JP2004352015A - 潜水艇投入揚収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤロープに懸かる最大荷重を低減する潜水艇投入揚収装置を提供する。
【解決手段】潜水艇9の投入揚収装置において、水平軸まわりに回動するクレーンフレーム3と、このクレーンフレーム3に回動可能に連結されるストロングバック4と、このストロングバック4から延びて潜水艇9に連結可能とするワイヤロープ5と、この各ワイヤロープ5の繰り出し及び巻き取りを行うウィンチ7と、ワイヤロープ5の巻き取り速度を自動的に調節してワイヤロープ5に懸かる荷重変動を緩やかにする張力調節手段を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜水艇の投入揚収を行う潜水艇投入揚収装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
潜水艇を運ぶ母船には潜水艇投入揚収装置が搭載されており、この潜水艇投入揚収装置は母船から潜水艇を海中に投入したり、海中から母船へと揚収できるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−354189号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の潜水艇投入揚収装置にあっては、潜水艇を水中から空中に引き上げる際、潜水艇のまわりの海水が一緒に動き、吊り索には潜水艇の重量に加えてこの海水の重量が懸かるため、吊り索として用いられるワイヤロープの外径が大きくなり、作業者がワイヤロープを手動で操作しうる限界を超えるという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ワイヤロープに懸かる最大荷重を低減する潜水艇投入揚収装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、潜水艇の投入揚収を行う潜水艇投入揚収装置において、水平軸まわりに回動するクレーンフレームと、このクレーンフレームに回動可能に連結されるストロングバックと、このストロングバックから延びて潜水艇に連結可能とするワイヤロープと、このワイヤロープの繰り出し及び巻き取りを行うウィンチと、ウィンチがワイヤロープを巻き取る速度を自動的に調節してワイヤロープに懸かる荷重変動を緩やかにする張力調節手段とを備えたことを特徴とするものとした。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、張力調節手段としてウィンチはワイヤロープを巻き取るドラムと、このドラムを回転駆動する油圧モータと、油圧モータに作動油を給排する第一、第二給排通路と、この第一、第二給排通路の少なくとも一方に接続されるアキュムレータとを備えたことを特徴とするものとした。
【0008】
第3の発明は、第1または第2の発明において、ストロングバックの回動支持軸を中空構造とし、ワイヤロープはこの回動支持軸を貫通してウィンチへと延びる構成としたことを特徴とするものとした。
【0009】
第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明において、ワイヤロープの先端に球状のボールフックを結合し、潜水艇にこのボールフックが着脱可能に連結されるキャッチャを備えたことを特徴とするものとした。
【0010】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明において、潜水艇を運搬する台車を備え、この台車は走行本体に対して昇降可能に支持され潜水艇を載せる受け台と、この台車を上昇方向に付勢するダンパとを有したことを特徴とするものとした。
【0011】
【発明の作用および効果】
第1の発明によると、ウィンチは、潜水艇を水中から空中に引き上げる際、ワイヤロープに懸かる荷重変動を緩やかにするようにワイヤロープの繰り出し巻き取り速度を自動的に調節するため、潜水艇を波による上下動に追従しながらゆっくり潜水艇を引き上げることにより、大量の水を潜水艇と一緒に引き上げることがなく、ワイヤロープに懸かる最大荷重を低減する。
【0012】
第2の発明によると、潜水艇を引き上げる際に油圧モータの負荷が一時的に高まるのに伴い、油圧モータに送られる作動油の一部がアキュムレータに流入し、ウィンチの巻き取り速度が低下し、ワイヤロープの張力が急激に増加することが抑えられる。
【0013】
第3の発明によると、ストロングバックの回動に伴ってワイヤロープがストロングバックに対してほとんど移動せず、ワイヤロープに無理な力が働かないで済む。
【0014】
第4の発明によると、キャッチャに対するボールフックの連結、解除作動は、ワイヤロープを緩めた状態にて手動にて容易に行われる。ワイヤロープが張られた状態では、潜水艇の重力によりキャッチャにボールフックが強固に嵌合する。
【0015】
第5の発明によると、受け台に潜水艇が載せられるのに伴ってダンパが潜水艇を緩やかに下降させ、潜水艇のスムーズな運搬が行える。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1の(a)に示すように、潜水艇9の投入揚収装置は、母船1の甲板2上にて水平軸まわりに回動可能に支持されるクレーンフレーム3と、このクレーンフレーム3を回動させる2本の油圧シリンダ6と、このクレーンフレーム3に回動可能に支持されるストロングバック4と、このストロングバック4から延びる2本のワイヤロープ5と、この各ワイヤロープ5の繰り出し及び巻き取りを行うウィンチ7とを備える。
【0018】
A形のクレーンフレーム3の基端部は一対のピン11を介して回動可能に支持される。各ピン11は略水平軸方向に延び、甲板2上のブラケット12に支持される。
【0019】
各油圧シリンダ6はそのシリンダ基端部がピン13を介して甲板2上のブラケット12に支持され、そのロッド先端部がピン14を介してクレーンフレーム3のと途中に支持される。クレーンフレーム3は各油圧シリンダ6が最伸長することにより図2に実線で示すようにストロングバック4が海上に降り出された作動位置にあり、各油圧シリンダ6が最収縮することにより図2に2点鎖線で示すようにストロングバック4に保持された潜水艇9が甲板2上に収まる格納位置に保持される。クレーンフレーム3の作動位置及び格納位置は各油圧シリンダ6のストロークエンドによって決められる。
【0020】
ストロングバック4の両端部は回動支持軸15を介してクレーンフレーム3に支持され、重力によって略水平に延びる姿勢になる。ストロングバック4は垂直線に対して前後に10°づつの範囲内で回動できる。
【0021】
ストロングバック4の回動を制動するディスク式ブレーキ16が設けられる。る。
【0022】
ストロングバック4は潜水艇9に押し付けられる対のスタピライザ21を備える。各スタピライザ21は対のガイドロッド22を介して本体23に昇降可能に支持される。各ガイドロッド22にはスプリング24が介装され、このスプリング24の付勢力によってスタピライザ21が潜水艇9に押し付けられ、潜水艇9のローリングを抑える。
【0023】
各ワイヤロープ5の先端には球状のボールフック31が結合される一方、潜水艇9には各ボールフック31が着脱可能に連結される対のキャッチャ32が設けられる。このキャッチャ32に各ボールフック31が連結された状態で、潜水艇9は2点で吊り下げられる。キャッチャ32に対するボールフック31の着脱は、ワイヤロープ5を緩めた状態にて手動にて容易に行われる。ワイヤロープ5が張られた状態では、潜水艇9の重力によりキャッチャ32にボールフック31が強固に嵌合する。
【0024】
ストロングバック4の本体23にはシーブ35,36がそれぞれ対で設けられ、クレーンフレーム3には2連のシーブ37が設けられ、甲板2上には2連のシーブ38が設けられる。各ワイヤロープ5は各シーブ35〜38に順に掛け回され、ウィンチ7へと延びる。
【0025】
ストロングバック4の回動支持軸15は中空構造とし、各ワイヤロープ5はこの回動支持軸15を貫通してウィンチ7へと延びる。回動支持軸15を貫通するワイヤロープ5がストロングバック4の回動中心に沿って延びるようにシーブ37が配置される。そして、ワイヤロープ5がクレーンフレーム3の回動中心に沿って案内されるようにシーブ38が配置される。これにより、クレーンフレーム3及びストロングバック4の回動に伴って各ワイヤロープ5がストロングバック4に対してほとんど移動しないようになっている。
【0026】
図4の(a),(b),(c)に示すように、ウィンチ7は、各ワイヤロープ5を巻き取るドラム41と、このドラム41を正逆両方向に回転駆動する油圧モータ42と、ドラム4の回転を制動するネガティブ式油圧ブレーキ43とを備える。2本のワイヤロープ5はそれぞれガイドシフタ44に案内されて、ドラム41に整列して巻回される。
【0027】
油圧源として吐出圧が異なる第一〜第三油圧ポンプ46〜48を備える。この油圧源にはクレーンフレーム3の各油圧シリンダ6に接続する第一、第二給排通路71,72が方向切換弁73を介して連通し、ウィンチ7の油圧モータ52に接続する第一、第二給排通路54,55が方向切換弁45を介して連通している。
【0028】
ウィンチ7は第一給排通路54から高圧作動油が導かれるとワイヤロープ5を繰り出し、第二給排通路55から高圧作動油が導かれるとワイヤロープ5を巻き取るようになっている。
【0029】
投入揚収装置のウィンチ7は、各ワイヤロープ5に懸かる荷重変動を緩やかにするようにワイヤロープ5の繰り出し巻き取り速度を自動的に調節する張力調節手段を備える。
【0030】
この張力調節手段として、第一、第二給排通路54,55に第一、第二アキュムレータ63,64が各オペレートチェック弁61,62を介してそれぞれ接続される。各オペレートチェック弁61,62が開弁した状態で、第一、第二アキュムレータ63,64にはそれぞれ第一、第二給排通路54,55から導かれる作動油圧が蓄えられる。第二アキュムレータ64の圧力は第一アキュムレータ63の数倍程度に高められる。
【0031】
ウィンチ7のネガティブ式油圧ブレーキ43はバネ力でドラム41の回転を制動し、油圧力で制動を解除するものであり、そのブレーキアクチュエータにブレーキ通路49から導かれる作動油圧によってこの制動力が調節される。
【0032】
ストロングバック4のネガティブ式油圧ブレーキ16はバネ力でストロングバック4の回動を制動し、油圧力で制動を解除するものであり、そのブレーキアクチュエータにブレーキ通路18から導かれる作動油圧によってこの制動力が調節される。
【0033】
図6は甲板2上にて潜水艇9を運搬する台車80を示している。この台車80は甲板2上を走行可能とする走行本体81と、この走行本体81に対してシザース機構82を介して昇降可能に支持される受け台83と、受け台83を上昇方向に付勢するダンパ84とを備える。
【0034】
シザース機構82は高圧ガスを封入したダンパ84を介して伸張方向に付勢されており、受け台83に潜水艇9が載せられるのに伴って図7に示すように収縮し、潜水艇9を緩やかに下降させ、潜水艇9のスムーズな運搬が行える。
【0035】
次に投入揚収装置の動作について説明する。まず、潜水艇9の投入時の操作は次の手順で行われる。
・台車80に載せた潜水艇9をストロングバック4の下方の所定位置に運ぶ。
・各ワイヤロープ5のボールフック31を潜水艇9のキャッチャ32に連結する作業を行う。
・ウィンチ7によって各ワイヤロープ5を巻き取り、図2に2点鎖線で示すように、潜水艇9をストロングバック4に押し付けられるまで引き上げる。このとき油圧ブレーキ16はストロングバック4の回動を止めている。
・各油圧シリンダ6を伸張作動し、クレーンフレーム3を図2に実線で示す作動位置へと回動させる。このとき油圧ブレーキ16によるストロングバック4の制動は解除され、潜水艇9の水平姿勢が維持される。
・ウィンチ7から各ワイヤロープ5を繰り出し、潜水艇9を海上へと降下させる。このとき各オペレートチェック弁61,62は閉弁し、ウィンチ7の張力調整機能は解除されている。また、油圧ブレーキ16によるストロングバック4の制動は解除され、ストロングバック4が潜水艇9の揺れに追従するようになっている。
・各ワイヤロープ5を緩めてダイバーがボールフック31を潜水艇9のキャッチャ32から外す作業を行う。
【0036】
一方、潜水艇9の揚収時の操作は次の手順で行われる。
・ダイバーが各ワイヤロープ5のボールフック31を潜水艇9のキャッチャ32に連結する作業を行う。
・ウィンチ7によって各ワイヤロープ5を巻き取り、潜水艇9をストロングバック4に押し付けられるまで引き上げる。このとき各オペレートチェック弁61,62は開弁し、ウィンチ7の張力調整機能が働く。また、油圧ブレーキ16によるストロングバック4の制動は解除され、ストロングバック4が潜水艇9の揺れに追従するようになっている。
・各油圧シリンダ6を収縮作動し、クレーンフレーム3を図2に線2点鎖線で示す格納位置へと回動させる。このときも油圧ブレーキ16によるストロングバック4の制動は解除されており、潜水艇9の水平姿勢が維持される。
・ウィンチ7から各ワイヤロープ5を繰り出し、潜水艇9を降下させ、台車80に載せる。このとき、台車80はシザース機構82がダンパ84を介して収縮し、潜水艇9に対する衝撃を吸収する。
・潜水艇9が台車80に載せられた状態で各ワイヤロープ5を緩めてボールフック31を潜水艇9のキャッチャ32から外す作業を行う。
【0037】
ところで、上記潜水艇9を水中から空中に引き上げる際、潜水艇9のまわりの海水が一緒に動くため、各ワイヤロープ5には潜水艇9の重量に加えてこの海水の重量が懸かる。このため、潜水艇9が一気に海上に引き上げられると、各ワイヤロープ5に懸かる最大荷重は潜水艇9の重量の3倍程度になり、その後5〜10秒が経過するとほとんどの海水が潜水艇9から落下し、潜水艇9のみの重量になる。
【0038】
これに対処して投入揚収装置のウィンチ7は、潜水艇9を水中から空中に引き上げる際、各ワイヤロープ5に懸かる荷重変動を緩やかにするようにワイヤロープ5の繰り出し巻き取り速度を自動的に調節するため、潜水艇9を波による上下動に追従しながら、10秒程度の時間をかけてゆっくり潜水艇9を引き上げることにより、各ワイヤロープ5に懸かる最大荷重を低減する。
【0039】
これについて詳述すると、潜水艇9を引き上げる際に油圧モータ42の負荷が一時的に高まるのに伴い、第二給排通路55から油圧モータ42に供給される作動油の一部が第二アキュムレータ64に流入し、ウィンチ7の巻き取り速度が低下する。その後、10秒程度の時間をかけて潜水艇9の水切りが進み、各ワイヤロープ5の張力が次第に低下するのに伴い、第二アキュムレータ64に蓄えられた高圧作動油が油圧モータ42へと送られ、潜水艇9の速度を徐々に高める。これにより、各ワイヤロープ5の張力が急激に増加することが抑えられる。
【0040】
こうして潜水艇9は水切りをしながら徐々に引き上げられるため、潜水艇9と一緒に動く水の重量が軽減され、各ワイヤロープ5に懸かる最大荷重は潜水艇9の重量の1.5倍程度に抑えられる。
【0041】
こうしてワイヤロープ5の最大張力が潜水艇9の重量の1.5倍程度に低減されると、潜水艇9の重量に対してワイヤロープ5の破断張力を安全率6倍程度で計画できる。このため、潜水艇9の重量を20tonとすると、前後2点吊りの場合、1本のワイヤロープ5の外径が32mm程度になる。これは作業者がワイヤロープ5を手動で操作しうる限界に近い値であり、ダイバーがボールフック31を潜水艇9のキャッチャ32に着脱する作業を行うことが可能となる。
【0042】
なお、ワイヤロープ5をケブラー等を用いて形成すると、さらに軽量化され、操作性が向上する。
【0043】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す潜水艇投入揚収装置の斜視図。
【図2】同じく潜水艇投入揚収装置の構成図。
【図3】同じくストロングバック等の平面図。
【図4】同じくウィンチの三面図。
【図5】同じく潜水艇投入揚収装置の油圧回路図。
【図6】同じく台車の側面図。
【図7】同じく台車の側面図。
【符号の説明】
3 クレーンフレーム
4 ストロングバック
5 ワイヤロープ
6 油圧シリンダ
7 ウィンチ
9 潜水艇
42 油圧モータ
54 第一給排通路
55 第二給排通路
61 第一アキュムレータ
62 第二アキュムレータ

Claims (5)

  1. 潜水艇の投入揚収を行う潜水艇投入揚収装置において、
    水平軸まわりに回動するクレーンフレームと、このクレーンフレームに回動可能に連結されるストロングバックと、このストロングバックから延びて潜水艇に連結可能とするワイヤロープと、このワイヤロープの繰り出し及び巻き取りを行うウィンチと、ウィンチがワイヤロープを巻き取る速度を自動的に調節してワイヤロープに懸かる荷重変動を緩やかにする張力調節手段とを備えたことを特徴とする潜水艇投入揚収装置。
  2. 前記張力調節手段として前記ウィンチは前記ワイヤロープを巻き取るドラムと、このドラムを回転駆動する油圧モータと、油圧モータに作動油を給排する第一、第二給排通路と、この第一、第二給排通路の少なくとも一方に接続されるアキュムレータとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の潜水艇投入揚収装置。
  3. 前記ストロングバックの回動支持軸を中空構造とし、前記ワイヤロープはこの回動支持軸を貫通して前記ウィンチへと延びる構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の潜水艇投入揚収装置。
  4. 前記ワイヤロープの先端に球状のボールフックを結合し、前記潜水艇にこのボールフックが着脱可能に連結されるキャッチャを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の潜水艇投入揚収装置。
  5. 前記潜水艇を運搬する台車を備え、この台車は走行本体に対して昇降可能に支持されて潜水艇を載せる受け台と、この台車を上昇方向に付勢するダンパとを有したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の潜水艇投入揚収装置。
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