JP2004346176A - 固形描画材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも着色材と油性ゲル化剤と有機溶剤からなる固形描画材であって、油性ゲル化剤として脂肪酸類、特には12−ヒドロキシステアリン酸が好適であり、また有機溶剤としてポリオキシプロピレン誘導体を用い、特にはポリプロピレングリコールが好適に用いられ、また油性ゲル化剤の配合量は10〜50重量%、ポリオキシプロピレン誘導体は10〜70重量%が好ましい。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画線が密で滑らかな書き味を有し、乾燥による性能劣化のない固形描画材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来固形描画材としては一般的にクレヨンが知られており、その成分として着色材の他にワックスを主材として用いているため、例えばドライアップもなく、経時変化は極めて良好である。しかしその書き味は、ワックス特有のねばつくような重い書き味であり、しかも画線が粗く、塗りむらが生じて下地が見えてしまうという問題がある。このため、書き味が滑らかで画線が密となる、液体筆記具の筆感に近い固形描画材が種々検討されており、例えばゲル化剤を使用した固形描画材が知られている。このゲル化剤として、代表的には脂肪族カルボン酸塩などが挙げられ、これを主成分として着色材や水などを添加して得られた固形描画材は、従来のクレヨンと比べ、液体筆記具に近い極めて滑らかな書き味を有すると共に、画線も密となり、描画材としてばかりでなく、例えばラインマーカーのような用途にも十分適用できるものとなる。またこの他に、油性のゲル化剤を用いることも知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−120209号公報
特開平8−245916号公報
特開平8−302269号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水性のゲル化剤を用いた場合、水が含有されているのでドライアップの問題が生じる。このため、蒸発しないような気密容器が必要となるが、使用中に外気にさらす状態も多く、どうしても経時変化は避けられない。水が蒸発すると、径が縮小して容器から抜け落ちたり、初期の滑らかな書き味が失われ、ワックス系のクレヨンに近い書き味となってしまう。これを防ぐ方法として、グリコール系溶剤を保湿剤として添加したり、さらに非イオン性界面活性剤を添加する方法が検討されているが、これも添加しないよりは効果はあがるものの、基本的にドライアップを防止することはできない。例えば水がなくなった場合には、グリコール系溶剤のみでは描画材の書き味はざらついてしまって良好なものは得られ難いし、非イオン性界面活性剤のみでも同様である。即ち、滑らかな書き味や密な画線を得るためには、水が必要不可欠なものとなっているのである。このため、水性のゲル化剤ではなく油性のゲル化剤、例えばベンジリデンソルビトール類などを用い、水の代わりに有機溶剤を用いる方法が検討されている。この方法で得られた固形描画材は、書き味や画線などは好ましいものの、主溶剤として揮発性の極めて高い有機溶剤を用いているため、ドライアップは避けられず、この問題を回避するために蒸発抑制成分を添加しているが、十分な解決とはならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ドライアップが生ぜず経時変化に優れ、それと共に液体筆記具に近い極めて滑らかな書き味(筆感)が得られ、画線も密となる固形描画材を提供するもので、少なくとも着色材と油性ゲル化剤、および有機溶剤としてポリオキシプロピレン誘導体からなり、油性ゲル化剤として12−ヒドロキシステアリン酸が好適で、またポリオキシプロピレン誘導体として好ましくはポリプロピレングリコールを用いることを要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル化剤は油溶性で、従来公知のものを用いることができ、例えば脂肪酸類あるいはこれらの脂肪酸の金属塩、ジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類、アミノ酸系油などが挙げられるが、好ましくは脂肪酸類、特には12−ヒドロキシステアリン酸が好適である。油性ゲル化剤の配合量としては、固形描画材の全重量に対して10〜50重量%の範囲が好ましい。10重量%以下だと、ゲルによる成形性が困難となり、強度も低くなる。また50重量%以上では、ゲル化剤が多くなって書き味など塗布性が劣化してしまう。
【0007】
本発明の有機溶剤としては、少なくともポリオキシプロピレン誘導体を用いる。ポリオキシプロピレン誘導体はグリコール類に含まれ、外観が無色液状で油溶性の有機溶剤であり、水には不溶である。例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールなども同じグリコール類であるが、これらはいずれも水溶性であり、水を用いた水性ゲル化剤中では保湿剤としての効果は有するものの、ドライアップを完全に防ぐことは困難であり、ドライアップ後の描画材の性能は前記したように水がなくなると従来のクレヨンと同じになってしまう。また、前記グリコール類を油性ゲル化剤に用いた時には、ドライアップは生じないものの、特に低分子量のものは吸湿性が高いため経時変化に劣り、これを防止するため分子量の高い固体あるいはペースト状のものを用いると、書き味が劣化して硬くなってしまう。これに対し、少なくともポリオキシプロピレン誘導体を溶剤として用いた固形描画材は、水を用いた時と遜色のない書き味、画線を有し、しかも油性でかつ100℃以上の高融点であるためドライアップや吸湿性もなく、経時変化も良好となるのである。
【0008】
ポリオキシプロピレン誘導体として、具体的にはポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビットなどが挙げられ、その分子量は200〜4000の範囲にあり、いずれも液状であるが特にはポリプロピレングリコールが好ましく、さらに油性ゲル化剤として脂肪酸類、特には12−ヒドロキシステアリン酸との組み合わせが最も良好な性能が得られるということで好ましい。なお、ポリオキシプロピレン誘導体を主溶剤として、他の油性の溶剤を添加してもよい。ポリオキシプロピレン誘導体の配合量は、固形描画材全重量に対し10〜70重量%が好ましい。10重量%以下ではゲル化が困難となり、70重量%以上では均一なゲルが形成できなくなる。
【0009】
本発明に用いる着色材としては、従来公知の顔料、染料であればいずれも用いることができ、例えば無機顔料、有機顔料、白色顔料、パール顔料、金属顔料、蛍光顔料などが挙げられ、単独もしくは組み合わせて用いる。具体的には、無機顔料としてカーボンブラック、鉄黒、群青、紺青、弁柄などが、また有機顔料としてはアゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料などが挙げられ、白色顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華などが挙げられる。また染料としては、特に油溶性染料も好適に用いることができ、例えばフタロシアニン系染料、ピラゾロン系染料、ニグロシン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料など公知のものが挙げられる。着色材の配合量は、固形描画材全量に対し1〜50重量%が好ましい。なお顔料として、金属箔顔料やガラスフレーク顔料などの光輝性顔料を添加してもよい。
【0010】
上記成分以外に、ワックス、樹脂などの滑材、粘着材を書き味を阻害しない範囲で添加してもよい。ワックスとしては、従来公知のものであれば何でもよく、例えば密ろう、木ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチレンなどが挙げられ、樹脂としては天然樹脂、合成樹脂が挙げられ、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、テルペン、ニトロセルロース、酢酸ビニル、ロジンエステルなどの熱可塑性樹脂が好ましい。また成分どおしの相溶化のために非イオン性、陽イオン性、陰イオン性などの界面活性剤を添加してもよい。この他必要に応じて、ゲル化補助剤、粘度調整剤などを添加してもよい。
【0011】
次に、本発明の製造方法としては上記成分を混合し、加熱溶解してゾル状とし、このゾルを所定の型内に充填、冷却してゲル化させ、型内より取り出して固形描画材とする。次に、本発明の実施例を述べる。なお、「部」は「重量部」である。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
12−ヒドロキシステアリン酸 28部
顔料(フタロシアニンブルー) 16部
ポリプロピレングリコール♯1000 48部
木ろう 8部
上記成分を95℃に加熱混合し、得られたゾル状の液状物を内径8mmの型内に流し込み、冷却・固化させて、青色の固形描画材とした。得られた固形描画材は、書き味が極めて滑らかで、しかも画線にむらがなく密であり、気密容器に入れずに50℃中に1ヶ月放置してもドライアップがなく、その性能は変わらなかった。
【0013】
(比較例1)
ステアリン酸ナトリウム 25部
顔料(フタロシアニンブルー) 5部
グリセリン 35部
水 35部
上記成分を90℃に加熱混合し、得られたゾル状の液状物を内径8mmの型内に流し込み、冷却・固化させて、青色の固形描画材とした。得られた固形描画材は、書き味が極めて滑らかで、しかも画線は密となる。しかし、使用中あるいは外気にさらしておくとドライアップが生じ、水の蒸発に伴い書き味、画線ともワックス系のクレヨンに近くなり、ねばつくような重い書き味で、画線もむらのあるものとなった。
【0014】
(比較例2)
実施例1のポリプロピレングリコールの代わりに分子量♯400の液状のポリエチレングリコールを用い、実施例1と同様の工程にて固形描画材を作製した。得られた固形描画材は、当初書き味、画線とも良好なものとなったが、水の吸湿や浸み出しが生じ、経時変化してしまう。
【0015】
【発明の効果】
以上、本発明はドライアップせずに良好な経時変化を有し、かつ極めて滑らかな書き味(筆感)と塗りむらのない密な画線を有する固形描画材となった。
Claims (4)
- 少なくとも着色材と油性ゲル化剤、および有機溶剤としてポリオキシプロピレン誘導体からなる固形描画材。
- 油性ゲル化剤が、脂肪酸類であることを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
- 脂肪酸類が、12−ヒドロキシステアリン酸であることを特徴とする請求項2記載の固形描画材。
- ポリオキシプロピレン誘導体が、ポリプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固形描画材。
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