2,3または4であり、
Xはトリアジン化合物(III) と付加物を形成し得る酸である。]
成分Cは好ましくはトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマーエステルであるかまたはベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミド、グアニジンおよび/またはカルボジイミドである。
本発明の難燃剤組合せ物は好ましくは、式(NH4 y 3-y PO4 あるいは(NH4 PO3 z で表される窒素含有ホスファートを含でおり、その際にyが1〜3でありそしてzが1〜10,000である。
本発明の難燃剤組合せ物は好ましくは成分Dとして合成の無機化合物および/または鉱物生成物を含有する
成分Dは好ましくは珪素の酸素化合物、マグネシウム化合物、周期律表第二主属の金属の金属炭酸塩、赤燐、亜鉛化合物、またはアルミニウム化合物である。
珪素の酸素化合物は好ましくはオルト珪酸の塩およびエステルおよびその縮合生成物、珪酸塩、ゼオライト、およびシリカ、ガラス粉末、ガラス−セラミック粉末またはセラミック粉末であり;マグネシウム化合物は水酸化マグネシウム、マナセアイト、炭酸マグネシウム、または炭酸マグネシウム−カルシウムであり;亜鉛化合物は酸化亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、燐酸亜鉛、硼酸亜鉛または硫化亜鉛であり;アルミニウム化合物は水酸化アルミニウムまたは燐酸アルミニウムである。
本発明の難燃性熱硬化性材料は、それぞれに100重量部の熱硬化性材料を基準として0.1〜30重量部の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)、および0. 1〜50重量部のハロゲン含有成分Bを含有する。
本発明の難燃性熱硬化性材料は、好ましくはそれぞれに100重量部の熱硬化性材料を基準として1〜15重量部の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)、および1〜20重量部のハロゲン含有成分Bを含有する。
本発明の難燃性熱硬化性材料は、好ましくはそれぞれに100重量部の熱硬化性材料を基準として1〜15重量部の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマー(成分A)、1〜20重量部のハロゲン含有成分Bおよび0〜15重量部の成分CおよびDの各々を含有する。
本発明は、熱硬化性樹脂で製造された成形材料、被覆剤またはラミネートにも関する。
熱硬化性樹脂は好ましくは不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂である。
本発明は、難燃性熱硬化性材料を製造する方法において、熱硬化性樹脂を式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)と少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分Bとよりなる難燃性組合せ物と混合し、そして得られる混合物を3〜10barの圧力および20〜60℃の温度で湿潤プレス成形(冷間プレス成形)することを特徴とする、上記方法にも関する。
本発明は、難燃性熱硬化性材料を製造する方法において、熱硬化性樹脂を式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)と少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分Bとよりなる難燃性組合せ物と混合し、そして得られる混合物を3〜10barの圧力および80〜150℃の温度で湿潤プレス成形(温間−または熱間プレス成形)することを特徴とする、上記方法にも関する。
本発明の難燃性熱硬化性材料を製造する別の方法は、熱硬化性樹脂を式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)と少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分Bとよりなる難燃性組合せ物と混合し、そして得られる混合物から50〜150barの圧力および140〜160℃の温度で合成樹脂性マットを製造することを特徴とする。
プレプレグスは、溶剤含有熱硬化性樹脂と成分AおよびBと混合し、この混合物を補強物質を濡らすために使用しそして1〜20barの圧力および100〜200℃の温度のもとで反応を開始し始め、こうして上記の方法によって圧縮準備のできたプレプレッグスを製造することによって製造することができる。
成分Cおよび/またはDも必要ならば上述の方法の間の適当な時点で添加/混入してもよい。
本発明で使用するホスフィン酸の塩は公知の方法によって、例えばヨーロッパ特許出願公開(A)第0,699,708号明細書に詳細に記載された方法によって製造できる。
以下の実施例で説明する通り、ハロゲン含有成分および式(I)あるいは(II) のホスフィン酸塩はそれ自身単独で試験した時に低い作用しか示さないことが判った。
驚くべきことに本発明者はホスフィン酸塩とハロゲン含有成分との組合せ物が熱硬化性樹脂について最も良好な格付け(UL−94垂直試験においてV−0)を達成するのに適していることを見出した。
実施例で使用される化合物は以下の通りである:
(R) Alpolit SUP 403 BMT (Vianova Resins GmbH, Wiesbaden,ドイツ国) :不飽和ポリエステル樹脂(スチレン中約57%濃度、酸価:30mg(KOH)/gより大きくない)を予備促進化処理しそして弱チクソトロピー状態の低粘度(4mmフローカップでの粘度:110±10秒)および著しく低下したスチレン放出量に調整する。
(R) Palatal 340 S (DSM-BASF Structural Resins, Ludwigshafen,ドイツ国) :
不飽和ポリエステル樹脂(スチレンおよびメチルメタクリレート中約49%濃度、密度:1.08g/mL、酸価:7mg(KOH)/g、予備促進化処理済み、低粘度:動粘度約50mPa.s)。
(R) Beckopox EP 140 (Vianova Resins GmbH, Wiesbaden,ドイツ国) :ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの低分子量縮合生成物(密度:1.16g/mL、エポキシ価:180〜192)。
(R) Beckopox EH 625 (Vianova Resins GmbH, Wiesbaden,ドイツ国) :73の活性水素当量および約1000mPa.sの動粘度を有する変性された脂肪族ポリアミン。
(R) Modar 835 S (Ashland Composite Polymers Ltd, Kiddermister, GB): スチレンに溶解された変性済みアクリレート樹脂; 約55mPa.s(25℃)の粘度。
コバルト促進剤 NL 49P (Akzo Chemie GmbH, Dueren,ドイツ国) :1重量%のコバルト含有量のコバルトオクトエートのジブチルフタレート溶液。
コバルト促進剤 NL 63-10S (Akzo Chemie GmbH, Dueren, ドイツ国) 。
Butanox M 50 (Akzo Chemie GmbH, Dueren, ドイツ国) :ジメチルフタレートで粘液質化したメチルエチルケトンペルオキシド(少なくとも9重量%の活性酸素を有する透明な液体) 。
Lucidol BT 50:ジベンゾイルペルオキシド(Akzo Chemie GmbH, Dueren,ドイツ国) 。
DEPAL :ジエチルホスフィン酸のアルミニウム塩。
試験体の製造:
熱硬化性樹脂および難燃成分および場合によっては他の添加物をディソルバーディスクを用いて均一に混合する。この混合物を硬化剤の添加後に再び均一化する。
不飽和ポリエステル樹脂の場合には、樹脂をコバルト促進剤と混合し、難燃剤成分を添加しそして均一化後に過酸化物を添加することによって硬化を開始する。
エポキシ樹脂の場合には、難燃成分をエポキシ樹脂成分に添加しそして均一に混合する。次にアミン硬化剤または酸無水物硬化剤をこれに添加する。
単位面積当たり450g/m2 の重量のガラス繊維製エンドレスマットの2つの層を(R) Hostaphan 離型フィルムおよびスチール製フレームの上に載せ、加熱されたプレス装置中に挿入する。次いで樹脂−難燃剤混合物の約半分を均一に分布させる。別のガラス製マットをその上に載せ、次いで残りの樹脂−難燃剤混合物を分布させ、この積層体に離型フィルムを被せそして4mmの厚さの圧縮シートを10barの圧力で1時間にわたって50℃の温度で製造する。
アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriters Laboratories )の“プラスチック材料の可燃性試験−UL94”仕様書、1975年5月2日版に従う燃焼性能試験を合成樹脂の難燃試験UL 94 に従って実施する。その際に127mmの長さ、12.7mmの幅および種々の厚さの試験体を使用する。
酸素指数の測定はASTM D2863−74に基づく。その際に変更された装置を用いる。
1.不飽和ポリエステル樹脂を用いた結果
表1において、ハロゲン含有成分およびDPELを不飽和ポリエステル樹脂(Viapal UP 403 BMT)の難燃剤としてそれぞれ単独で使用した比較例および一緒に使用した実施例を示す。
DEPALをハロゲン含有成分と組み合わせた本発明の組合せ物では、1.6mmの厚さのラミネートで100部の樹脂当たり10部のTCPPを添加したたった10部のDEPALでV−0の格付けを達成することができる。このラミネートは所望の通り着色することができる。これらのUP樹脂ラミネートは、充填剤含有量が少ないので射出成形によって製造することができる。
表1:
不飽和ポリエステル樹脂ラミネート( 30重量%のガラス繊維エンドレスマット、ラミネートの厚さ:1.5mm、樹脂: Viapal UP 403 BMT、硬化剤: Butanox M 50、促進剤:NL 49 P)のUL94に従う燃焼挙動
Figure 2004339509
DEPAL=ジエチルホスフィン酸のアルミニウム塩
n.c.=垂直UL94試験で格付けできず。
2.エポキシ樹脂を用いた結果:
表2は、ポリアミンを用いて硬化したエポキシ樹脂(Beckopox EP 140 樹脂、Beckopox EH 625 硬化剤) を用いた燃焼試験を示している。DEPALをハロゲン含有成分と組み合わせ、そして100部のエポキシ樹脂に対して合計で固形分量で10部の難燃剤を添加することによって、厚さ1.5mmのラミネートでV−0の格付けが達成される。これに対して、これらの化合物を単独で使用した場合には、UL94 V−0は達成されない。
表2:
エポキシ樹脂成形体( 材料肉厚1.6mm、樹脂:100部のBeckopox EP 140 、硬化剤:39部のBeckopox EP 625 )のUL94に従う燃焼挙動
Figure 2004339509

Claims (25)

  1. 難燃剤組合せ物として、下記式(I)のホスフィン酸塩および/または下記式(II)のジホスフィン酸塩
    Figure 2004339509
    [ 式中、R1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはアリールであり;
    3 は直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C10−アルキレン、C6 〜C10−アリーレ ン、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレンであり;
    MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、 Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;
    mは1〜4であり;
    nは1〜4であり;
    xは1〜4である。]
    および/またはこれらのポリマーの少なくとも1種類(成分A)および少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分(成分B)を含有する難燃性熱硬化性材料。
  2. 1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはフェニルである、請求項1に記載の難燃性熱硬化性材料。
  3. 1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルである、請求項1または2に記載の難燃性熱硬化性材料。
  4. 3 がメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、第三ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン;フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、第三ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたは第三ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  5. ハロゲン含有成分Bが臭素または塩素含有の酸成分または臭素または塩素含有アルコール成分、または臭素または塩素含有芳香族および脂肪族化合物である請求項1〜4のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  6. 臭素または塩素含有酸成分または臭素または塩素含有アルコール成分がヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、トリスクロロエチルホスファートおよび/またはトリスクロロプロピルホスファートである請求項5に記載の難燃性熱硬化性材料。
  7. 臭素または塩素含有芳香族および脂肪族化合物がテトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、クロロパラフィン類および/またはドデカクロロペンタシクロオクタデカジエンである請求項5に記載の難燃性熱硬化性材料。
  8. 別の成分Cとして少なくとも1種類の窒素化合物、リン化合物またはリン−窒素化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  9. 成分Cがメラミンホスファート、ジメラミンホスファート、メラミンピロホスファート、メラミンポリホスファート、メラムポリホスファート、メレムポリホスファートおよび/またはメロンポリホスファートである、請求項8に記載の難燃性熱硬化性材料。
  10. 成分Cがメラミンの縮合生成物、例えばメラム、メレムおよび/またはメロンである、請求項8に記載の難燃性熱硬化性材料。
  11. 成分Cが式(III) 〜(VIII)の窒素系化合物またはそれらの混合物である、請求項8に記載の難燃性熱硬化性材料:
    Figure 2004339509
    [式中、R5 〜R7 が水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロキシアルキル基で置換 されたまたは置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルま たは−アルキルシクロアルキル基; C2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ 、−アシル、または−アシルオキシ、C6 〜C12−アリールまたは−アリールアルキル 、−OR8 または−N(R8 )R9 、またはN−脂環式系またはN−芳香族系であり、 R8 は水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロキシアルキル基で置換されたまた は置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルまたは−アル キルシクロアルキルであるかまたはC2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ 、−アシルまたは−アシルオキシ、またはC6 〜C12−アリールまたは−アリールアル キルであり、
    9 〜R13はR8 の基と同じかまたは−O−R8 基であり、
    mおよびnは互いに無関係に1,2,3または4であり、
    Xはトリアジン化合物(III) と付加物を形成し得る酸である。]
  12. 成分Cがトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマーエステルであるかまたはベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミド、グアニジンおよび/またはカルボジイミドである請求項8に記載の難燃性熱硬化性材料。
  13. 成分Cが式(NH4 y 3-y PO4 あるいは(NH4 PO3 z で表される窒素含有ホスファートであり、その際にyが1〜3でありそしてzが1〜10,000である、請求項8に記載の難燃性熱硬化性材料。
  14. 別の成分Dとして合成の無機化合物および/または鉱物製品を含有する請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  15. 成分Dが珪素の酸素化合物、マグネシウム化合物、周期律表第二主属の金属の金属炭酸塩、赤燐、亜鉛化合物、またはアルミニウム化合物である、請求項14に記載の難燃性熱硬化性材料。
  16. 珪素の酸素化合物がオルト珪酸の塩およびエステルおよびその縮合生成物、珪酸塩、ゼオライト、およびシリカ、ガラス粉末、ガラス−セラミック粉末またはセラミック粉末であり;マグネシウム化合物が水酸化マグネシウム、マナセアイト、炭酸マグネシウム、または炭酸マグネシウム−カルシウムであり;亜鉛化合物が酸化亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、燐酸亜鉛、硼酸亜鉛または硫化亜鉛であり;アルミニウム化合物が水酸化アルミニウムまたは燐酸アルミニウムである、請求項15に記載の難燃性熱硬化性材料。
  17. それぞれに100重量部の熱硬化性材料を基準として0.1〜30重量部の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマー(成分A)、および0. 1〜50重量部のハロゲン含有成分Bを含有する、請求項1〜16のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  18. それぞれに100重量部の熱硬化性材料を基準として1〜15重量部の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマー(成分A)、および1〜20重量部のハロゲン含有成分Bを含有する、請求項1〜17のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  19. それぞれに100重量部の熱硬化性材料を基準として1〜15重量部の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマー(成分A)、1〜20重量部のハロゲン含有成分Bおよび0〜15重量部の成分CおよびDの各々を含有する、請求項1〜17のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  20. 請求項1〜19のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料を硬化性樹脂で製造された成形材料、被覆剤またはラミネートに使用する方法。
  21. 熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂である、請求項1〜19のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料。
  22. 請求項1〜21のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料を製造する方法において、熱硬化性樹脂を式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーと少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分とよりなる難燃性組合せ物と混合し、そして得られる混合物を3〜10barの圧力および20〜60℃の温度で湿潤プレス成形(冷間プレス成形)することを特徴とする、上記方法。
  23. 請求項1〜21のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料を製造する方法において、熱硬化性樹脂を式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーと少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分とよりなる難燃性組合せ物と混合し、そして得られる混合物を3〜10barの 圧力および80〜150℃の温度で湿潤プレス成形(温間−または熱間プレス成形)することを特徴とする、上記方法。
  24. 請求項1〜21のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料を製造する方法において、熱硬化性樹脂を式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマーと少なくとも1種類の相乗性ハロゲン含有成分とよりなる難燃性組合せ物と混合し、そして得られる混合物から50〜150barの圧力および140〜160℃の温度で合成樹脂性マットを製造することを特徴とする、上記方法。
  25. 請求項1〜21のいずれか一つに記載の難燃性熱硬化性材料を成形部品を難燃性にするために用いる方法。
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