JP2004346706A - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、部品点数を削減すると共に、より円滑なドアの開閉動作が可能な車両用ドア開閉装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、ドア52に連結されたリンク部材43と、ドア開閉駆動部30に連結されたクランクアーム41とを、自在継手を有するリンク42によって連結したドア開閉機構部40を有する車両用ドア開閉装置に関する。
リンク部材43とリンク42の連結部と、クランクアーム41とリンク42との連結部は、いずれも3次元的に回動可能なボールジョイントからなる自在継手である。ドア開閉時のドア開閉機構部40の動作において、リンク42は、ボールジョイントの回動により、直線形状を保持したままで駆動軸35の出力をリンク部材に伝達している。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明は、ドア52に連結されたリンク部材43と、ドア開閉駆動部30に連結されたクランクアーム41とを、自在継手を有するリンク42によって連結したドア開閉機構部40を有する車両用ドア開閉装置に関する。
リンク部材43とリンク42の連結部と、クランクアーム41とリンク42との連結部は、いずれも3次元的に回動可能なボールジョイントからなる自在継手である。ドア開閉時のドア開閉機構部40の動作において、リンク42は、ボールジョイントの回動により、直線形状を保持したままで駆動軸35の出力をリンク部材に伝達している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア開閉装置に係り、特にドアを開閉させるためのリンク部材を備えたドア開閉機構部と、該ドア開閉機構部を駆動させるドア開閉駆動部とを備えた車両用ドア開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗用自動車等のドアを自動式に開閉させるための車両用ドア開閉装置が考案されている。この従来技術に係る車両用ドア開閉装置には、ドア内に、モータ及び減速装置に連係されてドアの前後方向に揺動可能な揺動部材(セクター歯車)を枢着するとともに、一端が車体に枢着された押引部材の他端をセクター歯車の上端に連結して、セクター歯車をモータ駆動により前後動させることにより、押引部材を前後方向に押動し、ドアを開閉するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来例では、セクター歯車の上端に連結された押引部材の他端には、セクター歯車の上端の円弧運動の軌跡と、押引部材の直線運動との軌跡の差異(上下動)を吸収するために上下に長い長穴が設けられている。そして、第3図によれば、上記長穴はドアの厚み方向の軸によって軸支され、この軸に沿って移動自在であるため、押引部材の端部のドア幅方向の変位を吸収する構成となっている。
【0004】
また、上記従来例の改良として、揺動部材(セクターギア)とリンク部材(押引部材)との連結において、リンク部材として、一端が揺動部材に上下揺動可能に軸支された第1リンクと、一端が第1リンクの他端に上下に所定量揺動可能に軸支され、他端がリンク部材の他端にドア幅方向に揺動可能に枢着された第2リンクからなる連結機構を用いたものがある(例えば、特許文献2参照)
【0005】
特許文献2に記載の従来例は、特許文献1に記載の従来例のように、押引部材と揺動部材との連結部位に長穴を設けることなく、揺動部材とリンク部材との連結部の移動軌跡の変位を効果的に吸収することができ、円滑なドアの開閉操作が得られるというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−72184号公報(第2−3頁、第2図、第3図)
【0007】
【特許文献2】
特開平7−293106号公報(第2−3頁、図1、図7−図12)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、リンク部材(押引部材)と揺動部材(セクター歯車)の動きが円滑性に欠けるものであり、セクター歯車の動きが効率的に押引部材に伝達されていないという問題点があった。
また、上記特許文献2に記載の構成では、第1リンクの揺動と第2リンクの揺動によって変位を吸収する構成であるため、3ヶ所の可動連結部が必要となり、部品点数が多くなるという問題点があった。またこれらが組み合わされて複雑に動くため、追従がスムーズではなくロスが大きいという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動連結部の数が少なくて済み、部品点数を削減できるとともに、より円滑なドアの開閉操作が可能な車両用ドア開閉装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置によれば、車両に配設されたドアを開閉させるためのドア開閉機構部と、該ドア開閉機構部を駆動させるドア開閉駆動部と、を備えた車両用ドア開閉装置において、前記ドア開閉機構部は、車体に一端が連結されたリンク部材と、該リンク部材の他端に一端が連結された連結部材と、該連結部材の他端に一端が連結されると共に前記ドア開閉駆動部に他端が連結された駆動部材と、を備え、前記連結部材の両端部に設けられた連結部のうち少なくとも一方が自在継手であること、により解決される。
【0011】
このように、3次元的に回動可能な自在継手を介して駆動部材とリンク部材とを連結するように構成されていると、従来のように揺動可能な可動連結部を3ヶ所設けた場合よりも、個々の可動連結部の負担が少なく、かつ夫々の部材の追従がスムーズに行われてより円滑なドアの開閉操作を作り出すことが可能となる。また、可動連結部の数を減らすことができ、部品点数を削減することができる。そして、上記構成によれば、既存品の自在継手を使用することができ、また既存品のマニュアル式ドアのリンク部材を使用することができるため、部材の共用化を図ることができる。
【0012】
このとき、請求項2に記載のように、前記ドア開閉機構部は、前記ドアに一端が連結されたリンク部材と、該リンク部材の他端に一端が連結された連結部材と、該連結部材の他端に一端が連結されると共に前記ドア開閉駆動部に他端が連結された駆動部材と、を備えた構成としてもよい。すなわち、ドア開閉駆動部とドア開閉機構部を車体側、ドア側のいずれに設けてもよく、車両に応じた配置が可能である。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記自在継手は、より具体的には、ボールジョイントによって構成される。
さらに、請求項4に記載のように、前記ドア開閉機構部は、前記リンク部材の変形を防止する変形防止ガイド部材を設けると、より好適である。このような構成により、仮にリンク部材の強度が不足しても、リンク部材の変形を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0015】
図1乃至図14は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図、図2は車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図、図3は車両用ドア開閉装置を備えたドアの一部切欠側面図、図4乃至図6はドア開閉時のドア開閉機構部の動作を示す側面図、図7乃至図8はドア開閉時のドア開閉機構部の動作を示す要部水平断面図、図9は変形防止ガイド部材を備えた車両用ドア開閉装置を示す側面図、図10は内側ドアノブの構成を示す斜視図、図11は外側ドアノブの構成を示す斜視図、図12は車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図、図13は車両用ドア開閉装置における制御の流れを示すフローチャート、図14は車両用ドア開閉装置における各種信号発生状況を示す説明図である。
【0016】
(車両用ドア開閉装置の構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の構成について説明する。図12に示す符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置である。この車両用ドア開閉装置Sは、乗用自動車等の車両50(図1,図2参照)に配設され、この車両50に設けられたドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えて開閉させるためのものである。
【0017】
本実施形態に係る車両用ドア開閉装置Sは、図12に示すように、検出部10と、制御部20と、ドア開閉駆動部30と、ドア開閉機構部40から構成されている。検出部10は、後述する車両50に設けられたドア52(図1,図2参照)の操作状況に応じて得られる種々の信号を検出するためのものであり、エンコーダ11と、内側ドアハンドルスイッチ12と、外側ドアハンドルスイッチ13とから構成されている。
【0018】
エンコーダ11は、ドア52の回動軸中心に配設され、ドア52の開度に応じた数のパルスを制御部20のカウンタ23に出力することができるように構成されている。
このエンコーダ11には、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリエンコーダ等が用いられる。
なお、エンコーダ11は、絶対的な回転量に応じたパルスを出力することが可能なアブソリュート型で構成されていることが望ましい。これにより、ドア52の絶対的な開度を正確に検出することが可能となる。
【0019】
内側ドアハンドルスイッチ12は、後述する車両50のドア内側に設けられた内側ドアハンドル54(図1,図2参照)の操作態様を検出するためのものである。
この内側ドアハンドルスイッチ12は、内側ドアハンドル54が閉じている状態にあるときに、制御部20のドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、内側ドアハンドル54が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0020】
外側ドアハンドルスイッチ13は、後述する車両50のドア外側に設けられた外側ドアハンドル55(図1,図2参照)の操作態様を検出するためのものである。
この外側ドアハンドルスイッチ13は、外側ドアハンドル55が閉じている状態にあるときに、制御部20のドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、外側ドアハンドル55が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0021】
制御部20は、検出部10から得られる検出信号に基づいてドア開閉駆動部30を駆動制御するためのものであり、制御回路21と、駆動回路22とから構成されている。
制御回路21は、図示しないCPUや、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROM等を備えた演算回路で構成され、カウンタ23,ドアハンドル操作検出部24,演算処理部(不図示)を主要構成とするものである。カウンタ23は、エンコーダ11から出力されたパルス数をカウントし、このパルス数をドアの開度に換算することができるように構成されている。
【0022】
ドアハンドル操作検出部24は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号を検出することにより、内側ドアハンドル54及び外側ドアハンドル55の開操作の有無を検出することができるように構成されている。
なお、ドアハンドル操作検出部24は、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号(以下、まとめてドアハンドル操作信号と言う)に基づいて、内側ドアハンドル54又は外側ドアハンドル55のどちらが操作されたかということを判別可能に構成されていても良い。
【0023】
制御回路21は、カウンタ23によって得られるドアの開度情報と、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13から出力されるドアハンドル操作信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路22に出力することができるように構成されている。なお、制御部20の動作詳細については後述する。
駆動回路22は、ドア開閉駆動部30のモータ31およびクラッチ32を制御するためのものである。駆動回路22は、不図示のバッテリから電力供給されると共に、制御回路21から出力されたモータ制御信号に応じて、モータ31に所定のモータ電圧を印加することができるように構成されている。また、駆動回路22は、制御回路21から出力されたクラッチ制御信号に応じて、クラッチ32に励磁信号を出力することができるように構成されている。
【0024】
ドア開閉駆動部30は、ドア52をで自動式に開閉させるための駆動源となるものである。図3、図12に示すように、ドア開閉駆動部30は、モータ31と、駆動軸35を備えたクラッチ32とから構成され、車両50に設けられたドア52の内部に固設されている。
【0025】
モータ31は、例えば、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付きモータ等で構成され、駆動回路22によって印加されたモータ電圧に基づいて回転軸(不図示)を回転させる。クラッチ32は、モータ31の上端部に配設され、図12に示す駆動回路22から出力された励磁信号に応じて、ON/OFF制御される電磁クラッチで構成されている。
すなわち、クラッチ32は、ON状態にあるときに、モータ31で発生した回転力の出力軸である駆動軸35(図3参照)に伝達すると共に、OFF状態にあるときに、モータ31の回転力を上記駆動軸35に伝達しないように構成されている。
なお、ドア開閉駆動部30は、クラッチ32がON状態にあるときに自動開閉モードとなり、クラッチ32がOFF状態にあるときに手動開閉モードとなる。
【0026】
ドア開閉機構部40は、モータ31の駆動力によりドア52を開閉させるためのものである。図3に示すように、ドア開閉機構部40は、クランクアーム41と、リンク42と、リンク部材43とから構成されている。なお、上記クランクアーム41が本発明に係る駆動部材に該当し、上記リンク42が本発明に係る連結部材に該当する。
【0027】
クランクアーム41は、一端が上述した駆動軸35に連結され、他端がリンク42の一端に連結されている。リンク42の他端はリンク部材43の一端に連結され、リンク部材43の他端は支持軸44に回動可能に軸支されている。そして、支持軸44が車体側に設けられた軸受部45に連結されることにより、ドアと車体とが連係されている。なお、リンク部材43の長手方向の略中央には、ドア52に設けられたチェック部材61の内部を貫通し、後述する弾性体と係合するための隆起部43aが形成されている。
リンク42とクランクアーム41との連結部、及びリンク42とリンク部材43との連結部は、いずれもボールジョイントで構成されている。このボールジョイントは、球形面を有する回動部材を備え、該球形面がリンク42の両端に設けられた軸承部の内面に摺接され、3次元的に回動可能に構成されている。
【0028】
そして、本実施形態のドア開閉機構部40において、クラッチ32がON制御された状態でモータ31が正逆回転すると、この回転力がクラッチ32を介して駆動軸35に伝達される。そして、駆動軸35の出力により、駆動軸35との連結部を中心としてクランクアーム41が回動する。
また、図2に示すように、ドア52が全開してモータ31が停止状態にあるときでも、クラッチ32を介してドア開閉機構部40およびモータ31の負荷抵抗がドア52に掛かるようになっており、これにより、ドア52が全開位置で保持されるようになっている。
一方、クラッチ32がOFF制御された状態では、モータ31とドア開閉機構部40との接続が解除されるため、ドア52を手動で操作することが可能となる。このとき、モータ31やドア開閉機構部40の負荷がドア52に掛からないので、搭乗者は容易にドア52を開閉させることができる。
【0029】
ここで、ドア開閉機構部40のドアを開く時のドア開閉機構部40の動作について詳述する。図4乃至図6はドア開閉機構部のドア側面からみた動作説明図である。まず、ドア全閉状態において、クランクアーム41の揺動端は、図4に示すように、直立よりもドア後方に向かって傾いている。そして、駆動軸35の出力によりクランクアーム41が回動すると、図5に示すように直立状態となる。このとき、ドアは半開き状態である。そして、さらにクランクアーム41が回動すると、図6に示すように、揺動端はドア前方に向かって傾いた状態となる。このとき、ドアは全開状態である。
【0030】
すなわち、揺動端は円弧状の移動軌跡を描く。この動きに伴う揺動端の図4乃至図6における上下方向の変位は、リンク42の両端の連結部がそれぞれ矢印の方向に回動してリンク42がその変位に応じた角度(図4、図6の角度ε)で傾斜することにより吸収される。一方、揺動端の動きに伴うドア前後方向の変位はリンク部材43に伝達される。このようにして駆動軸35の出力がリンク部材43のドア前後方向の略直線運動に変換される。
つまり、クランクアーム41がドア後方に向かって回動している図4の状態では、リンク部材43がドア52内に引き込まれてドア52は全閉状態となっているが、クランクアーム41がドア前方に向かって回動すると、図6に示すようにリンク部材43がドア52の外部に押し出され、ドア52は全開状態となる。
【0031】
次に、図7乃至図8に示した水平面上の動作について説明する。図7はドア全閉状態である。この状態から、上述したようにリンク部材43がドア52の外部に押し出され、リンク部材43は後述する支持軸44を中心として回動する。それに伴い、ドア52がドアヒンジ46を中心として回動する。
【0032】
本実施例において、支持軸44とドアヒンジ46は車体幅方向に離間している。従って、図8に示すように、ドアが全開状態となれば、リンク部材43はクランクアーム41に対して相対的に平行移動されず、リンク42とリンク部材43との連結部が矢印の方向に回動され、リンク42は支持軸44とドアヒンジ46の離間距離に応じた角度(図8の角度δ)で傾いた状態となる。
なお、図8ではリンク42とリンク部材の連結部のみが回動している状態を図示しているが、本実施形態の構成では、リンク42の両端の連結部が共にボールジョイントであるため、それぞれが矢印の方向に回動し、リンク42がクランクアーム41に対して傾いた状態となることも可能である。
【0033】
以上のように、ドア開閉時において、本実施例の連結部材であるリンク42は、両端の連結部が3次元的に回動可能に構成されていることにより、直線形状を保持したままでリンク部材と揺動部材とを連係し、駆動軸の出力をリンク部材43に伝達している。
【0034】
(車両の構成)
次に、本発明の一実施形態に係る車両の構成について説明する。
図1,図2に示す符号50は、上記構成からなる車両用ドア開閉装置Sが装備された車両である。この車両50の側部には、搭乗者が乗降車するためのドア開口部51が形成されている。
ドア開口部51の車両前方側にはピラー53が配設され、ドア開口部51の車両中央側にはピラー57が配設されている。そして、ドア開口部51には、このドア開口部51を塞ぐように、ドア52が車両前方側に設けられたドアヒンジ46により開閉自在に取り付けられている。
【0035】
ドア52の内部には、図3に示すように、ドア開閉駆動部30が固設されている。また、車体側には軸受部45が設けられ、リンク部材43の端部を回動可能に軸支する支持軸44が連結されている。また、ドア52の内部には、図3乃至図6に示されているように、リンク部材43が貫通する位置にチェック部材61が固着され、チェック部材61のハウジングには弾性体(図示省略)が収納されている。
【0036】
ドア52の開閉に伴い、リンク部材43はこのチェック部材61の内部を摺動する。そして、リンク部材43の隆起部43aが上記弾性体に係合することにより、チェック部材61はその内部を貫通するリンク部材43を所定のチェック力で保持し、ドア52を半開位置で保持するようになっている。このようなチェック力を発生するリンク部材は、ドア開閉装置を備えていない手動式のドアに通常設けられる既存のリンク部材をそのまま使用することができる。
なお、リンク部材43の強度が不足する場合、図9のようにリンク部材43の上下に変形防止ガイド部材62を設け、リンク部材43の上下方向の変位を規制するようにしてもよい。
【0037】
ドア52の室内側面には、内側ドアハンドル54が配設され、ドア52の外側面には、外側ドアハンドル55が配設されている。
内側ドアハンドル54は、図10に示すように、ハンドルレバー54aを有して構成されており、このハンドルレバー54aを室内側(図10に示す矢印Aの方向)に引くと、後述するロック部56とストライカー部材58(本発明に係る保持部に相当)の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
また、図10に示すように、内側ドアハンドル54のハンドルレバー54aが引かれると、これが内側ドアハンドルスイッチ12(図12参照)によって検出され、上述のように、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるようになっている。
【0038】
外側ドアハンドル55は、図11に示すように、ハンドルレバー55aを有して構成されており、このハンドルレバー55aを車両外側(図11に示す矢印Bの方向)に引くと、後述するロック部56とストライカー部材58の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
また、図11に示すように、外側ドアハンドル55のハンドルレバー55aが引かれると、これが外側ドアハンドルスイッチ13(図12参照)によって検出され、上述のように、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるようになっている。
【0039】
ドア52の自由端側端面には、図1,図2に示すように、ロック部56が配設されており、ドア開口部51の車両中央側に配設されたピラー57には、ストライカー部材58が配設されている。
このストライカー部材58は、ドア52を閉めたときにロック部56と整合する位置に配設されている。そして、ドア52を閉めると、ロック部56がストライカー部材58に係合し、これにより、ドア52が強固に閉じた状態に保持されるように構成されている。
【0040】
(車両用ドア開閉装置の動作制御)
次に、図12乃至図14を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の動作制御について説明する。
本発明の一実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、内側ドアハンドル54又は外側ドアハンドル55(以下、まとめてドアハンドルと言う)の操作に応じて、ドア52を手動開閉可能な状態から、自動的に開閉する状態に切り替えて自動式に開閉させることが可能である。
【0041】
すなわち、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドア52が所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻すと、ドア52が自動で開閉するようになっている。また、ドアハンドルのハンドルレバーを引いたままドア52を所定の開度より大きくなるように開けると、自動開閉機能が解除され、ドア52を手動で開閉することができるようになっている。
このように、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア52を少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えることができるものである。
【0042】
以下、上述のような動作機能を有する本実施形態の車両用ドア開閉装置Sの動作処理についてさらに詳述する。なお、以下の説明は、はじめにドア52が閉まった状態にあり、搭乗者が乗車又は降車しようとするときの動作を示すものである。また、ドア開閉駆動部30は手動開閉モードにある。
【0043】
はじめに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドアハンドル開操作の検出を行う(ステップS1)。ドアハンドル開操作の検出は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13を用いて行われる。
すなわち、搭乗者が降車する際に内側ドアハンドル54のハンドルレバー54a(図10参照)を引くと、内側ドアハンドルスイッチ12からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(HIGH信号)が出力される。
【0044】
また、搭乗者が乗車する際に外側ドアハンドル55のハンドルレバー55a(図11参照)を引くと、外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(HIGH信号)が出力される。
このように、搭乗者が乗車又は降車する際に、ドアハンドルを開操作すると、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13によってドアハンドル開操作が検出され、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号が出力される。
【0045】
次に、ドアハンドル開操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS2)。ドアハンドル開操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部24において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部24において、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル閉操作信号が検出されたか否かによって、ドアハンドル開操作の有無が判断される。
そして、ドアハンドル開操作がなかったと判断した場合(ステップS2のNO)には、ステップS1およびステップS2の処理を繰り返し行う。このドアハンドル開操作の検出・判断処理は一定時間間隔(例えば、4ミリ秒毎)に行われる。
【0046】
一方、ドアハンドル開操作があったと判断した場合(ステップS2のYES)には、ドア52の開度を検出する(ステップS3:本発明に係るドア開度検出ステップに相当)。ドア52の開度検出は、エンコーダ11を用いて行う。
すなわち、搭乗者によって開けられたドア52の開度に応じた数のパルスがカウンタ23に出力され、このパルス数をカウンタ23においてカウントすることにより、ドア52の開度が算出される。
【0047】
そして、制御回路21において、カウンタ23によって算出されたドア52の検出開度が、予め設定された設定開度αより大きいか否かの判断を行う(ステップS4:本発明に係る第一ドア開度比較ステップに相当)。
ステップS4の処理において、ドア52の検出開度が設定開度αより大きいと判断した場合(ステップS4のYES)には、ステップS15の処理を行う。なお、ステップS15の処理については後述する。
一方、ドア52の検出開度が設定開度αより大きくないと判断した場合(ステップS4のNO)には、ステップS5の処理を行う。すなわち、再度、ドア52の開度の検出を行う。そして、制御回路21において、ステップS5の処理によって得られる検出開度が、「0」であるか否かの判断を行う(ステップS6)。すなわち、搭乗者がハンドルレバーを引いているにもかかわらず、ドア52を開けていないのか否かチェックを行う。
【0048】
ここで、図14は、ドアハンドル操作によって出力されるドアハンドル操作信号とドアの開度との関係を示す説明図である。図14において、上欄は、▲1▼ドア駆動準備状態となるとき(ステップS6のYES)の様子、中欄は、▲2▼ドアが自動式に開閉されるとき(ステップS11のYES)の様子、下欄は、▲3▼ドアの自動式開閉が解除されて手動式となるとき(ステップS4のYES)の様子をそれぞれ示している。
【0049】
また、各欄の上側にはドアハンドル操作信号と時間との関係が示されており、各欄の下側にはドアの開度と時間との関係が示されている。なお、開度αは、ドア52の開閉を自動式で行うか手動式で行うかの閾値であり、予め設定されるものである。また、開度Βは、ドア52を全開にしたときの値である。さらに、T1はドアハンドルレバーを引いたときのタイミングを示すものである。
そして、上述のように、搭乗者がハンドルレバーを引いているにもかかわらず、ドア52を開けていない場合には、図14の上欄に示すように、タイミングT1以降、時間が経過しても、ドアハンドル操作信号がHIGHを維持し、ドアの開度が0を維持する。従って、この場合には、ドア52の開度が0である(ドア52がほとんど開いてない)と判断される(ステップS6のYES)。
【0050】
このように、時間が経過しても、ドアハンドル操作信号がHIGHを維持し、ドアの開度が0を維持するようになっている状態では、未だにドア52が開けられていないため、搭乗者における自動式開閉にするか又は手動式開閉にするかの意思を判別することができない。従って、ドア52の自動駆動を準備した状態を維持し(ステップS7)、ステップS3の処理に戻る。
【0051】
一方、ステップS6の処理で、ドア52の開度が0でないと判断した場合(ステップS6のNO)には、ドアハンドル閉操作の検出を行う(ステップS8:本発明に係るドアハンドル操作態様変化検出ステップに相当)。
ドアハンドル閉操作の検出は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13を用いて行われる。すなわち、搭乗者が降車時に内側ドアハンドル54のハンドルレバー54a(図10参照)を引いた状態から元の状態に戻すと、内側ドアハンドルスイッチ12からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(LOW信号)が出力される。
同様に、搭乗者が乗車時に外側ドアハンドル55のハンドルレバー55a(図11参照)を引いた状態から元の状態に戻すと、外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(LOW信号)が出力される。
【0052】
このように、搭乗者が乗車又は降車する際に、ドアハンドルを閉操作すると、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13によってドアハンドル閉操作が検出され、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号が出力される。
【0053】
次に、ドアハンドル閉操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS9)。ドアハンドル閉操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部24において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部24において、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル閉操作信号が検出されたか否かによって、ドアハンドル閉操作の有無が判断される。
そして、ドアハンドル閉操作がなかったと判断した場合(ステップS9のNO)には、搭乗者が依然としてハンドルレバーを引いたままドア52を開けようとしているものと推測されるので、ステップS3〜ステップS8の処理を繰り返し行う。
【0054】
一方、ドアハンドル閉操作があったと判断した場合(ステップS9のYES)には、ドア52の開度を検出する(ステップS10)。ドア52の開度検出は、上述のように、エンコーダ11を用いて行う。
そして、搭乗者によって開けられているドア52の開度に応じた数のパルスがカウンタ23に出力され、制御回路21において、カウンタ23によって算出されたドア52の検出開度が、予め設定された設定開度α以下であるか否かの判断を行う(ステップS11)。なお、ステップS10〜S11は、本発明に係る第二ドア開度比較ステップに相当する。
【0055】
ステップS11の処理において、ドア52の検出開度が設定開度α以下であると判断した場合(ステップS11のYES)には、搭乗者がドア52の自動式開閉を希望したものと判断する。すなわち、図14の中欄に示すように、搭乗者がハンドルレバーを戻したとき、タイミングT2にて、ドアハンドル操作信号がHIGHからLOWへ立ち下がる。
このとき、ドア52の開度が開度α以下である場合には、搭乗者がドア52の自動式開閉を希望したものと判断する。なお、図14に示す開度αは、車両の動作仕様に応じて種々設定することができることは勿論であるが、この開度αは、例えば、図1に示すように、ドア52が僅かに開いているような状態にあるときのドア52の回動角度に設定されるものである。
【0056】
そして、ステップS11の処理によって搭乗者がドア52の自動式開閉を希望したものと判断した場合には、ドア52の自動開閉を開始する(ステップS12)。すなわち、制御回路21から駆動回路22へモータ制御信号およびクラッチ制御信号が出力される。
駆動回路22は、モータ制御信号に応じてモータ31に所定のモータ電圧を印加すると共に、クラッチ制御信号に応じてクラッチ32へ励磁信号を出力する。これにより、ドア開閉駆動部30が手動開閉モードから自動開閉モードに切り替わり、ドア52が自動的に開閉する(図1,図2参照)。
【0057】
次に、ドア52が十分に開閉したか否かを検出し、十分に開閉したところで、ドア52を停止させる。ここで、ドア52が十分に開閉した状態とは、例えば、図2に示すように、ドア52が車体に対して大きく開いた状態をいうものである。
そして、ドア52が自動的に開閉しているときのドア52の開度をエンコーダ11によって検出し(ステップS13)、ドア52の開度が所定の値に達したか否かの判断を行う(ステップS14)。
ドア52が十分に開閉したと判断した場合(ステップS14のYES)には、ドア52の自動的開閉動作を終了する。なお、ドア52の開度が所定の値に達したか否かの判断を別途リミットスイッチを設けて行うようにしても良い。
【0058】
このように、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドア52が所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻すと、ドア52が自動で開閉するようになっている。なお、ステップS12〜ステップS14は、本発明に係るドア自動開閉駆動ステップに相当する。
【0059】
一方、ステップS4の処理において、ドア52の検出開度が設定開度αより大きいと判断した場合(ステップS4のYES)には、ステップS15(本発明に係る自動開閉モードキャンセルステップに相当)の処理を行う。
すなわち、図14の下欄に示すように、搭乗者がハンドルレバーを引きながらドア52を開けているときに、ドア52の開度が開度αを超えた場合(すなわち、図6のタイミングT3以降、ドア52の開度が開度αを超える)、搭乗者がドア52の手動式開閉を希望したものと判断する。
そして、搭乗者がドア52の手動式開閉を希望したものと判断した場合には、ドア52の自動開閉を行わずに、ドア52の自動式開閉動作をキャンセルし(ステップS15)、直ちに終了する。すなわち、ドア開閉駆動部30は、自動開閉モードへの移行をキャンセルして手動開閉モードを維持する。これにより、搭乗者がドア52を自由に開閉させることが可能な状態になる。
【0060】
このように、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、ドアハンドルのハンドルレバーを引いたままドア52を所定の開度より大きくなるように開けると、自動開閉機能が解除され、ドア52を手動で開閉することができるようになっている。
【0061】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sによれば、上記構成により、従来のように、揺動可能な可動連結部を3ヶ所設けた場合よりも、個々の可動連結部の負担が少なく、かつ夫々の部材の追従がスムーズに行われて、より円滑なドアの開閉操作を作り出すことが可能となる。また、可動連結部の数を減らすことができ、部品点数を削減することができる。
【0062】
(ロ)また、既存品の自在継手を使用することができ、また既存品のマニュアル式ドアのリンク部材を使用することができるため、部材の共用化を図ることができる。なお、ドア開閉駆動部とドア開閉機構部を車体側、ドア側のいずれに設けてもよく、車両に応じた配置が可能である。
(ハ)そして、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sによれば、前記ドア開閉機構部は、前記リンク部材の変形を防止する変形防止ガイド部材を設けることにより、仮にリンク部材の強度が不足しても、リンク部材の変形を防止することができる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sがドアヒンジ46で回動可能に保持されるドア52を有する車両50のドア52側に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図7、図8に示す車両50の車体側にドア開閉駆動部30とドア開閉機構部40を配設し、リンク部材43を回動可能に軸支する軸受部45をドア52側に設ける構成としてもよい。
また、例えば、車両用ドア開閉装置Sは、跳ね上げ式のドアを有する車両等に用いられていても良い。さらに、自動開閉させるドアは、前席用のドアに限らず、後席用や背面ドア等であっても良い。
【0064】
(b)上記実施形態では、自在継手からなる連結部として両端にボールジョイントを有するリンク42を備えた構成としたが、本実施例に示したボールジョイントは一例にすぎず、同様な効果を奏する種々の形式の自在継手(ユニバーサルジョイント)を採用することができる。例えば、図15に示すように、夫々の中心軸が交わる2方向の回動軸を有する自在継手を使用してもよい。
【0065】
(c)上記実施形態では、ドア開閉機構部40がクランクアーム41とリンク42とリンク部材43から構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、クランクアーム41の下端部に噛合するピ二オンを有し、該ピニオンを介して駆動軸35の出力を伝達する構成であっても良い。また、駆動軸35とクランクアーム41が複数の歯車からなる減速機構を介して連結される構成であってもよい。
さらに、リンク部材43は、車体側又はドア側に設けられた支持軸44に軸支されていたが、リンク部材43と支持軸44との間に別のリンク機構を設ける構成であってもよい。
【0066】
(d)上記実施形態では、外側ドアハンドル55が、いわゆる回動式のハンドルレバー55aを有する構成となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図16に示す外側ドアハンドル255のように、プッシュボタン255aとハンドル255bとを備えた構成であっても良い。
このとき、プッシュボタン255aの押操作が、上記ハンドルレバー55aにおけるドアハンドル開操作に相当し、プッシュボタン255aの戻操作が、上記ハンドルレバー55aにおけるドアハンドル閉操作に相当するものである。
【0067】
(e)ドア52にタッチセンサや負荷センサを設け、ドア52に外部から負荷が掛かった場合に、ドア52の開閉制御が自動的に停止されるような構成であっても良い。
すなわち、図17に示すように、ドア52の自動開閉中における開度検出と共に、負荷検出(ステップS16)、検出負荷判断(ステップS17)を行い、この検出負荷判断処理にて、予め設定した負荷を超えたと判断した場合に、ドア52を停止させる(ステップS18)ようにしても良い。
このようにすると、自動開閉中のドア52に搭乗者が触れるだけでドア52の自動開閉を停止させることができる。従って、狭い駐車場に車両50を駐車した際などに有効である。
【0068】
(f)車両50のドア52の付近に音声報知装置や表示報知装置等を設け、車両用ドア開閉装置Sがドア52を自動式に開閉させている最中に、その旨を前記音声報知装置や表示報知装置等によって報知するように構成されていても良い。また、車両用ドア開閉装置Sの作動中に車両50を発進させてしまわないように、運転席等に警告灯を設けても良い。
(g)車両50のドア52の付近にドア52の開度インジケータ等を設け、この開度インジケータ等に、手動開閉モードから自動開閉モードへの切り替えまであとどれくらいの開度があるか等ということを表示しても良い。このようにしておくと、ドアハンドルの閉操作タイミングを搭乗者に報知することができ、操作性をさらに向上させることができる。
【0069】
(h)手動開閉モードから自動開閉モードへ切り替える際の閾値となる上記開度αを任意に調整できる調整機構を設け、搭乗者が操作しやすいように任意に調整することができるような構成であっても良い。また、ドア52の全開停止位置を予め設定できるような構成であっても良い。
(i)また、上記開度αは、内側ドアハンドル54を操作したときと、外側ドアハンドル55を操作したときとでそれぞれ異なる値を用いるように構成されていても良い。すなわち、降車するときと乗車するときとで、ドア52の自動開閉モードへの切替タイミングが異なるように構成されていても良い。
【0070】
(j)上記実施形態では、内側ドアハンドル54を操作して降車する場合と、外側ドアハンドル55を操作して乗車する場合において、ドア52が自動的に開閉するように構成されていたが、降車又は乗車のどちらか一方のみについてドア52を自動的に開閉させるような構成であっても良い。また、これを不図示の選択スイッチ等により、設定できるような構成であっても良い。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ドア開閉機構部において、夫々の部材の追従がスムーズに行われて、より円滑なドアの開閉操作を作り出すことができる。また、可動連結部の数を減らすことができるため、部品点数を削減することができる。さらに、既存品の部材を使用することができ、部材の共用化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置を備えたドアの一部切欠側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るドア全閉状態におけるドア開閉機構部の要部側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るドア半開き状態におけるドア開閉機構部の要部側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るドア全開状態におけるドア開閉機構部の要部側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るドア全閉状態におけるドア開閉機構部の要部水平断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るドア全開状態におけるドア開閉機構部の要部水平断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る変形防止ガイド部材を備えた車両用ドア開閉装置の側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る内側ドアノブの構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る外側ドアノブの構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における制御の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における各種信号発生状況を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る自在継手の改変例を示す説明図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルの改変例を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における制御の流れの改変例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 検出部、11 エンコーダ、12 内側ドアハンドルスイッチ、13 外側ドアハンドルスイッチ、20 制御部、21 制御回路、22 駆動回路、23 カウンタ、24 ドアハンドル操作検出部、30 ドア開閉駆動部、31 モータ、32 クラッチ、35 駆動軸、40 ドア開閉機構部、41 クランクアーム、42 リンク、43 リンク部材、43a 隆起部、44 支持軸、45 軸受部、46 ドアヒンジ、50 車両、51 ドア開口部、52 ドア、53 ピラー、54 内側ドアハンドル、54a ハンドルレバー、55 外側ドアハンドル、55a ハンドルレバー、56 ロック部、57 ピラー、58 ストライカー部材、61 チェック部材、62 変形防止ガイド部材、255 外側ドアハンドル、255b ハンドル、255a プッシュボタン、S 車両用ドア開閉装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア開閉装置に係り、特にドアを開閉させるためのリンク部材を備えたドア開閉機構部と、該ドア開閉機構部を駆動させるドア開閉駆動部とを備えた車両用ドア開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗用自動車等のドアを自動式に開閉させるための車両用ドア開閉装置が考案されている。この従来技術に係る車両用ドア開閉装置には、ドア内に、モータ及び減速装置に連係されてドアの前後方向に揺動可能な揺動部材(セクター歯車)を枢着するとともに、一端が車体に枢着された押引部材の他端をセクター歯車の上端に連結して、セクター歯車をモータ駆動により前後動させることにより、押引部材を前後方向に押動し、ドアを開閉するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来例では、セクター歯車の上端に連結された押引部材の他端には、セクター歯車の上端の円弧運動の軌跡と、押引部材の直線運動との軌跡の差異(上下動)を吸収するために上下に長い長穴が設けられている。そして、第3図によれば、上記長穴はドアの厚み方向の軸によって軸支され、この軸に沿って移動自在であるため、押引部材の端部のドア幅方向の変位を吸収する構成となっている。
【0004】
また、上記従来例の改良として、揺動部材(セクターギア)とリンク部材(押引部材)との連結において、リンク部材として、一端が揺動部材に上下揺動可能に軸支された第1リンクと、一端が第1リンクの他端に上下に所定量揺動可能に軸支され、他端がリンク部材の他端にドア幅方向に揺動可能に枢着された第2リンクからなる連結機構を用いたものがある(例えば、特許文献2参照)
【0005】
特許文献2に記載の従来例は、特許文献1に記載の従来例のように、押引部材と揺動部材との連結部位に長穴を設けることなく、揺動部材とリンク部材との連結部の移動軌跡の変位を効果的に吸収することができ、円滑なドアの開閉操作が得られるというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−72184号公報(第2−3頁、第2図、第3図)
【0007】
【特許文献2】
特開平7−293106号公報(第2−3頁、図1、図7−図12)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、リンク部材(押引部材)と揺動部材(セクター歯車)の動きが円滑性に欠けるものであり、セクター歯車の動きが効率的に押引部材に伝達されていないという問題点があった。
また、上記特許文献2に記載の構成では、第1リンクの揺動と第2リンクの揺動によって変位を吸収する構成であるため、3ヶ所の可動連結部が必要となり、部品点数が多くなるという問題点があった。またこれらが組み合わされて複雑に動くため、追従がスムーズではなくロスが大きいという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動連結部の数が少なくて済み、部品点数を削減できるとともに、より円滑なドアの開閉操作が可能な車両用ドア開閉装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置によれば、車両に配設されたドアを開閉させるためのドア開閉機構部と、該ドア開閉機構部を駆動させるドア開閉駆動部と、を備えた車両用ドア開閉装置において、前記ドア開閉機構部は、車体に一端が連結されたリンク部材と、該リンク部材の他端に一端が連結された連結部材と、該連結部材の他端に一端が連結されると共に前記ドア開閉駆動部に他端が連結された駆動部材と、を備え、前記連結部材の両端部に設けられた連結部のうち少なくとも一方が自在継手であること、により解決される。
【0011】
このように、3次元的に回動可能な自在継手を介して駆動部材とリンク部材とを連結するように構成されていると、従来のように揺動可能な可動連結部を3ヶ所設けた場合よりも、個々の可動連結部の負担が少なく、かつ夫々の部材の追従がスムーズに行われてより円滑なドアの開閉操作を作り出すことが可能となる。また、可動連結部の数を減らすことができ、部品点数を削減することができる。そして、上記構成によれば、既存品の自在継手を使用することができ、また既存品のマニュアル式ドアのリンク部材を使用することができるため、部材の共用化を図ることができる。
【0012】
このとき、請求項2に記載のように、前記ドア開閉機構部は、前記ドアに一端が連結されたリンク部材と、該リンク部材の他端に一端が連結された連結部材と、該連結部材の他端に一端が連結されると共に前記ドア開閉駆動部に他端が連結された駆動部材と、を備えた構成としてもよい。すなわち、ドア開閉駆動部とドア開閉機構部を車体側、ドア側のいずれに設けてもよく、車両に応じた配置が可能である。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記自在継手は、より具体的には、ボールジョイントによって構成される。
さらに、請求項4に記載のように、前記ドア開閉機構部は、前記リンク部材の変形を防止する変形防止ガイド部材を設けると、より好適である。このような構成により、仮にリンク部材の強度が不足しても、リンク部材の変形を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0015】
図1乃至図14は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図、図2は車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図、図3は車両用ドア開閉装置を備えたドアの一部切欠側面図、図4乃至図6はドア開閉時のドア開閉機構部の動作を示す側面図、図7乃至図8はドア開閉時のドア開閉機構部の動作を示す要部水平断面図、図9は変形防止ガイド部材を備えた車両用ドア開閉装置を示す側面図、図10は内側ドアノブの構成を示す斜視図、図11は外側ドアノブの構成を示す斜視図、図12は車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図、図13は車両用ドア開閉装置における制御の流れを示すフローチャート、図14は車両用ドア開閉装置における各種信号発生状況を示す説明図である。
【0016】
(車両用ドア開閉装置の構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の構成について説明する。図12に示す符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置である。この車両用ドア開閉装置Sは、乗用自動車等の車両50(図1,図2参照)に配設され、この車両50に設けられたドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えて開閉させるためのものである。
【0017】
本実施形態に係る車両用ドア開閉装置Sは、図12に示すように、検出部10と、制御部20と、ドア開閉駆動部30と、ドア開閉機構部40から構成されている。検出部10は、後述する車両50に設けられたドア52(図1,図2参照)の操作状況に応じて得られる種々の信号を検出するためのものであり、エンコーダ11と、内側ドアハンドルスイッチ12と、外側ドアハンドルスイッチ13とから構成されている。
【0018】
エンコーダ11は、ドア52の回動軸中心に配設され、ドア52の開度に応じた数のパルスを制御部20のカウンタ23に出力することができるように構成されている。
このエンコーダ11には、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリエンコーダ等が用いられる。
なお、エンコーダ11は、絶対的な回転量に応じたパルスを出力することが可能なアブソリュート型で構成されていることが望ましい。これにより、ドア52の絶対的な開度を正確に検出することが可能となる。
【0019】
内側ドアハンドルスイッチ12は、後述する車両50のドア内側に設けられた内側ドアハンドル54(図1,図2参照)の操作態様を検出するためのものである。
この内側ドアハンドルスイッチ12は、内側ドアハンドル54が閉じている状態にあるときに、制御部20のドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、内側ドアハンドル54が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0020】
外側ドアハンドルスイッチ13は、後述する車両50のドア外側に設けられた外側ドアハンドル55(図1,図2参照)の操作態様を検出するためのものである。
この外側ドアハンドルスイッチ13は、外側ドアハンドル55が閉じている状態にあるときに、制御部20のドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、外側ドアハンドル55が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0021】
制御部20は、検出部10から得られる検出信号に基づいてドア開閉駆動部30を駆動制御するためのものであり、制御回路21と、駆動回路22とから構成されている。
制御回路21は、図示しないCPUや、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROM等を備えた演算回路で構成され、カウンタ23,ドアハンドル操作検出部24,演算処理部(不図示)を主要構成とするものである。カウンタ23は、エンコーダ11から出力されたパルス数をカウントし、このパルス数をドアの開度に換算することができるように構成されている。
【0022】
ドアハンドル操作検出部24は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号を検出することにより、内側ドアハンドル54及び外側ドアハンドル55の開操作の有無を検出することができるように構成されている。
なお、ドアハンドル操作検出部24は、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号(以下、まとめてドアハンドル操作信号と言う)に基づいて、内側ドアハンドル54又は外側ドアハンドル55のどちらが操作されたかということを判別可能に構成されていても良い。
【0023】
制御回路21は、カウンタ23によって得られるドアの開度情報と、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13から出力されるドアハンドル操作信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路22に出力することができるように構成されている。なお、制御部20の動作詳細については後述する。
駆動回路22は、ドア開閉駆動部30のモータ31およびクラッチ32を制御するためのものである。駆動回路22は、不図示のバッテリから電力供給されると共に、制御回路21から出力されたモータ制御信号に応じて、モータ31に所定のモータ電圧を印加することができるように構成されている。また、駆動回路22は、制御回路21から出力されたクラッチ制御信号に応じて、クラッチ32に励磁信号を出力することができるように構成されている。
【0024】
ドア開閉駆動部30は、ドア52をで自動式に開閉させるための駆動源となるものである。図3、図12に示すように、ドア開閉駆動部30は、モータ31と、駆動軸35を備えたクラッチ32とから構成され、車両50に設けられたドア52の内部に固設されている。
【0025】
モータ31は、例えば、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付きモータ等で構成され、駆動回路22によって印加されたモータ電圧に基づいて回転軸(不図示)を回転させる。クラッチ32は、モータ31の上端部に配設され、図12に示す駆動回路22から出力された励磁信号に応じて、ON/OFF制御される電磁クラッチで構成されている。
すなわち、クラッチ32は、ON状態にあるときに、モータ31で発生した回転力の出力軸である駆動軸35(図3参照)に伝達すると共に、OFF状態にあるときに、モータ31の回転力を上記駆動軸35に伝達しないように構成されている。
なお、ドア開閉駆動部30は、クラッチ32がON状態にあるときに自動開閉モードとなり、クラッチ32がOFF状態にあるときに手動開閉モードとなる。
【0026】
ドア開閉機構部40は、モータ31の駆動力によりドア52を開閉させるためのものである。図3に示すように、ドア開閉機構部40は、クランクアーム41と、リンク42と、リンク部材43とから構成されている。なお、上記クランクアーム41が本発明に係る駆動部材に該当し、上記リンク42が本発明に係る連結部材に該当する。
【0027】
クランクアーム41は、一端が上述した駆動軸35に連結され、他端がリンク42の一端に連結されている。リンク42の他端はリンク部材43の一端に連結され、リンク部材43の他端は支持軸44に回動可能に軸支されている。そして、支持軸44が車体側に設けられた軸受部45に連結されることにより、ドアと車体とが連係されている。なお、リンク部材43の長手方向の略中央には、ドア52に設けられたチェック部材61の内部を貫通し、後述する弾性体と係合するための隆起部43aが形成されている。
リンク42とクランクアーム41との連結部、及びリンク42とリンク部材43との連結部は、いずれもボールジョイントで構成されている。このボールジョイントは、球形面を有する回動部材を備え、該球形面がリンク42の両端に設けられた軸承部の内面に摺接され、3次元的に回動可能に構成されている。
【0028】
そして、本実施形態のドア開閉機構部40において、クラッチ32がON制御された状態でモータ31が正逆回転すると、この回転力がクラッチ32を介して駆動軸35に伝達される。そして、駆動軸35の出力により、駆動軸35との連結部を中心としてクランクアーム41が回動する。
また、図2に示すように、ドア52が全開してモータ31が停止状態にあるときでも、クラッチ32を介してドア開閉機構部40およびモータ31の負荷抵抗がドア52に掛かるようになっており、これにより、ドア52が全開位置で保持されるようになっている。
一方、クラッチ32がOFF制御された状態では、モータ31とドア開閉機構部40との接続が解除されるため、ドア52を手動で操作することが可能となる。このとき、モータ31やドア開閉機構部40の負荷がドア52に掛からないので、搭乗者は容易にドア52を開閉させることができる。
【0029】
ここで、ドア開閉機構部40のドアを開く時のドア開閉機構部40の動作について詳述する。図4乃至図6はドア開閉機構部のドア側面からみた動作説明図である。まず、ドア全閉状態において、クランクアーム41の揺動端は、図4に示すように、直立よりもドア後方に向かって傾いている。そして、駆動軸35の出力によりクランクアーム41が回動すると、図5に示すように直立状態となる。このとき、ドアは半開き状態である。そして、さらにクランクアーム41が回動すると、図6に示すように、揺動端はドア前方に向かって傾いた状態となる。このとき、ドアは全開状態である。
【0030】
すなわち、揺動端は円弧状の移動軌跡を描く。この動きに伴う揺動端の図4乃至図6における上下方向の変位は、リンク42の両端の連結部がそれぞれ矢印の方向に回動してリンク42がその変位に応じた角度(図4、図6の角度ε)で傾斜することにより吸収される。一方、揺動端の動きに伴うドア前後方向の変位はリンク部材43に伝達される。このようにして駆動軸35の出力がリンク部材43のドア前後方向の略直線運動に変換される。
つまり、クランクアーム41がドア後方に向かって回動している図4の状態では、リンク部材43がドア52内に引き込まれてドア52は全閉状態となっているが、クランクアーム41がドア前方に向かって回動すると、図6に示すようにリンク部材43がドア52の外部に押し出され、ドア52は全開状態となる。
【0031】
次に、図7乃至図8に示した水平面上の動作について説明する。図7はドア全閉状態である。この状態から、上述したようにリンク部材43がドア52の外部に押し出され、リンク部材43は後述する支持軸44を中心として回動する。それに伴い、ドア52がドアヒンジ46を中心として回動する。
【0032】
本実施例において、支持軸44とドアヒンジ46は車体幅方向に離間している。従って、図8に示すように、ドアが全開状態となれば、リンク部材43はクランクアーム41に対して相対的に平行移動されず、リンク42とリンク部材43との連結部が矢印の方向に回動され、リンク42は支持軸44とドアヒンジ46の離間距離に応じた角度(図8の角度δ)で傾いた状態となる。
なお、図8ではリンク42とリンク部材の連結部のみが回動している状態を図示しているが、本実施形態の構成では、リンク42の両端の連結部が共にボールジョイントであるため、それぞれが矢印の方向に回動し、リンク42がクランクアーム41に対して傾いた状態となることも可能である。
【0033】
以上のように、ドア開閉時において、本実施例の連結部材であるリンク42は、両端の連結部が3次元的に回動可能に構成されていることにより、直線形状を保持したままでリンク部材と揺動部材とを連係し、駆動軸の出力をリンク部材43に伝達している。
【0034】
(車両の構成)
次に、本発明の一実施形態に係る車両の構成について説明する。
図1,図2に示す符号50は、上記構成からなる車両用ドア開閉装置Sが装備された車両である。この車両50の側部には、搭乗者が乗降車するためのドア開口部51が形成されている。
ドア開口部51の車両前方側にはピラー53が配設され、ドア開口部51の車両中央側にはピラー57が配設されている。そして、ドア開口部51には、このドア開口部51を塞ぐように、ドア52が車両前方側に設けられたドアヒンジ46により開閉自在に取り付けられている。
【0035】
ドア52の内部には、図3に示すように、ドア開閉駆動部30が固設されている。また、車体側には軸受部45が設けられ、リンク部材43の端部を回動可能に軸支する支持軸44が連結されている。また、ドア52の内部には、図3乃至図6に示されているように、リンク部材43が貫通する位置にチェック部材61が固着され、チェック部材61のハウジングには弾性体(図示省略)が収納されている。
【0036】
ドア52の開閉に伴い、リンク部材43はこのチェック部材61の内部を摺動する。そして、リンク部材43の隆起部43aが上記弾性体に係合することにより、チェック部材61はその内部を貫通するリンク部材43を所定のチェック力で保持し、ドア52を半開位置で保持するようになっている。このようなチェック力を発生するリンク部材は、ドア開閉装置を備えていない手動式のドアに通常設けられる既存のリンク部材をそのまま使用することができる。
なお、リンク部材43の強度が不足する場合、図9のようにリンク部材43の上下に変形防止ガイド部材62を設け、リンク部材43の上下方向の変位を規制するようにしてもよい。
【0037】
ドア52の室内側面には、内側ドアハンドル54が配設され、ドア52の外側面には、外側ドアハンドル55が配設されている。
内側ドアハンドル54は、図10に示すように、ハンドルレバー54aを有して構成されており、このハンドルレバー54aを室内側(図10に示す矢印Aの方向)に引くと、後述するロック部56とストライカー部材58(本発明に係る保持部に相当)の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
また、図10に示すように、内側ドアハンドル54のハンドルレバー54aが引かれると、これが内側ドアハンドルスイッチ12(図12参照)によって検出され、上述のように、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるようになっている。
【0038】
外側ドアハンドル55は、図11に示すように、ハンドルレバー55aを有して構成されており、このハンドルレバー55aを車両外側(図11に示す矢印Bの方向)に引くと、後述するロック部56とストライカー部材58の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
また、図11に示すように、外側ドアハンドル55のハンドルレバー55aが引かれると、これが外側ドアハンドルスイッチ13(図12参照)によって検出され、上述のように、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるようになっている。
【0039】
ドア52の自由端側端面には、図1,図2に示すように、ロック部56が配設されており、ドア開口部51の車両中央側に配設されたピラー57には、ストライカー部材58が配設されている。
このストライカー部材58は、ドア52を閉めたときにロック部56と整合する位置に配設されている。そして、ドア52を閉めると、ロック部56がストライカー部材58に係合し、これにより、ドア52が強固に閉じた状態に保持されるように構成されている。
【0040】
(車両用ドア開閉装置の動作制御)
次に、図12乃至図14を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の動作制御について説明する。
本発明の一実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、内側ドアハンドル54又は外側ドアハンドル55(以下、まとめてドアハンドルと言う)の操作に応じて、ドア52を手動開閉可能な状態から、自動的に開閉する状態に切り替えて自動式に開閉させることが可能である。
【0041】
すなわち、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドア52が所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻すと、ドア52が自動で開閉するようになっている。また、ドアハンドルのハンドルレバーを引いたままドア52を所定の開度より大きくなるように開けると、自動開閉機能が解除され、ドア52を手動で開閉することができるようになっている。
このように、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア52を少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えることができるものである。
【0042】
以下、上述のような動作機能を有する本実施形態の車両用ドア開閉装置Sの動作処理についてさらに詳述する。なお、以下の説明は、はじめにドア52が閉まった状態にあり、搭乗者が乗車又は降車しようとするときの動作を示すものである。また、ドア開閉駆動部30は手動開閉モードにある。
【0043】
はじめに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドアハンドル開操作の検出を行う(ステップS1)。ドアハンドル開操作の検出は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13を用いて行われる。
すなわち、搭乗者が降車する際に内側ドアハンドル54のハンドルレバー54a(図10参照)を引くと、内側ドアハンドルスイッチ12からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(HIGH信号)が出力される。
【0044】
また、搭乗者が乗車する際に外側ドアハンドル55のハンドルレバー55a(図11参照)を引くと、外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(HIGH信号)が出力される。
このように、搭乗者が乗車又は降車する際に、ドアハンドルを開操作すると、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13によってドアハンドル開操作が検出され、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号が出力される。
【0045】
次に、ドアハンドル開操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS2)。ドアハンドル開操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部24において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部24において、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル閉操作信号が検出されたか否かによって、ドアハンドル開操作の有無が判断される。
そして、ドアハンドル開操作がなかったと判断した場合(ステップS2のNO)には、ステップS1およびステップS2の処理を繰り返し行う。このドアハンドル開操作の検出・判断処理は一定時間間隔(例えば、4ミリ秒毎)に行われる。
【0046】
一方、ドアハンドル開操作があったと判断した場合(ステップS2のYES)には、ドア52の開度を検出する(ステップS3:本発明に係るドア開度検出ステップに相当)。ドア52の開度検出は、エンコーダ11を用いて行う。
すなわち、搭乗者によって開けられたドア52の開度に応じた数のパルスがカウンタ23に出力され、このパルス数をカウンタ23においてカウントすることにより、ドア52の開度が算出される。
【0047】
そして、制御回路21において、カウンタ23によって算出されたドア52の検出開度が、予め設定された設定開度αより大きいか否かの判断を行う(ステップS4:本発明に係る第一ドア開度比較ステップに相当)。
ステップS4の処理において、ドア52の検出開度が設定開度αより大きいと判断した場合(ステップS4のYES)には、ステップS15の処理を行う。なお、ステップS15の処理については後述する。
一方、ドア52の検出開度が設定開度αより大きくないと判断した場合(ステップS4のNO)には、ステップS5の処理を行う。すなわち、再度、ドア52の開度の検出を行う。そして、制御回路21において、ステップS5の処理によって得られる検出開度が、「0」であるか否かの判断を行う(ステップS6)。すなわち、搭乗者がハンドルレバーを引いているにもかかわらず、ドア52を開けていないのか否かチェックを行う。
【0048】
ここで、図14は、ドアハンドル操作によって出力されるドアハンドル操作信号とドアの開度との関係を示す説明図である。図14において、上欄は、▲1▼ドア駆動準備状態となるとき(ステップS6のYES)の様子、中欄は、▲2▼ドアが自動式に開閉されるとき(ステップS11のYES)の様子、下欄は、▲3▼ドアの自動式開閉が解除されて手動式となるとき(ステップS4のYES)の様子をそれぞれ示している。
【0049】
また、各欄の上側にはドアハンドル操作信号と時間との関係が示されており、各欄の下側にはドアの開度と時間との関係が示されている。なお、開度αは、ドア52の開閉を自動式で行うか手動式で行うかの閾値であり、予め設定されるものである。また、開度Βは、ドア52を全開にしたときの値である。さらに、T1はドアハンドルレバーを引いたときのタイミングを示すものである。
そして、上述のように、搭乗者がハンドルレバーを引いているにもかかわらず、ドア52を開けていない場合には、図14の上欄に示すように、タイミングT1以降、時間が経過しても、ドアハンドル操作信号がHIGHを維持し、ドアの開度が0を維持する。従って、この場合には、ドア52の開度が0である(ドア52がほとんど開いてない)と判断される(ステップS6のYES)。
【0050】
このように、時間が経過しても、ドアハンドル操作信号がHIGHを維持し、ドアの開度が0を維持するようになっている状態では、未だにドア52が開けられていないため、搭乗者における自動式開閉にするか又は手動式開閉にするかの意思を判別することができない。従って、ドア52の自動駆動を準備した状態を維持し(ステップS7)、ステップS3の処理に戻る。
【0051】
一方、ステップS6の処理で、ドア52の開度が0でないと判断した場合(ステップS6のNO)には、ドアハンドル閉操作の検出を行う(ステップS8:本発明に係るドアハンドル操作態様変化検出ステップに相当)。
ドアハンドル閉操作の検出は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13を用いて行われる。すなわち、搭乗者が降車時に内側ドアハンドル54のハンドルレバー54a(図10参照)を引いた状態から元の状態に戻すと、内側ドアハンドルスイッチ12からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(LOW信号)が出力される。
同様に、搭乗者が乗車時に外側ドアハンドル55のハンドルレバー55a(図11参照)を引いた状態から元の状態に戻すと、外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(LOW信号)が出力される。
【0052】
このように、搭乗者が乗車又は降車する際に、ドアハンドルを閉操作すると、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13によってドアハンドル閉操作が検出され、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号が出力される。
【0053】
次に、ドアハンドル閉操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS9)。ドアハンドル閉操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部24において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部24において、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル閉操作信号が検出されたか否かによって、ドアハンドル閉操作の有無が判断される。
そして、ドアハンドル閉操作がなかったと判断した場合(ステップS9のNO)には、搭乗者が依然としてハンドルレバーを引いたままドア52を開けようとしているものと推測されるので、ステップS3〜ステップS8の処理を繰り返し行う。
【0054】
一方、ドアハンドル閉操作があったと判断した場合(ステップS9のYES)には、ドア52の開度を検出する(ステップS10)。ドア52の開度検出は、上述のように、エンコーダ11を用いて行う。
そして、搭乗者によって開けられているドア52の開度に応じた数のパルスがカウンタ23に出力され、制御回路21において、カウンタ23によって算出されたドア52の検出開度が、予め設定された設定開度α以下であるか否かの判断を行う(ステップS11)。なお、ステップS10〜S11は、本発明に係る第二ドア開度比較ステップに相当する。
【0055】
ステップS11の処理において、ドア52の検出開度が設定開度α以下であると判断した場合(ステップS11のYES)には、搭乗者がドア52の自動式開閉を希望したものと判断する。すなわち、図14の中欄に示すように、搭乗者がハンドルレバーを戻したとき、タイミングT2にて、ドアハンドル操作信号がHIGHからLOWへ立ち下がる。
このとき、ドア52の開度が開度α以下である場合には、搭乗者がドア52の自動式開閉を希望したものと判断する。なお、図14に示す開度αは、車両の動作仕様に応じて種々設定することができることは勿論であるが、この開度αは、例えば、図1に示すように、ドア52が僅かに開いているような状態にあるときのドア52の回動角度に設定されるものである。
【0056】
そして、ステップS11の処理によって搭乗者がドア52の自動式開閉を希望したものと判断した場合には、ドア52の自動開閉を開始する(ステップS12)。すなわち、制御回路21から駆動回路22へモータ制御信号およびクラッチ制御信号が出力される。
駆動回路22は、モータ制御信号に応じてモータ31に所定のモータ電圧を印加すると共に、クラッチ制御信号に応じてクラッチ32へ励磁信号を出力する。これにより、ドア開閉駆動部30が手動開閉モードから自動開閉モードに切り替わり、ドア52が自動的に開閉する(図1,図2参照)。
【0057】
次に、ドア52が十分に開閉したか否かを検出し、十分に開閉したところで、ドア52を停止させる。ここで、ドア52が十分に開閉した状態とは、例えば、図2に示すように、ドア52が車体に対して大きく開いた状態をいうものである。
そして、ドア52が自動的に開閉しているときのドア52の開度をエンコーダ11によって検出し(ステップS13)、ドア52の開度が所定の値に達したか否かの判断を行う(ステップS14)。
ドア52が十分に開閉したと判断した場合(ステップS14のYES)には、ドア52の自動的開閉動作を終了する。なお、ドア52の開度が所定の値に達したか否かの判断を別途リミットスイッチを設けて行うようにしても良い。
【0058】
このように、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドア52が所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻すと、ドア52が自動で開閉するようになっている。なお、ステップS12〜ステップS14は、本発明に係るドア自動開閉駆動ステップに相当する。
【0059】
一方、ステップS4の処理において、ドア52の検出開度が設定開度αより大きいと判断した場合(ステップS4のYES)には、ステップS15(本発明に係る自動開閉モードキャンセルステップに相当)の処理を行う。
すなわち、図14の下欄に示すように、搭乗者がハンドルレバーを引きながらドア52を開けているときに、ドア52の開度が開度αを超えた場合(すなわち、図6のタイミングT3以降、ドア52の開度が開度αを超える)、搭乗者がドア52の手動式開閉を希望したものと判断する。
そして、搭乗者がドア52の手動式開閉を希望したものと判断した場合には、ドア52の自動開閉を行わずに、ドア52の自動式開閉動作をキャンセルし(ステップS15)、直ちに終了する。すなわち、ドア開閉駆動部30は、自動開閉モードへの移行をキャンセルして手動開閉モードを維持する。これにより、搭乗者がドア52を自由に開閉させることが可能な状態になる。
【0060】
このように、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、ドアハンドルのハンドルレバーを引いたままドア52を所定の開度より大きくなるように開けると、自動開閉機能が解除され、ドア52を手動で開閉することができるようになっている。
【0061】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sによれば、上記構成により、従来のように、揺動可能な可動連結部を3ヶ所設けた場合よりも、個々の可動連結部の負担が少なく、かつ夫々の部材の追従がスムーズに行われて、より円滑なドアの開閉操作を作り出すことが可能となる。また、可動連結部の数を減らすことができ、部品点数を削減することができる。
【0062】
(ロ)また、既存品の自在継手を使用することができ、また既存品のマニュアル式ドアのリンク部材を使用することができるため、部材の共用化を図ることができる。なお、ドア開閉駆動部とドア開閉機構部を車体側、ドア側のいずれに設けてもよく、車両に応じた配置が可能である。
(ハ)そして、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sによれば、前記ドア開閉機構部は、前記リンク部材の変形を防止する変形防止ガイド部材を設けることにより、仮にリンク部材の強度が不足しても、リンク部材の変形を防止することができる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sがドアヒンジ46で回動可能に保持されるドア52を有する車両50のドア52側に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図7、図8に示す車両50の車体側にドア開閉駆動部30とドア開閉機構部40を配設し、リンク部材43を回動可能に軸支する軸受部45をドア52側に設ける構成としてもよい。
また、例えば、車両用ドア開閉装置Sは、跳ね上げ式のドアを有する車両等に用いられていても良い。さらに、自動開閉させるドアは、前席用のドアに限らず、後席用や背面ドア等であっても良い。
【0064】
(b)上記実施形態では、自在継手からなる連結部として両端にボールジョイントを有するリンク42を備えた構成としたが、本実施例に示したボールジョイントは一例にすぎず、同様な効果を奏する種々の形式の自在継手(ユニバーサルジョイント)を採用することができる。例えば、図15に示すように、夫々の中心軸が交わる2方向の回動軸を有する自在継手を使用してもよい。
【0065】
(c)上記実施形態では、ドア開閉機構部40がクランクアーム41とリンク42とリンク部材43から構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、クランクアーム41の下端部に噛合するピ二オンを有し、該ピニオンを介して駆動軸35の出力を伝達する構成であっても良い。また、駆動軸35とクランクアーム41が複数の歯車からなる減速機構を介して連結される構成であってもよい。
さらに、リンク部材43は、車体側又はドア側に設けられた支持軸44に軸支されていたが、リンク部材43と支持軸44との間に別のリンク機構を設ける構成であってもよい。
【0066】
(d)上記実施形態では、外側ドアハンドル55が、いわゆる回動式のハンドルレバー55aを有する構成となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図16に示す外側ドアハンドル255のように、プッシュボタン255aとハンドル255bとを備えた構成であっても良い。
このとき、プッシュボタン255aの押操作が、上記ハンドルレバー55aにおけるドアハンドル開操作に相当し、プッシュボタン255aの戻操作が、上記ハンドルレバー55aにおけるドアハンドル閉操作に相当するものである。
【0067】
(e)ドア52にタッチセンサや負荷センサを設け、ドア52に外部から負荷が掛かった場合に、ドア52の開閉制御が自動的に停止されるような構成であっても良い。
すなわち、図17に示すように、ドア52の自動開閉中における開度検出と共に、負荷検出(ステップS16)、検出負荷判断(ステップS17)を行い、この検出負荷判断処理にて、予め設定した負荷を超えたと判断した場合に、ドア52を停止させる(ステップS18)ようにしても良い。
このようにすると、自動開閉中のドア52に搭乗者が触れるだけでドア52の自動開閉を停止させることができる。従って、狭い駐車場に車両50を駐車した際などに有効である。
【0068】
(f)車両50のドア52の付近に音声報知装置や表示報知装置等を設け、車両用ドア開閉装置Sがドア52を自動式に開閉させている最中に、その旨を前記音声報知装置や表示報知装置等によって報知するように構成されていても良い。また、車両用ドア開閉装置Sの作動中に車両50を発進させてしまわないように、運転席等に警告灯を設けても良い。
(g)車両50のドア52の付近にドア52の開度インジケータ等を設け、この開度インジケータ等に、手動開閉モードから自動開閉モードへの切り替えまであとどれくらいの開度があるか等ということを表示しても良い。このようにしておくと、ドアハンドルの閉操作タイミングを搭乗者に報知することができ、操作性をさらに向上させることができる。
【0069】
(h)手動開閉モードから自動開閉モードへ切り替える際の閾値となる上記開度αを任意に調整できる調整機構を設け、搭乗者が操作しやすいように任意に調整することができるような構成であっても良い。また、ドア52の全開停止位置を予め設定できるような構成であっても良い。
(i)また、上記開度αは、内側ドアハンドル54を操作したときと、外側ドアハンドル55を操作したときとでそれぞれ異なる値を用いるように構成されていても良い。すなわち、降車するときと乗車するときとで、ドア52の自動開閉モードへの切替タイミングが異なるように構成されていても良い。
【0070】
(j)上記実施形態では、内側ドアハンドル54を操作して降車する場合と、外側ドアハンドル55を操作して乗車する場合において、ドア52が自動的に開閉するように構成されていたが、降車又は乗車のどちらか一方のみについてドア52を自動的に開閉させるような構成であっても良い。また、これを不図示の選択スイッチ等により、設定できるような構成であっても良い。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ドア開閉機構部において、夫々の部材の追従がスムーズに行われて、より円滑なドアの開閉操作を作り出すことができる。また、可動連結部の数を減らすことができるため、部品点数を削減することができる。さらに、既存品の部材を使用することができ、部材の共用化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置を備えたドアの一部切欠側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るドア全閉状態におけるドア開閉機構部の要部側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るドア半開き状態におけるドア開閉機構部の要部側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るドア全開状態におけるドア開閉機構部の要部側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るドア全閉状態におけるドア開閉機構部の要部水平断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るドア全開状態におけるドア開閉機構部の要部水平断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る変形防止ガイド部材を備えた車両用ドア開閉装置の側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る内側ドアノブの構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る外側ドアノブの構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における制御の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における各種信号発生状況を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る自在継手の改変例を示す説明図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルの改変例を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における制御の流れの改変例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 検出部、11 エンコーダ、12 内側ドアハンドルスイッチ、13 外側ドアハンドルスイッチ、20 制御部、21 制御回路、22 駆動回路、23 カウンタ、24 ドアハンドル操作検出部、30 ドア開閉駆動部、31 モータ、32 クラッチ、35 駆動軸、40 ドア開閉機構部、41 クランクアーム、42 リンク、43 リンク部材、43a 隆起部、44 支持軸、45 軸受部、46 ドアヒンジ、50 車両、51 ドア開口部、52 ドア、53 ピラー、54 内側ドアハンドル、54a ハンドルレバー、55 外側ドアハンドル、55a ハンドルレバー、56 ロック部、57 ピラー、58 ストライカー部材、61 チェック部材、62 変形防止ガイド部材、255 外側ドアハンドル、255b ハンドル、255a プッシュボタン、S 車両用ドア開閉装置
Claims (4)
- 車両に配設されたドアを開閉させるためのドア開閉機構部と、該ドア開閉機構部を駆動させるドア開閉駆動部と、を備えた車両用ドア開閉装置において、
前記ドア開閉機構部は、車体に一端が連結されたリンク部材と、該リンク部材の他端に一端が連結された連結部材と、該連結部材の他端に一端が連結されると共に前記ドア開閉駆動部に他端が連結された駆動部材と、を備え、
前記連結部材の両端部に設けられた連結部のうち少なくとも一方が自在継手であることを特徴とする車両用ドア開閉装置。 - 車両に配設されたドアを開閉させるためのドア開閉機構部と、該ドア開閉機構部を駆動させるドア開閉駆動部と、を備えた車両用ドア開閉装置において、
前記ドア開閉機構部は、前記ドアに一端が連結されたリンク部材と、該リンク部材の他端に一端が連結された連結部材と、該連結部材の他端に一端が連結されると共に前記ドア開閉駆動部に他端が連結された駆動部材と、を備え、
前記連結部材の両端部に設けられた連結部のうち少なくとも一方が自在継手であることを特徴とする車両用ドア開閉装置。 - 前記自在継手は、ボールジョイントからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア開閉装置。
- 前記ドア開閉機構部には、前記リンク部材の変形を防止する変形防止ガイド部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドア開閉装置。
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