JP2004352745A - ポリ乳酸系発泡性樹脂粒子 - Google Patents

ポリ乳酸系発泡性樹脂粒子 Download PDF

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政治 宮川
Shinichi Fukunaga
真一 福永
Shinko Yama
真弘 山
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Abstract

【課題】未発泡状態での常温物流が可能なポリ乳酸系発泡性粒子を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂から成り、且つ発泡剤を5重量%以上含有するポリ乳酸系発泡性樹脂粒子において、該樹脂粒子の内部に含まれる含浸助剤含有量が0.3乃至2.0重量%であることを特徴とするポリ乳酸系発泡性樹脂粒子。
【効果】発泡性樹脂粒子内部の含浸助剤含有量を0.3乃至2.0重量%にすることによって、該樹脂粒子から発泡剤が散逸するのを抑制し、保冷することなしに未発泡状態での該樹脂粒子の常温での物流が可能である。これにより、低コストでのポリ乳酸系発泡性樹脂粒子が提供される。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸系発泡性樹脂粒子に関する。具体的には、輸送時に保冷車等の低温環境を必要とせず、常温での物流が可能となったポリ乳酸系発泡性樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在緩衝材用途に最も一般的に用いられている発泡ポリスチレンは、軽量、弾性、成形性等の点に特徴を有するが、その廃棄に関して、焼却処理の際には焼却炉を傷める原因となるばかりでなく、埋め立て処理の際には嵩高く且つ容易に分解しないといった問題点があるため、近年その解決が強く望まれている。
【0003】
上記の問題点を解決し得る手段として、生分解性を有する発泡体の開発が行われている。例えば、特許文献1などのポリブチレンサクシネート系樹脂からなるものが知られている。しかしながらこれに関しては、未発泡状態での輸送が不可能であるため、数十倍に発泡させた嵩高い状態で搬送しなければならず、輸送コストが数十倍高価になるうえ、成形の際に特殊な機台が必要であるなどの問題がある。
【0004】
一方、特許文献2等のポリ乳酸系樹脂からなる発泡体は、未発泡状態での輸送が可能であり、且つ発泡スチロールに使用する成形機を用いて成形できるという利点をもつ。しかしながら、輸送中の該樹脂粒子からの発泡剤の散逸を防いで高発泡倍率を保つためには、輸送時の該樹脂粒子温度を保冷車もしくは保冷剤や保冷コンテナ等で10℃以下の低温に保つ必要があり、保冷車を用いない場合に比較して物流コストが数倍高価になる問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特許第2609795号公報
【特許文献2】
特開2000−17037号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決しようとする課題は、輸送時に保冷車もしくは保冷剤や保冷コンテナ等による低温環境を必要とせず、常温での物流を行っても発泡倍率を保つことが可能なポリ乳酸系発泡性樹脂粒子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、発泡剤を5重量%以上含有するポリ乳酸系発泡性樹脂粒子において、該樹脂粒子の内部に含まれる含浸助剤含有量を0.3乃至2.0重量%にすることによって、常温での物流を行っても発泡倍率が低下しないことを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のポリ乳酸系発泡性樹脂粒子を構成するポリ乳酸系樹脂組成物は、主としてポリ乳酸系樹脂からなる。ポリ乳酸系樹脂組成物は、乳酸をモノマー単位として60モル%以上含む樹脂を51%以上含有していれば特に限定されないが、発泡スチロールの成形機で発泡粒子を成形する場合は、D体またはL体の比率が8%に満たないと予備発泡時に結晶化が進んで水蒸気(蒸気圧=〜14.7kPa)による成形が困難になるのでポリ乳酸系樹脂のD/L比率は8/92〜92/8であることが好ましい。
【0009】
ポリ乳酸系樹脂に、発泡に適した樹脂物性を与えるためには、多官能架橋剤、例えば多官能エポキシ化合物、無水多塩基酸類、多官能イソシアネート等をポリ乳酸末端基に反応させる方法が一般的に用いられる。この中でも、本発明においては多官能ポリイソシアネートが好ましく用いられる。
【0010】
ポリ乳酸系樹脂組成物には、主剤であるポリ乳酸系樹脂にコンパウンド可能であれば、所望の発泡倍率や成形性を損なわない範囲で、他のコンポスト化可能な合成高分子、天然高分子やその誘導体を混合しても良い。
【0011】
また、均一で微細な発泡セルを形成させるために発泡核剤を配合しても良い。使用する発泡核剤としては、例えば、タルク、シリカ、カオリン、ゼオライト、マイカ、アルミナ等の無機粒子が好適である。
【0012】
その他の添加剤についても、生分解性や安全性を大きく損なわない範囲で、目的に応じ適宜添加することが出来る。例えば熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、可塑剤等がある。
【0013】
本発明に使用するポリ乳酸系樹脂に、上述の各種高分子、添加剤や架橋剤等をコンパウンドする方法としては、通常の公知の方法が可能であるが、二軸混練機を用いて溶融混合する方法が最も一般的である。
【0014】
ポリ乳酸系樹脂組成物に発泡剤を含浸したポリ乳酸系発泡性樹脂粒子は、発泡性ポリスチレンビーズ等の製造に用いられる公知の方法により得ることができる。例えば、撹拌機能を備えたオートクレーブ内にポリ乳酸系樹脂組成物からなる樹脂粒子とともに発泡剤及び含浸助剤を投入し、昇温、昇圧して該樹脂粒子内部に発泡剤と含浸助剤を圧入する方法が挙げられる。またこのとき、適当な分散媒や分散剤などを併用して含浸することも可能である。
【0015】
本発明で用いる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン等の炭化水素、ジクロロジフルオロメタン等のフロンガス類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類などが挙げられるが、特にプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンが好ましく用いられる。
【0016】
また、本発明で用いる含浸助剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等の一価のアルコール類、あるいはケトン類、エーテル、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらの併用も可能であるが、中でも炭素数1乃至3の一価のアルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール)が好ましく用いられる。
【0017】
発泡剤及び含浸助剤の含有量(率)は目的とする発泡倍率などによって異なる。一般に、低発泡品は含有量(率)を小さく、高発泡品は含有量(率)を大きくすれば良い。
【0018】
特に、本発明によって得られる発泡性樹脂粒子を緩衝材等のクッション性が重視される用途に利用する場合には、高発泡品であることが不可欠である。この場合、発泡剤の含有量としては5重量%以上が必要である。
【0019】
こうして得られた発泡性樹脂粒子を、10乃至60℃の範囲において処理することにより、該樹脂粒子の内部に含まれる含浸助剤含有量を0.3乃至2.0重量%、好ましくは0.3乃至1.5重量%に調製することが必要である。含浸助剤の残存量が0.3重量%未満だと、含浸助剤が樹脂に及ぼす可塑化効果が低下し高発泡品が得られない。また、2.0重量%より多いと、常温下での該樹脂粒子からの発泡剤の散逸が抑制できず、発泡倍率が低下する。
【0020】
発泡性樹脂粒子を10乃至60℃の範囲において処理する具体的な方法としては、該樹脂粒子を通気可能な容器内に入れ、該樹脂粒子の雰囲気温度を10乃至60℃、より好ましくは20乃至50℃、更に好ましくは25乃至45℃に保つ方法が挙げられる。
【0021】
または、適当な容器内で、処理に供する発泡性樹脂粒子よりも十分多い体積の温水中に該樹脂粒子を浸漬する方法がある。温水の温度は、製造効率の観点から10乃至60℃が好ましい。より好ましくは20乃至50℃、更に好ましくは25乃至45℃の温水中に該樹脂粒子を浸漬する。温水の温度が極端に高いと、樹脂粒子を浸漬した際に発泡することもあるので、あまり高い温度にはしない。
【0022】
また、発泡性樹脂粒子を10乃至60℃の範囲において減圧乾燥しても良く、例えば真空乾燥機内に該樹脂粒子を投入して密閉し、該乾燥機内温度を10乃至60℃、好ましくは10乃至50℃に保ちつつ真空ポンプ等で機内圧力を減じながら含浸助剤を除去する方法などが例として挙げられる。
【0023】
得られた発泡性樹脂粒子は、加熱によって発泡させる。加熱方法はとくに限定されないが、例えば温水をはじめとする加熱した液状媒体中に浸漬する方法、ドライヤー等の温風に曝す方法、電子レンジによる高周波加熱等も使用可能であるが、工業的には水蒸気による加熱が好ましく用いられ、通常は発泡スチロールの予備発泡機を用いる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明する。尚、評価は下記の方法で行った。
【0025】
(測定方法)
(1)発泡粒子の発泡倍率:1Lメスシリンダーを用いて、かさ密度(g/L)を測定し、下記のように算出した。
発泡倍率(倍)=1000/かさ密度(g/L)
【0026】
(2)発泡性樹脂粒子内の発泡剤及び含浸助剤含有量測定方法:発泡性樹脂粒子を密閉したバイアル瓶内において200℃で10分間加熱した後、ヘッドスペースガスを抜き取りガスクロマトグラフィーで測定した。
【0027】
<製造例1>
重量平均分子量Mwが186,000、数平均分子量Mnが89,000、多分散度(Mw/Mn)が2.09、L体/D体=88.6/11.4のポリ乳酸(カーギルダウ)と、イソシアネート化合物「ミリオネートMR―200」(イソシアネート基2.7〜2.8当量/モル、日本ポリウレタン工業(株))2.1重量%、及びタルク「LMP―100」(富士タルク工業(株))3.0重量%を二軸混練機(TEM35B,東芝機械(株))にてシリンダー温度185℃で混練し、ペレット状のポリ乳酸系樹脂組成物を得た。
【0028】
この樹脂組成物を、オートクレーブに5000重量部、発泡剤としてイソブタン2000重量部、含浸助剤としてメタノール250重量部を仕込んで密封し、85℃まで昇温してから3時間同温度で保持した。その後、25℃に冷却してから樹脂を取り出し、発泡性樹脂粒子を得た。風乾後、ガスクロマトグラフィーで該樹脂粒子中の発泡剤及び含浸助剤含有量を測定した。また、該樹脂粒子を水蒸気(94℃、1分)で発泡させ、発泡倍率を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0029】
<製造例2>
製造例1の工程中で得られたペレット状の未含浸ポリ乳酸系樹脂組成物を、オートクレーブに5000重量部、発泡剤としてイソブタン2000重量部を仕込んで密封し、85℃まで昇温してから3時間同温度で保持した。その後、25℃に冷却してから樹脂を取り出し、発泡性樹脂粒子を得た。風乾後、ガスクロマトグラフィーにより該樹脂粒子中の発泡剤及び含浸助剤含有量を測定した。また、該樹脂粒子を水蒸気(94℃、1分)で発泡させ、発泡倍率を評価した。この結果を表1に示す。
【0030】
<実施例1、2、3、比較例1、2>
製造例1で得られた発泡性樹脂粒子を開放したバット内に入れ、表2に示す条件で処理した。その後、該樹脂粒子中の発泡剤及び含浸助剤含有量をガスクロマトグラフィーで測定した。また、該樹脂粒子を水蒸気(94℃、1分)で発泡させ、発泡倍率を評価した。さらに表3に示した条件に保たれた室内で保管した該樹脂粒子を水蒸気(94℃、1分)で発泡させ、発泡倍率を評価した。
【0031】
【表1】
Figure 2004352745
【0032】
【表2】
Figure 2004352745
【0033】
【表3】
Figure 2004352745
【0034】
表1より、製造例1は、発泡剤含有量が5重量%以上であるため高発泡品が得られた。一方、製造例2は、発泡剤含有量が5重量%に満たず、含浸助剤含有量も0.3重量%未満であるため発泡倍率が低く、緩衝材等のクッション性が重視される用途には適さなかった。
【0035】
表2、3より、実施例1、2、3は、いずれも35℃で保管した後の発泡倍率が初期発泡倍率から殆ど低下しなかった。一方、比較例1は含浸助剤を2.0重量%以上含有しているため、35℃での保管後に著しい発泡倍率の低下を起こした。また、比較例2は含浸助剤が0.3重量%に満たないため、含浸助剤が樹脂に及ぼす可塑化効果が小さく、発泡倍率が低下したが、保存中の発泡倍率の低下は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明のポリ乳酸系発泡性粒子は、従来の保冷輸送を必要とせずに常温での輸送が可能である。即ち、本発明により保冷物流の必要がないため物流コストが低く、且つ生分解性をもつポリ乳酸系発泡性樹脂粒子の提供が可能である。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸系樹脂組成物から成り、且つ発泡剤を5重量%以上含有するポリ乳酸系発泡性樹脂粒子において、該樹脂粒子の内部に含まれる含浸助剤含有量が0.3乃至2.0重量%であることを特徴とするポリ乳酸系発泡性樹脂粒子。
  2. 含浸助剤が炭素数1乃至3の1価のアルコールである請求項1に記載のポリ乳酸系発泡性樹脂粒子。
  3. 発泡剤が炭素数3乃至5のアルカンである請求項1に記載のポリ乳酸系発泡性樹脂粒子。
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