JP2004346568A - 制震構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工を容易に行うとともに、コストダウンを図ることを目的としている。
【解決手段】RC造の複数の柱2と、上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の横架材3と、第1の横架材3の間に配置されている第2の横架材4と、架構フレーム13内に配置されるブレース14とが備えられている制震構造物1において、柱2の側面には第1の横架材3を上下に貫通する接合部材5がそれぞれ接合され、接合部材5には第1の横架材3を上下に貫通する第1のガセットプレート7が接合され、第2の横架材4の中央部には第2の横架材4を上下に貫通する第2のガセットプレート9が埋め込まれ、第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にはブレース14がそれぞれ介装され、ブレース14は第2のガセットプレート9を中心にX形に配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】RC造の複数の柱2と、上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の横架材3と、第1の横架材3の間に配置されている第2の横架材4と、架構フレーム13内に配置されるブレース14とが備えられている制震構造物1において、柱2の側面には第1の横架材3を上下に貫通する接合部材5がそれぞれ接合され、接合部材5には第1の横架材3を上下に貫通する第1のガセットプレート7が接合され、第2の横架材4の中央部には第2の横架材4を上下に貫通する第2のガセットプレート9が埋め込まれ、第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にはブレース14がそれぞれ介装され、ブレース14は第2のガセットプレート9を中心にX形に配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱と横架材とで形成された架構フレーム内にブレースが配置されている制震構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、制震ダンパー等のブレースを鉄筋コンクリート造構造物の柱と梁とで形成された架構内に組み入れることで、鉄筋コンクリート造構造物の地震時応答変位を低減し、変形性能の劣る鉄筋コンクリート造構造物の損傷を軽減させる構造物が提案されている。一般的に、ブレースは鋼構造の架構内に組み入れ、鋼製接合部(ガセットプレート)に接合されている。したがって、従来、鉄筋コンクリート構造の架構内にブレースを組み入れる場合には、ブレースを組み入れる架構を鉄骨鉄筋コンクリート構造にする方法や、ブレースを組み入れる架構を形成する梁を鉄骨鉄筋コンクリート構造にする方法が提案されている。
【0003】
前者の従来の方法は、ブレースが組み入れられる架構を形成する柱内に柱鉄骨を設けるとともに、ブレースが組み入れられる架構を形成する梁内に梁鉄骨を設け、柱鉄骨および梁鉄骨にブレースが接合されるガセットプレートを溶接する方法である。この方法によれば、柱鉄骨および梁鉄骨によって鋼構造の架構が形成され、架構の上辺を形成する梁鉄骨の中央下部にガセットプレートが垂設されるとともに、架構の下両隅部にガセットプレートがそれぞれ設けられる。これによって、架構内に斜めに延在するブレースを組み入れることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
後者の従来の方法は、ブレースが組み入れられる架構を形成する梁内に両端が柱内に十分に挿入された梁鉄骨を設け、梁鉄骨にブレースが接合されるガセットプレートを溶接する方法である。この方法によれば、上方に架設された梁鉄骨の中央部下面にガセットプレートが垂設されるとともに、下方に架設された両端部上面にガセットプレートが立設され、これらのガセットプレートにブレースを接合することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−213201号公報 (第3−5頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した前者の従来の方法では、架構を形成する際に柱鉄骨と梁鉄骨とを組み立てる作業が必要となり、工期延長の要因となるとともに施工コストが嵩むという問題が存在する。また、柱と梁との接合部であるパネルゾーンに柱鉄骨および梁鉄骨が挿入されているため、柱鉄骨は梁主筋に干渉し、梁鉄骨は柱主筋やフープ筋に干渉し、ガセットプレートは直交する梁主筋やフープ筋、スタラップ筋に干渉する。したがって、柱鉄骨、梁鉄骨およびガセットプレートには鉄筋孔をそれぞれ形成する必要があり、鉄筋孔の位置は計画に基づいた正確性が要求されるため、柱および梁の中に鉄骨材を配置する作業は手間がかかるという問題が存在する。
【0007】
また、上記した後者の従来の方法では、パネルゾーンに梁鉄骨が挿入されているため、梁鉄骨は柱主筋やフープ筋に干渉し、ガセットプレートは直交する梁主筋やフープ筋、スタラップ筋に干渉する。したがって、梁鉄骨およびガセットプレートには鉄筋孔をそれぞれ形成したり、平鋼を溶接したりする必要があり、梁の中に鉄骨材を配置する作業は手間がかかるという問題が存在する。また、梁鉄骨は柱内に十分挿入されるため、1本の柱から直交する2方向に梁鉄骨は配置できず、1本の柱に対して2方向の架構にブレースを配置することができないという問題が存在する。また、ガセットプレートがフープ筋に干渉しないようにガセットプレートの位置を内側(スパン中央側)にずらすと、ブレースの軸心延長線が柱と梁との軸心交点から大きくずれるため、柱には大きな偏心曲げモーメントが生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、鉄骨材を柱や梁の中に配置せずにブレースを鉄筋コンクリート構造の架構内に組み入れることで、施工を容易に行うとともにコストダウンを図り、さらに1本の柱に対して2方向の架構にブレースを配置することができる制震構造物を提供することを目的としている。また、梁などの横架材にかかる軸力を低減することで、断面寸法を小さくするとともに鉄筋量を減少させ、コストダウンを図ることができる制震構造物を提供することを目的としている。また、柱に大きな偏心曲げモーメントが生じないようにし、柱の断面寸法を小さくするとともに鉄筋量を減少させ、コストダウンを図ることができる制震構造物を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、間隔をあけて立設された鉄筋コンクリート造の複数の柱と、隣り合う該柱の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の横架材と、隣り合う前記柱の間に架設されているとともに前記第1の横架材の間に配置されている第2の横架材と、隣り合う前記柱、前記第1の横架材および前記第2の横架材で形成される架構フレーム内に配置される斜めに延在するブレースとが備えられている制震構造物において、隣り合う前記柱の対向する側面には前記第1の横架材を上下に貫通する接合部材がそれぞれ接合され、該接合部材には前記第1の横架材を上下に貫通する第1のガセットプレートが接合され、前記第2の横架材の中央部には該第2の横架材を上下に貫通する第2のガセットプレートが埋め込まれ、前記第1のガセットプレートと前記第2のガセットプレートとの間には前記ブレースがそれぞれ介装され、前記ブレースは前記第2のガセットプレートを中心にX形に配置されていることを特徴としている。
【0010】
このような特徴により、柱や横架材の中に鉄骨材等を配置せずに、ブレースは架構フレーム内に配置される。また、ブレースはX形に配置されているため、第1の横架材および第2の横架材に作用する軸力はほとんど無くなる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の制震構造物において、前記ブレースは、該ブレースの軸心延長線が前記接合部材と前記第1の横架材との入隅部を通るように配置されていることを特徴としている。
【0012】
このような特徴により、ブレースの軸心延長線が柱の軸心と第1の横架材の軸心との交点近傍を通るように配置され、第1の横架材の軸心とブレースの軸心との交点であるゲージ位置は、第1の横架材の軸心と接合部材を考慮した柱の軸心との交点の近傍に位置され、この交点とゲージ位置との差である偏心量は小さくなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の制震構造物において、前記接合部材の前記柱側の柱接合面にはシアコネクタが付設され、該シアコネクタは前記柱内に定着されていることを特徴としている。
【0014】
このような特徴により、シアコネクタは、接合部材と柱側面との間に作用する剪断力(鉛直方向に働くずれ応力)に対抗されるとともに、接合部材に作用する水平方向の引き抜きに対抗される。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の制震構造物において、前記接合部材の前記柱側の柱接合面には、前記柱内に定着されるアンカー部材が付設されていることを特徴としている。
【0016】
このような特徴により、アンカー部材の引張力によって接合部材に作用する水平方向の引き抜きに対抗される。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の制震構造物において、前記アンカー部材が付設された前記柱接合面の反対側の前記接合部材のガセットプレート接合面には、前記アンカー部材の軸方向に延在するフランジ部材が付設されていることを特徴としている。
【0018】
このような特徴により、第1のガセットプレートに作用するブレースの応力が円滑にアンカー部材に伝達される。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の制震構造物において、前記接合部材は、前記柱内に埋め込まれていることを特徴としている。
【0020】
このような特徴により、接合部材に接する柱の圧縮力は、ブレースの反力によって接合部材と柱との間に生じる曲げモーメントに対抗される。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の制震構造物において、制震構造を構成する前記ブレースには、制震ダンパーが使用されていることを特徴としている。
【0022】
このような特徴により、ブレースの負担力は頭打ちとなり、ブレースが接合された第1、第2のガセットプレートや接合部材等の負担力も頭打ちとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る制震構造物の第1、第2、第3の実施の形態について、図面に基づいてそれぞれ説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
図1はラーメン構造からなる鉄筋コンクリート造の構造物1を表す断面図である。図1に示すように、構造物1のラーメン構造は、鉄筋コンクリート造の複数(図1では2本)の柱2と、隣り合う柱2の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数(図1では2本)の第1の梁3と、隣り合う柱2の間に架設されているとともに第1の梁3の間に架設されている第2の梁4とによって形成されている。
【0025】
図2は柱2の水平断面図である。図1、図2に示すように、隣り合う柱2の対向する側面には、H形鋼からなる鉄骨添柱5がそれぞれ配置されている。鉄骨添柱5は第1の梁3を上下で貫通して配置されており、下方に位置する第2の梁4の梁上から上方に位置する第2の梁4の梁下まで鉛直に延在されている。鉄骨添柱5はフランジ面が柱2の側面に平行する向きで配置されており、柱2の側面に接する鉄骨添柱5のフランジ面(柱接合面5a)には頭付きスタッドからなる複数のシアコネクタ6が水平に突設されている。複数のシアコネクタ6は鉄骨添柱5の軸方向に2列で等間隔に配列されており、複数のシアコネクタ6は柱2内にそれぞれ定着されている。
【0026】
柱接合面5aの反対側の鉄骨添柱5のフランジ面(ガセットプレート接合面5b)には、鉛直方向に延在する第1のガセットプレート7が直角に溶接されている。第1のガセットプレート7は第1の梁3を上下で貫通して配置されており、第1の梁3から突出した第1のガセットプレート7の上端部および下端部には、斜めに延在するリブプレート8が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート8は、第1のガセットプレート7の両面にそれぞれ設けられており、第1の梁3の上面とガセットプレート接合面5bとの交点および第1の梁3の下面とガセットプレート接合面5bとの交点から斜めにそれぞれ配置されている。
【0027】
図3は第2の梁4の中央部の断面図である。図1、図3に示すように、第2の梁4の中央部には、四隅がカットされた長方形の第2のガセットプレート9が埋め込まれている。第2のガセットプレート9は第2の梁4を上下で貫通して配置されており、第2の梁4から突出した第2のガセットプレート9の上端部および下端部の両隅には、斜めに延在するリブプレート10が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート10は、第2のガセットプレート9の両面にそれぞれ設けられており、第2のガセットプレート9の中心点に向けて斜めにそれぞれ配置されている。
【0028】
また、第2の梁4から突出した第2のガセットプレート9の上端部および下端部の中央部には、鉛直方向に延在するリブプレート11が直角にそれぞれ溶接されており、リブプレート11は第2のガセットプレート9の両面にそれぞれ設けられている。また、第2のガセットプレート9の両面には第2の梁4の上面および下面に接する水平スチフナー12がそれぞれ溶接されており、水平スチフナー12は第2の梁4の軸方向に延在されている。
【0029】
図1に示すように、隣り合う2本の柱2、および上下で対向する第1の梁3と第2の梁4によって矩形の架構フレーム13が形成されており、架構フレーム13内には制震ダンパーからなる2本のブレース14がハ字状或いはV字状に斜めに配置されている。第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にはブレース14がそれぞれ介装され、ブレース14は第2のガセットプレート9を中心にX形に配置されている。ブレース14は、ブレース14の軸心延長線aが鉄骨添柱5と第1の梁3との入隅部Aを通るように配置されている。
【0030】
図4はブレース14を表す平面図であり、図5はブレース14の断面図である。図4、図5に示すように、ブレース14は、芯材15と、芯材15を囲むように設けられた筒状の補剛体16とを備えた構成となっている。芯材15は、低降伏点鋼によって形成されており、その降伏応力度は、通常の鉄骨と比較して小さいものとなっている。芯材15は中央部15aが両端部15bより幅が狭まった形状のものであり、芯材15の両端部15bには軸方向に延在するリブプレート17が直角に溶接されている。
【0031】
補剛体16は、二つの溝形鋼18のフランジ18a同士をカバープレート(鋼板)19とツヅリボルト20によってそれぞれ接合し、内部に断面視矩形状の閉鎖空間21を形成するようにしたものである。これら溝形鋼18およびツヅリボルト20は、芯材15以上の降伏応力度をもつ鋼材により形成されている。二つの溝形鋼18の中間部には、軸方向と直行する方向に延在するリブプレート22が所定の間隔をあけてそれぞれ溶接されており、間隔をあけて配置されたリブプレート22の間には軸方向に延在するリブプレート23がそれぞれ溶接されている。
【0032】
閉鎖空間21には、芯材15の中央部15aが挿通されており、補剛体16と芯材15の中央部15aとの間には、ゴムパッキン(押圧材)24が、板状に形成された芯材15の両面に接するように配置されている。ゴムパッキン24は、補剛体16の長さ寸法と略同一の長さ寸法を有するものとされており、芯材15の中央部15aは、このゴムパッキン24を介して、補剛体16側から均等に押圧されている。
【0033】
図1、図4に示すように、芯材15の両端部15bは、スプライスプレート25を介して第1のガセットプレート7または第2のガセットプレート9にそれぞれ高力ボルト結合されており、芯材15の両端部15bに設けられたリブプレート17は、第1のガセットプレート7に設けられた斜め方向に延在するリブプレート8または第2のガセットプレート9に設けられた斜め方向に延在するリブプレート10にスプライスプレート25を介してそれぞれ高力ボルト結合されている。
【0034】
次に、上記した構成からなる制震構造物の施工方法について説明する。
【0035】
図1、図2、図3に示すように、まず、予め工場で、鉄骨添柱5の一方のフランジ面(柱接合面5a)に複数のシアコネクタ6をそれぞれ溶接するとともに、他方のフランジ面(ガセットプレート接合面5b)に第1のガセットプレート7を溶接する。また、第1のガセットプレート7には斜めに延在するリブプレート8を溶接する。また、第2のガセットプレート9の上端部および下端部の両隅に斜めに延在するリブプレート10をそれぞれ溶接するとともに、第2のガセットプレート9の上端部および下端部の中央に鉛直方向に延在するリブプレート11を溶接しておく。さらに、第2のガセットプレート9の中間部に水平方向に延在する水平スチフナー12をそれぞれ溶接する。
【0036】
次に、柱2および第1の梁3を形成するための図示せぬ形枠と一緒に、上記した鉄骨添柱5を柱2の側方に設置するとともに、第2のガセットプレート9を図示せぬ梁型枠内に設置する。鉄骨添柱5は、第1の梁3の端部に上下に貫通するとともに、柱接合面5aが柱2の側面と接してシアコネクタ6が図示せぬ柱形枠内に入るように配置する。また、第2のガセットプレート9は、第2の梁4の中央に上下に貫通するとともに、上下の水平スチフナー12が第2の梁4の梁上面および梁下面にそれぞれ接するように配置する。そして、図示せぬ形枠内にコンクリートを打設し、鉄骨添柱5と一体に柱2を形成するとともに、第1のガセットプレート7、鉄骨添柱5および第2のガセットプレート9と一体に第1の梁3および第2の梁4をそれぞれ形成する。
【0037】
次に、図1、図4に示すように、第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にブレース14をそれぞれ配置し、ブレース14を第2のガセットプレート9を中心にX形に配置する。第1のガセットプレート7側に向けられたブレース14の一端部は、スプライスプレート25を介して第1のガセットプレート7に接合する。突き合わされた芯材15の端部15bと第1のガセットプレート7とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25と芯材15の端部15bおよび第1のガセットプレート7とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。また、突き合わされた芯材15の端部15bに設けられたリブプレート17と第1のガセットプレート7に設けられた斜め方向に延在するリブプレート8とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25とリブプレート8、17とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。
【0038】
また、第2のガセットプレート9側に向けられたブレース14の他端部は、スプライスプレート25を介して第2のガセットプレート9に接合する。突き合わされた芯材15の端部15bと第2のガセットプレート9とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25と芯材15の端部15bおよび第2のガセットプレート9とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。また、突き合わされた芯材15の端部15bに設けられたリブプレート17と第2のガセットプレートに設けられた斜め方向に延在するリブプレート10とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25とリブプレート10、17とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。
【0039】
上記した構成からなる制震構造物によれば、柱2や第1の梁3や第2の梁4の中に鉄骨材等が配置されず、ブレース14は架構フレーム13内に配置される。これによって、鉄骨材に孔開けする作業等が無くなるとともに鉄筋に干渉して柱梁配筋の邪魔になるものは無くなるため、施工を容易に行うことができるとともに鉄骨添柱5や第1、第2のガセットプレート7、9は安価に製作することができる。また、柱2と第1、第2の梁3、4との接合部であるパネルゾーン内に鉄骨材等を挿入せずに第1、第2のガセットプレート7、9が設置されるため、一つの柱2に対して2方向のブレース14をそれぞれ配置することができる。
【0040】
また、ブレース14はX形に配置されているため、力の釣り合い状態から、第1の梁3および第2の梁4に作用する軸力はほとんど無くなる。これによって、第1の梁3および第2の梁4の主筋が小径になり、或いは主筋の本数が少なり、或いは梁断面が小さくなるなどの構造の規模が縮小され、コストダウンを図ることができる。
【0041】
ブレース14は、ブレース14の軸心延長線aが鉄骨添柱5と第1の梁3との入隅部Aを通るように配置されているため、第1の梁3の軸心cとブレース14の軸心延長線aとの交点であるゲージ位置Bは、第1の梁3の軸心cと鉄骨添柱5を考慮した柱2の軸心bとの交点Cの近傍に位置され、この交点Cとゲージ位置Bとの差である偏心量は小さくなる。柱2に作用する偏心曲げモーメントは、偏心量に柱2とブレース14とが接合される部分に作用する鉛直方向のずれ剪断力を乗じた値である。したがって、ブレース14が接合される第1のガセットプレート7の突出長さを最小限に形成する際の偏心量は小さくなり、柱2に作用する偏心曲げモーメントは柱2の耐力に比べて十分に小さくすることができ、偏心曲げモーメントを無視しても問題がない構造にすることができる。
【0042】
鉄骨添柱5の柱接合面5aにはシアコネクタ6が付設され、シアコネクタ6は柱2内に定着されているため、シアコネクタ6は、鉄骨添柱5と柱2の側面との間に作用する剪断力(鉛直方向に働くずれ応力)に対抗されるとともに、鉄骨添柱5に働く水平方向の引き抜き(鉄骨添柱5に生じる曲げモーメント)に対抗される。これによって、鉄骨添柱5は柱2に強固に接合することができる。
【0043】
また、ブレース14は制震ダンパーからなっているため、芯材15が降伏した後に所定の耐力に達するとブレース14の負担力が増加しなくなり、負担力が頭打ちとなり、ブレースに接合された鉄骨添柱5や第1のガセットプレート7や第2のガセットプレート9などの負担力も頭打ちとなる。これによって、鉄骨添柱5や第1のガセットプレート7や第2のガセットプレート9などは、頭打ちされたときの荷重に耐え得るもので足り、経済的な部材を使用することでコストの軽減を図ることができる。
【0044】
また、第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9には斜めに延在するリブプレート8、10がそれぞれ直角に設けられ、ブレース14の芯材15の両端部15bにはリブプレート17がそれぞれ直角に設けられているため、第1のガセットプレート7、第2のガセットプレート9および芯材15の面外座屈はそれぞれ防止されるとともに、第1のガセットプレート7とブレース14との接合および第2のガセットプレート9とブレース14との接合は十字接合となる。これによって、各々のリブプレート8、10、17は接合機能および補剛機能の両方の機能を果たし、それぞれ別個に設ける場合に比べ部材の数量を低減することができる。
【0045】
また、鉄骨添柱5には予め工場でシアコネクタ6と第1のガセットプレート7とリブプレート8とがそれぞれ溶接され、第2のガセットプレート9には予めリブプレート10、11と水平スチフナー12とがそれぞれ溶接されるため、現場での溶接等の加工作業がなくなり、特別な技能を有する者(溶接作業員等)でなくても通常の作業員で施工することができるとともに、工期の短縮および施工精度の向上を図ることができる。また、シアコネクタ6と第1のガセットプレート7とリブプレート8とが溶接された鉄骨添柱5、およびリブプレート10、11と水平スチフナー12とが溶接された第2のガセットプレート9は、それぞれ現場に搬入され、現場合わせで取り付けられるため、施工誤差に容易に対応することができる。
【0046】
また、ブレース14は第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9に高力ボルト2面摩擦接合されているため、ブレース14の長さ誤差に対して容易に対応することができる。また、各部材(鉄骨添柱5、第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9等)は、特殊な収まりなどはなく、シンプルな構成からそれぞれなっているため、施工管理も容易にできる。さらに、各部材の重量は比較的小さいため、運搬や揚重は容易に行うことができる。
【0047】
[第2の実施の形態]
図6はラーメン構造からなる鉄筋コンクリート造の構造物100を表す断面図である。図6に示すように、構造物100のラーメン構造は、鉄筋コンクリート造の複数の柱101と、隣り合う柱101の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の梁102と、隣り合う柱101の間に架設されているとともに第1の梁102の間に架設されている第2の梁103とによって形成されている。
【0048】
隣り合う柱101の対向する側面には、第1の梁102を上下で貫通する矩形平鋼からなる埋込プレート104がそれぞれ配置されている。埋込プレート104は柱101内に埋め込まれており、第1の梁102の下方から上方まで鉛直に延在されている。埋込プレート104は柱101の側面に平行に配置されており、柱101側の埋込プレート104の面(柱接合面104a)は柱101内に位置され、柱接合面104aの反対側の埋込プレート104の面(ガセットプレート接合面104b)は柱101の側面と面一に位置されている。
【0049】
図7は埋込プレート104の斜視図である。図6、図7に示すように、埋込プレート104の柱接合面104aの上端部および下端部にはTヘッドバーからなるアンカー部材105が各二本づつ水平に突設されており、柱接合面104aの中間部には頭付きスタッドからなる複数のシアコネクタ106が水平に突設されている。複数のシアコネクタ106は鉛直方向に2列で等間隔に配列されており、複数のアンカー部材105およびシアコネクタ106は柱101内にそれぞれ定着されている。
【0050】
埋込プレート104のガセットプレート接合面104bには、鉛直方向に延在する第1のガセットプレート107が直角に溶接されている。第1のガセットプレート107は第1の梁102を上下で貫通して配置されており、第1の梁102から突出した第1のガセットプレート107の上端部および下端部には、斜めに延在するリブプレート108が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート108は、第1のガセットプレート107の両面にそれぞれ設けられており、第1の梁102の上面とガセットプレート接合面104bとの交点および第1の梁102の下面とガセットプレート接合面104bとの交点から斜めにそれぞれ配置されている。
【0051】
また、ガセットプレート接合面104bの上端部および下端部には、アンカー部材105に対応する位置にアンカー部材105の軸方向に延在する矩形鋼板からなるフランジ部材109がそれぞれ溶接されている。フランジ部材109は、第1のガセットプレート107の上端および下端にそれぞれ溶接されている。なお、図6に示す符号110は第2のガセットプレートであり、符号111はブレースである。
【0052】
上記した構成からなる制震構造物によれば、埋込プレート104の柱接合面104aには、柱101内に定着されるアンカー部材105が付設されているため、アンカー部材105の引張力によって埋込プレート104に働く水平方向の引き抜き(埋込プレート104に生じる曲げモーメント)に対抗される。これによって埋込プレート104は柱101に強固に接合することができる。
【0053】
また、ガセットプレート接合面104bには、アンカー部材105に対応する位置にフランジ部材109が付設されているため、第1のガセットプレート107に作用するブレース111の応力が円滑にアンカー部材105に伝達される。これによって、ブレース111の応力によって第1のガセットプレート107の上端に生じる応力度を緩和するとともに、アンカー部材105の応力によって埋込プレート104が曲げ変形することを防止することができる。
【0054】
また、埋込プレート104は柱101内に埋め込まれているため、埋込プレート104に接する柱101のコンクリートの圧縮力(水平方向の支圧応力)は、ブレース111の反力によって埋込プレート104の位置で柱101に作用する曲げモーメントに対抗される。また、埋込プレート104は第1の梁102内を貫通しているため、埋込プレート104に接する第1の梁102のコンクリートの圧縮力(水平方向の支圧応力)は、ブレース111の反力によって埋込プレート104の位置で柱101に作用する曲げモーメントに対抗される。これによって、アンカー部材105やシアコネクタ106の本数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0055】
また、埋込プレート104と柱101とは接しているため、両者の接している面には圧縮力に応じた摩擦抵抗が生じ、埋込プレート104と柱101との間に生じる鉛直方向のずれ剪断力に対抗される。これによって、シアコネクタ106の本数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0056】
[第3の実施の形態]
図8はラーメン構造からなる鉄筋コンクリート造の構造物200の柱201と第1の梁202との接合部(パネルゾーン203)を表す断面図である。図8に示すように、柱201の側面には、第1の梁202を上下で貫通する矩形平鋼からなるベースプレート204がそれぞれ配置されている。ベースプレート204は柱201内に埋め込まれており、第1の梁202の下方から上方まで鉛直に延在されている。ベースプレート204は柱201の側面に対向して配置されており、柱201側のベースプレート204の面(柱接合面204a)と柱101の側面との間には隙間があけられている。
【0057】
図9はベースプレート204の斜視図である。図8、図9に示すように、ベースプレート204の柱接合面204aの中央部にはH形鋼からなるアンカー部材205が水平に突設されており、アンカー部材205はパネルゾーン203内に定着されている。ベースプレート204と柱101との間に形成された隙間には、グラウト材206が介在されている。
【0058】
柱接合面204aの反対側のベースプレート204の面(ガセットプレート接合面204b)には鉛直方向に延在する第1のガセットプレート207が直角に溶接されている。第1のガセットプレート207は第1の梁202を上下で貫通して配置されており、第1の梁202から突出した第1のガセットプレート207の上端部および下端部には、斜めに延在するリブプレート208が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート208は、第1のガセットプレート207の両面にそれぞれ設けられており、第1の梁202の上面とガセットプレート接合面204bとの交点および第1の梁202の下面とガセットプレート接合面204bとの交点に向けて斜めにそれぞれ配置されている。
【0059】
リブプレート208の端部はベースプレート204のガセットプレート接合面204bに当接されており、リブプレート208が当接された位置に対応するベースプレート204の柱接合面204aには、アンカー部材205のフランジ部205aが当接されている。なお、図8に示す符号209はブレースであり、ブレース209の端部は第1のガセットプレート207の上端部または下端部に高力ボルト接合されている。
【0060】
上記した構成からなる制震構造物によれば、アンカー部材205はパネルゾーン203内に挿入されているため、柱201内にはその他のアンカー部材やシアコネクタなどが定着されない。これによって、パネルゾーン203を現場打ちにし、アンカー部材205をパネルゾーン203内に定着させることでベースプレート204は柱に接合され、パネルゾーン以外の柱201はPC化することができる。
【0061】
また、アンカー部材205に鉄骨材(H形鋼)を使用するため、繰り返し載荷によるブレース209と第1のガセットプレート207との接合は緩みが生じ難くなる。これによって、ブレース209の変形ロスは小さくなり制震効果が向上させることができる。また、アンカー部材205に鉄骨材(H形鋼)を使用するため、複数のスタッドやTヘッドバーを溶接する手間に比べて容易に接合される。これによって、製作コストの軽減を図ることができる。
【0062】
また、アンカー部材205は、リブプレート208が当接された位置に対応するベースプレート204の柱接合面204aにフランジ部205aが当接されるように配置されているため、ブレース209からの応力をスムーズにアンカー部材205を介して柱201に伝達することができる。
【0063】
以上、本発明に係る制震構造物の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、隣り合う柱2、101、201の間に第1の梁3、102、202および第2の梁4、103が架設されているが、本発明は、X形に配置されたブレース14、111、209の力の釣り合いにより第1の梁3、102、202および第2の梁4、103には軸力が殆ど作用しないため、梁断面を小さくすることができ、さらには第1の梁3、102、202および第2の梁4、103に替えてスラブとしてもよい。この場合、スラブも隣り合う柱の間に架設される第1、第2の横架材の概念に含まれる。
【0064】
また、上記した実施の形態では、ブレース14に低降伏点鋼を芯材15とする鋼材系の制震ダンパーを使用しているが、本発明における制震構造を構成するブレースは、極低降伏点鋼や軟鋼を芯材とする鋼材ダンパー、或いはゴムアスファルト(BRC)や高減衰ゴム等の粘弾性体のせん断抵抗を利用した粘弾性ダンパー、或いはオイルダンパーや高分子系粘性体を利用した粘性ダンパー等の各種の制震ダンパーを使用してもよい。
【0065】
また、上記した第1の実施の形態では、鉄骨添柱5は下方に位置する第2の梁4の梁上から上方に位置する第2の梁4の梁下まで鉛直に延在されているが、本発明は、鉄骨添柱5が柱2に強固に接合されるのであれば、鉄骨添柱5を短くし、第1の梁3の梁下から梁上まで延在させてもよい。これによって、鉄骨添柱5の材料費を軽減することができるとともに、鉄骨添柱5の重量を軽減することができる。
【0066】
また、上記した実施の形態では、アンカー部材105、205には、TヘッドバーやH形鋼を使用しているが、本発明は、スタッド、平鋼、山形鋼、鉄筋材およびプレートナットを使用してもよい。また、上記した実施の形態では、シアコネクタ6、106には頭付きスタッドを使用しているが、本発明は、Tヘッドバー、平鋼、山形鋼、鉄筋材およびプレートナットを使用してもよい。
【0067】
また、上記した第1、第2の実施の形態では、柱2、101、201はそれぞれ現場打設の鉄筋コンクリート躯体であるが、本発明は、柱2、101に鉄骨添柱5あるいは埋込プレート104を予め一体化したPC部材の柱としてもよい。また、上記した実施の形態では、第1の梁3、102、202は現場打設の鉄筋コンクリート躯体であるが、本発明は、鉄骨添柱5と第1のガセットプレート7、或いは埋込プレート104と第1のガセットプレート107、ベースプレート204と第1のガセットプレート207を予め一体化したPC部材の第1の梁としてもよい。また、上記した第1、第2の実施の形態では、第2の梁4、203は現場打設の躯体であるが、本発明は、第2のガセットプレート9、110を予め一体化したPC部材の第2の梁としてもよい。
【0068】
また、上記した第1の実施の形態では、架構フレーム13に第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9を設置した後に、第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にブレース14を介装させているが、本発明は第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9とブレース14とを接合し、一体化したものを架構フレーム13に設置してもよい。さらに、柱2内に鋼材などが配置されないため、柱鉄筋を先組みして鉄筋籠を形成し、この鉄筋籠を現場に落とし込んでもよい。これによって、工期の短縮を図ることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した請求項1記載の制震構造物によれば、柱や第1の横架材や第2の横架材の中に鉄骨材等が配置されず、ブレースは架構フレーム内に配置されるため、鉄骨材に孔開けする作業等が無くなるとともに鉄筋に干渉して柱梁配筋の邪魔になるものは無くなり、施工を容易に行うことができるとともに接合部材や第1、第2のガセットプレートは安価に製作することができる。また、柱と第1、第2の横架材との接合部であるパネルゾーン内に鉄骨材等を挿入せずに第1、第2のガセットプレートが設置されるため、一つの柱に対して2方向のブレースをそれぞれ配置することができる。また、ブレースはX形に配置されているため、力の釣り合い状態から、第1の横架材および第2の横架材に作用する軸力はほとんど無くなるため、主筋が小径になり、或いは主筋の本数が少なり、或いは梁断面が小さくなるなどの第1の横架材および第2の横架材の構造規模が縮小され、コストダウンを図ることができる。
【0070】
また、請求項2記載の制震構造物によれば、ブレースは、ブレースの軸心延長線が接合部材と第1の横架材との入隅部を通るように配置されているため、ブレースが接合される第1のガセットプレートの突出長さは最小限にすることができるとともに、ブレースの軸心延長線が柱の軸心と第1の横架材の軸心との交点近傍を通るように配置される。これによって、第1の横架材の軸心とブレースの軸心延長線との交点であるゲージ位置は、第1の横架材の軸心と柱の軸心との交点での近傍に位置され、この交点とゲージ位置との差である偏心量は小さくなり、柱に作用する偏心曲げモーメントは柱の耐力に比べて無視しても問題がない程度に十分に小さくすることができる。
【0071】
また、請求項3記載の制震構造物によれば、接合部材の柱接合面にはシアコネクタが付設され、シアコネクタは柱内に定着されているため、シアコネクタは、接合部材と柱の側面との間に作用する剪断力(鉛直方向に働くずれ応力)に対抗されるとともに、接合部材に働く水平方向の引き抜き(接合部材に生じる曲げモーメント)に対抗され、接合部材は柱に強固に接合することができる。
【0072】
また、請求項4記載の制震構造物によれば、接合部材の柱接合面には、柱内に定着されるアンカー部材が付設されているため、アンカー部材の引張力によって接合部材に働く水平方向の引き抜き(接合部材に生じる曲げモーメント)に対抗され、接合部材は柱に強固に接合することができる。
【0073】
また、請求項5記載の制震構造物によれば、接合部材のガセットプレート接合面には、アンカー部材に対応する位置にフランジ部材が付設されているため、第1のガセットプレートに作用するブレースの応力が円滑にアンカー部材に伝達され、ブレースの応力によって接合部材が破損したり変形したりすることを防止することができる。
【0074】
また、請求項6記載の制震構造物によれば、接合部材は柱内に埋め込まれているため、接合部材に接する柱のコンクリートの圧縮力は、ブレースの反力によって埋込プレートと柱との間に生じる曲げモーメントに対抗され、アンカー部材やシアコネクタの本数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0075】
また、請求項7記載の制震構造物によれば、ブレースには制震ダンパーが使用されるため、ブレースの負担力は頭打ちとなり、ブレースが接合する第1、第2のガセットプレートや接合部材等の負担力は頭打ちされ、第1、第2のガセットプレートや接合部材等は頭打ちされたときの荷重に耐え得る強度を有する部材で足り、経済的な部材を使用することでコストの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するための全体断面図である。
【図2】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するための部分断面図である。
【図3】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するための部分断面図である。
【図4】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するためのブレースの平面図である。
【図5】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するためのブレースの断面図である。
【図6】本発明に係る制震構造物の第2の実施の形態を説明するための全体断面図である。
【図7】本発明に係る制震構造物の第2の実施の形態を説明するための第1のガセットプレートの斜視図である。
【図8】本発明に係る制震構造物の第3の実施の形態を説明するための全体断面図である。
【図9】本発明に係る制震構造物の第3の実施の形態を説明するための第1のガセットプレートの斜視図である。
【符号の説明】
1 構造物(制震構造物)
2、101、201 柱
3、102、202 第1の梁(第1の横架材)
4、103 第2の梁(第2の横架材)
5 鉄骨添柱(接合部材)
5a、104a、204a 柱接合面
5b、104b、204b ガセットプレート接合面
6 106 シアコネクタ
7、107、207 第1のガセットプレート
9、110 第2のガセットプレート
13 架構フレーム
14、111、209 ブレース
104 埋込プレート(接合部材)
105、205 アンカー部材
109 フランジ部材
204 ベースプレート(接合部材)
A 入隅部
a 軸心延長線
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱と横架材とで形成された架構フレーム内にブレースが配置されている制震構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、制震ダンパー等のブレースを鉄筋コンクリート造構造物の柱と梁とで形成された架構内に組み入れることで、鉄筋コンクリート造構造物の地震時応答変位を低減し、変形性能の劣る鉄筋コンクリート造構造物の損傷を軽減させる構造物が提案されている。一般的に、ブレースは鋼構造の架構内に組み入れ、鋼製接合部(ガセットプレート)に接合されている。したがって、従来、鉄筋コンクリート構造の架構内にブレースを組み入れる場合には、ブレースを組み入れる架構を鉄骨鉄筋コンクリート構造にする方法や、ブレースを組み入れる架構を形成する梁を鉄骨鉄筋コンクリート構造にする方法が提案されている。
【0003】
前者の従来の方法は、ブレースが組み入れられる架構を形成する柱内に柱鉄骨を設けるとともに、ブレースが組み入れられる架構を形成する梁内に梁鉄骨を設け、柱鉄骨および梁鉄骨にブレースが接合されるガセットプレートを溶接する方法である。この方法によれば、柱鉄骨および梁鉄骨によって鋼構造の架構が形成され、架構の上辺を形成する梁鉄骨の中央下部にガセットプレートが垂設されるとともに、架構の下両隅部にガセットプレートがそれぞれ設けられる。これによって、架構内に斜めに延在するブレースを組み入れることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
後者の従来の方法は、ブレースが組み入れられる架構を形成する梁内に両端が柱内に十分に挿入された梁鉄骨を設け、梁鉄骨にブレースが接合されるガセットプレートを溶接する方法である。この方法によれば、上方に架設された梁鉄骨の中央部下面にガセットプレートが垂設されるとともに、下方に架設された両端部上面にガセットプレートが立設され、これらのガセットプレートにブレースを接合することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−213201号公報 (第3−5頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した前者の従来の方法では、架構を形成する際に柱鉄骨と梁鉄骨とを組み立てる作業が必要となり、工期延長の要因となるとともに施工コストが嵩むという問題が存在する。また、柱と梁との接合部であるパネルゾーンに柱鉄骨および梁鉄骨が挿入されているため、柱鉄骨は梁主筋に干渉し、梁鉄骨は柱主筋やフープ筋に干渉し、ガセットプレートは直交する梁主筋やフープ筋、スタラップ筋に干渉する。したがって、柱鉄骨、梁鉄骨およびガセットプレートには鉄筋孔をそれぞれ形成する必要があり、鉄筋孔の位置は計画に基づいた正確性が要求されるため、柱および梁の中に鉄骨材を配置する作業は手間がかかるという問題が存在する。
【0007】
また、上記した後者の従来の方法では、パネルゾーンに梁鉄骨が挿入されているため、梁鉄骨は柱主筋やフープ筋に干渉し、ガセットプレートは直交する梁主筋やフープ筋、スタラップ筋に干渉する。したがって、梁鉄骨およびガセットプレートには鉄筋孔をそれぞれ形成したり、平鋼を溶接したりする必要があり、梁の中に鉄骨材を配置する作業は手間がかかるという問題が存在する。また、梁鉄骨は柱内に十分挿入されるため、1本の柱から直交する2方向に梁鉄骨は配置できず、1本の柱に対して2方向の架構にブレースを配置することができないという問題が存在する。また、ガセットプレートがフープ筋に干渉しないようにガセットプレートの位置を内側(スパン中央側)にずらすと、ブレースの軸心延長線が柱と梁との軸心交点から大きくずれるため、柱には大きな偏心曲げモーメントが生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、鉄骨材を柱や梁の中に配置せずにブレースを鉄筋コンクリート構造の架構内に組み入れることで、施工を容易に行うとともにコストダウンを図り、さらに1本の柱に対して2方向の架構にブレースを配置することができる制震構造物を提供することを目的としている。また、梁などの横架材にかかる軸力を低減することで、断面寸法を小さくするとともに鉄筋量を減少させ、コストダウンを図ることができる制震構造物を提供することを目的としている。また、柱に大きな偏心曲げモーメントが生じないようにし、柱の断面寸法を小さくするとともに鉄筋量を減少させ、コストダウンを図ることができる制震構造物を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、間隔をあけて立設された鉄筋コンクリート造の複数の柱と、隣り合う該柱の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の横架材と、隣り合う前記柱の間に架設されているとともに前記第1の横架材の間に配置されている第2の横架材と、隣り合う前記柱、前記第1の横架材および前記第2の横架材で形成される架構フレーム内に配置される斜めに延在するブレースとが備えられている制震構造物において、隣り合う前記柱の対向する側面には前記第1の横架材を上下に貫通する接合部材がそれぞれ接合され、該接合部材には前記第1の横架材を上下に貫通する第1のガセットプレートが接合され、前記第2の横架材の中央部には該第2の横架材を上下に貫通する第2のガセットプレートが埋め込まれ、前記第1のガセットプレートと前記第2のガセットプレートとの間には前記ブレースがそれぞれ介装され、前記ブレースは前記第2のガセットプレートを中心にX形に配置されていることを特徴としている。
【0010】
このような特徴により、柱や横架材の中に鉄骨材等を配置せずに、ブレースは架構フレーム内に配置される。また、ブレースはX形に配置されているため、第1の横架材および第2の横架材に作用する軸力はほとんど無くなる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の制震構造物において、前記ブレースは、該ブレースの軸心延長線が前記接合部材と前記第1の横架材との入隅部を通るように配置されていることを特徴としている。
【0012】
このような特徴により、ブレースの軸心延長線が柱の軸心と第1の横架材の軸心との交点近傍を通るように配置され、第1の横架材の軸心とブレースの軸心との交点であるゲージ位置は、第1の横架材の軸心と接合部材を考慮した柱の軸心との交点の近傍に位置され、この交点とゲージ位置との差である偏心量は小さくなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の制震構造物において、前記接合部材の前記柱側の柱接合面にはシアコネクタが付設され、該シアコネクタは前記柱内に定着されていることを特徴としている。
【0014】
このような特徴により、シアコネクタは、接合部材と柱側面との間に作用する剪断力(鉛直方向に働くずれ応力)に対抗されるとともに、接合部材に作用する水平方向の引き抜きに対抗される。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の制震構造物において、前記接合部材の前記柱側の柱接合面には、前記柱内に定着されるアンカー部材が付設されていることを特徴としている。
【0016】
このような特徴により、アンカー部材の引張力によって接合部材に作用する水平方向の引き抜きに対抗される。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の制震構造物において、前記アンカー部材が付設された前記柱接合面の反対側の前記接合部材のガセットプレート接合面には、前記アンカー部材の軸方向に延在するフランジ部材が付設されていることを特徴としている。
【0018】
このような特徴により、第1のガセットプレートに作用するブレースの応力が円滑にアンカー部材に伝達される。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の制震構造物において、前記接合部材は、前記柱内に埋め込まれていることを特徴としている。
【0020】
このような特徴により、接合部材に接する柱の圧縮力は、ブレースの反力によって接合部材と柱との間に生じる曲げモーメントに対抗される。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の制震構造物において、制震構造を構成する前記ブレースには、制震ダンパーが使用されていることを特徴としている。
【0022】
このような特徴により、ブレースの負担力は頭打ちとなり、ブレースが接合された第1、第2のガセットプレートや接合部材等の負担力も頭打ちとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る制震構造物の第1、第2、第3の実施の形態について、図面に基づいてそれぞれ説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
図1はラーメン構造からなる鉄筋コンクリート造の構造物1を表す断面図である。図1に示すように、構造物1のラーメン構造は、鉄筋コンクリート造の複数(図1では2本)の柱2と、隣り合う柱2の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数(図1では2本)の第1の梁3と、隣り合う柱2の間に架設されているとともに第1の梁3の間に架設されている第2の梁4とによって形成されている。
【0025】
図2は柱2の水平断面図である。図1、図2に示すように、隣り合う柱2の対向する側面には、H形鋼からなる鉄骨添柱5がそれぞれ配置されている。鉄骨添柱5は第1の梁3を上下で貫通して配置されており、下方に位置する第2の梁4の梁上から上方に位置する第2の梁4の梁下まで鉛直に延在されている。鉄骨添柱5はフランジ面が柱2の側面に平行する向きで配置されており、柱2の側面に接する鉄骨添柱5のフランジ面(柱接合面5a)には頭付きスタッドからなる複数のシアコネクタ6が水平に突設されている。複数のシアコネクタ6は鉄骨添柱5の軸方向に2列で等間隔に配列されており、複数のシアコネクタ6は柱2内にそれぞれ定着されている。
【0026】
柱接合面5aの反対側の鉄骨添柱5のフランジ面(ガセットプレート接合面5b)には、鉛直方向に延在する第1のガセットプレート7が直角に溶接されている。第1のガセットプレート7は第1の梁3を上下で貫通して配置されており、第1の梁3から突出した第1のガセットプレート7の上端部および下端部には、斜めに延在するリブプレート8が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート8は、第1のガセットプレート7の両面にそれぞれ設けられており、第1の梁3の上面とガセットプレート接合面5bとの交点および第1の梁3の下面とガセットプレート接合面5bとの交点から斜めにそれぞれ配置されている。
【0027】
図3は第2の梁4の中央部の断面図である。図1、図3に示すように、第2の梁4の中央部には、四隅がカットされた長方形の第2のガセットプレート9が埋め込まれている。第2のガセットプレート9は第2の梁4を上下で貫通して配置されており、第2の梁4から突出した第2のガセットプレート9の上端部および下端部の両隅には、斜めに延在するリブプレート10が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート10は、第2のガセットプレート9の両面にそれぞれ設けられており、第2のガセットプレート9の中心点に向けて斜めにそれぞれ配置されている。
【0028】
また、第2の梁4から突出した第2のガセットプレート9の上端部および下端部の中央部には、鉛直方向に延在するリブプレート11が直角にそれぞれ溶接されており、リブプレート11は第2のガセットプレート9の両面にそれぞれ設けられている。また、第2のガセットプレート9の両面には第2の梁4の上面および下面に接する水平スチフナー12がそれぞれ溶接されており、水平スチフナー12は第2の梁4の軸方向に延在されている。
【0029】
図1に示すように、隣り合う2本の柱2、および上下で対向する第1の梁3と第2の梁4によって矩形の架構フレーム13が形成されており、架構フレーム13内には制震ダンパーからなる2本のブレース14がハ字状或いはV字状に斜めに配置されている。第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にはブレース14がそれぞれ介装され、ブレース14は第2のガセットプレート9を中心にX形に配置されている。ブレース14は、ブレース14の軸心延長線aが鉄骨添柱5と第1の梁3との入隅部Aを通るように配置されている。
【0030】
図4はブレース14を表す平面図であり、図5はブレース14の断面図である。図4、図5に示すように、ブレース14は、芯材15と、芯材15を囲むように設けられた筒状の補剛体16とを備えた構成となっている。芯材15は、低降伏点鋼によって形成されており、その降伏応力度は、通常の鉄骨と比較して小さいものとなっている。芯材15は中央部15aが両端部15bより幅が狭まった形状のものであり、芯材15の両端部15bには軸方向に延在するリブプレート17が直角に溶接されている。
【0031】
補剛体16は、二つの溝形鋼18のフランジ18a同士をカバープレート(鋼板)19とツヅリボルト20によってそれぞれ接合し、内部に断面視矩形状の閉鎖空間21を形成するようにしたものである。これら溝形鋼18およびツヅリボルト20は、芯材15以上の降伏応力度をもつ鋼材により形成されている。二つの溝形鋼18の中間部には、軸方向と直行する方向に延在するリブプレート22が所定の間隔をあけてそれぞれ溶接されており、間隔をあけて配置されたリブプレート22の間には軸方向に延在するリブプレート23がそれぞれ溶接されている。
【0032】
閉鎖空間21には、芯材15の中央部15aが挿通されており、補剛体16と芯材15の中央部15aとの間には、ゴムパッキン(押圧材)24が、板状に形成された芯材15の両面に接するように配置されている。ゴムパッキン24は、補剛体16の長さ寸法と略同一の長さ寸法を有するものとされており、芯材15の中央部15aは、このゴムパッキン24を介して、補剛体16側から均等に押圧されている。
【0033】
図1、図4に示すように、芯材15の両端部15bは、スプライスプレート25を介して第1のガセットプレート7または第2のガセットプレート9にそれぞれ高力ボルト結合されており、芯材15の両端部15bに設けられたリブプレート17は、第1のガセットプレート7に設けられた斜め方向に延在するリブプレート8または第2のガセットプレート9に設けられた斜め方向に延在するリブプレート10にスプライスプレート25を介してそれぞれ高力ボルト結合されている。
【0034】
次に、上記した構成からなる制震構造物の施工方法について説明する。
【0035】
図1、図2、図3に示すように、まず、予め工場で、鉄骨添柱5の一方のフランジ面(柱接合面5a)に複数のシアコネクタ6をそれぞれ溶接するとともに、他方のフランジ面(ガセットプレート接合面5b)に第1のガセットプレート7を溶接する。また、第1のガセットプレート7には斜めに延在するリブプレート8を溶接する。また、第2のガセットプレート9の上端部および下端部の両隅に斜めに延在するリブプレート10をそれぞれ溶接するとともに、第2のガセットプレート9の上端部および下端部の中央に鉛直方向に延在するリブプレート11を溶接しておく。さらに、第2のガセットプレート9の中間部に水平方向に延在する水平スチフナー12をそれぞれ溶接する。
【0036】
次に、柱2および第1の梁3を形成するための図示せぬ形枠と一緒に、上記した鉄骨添柱5を柱2の側方に設置するとともに、第2のガセットプレート9を図示せぬ梁型枠内に設置する。鉄骨添柱5は、第1の梁3の端部に上下に貫通するとともに、柱接合面5aが柱2の側面と接してシアコネクタ6が図示せぬ柱形枠内に入るように配置する。また、第2のガセットプレート9は、第2の梁4の中央に上下に貫通するとともに、上下の水平スチフナー12が第2の梁4の梁上面および梁下面にそれぞれ接するように配置する。そして、図示せぬ形枠内にコンクリートを打設し、鉄骨添柱5と一体に柱2を形成するとともに、第1のガセットプレート7、鉄骨添柱5および第2のガセットプレート9と一体に第1の梁3および第2の梁4をそれぞれ形成する。
【0037】
次に、図1、図4に示すように、第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にブレース14をそれぞれ配置し、ブレース14を第2のガセットプレート9を中心にX形に配置する。第1のガセットプレート7側に向けられたブレース14の一端部は、スプライスプレート25を介して第1のガセットプレート7に接合する。突き合わされた芯材15の端部15bと第1のガセットプレート7とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25と芯材15の端部15bおよび第1のガセットプレート7とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。また、突き合わされた芯材15の端部15bに設けられたリブプレート17と第1のガセットプレート7に設けられた斜め方向に延在するリブプレート8とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25とリブプレート8、17とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。
【0038】
また、第2のガセットプレート9側に向けられたブレース14の他端部は、スプライスプレート25を介して第2のガセットプレート9に接合する。突き合わされた芯材15の端部15bと第2のガセットプレート9とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25と芯材15の端部15bおよび第2のガセットプレート9とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。また、突き合わされた芯材15の端部15bに設けられたリブプレート17と第2のガセットプレートに設けられた斜め方向に延在するリブプレート10とを2枚のスプライスプレート25で挟み込み、スプライスプレート25とリブプレート10、17とを一体に高力ボルト結合して2面摩擦接合する。
【0039】
上記した構成からなる制震構造物によれば、柱2や第1の梁3や第2の梁4の中に鉄骨材等が配置されず、ブレース14は架構フレーム13内に配置される。これによって、鉄骨材に孔開けする作業等が無くなるとともに鉄筋に干渉して柱梁配筋の邪魔になるものは無くなるため、施工を容易に行うことができるとともに鉄骨添柱5や第1、第2のガセットプレート7、9は安価に製作することができる。また、柱2と第1、第2の梁3、4との接合部であるパネルゾーン内に鉄骨材等を挿入せずに第1、第2のガセットプレート7、9が設置されるため、一つの柱2に対して2方向のブレース14をそれぞれ配置することができる。
【0040】
また、ブレース14はX形に配置されているため、力の釣り合い状態から、第1の梁3および第2の梁4に作用する軸力はほとんど無くなる。これによって、第1の梁3および第2の梁4の主筋が小径になり、或いは主筋の本数が少なり、或いは梁断面が小さくなるなどの構造の規模が縮小され、コストダウンを図ることができる。
【0041】
ブレース14は、ブレース14の軸心延長線aが鉄骨添柱5と第1の梁3との入隅部Aを通るように配置されているため、第1の梁3の軸心cとブレース14の軸心延長線aとの交点であるゲージ位置Bは、第1の梁3の軸心cと鉄骨添柱5を考慮した柱2の軸心bとの交点Cの近傍に位置され、この交点Cとゲージ位置Bとの差である偏心量は小さくなる。柱2に作用する偏心曲げモーメントは、偏心量に柱2とブレース14とが接合される部分に作用する鉛直方向のずれ剪断力を乗じた値である。したがって、ブレース14が接合される第1のガセットプレート7の突出長さを最小限に形成する際の偏心量は小さくなり、柱2に作用する偏心曲げモーメントは柱2の耐力に比べて十分に小さくすることができ、偏心曲げモーメントを無視しても問題がない構造にすることができる。
【0042】
鉄骨添柱5の柱接合面5aにはシアコネクタ6が付設され、シアコネクタ6は柱2内に定着されているため、シアコネクタ6は、鉄骨添柱5と柱2の側面との間に作用する剪断力(鉛直方向に働くずれ応力)に対抗されるとともに、鉄骨添柱5に働く水平方向の引き抜き(鉄骨添柱5に生じる曲げモーメント)に対抗される。これによって、鉄骨添柱5は柱2に強固に接合することができる。
【0043】
また、ブレース14は制震ダンパーからなっているため、芯材15が降伏した後に所定の耐力に達するとブレース14の負担力が増加しなくなり、負担力が頭打ちとなり、ブレースに接合された鉄骨添柱5や第1のガセットプレート7や第2のガセットプレート9などの負担力も頭打ちとなる。これによって、鉄骨添柱5や第1のガセットプレート7や第2のガセットプレート9などは、頭打ちされたときの荷重に耐え得るもので足り、経済的な部材を使用することでコストの軽減を図ることができる。
【0044】
また、第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9には斜めに延在するリブプレート8、10がそれぞれ直角に設けられ、ブレース14の芯材15の両端部15bにはリブプレート17がそれぞれ直角に設けられているため、第1のガセットプレート7、第2のガセットプレート9および芯材15の面外座屈はそれぞれ防止されるとともに、第1のガセットプレート7とブレース14との接合および第2のガセットプレート9とブレース14との接合は十字接合となる。これによって、各々のリブプレート8、10、17は接合機能および補剛機能の両方の機能を果たし、それぞれ別個に設ける場合に比べ部材の数量を低減することができる。
【0045】
また、鉄骨添柱5には予め工場でシアコネクタ6と第1のガセットプレート7とリブプレート8とがそれぞれ溶接され、第2のガセットプレート9には予めリブプレート10、11と水平スチフナー12とがそれぞれ溶接されるため、現場での溶接等の加工作業がなくなり、特別な技能を有する者(溶接作業員等)でなくても通常の作業員で施工することができるとともに、工期の短縮および施工精度の向上を図ることができる。また、シアコネクタ6と第1のガセットプレート7とリブプレート8とが溶接された鉄骨添柱5、およびリブプレート10、11と水平スチフナー12とが溶接された第2のガセットプレート9は、それぞれ現場に搬入され、現場合わせで取り付けられるため、施工誤差に容易に対応することができる。
【0046】
また、ブレース14は第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9に高力ボルト2面摩擦接合されているため、ブレース14の長さ誤差に対して容易に対応することができる。また、各部材(鉄骨添柱5、第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9等)は、特殊な収まりなどはなく、シンプルな構成からそれぞれなっているため、施工管理も容易にできる。さらに、各部材の重量は比較的小さいため、運搬や揚重は容易に行うことができる。
【0047】
[第2の実施の形態]
図6はラーメン構造からなる鉄筋コンクリート造の構造物100を表す断面図である。図6に示すように、構造物100のラーメン構造は、鉄筋コンクリート造の複数の柱101と、隣り合う柱101の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の梁102と、隣り合う柱101の間に架設されているとともに第1の梁102の間に架設されている第2の梁103とによって形成されている。
【0048】
隣り合う柱101の対向する側面には、第1の梁102を上下で貫通する矩形平鋼からなる埋込プレート104がそれぞれ配置されている。埋込プレート104は柱101内に埋め込まれており、第1の梁102の下方から上方まで鉛直に延在されている。埋込プレート104は柱101の側面に平行に配置されており、柱101側の埋込プレート104の面(柱接合面104a)は柱101内に位置され、柱接合面104aの反対側の埋込プレート104の面(ガセットプレート接合面104b)は柱101の側面と面一に位置されている。
【0049】
図7は埋込プレート104の斜視図である。図6、図7に示すように、埋込プレート104の柱接合面104aの上端部および下端部にはTヘッドバーからなるアンカー部材105が各二本づつ水平に突設されており、柱接合面104aの中間部には頭付きスタッドからなる複数のシアコネクタ106が水平に突設されている。複数のシアコネクタ106は鉛直方向に2列で等間隔に配列されており、複数のアンカー部材105およびシアコネクタ106は柱101内にそれぞれ定着されている。
【0050】
埋込プレート104のガセットプレート接合面104bには、鉛直方向に延在する第1のガセットプレート107が直角に溶接されている。第1のガセットプレート107は第1の梁102を上下で貫通して配置されており、第1の梁102から突出した第1のガセットプレート107の上端部および下端部には、斜めに延在するリブプレート108が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート108は、第1のガセットプレート107の両面にそれぞれ設けられており、第1の梁102の上面とガセットプレート接合面104bとの交点および第1の梁102の下面とガセットプレート接合面104bとの交点から斜めにそれぞれ配置されている。
【0051】
また、ガセットプレート接合面104bの上端部および下端部には、アンカー部材105に対応する位置にアンカー部材105の軸方向に延在する矩形鋼板からなるフランジ部材109がそれぞれ溶接されている。フランジ部材109は、第1のガセットプレート107の上端および下端にそれぞれ溶接されている。なお、図6に示す符号110は第2のガセットプレートであり、符号111はブレースである。
【0052】
上記した構成からなる制震構造物によれば、埋込プレート104の柱接合面104aには、柱101内に定着されるアンカー部材105が付設されているため、アンカー部材105の引張力によって埋込プレート104に働く水平方向の引き抜き(埋込プレート104に生じる曲げモーメント)に対抗される。これによって埋込プレート104は柱101に強固に接合することができる。
【0053】
また、ガセットプレート接合面104bには、アンカー部材105に対応する位置にフランジ部材109が付設されているため、第1のガセットプレート107に作用するブレース111の応力が円滑にアンカー部材105に伝達される。これによって、ブレース111の応力によって第1のガセットプレート107の上端に生じる応力度を緩和するとともに、アンカー部材105の応力によって埋込プレート104が曲げ変形することを防止することができる。
【0054】
また、埋込プレート104は柱101内に埋め込まれているため、埋込プレート104に接する柱101のコンクリートの圧縮力(水平方向の支圧応力)は、ブレース111の反力によって埋込プレート104の位置で柱101に作用する曲げモーメントに対抗される。また、埋込プレート104は第1の梁102内を貫通しているため、埋込プレート104に接する第1の梁102のコンクリートの圧縮力(水平方向の支圧応力)は、ブレース111の反力によって埋込プレート104の位置で柱101に作用する曲げモーメントに対抗される。これによって、アンカー部材105やシアコネクタ106の本数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0055】
また、埋込プレート104と柱101とは接しているため、両者の接している面には圧縮力に応じた摩擦抵抗が生じ、埋込プレート104と柱101との間に生じる鉛直方向のずれ剪断力に対抗される。これによって、シアコネクタ106の本数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0056】
[第3の実施の形態]
図8はラーメン構造からなる鉄筋コンクリート造の構造物200の柱201と第1の梁202との接合部(パネルゾーン203)を表す断面図である。図8に示すように、柱201の側面には、第1の梁202を上下で貫通する矩形平鋼からなるベースプレート204がそれぞれ配置されている。ベースプレート204は柱201内に埋め込まれており、第1の梁202の下方から上方まで鉛直に延在されている。ベースプレート204は柱201の側面に対向して配置されており、柱201側のベースプレート204の面(柱接合面204a)と柱101の側面との間には隙間があけられている。
【0057】
図9はベースプレート204の斜視図である。図8、図9に示すように、ベースプレート204の柱接合面204aの中央部にはH形鋼からなるアンカー部材205が水平に突設されており、アンカー部材205はパネルゾーン203内に定着されている。ベースプレート204と柱101との間に形成された隙間には、グラウト材206が介在されている。
【0058】
柱接合面204aの反対側のベースプレート204の面(ガセットプレート接合面204b)には鉛直方向に延在する第1のガセットプレート207が直角に溶接されている。第1のガセットプレート207は第1の梁202を上下で貫通して配置されており、第1の梁202から突出した第1のガセットプレート207の上端部および下端部には、斜めに延在するリブプレート208が直角にそれぞれ溶接されている。リブプレート208は、第1のガセットプレート207の両面にそれぞれ設けられており、第1の梁202の上面とガセットプレート接合面204bとの交点および第1の梁202の下面とガセットプレート接合面204bとの交点に向けて斜めにそれぞれ配置されている。
【0059】
リブプレート208の端部はベースプレート204のガセットプレート接合面204bに当接されており、リブプレート208が当接された位置に対応するベースプレート204の柱接合面204aには、アンカー部材205のフランジ部205aが当接されている。なお、図8に示す符号209はブレースであり、ブレース209の端部は第1のガセットプレート207の上端部または下端部に高力ボルト接合されている。
【0060】
上記した構成からなる制震構造物によれば、アンカー部材205はパネルゾーン203内に挿入されているため、柱201内にはその他のアンカー部材やシアコネクタなどが定着されない。これによって、パネルゾーン203を現場打ちにし、アンカー部材205をパネルゾーン203内に定着させることでベースプレート204は柱に接合され、パネルゾーン以外の柱201はPC化することができる。
【0061】
また、アンカー部材205に鉄骨材(H形鋼)を使用するため、繰り返し載荷によるブレース209と第1のガセットプレート207との接合は緩みが生じ難くなる。これによって、ブレース209の変形ロスは小さくなり制震効果が向上させることができる。また、アンカー部材205に鉄骨材(H形鋼)を使用するため、複数のスタッドやTヘッドバーを溶接する手間に比べて容易に接合される。これによって、製作コストの軽減を図ることができる。
【0062】
また、アンカー部材205は、リブプレート208が当接された位置に対応するベースプレート204の柱接合面204aにフランジ部205aが当接されるように配置されているため、ブレース209からの応力をスムーズにアンカー部材205を介して柱201に伝達することができる。
【0063】
以上、本発明に係る制震構造物の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、隣り合う柱2、101、201の間に第1の梁3、102、202および第2の梁4、103が架設されているが、本発明は、X形に配置されたブレース14、111、209の力の釣り合いにより第1の梁3、102、202および第2の梁4、103には軸力が殆ど作用しないため、梁断面を小さくすることができ、さらには第1の梁3、102、202および第2の梁4、103に替えてスラブとしてもよい。この場合、スラブも隣り合う柱の間に架設される第1、第2の横架材の概念に含まれる。
【0064】
また、上記した実施の形態では、ブレース14に低降伏点鋼を芯材15とする鋼材系の制震ダンパーを使用しているが、本発明における制震構造を構成するブレースは、極低降伏点鋼や軟鋼を芯材とする鋼材ダンパー、或いはゴムアスファルト(BRC)や高減衰ゴム等の粘弾性体のせん断抵抗を利用した粘弾性ダンパー、或いはオイルダンパーや高分子系粘性体を利用した粘性ダンパー等の各種の制震ダンパーを使用してもよい。
【0065】
また、上記した第1の実施の形態では、鉄骨添柱5は下方に位置する第2の梁4の梁上から上方に位置する第2の梁4の梁下まで鉛直に延在されているが、本発明は、鉄骨添柱5が柱2に強固に接合されるのであれば、鉄骨添柱5を短くし、第1の梁3の梁下から梁上まで延在させてもよい。これによって、鉄骨添柱5の材料費を軽減することができるとともに、鉄骨添柱5の重量を軽減することができる。
【0066】
また、上記した実施の形態では、アンカー部材105、205には、TヘッドバーやH形鋼を使用しているが、本発明は、スタッド、平鋼、山形鋼、鉄筋材およびプレートナットを使用してもよい。また、上記した実施の形態では、シアコネクタ6、106には頭付きスタッドを使用しているが、本発明は、Tヘッドバー、平鋼、山形鋼、鉄筋材およびプレートナットを使用してもよい。
【0067】
また、上記した第1、第2の実施の形態では、柱2、101、201はそれぞれ現場打設の鉄筋コンクリート躯体であるが、本発明は、柱2、101に鉄骨添柱5あるいは埋込プレート104を予め一体化したPC部材の柱としてもよい。また、上記した実施の形態では、第1の梁3、102、202は現場打設の鉄筋コンクリート躯体であるが、本発明は、鉄骨添柱5と第1のガセットプレート7、或いは埋込プレート104と第1のガセットプレート107、ベースプレート204と第1のガセットプレート207を予め一体化したPC部材の第1の梁としてもよい。また、上記した第1、第2の実施の形態では、第2の梁4、203は現場打設の躯体であるが、本発明は、第2のガセットプレート9、110を予め一体化したPC部材の第2の梁としてもよい。
【0068】
また、上記した第1の実施の形態では、架構フレーム13に第1のガセットプレート7および第2のガセットプレート9を設置した後に、第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9との間にブレース14を介装させているが、本発明は第1のガセットプレート7と第2のガセットプレート9とブレース14とを接合し、一体化したものを架構フレーム13に設置してもよい。さらに、柱2内に鋼材などが配置されないため、柱鉄筋を先組みして鉄筋籠を形成し、この鉄筋籠を現場に落とし込んでもよい。これによって、工期の短縮を図ることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した請求項1記載の制震構造物によれば、柱や第1の横架材や第2の横架材の中に鉄骨材等が配置されず、ブレースは架構フレーム内に配置されるため、鉄骨材に孔開けする作業等が無くなるとともに鉄筋に干渉して柱梁配筋の邪魔になるものは無くなり、施工を容易に行うことができるとともに接合部材や第1、第2のガセットプレートは安価に製作することができる。また、柱と第1、第2の横架材との接合部であるパネルゾーン内に鉄骨材等を挿入せずに第1、第2のガセットプレートが設置されるため、一つの柱に対して2方向のブレースをそれぞれ配置することができる。また、ブレースはX形に配置されているため、力の釣り合い状態から、第1の横架材および第2の横架材に作用する軸力はほとんど無くなるため、主筋が小径になり、或いは主筋の本数が少なり、或いは梁断面が小さくなるなどの第1の横架材および第2の横架材の構造規模が縮小され、コストダウンを図ることができる。
【0070】
また、請求項2記載の制震構造物によれば、ブレースは、ブレースの軸心延長線が接合部材と第1の横架材との入隅部を通るように配置されているため、ブレースが接合される第1のガセットプレートの突出長さは最小限にすることができるとともに、ブレースの軸心延長線が柱の軸心と第1の横架材の軸心との交点近傍を通るように配置される。これによって、第1の横架材の軸心とブレースの軸心延長線との交点であるゲージ位置は、第1の横架材の軸心と柱の軸心との交点での近傍に位置され、この交点とゲージ位置との差である偏心量は小さくなり、柱に作用する偏心曲げモーメントは柱の耐力に比べて無視しても問題がない程度に十分に小さくすることができる。
【0071】
また、請求項3記載の制震構造物によれば、接合部材の柱接合面にはシアコネクタが付設され、シアコネクタは柱内に定着されているため、シアコネクタは、接合部材と柱の側面との間に作用する剪断力(鉛直方向に働くずれ応力)に対抗されるとともに、接合部材に働く水平方向の引き抜き(接合部材に生じる曲げモーメント)に対抗され、接合部材は柱に強固に接合することができる。
【0072】
また、請求項4記載の制震構造物によれば、接合部材の柱接合面には、柱内に定着されるアンカー部材が付設されているため、アンカー部材の引張力によって接合部材に働く水平方向の引き抜き(接合部材に生じる曲げモーメント)に対抗され、接合部材は柱に強固に接合することができる。
【0073】
また、請求項5記載の制震構造物によれば、接合部材のガセットプレート接合面には、アンカー部材に対応する位置にフランジ部材が付設されているため、第1のガセットプレートに作用するブレースの応力が円滑にアンカー部材に伝達され、ブレースの応力によって接合部材が破損したり変形したりすることを防止することができる。
【0074】
また、請求項6記載の制震構造物によれば、接合部材は柱内に埋め込まれているため、接合部材に接する柱のコンクリートの圧縮力は、ブレースの反力によって埋込プレートと柱との間に生じる曲げモーメントに対抗され、アンカー部材やシアコネクタの本数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0075】
また、請求項7記載の制震構造物によれば、ブレースには制震ダンパーが使用されるため、ブレースの負担力は頭打ちとなり、ブレースが接合する第1、第2のガセットプレートや接合部材等の負担力は頭打ちされ、第1、第2のガセットプレートや接合部材等は頭打ちされたときの荷重に耐え得る強度を有する部材で足り、経済的な部材を使用することでコストの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するための全体断面図である。
【図2】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するための部分断面図である。
【図3】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するための部分断面図である。
【図4】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するためのブレースの平面図である。
【図5】本発明に係る制震構造物の第1の実施の形態を説明するためのブレースの断面図である。
【図6】本発明に係る制震構造物の第2の実施の形態を説明するための全体断面図である。
【図7】本発明に係る制震構造物の第2の実施の形態を説明するための第1のガセットプレートの斜視図である。
【図8】本発明に係る制震構造物の第3の実施の形態を説明するための全体断面図である。
【図9】本発明に係る制震構造物の第3の実施の形態を説明するための第1のガセットプレートの斜視図である。
【符号の説明】
1 構造物(制震構造物)
2、101、201 柱
3、102、202 第1の梁(第1の横架材)
4、103 第2の梁(第2の横架材)
5 鉄骨添柱(接合部材)
5a、104a、204a 柱接合面
5b、104b、204b ガセットプレート接合面
6 106 シアコネクタ
7、107、207 第1のガセットプレート
9、110 第2のガセットプレート
13 架構フレーム
14、111、209 ブレース
104 埋込プレート(接合部材)
105、205 アンカー部材
109 フランジ部材
204 ベースプレート(接合部材)
A 入隅部
a 軸心延長線
Claims (7)
- 間隔をあけて立設された鉄筋コンクリート造の複数の柱と、隣り合う該柱の間に架設されているとともに上下で間隔をあけて配置されている複数の第1の横架材と、隣り合う前記柱の間に架設されているとともに前記第1の横架材の間に配置されている第2の横架材と、隣り合う前記柱、前記第1の横架材および前記第2の横架材で形成される架構フレーム内に配置される斜めに延在するブレースとが備えられている制震構造物において、
隣り合う前記柱の対向する側面には前記第1の横架材を上下に貫通する接合部材がそれぞれ接合され、該接合部材には前記第1の横架材を上下に貫通する第1のガセットプレートが接合され、前記第2の横架材の中央部には該第2の横架材を上下に貫通する第2のガセットプレートが埋め込まれ、前記第1のガセットプレートと前記第2のガセットプレートとの間には前記ブレースがそれぞれ介装され、前記ブレースは前記第2のガセットプレートを中心にX形に配置されていることを特徴とする制震構造物。 - 請求項1記載の制震構造物において、
前記ブレースは、該ブレースの軸心延長線が前記接合部材と前記第1の横架材との入隅部を通るように配置されていることを特徴とする制震構造物。 - 請求項1または2記載の制震構造物において、
前記接合部材の前記柱側の柱接合面にはシアコネクタが付設され、該シアコネクタは前記柱内に定着されていることを特徴とする制震構造物。 - 請求項1から3のいずれかに記載の制震構造物において、
前記接合部材の前記柱側の柱接合面には、前記柱内に定着されるアンカー部材が付設されていることを特徴とする制震構造物。 - 請求項4記載の制震構造物において、
前記アンカー部材が付設された前記柱接合面の反対側の前記接合部材のガセットプレート接合面には、前記アンカー部材の軸方向に延在するフランジ部材が付設されていることを特徴とする制震構造物。 - 請求項1から5のいずれかに記載の制震構造物において、
前記接合部材は、前記柱内に埋め込まれていることを特徴とする制震構造物。 - 請求項1から6のいずれかに記載の制震構造物において、
制震構造を構成する前記ブレースには、制震ダンパーが使用されていることを特徴とする制震構造物。
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