JP2004343368A - コンデンサマイクロホンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ユニットケースとロックリングとがともに金属材よりなり、ロックリングの螺合により発生する金属粉末によるコンデンサマイクロホンの性能劣化を防止する。
【解決手段】前面に音導入孔12a,12bを有する金属製のユニットケース10内に、振動板32を有するダイアフラムリング31、スペーサリング41および絶縁座61に支持された固定極51を含むユニット部品が収納され、そのユニット部品がユニットケース10の後面側から絶縁座61に向けてねじ込まれる金属製のロックリング71による締め付け力にて固定されるコンデンサマイクロホンユニットにおいて、絶縁座61とロックリング71との間に、ロックリング71によって圧縮されるゴム材からなる弾性リング81を介装する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサマイクロホンユニットに関し、さらに詳しく言えば、ユニットケース内に収納されているダイアフラムリングに対して固定極側を押圧固定するロック手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサマイクロホンユニットは、音波により振動する振動板と固定極(背極)とを所定間隔の空気層を介して対向させたコンデンサ要素を有し、このコンデンサ要素はユニットケース内において組み立てられている。その一例を図3ないし図5により説明する。図3はコンデンサマイクロホンユニットの正面図、図4はそのA−A線断面図、図5は分解断面図である。
【0003】
これによると、一方の面である前面11に多数の音導入孔12を有し、他方の面である後面13側が開放された円筒状のユニットケース10を備えている。ユニットケース10は金属製で、この例では真鍮製である。
【0004】
また、音導入孔12には、周辺部から中心部に向けて延びる長さの長い長スリット12aと、それよりも長さの短い短スリット12bとが含まれ、長スリット12aと短スリット12bとが円周方向に沿って等間隔に交互に配置されている。ユニットケース10の後面13側の内周面には、雌ねじ14が形成されている。
【0005】
ユニットケース10内には、その後面13側からフロントメッシュ21,ダイアフラムリング31,スペーサリング41,固定極51および合成樹脂からなる絶縁座61がこの順序で挿入されている。ダイアフラムリング31の固定極51と対向する面には、音波により振動する振動板(ダイアフラム)32が張設されている。
【0006】
スペーサリング41は、環状に形成された合成樹脂シートからなり、振動板32と固定極51との間に所定間隔の空気層を確保する。固定極51は、ユニットケース10および振動板32に対して電気的に絶縁されるように絶縁座61によって支持されている。図示しないが、固定極51にはエレクトレット膜が形成されている。また、絶縁座61には固定極51から信号を取り出すための引出電極ロッド62が設けられている。
【0007】
ユニットケース10の後面13には、雌ねじ14と螺合する雄ねじ72を有するロックリング71がはめ込まれ、このロックリング71により絶縁座61を介して固定極51がダイアフラムリング31側に所定の押圧力が付与され、ダイアフラムリング31や固定極51を含むユニット部品の全体が固定される。ロックリング71には金属リングが用いられ、この例において、ロックリング71はユニットケース10と同じく真鍮製である。
【0008】
なお、ロックリング71によることなく、ユニットケース10の後面13側の端縁をかしめて固定する機種もあるが、ロックリング71による固定は、主として性能を重視して設計されるマイクロホンに適用されている。
【0009】
すなわち、上記ユニット部品に過大な応力が加えられると変位が発生する。その変位が小さなものであっても性能が劣化することがあるため、性能が重視されるマイクロホンにおいては、ロックリング71によって押圧力を調整しながら、必要最小限の応力にて上記収納物を固定するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例によると次のような問題がある。すなわち、ユニットケース10の雌ねじ14およびロックリング71の雄ねじ72はともに切削加工により形成されるため、その螺合時のこすれにより金属粉末が発生する。
【0011】
その金属粉末が例えば振動板32とスペーサリング41との間やスペーサリング41と固定極51との間に挟まれると、振動板32と固定極51との間の空気層で空気の漏洩が発生し、指向周波数応答を劣化させる。また、固定極51とユニットケース10の内周面との間に金属粉末が入り込むと、固定極51から電気的な漏洩が発生し、これが雑音の原因となる。
【0012】
したがって、本発明の課題は、ユニットケース内に収納されているユニット部品にロックリングにより所定応力をかけて押圧固定する場合、ロックリングの螺合により発生する金属粉末による性能劣化を防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一方の面に音導入孔を有し他方の面が開放された金属製の円筒体からなり、その開放端側の内周面に雌ねじを備えるユニットケースを含み、上記ユニットケース内に、その開放端側から上記音導入孔に向けて振動板を有するダイアフラムリング、スペーサリング、上記振動板に対する固定極および絶縁座がこの順序で挿入されていて、上記絶縁座の背面に上記雌ねじと螺合する雄ねじを有する金属製のロックリングが装着され、上記ロックリングにより上記絶縁座を介して上記固定極が上記ダイアフラムリング側に所定の圧力をもって押圧固定されるコンデンサマイクロホンユニットにおいて、上記絶縁座と上記ロックリングとの間に、上記ロックリングによって圧縮されるゴム材からなる弾性リングが介装されていることを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、上記ロックリングの螺合時のこすれにより金属粉末が発生したとしても、上記絶縁座と上記ロックリングとの間に弾性リングが介装されているため、金属粉末のユニット内への入り込みが防止されるが、より確実性を求めるならば、上記ユニットケースの内面に、上記弾性リングの外周の一部分が嵌合されるリング収納溝を上記雌ねじの終端に隣接して環状に形成することが好ましい。また、上記弾性リングに用いられるゴム材としては、電気的絶縁性に優れているシリコン系ゴム材が好ましく採用される。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図1および図2を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明によるコンデンサマイクロホンユニットの内部構造を示す断面図で、図2(a)(b)に同コンデンサマイクロホンユニットが備えるユニットケースと弾性リングの各断面図を示す。なお、この実施形態の説明において、先に説明した従来例と同一もしくは同一と見なされてよい構成要素には、それと同一の参照符号を用いている。
【0016】
このコンデンサマイクロホンユニットにおいても、例えば真鍮からなる円筒状のユニットケース10を備えている。ユニットケース10の前面11には、図3に示すのと同様に、長スリット12aと短スリット12bとを含む多数の音導入孔12が設けられていてよい。
【0017】
ユニットケース10の後面13側は、ユニット部品を挿入するため開放されており、その内周面には雌ねじ14が切削加工により形成されているが、本発明によると、図2(a)に示すように雌ねじ14に隣接してその内側にリング収納溝15が環状に形成されており、このリング収納溝15内に図2(b)に示す弾性リング81が装着される。
【0018】
組み立て手順について説明すると、ユニットケース10内に、その後面13側から前面11側に向けて、まず、フロントメッシュ21を挿入する。フロントメッシュ21には金網を用いることができる。次に、振動板32が張設されたダイアフラムリング31を振動板32を後ろ向きとして挿入し、振動板32の周囲にスペーサリング41を配置する。
【0019】
絶縁座61に引出電極ロッド62を挿通するとともに、その前面に固定極51を取り付け、固定極51を振動板32と対面させた状態として絶縁座61をユニットケース10内に挿入する。そして、リング収納溝15内に弾性リング81を装着した後、外周に雄ねじ72を有するロックリング71をユニットケース10の雌めじ14に螺合し、弾性リング81を適度に圧縮するように締め付ける。
【0020】
この例において、ロックリング71もユニットケース10と同じく真鍮製であるため、螺合時のこすれにより金属粉末が発生するが、絶縁座61の周囲は弾性リング81によって密封されているため、金属粉末が固定極51側に入り込むことがない。
【0021】
したがって上記従来例で問題とされていた振動板32と固定極51との間の空気層の空気漏れによる指向周波数応答の劣化や、固定極51とユニットケース10の内周面との間での金属粉末に起因する電気的な漏洩による雑音発生などの問題が解消される。弾性リング81は天然もしくは合成ゴム材などにより形成されるが、電気絶縁性の観点からすればシリコン系ゴム材が好ましく採用される。
【0022】
また、ロックリング71の締め付けによって弾性リング81が圧縮されて内径方向に広がるため、ユニットケース10と絶縁座61との間の気密性も確保することができる。さらには、ロックリング71の締め付け力が弾性リング81を介してダイアフラムリング31や固定極51などを含むユニット部品に加えられるため、その締め付け力の均一化および安定化も図れる。
【0023】
上記実施形態では、ユニットケース10内に弾性リング81の外周側の一部分が嵌合されるリング収納溝15を形成するようにしているが、場合によっては、リング収納溝15を形成することなく、弾性リング81を絶縁座61とほぼ同径として絶縁座61の背面側に直接配置してもよく、このような態様も本発明に含まれる。
【0024】
また、ユニットケース10とロックリング71には真鍮が用いられているが、例えばアルミニウムなどの他の金属材であってもよい。また、本発明は固定極51にエレクトレット膜を備えているエレクトレット型コンデンサマイクロホンに限定されるものでもない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前面に音導入孔を有する金属製の円筒体からなるユニットケース内に、振動板を有するダイアフラムリング、スペーサリングおよび絶縁座に支持された固定極を含むユニット部品が収納され、そのユニット部品がユニットケースの後面側から絶縁座に向けてねじ込まれる金属製のロックリングによる締め付け力にて固定されるコンデンサマイクロホンユニットにおいて、絶縁座とロックリングとの間に、ロックリングによって圧縮されるゴム材からなる弾性リングを介装するようにしたことにより、ロックリングの螺合により発生する金属粉末によるコンデンサマイクロホンの性能劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンデンサマイクロホンユニットの内部構造を示す断面図。
【図2】(a)上記コンデンサマイクロホンユニットに含まれるユニットケースを示す断面図、(b)上記コンデンサマイクロホンユニットに含まれる弾性リングを示す断面図。
【図3】従来のコンデンサマイクロホンユニットを示す正面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】上記従来のコンデンサマイクロホンユニットの分解断面図。
【符号の説明】
10 ユニットケース
11 ユニットケースの前面
12a,12b 音導入孔
13 ユニットケースの後面
14 雌めじ
15 リング収納溝
21 フロントメッシュ
31 ダイアフラムリング
32 振動板
41 スペーサリング
51 固定極
52 引出電極ロッド
61 絶縁座
71 ロックリング
72 雄ねじ
81 弾性リング

Claims (3)

  1. 一方の面に音導入孔を有し他方の面が開放された金属製の円筒体からなり、その開放端側の内周面に雌ねじを備えるユニットケースを含み、上記ユニットケース内に、その開放端側から上記音導入孔に向けて振動板を有するダイアフラムリング、スペーサリング、上記振動板に対する固定極および絶縁座がこの順序で挿入されていて、上記絶縁座の背面に上記雌ねじと螺合する雄ねじを有する金属製のロックリングが装着され、上記ロックリングにより上記絶縁座を介して上記固定極が上記ダイアフラムリング側に所定の圧力をもって押圧固定されるコンデンサマイクロホンユニットにおいて、
    上記絶縁座と上記ロックリングとの間に、上記ロックリングによって圧縮されるゴム材からなる弾性リングが介装されていることを特徴とするコンデンサマイクロホンユニット。
  2. 上記ユニットケースの内面には、上記弾性リングの外周の一部分が嵌合されるリング収納溝が上記雌ねじの終端に隣接して環状に形成されている請求項1に記載のコンデンサマイクロホンユニット。
  3. 上記弾性リングがシリコン系ゴム材からなる請求項1または2に記載のコンデンサマイクロホンユニット。
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