JP2004347801A - 光ファイバ補強スリーブ及び光ファイバ補強方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバへの通し忘れを防止すると共にスリーブ内へゴミを拾うことがない光ファイバ補強スリーブを提供する。
【解決手段】光ファイバ補強スリーブ1は、一端から他端にかけて設けられた断面凹形状の光ファイバ収容用収容部Sを有するホットメルト5と、収容部Sに設けられた一条のテンションメンバ3とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ補強スリーブ1は、一端から他端にかけて設けられた断面凹形状の光ファイバ収容用収容部Sを有するホットメルト5と、収容部Sに設けられた一条のテンションメンバ3とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの融着接続部とその近傍を保護する光ファイバ補強スリーブ及び光ファイバ補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常複数の光ファイバを接続する場合は、光ファイバの被覆を除去し、融着接続装置と呼ばれる装置によって裸光ファイバの端面同士をアーク放電によって融着接続する。融着接続された融着接続点及び裸光ファイバは、強度が十分では無いため光ファイバ補強スリーブと呼ばれる補強用具で融着接続点と裸光ファイバを保護及び補強する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来の光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0004】
図6に示すように、従来の光ファイバ補強スリーブ100は、概略円筒状の外チューブ140と、外チューブ140の内側に設けられている内チューブ(ホットメルト)160と、金属等から成るテンションメンバ120とを具備する。
【0005】
図7は、従来の光ファイバ補強スリーブによる補強作業を説明する説明図である。
【0006】
図7(a)に示すように従来の光ファイバ補強スリーブ100は筒状であるため、予め光ファイバ補強スリーブ100を融着接続される一対の光ファイバ200の一方に通しておく必要がある。融着接続作業終了後、図7(a)の矢印方向に光ファイバ補強スリーブ100を移動させる。
【0007】
次に、図7(b)に示すように融着接続点Mと光ファイバ補強スリーブ100の長手方向中央Cとを一致させる。この後、図示しない加熱装置で光ファイバ補強スリーブ100を収縮させて、裸光ファイバ200bと被覆部200aを補強及び保護する。
【0008】
【特許文献1】
特公昭64−32208号公報(第1−4頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、筒状の形状を有した従来の光ファイバ補強スリーブでは、予め融着接続前に光ファイバ補強スリーブを光ファイバに通しておかなければならなかった。光ファイバ補強スリーブを通し忘れたまま融着接続作業を行うと、融着接続部を切断し、光ファイバ補強スリーブを一方の光ファイバに通した後再度融着接続作業を行わなければならなかった。
【0010】
また、融着接続作業終了後に光ファイバ補強スリーブの長手方向中央と融着接続点を一致させる際に、光ファイバの被覆部の表面に付着しているゴミを光ファイバ補強スリーブ内に取り込んでしまう場合もあった。ゴミを内部に取り込んだ光ファイバ補強スリーブを加熱収縮させて補強された光ファイバを使用すると、接続損失増加などの不具合が生じるという問題もあった。
【0011】
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、光ファイバへの通し忘れを防止すると共に光ファイバ補強スリーブ内へゴミを拾うことがない光ファイバ補強スリーブ及び光ファイバ補強方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、一端から他端に一条の光ファイバ収容用凹部を有する概略円柱形状の熱収縮部材と、収容用凹部の底部に配された一条の補強部材と、を具備する光ファイバ補強スリーブを要旨とする。
【0013】
また本発明の請求項2は、請求項1記載の光ファイバ補強スリーブであって、前記光ファイバ収容用凹部の開口側端部から底部までの距離は、前記開口側端部から当該光ファイバ補強スリーブの中心までの距離よりも大きく設定され、前記中心に光ファイバが収容され、この収容された光ファイバと前記光ファイバ収容用凹部の底部との間に前記補強部材が配されることを要旨とする。
【0014】
また本発明の請求項3は、一端から他端にかけて一条の光ファイバ収容用凹部及び補強部材を備えた光ファイバ補強スリーブとこの補強スリーブを加熱する加熱装置とを使用した光ファイバ補強方法であって、融着接続された光ファイバの融着接続部に対して概略鉛直方向から、融着接続部と光ファイバ補強スリーブの長手方向中央とを一致させながら前記光ファイバを前記光ファイバ収容用凹部に収容し、加熱装置に移動後、光ファイバ補強スリーブの一端から他端にかけて加熱して前記補強スリーブを加熱収縮することで前記光ファイバ収容用凹部と光ファイバとの間の空気を除去しつつ光ファイバの融着接続部及びその近傍を補強することを特徴とする光ファイバ補強方法を要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0016】
<光ファイバ補強スリーブ>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0017】
図1(a)に示すように、概略円柱形状の光ファイバ補強スリーブ1は、断面凹形状の光ファイバ収容用の収容部Sを有するホットメルト5(熱収縮部材)と、収容部Sに設けられた一条のテンションメンバ3(補強部材)と、を具備する。テンションメンバ3は、加熱装置の熱量では溶融しない程度の耐熱特性を有する金属等から成り、加熱収縮後に光ファイバ50を補強する。収容部Sは互いに対向する面Sa、Sbと底部Scとで画成される空間である。また収容部Sは、ホットメルト5に設けられているので、後述する加熱装置の熱で溶融し、光ファイバ50に融着される際に、収容部Sの互いに対向する面SaとSbが溶融し一体となる。なお、図1に示す光ファイバ補強スリーブ1は、単心の光ファイバ50を補強することを想定している。
【0018】
図1(b)は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ補強スリーブを光ファイバに装着する方法を示した説明図である。従来の光ファイバ補強スリーブと異なり、光ファイバ補強スリーブ1は融着接続が終了した後に、光ファイバ50の鉛直下方または上方から光ファイバ補強スリーブ1を装着する。なお、光ファイバ補強スリーブ1を光ファイバ50に装着する際は、光ファイバ補強スリーブ1の長手方向中央C1を光ファイバ50の融着接続点M1に一致させるようにする。
【0019】
また図1(a)に示すようように、光ファイバ50は収容部Sにおいて光ファイバ補強スリーブ1の中心Pに概略位置するように収容される。即ち、収容部Sの開口Sdから底部Scまでの距離は、開口Sdから光ファイバ補強スリーブ1の中心Pまでの距離よりも大きくなるように設定されている。このようにしておくことで、加熱補強作業が終了された後、光ファイバ50が光ファイバ補強スリーブ1の中心に位置し、加熱後の光ファイバ補強スリーブ1の形状も光ファイバ50を中心とする概略円形となり、強度も均一となる。
【0020】
図2は、本発明の第2実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0021】
図2(a)及び図2(b)示す光ファイバ補強スリーブ20は、多心テープ状の光ファイバを補強する為の補強用具である。
【0022】
図2(a)に示すように、光ファイバ補強スリーブ20は、ホットメルト26と、テンションメンバ22とを具備する。ホットメルト26は、底部24と、この底部から起立する一対の互いに対向する起立面20a、20bとで画成される空間SAを有する。光ファイバ補強スリーブ20は多心テープ状の光ファイバ50Aを補強することを想定されているため、テンションメンバ22も単心用のものと比較して幅広のものが使用される。
【0023】
図2(b)は、上述した光ファイバ補強スリーブ20を融着接続が終了した多心テープ状の光ファイバ50Aに装着する方法を示した図である。先述の光ファイバ補強スリーブ1と同様に、光ファイバ50Aの鉛直方向から光ファイバ補強スリーブ20の長手方向中央C2と融着接続点M2とを合わせつつ光ファイバ補強スリーブ20を光ファイバ50Aに装着する。この後ここでは図示しない加熱装置に移動して加熱補強作業を行う。加熱が行われると、ホットメルト26の起立面22a、22bが溶融し互いに一体化しつつ光ファイバ50Aとテンションメンバ22を固着する。
【0024】
図3は、本発明の第3実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0025】
図3(a)に示す光ファイバ補強スリーブ30は、互いに別体で設けられたホットメルト30a及びホットメルト30bと、これらホットメルト30a、30bに狭着されるテンションメンバ32と、を具備する。
【0026】
図3(b)では、上述した光ファイバ補強スリーブ30を融着接続が終了した多心テープ状の光ファイバ50Aに装着する場合を示している。この場合も、融着接続点M2にホットメルト30a、30bの長手方向中央C3を合わせつつテンションメンバ32と光ファイバ50Aをホットメルト30a、30bで狭持する。この後、ここでは図示しない加熱装置に移動させ、加熱装置が供給する熱によってホットメルト30a、30bが溶融され、テンションメンバ32と光ファイバ50Aが固着される。
【0027】
なお光ファイバ補強スリーブ30は、多心テープ状の光ファイバでも単心の光ファイバでも対応可能である。その際は、適宜使用する光ファイバの種類に応じて、テンションメンバの寸法を変更すればよい。
【0028】
<加熱装置及び加熱補強作業>
図4は、本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の概略図である。
【0029】
以下、光ファイバ補強スリーブ1と単心の光ファイバ50とを使用した場合の加熱補強作業を例に説明するが、上述した多心テープ状の光ファイバ50Aを使用した場合でも同様の装置及び作業である。
【0030】
図4(a)は、本発明の補強スリーブを加熱する加熱装置の横断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB断面図である。
【0031】
図4(b)に示すように、加熱装置40は、互いに脱着可能な本体40a、40bを具備する。本体40a、40bが互いに組み合わされた状態で、光ファイバ50に装着された光ファイバ補強スリーブ1を収容する空間である加熱部43が形成される。また本体40a、40bにはそれぞれヒータ44が設けられており、このヒータ44がホットメルト5を溶融する熱源である。ヒータ44には、フィルムヒータなどが使用される。加熱装置の加熱部43では円形状の光ファイバ補強スリーブ1を全方位から均一に加熱する必要があるので、ヒータ44自身も円形状に配置されることが望ましい。フィルムヒータは薄板状の加熱用具であり、図4(b)に示すように、加熱部43の形状に合わせて湾曲させることが可能である。
【0032】
図4(a)に示すように加熱装置40は光ファイバ50に装着された加熱光ファイバ補強スリーブ1を装置内部に送り出す少なくとも一対のローラ42を更に備えている。
【0033】
図4(a)に示すように、光ファイバ50及び加熱光ファイバ補強スリーブ1は加熱装置40の一端から加熱用ヒータが設けられた加熱部43内にローラ42によって図面矢印A方向に送り出される。加熱部43は入り口側直径(d1)と出口側直径(d2)が異なるように設定されており、d1>d2である。加熱部43内のヒータ44で溶融されたホットメルト5は形状が加熱部43に応じて変形可能であるので、ローラ42で送り出されるに従い、光ファイバ補強スリーブ1の直径はd1に概略等しくなり、テンションメンバ3と融着接続点M1とその近傍をホットメルト5が固着したのち、徐々に冷やされながら加熱装置40から排出される。
【0034】
加熱を行う際は上記したように、一方から他方にかけて徐々に加熱作業を行うことが望ましい。このようにすることで、一方から他方に掛けて図4(a)の矢印Bで示すように徐々に光ファイバ補強スリーブ1の収容部Sと光ファイバ50との間に存在する空気を入り口側から追い出すことができる。
【0035】
図5は、本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の別の実施形態を示す概略図である。
【0036】
図5(a)に示すように、加熱装置60は、第1フィルムヒータ63を備え図示しない駆動系によって移動自在なヒータ基部62と、一端から他端にかけて設けられ光ファイバを収容する収容部66及び第2フィルムヒータ(後述)を具備する本体65と、を具備する。ヒータ基部62は図に示す矢印方向に装置一端から他端にかけて光ファイバ50及び光ファイバ補強スリーブ1を加熱する。
【0037】
図5(b)は、図5(a)に示した加熱装置のVB−VB断面図である。図5(b)に示すように、光ファイバ50及び光ファイバ補強スリーブ50は周囲を第1及び第2フィルムヒータ67で囲われ、これらフィルムヒータ63、67からの熱によってホットメルト5が溶融され、起立部Sa及びSbが溶融されつつ自身の自重で互いに接近し、ついには一体化し収容部Sが無くなる。この結果テンションメンバ3及び光ファイバ50が固着される。この際も、図4に示した加熱装置40同様に、一端から他端にかけて加熱が行われることで、光ファイバ50及び光ファイバ補強スリーブ1の収容部Sとの間の空気が除去されながら補強される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の光ファイバ補強スリーブは、光ファイバ収容部を光ファイバ補強スリーブ一端から他端にかけて設けた一条の凹形状にしたため、融着接続前に予め補強部材を光ファイバに通しておく必要がない。
【0039】
また、補強部材を光ファイバに装着させる際に、これまでのように光ファイバに対して平行にスライドさせながら装着する必要がなく、光ファイバに対して概略鉛直方向から装着するため、光ファイバ被覆上のゴミを光ファイバ補強スリーブ内に拾うことが無い。
【0040】
また、これまの光ファイバ補強スリーブと異なり外チューブを必要としない簡単な構成であるから低コストで済む。
【0041】
また請求項2記載の光ファイバ補強スリーブによれば、光ファイバ補強スリーブに設けた収容用凹部の収容開口から底部までの距離を光ファイバ補強スリーブの半径よりも大きくしたので、光ファイバを光ファイバ補強スリーブの中心部近傍に収容可能であり、光ファイバの周囲に均一にホットメルトを固着させることができる。
【0042】
また請求項3記載の補強方法によれば、光ファイバ補強スリーブに一条の凹部が設けられているので、融着接続作業終了後に光ファイバと鉛直方向から光ファイバ補強スリーブを装着できる。このため、光ファイバ被覆表面のゴミを拾う心配もない上、光ファイバ表面をスライドさせる必要が無いので、光ファイバ表面を傷つける心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図3】本発明の第3実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図4】本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の概略図。
【図5】本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の別の実施形態を示す概念図。
【図6】従来の光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図7】従来の光ファイバ補強スリーブによる補強作業を説明する説明図。
【符号の説明】
1…光ファイバ補強スリーブ
3…テンションメンバ
20…光ファイバ補強スリーブ
22…テンションメンバ
30…光ファイバ補強スリーブ
30a…第1ホットメルト
30b…第2ホットメルト
32…テンションメンバ
40…加熱装置
42…ローラ
40…加熱装置
43…加熱部
44…ヒータ
5…ホットメルト
50…光ファイバ
50a…被覆部
50b…裸光ファイバ
60…加熱装置
62…U字状ヒータ
63…フィルムヒータ
65…支持台
100…光ファイバ補強スリーブ
120…テンションメンバ
140…外チューブ
160…内チューブ
200…光ファイバ
200a…被覆部
200b…裸光ファイバ
P…光ファイバ補強スリーブの中心
S…収容部
SA…収容部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの融着接続部とその近傍を保護する光ファイバ補強スリーブ及び光ファイバ補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常複数の光ファイバを接続する場合は、光ファイバの被覆を除去し、融着接続装置と呼ばれる装置によって裸光ファイバの端面同士をアーク放電によって融着接続する。融着接続された融着接続点及び裸光ファイバは、強度が十分では無いため光ファイバ補強スリーブと呼ばれる補強用具で融着接続点と裸光ファイバを保護及び補強する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来の光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0004】
図6に示すように、従来の光ファイバ補強スリーブ100は、概略円筒状の外チューブ140と、外チューブ140の内側に設けられている内チューブ(ホットメルト)160と、金属等から成るテンションメンバ120とを具備する。
【0005】
図7は、従来の光ファイバ補強スリーブによる補強作業を説明する説明図である。
【0006】
図7(a)に示すように従来の光ファイバ補強スリーブ100は筒状であるため、予め光ファイバ補強スリーブ100を融着接続される一対の光ファイバ200の一方に通しておく必要がある。融着接続作業終了後、図7(a)の矢印方向に光ファイバ補強スリーブ100を移動させる。
【0007】
次に、図7(b)に示すように融着接続点Mと光ファイバ補強スリーブ100の長手方向中央Cとを一致させる。この後、図示しない加熱装置で光ファイバ補強スリーブ100を収縮させて、裸光ファイバ200bと被覆部200aを補強及び保護する。
【0008】
【特許文献1】
特公昭64−32208号公報(第1−4頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、筒状の形状を有した従来の光ファイバ補強スリーブでは、予め融着接続前に光ファイバ補強スリーブを光ファイバに通しておかなければならなかった。光ファイバ補強スリーブを通し忘れたまま融着接続作業を行うと、融着接続部を切断し、光ファイバ補強スリーブを一方の光ファイバに通した後再度融着接続作業を行わなければならなかった。
【0010】
また、融着接続作業終了後に光ファイバ補強スリーブの長手方向中央と融着接続点を一致させる際に、光ファイバの被覆部の表面に付着しているゴミを光ファイバ補強スリーブ内に取り込んでしまう場合もあった。ゴミを内部に取り込んだ光ファイバ補強スリーブを加熱収縮させて補強された光ファイバを使用すると、接続損失増加などの不具合が生じるという問題もあった。
【0011】
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、光ファイバへの通し忘れを防止すると共に光ファイバ補強スリーブ内へゴミを拾うことがない光ファイバ補強スリーブ及び光ファイバ補強方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、一端から他端に一条の光ファイバ収容用凹部を有する概略円柱形状の熱収縮部材と、収容用凹部の底部に配された一条の補強部材と、を具備する光ファイバ補強スリーブを要旨とする。
【0013】
また本発明の請求項2は、請求項1記載の光ファイバ補強スリーブであって、前記光ファイバ収容用凹部の開口側端部から底部までの距離は、前記開口側端部から当該光ファイバ補強スリーブの中心までの距離よりも大きく設定され、前記中心に光ファイバが収容され、この収容された光ファイバと前記光ファイバ収容用凹部の底部との間に前記補強部材が配されることを要旨とする。
【0014】
また本発明の請求項3は、一端から他端にかけて一条の光ファイバ収容用凹部及び補強部材を備えた光ファイバ補強スリーブとこの補強スリーブを加熱する加熱装置とを使用した光ファイバ補強方法であって、融着接続された光ファイバの融着接続部に対して概略鉛直方向から、融着接続部と光ファイバ補強スリーブの長手方向中央とを一致させながら前記光ファイバを前記光ファイバ収容用凹部に収容し、加熱装置に移動後、光ファイバ補強スリーブの一端から他端にかけて加熱して前記補強スリーブを加熱収縮することで前記光ファイバ収容用凹部と光ファイバとの間の空気を除去しつつ光ファイバの融着接続部及びその近傍を補強することを特徴とする光ファイバ補強方法を要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0016】
<光ファイバ補強スリーブ>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0017】
図1(a)に示すように、概略円柱形状の光ファイバ補強スリーブ1は、断面凹形状の光ファイバ収容用の収容部Sを有するホットメルト5(熱収縮部材)と、収容部Sに設けられた一条のテンションメンバ3(補強部材)と、を具備する。テンションメンバ3は、加熱装置の熱量では溶融しない程度の耐熱特性を有する金属等から成り、加熱収縮後に光ファイバ50を補強する。収容部Sは互いに対向する面Sa、Sbと底部Scとで画成される空間である。また収容部Sは、ホットメルト5に設けられているので、後述する加熱装置の熱で溶融し、光ファイバ50に融着される際に、収容部Sの互いに対向する面SaとSbが溶融し一体となる。なお、図1に示す光ファイバ補強スリーブ1は、単心の光ファイバ50を補強することを想定している。
【0018】
図1(b)は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ補強スリーブを光ファイバに装着する方法を示した説明図である。従来の光ファイバ補強スリーブと異なり、光ファイバ補強スリーブ1は融着接続が終了した後に、光ファイバ50の鉛直下方または上方から光ファイバ補強スリーブ1を装着する。なお、光ファイバ補強スリーブ1を光ファイバ50に装着する際は、光ファイバ補強スリーブ1の長手方向中央C1を光ファイバ50の融着接続点M1に一致させるようにする。
【0019】
また図1(a)に示すようように、光ファイバ50は収容部Sにおいて光ファイバ補強スリーブ1の中心Pに概略位置するように収容される。即ち、収容部Sの開口Sdから底部Scまでの距離は、開口Sdから光ファイバ補強スリーブ1の中心Pまでの距離よりも大きくなるように設定されている。このようにしておくことで、加熱補強作業が終了された後、光ファイバ50が光ファイバ補強スリーブ1の中心に位置し、加熱後の光ファイバ補強スリーブ1の形状も光ファイバ50を中心とする概略円形となり、強度も均一となる。
【0020】
図2は、本発明の第2実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0021】
図2(a)及び図2(b)示す光ファイバ補強スリーブ20は、多心テープ状の光ファイバを補強する為の補強用具である。
【0022】
図2(a)に示すように、光ファイバ補強スリーブ20は、ホットメルト26と、テンションメンバ22とを具備する。ホットメルト26は、底部24と、この底部から起立する一対の互いに対向する起立面20a、20bとで画成される空間SAを有する。光ファイバ補強スリーブ20は多心テープ状の光ファイバ50Aを補強することを想定されているため、テンションメンバ22も単心用のものと比較して幅広のものが使用される。
【0023】
図2(b)は、上述した光ファイバ補強スリーブ20を融着接続が終了した多心テープ状の光ファイバ50Aに装着する方法を示した図である。先述の光ファイバ補強スリーブ1と同様に、光ファイバ50Aの鉛直方向から光ファイバ補強スリーブ20の長手方向中央C2と融着接続点M2とを合わせつつ光ファイバ補強スリーブ20を光ファイバ50Aに装着する。この後ここでは図示しない加熱装置に移動して加熱補強作業を行う。加熱が行われると、ホットメルト26の起立面22a、22bが溶融し互いに一体化しつつ光ファイバ50Aとテンションメンバ22を固着する。
【0024】
図3は、本発明の第3実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図である。
【0025】
図3(a)に示す光ファイバ補強スリーブ30は、互いに別体で設けられたホットメルト30a及びホットメルト30bと、これらホットメルト30a、30bに狭着されるテンションメンバ32と、を具備する。
【0026】
図3(b)では、上述した光ファイバ補強スリーブ30を融着接続が終了した多心テープ状の光ファイバ50Aに装着する場合を示している。この場合も、融着接続点M2にホットメルト30a、30bの長手方向中央C3を合わせつつテンションメンバ32と光ファイバ50Aをホットメルト30a、30bで狭持する。この後、ここでは図示しない加熱装置に移動させ、加熱装置が供給する熱によってホットメルト30a、30bが溶融され、テンションメンバ32と光ファイバ50Aが固着される。
【0027】
なお光ファイバ補強スリーブ30は、多心テープ状の光ファイバでも単心の光ファイバでも対応可能である。その際は、適宜使用する光ファイバの種類に応じて、テンションメンバの寸法を変更すればよい。
【0028】
<加熱装置及び加熱補強作業>
図4は、本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の概略図である。
【0029】
以下、光ファイバ補強スリーブ1と単心の光ファイバ50とを使用した場合の加熱補強作業を例に説明するが、上述した多心テープ状の光ファイバ50Aを使用した場合でも同様の装置及び作業である。
【0030】
図4(a)は、本発明の補強スリーブを加熱する加熱装置の横断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB断面図である。
【0031】
図4(b)に示すように、加熱装置40は、互いに脱着可能な本体40a、40bを具備する。本体40a、40bが互いに組み合わされた状態で、光ファイバ50に装着された光ファイバ補強スリーブ1を収容する空間である加熱部43が形成される。また本体40a、40bにはそれぞれヒータ44が設けられており、このヒータ44がホットメルト5を溶融する熱源である。ヒータ44には、フィルムヒータなどが使用される。加熱装置の加熱部43では円形状の光ファイバ補強スリーブ1を全方位から均一に加熱する必要があるので、ヒータ44自身も円形状に配置されることが望ましい。フィルムヒータは薄板状の加熱用具であり、図4(b)に示すように、加熱部43の形状に合わせて湾曲させることが可能である。
【0032】
図4(a)に示すように加熱装置40は光ファイバ50に装着された加熱光ファイバ補強スリーブ1を装置内部に送り出す少なくとも一対のローラ42を更に備えている。
【0033】
図4(a)に示すように、光ファイバ50及び加熱光ファイバ補強スリーブ1は加熱装置40の一端から加熱用ヒータが設けられた加熱部43内にローラ42によって図面矢印A方向に送り出される。加熱部43は入り口側直径(d1)と出口側直径(d2)が異なるように設定されており、d1>d2である。加熱部43内のヒータ44で溶融されたホットメルト5は形状が加熱部43に応じて変形可能であるので、ローラ42で送り出されるに従い、光ファイバ補強スリーブ1の直径はd1に概略等しくなり、テンションメンバ3と融着接続点M1とその近傍をホットメルト5が固着したのち、徐々に冷やされながら加熱装置40から排出される。
【0034】
加熱を行う際は上記したように、一方から他方にかけて徐々に加熱作業を行うことが望ましい。このようにすることで、一方から他方に掛けて図4(a)の矢印Bで示すように徐々に光ファイバ補強スリーブ1の収容部Sと光ファイバ50との間に存在する空気を入り口側から追い出すことができる。
【0035】
図5は、本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の別の実施形態を示す概略図である。
【0036】
図5(a)に示すように、加熱装置60は、第1フィルムヒータ63を備え図示しない駆動系によって移動自在なヒータ基部62と、一端から他端にかけて設けられ光ファイバを収容する収容部66及び第2フィルムヒータ(後述)を具備する本体65と、を具備する。ヒータ基部62は図に示す矢印方向に装置一端から他端にかけて光ファイバ50及び光ファイバ補強スリーブ1を加熱する。
【0037】
図5(b)は、図5(a)に示した加熱装置のVB−VB断面図である。図5(b)に示すように、光ファイバ50及び光ファイバ補強スリーブ50は周囲を第1及び第2フィルムヒータ67で囲われ、これらフィルムヒータ63、67からの熱によってホットメルト5が溶融され、起立部Sa及びSbが溶融されつつ自身の自重で互いに接近し、ついには一体化し収容部Sが無くなる。この結果テンションメンバ3及び光ファイバ50が固着される。この際も、図4に示した加熱装置40同様に、一端から他端にかけて加熱が行われることで、光ファイバ50及び光ファイバ補強スリーブ1の収容部Sとの間の空気が除去されながら補強される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の光ファイバ補強スリーブは、光ファイバ収容部を光ファイバ補強スリーブ一端から他端にかけて設けた一条の凹形状にしたため、融着接続前に予め補強部材を光ファイバに通しておく必要がない。
【0039】
また、補強部材を光ファイバに装着させる際に、これまでのように光ファイバに対して平行にスライドさせながら装着する必要がなく、光ファイバに対して概略鉛直方向から装着するため、光ファイバ被覆上のゴミを光ファイバ補強スリーブ内に拾うことが無い。
【0040】
また、これまの光ファイバ補強スリーブと異なり外チューブを必要としない簡単な構成であるから低コストで済む。
【0041】
また請求項2記載の光ファイバ補強スリーブによれば、光ファイバ補強スリーブに設けた収容用凹部の収容開口から底部までの距離を光ファイバ補強スリーブの半径よりも大きくしたので、光ファイバを光ファイバ補強スリーブの中心部近傍に収容可能であり、光ファイバの周囲に均一にホットメルトを固着させることができる。
【0042】
また請求項3記載の補強方法によれば、光ファイバ補強スリーブに一条の凹部が設けられているので、融着接続作業終了後に光ファイバと鉛直方向から光ファイバ補強スリーブを装着できる。このため、光ファイバ被覆表面のゴミを拾う心配もない上、光ファイバ表面をスライドさせる必要が無いので、光ファイバ表面を傷つける心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図3】本発明の第3実施形態に係る光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図4】本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の概略図。
【図5】本発明に係る光ファイバ補強スリーブを加熱する加熱装置の別の実施形態を示す概念図。
【図6】従来の光ファイバ補強スリーブの概略図。
【図7】従来の光ファイバ補強スリーブによる補強作業を説明する説明図。
【符号の説明】
1…光ファイバ補強スリーブ
3…テンションメンバ
20…光ファイバ補強スリーブ
22…テンションメンバ
30…光ファイバ補強スリーブ
30a…第1ホットメルト
30b…第2ホットメルト
32…テンションメンバ
40…加熱装置
42…ローラ
40…加熱装置
43…加熱部
44…ヒータ
5…ホットメルト
50…光ファイバ
50a…被覆部
50b…裸光ファイバ
60…加熱装置
62…U字状ヒータ
63…フィルムヒータ
65…支持台
100…光ファイバ補強スリーブ
120…テンションメンバ
140…外チューブ
160…内チューブ
200…光ファイバ
200a…被覆部
200b…裸光ファイバ
P…光ファイバ補強スリーブの中心
S…収容部
SA…収容部
Claims (3)
- 一端から他端に一条の光ファイバ収容用凹部を有する概略円柱形状の熱収縮部材と、収容用凹部の底部に配された一条の補強部材と、を具備することを特徴とする光ファイバ補強スリーブ。
- 請求項1記載の光ファイバ補強スリーブであって、前記光ファイバ収容用凹部の開口側端部から底部までの距離は、前記開口側端部から当該光ファイバ補強スリーブの中心までの距離よりも大きく設定され、前記中心に光ファイバが収容され、この収容された光ファイバと前記光ファイバ収容用凹部の底部との間に前記補強部材が配されることを特徴とする光ファイバ補強スリーブ。
- 一端から他端にかけて一条の光ファイバ収容用凹部及び補強部材を備えた光ファイバ補強スリーブとこの補強スリーブを加熱する加熱装置とを使用した光ファイバ補強方法であって、
融着接続された光ファイバの融着接続部に対して概略鉛直方向から、融着接続部と光ファイバ補強スリーブの長手方向中央とを一致させながら前記光ファイバを前記光ファイバ収容用凹部に収容し、
加熱装置に移動後、光ファイバ補強スリーブの一端から他端にかけて加熱して前記補強スリーブを加熱収縮することで前記光ファイバ収容用凹部と光ファイバとの間の空気を除去しつつ光ファイバの融着接続部及びその近傍を補強することを特徴とする光ファイバ補強方法。
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