JP2004339614A - 銀付調人工皮革の製造方法 - Google Patents

銀付調人工皮革の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なしぼ感と風合に優れ、靴、衣料用の天然皮革代替物に好適に用いられる銀付調人工皮革の製造方法を提供することにある。
【解決手段】アミノ変性シリコーンであらかじめ処理されている繊維質基材上に、高分子弾性体エマルジョンと殻壁軟化点温度が80℃以上の熱膨張性カプセルを含む含浸液を表面側から塗布し、殻壁軟化点温度より低い温度で予備乾燥することを複数回繰り返した後に、殻壁軟化点以上の温度で熱膨張性カプセルを発泡させると同時に含浸液を乾燥させ、引き続き表面側に高分子弾性体からなるコート層を付与する銀付調人工皮革の製造方法。さらには該繊維質基材が、0.5dtex以下の極細繊維からなるものであることや、該熱膨張性カプセルの直径が5〜50μmであることが好ましい。
【効果】良好なしぼ感と風合に優れ、靴、衣料用の天然皮革代替物に好適に用いられる銀付調人工皮革の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀付調人工皮革の製造方法、さらに詳しくは良好なしぼ感と風合いに優れた銀付調人工皮革の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、天然皮革代替物として、繊維集合体と高分子弾性体からなる基材表面にコート層を積層した銀付調人工皮革が、軽さ、イージーケアー、低価格などの特徴から、衣料用、一般資材およびスポーツ分野などに幅広く利用されている。
【0003】
そして、基材に含まれる高分子弾性体としては、微多孔が存在するものが風合的に優れたものとなることが知られており、一般には湿式凝固法と呼ばれる方法によって製造されることが多い。しかし湿式凝固させるためには長い時間が必要であり、有機溶剤を用いる点からも必然的に大きく価格の高い専用設備を必要とするという問題があった。
【0004】
そこで、最近では溶剤系の湿式凝固法ではなく、従来充実層しか出来なかった水系ポリウレタンの感熱凝固法等を改良し、多孔を有する層を形成させることが試みられている。例えば特許文献1には、水系の感熱凝固性ポリウレタンエマルジョン及び熱膨張性プラスチックマイクロバルーンを含む組成物を40〜190℃の水又は水蒸気中で処理する方法が開示されている。しかしこの方法では含浸層全体に多孔が生成し、かつ発泡によって厚さが処理前の3〜5倍にもなり、折り曲げた際に挫掘による大皺が生じ、風合いが劣るという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−60260号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の有する問題点を鑑みなされたもので、その目的は、良好なしぼ感と風合に優れ、靴、衣料用の天然皮革代替物に好適に用いられる銀付調人工皮革の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の銀付調人工皮革の製造方法は、アミノ変性シリコーンであらかじめ処理されている繊維質基材上に、高分子弾性体エマルジョンと殻壁軟化点温度が80℃以上の熱膨張性カプセルを含む含浸液を表面側から塗布し、殻壁軟化点温度より低い温度で予備乾燥することを複数回繰り返した後に、殻壁軟化点以上の温度で熱膨張性カプセルを発泡させると同時に含浸液を乾燥させ、引き続き表面側に高分子弾性体からなるコート層を付与することを特徴とする。
【0008】
さらには該繊維質基材が、0.5dtex以下の極細繊維からなるものであることや、該熱膨張性カプセルの直径が5〜50μmであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法では、まず繊維質基材上に高分子弾性体エマルジョンと熱膨張性カプセルとを含む含浸液を表面側から塗布する。
【0010】
繊維質基材を構成する繊維は通常の太さの繊維でもよいが、風合い面から極細繊維であることが好ましい。極細繊維の繊度としては0.5dtex以下であることが好ましく、さらには0.001〜0.3dtexであることが好ましい。また繊維質基材を作成するために用いるこのような繊維としては、最終的に上記のような極細繊維となる繊維であれば好ましく、そのような極細化前の繊維としては海島型の混合紡糸繊維、複合紡糸繊維などいずれもが適用できるが、特に好ましくは剥離分割型複合繊維であることである。
【0011】
本発明で用いられるこのような繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリオレフィンなどの従来公知の繊維形成可能な合成樹脂の一種、あるいは二種以上の樹脂からなる合成繊維が使用出来る。この中でも、ポリエステル、ポリアミドまたはポリエステル/ポリアミドからなるものを用いることが特に好ましい。繊維となるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどがあげられ、ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12などがあげられる。中でもポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6などが、工程安定性やコスト面から好ましい。
【0012】
また、本発明では、極細化前の繊維でシートを作成し、極細化処理を経て繊維質基材とすることが好ましい。さらにこのときシートを構成する極細化前の繊維には熱収縮性繊維が含まれていることが好ましい。シート形状とした後で熱により繊維を収縮させることにより、高分子弾性体の含浸前に繊維の密度を高くでき、風合いが向上する。このような熱収縮性繊維としては、特に好ましくは収縮応力が大きい高収縮ポリエステル系繊維である。例えばポリエチレンテレフタレートを主成分とする繊維形成性ポリマーを紡糸した後、温水中で低倍率延伸して得られる熱収縮性繊維などである。さらに、該熱収縮性繊維は延伸条件などの制御により50℃以上100℃以下で収縮特性を発現するものが好ましい。50℃より低い温度で特性を発現するものは品質のバラツキの要因になり、100℃より高い温度で特性を発現するものは、多くの熱量を必要し生産性が悪くなる。シートとした後、繊維質基材となるまでの収縮率は5〜50%、特には20〜40%であることが好ましい。
【0013】
また、最も好ましくはシートを構成する繊維が、熱収縮性繊維から構成され、さらに2種以上の単繊維に分割可能な複合繊維であることである。このように該複合繊維を分割して発生するそれぞれの単繊維の熱収縮性が互いに異なる場合は、収縮処理時に複合繊維の分割がさらにすすみ、より緻密でかつ均質な構造を得ることが出来る。例えば、熱収縮性の高いポリエステル系繊維と熱収縮性の低いポリアミド系繊維とに、最終的に分割、極細繊維化される剥離分割型複合繊維などが好ましい。
【0014】
これらの繊維からなるシートとしては風合い面からすると不織布であることがもっとも好ましい。このような不織布を形成する方法は、短繊維からのカーディング、交絡処理による方法、あるいは長繊維のダイレクトシート化、交絡処理による方法などの従来から公知の方法が採用できる。さらに緻密でかつ均質な繊維質基材を得るためには、極細繊維化される剥離分割型複合繊維を用い、高圧水流により絡合させる方法が好ましい。
【0015】
本発明の銀付調人工皮革の製造方法では、該繊維質基材はあらかじめアミノ変性シリコーンで処理しておくことが必要である。一般にはアミノ変性シリコーンを付着させ、乾燥処理する。本発明ではアミノ変性シリコーンが高分子弾性体の含浸前に繊維間に働くことにより、繊維と高分子弾性体との接着が防止され、より柔軟な構造となる。
【0016】
本発明の製造方法における、好ましいアミノ変性シリコーン成分の付着量としては、該繊維質基材重量に対し0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜1重量%であることである。処理方法としては、濃度0.1〜1重量%に水で希釈し調製した液を繊維質基材に含浸し、ニップロールで絞り付着量をコントロールし、次いで乾燥させることによって得ることができる。乾燥方法は熱風乾燥でも良いが、加熱ロールに接触させて乾燥させることにより表面の平滑性も同時に得ることができる。また本発明では樹脂の含浸前に処理するために、このような少ない付着量であるにも係わらず高い効果が得られ、かつ最終的に得られる皮革様シート状物からの脱落が非常に少ない。
【0017】
本発明の製造方法では、このように処理された繊維質基材に高分子弾性体エマルジョンと、殻壁軟化点温度が80℃以上の熱膨張性カプセルとを含む含浸液を表面側から塗布する。
本発明に用いる高分子弾性体エマルジョンとしては、水の除去後にエラストマー性を示すものであればいずれでも良いが、中でもポリウレタンエマルジョンが柔軟性、強度、耐候性などの点から好ましい。
【0018】
さらに本発明においては、該高分子弾性体エマルジョンが感熱凝固特性を有していることが好ましい。高分子弾性体エマルジョンの凝固特性が発現する温度は熱膨張性カプセルの膨張開始温度以下で凝固特性を発現するものが好ましい。高分子弾性体エマルジョンの凝固特性が発現する温度とは、種々の添加剤を配合したエマルジョンを攪拌しながら昇温した時に、エマルジョンが流動性を失い凝固する温度である。
【0019】
本発明で用いる熱膨張性カプセルとしては、熱可塑性樹脂を殻とし、膨張剤として、特定の沸点を有する有機化合物を内包、カプセル化したものが挙げられる。例えば塩化ビニリデン・アクリロニトリルコポリマーを殻として、イソブタンを内包、カプセル化したもの等が挙げられる。その直径としては5〜50μmであることが好ましい。本発明の熱膨張性カプセルは加熱により殻が軟化し、内包された有機化合物が気体となって膨張するものである。熱可塑性樹脂の種類、殻の厚み、カプセルの直径等により、膨張開始温度及び最高膨張点を変化させることができる。
また、処理する含浸液としては、高分子弾性体の固型分重量に対する熱膨張性カプセルの固型分重量が2〜10重量%であることが好ましい。
【0020】
さらに上記エマルジョンの耐光性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性等の各種耐久性を改善する目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等の安定剤や、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ポリカルボジイミド化合物等の架橋剤を配合して使用することもできる。さらに、着色を目的として水溶性あるいは水分散性の各種無機、有機顔料を配合することができる。
【0021】
本発明の含浸液を繊維質基材に含浸する方法は、表面側から塗布する方法であり、グラビアコーティング法が好ましく用いられる。塗布回数としては2回以上であれば良いが、工業的に考えるとせいぜい10回以内であれば十分であり、一般的には5回以内である。1回の塗布による付着量(固形分)は、乾燥後の重量で繊維重量の5〜15重量%であり、かつ総塗布量が50重量%以下であることが好ましい。このように複数回塗布する場合には1回あたりの付着量を15重量%以下とするとともに、回数を重ねる毎に付着量を少なくすることが好ましい。このように何回かに分けて塗布することにより、表面側に高分子弾性体と繊維とからなる含浸層が形成され、熱膨張性カプセルはその最表面側に偏在させることができる。最初の塗布により繊維質基材の表面の空隙が少なくなり、再度の塗布では高分子弾性体だけが内部に侵入し、直径の比較的大きい熱膨張性カプセルは表面に残るためである。
【0022】
さらに安定に塗布するためには、塗布の途中に追加の予備乾燥を行い、不要な水分を揮発させることが好ましい。例えば、複数回、塗布、予備乾燥を繰り返した後、さらに追加の予備乾燥を行い、その後さらに複数回、塗布、予備乾燥を繰り返すことで、予備乾燥の時間を5〜60秒程度の短時間に抑えることができる。このとき追加の予備乾燥は2〜30分程度の長時間とすることが好ましい。
【0023】
含浸段階での高分子弾性体の付着量は、好ましくは、繊維質基材100重量部に対し3〜50重量%である。高分子弾性体付着量(固形分)が少ないと得られるシートの充実感が低下し、逆に多いと硬くなる傾向がある。
【0024】
本発明では含浸液を表面から塗布し、殻壁軟化点温度より低い温度で予備乾燥する塗布予備乾燥工程後に、さらに含浸液を表面から塗布することが必要である。塗布量を安定化するためには、先に述べたように2〜3回に分けて少量ずつ塗布することが好ましい。
【0025】
使用している高分子弾性体が感熱凝固性を有する場合には、この予備乾燥の温度は感熱凝固温度以上であることが好ましい。このような予備乾燥を行うことによりマイグレーションによる高分子弾性体の過度の浸透を防止することができ、さらに複数回に分けて塗布しているために発泡体は表面に多く偏在し、内部にはほとんど存在しない。
このように再度含浸液を塗布した後に、殻壁軟化点以上の温度で熱膨張性カプセルを発泡させると同時に含浸液を乾燥させる。
【0026】
本発明ではさらにその高分子弾性体を塗布し乾燥した表面側に、高分子弾性体からなるコート層を付与することが必要である。このときに用いる高分子弾性体としては特に制限はないが、風合い面等からポリウレタン樹脂であることが最も好ましい。
【0027】
また、この際少量なら熱膨張性カプセルを含んでも良いが、平滑性を出すためには含まないことが好ましい。また、コート方法としては従来公知の方法を用いることができるが、表面の平滑性や柄模様を満足しやすいラミネート法であることが好ましい。例えば離型紙上に高分子弾性体のフィルム層を形成し、高分子弾性体のバインダー層を塗布して含浸基材に張り合わせる方法である。水系のラミネート法を用いる場合には、熱シリンダーでニップすることが好ましい。
【0028】
このようにして本発明の製造方法で得られた銀付調人工皮革は、高分子弾性体に空隙が存在し、かつ基材の内部に少なく、コート層のすぐ下の部分に多いため適切な風合いとなり、良好なしぼ感と風合に優れ、靴、衣料用の天然皮革代替物に好適に用いられる銀付調人工皮革となる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断らない限り重量基準である。
【0030】
実施例中の、「しぼ感」、「風合い」に関しては、良い順に○、△、×で判定し、「うき皺」は折り曲げた際のうき皺の発生の有無で判断し、うき皺の発生の無いものを○、小さな皺が発生するものを△、大きな皺が発生するものを×とした。また、「含浸ポリウレタン塗布量」は、各グラビアロール塗布毎に、「浸透度」は目視で断面を確認し表面からの高分子弾性体の浸透距離を断面の全体厚さで除した数値(%)を、「R/F」は未含浸部分、含浸部分を分けずに繊維複合シート全体の高分子弾性体/繊維の比率(%)を求めた。
【0031】
[実施例1]
(繊維質基材の作成)
第1成分として収縮特性を有するポリエチレンテレフタレート、第2成分をナイロン−6とする16分割歯車型の断面を有する親糸繊度4.4dtexの剥離分割型複合繊維を、ニードルパンチと高圧水流交絡処理により、繊維の絡合と分割処理を行い、厚さ1.05mm、目付け241g/mの不織布とし、次いでこの分割処理後の不織布を75℃の温水槽中に20秒間浸漬し、第1成分のポリエチレンテレフタレート繊維を収縮させ、全体の面積を21%収縮させ繊維質基材となる不織布を得た。
【0032】
(シリコーン処理)
参考例1で得られた不織布に、ポロン MF−14(アミノ変性シリコーン柔軟剤、信越化学工業(株)製、固形分濃度15重量%)/水=2/98(重量部)をウェットピックアップ、200重量%で柔軟処理、120℃で5分間乾燥させ不織布を得た。
【0033】
(含浸液の作成)
V−2114(水性ポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固形分濃度40重量%)/DISPERSE HG−950(水分散性黒顔料、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン WLアシスターT2(ウレタン系増粘剤、大日本インキ化学工業(株)製)/F−90N(溌水剤、明成化学工業(株)製)/SD−8i(疎水剤、大日本インキ化学工業(株)製)/マツモトマイクロスフェア−F−50(低沸点炭化水素含有の熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬(株)製)/水=70/1/1/1/1/26(重量部)で配合し、グラビア塗布するための含浸液(720mPa・s、20℃)を作成した。
【0034】
(繊維複合シートの作成)
シリコーン処理をした上記収縮不織布に、グラビアロール(#110)で塗布し、予備乾燥(110℃、20秒)する工程を4ロール分繰り返した。また2ロール分塗布後の中間工程には90℃、10分の予備乾燥を追加した。全4ロール塗布、予備乾燥後に130℃、5分で発泡、乾燥させ、繊維複合シートを得た。
【0035】
電子顕微鏡で断面、表面状態を観察すると発泡剤は表層部にのみ存在し、大きさは100μm以下で、表面は発泡剤と繊維が観察された。
【0036】
(コート層の作成)
ハイドラン WLS211(水性ポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固型分濃度35重量%)/DISPERSE HG(水分散性黒顔料、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン WLアシスターT1(ウレタン系増粘剤、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン WLアシスターC2(イソシアネート系架橋剤、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン WLアシスターW1(レベリング剤、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン アシスターD1(消泡剤、大日本インキ化学工業(株)製)=100/5/0.25/4/0.2/5(重量部)で配合したフィルム層用配合液を離型紙(AR―144SM、厚さ0.25mm、旭ロール(株)製)上に塗布厚100μm(wet)で塗布し、初めに70℃で2分間、次いで110℃で4分間の2段階で乾燥を行い、ポリウレタン樹脂フィルム(以下フィルム層という)を形成した。
【0037】
その表面にさらに、ハイドラン WLA311(水性ポリウレタン樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、固型分濃度45重量%)/DISPERSE HG(水分散性黒顔料、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン WLアシスターT1(ウレタン系増粘剤、大日本インキ化学工業(株)製)/ハイドラン WLアシスターC2(イソシアネート系架橋剤、大日本インキ化学工業(株)製)=100/5/0.1/10(部)で配合した接着剤配合液を塗布厚150μm(wet)で塗布し、ラミネート層を作成した。離型紙上の塗布液の含水率を測定したところ、45.8%であった。
【0038】
(銀付調人工皮革1の作成)
上記のコート層を、直ちに繊維複合シート1に貼り合せ、熱シリンダー(表面温度130℃)に接触させて15秒間前加熱をかけ、その後クリアランス1.0mmの条件下で該熱シリンダーを用いて熱ニップし、さらに120℃で2分間のキュアリングを行った。キュアリング後の基材の含水率は4.1%であった。さらに、50℃で24時間エージングを行い、離型紙を剥ぎ取り銀付調人工皮革1を得た。
物性等を表1に示す。
【0039】
[実施例2]
実施例1のシリコーン処理を、ポロン MF−14(アミノ変性シリコーン柔軟剤、信越化学工業(株)製)/水=3/97(重量部)に変更した以外は、実施例1と同様に銀付調人工皮革を作成した。
【0040】
電子顕微鏡でコート層付与前の繊維複合シートの断面、表面状態を観察すると発泡剤は表層部にのみ存在し、大きさは100μm以下で、表面は発泡剤と繊維が観察された。
物性等を表1に併せて示す。
【0041】
[実施例3]
実施例1のシリコーン処理を、ポロン MF−14(アミノ変性シリコーン柔軟剤、信越化学工業(株)製)/水=4/96(重量部)に変更した以外は、実施例1と同様に銀付調人工皮革を作成した。
【0042】
電子顕微鏡でコート層付与前の繊維複合シートの断面、表面状態を観察すると発泡剤は表層部にのみ存在し、大きさは100μm以下で、表面は発泡剤と繊維が観察された。
物性等を表1に併せて示す。
【0043】
[比較例1]
実施例1のシリコーン処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に銀付調人工皮革を作成した。
【0044】
電子顕微鏡でコート層付与前の繊維複合シートの断面、表面状態を観察すると発泡剤は表層部にのみ存在し、大きさは100μm以下で、表面は発泡剤と繊維が観察されてはいるものの、風合いの劣ったものだった。
物性等を表1に併せて示す。
【0045】
[比較例2]
実施例1の予備乾燥を行わない以外は、実施例1と同様に銀付調人工皮革を作成した。
【0046】
含浸ポリウレタンが内部まで浸透し、さらに乾燥時にダンボール構造となり風合いの劣ったものだった。物性等を表1に併せて示す。
【0047】
[比較例3]
実施例1のグラビア塗布の代わりに、含浸液に繊維質基材を浸漬し、ニップすることによりR/Fが35%の繊維複合シートを作成し、その後は実施例1と同様にコート層を付与した。
【0048】
含浸ポリウレタン及び発泡剤が内部まで浸透し、風合いの劣ったものだった。物性等を表1に併せて示す。
【0049】
【表1】
Figure 2004339614
【0050】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、良好なしぼ感と風合に優れ、靴、衣料用の天然皮革代替物に好適に用いられる銀付調人工皮革の製造方法である。

Claims (5)

  1. アミノ変性シリコーンであらかじめ処理されている繊維質基材上に、高分子弾性体エマルジョンと殻壁軟化点温度が80℃以上の熱膨張性カプセルを含む含浸液を表面側から塗布し、殻壁軟化点温度より低い温度で予備乾燥することを複数回繰り返した後に、殻壁軟化点以上の温度で熱膨張性カプセルを発泡させると同時に含浸液を乾燥させ、引き続き表面側に高分子弾性体からなるコート層を付与することを特徴とする銀付調人工皮革の製造方法。
  2. 該繊維質基材が、0.5dtex以下の極細繊維からなるものである請求項1記載の銀付調人工皮革の製造方法。
  3. 該熱膨張性カプセルの直径が5〜50μmである請求項1または2記載の銀付調人工皮革の製造方法。
  4. 該含浸液中の高分子弾性体に対する熱膨張性カプセルの固型分重量が2〜10重量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の銀付調人工皮革の製造方法。
  5. 含浸液の1回についての塗布量が、乾燥後の重量で繊維重量の5〜30重量%であり、かつ総塗布量が50重量%以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の銀付調人工皮革の製造方法。
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