JP2004342249A - 回転ヘッドドラム装置 - Google Patents
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- G11B5/52—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with simultaneous movement of head and record carrier, e.g. rotation of head
Abstract
【課題】本発明は、製造が容易で、接着剤を確実に受け入れることができる回転ヘッドドラム装置を提供することを目的とする。
【解決手段】回転ヘッドドラム装置21は、回転ドラム23と、フレキシブルプリントサーキット24と、リング部材25と、回転側ロータリトランス26と、を有している。フレキシブルプリントサーキット24の上側リング30は、回転ドラム23に接続され、下側リング31は、接着剤飛散防止部42の一部となる。リング部材25は、回転側ロータリトランス26の上部に熱硬化型樹脂の接着剤で接着され、リング部材25の上面にフレキシブルプリントサーキット24の下側リング31が熱硬化型樹脂の接着剤で接着される。接着剤飛散防止部42に形成された溝43で、飛散した接着剤41を受け入れることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】回転ヘッドドラム装置21は、回転ドラム23と、フレキシブルプリントサーキット24と、リング部材25と、回転側ロータリトランス26と、を有している。フレキシブルプリントサーキット24の上側リング30は、回転ドラム23に接続され、下側リング31は、接着剤飛散防止部42の一部となる。リング部材25は、回転側ロータリトランス26の上部に熱硬化型樹脂の接着剤で接着され、リング部材25の上面にフレキシブルプリントサーキット24の下側リング31が熱硬化型樹脂の接着剤で接着される。接着剤飛散防止部42に形成された溝43で、飛散した接着剤41を受け入れることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転ヘッドドラム装置に係り、特に、ロータリトランスを有する回転ヘッドドラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、回転ヘッドドラム装置は、ビデオテープレコーダーやデジタルオーディオテープレコーダー(以下、DATという)において、磁気テープ(記録媒体)に磁気記録/再生処理を行う手段として用いられている。この回転ヘッドドラム装置は、例えば下側の固定ドラムと上側の回転ドラムとにより構成され、上側の回転ドラムには例えば4個の磁気ヘッドが所定の間隔で取り付けられている。よって、上側の回転ドラムの回転に伴い磁気ヘッドも回転し、回転ヘッドドラム装置にヘリカル状に巻回添接された磁気テープに対し磁気記録/再生処理を行う構成とされている。
【0003】
図9は、従来の回転ヘッドドラム装置1を示している。回転ドラム2は、固定ドラム3に配設されたモータ4により回転駆動されるシャフト5がシャフト孔6に圧入することにより、固定ドラム3上で回転する構成とされている。
【0004】
この回転ドラム2にはヘッドベース7に保持された磁気ヘッド8が配設されている。ヘッドベース7は例えば金属基板よりなり、磁気ヘッド8はその先端部に配設されている。このヘッドベース7は、回転ドラム2の下面にヘッド固定ネジ9により固定されている。
【0005】
また、回転ドラム2の下部にはロータリトランスを構成する回転側ロータリトランス10が固定されている。この回転側ロータリトランス10は、固定ドラム3に配設された固定側ロータリトランス11と対向配置されるものであり、各ロータリトランス10,11にはコイル12が巻回されている。そして、この各コイル12間の電磁誘導作用により、ロータリトランス10,11は回転ドラム2と固定ドラム3との間で非接触で信号の授受を行う構成とされている。
【0006】
また、回転側ロータリトランス10の上部には、ターミナル13が配設されている。このターミナル13には磁気ヘッド8と電気的に接続される端子14が配設されており、コイル12の端線はこの端子14に電気的に接続されている。よって、磁気ヘッド8で再生された信号はターミナル13,ロータリトランス10,11を介して固定ドラム3に配設された信号用フレキシブル基板(図示せず)に信号を供給することができ、また信号用フレキシブル基板からの記録信号はロータリトランス10,11、ターミナル13を介して磁気ヘッド8に供給される。
【0007】
回転ドラム2の回転側ロータリトランス10と対峙する位置には、円筒状連結部2aが形成され、この円筒状連結部2aの端面には、接着剤配設部15が形成されている。この接着剤配設部15には、回転側ロータリトランス10を回転ドラム2に固定するための接着剤16が充填される。この接着剤16により、回転側ロータリトランス10は回転ドラム2に固定される。尚、接着剤配設部15の高さは、高さが大である場合あっても、0.2〜0.3mm程度である。
【0008】
更に、回転側ロータリトランス10の上面に配設されたターミナル13に注目すると、ターミナル13の端部は回転ドラム2の円筒状連結部2aの外壁に当接すると共に、その当接位置の下部には溝部が形成されることにより接着剤飛散防止部17が形成されている。
【0009】
接着剤配設部15から余剰の接着剤16がはみ出すことを防ぐため、接着剤飛散防止部17が配設されている。よって、接着剤配設部15から接着剤16が漏洩しても、近接配設された接着剤飛散防止部17でそれ以上の漏洩が防止されるため、回転ヘッドドラム装置1の周辺機器が接着剤16により汚染されることを防止することができる。
【0010】
特に、回転ヘッドドラム装置1は量産されるものであり、接着剤16の充填工程において過剰に接着剤16が塗布されてしまうことは経験上あり得ることである。従来では、この余剰の接着剤は作業者が拭き取ることにより除去していたが、接着剤飛散防止部17を設けることによりこの拭き取り作業を不要とすることができる。(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−195025号公報(第4−6頁、第1−3図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤飛散防止部は、ターミナルに溝を形成することにより、製造されているため、板厚の薄い部材に溝を形成する必要がある。板厚の薄い部材に溝を形成することは、困難な作業であるため、時間とコストがかかる問題が生じる。また、接着剤飛散防止部は、ターミナルの端部に小さい溝を形成することによって形成されているが、板厚の薄い部材で大きい溝を形成することは困難であり、接着剤が大量に漏洩した場合、溝に全ての接着剤を受け入れることができない。
【0013】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、製造が容易で、接着剤を確実に受け入れることができる回転ヘッドドラム装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、固定ドラムと、回転駆動されるモータと、磁気ヘッドが配設されると共に前記固定ドラム上で前記モータによって回転されることにより前記磁気ヘッドを回転させる回転ドラムと、前記固定ドラムに配設された固定側ロータリトランスと、前記回転ドラムに接着剤配設部を介して固定された回転側ロータリトランスとにより、回転ドラム側と固定ドラム側との間で信号の授受を行うロータリトランスと、前記回転側ロータリトランス上に設けてあり、飛散した接着剤を受けとめる接着剤飛散防止部と、を有する構成の回転ヘッドドラム装置において、前記接着剤飛散防止部は、前記回転側ロータリトランス上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着されたリング状の第1のリング部材と、前記第1のリング部材上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着され、前記第1のリング部材の内周側にせり出した第2のリング部材とを有し、前記接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の発明において、接着剤飛散防止部は、2つのリング部材を回転側ロータリトランス上に接着することにより形成されているため、飛散した接着剤を受け入れる空間を任意の大きさに形成することができる。また、接着剤飛散防止部は、熱に弱い部品と組み立てる前に、熱硬化型樹脂の接着剤で接着されるため、熱に弱い部品に影響なく接着剤を完全硬化させることができる。
【0016】
本発明は、請求項2に記載されるように、前記回転ドラムは、前記回転ドラムに接続される上側リングと前記回転側ロータリトランスに接続される下側リングとを有する前記磁気ヘッドと前記回転側ロータリトランスとを電気的に接続するフレキシブルプリントサーキットを有し、前記下側リングを前記第2のリング部材として用いたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明において、接着剤飛散防止部の1つのリング部材としてフレキシブルプリントサーキットの下側リングを使用することにより、部品を軽減することができる。
【0018】
本発明は、請求項3に記載されるように、前記第1のリング部材は、上面、下面に環状に形成された溝を有し、該溝に熱硬化型の樹脂を充填したことを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明において、リング部材に形成された溝に熱硬化型の樹脂を充填することにより、接着剤飛散防止部の隙間が無いように接着剤飛散防止部を設置することができるため、接着剤飛散防止部で受けとめられた接着剤が漏洩することを防ぐことができる。
【0020】
本発明は、請求項4に記載されるように、前記接着剤飛散防止部は、前記第1のリング部材に対応する部分と前記第2のリング部材に対応する部分とを一体的に有し、第2のリング部材に対応する部分の下面に環状に形成された溝を有する接着剤飛散防止部材を有し、該接着剤飛散防止部材は、前記環状に形成された溝に熱硬化型樹脂の接着剤を充填されて回転側ロータリトランス上に接着されて、前記接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間が形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明において、前記第1のリング部材と前記第2のリング部材を一体成形部材によって構成することにより、前記第1のリング部材と前記第2のリング部材とを接着する工程をなくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0023】
図1は、本発明の回転ヘッドドラム装置21の分解図を示している。図2は、本発明の回転ヘッドドラム装置21を構成する回転ドラム23の断面図を示している。図3は、本発明の回転ヘッドドラム装置21の断面図を示している。
【0024】
先ず、図1及び図3を用いて、回転ヘッドドラム装置21の全体構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の回転ヘッドドラム装置21は、磁気ヘッド22が固定してある回転ドラム23と、フレキシブルプリントサーキット24と、リング部材25と、回転ドラム23に固定してある回転側ロータリトランス26と、固定側ロータリトランス27と、固定側ロータリトランス27が固定してある固定ドラム28と、回転ドラム23を回転させるモータ29(図3参照)とを有する構成であり、周囲を走行する磁気テープに情報の記録、磁気テープより情報の再生を行う。
【0026】
回転側ロータリトランス26は、固定側ロータリトランス27に対向して配置してある。フレキシブルプリントサーキット24は、上側リング30と下側リング31とを有し、回転ドラム23の下面とリング部材25の上面との間に二つに折り曲げられて弾性的に湾曲された状態で設けてあり、磁気ヘッド22と回転側ロータリトランス26とを電気的に接続する。
【0027】
図3に示すように、固定ドラム28の中央部分には玉軸受け32を介してシャフト33が軸承されている。回転ドラム23は、固定ドラム28に立設されたシャフト33の上端部に固定されている。具体的には、シャフト33は回転ドラム23に形成されたシャフト孔34に圧入された構成とされている。これにより、回転ドラム23は、シャフト33を介して固定ドラム28に回転自在に支承された構成とされている。
【0028】
この回転ドラム23には複数(例えば4個)の磁気ヘッド22が配設されており、よってこの磁気ヘッド22は回転ドラム23の回転に伴い回転する構成とされている。本実施例の回転ヘッドドラム装置21では、4個の磁気ヘッド22が90°間隔で配設された構成とされている。この4個の磁気ヘッド22の内、180°離間した磁気ヘッド22同士が対をなし、一方の対が記録専用ヘッドとして機能し、他方の対が再生専用のヘッドとして機能するよう構成されている。
【0029】
磁気ヘッド22は、ヘッドベース35を介して回転ドラム23に配設されている。ヘッドベース35は例えば樹脂基板よりなり、その先端部に磁気ヘッド22が配設されている。具体的には、磁気ヘッド22は図示しない接着剤によりヘッドベース35に固定されている。
【0030】
このヘッドベース35は、回転ドラム23にヘッド固定ネジ36により固定されている。即ち、回転ドラム23にはヘッド固定ネジ36が螺着される固定用雌ネジ37が形成さており、またヘッドベース35には挿通孔38が形成されている。よって、挿通孔38と固定用雌ネジ37が同軸となるようヘッドベース35を回転ドラム23の下面に位置決めし、ヘッド固定ネジ36を挿通孔38を介して固定用雌ネジ37に螺着することにより、ヘッドベース35は回転ドラム23に固定される。
【0031】
一方、回転ドラム23の底面には、フレキシブルプリントサーキット24が配設され、回転側ロータリトランス26に電気的に接続されている。尚、説明の便宜上、回転ドラム23と回転側ロータリトランス26との固定構造については、後に詳述するものとする。
【0032】
一方、固定ドラム28の下部にはモータ部29が設けられている。よって、モータ部29が駆動することによりシャフト33は回転し、よって回転ドラム23が回転する構成となっている。
【0033】
更に、固定ドラム28の回転側ロータリトランス26と対向する位置には、ロータリトランスを構成する固定側ロータリトランス27が配設されている。この固定側ロータリトランス27は、固定ドラム28に配設された信号用フレキシブル基板39に接続されている。
【0034】
このように対向配置された回転側ロータリトランス26及び固定側ロータリトランス27によりロータリトランスが形成され、各ロータリトランス26,27間での信号の授受が可能となる。従って、記録時においては、磁気テープに記録を行う記録信号は信号用フレキシブル基板39からロータリトランスを介して磁気ヘッド22に供給され、また再生時において磁気ヘッド22が磁気テープから読み取った生成信号は、ロータリトランスを介してフレキシブル基板39に供給される。
【0035】
ここで、回転側ロータリトランス26を回転ドラム23に固定する構造について、図2及び図3を用いて説明する。
【0036】
各図に示すように、回転ドラム23の回転側ロータリトランス26と対峙する位置には、円筒状連結部23aが形成されている。そして、この円筒状連結部23aの端面には、接着剤配設部40が形成されている。この接着剤配設部40には、回転側ロータリトランス26を回転ドラム23に固定するための接着剤41が装填される。この接着剤41により、回転側ロータリトランス26は回転ドラム23に固定される。また、本実施例では接着剤41として紫外線硬化型の樹脂を用いている。
【0037】
本実施例による回転ヘッドドラム装置21は、接着剤配設部40の近接の回転側ロータリトランス26上に接着剤飛散防止部42が配設されている。接着剤飛散防止部42は、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31と回転側ロータリトランス26上に接着して固定されるリング部材25とにより構成され、溝43が形成される。このように接着剤飛散防止部42を設けることにより、接着剤配設部40から接着剤41が漏洩しても、近接配設された接着剤飛散防止部42でそれ以上の漏洩が防止されるため、接着剤41による汚染を最小限とすることができる。
【0038】
また、前記したように本実施例では接着剤41として紫外線硬化型の樹脂を用いている。また、図2に示すように、接着剤配設部40の開口部44は、回転ドラム23の円筒状連結部23aの内壁23bに開口した構成とされている。従って、回転ドラム23の内部空間部分に紫外線照射装置45を挿入し、開口部44から接着剤41に向け紫外線を照射することが可能となる。このように開口部44から接着剤41に向け紫外線を照射することにより、紫外線硬化型樹脂の接着剤41を硬化させることができる。
【0039】
しかしながら、紫外線硬化型樹脂の接着剤では、紫外線が接着剤に確実に当たらなかった場合、接着剤の完全硬化に問題を残す事がある。本実施例においては、仮に接着剤の一部に硬化の不完全な部分が存在した場合においても、接着剤飛散防止部42によって、接着剤の飛散による弊害をなくすことができる。なお、接着剤に熱硬化型の樹脂を使用することも考えられるが、これを使用した場合では、磁気ヘッド、ロータリトランス、ベアリング等の耐熱温度の影響で、樹脂硬化のための必要温度まで熱を上げることができないため好ましくない。
【0040】
一方、本実施例においては、接着剤飛散防止部42を形成するためのリング部材25の回転側ロータリトランス26に対する接着及びリング部材25とフレキシブルプリントサーキット24の下側リング31との接着は、熱硬化型樹脂の接着剤を使用する。
【0041】
その理由は、接着剤飛散防止部42は、磁気ヘッド等の熱に弱い部品を組み立てる前に予め、単品状態で熱硬化型樹脂の接着剤を使用して、形成することができるためである。熱硬化型樹脂の接着剤を使用することにより、回転側ロータリトランス26、リング部材25、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31の相互の接着を接着剤を完全に硬化させて行うことができる。そして、接着剤飛散防止部42が形成された回転側ロータリトランス26を回転ドラム23に設置する。
【0042】
次に、熱硬化型樹脂の接着剤で接着された接着剤飛散防止部42について更に説明する。
【0043】
図4は、本発明の回転ヘッドドラム装置21に設置されている接着剤飛散防止部42を示している。(A)は上面図、(B)はX−X断面図をそれぞれ示している。
【0044】
接着剤飛散防止部42は、回転ドラム23の回転側ロータリトランス26の上面に設置され、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31とリング部材25とにより形成される。例えば、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31には、FPCと基板、リング部材25には、補強板となる樹脂板または両面テープが使用される。
【0045】
フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31、リング部材25及び回転側ロータリトランス26は、リング状に形成されている。フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31には、直径がD1の穴47が形成され、リング部材25には、直径がD2の穴48が形成されている。D1<D2であり、直径D1と直径D2の差が接着剤飛散防止部42の溝43の深さである。
【0046】
リング部材25の下面は、回転ヘッドドラム装置21の回転側ロータリトランス26の上面に熱硬化型の樹脂で接着される。リング部材25の上面には、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31が熱硬化型の樹脂で接着される。フレキシブルプリントサーキット24のリング部31をリング部材25より、内周側にせり出させることにより、接着剤飛散防止部42の溝43を形成することができる。溝43の位置と深さは、下側リング31の穴47の直径D1とリング部材25の穴48の直径D2とを変化させることにより、任意に変更できる。
【0047】
図5は、接着剤飛散防止部42の溝43に接着剤41が受け入れられる状態を示している。(A)は接着剤41の飛散前、(B)は接着剤41の飛散後をそれぞれ示している。
【0048】
回転側ロータリトランス26の上面に接着剤飛散防止部42が設置されている。回転側ロータリトランス26の中心側に、円筒状連結部23aの端面に形成された接着剤配設部40が接着されている。図5(A)は、接着剤41が多く接着されているため、接着剤41が接着剤配設部40からはみ出している。この状態で、回転ヘッドドラム装置21を破線の軸を中心に矢印方向に回転させると、矢印F方向の遠心力が発生する。接着剤配設部40の硬化されなかった接着剤41が遠心力Fを受けて、接着剤配設部40から矢印R方向に飛散する。
【0049】
図5(B)に示すように、飛散した接着剤46は、接着剤飛散防止部42の溝43に受け入れられる。接着剤46は、溝43のリング部材25に衝突して、飛散を止めることができる。
【0050】
図6は、リング部材61にV溝63が形成された接着剤飛散防止部62を示している。(A)は上面図、(B)はY−Y断面図をそれぞれ示している。図7は、接着剤飛散防止部62の拡大断面図を示している。(A)はV溝63が形成された接着前の状態、(B)はV溝63に熱硬化型の樹脂64が充填され接着された状態をそれぞれ示している。尚、図4、図5と同一部分についての説明は、省略する。
【0051】
リング部材61の下面の内側と上面の外側とにV溝63が環状に形成されている。V溝63に熱硬化型の樹脂64が充填されることにより、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31とリング部材61と、リング部材61と回転側ロータリトランス26とが隙間無く接着される。このため、接着剤飛散防止部62の溝43に受け入れられた接着剤46が接着剤飛散防止部62の隙間から漏れることを防ぐことができる。
【0052】
尚、V溝63は、リング部材61の上面、下面に複数形成してもよい。また、V溝63の形状は、V字型に限定されず、熱硬化型の樹脂64を充填することができる形状であればよい。
【0053】
図7は、本発明の回転ヘッドドラム装置21に設置されている接着剤飛散防止部の別の実施例を示す。(A)は上面図、(B)はX−X断面図をそれぞれ示している。
【0054】
接着剤飛散防止部42Aは、図4中の下側リング31に対応する部分31Aと図4中のリング部材25に対応する部分25Aとを一体的に有すし、且つ、第2のリング部材に対応する部分25Aの下面に環状に形成された溝63Aを有する単一の接着剤飛散防止部材70を有し、熱硬化型の樹脂64が環状溝63Aにその全周に亘って充填された状態で、部分25Aを回転側ロータリトランス26上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着されている構成である。接着された接着剤飛散防止部材70によって、回転側ロータリトランス26上に接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間を形成する溝43が形成される。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、接着剤飛散防止部を熱硬化型樹脂の接着剤で隙間無く確実に回転ヘッドドラム装置に設置できる。接着剤飛散防止部の飛散した接着剤を受け入れる空間の大きさを任意に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転ヘッドドラム装置の分解図を示している。
【図2】本発明の回転ヘッドドラム装置を構成する回転ドラムの断面図を示している。
【図3】本発明の回転ヘッドドラム装置の断面図を示している。
【図4】本発明の回転ヘッドドラム装置に設置されている接着剤飛散防止部を示している。(A)は上面図、(B)はX−X断面図をそれぞれ示している。
【図5】接着剤飛散防止部の溝に接着剤が受け入れられる状態を示している。(A)は接着剤の飛散前、(B)は接着剤の飛散後をそれぞれ示している。
【図6】リング部材にV溝を形成した接着剤飛散防止部を示している。
【図7】接着剤飛散防止部の拡大断面図を示している。(A)はV溝が形成された接着前の状態、(B)はV溝に熱硬化型の樹脂が充填され接着された状態をそれぞれ示している。
【図8】接着剤飛散防止部の別の実施例を示す図である。
【図9】従来の回転ヘッドドラム装置を示している。
【符号の説明】
21 回転ヘッドドラム装置
22 磁気ヘッド
23 回転ドラム
23a 円筒状連結部
24 フレキシブルプリントサーキット
25,61 リング部材
26 回転側ロータリトランス
27 固定側ロータリトランス
28 固定ドラム
29 モータ部
30 上側リング
31 下側リング
33 シャフト
35 ヘッドベース
40 接着剤配設部
41 接着剤
42、42A,62 接着剤飛散防止部
43 溝
45 紫外線照射装置
63 V溝
64 熱硬化型の樹脂
70 接着剤飛散防止部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転ヘッドドラム装置に係り、特に、ロータリトランスを有する回転ヘッドドラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、回転ヘッドドラム装置は、ビデオテープレコーダーやデジタルオーディオテープレコーダー(以下、DATという)において、磁気テープ(記録媒体)に磁気記録/再生処理を行う手段として用いられている。この回転ヘッドドラム装置は、例えば下側の固定ドラムと上側の回転ドラムとにより構成され、上側の回転ドラムには例えば4個の磁気ヘッドが所定の間隔で取り付けられている。よって、上側の回転ドラムの回転に伴い磁気ヘッドも回転し、回転ヘッドドラム装置にヘリカル状に巻回添接された磁気テープに対し磁気記録/再生処理を行う構成とされている。
【0003】
図9は、従来の回転ヘッドドラム装置1を示している。回転ドラム2は、固定ドラム3に配設されたモータ4により回転駆動されるシャフト5がシャフト孔6に圧入することにより、固定ドラム3上で回転する構成とされている。
【0004】
この回転ドラム2にはヘッドベース7に保持された磁気ヘッド8が配設されている。ヘッドベース7は例えば金属基板よりなり、磁気ヘッド8はその先端部に配設されている。このヘッドベース7は、回転ドラム2の下面にヘッド固定ネジ9により固定されている。
【0005】
また、回転ドラム2の下部にはロータリトランスを構成する回転側ロータリトランス10が固定されている。この回転側ロータリトランス10は、固定ドラム3に配設された固定側ロータリトランス11と対向配置されるものであり、各ロータリトランス10,11にはコイル12が巻回されている。そして、この各コイル12間の電磁誘導作用により、ロータリトランス10,11は回転ドラム2と固定ドラム3との間で非接触で信号の授受を行う構成とされている。
【0006】
また、回転側ロータリトランス10の上部には、ターミナル13が配設されている。このターミナル13には磁気ヘッド8と電気的に接続される端子14が配設されており、コイル12の端線はこの端子14に電気的に接続されている。よって、磁気ヘッド8で再生された信号はターミナル13,ロータリトランス10,11を介して固定ドラム3に配設された信号用フレキシブル基板(図示せず)に信号を供給することができ、また信号用フレキシブル基板からの記録信号はロータリトランス10,11、ターミナル13を介して磁気ヘッド8に供給される。
【0007】
回転ドラム2の回転側ロータリトランス10と対峙する位置には、円筒状連結部2aが形成され、この円筒状連結部2aの端面には、接着剤配設部15が形成されている。この接着剤配設部15には、回転側ロータリトランス10を回転ドラム2に固定するための接着剤16が充填される。この接着剤16により、回転側ロータリトランス10は回転ドラム2に固定される。尚、接着剤配設部15の高さは、高さが大である場合あっても、0.2〜0.3mm程度である。
【0008】
更に、回転側ロータリトランス10の上面に配設されたターミナル13に注目すると、ターミナル13の端部は回転ドラム2の円筒状連結部2aの外壁に当接すると共に、その当接位置の下部には溝部が形成されることにより接着剤飛散防止部17が形成されている。
【0009】
接着剤配設部15から余剰の接着剤16がはみ出すことを防ぐため、接着剤飛散防止部17が配設されている。よって、接着剤配設部15から接着剤16が漏洩しても、近接配設された接着剤飛散防止部17でそれ以上の漏洩が防止されるため、回転ヘッドドラム装置1の周辺機器が接着剤16により汚染されることを防止することができる。
【0010】
特に、回転ヘッドドラム装置1は量産されるものであり、接着剤16の充填工程において過剰に接着剤16が塗布されてしまうことは経験上あり得ることである。従来では、この余剰の接着剤は作業者が拭き取ることにより除去していたが、接着剤飛散防止部17を設けることによりこの拭き取り作業を不要とすることができる。(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−195025号公報(第4−6頁、第1−3図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤飛散防止部は、ターミナルに溝を形成することにより、製造されているため、板厚の薄い部材に溝を形成する必要がある。板厚の薄い部材に溝を形成することは、困難な作業であるため、時間とコストがかかる問題が生じる。また、接着剤飛散防止部は、ターミナルの端部に小さい溝を形成することによって形成されているが、板厚の薄い部材で大きい溝を形成することは困難であり、接着剤が大量に漏洩した場合、溝に全ての接着剤を受け入れることができない。
【0013】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、製造が容易で、接着剤を確実に受け入れることができる回転ヘッドドラム装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、固定ドラムと、回転駆動されるモータと、磁気ヘッドが配設されると共に前記固定ドラム上で前記モータによって回転されることにより前記磁気ヘッドを回転させる回転ドラムと、前記固定ドラムに配設された固定側ロータリトランスと、前記回転ドラムに接着剤配設部を介して固定された回転側ロータリトランスとにより、回転ドラム側と固定ドラム側との間で信号の授受を行うロータリトランスと、前記回転側ロータリトランス上に設けてあり、飛散した接着剤を受けとめる接着剤飛散防止部と、を有する構成の回転ヘッドドラム装置において、前記接着剤飛散防止部は、前記回転側ロータリトランス上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着されたリング状の第1のリング部材と、前記第1のリング部材上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着され、前記第1のリング部材の内周側にせり出した第2のリング部材とを有し、前記接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の発明において、接着剤飛散防止部は、2つのリング部材を回転側ロータリトランス上に接着することにより形成されているため、飛散した接着剤を受け入れる空間を任意の大きさに形成することができる。また、接着剤飛散防止部は、熱に弱い部品と組み立てる前に、熱硬化型樹脂の接着剤で接着されるため、熱に弱い部品に影響なく接着剤を完全硬化させることができる。
【0016】
本発明は、請求項2に記載されるように、前記回転ドラムは、前記回転ドラムに接続される上側リングと前記回転側ロータリトランスに接続される下側リングとを有する前記磁気ヘッドと前記回転側ロータリトランスとを電気的に接続するフレキシブルプリントサーキットを有し、前記下側リングを前記第2のリング部材として用いたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明において、接着剤飛散防止部の1つのリング部材としてフレキシブルプリントサーキットの下側リングを使用することにより、部品を軽減することができる。
【0018】
本発明は、請求項3に記載されるように、前記第1のリング部材は、上面、下面に環状に形成された溝を有し、該溝に熱硬化型の樹脂を充填したことを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明において、リング部材に形成された溝に熱硬化型の樹脂を充填することにより、接着剤飛散防止部の隙間が無いように接着剤飛散防止部を設置することができるため、接着剤飛散防止部で受けとめられた接着剤が漏洩することを防ぐことができる。
【0020】
本発明は、請求項4に記載されるように、前記接着剤飛散防止部は、前記第1のリング部材に対応する部分と前記第2のリング部材に対応する部分とを一体的に有し、第2のリング部材に対応する部分の下面に環状に形成された溝を有する接着剤飛散防止部材を有し、該接着剤飛散防止部材は、前記環状に形成された溝に熱硬化型樹脂の接着剤を充填されて回転側ロータリトランス上に接着されて、前記接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間が形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明において、前記第1のリング部材と前記第2のリング部材を一体成形部材によって構成することにより、前記第1のリング部材と前記第2のリング部材とを接着する工程をなくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0023】
図1は、本発明の回転ヘッドドラム装置21の分解図を示している。図2は、本発明の回転ヘッドドラム装置21を構成する回転ドラム23の断面図を示している。図3は、本発明の回転ヘッドドラム装置21の断面図を示している。
【0024】
先ず、図1及び図3を用いて、回転ヘッドドラム装置21の全体構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の回転ヘッドドラム装置21は、磁気ヘッド22が固定してある回転ドラム23と、フレキシブルプリントサーキット24と、リング部材25と、回転ドラム23に固定してある回転側ロータリトランス26と、固定側ロータリトランス27と、固定側ロータリトランス27が固定してある固定ドラム28と、回転ドラム23を回転させるモータ29(図3参照)とを有する構成であり、周囲を走行する磁気テープに情報の記録、磁気テープより情報の再生を行う。
【0026】
回転側ロータリトランス26は、固定側ロータリトランス27に対向して配置してある。フレキシブルプリントサーキット24は、上側リング30と下側リング31とを有し、回転ドラム23の下面とリング部材25の上面との間に二つに折り曲げられて弾性的に湾曲された状態で設けてあり、磁気ヘッド22と回転側ロータリトランス26とを電気的に接続する。
【0027】
図3に示すように、固定ドラム28の中央部分には玉軸受け32を介してシャフト33が軸承されている。回転ドラム23は、固定ドラム28に立設されたシャフト33の上端部に固定されている。具体的には、シャフト33は回転ドラム23に形成されたシャフト孔34に圧入された構成とされている。これにより、回転ドラム23は、シャフト33を介して固定ドラム28に回転自在に支承された構成とされている。
【0028】
この回転ドラム23には複数(例えば4個)の磁気ヘッド22が配設されており、よってこの磁気ヘッド22は回転ドラム23の回転に伴い回転する構成とされている。本実施例の回転ヘッドドラム装置21では、4個の磁気ヘッド22が90°間隔で配設された構成とされている。この4個の磁気ヘッド22の内、180°離間した磁気ヘッド22同士が対をなし、一方の対が記録専用ヘッドとして機能し、他方の対が再生専用のヘッドとして機能するよう構成されている。
【0029】
磁気ヘッド22は、ヘッドベース35を介して回転ドラム23に配設されている。ヘッドベース35は例えば樹脂基板よりなり、その先端部に磁気ヘッド22が配設されている。具体的には、磁気ヘッド22は図示しない接着剤によりヘッドベース35に固定されている。
【0030】
このヘッドベース35は、回転ドラム23にヘッド固定ネジ36により固定されている。即ち、回転ドラム23にはヘッド固定ネジ36が螺着される固定用雌ネジ37が形成さており、またヘッドベース35には挿通孔38が形成されている。よって、挿通孔38と固定用雌ネジ37が同軸となるようヘッドベース35を回転ドラム23の下面に位置決めし、ヘッド固定ネジ36を挿通孔38を介して固定用雌ネジ37に螺着することにより、ヘッドベース35は回転ドラム23に固定される。
【0031】
一方、回転ドラム23の底面には、フレキシブルプリントサーキット24が配設され、回転側ロータリトランス26に電気的に接続されている。尚、説明の便宜上、回転ドラム23と回転側ロータリトランス26との固定構造については、後に詳述するものとする。
【0032】
一方、固定ドラム28の下部にはモータ部29が設けられている。よって、モータ部29が駆動することによりシャフト33は回転し、よって回転ドラム23が回転する構成となっている。
【0033】
更に、固定ドラム28の回転側ロータリトランス26と対向する位置には、ロータリトランスを構成する固定側ロータリトランス27が配設されている。この固定側ロータリトランス27は、固定ドラム28に配設された信号用フレキシブル基板39に接続されている。
【0034】
このように対向配置された回転側ロータリトランス26及び固定側ロータリトランス27によりロータリトランスが形成され、各ロータリトランス26,27間での信号の授受が可能となる。従って、記録時においては、磁気テープに記録を行う記録信号は信号用フレキシブル基板39からロータリトランスを介して磁気ヘッド22に供給され、また再生時において磁気ヘッド22が磁気テープから読み取った生成信号は、ロータリトランスを介してフレキシブル基板39に供給される。
【0035】
ここで、回転側ロータリトランス26を回転ドラム23に固定する構造について、図2及び図3を用いて説明する。
【0036】
各図に示すように、回転ドラム23の回転側ロータリトランス26と対峙する位置には、円筒状連結部23aが形成されている。そして、この円筒状連結部23aの端面には、接着剤配設部40が形成されている。この接着剤配設部40には、回転側ロータリトランス26を回転ドラム23に固定するための接着剤41が装填される。この接着剤41により、回転側ロータリトランス26は回転ドラム23に固定される。また、本実施例では接着剤41として紫外線硬化型の樹脂を用いている。
【0037】
本実施例による回転ヘッドドラム装置21は、接着剤配設部40の近接の回転側ロータリトランス26上に接着剤飛散防止部42が配設されている。接着剤飛散防止部42は、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31と回転側ロータリトランス26上に接着して固定されるリング部材25とにより構成され、溝43が形成される。このように接着剤飛散防止部42を設けることにより、接着剤配設部40から接着剤41が漏洩しても、近接配設された接着剤飛散防止部42でそれ以上の漏洩が防止されるため、接着剤41による汚染を最小限とすることができる。
【0038】
また、前記したように本実施例では接着剤41として紫外線硬化型の樹脂を用いている。また、図2に示すように、接着剤配設部40の開口部44は、回転ドラム23の円筒状連結部23aの内壁23bに開口した構成とされている。従って、回転ドラム23の内部空間部分に紫外線照射装置45を挿入し、開口部44から接着剤41に向け紫外線を照射することが可能となる。このように開口部44から接着剤41に向け紫外線を照射することにより、紫外線硬化型樹脂の接着剤41を硬化させることができる。
【0039】
しかしながら、紫外線硬化型樹脂の接着剤では、紫外線が接着剤に確実に当たらなかった場合、接着剤の完全硬化に問題を残す事がある。本実施例においては、仮に接着剤の一部に硬化の不完全な部分が存在した場合においても、接着剤飛散防止部42によって、接着剤の飛散による弊害をなくすことができる。なお、接着剤に熱硬化型の樹脂を使用することも考えられるが、これを使用した場合では、磁気ヘッド、ロータリトランス、ベアリング等の耐熱温度の影響で、樹脂硬化のための必要温度まで熱を上げることができないため好ましくない。
【0040】
一方、本実施例においては、接着剤飛散防止部42を形成するためのリング部材25の回転側ロータリトランス26に対する接着及びリング部材25とフレキシブルプリントサーキット24の下側リング31との接着は、熱硬化型樹脂の接着剤を使用する。
【0041】
その理由は、接着剤飛散防止部42は、磁気ヘッド等の熱に弱い部品を組み立てる前に予め、単品状態で熱硬化型樹脂の接着剤を使用して、形成することができるためである。熱硬化型樹脂の接着剤を使用することにより、回転側ロータリトランス26、リング部材25、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31の相互の接着を接着剤を完全に硬化させて行うことができる。そして、接着剤飛散防止部42が形成された回転側ロータリトランス26を回転ドラム23に設置する。
【0042】
次に、熱硬化型樹脂の接着剤で接着された接着剤飛散防止部42について更に説明する。
【0043】
図4は、本発明の回転ヘッドドラム装置21に設置されている接着剤飛散防止部42を示している。(A)は上面図、(B)はX−X断面図をそれぞれ示している。
【0044】
接着剤飛散防止部42は、回転ドラム23の回転側ロータリトランス26の上面に設置され、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31とリング部材25とにより形成される。例えば、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31には、FPCと基板、リング部材25には、補強板となる樹脂板または両面テープが使用される。
【0045】
フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31、リング部材25及び回転側ロータリトランス26は、リング状に形成されている。フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31には、直径がD1の穴47が形成され、リング部材25には、直径がD2の穴48が形成されている。D1<D2であり、直径D1と直径D2の差が接着剤飛散防止部42の溝43の深さである。
【0046】
リング部材25の下面は、回転ヘッドドラム装置21の回転側ロータリトランス26の上面に熱硬化型の樹脂で接着される。リング部材25の上面には、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31が熱硬化型の樹脂で接着される。フレキシブルプリントサーキット24のリング部31をリング部材25より、内周側にせり出させることにより、接着剤飛散防止部42の溝43を形成することができる。溝43の位置と深さは、下側リング31の穴47の直径D1とリング部材25の穴48の直径D2とを変化させることにより、任意に変更できる。
【0047】
図5は、接着剤飛散防止部42の溝43に接着剤41が受け入れられる状態を示している。(A)は接着剤41の飛散前、(B)は接着剤41の飛散後をそれぞれ示している。
【0048】
回転側ロータリトランス26の上面に接着剤飛散防止部42が設置されている。回転側ロータリトランス26の中心側に、円筒状連結部23aの端面に形成された接着剤配設部40が接着されている。図5(A)は、接着剤41が多く接着されているため、接着剤41が接着剤配設部40からはみ出している。この状態で、回転ヘッドドラム装置21を破線の軸を中心に矢印方向に回転させると、矢印F方向の遠心力が発生する。接着剤配設部40の硬化されなかった接着剤41が遠心力Fを受けて、接着剤配設部40から矢印R方向に飛散する。
【0049】
図5(B)に示すように、飛散した接着剤46は、接着剤飛散防止部42の溝43に受け入れられる。接着剤46は、溝43のリング部材25に衝突して、飛散を止めることができる。
【0050】
図6は、リング部材61にV溝63が形成された接着剤飛散防止部62を示している。(A)は上面図、(B)はY−Y断面図をそれぞれ示している。図7は、接着剤飛散防止部62の拡大断面図を示している。(A)はV溝63が形成された接着前の状態、(B)はV溝63に熱硬化型の樹脂64が充填され接着された状態をそれぞれ示している。尚、図4、図5と同一部分についての説明は、省略する。
【0051】
リング部材61の下面の内側と上面の外側とにV溝63が環状に形成されている。V溝63に熱硬化型の樹脂64が充填されることにより、フレキシブルプリントサーキット24の下側リング31とリング部材61と、リング部材61と回転側ロータリトランス26とが隙間無く接着される。このため、接着剤飛散防止部62の溝43に受け入れられた接着剤46が接着剤飛散防止部62の隙間から漏れることを防ぐことができる。
【0052】
尚、V溝63は、リング部材61の上面、下面に複数形成してもよい。また、V溝63の形状は、V字型に限定されず、熱硬化型の樹脂64を充填することができる形状であればよい。
【0053】
図7は、本発明の回転ヘッドドラム装置21に設置されている接着剤飛散防止部の別の実施例を示す。(A)は上面図、(B)はX−X断面図をそれぞれ示している。
【0054】
接着剤飛散防止部42Aは、図4中の下側リング31に対応する部分31Aと図4中のリング部材25に対応する部分25Aとを一体的に有すし、且つ、第2のリング部材に対応する部分25Aの下面に環状に形成された溝63Aを有する単一の接着剤飛散防止部材70を有し、熱硬化型の樹脂64が環状溝63Aにその全周に亘って充填された状態で、部分25Aを回転側ロータリトランス26上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着されている構成である。接着された接着剤飛散防止部材70によって、回転側ロータリトランス26上に接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間を形成する溝43が形成される。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、接着剤飛散防止部を熱硬化型樹脂の接着剤で隙間無く確実に回転ヘッドドラム装置に設置できる。接着剤飛散防止部の飛散した接着剤を受け入れる空間の大きさを任意に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転ヘッドドラム装置の分解図を示している。
【図2】本発明の回転ヘッドドラム装置を構成する回転ドラムの断面図を示している。
【図3】本発明の回転ヘッドドラム装置の断面図を示している。
【図4】本発明の回転ヘッドドラム装置に設置されている接着剤飛散防止部を示している。(A)は上面図、(B)はX−X断面図をそれぞれ示している。
【図5】接着剤飛散防止部の溝に接着剤が受け入れられる状態を示している。(A)は接着剤の飛散前、(B)は接着剤の飛散後をそれぞれ示している。
【図6】リング部材にV溝を形成した接着剤飛散防止部を示している。
【図7】接着剤飛散防止部の拡大断面図を示している。(A)はV溝が形成された接着前の状態、(B)はV溝に熱硬化型の樹脂が充填され接着された状態をそれぞれ示している。
【図8】接着剤飛散防止部の別の実施例を示す図である。
【図9】従来の回転ヘッドドラム装置を示している。
【符号の説明】
21 回転ヘッドドラム装置
22 磁気ヘッド
23 回転ドラム
23a 円筒状連結部
24 フレキシブルプリントサーキット
25,61 リング部材
26 回転側ロータリトランス
27 固定側ロータリトランス
28 固定ドラム
29 モータ部
30 上側リング
31 下側リング
33 シャフト
35 ヘッドベース
40 接着剤配設部
41 接着剤
42、42A,62 接着剤飛散防止部
43 溝
45 紫外線照射装置
63 V溝
64 熱硬化型の樹脂
70 接着剤飛散防止部材
Claims (4)
- 固定ドラムと、
回転駆動されるモータと、
磁気ヘッドが配設されると共に前記固定ドラム上で前記モータによって回転されることにより前記磁気ヘッドを回転させる回転ドラムと、
前記固定ドラムに配設された固定側ロータリトランスと、前記回転ドラムに接着剤配設部を介して固定された回転側ロータリトランスとにより、回転ドラム側と固定ドラム側との間で信号の授受を行うロータリトランスと、
前記回転側ロータリトランス上に設けてあり、飛散した接着剤を受けとめる接着剤飛散防止部と、を有する構成の回転ヘッドドラム装置において、
前記接着剤飛散防止部は、前記回転側ロータリトランス上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着されたリング状の第1のリング部材と、
前記第1のリング部材上に熱硬化型樹脂の接着剤で隙間なく接着され、前記第1のリング部材の内周側にせり出した第2のリング部材とを有し、
前記接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間が形成されていることを特徴とする回転ヘッドドラム装置。 - 前記回転ドラムは、前記回転ドラムに接続される上側リングと前記回転側ロータリトランスに接続される下側リングとを有する前記磁気ヘッドと前記回転側ロータリトランスとを電気的に接続するフレキシブルプリントサーキットを有し、
前記下側リングを前記第2のリング部材として用いたことを特徴とする請求項1に記載の回転ヘッドドラム装置。 - 前記第1のリング部材は、上面、下面に環状に形成された溝を有し、該溝に熱硬化型の樹脂を充填したことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転ヘッドドラム装置。
- 前記接着剤飛散防止部は、前記第1のリング部材に対応する部分と前記第2のリング部材に対応する部分とを一体的に有し、第2のリング部材に対応する部分の下面に環状に形成された溝を有する接着剤飛散防止部材を有し、
該接着剤飛散防止部材は、前記環状に形成された溝に熱硬化型樹脂の接着剤を充填されて回転側ロータリトランス上に接着されて、前記接着剤配設部より飛散する接着剤を受け入れる空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転ヘッドドラム装置。
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