JP2004352255A - 吸湿容器 - Google Patents

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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Akio Kurosawa
明男 黒澤
Isao Morimoto
功 森本
Shinya Ochiai
信哉 落合
Kiyoshi Wada
潔 和田
Masanobu Yoshinaga
雅信 吉永
Kunio Yamamoto
邦雄 山本
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、従来の吸湿機能を有する無機化合物を高濃度で配合した樹脂組成物からなる吸湿容器で課題とされていた柔軟性、弾性回復性、落下衝撃性などの強度物性の低下を改善し、かつ、多層容器のように異種材料との接着性に優れる吸湿機能を有する無機化合物を配合した吸湿容器を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、防湿性を有する結晶性ポリオレフィン樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層(A)の内側に、吸湿機能を有する無機化合物を配合してなるポリオレフィン系樹脂組成物層(B)を設けたことを特徴とする吸湿容器である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿機能を有する無機化合物を配合した吸湿容器に関し、詳細には、容器内を乾燥状態あるいは調湿状態で保持しながらも、柔軟性、弾性回復性、落下衝撃性などの強度物性を改善した、異種材料との接着性に優れる吸湿容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、「パッケージ」あるいは「包装」のキーワードとしては大きく以下の内容が挙げられる。
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」。
(2)充填した内容物自体に包装体が侵されないための「内容物耐性」。
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」。
【0003】
これらのキーワードは更に細分化され、細かい要求品質へと展開される。そのうち、「内容物の保護」という点で特に注目を浴びているのが、酸素や水分からの内容物の保護が挙げられる。特に最近では、食品分野、工業製品分野、医療・医薬品分野等の各分野において、酸素や水分に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。その背景として、酸素については酸化による内容物の分解、変質、水分については吸湿や加水分解に伴う内容物の変質が挙げられる。
【0004】
このように酸素あるいは水分による内容物の変質を防ぐ為、様々な方法が検討されてきた。その一つが、酸素バリアあるいは水分バリア性を有する材料を用いた包装体を設計することが挙げられる。水分バリアという点で例を挙げると、防湿性のあるポリオレフィン系樹脂を用いる、あるいは、これらのポリオレフィンやポリエステルやポリアミドフィルムにポリビニリデンクロライド系コーティング層を設けることで防湿性を付与したフィルムが最も一般的である。
【0005】
これらの水分バリア性基材を用いた包装体は、その高い水分バリア性から各種用途に展開が広がっている。しかしながら、これらの水分バリア性基材は塩素系ポリマーを用いていることからその代替案が検討されている状態である。また、一部の内容物によっては、ヘッドスペース中のわずかな湿度や水分によって劣化を伴う場合もあり、包装容器外側からの水分バリア性だけでなく、ヘッドスペース中の湿度や水分も除去したいというニーズが出てきている。また、内容物によっては適度な湿度環境が求められるケースも有り、特に医薬品で用いるカプセル状の内容物は容器内の調湿機能が求められる時もある。
【0006】
これらのニーズに答える為に、小袋状の吸湿剤を内容物と共に配合したり、あるいはキャップあるいは蓋材の内側に、粘着剤を設けた小袋状の吸湿剤を貼りあわせるなどして、容器内の水分を除去、あるいは水分量をコントロールすることで調湿する試みがされている。しかしながら、小袋状の吸湿剤は誤飲、誤食の問題が有り、また粘着剤を用いてキャップや蓋材の内側に貼りつける場合には、装着工程が煩雑などの問題点を抱えている。
【0007】
このような背景から、各種容器に吸湿剤を練り込むことで、吸湿性を付与した容器が開発されている。これらの技術はすでに公知の技術である。しかしながら、高含有量の吸湿剤を練り込む課題点として容器の強度物性の低下があげられる。さらには、上記吸湿剤を配合した樹脂組成物の柔軟性が求められるケースがある。例えば2重構造を有する容器のインナー容器に上記樹脂組成物を用い、図1に示すようにキャップ内側のパッキン部分でインナー容器を広げることで容器内部の密封性を向上させる機構を検討すると、容器開け閉めの際に、インナー容器が変形を受けることになる。この時、従来の樹脂組成物であれば何回か応力を加えるとクラックが入るなどの問題が生じる。また、これらの吸湿剤を練り込んだ樹脂組成物はクラックが入ることにより、吸湿剤あるいは樹脂粉などのパーティクルが放出され、クリーン性や異物の問題を伴う。
【0008】
特に、引用文献1記載のポリマーに吸湿剤を配合した吸湿容器が、熱可塑性樹脂に吸湿剤およびチャンネル構造形成剤を配合することで、射出成形容器を成形している。機構としては、吸湿剤が選択的にチャンネル構造形成剤からなる相に分散し、その局所的な濃度分布と吸湿を利用して、徐々にチャンネルユニット部分を起点に微細クラックを発生させ、そのクラックを水分の通り道とすることで吸湿性を向上させている。しかしながら、この容器も吸湿能力は有するが、クラックの発生は容器の強度物性への影響が懸念されるところである。また、チャンネル構造形成剤は水溶性の低分子化合物を用いていることから、吸湿による変色や染み出しなどの課題点を有する。
【0009】
また、引用文献2では、ポリマーに調湿機能を有する吸湿剤を配合した樹脂組成物組成物の開示が認められるが、これらの組成物には発泡剤を配合しており、その発泡部の空隙を通過する水分を捕獲することで吸湿/調湿機能を付与しているが、発泡倍率の制御などが非常に困難であるのと同時に、発泡部位および無機化合物配合に伴う強度物性の低下が懸念される。
【0010】
さらに、引用文献3、4では、ポリマーに調湿機能を有する吸湿剤を配合した樹脂組成物、あるいはこの樹脂組成物を用いた成形品の開示が認められる。これらの引用文献は各種積層体を形成させることが可能ではあるが、積層させる(あるいは接着させる)熱可塑性樹脂が樹脂組成物のベースとなる樹脂に対して相溶性あるいは接着性が良好な材料と共に積層することに限定される。この内容は、多層構成を形成する吸湿機能を有する容器を設計するにあたり、積層(あるいは接着させる樹脂)に応じて樹脂組成物のベースとなる樹脂を再選定する必要が有り、できることであれば、単一の樹脂組成物のベースとなる樹脂が各種被着体に対して積層(あるいは接着させる)方が、包装容器としての多様性や汎用性としてより有効的である。
【0011】
この接着に関する一つの事例として以下の内容が考えられる。つまり、このように吸湿剤を配合した容器の設計としては、吸湿剤を配合した樹脂組成物層が効率よく容器内部の水分を吸収する為にも、容器外側からの水分の吸湿はできるだけ少なくしたいのが現状である。このような観点から、吸湿剤を配合した樹脂組成物層の外側には防湿性に優れる層を設けた方が好ましく、特に高密度ポリエチレンやポリプロピレンあるいはエチレン−環状オレフィン共重合体などを設けた方が好ましい。しかしながら多層ブロー成形品のように、吸湿剤を配合した樹脂組成物層と防湿性のある層が一体化しているような容器の場合は、多層容器の層間接着強度を保つ為にも、必然的に吸湿剤を配合する樹脂組成物のベース樹脂を防湿性のある樹脂、あるいは防湿性のある樹脂と相溶性の高い樹脂(接着という点で)を用いた方が好ましいが、このような防湿性のある材料に吸湿剤を配合することは、吸湿剤の吸湿速度を低下させる可能性が高い。吸湿剤の吸湿速度を向上させるという点では低結晶性の材料に吸湿剤を配合させたいが、例えば低結晶性の材料として低密度ポリエチレン、防湿層としてポリプロピレンを用いた場合は、両者の相溶性がない為、両者の界面接着性に劣る。この内容は、容器の強度物性に影響を与えるものである。
【0012】
このように無機化合物を含有する樹脂組成物の登場は、無機化合物の機能によって様々な用途に展開が可能であるが、現状としては上述した改善事項が多く残されている。
【0013】
【引用文献1】
米国特許第6,214,255号明細書
【引用文献2】
特開平3−109916号公報
【引用文献3】
特公平7−53222号公報
【引用文献4】
特開平5−39379号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実情を考慮したものであり、従来の吸湿機能を有する無機化合物を高濃度で配合した樹脂組成物からなる吸湿容器で課題とされていた柔軟性、弾性回復性、落下衝撃性などの強度物性の低下を改善し、かつ、多層容器のように異種材料との接着性に優れる、吸湿機能を有する無機化合物を配合した吸湿容器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、すなわち請求項1記載の発明は、
少なくとも、防湿性を有する結晶性ポリオレフィン樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層(A)の内側に、吸湿機能を有する無機化合物を配合してなるポリオレフィン系樹脂組成物層(B)を設けたことを特徴とする吸湿容器である。
【0016】
請求項2記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂層(A)が、結晶性ポリオレフィン樹脂からなり該樹脂の結晶化度(DC−A)と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)のポリオレフィン系樹脂の結晶化度(DC−B)とにおいて、(DC−A)>(DC−B)の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の吸湿容器である。
【0017】
請求項3記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂層(A)のガラス転移温度(Tg−A)と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)のポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg−B)とにおいて、(Tg−A)>0℃>(Tg−B)の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の吸湿容器である。
【0018】
請求項4記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)が、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、少なくとも前記無機化合物を1〜100重量部含有する樹脂組成物からなり、その主成分となる前記ポリオレフィン樹脂が、シクロペンタジエニル誘導体の周期律表第III、IV、V、IV、IX、X族遷移金属原子からなる錯体、もしくは該金属錯体に必要に応じて、メチルアルミノキサンからなるシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン−αオレフィン共重合体(但し、αオレフィンは、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1,からなるC3〜C8、あるいはC9以上の高級αオレフィン)を必須成分として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記エチレン−αオレフィン共重合体が、密度0.930g/cm以下であり、曲げ弾性率が250MPa以下であることを特徴とする請求項4記載の吸湿容器である。
【0020】
請求項6記載の発明は、前記無機化合物が、40℃−90%相対湿度下で少なくとも自重の10%以上吸湿能力を有し、該無機化合物が、ゼオライト、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩化合物、アルミナ、活性炭、粘土鉱物、シリカゲルの少なくとも1種以上から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0021】
請求項7記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂、エチレン−環状オレフィン共重合体樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−αオレフィン共重合体樹脂であるとを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0022】
請求項8記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)からなる外側容器と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)からなる内側容器を、それぞれ別工程で成形し、後工程で前記外側容器と内側容器とを一体化してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0023】
請求項9記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)からなる外側容器と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)からなる内側容器のいずれか一方を成形した後、二色成形あるいはインサート成形により他のもう一方の容器とを一体化してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0024】
請求項10記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)層と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)層を必須の層として含む単層あるいは多層積層体とを多層ブロー成形あるいは多層延伸ブロー成形により成形されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0025】
請求項11記載の発明は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)層と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)層を必須の層として含む単層あるいは多層積層体とを共射出成形により成形されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の吸湿容器の基本構造は、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂層(A)の内側に、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物層(B)を設けたことで、吸湿容器の各種課題点を克服できるものである。
【0027】
まず、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物層(B)としては、40℃相対湿度90%雰囲気における吸湿性無機化合物の飽和吸水量が、自重に対し少なくとも10%以上であることが好ましい。それ以下では、吸湿性能に劣る。このような材料としては、ゼオライト、酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、硫酸マグネシウムやみょうばん石などの硫酸塩化合物、アルミナ、活性炭、粘土鉱物、シリカゲルの少なくとも1種以上から選択される。
【0028】
これらの吸湿機能を有する無機化合物は目的とする機能に応じて使い分けることが可能である。例えば、容器に乾燥機能を付与させたい場合にはゼオライトや酸化カルシウムなどの無機化合物を、調湿機能を付与させたい場合には硫酸マグネシウムやみょうばん石などの硫酸塩化合物やアルミナ、活性炭、粘土鉱物、シリカゲルなどを用いることが好ましい。
【0029】
この吸湿機能を有する無機化合物の配合量としては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し吸湿機能を有する上記無機化合物を1〜100重量部配合したものである。1重量部以下であると吸湿能力に劣り、100重量部以上であると吸湿機能としては好ましいが、成形性や容器の強度物性や経済性に劣る。これらの無機化合物は、分散性の向上の為あらかじめ前処理(表面処理)を施しておいても構わない。また、組成物中の配合量も重要であるが、吸湿容器としての機能を付与させるということは、吸湿容器中に吸湿機能を有する無機化合物がどれだけ入っているか、といった絶対量がポイントとなる。その為、少なくとも40℃雰囲気における容器容積から換算される水分量を取り込むことが可能な程度の吸湿機能を有する無機化合物を配合した方が好ましい。これらの関係を示すと以下のようになる。
α:容器中の吸湿性を有する無機化合物の量(g)
β:吸湿性を有する無機化合物の40℃−90%相対湿度下における自重に対する吸収量(%)
γ:容器容積から換算される40℃−100%相対湿度下における水分量(g)
α×β/100≧γ
【0030】
本発明の吸湿容器で、特に特徴とすることは、ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)の主成分であるポリオレフィン樹脂が、シクロペンタジエニル誘導体の周期律表第III、IV、V、IV、IX、X族遷移金属原子からなる錯体および、上記金属錯体に必要に応じてメチルアルミノキサンからなる、シングルサイト触媒を用いて得られた、ASTMのD1238に準ずるメルトインデックス(MI)が0.1〜200の範囲のエチレン−αオレフィン共重合体をベース樹脂としていることが挙げられる。
【0031】
このような触媒の例として、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドにメチルアミノキサンを加えて得られたシングルサイト触媒(カミンスキー触媒)やその誘導体が挙げられる。金属としては特に、チタニウムやジルコニウムやハフニウムなどの周期律第IV族の遷移金属が用いられるが、特にこれらに限定されるものでない。また、上記触媒は、嵩高い2つのシクロペンタジエニル基に遷移金属が導入された構造を有するが、チタン系の幾何拘束触媒を用いることで、C6,C8、あるいはC9以上の高級αオレフィンも導入することが可能である。
【0032】
このような、シングルサイト系触媒を用いる利点は以下の内容が上げられる。
(1)分子量分布が狭い。
(2)コモノマーの導入位置が制御しやすい。
(3)ラメラ間に存在するタイ分子が多いため、引裂きなどに対する強度に優れる。
(4)柔軟性を付与することが可能。
(5)ストレスクラッキング耐性に優れる。
【0033】
上記内容は、高含量で吸湿機能を有する無機化合物を高含量で配合しても容器の強度物性を維持できる要因であるが、さらに、シングルサイト系触媒を用いる利点としてさらに以下の内容が挙げられる。
(6)(1)に示す分子量分布が狭いことから、低分子量成分が少なく、異種材料との接着性に影響をする。
弱境界相(WBL:Week Boundary Layer)の形成がない。
【0034】
また、密度が0.930g/cm以下、特に密度領域が0.850〜0.925g/cmのものは、ポリオレフィンエラストマーあるいはプラストマーの領域に入り、強度物性や接着という点という点で非常に好ましい。その理由として以下の内容が挙げられる。
(7)異種材料との接着に影響を与える濡れ性(接触面積)を向上させることが可能であり、結晶化に伴う体積収縮による界面歪みが少ない。
【0035】
さらに、チタン系の幾何拘束触媒を用いることで、コモノマーの分布位置だけでなく、C9以上の高級αオレフィン(イオン重合における生成物)をコモノマーとして導入させることが可能であり、シングルサイト系触媒でありながら、低密度ポリエチレンのような長鎖分岐を構造中に取り込むことが可能である。この内容は、エチレン−αオレフィン共重合体でありながら溶融張力が大きい、せん断速度に対する溶融粘度の変化が顕著(高せん断で低粘度)など、各種成形加工に展開が可能である意味でも好ましい。
【0036】
また、異種材料の接着に反映される内容であるが、シングルサイト系触媒によるエチレン−αオレフィン共重合体は無機化合物の分散性に優れる。特に上記密度範囲はなお有効である。このような強度物性、柔軟性、無機化合物分散性、異種材料接着性、成形性と言った点で、本材料系を用いることは非常に好ましい。
【0037】
特に、エチレン−αオレフィン共重合体における曲げ弾性率も250MPa以下が好ましい。曲げ弾性率は高分子の柔軟性の指標ともなり、250MPa以上であると、応力を繰り返すことによりクラックや強度物性の低下を伴う恐れがある。
【0038】
一方、上述した吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)だけでは、吸湿機能を有するが、容器内部だけでなく、容器外部からの水分の影響を受ける。そのような意味で、本発明の吸湿容器は、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)の外側に防湿性ポリオレフィン層(A)を設けることが必用である。
【0039】
防湿性を有するポリオレフィン系樹脂層(A)としては、その結晶化度(DC−A)と、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物層(B)のポリオレフィン系樹脂の結晶化度(DC−B)が(DC−A)>(DC−B)であること、またはガラス転移温度(Tg−A)と、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物層(B)のポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg−B)が、(Tg−A)>0℃>(Tg−B)であることが挙げられる。
【0040】
ポリオレフィン系樹脂に限らず、熱可塑性樹脂を通過する水分の透過機構は複雑であり、ポリマー中の溶解や拡散などが複雑に絡み合っている。ポリオレフィン系樹脂は、その骨格が基本的にC−Hからなる疎水性のユニットを有する熱可塑性樹脂であることから防湿性に優れる材料で有る。その為、ポリオレフィン系樹脂内における防湿性の要因の一つとして結晶化度が挙げられる。つまり、拡散というファクターで考慮すると結晶化度が高く、ポリマー分子鎖のパッキングが密な状態であれば水分子を透過させることが困難であるが、結晶化度が低い(非晶領域が多い)場合は、非晶領域における自由体積部分を透過する水分量が多くなる為、防湿性が低下する。つまり、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂としては結晶化度が高い材料が好ましく、少なくとも上記関係を満たした方が良い。裏を返すと、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)の場合は、極力低結晶性(あるいは非結晶性)であることが、吸湿機能を有する無機化合物の吸湿速度という点で好ましい。そのような意味でも上述した結晶化度の指標としては、密度あるいは熱分析における融点が挙げられる。この内容を満たす防湿性を有するポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体が挙げられる。
【0041】
上記内容と関係する部分も含まれるが、熱可塑性樹脂のガラス転移温度も重要なポイントである。ガラス転移温度が室温以下の場合は、室温(つまり通常環境下)においてはポリマー分子鎖がミクロブラウン運動をしている状態である。この内容は、同様に拡散という観点だけで見ると非晶領域中の自由体積部分を通過する水分が、さらにポリマーの分子運動を利用することでより効率よく透過させることが可能である。よって、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂としてはガラス転移温度が0℃以上好ましくは室温以上のポリオレフィン樹脂である方が好ましい。裏を返すと吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂としては、できるだけ非晶性でガラス転移温度が室温以下好ましくは0℃以下であることから、上述したシングルサイト系触媒を用いて得られた低結晶性のエチレン−αオレフィン共重合体を用いることは得策である。この内容を満たす防湿性を有するポリオレフィン系樹脂としては、シクロペンタジエンやノルボルネンなどの環状オレフィンを共重合させた、エチレン−環状オレフィン共重合体や、ホモのポリプロピレン樹脂が挙げられる。ホモのポリプロピレン樹脂はガラス転移温度が5℃以下であるが、上記結晶化度という点を考慮すると好ましい材料である。
【0042】
これらの防湿性を有するポリオレフィン系樹脂層(A)あるいは吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)には、必要に応じては上記以外の各種添加剤、酸化防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、分散剤、光安定剤など各種添加剤を配合してもかまわない。
【0043】
これらの吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法を以下に記載する。最終製品の成形方法および必要とされる吸湿機能により設定した各種所定配合量の材料を、リボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドし、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーなどの混練機を用いて、ベースとなる熱可塑性樹脂にもよるが、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下、さらに好ましくは240℃以下で混練することで得られる。その際、必要に応じて無機系吸湿剤をあらかじめオレフィン系ワックスなどの分散剤で表面処理を施しても構わない。得られたストランドは空冷により冷却し、ペレタイズ後、アルミバッグなどの包装形態中で保管する。その後、以下に記載する成形法を用いて吸湿容器を得ることが可能である。
【0044】
図1には、上述した構造のように、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂(A)からなる外側容器と、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)からなる層を必須成分として含む内側容器を、それぞれ別工程で成形し、後の工程で一体化することにより得られた事例である。本容器の場合、外側容器と内側容器とを組み込む際に内側容器の柔軟性が、またリクローズ式のキャップを用いる場合、キャップのパッキンと内側容器とが組み合わさることで密封性を維持させる為、内側容器の弾性回復力が必要となる。そのため、上述したエチレン−αオレフィン共重合体がポイントとなる。この成形法では、射出成形が好ましく、射出成形でそれぞれ別工程で得られた外側容器および内側容器を、後工程で一体化させる。本例は代表的な構造や成形法であり、特にこれらの構造や成形法に制約されない。
【0045】
図2には、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂(A)からなる外側容器と、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)からなる層を必須成分として含む内側容器のいずれか一方を成形した後、二色成形あるいはインサート成形により他方の容器を成形することで一体化させた事例である。この容器で必要とされる内容は、ポリオレフィン系樹脂(A)と吸湿機能を有するポリオレフィン系樹脂組成物(B)との接着性である。この時、ポリオレフィン系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂組成物(B)が相溶系であれば問題ないが、仮にポリオレフィン系樹脂(A)としてポリプロピレン樹脂を用いた場合、従来法では接着性を考慮すると吸湿機能を有する無機化合物を配合するポリオレフィン樹脂も防湿性の高いポリプロピレン系の材料でないと困難であった。しかしながら、異種材料との接着性が良好でかつ防湿性の劣るエチレン−αオレフィン共重合体を用いることで、吸湿剤を配合しても吸湿速度を低下させることはない。上述したように本例は代表的な構造や成形法であり、特にこれらの構造や成形法に制約されない。
【0046】
図3は、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂(A)層と、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)層を必須成分として含む単層あるいは多層積層体とを多層ブロー成形あるいは多層延伸ブロー成形により作成した事例である。こちらも図2の事例と同様に異種材料との接着性がポイントとしてあげられる。当然のことながら、本例は代表的な構造や成形法であり、特にこれらの構造や成形法に制約されない。さらに、事前に多層プリフォームを共射出成形により形成した後に延伸ブロー成形を行っても構わない。また本事例のように、外側から防湿性を有するポリオレフィン系樹脂(A)層/吸湿器能を有するポリオレフィン液樹脂組成物(B)層/最内層の構成になっているが、このような構成でも構わない。その場合、最内層は防湿性を有するポリオレフィン系樹脂(A)層より防湿性が低いことが必用である。
【0047】
図4は、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂(A)層と、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(B)層を必須成分として含む単層あるいは多層積層体とを共射出成形することで得られた成形品の事例である。こちらも異種材料との接着性がポイントとなっている。本例は代表的な構造や成形法であり、特にこれらの構造や成形法に制約されない。
【0048】
このように本発明の吸湿容器は、吸湿剤のような無機化合物を高含量配合することで問題とされていた強度物性、あるいは吸湿機能をより向上させる為の容器構造を検討するにあたり弊害となっていた異種材料との接着性を改良することで、吸湿機能だけでなく、容器の強度物性を改善することが可能である。また、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂層(A)の厚みや吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物層の厚み、表面積などが吸湿速度や吸湿能力のファクターとなりうる為、求める要求に応じて適宜設計しても構わない。
【0049】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、それに限定されるものではない。
【0050】
[吸湿器能を有するポリオレフィン系樹脂組成物(B)の作成:材料]
以下の材料を用いた。
<ポリオレフィン系樹脂>
・A−1:シングルサイトエチレン−オクテン−1共重合体(曲げ弾性率110MPa、密度0.902g/cm
・A−2:シングルサイトエチレン−ヘキセン−1共重合体(曲げ弾性率80MPa、密度0.901g/cm
・A−3:ホモポリプロピレン(曲げ弾性率1750MPa、密度0.900g/cm
・A−4:マルチサイトエチレン−オクテン−1共重合体 (曲げ弾性率420MPa、密度0.925g/cm
・A−5:低密度ポリエチレン(MI=20、曲げ弾性率160MPa、密度0.915g/cm
<吸湿機能を有する無機化合物>
・B−1:酸化カルシウム CaO
・B−2:みょうばん石 KAl(OH)12(SO
【0051】
[吸湿器能を有するポリオレフィン系樹脂組成物(B)の作成:製造]
あらかじめ、上記ポリオレフィン系樹脂を必須成分として含む樹脂100重量部に対し、吸湿機能を有する無機化合物を67重量部(重量%として40wt%)になるように調整した混合物を2軸押出機(φ=30,L/D=49)により吐出9kg、200℃、50rpmでコンパウンドを行った。この高濃度分散体をマスターバッチとして以下の成形に使用した。得られたマスターバッチは、空冷ペレタイズを行い、アルミ包装体に保管した(不活性ガス置換済み)。
【0052】
[吸湿容器の製造:材料]
防湿性を有するポリオレフィン系樹脂として以下のものを用いた。
<ポリオレフィン系樹脂>
C−1:ホモポリピロピレン樹脂
C−2:高密度ポリエチレン樹脂
C−3:エチレン−テトラシクロドデセン共重合体
C−4:低密度ポリエチレン
【0053】
[吸湿容器の製造:成形]
図1、3に示す容器を製造した。
【0054】
図1の製造には射出成形機を用い、外側容器と内側容器をそれぞれ別々に成形した後、後工程で一体化させた。吸湿機能を有する樹脂組成物(B)層の目付けは約8gであり、容器の容積は約30mlである。外側容器の設計については、容器の吸湿能力(容器内を低湿度維持)が発現できる範囲で容器の目付け設定、厚み設定(1.0mm以上)を行った。
【0055】
図3の製造には、多層ブロー成形機を用いた。その際、最内層としては低密度ポリエチレンを用いた。吸湿機能を有する樹脂組成物(B)層に相当する樹脂の目付けは約16gであり、容器の容積は約160mlである。同様に最外層である防湿性ポリオレフィン系樹脂(A)の厚みも図1同様に、容器の吸湿能力が得られる範囲で厚み調整を行った(0.5mm以上)。
【0056】
A−1〜A−5およびC−1〜C−4についてはそれぞれの成形法にのっとった溶融粘度の樹脂を用い、それぞれ、加工温度170〜210℃の範囲で行っている。
【0057】
[評価サンプルの作成:サンプル調整および評価法]
図5に示すように、容器にセンサーを取り付け、40℃−90%相対湿度の空気を充填し密封させた各容器の容器内の湿度変化を測定した。評価内容としては、40℃−90%相対湿度環境下保管における容器の開閉作業に伴う容器内湿度の変化とその到達湿度である。評価1としては飽和湿度とそこまで到達する時間評価であり、評価2としては2日に一回5分間開封作業を行い(40℃−90%)、それを15回繰り返した時の到達湿度評価である。強度物性に関しては、図1では容器開閉作業を繰り返した時の内側容器の破壊挙動を、図3に関しては、圧縮試験における容器破壊挙動を観察することで評価を行った。
【0058】
[乾燥機能を有する吸湿容器の作成]
<実施例1>
A−1、B−1、C−1を用い、図1に示す容器を成形した。上記の評価法に基づいてこの容器を評価した。その評価結果を表1および2に示す。
【0059】
<実施例2>
A−1、B−1、C−3を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0060】
<実施例3>
A−2、B−1、C−1を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0061】
<実施例4>
A−2、B−1、C−3を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0062】
<実施例5>
吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物を、A−1で希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した以外は実施例1と同じである。ただし、C−2を用いた。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0063】
<比較例1>
A−4、B−1、C−1を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0064】
<比較例2>
A−3、B−1、C−1を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0065】
<比較例3>
A−3、B−1、C−4を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0066】
<比較例4>
B−1を用いず、A−1とC−1を用い、図1に示す容器を成形した。実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1および2に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2004352255
【0068】
【表2】
Figure 2004352255
【0069】
B−1は乾燥機能を付与することが可能な無機化合物であるため、B−1を用いることで乾燥機能(容器内を低湿度に維持)を付与することが可能である。シングルサイト触媒により得られ、かつ本明細書記載の範囲における物性を有するエチレン−αオレフィン共重合体を用いることで、容器の柔軟性を付与することが可能であり、繰り返し開閉作業を行っても容器の破損が認められない。一方、比較例に示すように、上記範囲を満たさない材料、例えばポリプロピレン樹脂や低密度ポリエチレン、さらにはエチレン−αオレフィン共重合体でも曲げ弾性率が高い材料については、容器繰り返しに伴う破損が観察される。一方、吸湿能力という点では、防湿性の高いポリプロピレン樹脂中に無機化合物を配合すると、著しく吸湿速度が遅くなることが観察される。さらに、防湿層として低密度ポリエチレン、吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物のベース樹脂としてポリピロピレン樹脂を用いた場合では、防湿層として用いた低密度ポリエチレンの方がポリプロピレン樹脂よりも結晶化度が低い為、容器外側からの吸湿の影響を受けている様子が見受けられる。
【0070】
[調湿機能を有する吸湿容器の作成]
<実施例6>
A−1、B−2、C−1を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−1でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を評価した。その評価結果を表3および4に示す。
【0071】
<実施例7>
A−1、B−2、C−3を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−1でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を実施例6と同様に評価し、その評価結果を表3および4に示す。
【0072】
<実施例8>
A−2、B−2、C−1を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−2でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を実施例6と同様に評価し、その評価結果を表3および4に示す。
【0073】
<実施例9>
A−2、B−2、C−3を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−2でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を実施例6と同様に評価し、その評価結果を表3および4に示す。
【0074】
<比較例5>
A−4、B−1、C−1を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−4でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を実施例6と同様に評価し、その評価結果を表3および4に示す。
【0075】
<比較例6>
A−3、B−1、C−1を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−3でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を実施例6と同様に評価し、その評価結果を表3および4に示す。
【0076】
<比較例7>
A−3、B−1、C−3を用い、図3に示す容器を成形した。この時、A−3でさらに吸湿能力を有する無機化合物を配合した樹脂組成物を希釈し、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しB−1が25重量部(20wt%相当)になるように調整した。この容器を実施例6と同様に評価し、その評価結果を表3および4に示す。
【0077】
【表3】
Figure 2004352255
【0078】
【表4】
Figure 2004352255
【0079】
調湿性を付与することが可能なB−2を用いることで容器内部の湿度を20〜30%相対湿度に保つことが可能である。ここで重要なのは、多層構造を有する成形品の異種材料接着性である。実施例で確認されるように、本明細書記載の範囲の物性を有するエチレン−αオレフィン共重合体を用いることで、本来非相溶系のポリプロピレン樹脂や、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体のようなエチレン−環状オレフィン共重合体のような材料に対しても良好な接着性を有することが確認される。この内容は、比較例におけるシングルサイト触媒を用いたエチレン−αオレフィン共重合体以外の材料ではこの性能を発現していないことが確認される。
【0080】
【発明の効果】
本発明により、吸湿容器を構成する樹脂組成物の必須樹脂成分として、特定のシングルサイト系触媒により得られたエチレン−αオレフィン共重合体を用いることで、従来の吸湿容器で問題となっていた柔軟性、弾性回復性、落下衝撃性などの強度物性の低下を改善し、かつ、多層容器のように異種材料との接着性に優れる、吸湿機能を有する無機化合物を配合してなる吸湿容器を提供することが可能となった。
また、吸湿機能を有する無機化合物以外の機能性無機化合物を配合して強度物性や異種材料への接着性に優れる吸湿機能以外の機能性容器など吸湿容器以外の用途展開も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての吸湿容器において、外側容器と内側容器を別々に成形後、後工程で一体化する容器を説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施例としての吸湿容器において、二色成形あるいはインサート成形により成形した容器を説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施例としての吸湿容器において、多層ブロー成形あるいは多層延伸ブロー成形した容器を説明する説明図である。
【図4】本発明の一実施例としての吸湿容器において、共射出成形した容器を説明する説明図である。
【図5】本発明の一実施例としての吸湿容器にセンサーを装着し、容器内の湿度変化を測定する説明図である。
【符号の説明】
1:外側容器
1a:防湿性ポリオレフィン
2:キャップ
2a:防湿性ポリオレフィン
3:内側容器
3a:吸湿能力を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物
3b:樹脂組成物層ベース樹脂
3c:吸湿能力を有する無機化合物
4:二色成形容器
4a:吸湿能力を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物
4b:防湿性ポリオレフィン
4c:吸湿能力を有する無機化合物
4d:樹脂組成物層ベース樹脂
5:キャップ
5a:防湿性ポリオレフィン
6:多層容器
6a:防湿性ポリオレフィン
6b:吸湿能力を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物
6c:最内ポリオレフィン樹脂
6d:吸湿能力を有する無機化合物
6e:樹脂組成物層ベース樹脂
7:キャップ
7a:防湿性ポリオレフィン
8:共射出容器
8a:防湿性ポリオレフィン
8b:吸湿能力を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物
8c:吸湿能力を有する無機化合物
8d:樹脂組成物層ベース樹脂
9:蓋材
10:吸湿容器
11:湿度センサー
12:リーク防止部
a:中空容器外側
b:中空容器内側(インナー容器樹脂組成物層)
c:無機化合物
d:空隙部分
e:樹脂A(樹脂A+樹脂B)
f:キャップ
g:インナーキャップ
h:インナー容器/キャップ密封部分

Claims (11)

  1. 少なくとも、防湿性を有するポリオレフィン系樹脂層(A)の内側に、吸湿機能を有する無機化合物を配合してなるポリオレフィン系樹脂組成物層(B)を設けたことを特徴とする吸湿容器。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂層(A)が、結晶性ポリオレフィン樹脂からなり該樹脂の結晶化度(DC−A)と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)のポリオレフィン系樹脂の結晶化度(DC−B)とにおいて、(DC−A)>(DC−B)の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の吸湿容器。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂層(A)のガラス転移温度(Tg−A)と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)のポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg−B)とにおいて、(Tg−A)>0℃>(Tg−B)の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の吸湿容器。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂組成物層(B)が、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、少なくとも前記無機化合物を1〜100重量部含有する樹脂組成物からなり、その主成分となる前記ポリオレフィン樹脂が、シクロペンタジエニル誘導体の周期律表第III、IV、V、IV、IX、X族遷移金属原子からなる錯体、もしくは該金属錯体に必要に応じて、メチルアルミノキサンからなるシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン−αオレフィン共重合体(但し、αオレフィンは、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1,からなるC3〜C8、あるいはC9以上の高級αオレフィン)を必須成分として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸湿容器。
  5. 前記エチレン−αオレフィン共重合体が、密度0.930g/cm以下であり、曲げ弾性率が250MPa以下であることを特徴とする請求項4記載の吸湿容器。
  6. 前記無機化合物が、40℃−90%相対湿度下で少なくとも自重の10%以上吸湿能力を有し、該無機化合物が、ゼオライト、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩化合物、アルミナ、活性炭、粘土鉱物、シリカゲルの少なくとも1種以上から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸湿容器。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂、エチレン−環状オレフィン共重合体樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−αオレフィン共重合体樹脂であるとを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸湿容器。
  8. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)からなる外側容器と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)からなる内側容器を、それぞれ別工程で成形し、後工程で前記外側容器と内側容器とを一体化してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器。
  9. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)からなる外側容器と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)からなる内側容器のいずれか一方を成形した後、二色成形あるいはインサート成形により他のもう一方の容器とを一体化してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器。
  10. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)層と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)層を必須の層として含む単層あるいは多層積層体とを多層ブロー成形あるいは多層延伸ブロー成形により成形されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器。
  11. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)層と、前記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)層を必須の層として含む単層あるいは多層積層体とを共射出成形により成形されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸湿容器。
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