JP2004346196A - 軟質ポリウレタンフォーム成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車用のシートクッションパッドとして使用したときに、長時間走行した場合に搭乗者、特に運転者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】金型内部にポリウレタンフォーム原料を注入して成型された軟質ポリウレタンフォーム成形体であって、ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部、水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部をポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、ポリイソシアネート成分は、MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、MDIは、2核体の含有率が40〜70重量%の粗製MDIである製造方法とする。
【選択図】 なし
【解決手段】金型内部にポリウレタンフォーム原料を注入して成型された軟質ポリウレタンフォーム成形体であって、ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部、水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部をポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、ポリイソシアネート成分は、MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、MDIは、2核体の含有率が40〜70重量%の粗製MDIである製造方法とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軟質ポリウレタンフォーム成形体並びにその製造方法に関する。特に本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体は、その使用に際して振動を伴う車両、特に自動車用のシートクッションパッドに適する。
【0002】
【従来の技術】
軟質ポリウレタンフォームは、そのクッション性を利用して自動車用のシートクッション材料、家具等のクッション材料等に広く利用されている。
【0003】
表面が柔軟であるために座り心地がよく、かつ長時間の運転によっても、運転者に疲労が生じにくい軟質ポリウレタンフォームから成るシートクッションパッドは公知である(特許文献1)。
【0004】
上記特許文献1に開示された軟質ポリウレタンフォームから成るシートクッションパッドは、
[3%ISR]=[25%歪み時荷重]/[3%歪み時荷重]
にて定義される3%ISRが6以上であることを特徴とするものであり、実施例においては、ポリイソシアネート成分として2,4’−MDIと4,4’−MDIの混合物であるクルードMDIとTDI−80の90/10の混合物を使用したシートクッションパッドが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−146821号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動車の技術分野においては、常により一層の改善が求められており、軟質ポリウレタンフォームからなるシートクッションパッドにおいても、長時間の走行における搭乗者の疲労をより小さくすることが求められている。特許文献1に記載の技術では、かかるさらなる改良要請に対応することはできない。
【0006】
本発明の目的は、自動車用のシートクッションパッドとして使用したときに、長時間走行した場合に搭乗者、特に運転者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体並びにその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、軟質ポリウレタンフォーム成形体を構成する材料について鋭意研究したところ、硬度や反発弾性率を大きく変動させることなく、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率を14%以下にすることにより、搭乗者の疲労を従来以上に低減することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、金型内部にポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したポリウレタンフォーム原料を注入して成型された軟質ポリウレタンフォーム成形体であって、
前記ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部と水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部とをポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、
前記ポリイソシアネート成分は、粗製MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、かつ前記MDI(2核体)の含有率が40〜70重量%であることを特徴とする。
【0009】
所定範囲の組成を有するポリオール化合物と共に軟質ポリウレタンフォームを構成するイソシアネート成分を構成する粗製MDIの2核体の含有量を40〜70重量%所定範囲に調整することにより、得られる軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率を14%以下にすることができ、自動車用のシートクッションパッドとして使用したときに、長時間走行した場合に搭乗者、特に運転者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体が得られた。MDIの2核体のイソシアネート成分中の含有率が上記範囲を逸脱した場合、得られる軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率が14%以下にならない。
【0010】
硬度低下率は、軟質ポリウレタンフォーム成形体の荷重を負荷した状態での耐久性を示すヘタリの指標のひとつである。硬度低下率は、その値(%)は、小さいほど長時間走行した場合の搭乗者、運転者の疲労低減効果が良好な軟質ポリウレタンフォーム成形体である。
【0011】
上記軟質ポリウレタンフォーム成形体を構成する前記ポリイソシアネート成分は、さらにイソシアネート基末端プレポリマーを、全イソシアネート成分中10重量%以下含有するものであることが好ましい。
【0012】
ポリイソシアネート成分としてイソシアネート基末端プレポリマーを含有するイソシアネート化合物を使用することにより、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率を14%以下にてより小さくすることができ、より優れた疲労低減効果が得られる。
【0013】
別の本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したポリウレタンフォーム原料を注入して金型内部にて反応硬化させる軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法であって、
前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したものであり、
前記ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部と水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部とをポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、
前記ポリイソシアネート成分は、MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、かつ前記MDI(2核体)の含有率が40〜70重量%であることを特徴とする。
【0014】
係る構成の製造方法により、硬度低下率を14%以下であり、その結果搭乗者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体を製造することができる。
【0015】
上記の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法においては、前記ポリイソシアネート成分は、さらにイソシアネート基末端プレポリマーを、全イソシアネート成分中10重量%以下含有するものであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体を構成するポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有するポリウレタンフォーム原料から成形される。
【0017】
本発明のポリウレタンフォーム原料として使用されるポリオール化合物は、ポリオキシアルキレングリコールとポリマーポリオールとから構成される。
【0018】
ポリオキシアルキレングリコールとしては、通常、多官能性アルコール系化合物を開始剤に、これにアルキレンオキサイドを付加させたいわゆるポリエーテルポリオールが用いられる。
【0019】
多官能性アルコール系化合物としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロース、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンやこれらに少量のアルキレンオキサイドが付加した化合物を例示できる。
【0020】
多官能性アルコール系化合物に付加重合するアルキレンオキサイドとしては炭素数2以上のものがあげられ、たとえば、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどを例示できる。これらアルキレンオキサイドのなかでも、プロピレンオキサイド及び/又はブチレンオキサイドとエチレンオキサイドを併用したものが、低コストであること、得られる軟質ポリウレタンフォームのシートクッションパッドとしての振動特性が良好であること等から好ましい。特にエチレンオキサイドが開環したエチレンオキサイド単位を3〜50重量%、さらには3〜25重量%の付加割合で含んでいるものが好ましい。
【0021】
また、ポリオキシアルキレングリコールは前記アルキレンオキサイドのランダム重合体、ブロック重合体のいずれでもよいが、末端にオキシエチレン単位を含むものがイソシアネート基との反応性が良好であり、好ましい。末端の1級化率(末端エチレンオキサイド単位化率)は、ポリオキシアルキレングリコールのオキシアルキレン単位の3重量%以上含むものが好ましく、5重量%以上含むものがより好ましく、特に好ましくは10〜20重量%である。
【0022】
ポリマーポリオールは、ポリオール化合物中にポリマー粒子を微粒子状にて分散させたものである。係るポリマー粒子としては、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート等のビニルモノマーのホモポリマーまたはコポリマー等の付加重合系ポリマーや、ポリエステル、ポリウレア、メラミン樹脂等の縮重合系ポリマー等の粒子があげられる。これらのなかでも、アクリロニトリル、スチレンのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。特にアクリロニトリルのホモポリマーが好ましい。なお、ポリマー粒子としては、アクリロニトリル重合体微粒子の含有系が、軟質ポリウレタンフォーム成形体の成形性が良好であり、好ましい。
【0023】
ポリオール成分全体における、上記ポリマー粒子の割合は、その割合が多すぎると経済的に不都合が生じるため、40重量%以下、さらには20重量%以下とするのが好ましい。また、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度や耐久性などの物性を有効に向上させるには、ポリオール成分全体における、ポリマー粒子の割合を1重量%以上、さらには2重量%以上存在するのが好ましい。
【0024】
ポリマーポリオールの製造におけるポリマー粒子のポリオール化合物中への導入方法は特に制限されないが、たとえば、ポリマー粒子が付加重合系ポリマーの場合には、ポリオキシアルキレンポリオール等のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下に、スチレン、アクリロニトリル等のビニル系モノマーを重合させることにより、ポリオール化合物に安定に分散させることができる。ポリマーポリオール(POP)は三井化学製、旭硝子製等が市販されており、好適に使用可能である。
【0025】
上記のポリエーテルポリオール、ポリマーポリオールを構成するポリオキシアルキレンポリオールも共に末端の不飽和基濃度は低い方が好ましく、具体的には、末端の不飽和基濃度は0.1meq/g以下であることが好ましい。
【0026】
ポリイソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート(TDI)と粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(c−MDI)の混合物を使用する。イソシアネート成分中の2核体の含有率は40〜70重量%であり、5核体以上の多核体の含有率は10重量%以下であることが好ましい。MDIは、アニリンとホルムアルデヒドの反応により得られるポリアミンをホスゲンにてイソシアネート化することにより得られ、これを減圧蒸留することにより、純MDI(2核体)が得られる。蒸留残渣は、2核体以上の粗製MDIとなり、粗製MDIとして市販されている。2核体の含有率は、3核体以上の多核体を多く含有する粗製MDIに、純MDIを添加する方法により調整することができる。粗製MDI中の2核体(純MDI)、3核体、4核体は、GPC法により、独立したピークとして定量分析することができる。5核体以上は、含有量がそれほど多くならないので、まとめて含有量を求める。
【0027】
トルエンジイソシアネートは、2,4−置換体と2,6−置換体とがあるが、これらの混合物の使用が好ましく、2,4−置換体/2,6−置換体混合比が90/10〜60/40の混合物の使用が好適である。
【0028】
発泡剤としては水、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfc等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタンやn−ペンタン等の低沸点脂肪族ないし脂環式炭化水素、液化炭酸ガス等があげられる。これらの発泡剤のなかでも、液化炭酸ガスと水を併用することが好ましく、水を単独で使用することが特に好ましい。発泡剤は、スキン層とコア層とを有する軟質ポリウレタンフォームの全密度が55〜75kg/m3 、コア密度が45〜65となるように添加される。一般的な軟質ポリウレタンフォーム成形体の成形条件であるパック率1.1〜1.3程度、また金型温度50〜70℃では、スキン層の厚さ、性質は大きくは変わらない。一般的に使用される軟質ポリウレタンフォーム成形体ではスキン層の厚さは10mm程度であり、フォームのコア密度は、スキン層を含む全密度の80〜90%、多くは85%程度となる。
【0029】
コア密度が45未満の場合には、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度が低くなりすぎて十分な疲労低減効果が得られない。
【0030】
ウレタン化触媒としては、トリエチレンジアミン(TEDA、Dabco)、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET;東ソー製)等のアミン系触媒や、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸金属塩、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物等があげられる。これらのなかでも水発泡系ポリウレタンフォームの製造に適している点でアミン系触媒の使用が好ましい。
【0031】
本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造において、必要に応じて低分子量の多価活性水素化合物を使用することも好適な態様であり、シートクッションパッドとして要求されるヒステリシスロス、硬度等の諸特性の調整することが容易となる。このような低分子量の多価活性水素化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール類並びにこれらの多価アルコール類を開始剤としてエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重合させて得られる水酸基価が300〜1000mgKOH/gの化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が例示される。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。これらの化合物を使用した市販品の使用も好適である。
【0032】
シリコーン系整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンやその誘導体である公知の整泡剤は限定なく使用可能であるが、活性の高いシリコーン系整泡剤の使用が好適であり、活性の高いシリコーン系整泡剤の市販品としては、SF2965,SF2962,SF2904,SF2908,SRX294A,(東レダウコーニングシリコン製)、L−5366,L−5309(日本ユニカー製)、B8680(ゴールドシュミット社製)等が市販されている。これらのなかでSF2965,SF2962、L−5366,L−5309の使用が有効であり、上記のなかでもSF2965,SF2962、B8680、L−5366,L−5309の使用が特に好適である。ただし、単独の整泡剤ではなく、複数の整泡剤を併用して表面張力や表面張力低下能を調整することも可能である。他の整泡剤を併用する場合は、SF2965,SF2962、B8680、L−5366,L−5309から選択される整泡剤は、全整泡剤の10重量%以上を使用することが好ましい。
【0033】
前記ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有してなるポリウレタンフォーム原料における各成分の使用量は、通常、以下の通りであるが、その使用量を適宜に変更できることはいうまでもない。
【0034】
ポリオール化合物を含むポリオール成分の水酸基の当量とポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネートインデックス[NCO index])は0.85〜1.15(指数表示では85〜115)となる範囲であることが好ましく、略等当量1.0(指数表示では100)であることがより好ましい。発泡剤として水を使用する場合、水の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.1〜8重量部、好ましくは2〜4重量部である。触媒の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.05〜1.0重量部である。整泡剤の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部(可塑剤等で希釈した整泡剤の場合には有効成分を基準とする)、好ましくは0.1〜2重量部である。
【0035】
また、ポリウレタンフォーム原料には、前記成分の他に、乳化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、防黴・防菌剤等の各種添加剤を、必要応じて添加することもできる。
【0036】
前記各種成分を含んでなるポリウレタンフォーム原料は、軟質ポリウレタンフォーム成形体が適用される用途に応じて、各種形状に応じた所定の金型内で、軟質ポリウレタンフォーム成形体に成形される。成形方法は、通常の手段を採用できる。たとえば、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、整泡剤、架橋剤および必要により添加剤を所定量予備的に混合してポリオール成分とした後、さらにこの混合物であるポリオール成分にポリイソシアネート成分をポリウレタン発泡機または撹拌機等を使用して急速混合して得られたポリウレタンフォーム原料を、金型内に注入し、所定時間後に脱型することにより、シートクッションパッド等の軟質ポリウレタンフォーム成形体が得られる。
【0037】
なお、こうして軟質ポリウレタンフォーム成形体である所定形状に成形されたポリウレタンフォームが得られるが、軟質ポリウレタンフォーム成形体の裏面には、特にシートクッションパッドとして使用する場合には、例えばポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンまたはその発泡体からなる樹脂のサポーターやPPクロス、粗毛布、不織布等のサポーター(補強材)を、成形時に予め金型にインサートする一体成形法ないしフォーム成形後の接着により積層することもできる。
【0038】
実際に車両に装着される座席シート等は、本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体に本皮、モケット、トリコット、ジャージ、織物等の外層を被覆し、さらに金具を取り付けて車両の組み立てに供される。外層を軟質ポリウレタンフォーム成形体に被覆する際には、軟質ポリウレタンフォーム成形体に面ファスナーの1部材を接着等により取り付けることも好適である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例、比較例における軟質ポリウレタンフォームの評価方法は次の通りである。
【0040】
a)密度(kg/m3 )
軟質ポリウレタンフォーム成形体について測定した全密度である(JIS K6401(1980)準拠)。
b)硬度
軟質ポリウレタンフォーム成形体を直径200mmの加圧板で25%圧縮したときの荷重である(JIS K 6400準拠)。この値は、20kgf程度とすることが、座り心地の点で好適である。
【0041】
c)軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率
硬度低下率の測定は、厚さ100mmのフォームサンプルを使用して以下の測定方法により行った。
1)当初の厚みの75%押し込んだ後、直ちに荷重を除く。
2)1分間放置する。
3)当初の厚みの25%押し込み、このときの応力(応力1)を測定する。
4)この状態で20秒間放置した後の応力(応力2)を測定する。
硬度低下率は、以下の式により求める。
硬度低下率(%)=100(応力1−応力2)/応力1
応力1、応力2の測定においては、万能試験機インストロン4301を使用し、クロスヘッドスピード100mm/minにて押し込みを行った。
【0042】
d)反発弾性率
反発弾性率はJISK−6400(1997)に規定される方法(B法)に準拠して測定した。試験片の数は3個とした。
【0043】
〔軟質ポリウレタンフォーム成形体の作製〕
軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造に使用したポリウレタンフォーム原料の内容、サプライヤーは以下のとおりである。
ポリエーテルポリオール:EP3028、水酸基価=28±2(mgKOH/g)(三井武田ケミカル)
ポリマーポリオール:POP 3128、水酸基価=27.5±1.5(mgKOH/g)(三井武田ケミカル)
整泡剤:SF2962(東レダウコーニングシリコン)、ポリジメチルシロキサンのポリオキシ(エチレンープロピレン)共重合体
触媒 TEDA−L33:トリエチレンジアミン33%溶液(東ソー)
触媒 toyocat−ET:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(東ソー)
c−MDI:粗製MDIスミジュール44V(住友バイエルウレタン)
TDI−80:トルエンジイソシアネート(三井武田ケミカル)
(実施例、比較例)
実施例1〜4及び比較例1〜4の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造に使用したイソシアネート成分の組成を表1に、これらのイソシアネート成分を使用した軟質ポリウレタンフォーム成形体の原料配合を表2の上段に示した。表2に記載の成分を同表に記載の重量比率で常法にて配合し、均一に混合した後、所定量を所定形状の金型に注入し、発泡硬化させて軟質ポリウレタンフォーム成形体を得た。
【0044】
得られた軟質ポリウレタンフォーム成形体の評価結果を表2の下段に示した。これらの結果から、本発明に示した範囲内の組成を有するポリオール化合物とポリイソシアネート成分との組合せにより、硬度低下率が14%以下の軟質ポリウレタンフォーム成形体が得られている。これに対して、ポリイソシアネート成分の組成が本発明の範囲を逸脱するものは、硬度低下率が14%を超えるものとなる。硬度低下率が14%以下の軟質ポリウレタンフォーム成形体は、同じ硬度、反発弾性率を有する軟質ポリウレタンフォーム成形体と比較して、シートクッションパッドとしたときに長時間の走行においても疲労感が小さいものである。
【0045】
【表1】
【表2】
【発明の属する技術分野】
本発明は軟質ポリウレタンフォーム成形体並びにその製造方法に関する。特に本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体は、その使用に際して振動を伴う車両、特に自動車用のシートクッションパッドに適する。
【0002】
【従来の技術】
軟質ポリウレタンフォームは、そのクッション性を利用して自動車用のシートクッション材料、家具等のクッション材料等に広く利用されている。
【0003】
表面が柔軟であるために座り心地がよく、かつ長時間の運転によっても、運転者に疲労が生じにくい軟質ポリウレタンフォームから成るシートクッションパッドは公知である(特許文献1)。
【0004】
上記特許文献1に開示された軟質ポリウレタンフォームから成るシートクッションパッドは、
[3%ISR]=[25%歪み時荷重]/[3%歪み時荷重]
にて定義される3%ISRが6以上であることを特徴とするものであり、実施例においては、ポリイソシアネート成分として2,4’−MDIと4,4’−MDIの混合物であるクルードMDIとTDI−80の90/10の混合物を使用したシートクッションパッドが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−146821号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動車の技術分野においては、常により一層の改善が求められており、軟質ポリウレタンフォームからなるシートクッションパッドにおいても、長時間の走行における搭乗者の疲労をより小さくすることが求められている。特許文献1に記載の技術では、かかるさらなる改良要請に対応することはできない。
【0006】
本発明の目的は、自動車用のシートクッションパッドとして使用したときに、長時間走行した場合に搭乗者、特に運転者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体並びにその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、軟質ポリウレタンフォーム成形体を構成する材料について鋭意研究したところ、硬度や反発弾性率を大きく変動させることなく、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率を14%以下にすることにより、搭乗者の疲労を従来以上に低減することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、金型内部にポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したポリウレタンフォーム原料を注入して成型された軟質ポリウレタンフォーム成形体であって、
前記ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部と水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部とをポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、
前記ポリイソシアネート成分は、粗製MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、かつ前記MDI(2核体)の含有率が40〜70重量%であることを特徴とする。
【0009】
所定範囲の組成を有するポリオール化合物と共に軟質ポリウレタンフォームを構成するイソシアネート成分を構成する粗製MDIの2核体の含有量を40〜70重量%所定範囲に調整することにより、得られる軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率を14%以下にすることができ、自動車用のシートクッションパッドとして使用したときに、長時間走行した場合に搭乗者、特に運転者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体が得られた。MDIの2核体のイソシアネート成分中の含有率が上記範囲を逸脱した場合、得られる軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率が14%以下にならない。
【0010】
硬度低下率は、軟質ポリウレタンフォーム成形体の荷重を負荷した状態での耐久性を示すヘタリの指標のひとつである。硬度低下率は、その値(%)は、小さいほど長時間走行した場合の搭乗者、運転者の疲労低減効果が良好な軟質ポリウレタンフォーム成形体である。
【0011】
上記軟質ポリウレタンフォーム成形体を構成する前記ポリイソシアネート成分は、さらにイソシアネート基末端プレポリマーを、全イソシアネート成分中10重量%以下含有するものであることが好ましい。
【0012】
ポリイソシアネート成分としてイソシアネート基末端プレポリマーを含有するイソシアネート化合物を使用することにより、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率を14%以下にてより小さくすることができ、より優れた疲労低減効果が得られる。
【0013】
別の本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したポリウレタンフォーム原料を注入して金型内部にて反応硬化させる軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法であって、
前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したものであり、
前記ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部と水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部とをポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、
前記ポリイソシアネート成分は、MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、かつ前記MDI(2核体)の含有率が40〜70重量%であることを特徴とする。
【0014】
係る構成の製造方法により、硬度低下率を14%以下であり、その結果搭乗者の疲労を従来以上に低減した軟質ポリウレタンフォーム成形体を製造することができる。
【0015】
上記の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法においては、前記ポリイソシアネート成分は、さらにイソシアネート基末端プレポリマーを、全イソシアネート成分中10重量%以下含有するものであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体を構成するポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有するポリウレタンフォーム原料から成形される。
【0017】
本発明のポリウレタンフォーム原料として使用されるポリオール化合物は、ポリオキシアルキレングリコールとポリマーポリオールとから構成される。
【0018】
ポリオキシアルキレングリコールとしては、通常、多官能性アルコール系化合物を開始剤に、これにアルキレンオキサイドを付加させたいわゆるポリエーテルポリオールが用いられる。
【0019】
多官能性アルコール系化合物としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロース、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンやこれらに少量のアルキレンオキサイドが付加した化合物を例示できる。
【0020】
多官能性アルコール系化合物に付加重合するアルキレンオキサイドとしては炭素数2以上のものがあげられ、たとえば、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどを例示できる。これらアルキレンオキサイドのなかでも、プロピレンオキサイド及び/又はブチレンオキサイドとエチレンオキサイドを併用したものが、低コストであること、得られる軟質ポリウレタンフォームのシートクッションパッドとしての振動特性が良好であること等から好ましい。特にエチレンオキサイドが開環したエチレンオキサイド単位を3〜50重量%、さらには3〜25重量%の付加割合で含んでいるものが好ましい。
【0021】
また、ポリオキシアルキレングリコールは前記アルキレンオキサイドのランダム重合体、ブロック重合体のいずれでもよいが、末端にオキシエチレン単位を含むものがイソシアネート基との反応性が良好であり、好ましい。末端の1級化率(末端エチレンオキサイド単位化率)は、ポリオキシアルキレングリコールのオキシアルキレン単位の3重量%以上含むものが好ましく、5重量%以上含むものがより好ましく、特に好ましくは10〜20重量%である。
【0022】
ポリマーポリオールは、ポリオール化合物中にポリマー粒子を微粒子状にて分散させたものである。係るポリマー粒子としては、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート等のビニルモノマーのホモポリマーまたはコポリマー等の付加重合系ポリマーや、ポリエステル、ポリウレア、メラミン樹脂等の縮重合系ポリマー等の粒子があげられる。これらのなかでも、アクリロニトリル、スチレンのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。特にアクリロニトリルのホモポリマーが好ましい。なお、ポリマー粒子としては、アクリロニトリル重合体微粒子の含有系が、軟質ポリウレタンフォーム成形体の成形性が良好であり、好ましい。
【0023】
ポリオール成分全体における、上記ポリマー粒子の割合は、その割合が多すぎると経済的に不都合が生じるため、40重量%以下、さらには20重量%以下とするのが好ましい。また、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度や耐久性などの物性を有効に向上させるには、ポリオール成分全体における、ポリマー粒子の割合を1重量%以上、さらには2重量%以上存在するのが好ましい。
【0024】
ポリマーポリオールの製造におけるポリマー粒子のポリオール化合物中への導入方法は特に制限されないが、たとえば、ポリマー粒子が付加重合系ポリマーの場合には、ポリオキシアルキレンポリオール等のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下に、スチレン、アクリロニトリル等のビニル系モノマーを重合させることにより、ポリオール化合物に安定に分散させることができる。ポリマーポリオール(POP)は三井化学製、旭硝子製等が市販されており、好適に使用可能である。
【0025】
上記のポリエーテルポリオール、ポリマーポリオールを構成するポリオキシアルキレンポリオールも共に末端の不飽和基濃度は低い方が好ましく、具体的には、末端の不飽和基濃度は0.1meq/g以下であることが好ましい。
【0026】
ポリイソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート(TDI)と粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(c−MDI)の混合物を使用する。イソシアネート成分中の2核体の含有率は40〜70重量%であり、5核体以上の多核体の含有率は10重量%以下であることが好ましい。MDIは、アニリンとホルムアルデヒドの反応により得られるポリアミンをホスゲンにてイソシアネート化することにより得られ、これを減圧蒸留することにより、純MDI(2核体)が得られる。蒸留残渣は、2核体以上の粗製MDIとなり、粗製MDIとして市販されている。2核体の含有率は、3核体以上の多核体を多く含有する粗製MDIに、純MDIを添加する方法により調整することができる。粗製MDI中の2核体(純MDI)、3核体、4核体は、GPC法により、独立したピークとして定量分析することができる。5核体以上は、含有量がそれほど多くならないので、まとめて含有量を求める。
【0027】
トルエンジイソシアネートは、2,4−置換体と2,6−置換体とがあるが、これらの混合物の使用が好ましく、2,4−置換体/2,6−置換体混合比が90/10〜60/40の混合物の使用が好適である。
【0028】
発泡剤としては水、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfc等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタンやn−ペンタン等の低沸点脂肪族ないし脂環式炭化水素、液化炭酸ガス等があげられる。これらの発泡剤のなかでも、液化炭酸ガスと水を併用することが好ましく、水を単独で使用することが特に好ましい。発泡剤は、スキン層とコア層とを有する軟質ポリウレタンフォームの全密度が55〜75kg/m3 、コア密度が45〜65となるように添加される。一般的な軟質ポリウレタンフォーム成形体の成形条件であるパック率1.1〜1.3程度、また金型温度50〜70℃では、スキン層の厚さ、性質は大きくは変わらない。一般的に使用される軟質ポリウレタンフォーム成形体ではスキン層の厚さは10mm程度であり、フォームのコア密度は、スキン層を含む全密度の80〜90%、多くは85%程度となる。
【0029】
コア密度が45未満の場合には、軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度が低くなりすぎて十分な疲労低減効果が得られない。
【0030】
ウレタン化触媒としては、トリエチレンジアミン(TEDA、Dabco)、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET;東ソー製)等のアミン系触媒や、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸金属塩、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物等があげられる。これらのなかでも水発泡系ポリウレタンフォームの製造に適している点でアミン系触媒の使用が好ましい。
【0031】
本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造において、必要に応じて低分子量の多価活性水素化合物を使用することも好適な態様であり、シートクッションパッドとして要求されるヒステリシスロス、硬度等の諸特性の調整することが容易となる。このような低分子量の多価活性水素化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール類並びにこれらの多価アルコール類を開始剤としてエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重合させて得られる水酸基価が300〜1000mgKOH/gの化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が例示される。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。これらの化合物を使用した市販品の使用も好適である。
【0032】
シリコーン系整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンやその誘導体である公知の整泡剤は限定なく使用可能であるが、活性の高いシリコーン系整泡剤の使用が好適であり、活性の高いシリコーン系整泡剤の市販品としては、SF2965,SF2962,SF2904,SF2908,SRX294A,(東レダウコーニングシリコン製)、L−5366,L−5309(日本ユニカー製)、B8680(ゴールドシュミット社製)等が市販されている。これらのなかでSF2965,SF2962、L−5366,L−5309の使用が有効であり、上記のなかでもSF2965,SF2962、B8680、L−5366,L−5309の使用が特に好適である。ただし、単独の整泡剤ではなく、複数の整泡剤を併用して表面張力や表面張力低下能を調整することも可能である。他の整泡剤を併用する場合は、SF2965,SF2962、B8680、L−5366,L−5309から選択される整泡剤は、全整泡剤の10重量%以上を使用することが好ましい。
【0033】
前記ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有してなるポリウレタンフォーム原料における各成分の使用量は、通常、以下の通りであるが、その使用量を適宜に変更できることはいうまでもない。
【0034】
ポリオール化合物を含むポリオール成分の水酸基の当量とポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネートインデックス[NCO index])は0.85〜1.15(指数表示では85〜115)となる範囲であることが好ましく、略等当量1.0(指数表示では100)であることがより好ましい。発泡剤として水を使用する場合、水の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.1〜8重量部、好ましくは2〜4重量部である。触媒の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.05〜1.0重量部である。整泡剤の使用量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部(可塑剤等で希釈した整泡剤の場合には有効成分を基準とする)、好ましくは0.1〜2重量部である。
【0035】
また、ポリウレタンフォーム原料には、前記成分の他に、乳化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、防黴・防菌剤等の各種添加剤を、必要応じて添加することもできる。
【0036】
前記各種成分を含んでなるポリウレタンフォーム原料は、軟質ポリウレタンフォーム成形体が適用される用途に応じて、各種形状に応じた所定の金型内で、軟質ポリウレタンフォーム成形体に成形される。成形方法は、通常の手段を採用できる。たとえば、ポリオール化合物、発泡剤、触媒、整泡剤、架橋剤および必要により添加剤を所定量予備的に混合してポリオール成分とした後、さらにこの混合物であるポリオール成分にポリイソシアネート成分をポリウレタン発泡機または撹拌機等を使用して急速混合して得られたポリウレタンフォーム原料を、金型内に注入し、所定時間後に脱型することにより、シートクッションパッド等の軟質ポリウレタンフォーム成形体が得られる。
【0037】
なお、こうして軟質ポリウレタンフォーム成形体である所定形状に成形されたポリウレタンフォームが得られるが、軟質ポリウレタンフォーム成形体の裏面には、特にシートクッションパッドとして使用する場合には、例えばポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンまたはその発泡体からなる樹脂のサポーターやPPクロス、粗毛布、不織布等のサポーター(補強材)を、成形時に予め金型にインサートする一体成形法ないしフォーム成形後の接着により積層することもできる。
【0038】
実際に車両に装着される座席シート等は、本発明の軟質ポリウレタンフォーム成形体に本皮、モケット、トリコット、ジャージ、織物等の外層を被覆し、さらに金具を取り付けて車両の組み立てに供される。外層を軟質ポリウレタンフォーム成形体に被覆する際には、軟質ポリウレタンフォーム成形体に面ファスナーの1部材を接着等により取り付けることも好適である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例、比較例における軟質ポリウレタンフォームの評価方法は次の通りである。
【0040】
a)密度(kg/m3 )
軟質ポリウレタンフォーム成形体について測定した全密度である(JIS K6401(1980)準拠)。
b)硬度
軟質ポリウレタンフォーム成形体を直径200mmの加圧板で25%圧縮したときの荷重である(JIS K 6400準拠)。この値は、20kgf程度とすることが、座り心地の点で好適である。
【0041】
c)軟質ポリウレタンフォーム成形体の硬度低下率
硬度低下率の測定は、厚さ100mmのフォームサンプルを使用して以下の測定方法により行った。
1)当初の厚みの75%押し込んだ後、直ちに荷重を除く。
2)1分間放置する。
3)当初の厚みの25%押し込み、このときの応力(応力1)を測定する。
4)この状態で20秒間放置した後の応力(応力2)を測定する。
硬度低下率は、以下の式により求める。
硬度低下率(%)=100(応力1−応力2)/応力1
応力1、応力2の測定においては、万能試験機インストロン4301を使用し、クロスヘッドスピード100mm/minにて押し込みを行った。
【0042】
d)反発弾性率
反発弾性率はJISK−6400(1997)に規定される方法(B法)に準拠して測定した。試験片の数は3個とした。
【0043】
〔軟質ポリウレタンフォーム成形体の作製〕
軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造に使用したポリウレタンフォーム原料の内容、サプライヤーは以下のとおりである。
ポリエーテルポリオール:EP3028、水酸基価=28±2(mgKOH/g)(三井武田ケミカル)
ポリマーポリオール:POP 3128、水酸基価=27.5±1.5(mgKOH/g)(三井武田ケミカル)
整泡剤:SF2962(東レダウコーニングシリコン)、ポリジメチルシロキサンのポリオキシ(エチレンープロピレン)共重合体
触媒 TEDA−L33:トリエチレンジアミン33%溶液(東ソー)
触媒 toyocat−ET:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(東ソー)
c−MDI:粗製MDIスミジュール44V(住友バイエルウレタン)
TDI−80:トルエンジイソシアネート(三井武田ケミカル)
(実施例、比較例)
実施例1〜4及び比較例1〜4の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造に使用したイソシアネート成分の組成を表1に、これらのイソシアネート成分を使用した軟質ポリウレタンフォーム成形体の原料配合を表2の上段に示した。表2に記載の成分を同表に記載の重量比率で常法にて配合し、均一に混合した後、所定量を所定形状の金型に注入し、発泡硬化させて軟質ポリウレタンフォーム成形体を得た。
【0044】
得られた軟質ポリウレタンフォーム成形体の評価結果を表2の下段に示した。これらの結果から、本発明に示した範囲内の組成を有するポリオール化合物とポリイソシアネート成分との組合せにより、硬度低下率が14%以下の軟質ポリウレタンフォーム成形体が得られている。これに対して、ポリイソシアネート成分の組成が本発明の範囲を逸脱するものは、硬度低下率が14%を超えるものとなる。硬度低下率が14%以下の軟質ポリウレタンフォーム成形体は、同じ硬度、反発弾性率を有する軟質ポリウレタンフォーム成形体と比較して、シートクッションパッドとしたときに長時間の走行においても疲労感が小さいものである。
【0045】
【表1】
【表2】
Claims (4)
- 金型内部にポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したポリウレタンフォーム原料を注入して成型された軟質ポリウレタンフォーム成形体であって、
前記ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部と水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部とをポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、
前記ポリイソシアネート成分は、粗製MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、かつ前記MDI(2核体)の含有率が40〜70重量%であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム成形体。 - 前記ポリイソシアネート成分の5核体以上の多核体の含有率が10重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム成形体。
- ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したポリウレタンフォーム原料を注入して金型内部にて反応硬化させる軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法であって、
前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合したものであり、
前記ポリオール成分は、水酸基価が20〜70mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール50〜90重量部と水酸基価が20〜40mgKOH/gのポリマーポリオール50〜10重量部とをポリオール化合物として含み、シリコン整泡剤、発泡剤とを含有し、
前記ポリイソシアネート成分は、MDI/TDI=70/30〜95/5のポリイソシアネート化合物を含有し、かつ前記MDI(2核体)の含有率が40〜70重量%であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法。 - 前記ポリイソシアネート成分の5核体以上の多核体の含有率が10重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の軟質ポリウレタンフォーム成形体の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
| CN111909355A (zh) * | 2020-08-13 | 2020-11-10 | 荆晓东 | 一种耐疲劳低密度高回弹海绵及其制备方法 |
-
2003
- 2003-05-22 JP JP2003144888A patent/JP2004346196A/ja not_active Withdrawn
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