JP2004342010A - シミュレーション装置、シミュレーション方法、およびシミュレーションプログラム - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法、およびシミュレーションプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】メッシュの自己交差の発生しないワンステップ解法によるシミュレーション方法を提供する。
【解決手段】ワンステップ解法によるシミュレーションを実行し(S2)、平面展開形状のアウトラインを抽出して(S3)、自己交差がある場合(S4:Yes)、自己交差部分の形状を変更して(S5)、変更量に応じて端部の拘束力を補正し(S6)、シミュレーションを行う。これを自己交差が無くなるまで実行する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シミュレーション装置、シミュレーション方法、およびシミュレーションプログラムに関し、特にプレス形成品などのワーク形状を、ワンステッブ解法によりシミュレーションするシミュレーション装置、シミュレーション方法、およびシミュレーションプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレス部品のドロー成形工程のシミュレーション方法として、ワンステッブ解法を用いた技術がある(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
ここでワンステップ解法とは、部品形状(ワーク形状)から計算を始めて、部品形状と展開形状の歪エネルギー差が最小となるような平面展開形状を弾塑性の収束計算により求め、部品形状と展開形状のメッシュ寸法の変更結果から応力および歪を1ステップで計算するシミュレーション方法である。したがって、増分法によるシミュレーションと比較すれば、精度的には劣るもののシミュレーション時間は大幅に少なくてすみ、さまざまな形状変化などをシミュレーションして試すのに適している。また、精度が劣るといっても部品形状によっては十分使用できる。
【0004】
【非特許文献1】
矢野ほか、「One Step FEMのブランク形状予測精度の評価」第49回塑性加工連合講演会論文集、第173〜174頁、平成10年10月30日、社団法人日本塑性加工学会発行
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のワンステップ解法は、その解法上、部品形状を平面に展開して、ワークであるプレス部品のブランク形状を求めるため、部品アウトラインが小さな曲率を有する部位では、メッシュが自己交差してしまう。
【0006】
図7は、このようなメッシュの自己交差を説明するための図面である。
【0007】
図において図7Aは、自動車の車体パネルの一部であり、プレスにより形成されるワークの一例である。図7Bは、ワンステップ解放によりシミュレーションを行った結果であり、図7A中円で囲んだ部分を示す。
【0008】
図7Bに示すように、シミュレーションの際に用いるメッシュのアウトライン101に自己交差が発生している。
【0009】
このような自己交差が発生すると、シミュレーションの結果においてこの自己交差発生部分の板厚が極端に減少して、正しい評価ができなくなるという問題がある。また、実際のプレス部品では、このような自己交差することはありえないために、その点でもシミュレーション結果として好ましくない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、メッシュの自己交差の発生しないワンステップ解法によるシミュレーション装置、シミュレーション方法、およびシミュレーションプログラムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ワーク形状をワンステップ解法によりシミュレーションするシミュレーション実行手段と、前記シミュレーション実行手段により行われたシミュレーション結果の形状からアウトラインを抽出するアウトライン抽出手段と、前記アウトライン抽出手段が抽出したアウトラインからメッシュの自己交差の有無を検出する自己交差検出手段と、前記自己交差検出手段が自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形する部品形状変形手段と、を有することを特徴とするシミュレーション装置により達成される。
【0012】
上記目的は、ワーク形状をワンステップ解法によりシミュレーションする段階と、前記シミュレーションにより得られた前記ワーク形状からアウトラインを抽出する段階と、前記アウトラインからメッシュの自己交差の有無を検出する段階と、前記自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形する段階と、を有することを特徴とするシミュレーション方法により達成される。
【0013】
上記目的は、ワーク形状をワンステップ解法によりシミュレーションするステップと、前記シミュレーションにより得られた形状からアウトラインを抽出するステップと、前記アウトラインからメッシュの自己交差の有無を検出するステップと、前記自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形するステップと、前記変形された部分の拘束力を変形量に応じて補正するステップと、を有することを特徴とするシミュレーションプログラムにより達成される。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、ワンステップ解法を用いたシミュレーションにおいて解析不具合となる自己交差を検出し、自己交差が発生する場合には、その部分の形状を変形して自己交差が起こらないようにしたので、シミュレーションの精度を維持した最適部品形状を得ることができる。これにより、ワンステッブ解析のやりなおし解析の工数削減や解析精度の向上を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明を適用した実施の形態におけるシミュレーション装置の機能構成を説明するためのブロック図である。
【0017】
このシミュレーション装置1の機能構成は、図1に示すように、ワーク形状のシミュレーションを行うシミュレーション部10と、シミュレーションされたワーク形状からアウトラインを抽出するアウトライン抽出部11と、メッシュの自己交差の発生の有無を評価する自己交差評価部12と、自己交差部の部品形状を変更する自己交差部形状変更部13と、部品端部の拘束力を補正する部品端拘束力補正部14と、からなる。
【0018】
また、シミュレーション装置1には、たとえばCAD装置20などからシミュレーションを行うワークの部品形状データを入力するための部品形状データ入力部21と、部品端部における拘束力(詳細後述)を入力および出力するための部品端拘束力入出力部22と、シミュレーション結果を出力する出力装置23が接続されている。なお、ここで部品端拘束力入出力部22は、図示しない外部記憶装置や他のコンピュータなどに接続されており、後述する拘束力関係式などを取り入れたりまたは外部記憶装置などに対して書き出したりするためのインターフェースである。
【0019】
出力装置23は、シミュレーション結果を表示するためのディスプレイやプリンタ、およびシミュレーション結果を記憶するための記憶媒体などである。
【0020】
また、このシミュレーション装置1には、図示しないキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置が接続されている。
【0021】
なお、このようなシミュレーション装置1は、実際にはコンピュータであり、各部の機能はこのコンピュータによって後述する手順を処理するため作成されたプログラムが実行することにより提供される。
【0022】
以下、各部の機能について説明する。
【0023】
シミュレーション部10は、シミュレーション実行手段であり、すでに従来技術として説明したワンステップ解法により、ワークであるプレス形成品の形状をシミュレーションする。
【0024】
アウトライン抽出部11は、アウトライン抽出手段であり、シミュレーション部10において、行われたシミュレーションの結果である部品形状データの平面展開時に、その平面展開形状からアウトラインを抽出する。このようなアウトラインの抽出は、従来からある手法を用いればよく、既存のアウトライン抽出方法としては、たとえば、フリーエッジ抽出法などが用いられる。このような抽出方法は多くのシミュレーションプログラムやCAEプログラムなどに機能として組み込まれているので、実際には、それらの機能を利用することになる。このようなフリーエッジ抽出法によるアウトライン抽出機能をもつシミュレーションプログラムとしての一例をあげれば、「MSC.Visual Nastran for Windows(ただしWindowsは登録商標)」(株式会社CRCソリューションズ製)がある。
【0025】
自己交差評価部12は、自己交差検出手段であり、アウトライン抽出部11によって抽出されたアウトラインから、シミュレーションの際に用いているメッシュの線が交差してしまう部分(自己交差)を検出する。自己交差部分の検出も既存の技術を使用すればよく、既存のシミュレーションプログラムに搭載されている自己交差検出機能をそのまま用いればよい。このような自己交差の検出機能を有するプログラムの一例を挙げれば、GHL(株式会社精密形状処理研究所製)がある。
【0026】
自己交差部形状変更部13は、部品形状変形手段であり、自己交差評価部12において検出された自己交差部分を、自己交差が発生しない臨界曲率となるように、自己交差発生部分(主にR部分)の形状を変更する。
【0027】
この自己交差部分の形状変更について説明する。
【0028】
まず、ワンステップ解法を用いたシミュレーションでは、展開時の部品端形状において、メッシュが自己交差している場合、―般に展開方向から見た部品端形状は小さなRをもった凹形状を有することとなる。
【0029】
この自己交差の発生を防ぐために部品端形状の凹形状を大きな曲率のR形状へと変更することで、同等の材料における端部の移動量で比較した場合、メッシュが自己交差する可能性は低くなる。しかし、大きな曲率のR形状への変更は部品形状を大きく変更してしまうため、解析精度には悪い影響を与えてしまう。また、部品端の変形に対する抵抗力が変わってしまうため、R形状の変更は必要最小限にとどめる必要がある。すなわち、自己交差が発生しない臨界曲率のR形状となるように部品端形状に変更する必要がある。
【0030】
そこで、本実施の形態では、自己交差部の部品形状変更に、最適化手法としてはもっともシンブルな二分法を用いた。この手法は一定増分でパラメータを増やし、対象となる目的事象がNGからOK、またはOKからNGとなった場合に、探索方向を逆転し、増分を半減し、再度探索する、ことを繰り返す手法である。そして、増分があらかじめ指定した値に連したら部品端形状は最適化されたとみなす。
【0031】
図2は、この部品形状の最適化を説明するための図面である。この例では、初期R増分がその部分の曲率半径として10mm、最小増分が2.5mmとした。
【0032】
図2中、自己交差の有無を、自己交差発生無しをOK、自己交差発生有りをNGとして表している。
【0033】
図において、反復数=0のときが実際の部品形状で、R50(R=50mm)としたときのシミュレーション結果である。この状態では、自己交差が発生してNGとなる。そこで、R50(R=50mm)からR60(R=60mm)に曲率半径を10mm増やすと、まだ、自己交差が発生してNGとなる。さらにR60(R=60mm)からR70(R=70mm)に曲率半径を10mm増やすと自己交差が無くなり、OKとなるが、これが臨界値どうかわからないので、今度は逆にR70(R=70mm)からR65(R=65mm)へ曲率半径を5mm減らす。そうすると、また、NGとなるので、R65(R=65mm)からR67.5(R=67.5mm)と曲率半径を増加させる値を先の半分の2.5mmにすると、OKとなる。
【0034】
このようにして曲率半径の値を移行してゆくことで、部品端形状の大きさが最適化されていく。このような手法を用いることで、最小限の形状変更で解析不具合を解消することができる。
【0035】
なお、ここでは二分法を用いて臨界曲率となるような変形量を求めたが、これは、当然に他の方法でもよく、たとえば、曲率半径を少しずつ増加させて行き、自己交差が発生しなくなった値とするようにしてもよし、逆に自己交差が発生しないことが推測される大きな値から少しずつ小さな値に減少させて、自己交差が発生したところでその前の値とするようにしてもよい。
【0036】
このように部品端形状を変えることで、自己交差の発生しないワンステップ解放によるシミュレーションを行うことができる。しかし、これだけではワンステップ解放によるシミュレーションでは、部品端形状を変えたことによる素材の伸び縮みに対する影響を無視してしまうことになる。そこで、本実施の形態では、さらに、自己交差発生部において実際のプレス時の状態を再現できるような拘束力の値に補正している。なお、この拘束力は、プレス時におけるブランク材のどこをどの程度の力で拘束するかを規定する値である。この拘束力の補正は、拘束力補正手段として機能する部品端拘束力補正部14によって行われる。
【0037】
部品端拘束力補正部14による部品端拘束力の補正について説明する。
【0038】
自己交差部形状変更部13によって部品端形状を変更すると、部品展開時に部品形状そのものが持つ変形抵抗も変化する。そのため、設計部品形状で標準化された部品端拘束力は、形状の変更に応じて変更する必要がある。
【0039】
図3は、部品端形状の変更と拘束力の関係を説明するための図面である。
【0040】
図3において、部品は、自動車車体のサイドパネル部品であり、図示する部分は、そのコーナー部分拡大図である。
【0041】
図示するように、設計値におけるR形状の曲率半径raが、前記の手法によりrbに変更された場合を考える。設計形状での部品端拘束力標準値をFaとしたとき、R形状変形後の拘束力Fbを求める。実際にはコーナー角度や部品の成形深さ等多くの要因により変動するため、初等式等で表示したものを使用するのは不十分である。
【0042】
このため、本実施の形態では基礎実験により得られたデータをもとに部品端拘束力Fの補正を実施する。
【0043】
この基礎実験は、R形状の曲率半径を変えたときに、その部分の板厚が所定の許容範囲内で同じになるような拘束力を、拘束力を変えてシミュレーションすることにより求める。
【0044】
図4および図5は、拘束力補正のための基礎実験の結果を示すグラフである。
【0045】
ここでは、一例として、R形状を、その曲率半径がR50(R=50mm)、R100(R=100mm)、R150(R=150mm)、R200(R=200mm)、R250(R=250mm)の、5ポイントにおいてそれぞれ試行錯誤により拘束力を変えて板厚Δtが同じになる拘束力を求めたものである。
【0046】
図4に示したグラフは、これらのR形状に対してこの板厚Δtが所定の許容範囲内で同じ減少率となる拘束力F(シミュレーションプログラムで使用する値であり任意単位である)をプロットした結果である。なお、板厚Δtは、プレス前のブランク材の板厚から、プレス後においてこのR形状部分の板厚が約30%減少した板厚となるように設定している。
【0047】
実際の値は、R50のとき拘束力0で板厚減少率30.4%、R100のとき拘束力0.33で板厚減少率30.2%、R150のとき拘束力0.43で板厚減少率30.6%、R200のとき拘束力0.56で板厚減少率30.0%、R250のとき拘束力0.60で板厚減少率30.5%であった。
【0048】
ここで、目標とする板厚の減少率は、約30%としているが、これは、自動車車体に通常使用される鋼板をプレスした場合に、経験的にこれ以上板厚が減少するような場合には、プレスによりブランク材に破断が生じる可能性があるためである。したがって、用いるブランク材の材質や厚みなどにより、基礎実験において設定する板厚は適宜変更する必要がある。
【0049】
また、目標とする板厚の減少率に対して、約±1%程度の誤差は所定の許容範囲とした。もちろんこの許容範囲については、求めるシミュレーション精度、ブランク材の材質、および板厚などに応じて適宜決定すればよく限定されるものではない。これはたとえば、シミュレーション精度が低下してもよい場合、また、ブランク材が破断してしまう減少率を25%としたとき、実際にはブランク材の材質や板厚によって30%程度までは誤差として許容できる(破断しない)ような場合などには、上記所定の許容範囲を±5%程度までとしてもよいのである。
【0050】
一方、図5は、R形状を変えたときに、拘束力を変えずにシミュレーションを行った場合の板厚Δt(減少率(%))の変化を示すグラフである。
【0051】
この基礎実験の結果、図4に示すように、拘束力を変えることで、R形状の曲率半径を変化させた場合でも板厚をほぼ同じにできる拘束力を得ることができることがわかる。一方、図5から、拘束力を変えずにR形状を変化させた場合は、板厚も変わってしまうことがわかる。
【0052】
基礎実験の結果から得られたR形状の曲率半径を変更した場合に対応して設定する拘束力は、図4に示したグラフから、曲率半径に対応して同じ板厚Δtの減少率となる拘束力を求めるための拘束力関係式を求めて、この関係式の係数を使用することになる。
【0053】
上記基礎実験で得られる関係式は、板厚をy、曲率半径をxとすると、
y=0.3743Ln(x)−1.4388 …(1)
となる。なお、この関係式によって得られる曲線を図4中に示した。
【0054】
このように基礎実験によって、あらかじめ変形量を変えたときに板厚の減少率が決められた範囲内で一定となる変形量と拘束力との関係式を求めることで、自己交差をなくすためにR形状部分の曲率半径を変えた際に、それに対応した拘束力を設定することができ、R形状変更後のシミュレーション結果における板厚分布をより正確に求めることができるようになる。なお、目標とする板厚の減少率は、あらかじめ決めた範囲内に収まるように(上記の基礎実験では、ブランク材が破断しないような板厚の範囲)、ブランク材の材質や元の厚さ、また求めるシミュレーションの精度などから決定すればよく、限定されない。
【0055】
なお、基礎実験によって求めた拘束力関係式は、データベース(不図示)としてブランク材の種類や板厚などによりあらかじめ数種類準備しておくことで、さまざまなブランク材の種類や、元の板厚などが変更になった際に、どのように部品端拘束力を変更すればいいのかを決定することができるようになる。
【0056】
したがって、部品端拘束力補正部14は、このようなデータベースを参照して部品端拘束力の補正を行う。
【0057】
なお、基礎実験自体も、このシミュレーション装置1を使用して行うことができる。そして基礎実験により求められた結果である拘束力の関係式は、部品端拘束力入出力部22を介して、外部の記憶装置にデータベースとして記憶させておく。
【0058】
次に、このように構成されたシミュレーション装置によるシミュレーションの手順を説明する。
【0059】
図6は、シミュレーション装置によるシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
【0060】
まず、シミュレーション装置1は、部品形状データ入力部21から部品形状データを取り込むと共に、部品端拘束力入出力部22からシミュレーションを行う際の標準拘束力を設定する(S1)。ここで、標準拘束力は、たとえばこれまでに行ったプレス成形のシミュレーションにおいて使用した値を部品形状や部品名と共にデータベースとして記憶しておき、シミュレーションする部品と形状や名称が同じものがあればそれをそのまま使用すればよい。
【0061】
続いて、シミュレーション部10がワンステップ解法によりシミュレーションを実行する(S2)。このシミュレーションは市販のワンステップ解法シミュレーションプログラムによって行われる。このシミュレーションは、部品の形状を展開することにより、プレスの際に必要となるブランク材の形状を求めたり、また、ブランク材からの板厚変化を求めたり、さらに、プレス時にしわや破断などが発生しないかをシミュレーションするものである。
【0062】
続いて、アウトライン抽出部11がシミュレーション結果から得られた平面展開形状からアウトラインを抽出する(S3)。このアウトライン抽出により得られたアウトラインがプレス前の部品の展開形状となる。
【0063】
続いて、自己交差評価部12が自己交差の発生を評価する(S4)。その結果、自己交差の発生があれば(S4:Yes)、自己交差部部品形状変更部13が、自己交差が発生した部分の形状を変更する(S5)。
【0064】
そして、部品端拘束力補正部14が拘束力の補正を行って(S6)、ステップS2へ戻り、ワンステップ解法によるシミュレーションを実行する。
【0065】
したがって、ステップS4において自己交差が検出されると、ステップS2からS6の処理を自己交差が無くなるまで実行することになる。
【0066】
一方、ステップS4の自己交差評価において、自己交差の発生が検出されなければ(S4:No)、そのままシミュレーション結果を出力装置23に出力(S7)および表示(S8)して(印刷や記憶動作などを含む)、処理を終了する。
【0067】
以上のように本実施の形態により、自己交差が発生するような曲率半径を有する部分でも板厚の極端な減少や実際の部品であり得ない自己交差した形状結果などがなくなり、ワンステップ解法を用いたシミュレーションであっても、より精度の高いシミュレーション結果を得ることができるようになる。
【0068】
また、本実施の形態においては、自己交差部分の形状を変更する際に二分法を用いたことで、形状変更にかかる時間も少なく、最小限の形状変更で解析不具合を解消することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態においては、自己交差が発生する部品端部におけるR形状を単に変更しただけでなく、変更したR形状に合わせて拘束力を補正することとしたので、変更後の形状でもシミュレーション精度が低下することがない。
【0070】
そして、この拘束力は、基礎実験によりさまざまなブランク材の種類や元の板厚、目標とするプレス後の板厚などに応じてデータベース化することで、さまざまなプレスのシミュレーションに適応可能となる。
【0071】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。たとえば、拘束力の補正については、R形状の曲率半径を変えることによって、板厚が大きく変化しないような場合、または部品端から離れた部位の形状についてのみ求めたいような場合には、拘束力の補正は行わなくてもよい。また、拘束力を補正するための関係式についても、シミュレーションごとに入力するようにしてもよく、必ずしもデータベース化しておく必要はない。
【0072】
さらには、当業者によるさまざまな改変が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態におけるシミュレーション装置の機能構成を説明するためのブロック図である。
【図2】この部品形状の最適化を説明するための図面である。
【図3】部品端形状の変更と拘束力説明する図面である。
【図4】拘束力補正のための基礎実験の結果を示すグラフであり、曲率半径を変えたときに板厚が同じ減少率となる拘束力をプロットものである。
【図5】R形状を変えたときに、拘束力を変えずにシミュレーションを行った場合の板厚の減少率を示すグラフである。
【図6】シミュレーションの手順を示すフローチャートである。
【図7】自己交差を説明するための図面である。
【符号の説明】
1…シミュレーション装置
10…シミュレーション部
11…アウトライン抽出部
12…自己交差評価部
13…自己交差部形状変更部
14…部品端拘束力補正部

Claims (7)

  1. ワーク形状をワンステップ解法によりシミュレーションするシミュレーション実行手段と、
    前記シミュレーション実行手段により行われたシミュレーション結果の形状からアウトラインを抽出するアウトライン抽出手段と、
    前記アウトライン抽出手段が抽出したアウトラインからメッシュの自己交差の有無を検出する自己交差検出手段と、
    前記自己交差検出手段が自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形する部品形状変形手段と、
    を有することを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記部品形状変形手段によって変形された部分の拘束力を変形量に応じて補正する拘束力補正手段を、さらに有することを特徴とする請求項1記載のシミュレーション装置。
  3. 前記拘束力補正手段は、あらかじめ変形量を変えたときに前記ワークの板厚の減少率が所定の許容範囲内で同じとなる変形量と拘束力との関係式を求めておき、該関係式に基づいて前記拘束力を補正することを特徴とする請求項2記載のシミュレーション装置。
  4. ワーク形状をワンステップ解法によりシミュレーションする段階と、
    前記シミュレーションにより得られた前記ワーク形状からアウトラインを抽出する段階と、
    前記アウトラインからメッシュの自己交差の有無を検出する段階と、
    前記自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形する段階と、
    を有することを特徴とするシミュレーション方法。
  5. 前記自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形する段階の後に、前記変形された部分の拘束力を変形量に応じて補正する段階を、さらに有することを特徴とする請求項4記載のシミュレーション方法。
  6. 前記変形された部分の拘束力を変形量に応じて補正する段階は、あらかじめ変形量を変えたときに前記ワークの板厚の減少率が所定の許容範囲内で同じとなる変形量と拘束力との関係式を求めておき、該関係式に基づいて前記拘束力を補正することを特徴とする請求項5記載のシミュレーション装置。シミュレーション装置。
  7. ワーク形状をワンステップ解法によりシミュレーションするステップと、
    前記シミュレーションにより得られた形状からアウトラインを抽出するステップと、
    前記アウトラインからメッシュの自己交差の有無を検出するステップと、
    前記自己交差を検出した部分の形状を自己交差が発生しない形状に変形するステップと、
    前記変形された部分の拘束力を変形量に応じて補正するステップと、
    を有することを特徴とするシミュレーションプログラム。
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